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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XRソフトウェアのアドレス解決プロトコル(ARP)実装における脆弱性により、認証されていない隣接する攻撃者がブロードキャストストームを引き起こし、該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、Cisco IOS XRソフトウェアが管理インターフェイスにヒットするARPトラフィックを高いレートで継続して処理する方法に起因します。特定の条件下で、攻撃者は該当デバイスの管理インターフェイスに大量のトラフィックを送信し、ARP処理能力を超過させることで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。不正利用に成功すると、デバイスのパフォーマンスの低下、管理接続の喪失、およびシステムの完全な無応答が発生し、DoS状態につながる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-iosxr-arp-storm-EjUU55yM
このアドバイザリは、Cisco IOS XRソフトウェアSecurity Advisoryバンドル公開の2025年9月リリースの一部です。これらのアドバイザリとリンクの一覧については、『シスコイベントレスポンス:Cisco IOS XRソフトウェアに関するセキュリティアドバイザリ公開資料(半年刊、2025年9月)』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS XRソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行していて、管理インターフェイスがアップ状態のIPアドレスで設定されているシスコデバイスに影響を与えます。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイス設定の確認
管理インターフェイスが起動していてIPアドレスが割り当てられているかどうかを確認するには、次の例に示すように、show interfaces MgmtEth 0/RP0/CPU0/0コマンドを実行します。
# show interfaces MgmtEth 0/RP0/CPU0/0
MgmtEth0/RP0/CPU0/0 is up, line protocol is up Internet address is 192.0.2.254/16
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションにリストされている製品だけがこの脆弱性の影響を受けることが知られています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
セキュリティ侵害の痕跡
輻輳が原因で、該当デバイスはARPプロセスに関連付けられた内部キューから繰り返しパケットをドロップします。次の例のようなログエントリが、デバイスのシステムログに継続的に表示されます。
RP/0/RP0/CPU0:2025 Sep 10 14:54:04.800 EDT: netio[408]: %PKT_INFRA-PQMON-6-QUEUE_DROP : Taildrop on XIPC queue 1 owned by arp (jid=330)
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
注:Local Packet Transport Services(LPTS)では、管理イーサネット(MgmtEth)インターフェイスで受信されたトラフィックに対する保護やレート制限は提供されません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェア リリースまたはトレインを記載しています。右側の列は、リリース(トレイン)がこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
Cisco IOS XRソフトウェアリリース | 第 1 修正済みリリース |
---|---|
7.11 以前 | 修正済みリリースに移行。 |
24.1 | 修正済みリリースに移行。 |
24.2 | 24.2.21 |
24.3 | 修正済みリリースに移行。 |
24.4 | 修正済みリリースに移行。 |
25.1 | 25.1.2 |
25.2 | 25.2.1 |
必要なコード変更の性質上、シスコはこの脆弱性に対処するSMUをリリースしません。
シスコの Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正済みリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2025年9月10日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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