High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XE ソフトウェア、Cisco NX-OS ソフトウェア、およびシスコ ワイヤレス LAN コントローラ(WLC)AireOS ソフトウェアのスイッチ統合セキュリティ機能(SISF)の脆弱性により、認証されていない隣接する攻撃者が該当デバイスにサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、DHCPv6 パケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、巧妙に細工された DHCPv6 パケットを該当デバイスに送信することによって、本脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。不正利用に成功すると、攻撃者は該当デバイスのリロードを引き起こし、その結果 DoS 状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-sisf-dos-ZGwt4DdY
このアドバイザリは、2025 年 5 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: May 2025 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、以下のシスコソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行し、SISF が有効になっているシスコ製品に影響を与えます。
- IOS ソフトウェア(CSCwk04230)
- IOS XE ソフトウェア(CSCvq14413)
- WLC 用の IOS XE ソフトウェア(CSCvo13585)1
- WLC AireOS ソフトウェア(CSCwj88828)
1. WLC 用の Cisco IOS XE ソフトウェアについては、16.11 以前のリリースのみが脆弱であり、サポートは終了しています。詳細については、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
この脆弱性は、Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行し、SISF が有効になっている、以下のシスコ製品にも影響を与えます。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ(CSCwk02672)
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ(CSCwk02785)
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ(CSCwk02672)
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイス設定の確認
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco IOS XE ソフトウェアでは、SISF はデフォルトで有効になっていません。デバイスで SISF が有効になっているかどうかを確認するには、show device-tracking policies または show ipv6 snooping policies CLI コマンドを使用します(このコマンドはソフトウェアリリースによって異なる場合があります)。 出力に何らかのポリシーが表示されている場合、SISF は有効です。以下の例は、該当デバイスでこれらのコマンドが発行された場合の出力例を示しています。
switch# show device-tracking policies
Target Type Policy Feature Target range
vlan 1150 VLAN default Device-tracking vlan all
switch# show ipv6 snooping policies
Target Type Policy Feature Target range
vlan 1150 VLAN default Device-tracking vlan all
WLC 用の Cisco IOS XE ソフトウェア
WLC 用 の Cisco IOS XE ソフトウェアでは、SISF はデフォルトで有効になっています。デバイスで SISF が有効になっているかどうかを確認するには、show wireless device-tracking database ip CLI コマンドを使用します。以下の例に示すように、出力に何らかのエントリが表示されている場合、SISF は有効です。
wlc# show wireless device-tracking database ip
IP ZONE/VRF-TABLE-ID STATE DISCOVERY MAC VRF-NAME
--------------------------------------------------------------------------------------
fd12:3456:789a:1::1 0x00000000 Reachable IPv6 NDP aaaa.aaaa.aaaa
10.10.10.20 0x00000000 Reachable IPv4 DHCP bbbb.bbbb.bbbb
Cisco WLC AireOS ソフトウェア
Cisco WLC AireOS ソフトウェアでは、この脆弱性の影響を受けるデバイスは IPv6 の設定によって異なります。デバイスが影響を受けるかどうかを判断するには、show ipv6 summary CLI コマンドを使用します。以下の例に示すように、出力で「Global Config」が「enabled」とマーキングされている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
(controller)> show ipv6 summary
Global Config............................... Enabled
.
.
.
Cisco NX-OS ソフトウェア
Cisco NX-OS ソフトウェアでは、SISF はデフォルトで有効になっていません。デバイスで SISF が有効になっているかどうかを確認するには、show ipv6 snooping policies CLI コマンドを使用します。出力に何らかのポリシーが表示されている場合、SISF は有効です。以下の例は、該当デバイスでこれらのコマンドが発行された場合の出力例を示しています。
switch# show ipv6 snooping policies
Target Type Policy Feature Target range
vlan 100 VLAN dhcpguard-sample-policy DHCP Guard vlan all
vlan 200 VLAN dhcpguard-sample-policy-2 DHCP Guard vlan all
vlan 300 VLAN default Snooping vlan all
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションにリストされている製品だけがこの脆弱性の影響を受けることが知られています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- IOS XR ソフトウェア
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- Meraki 製品
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ
- ACI モードの Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ
- Cisco Secure Firewall 3100 シリーズ
- Cisco Secure Firewall 4200 シリーズ
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6500 シリーズ ファブリック インターコネクト
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。右側の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。このセクションの表に記載されている適切な修正済みソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
ワイヤレス LAN コントローラ用の Cisco IOS XE ソフトウェアリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
16.11 以前1 | 修正済みリリースに移行。 |
16.12 | 脆弱性なし |
17 | 脆弱性なし |
Cisco WLC AireOS ソフトウェアリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
8.9 以前 | 修正済みリリースに移行。 |
8.10 | 8.10.196.0 |
シスコの Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正済みリリース情報のみを検証します。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS および IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。 また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。あるいは、次のフォームを使用して、シスコ セキュリティ アドバイザリに該当するリリースであるかどうかを確認します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- リリース番号(例:15.9(3)M2、17.3.3)を入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
Cisco NX-OS ソフトウェア
お客様が Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。 また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco Nexus 3000 シリーズ スイッチの場合は 7.0(3)I7(5)、ACI モードの Cisco NX-OS ソフトウェアの場合は 14.0(1h) です。
- [チェック(Check)] をクリックします。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2025 年 5 月 7 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。