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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS ソフトウェアのシスコ産業用イーサネット スイッチ デバイス マネージャ(DM)に存在する脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が特権昇格できる可能性があります。
この脆弱性は、認証されたユーザーの権限の検証が不十分であることに起因します。攻撃者は、該当デバイスに巧妙に細工された HTTP 要求を送信することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は特権レベルを 15 に昇格できる可能性があります。
この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は特権レベル 5 以上のユーザーアカウントの有効なログイン情報を取得している必要があります。読み取り専用 DM ユーザーには、特権レベル 5 が割り当てられます。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ios-http-privesc-wCRd5e3
このアドバイザリは、2025 年 5 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: May 2025 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、脆弱な Cisco IOS ソフトウェアリリースを実行し、HTTP が有効になっている、以下のシスコ産業用イーサネット シリーズ スイッチに影響を及ぼします。
- IE 2000 シリーズ
- IE 4000 シリーズ
- IE 4010 シリーズ
- IE 5000 シリーズ
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
HTTP サーバ設定の確認
デバイスで HTTP サーバー機能が有効になっているかを確認するには、デバイスにログインして、CLI で show running-config | include ip http server|secure|active コマンドを使用して、グローバル コンフィギュレーションに ip http server コマンドまたは ip http secure-server コマンドがあるかどうかを確認します。どちらかのコマンドが含まれている場合は、HTTP サーバー機能が有効です。
以下の例は、HTTP サーバー機能が有効になっているデバイスで show running-config | include ip http server|secure|active コマンドを実行した場合の出力を示しています。
Router# show running-config | include ip http server|secure|active
ip http server
ip http secure-server
注:デバイス設定にどちらかのコマンドまたは両方のコマンドが含まれている場合は、HTTP サーバー機能が有効になっています。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションにリストされている製品だけがこの脆弱性の影響を受けることが知られています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- このアドバイザリの「脆弱性のある製品」セクションにリストされていないデバイスで実行されている IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- Meraki 製品
- NX-OS ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、緩和策があります。
HTTP サーバ機能を無効にすると、この脆弱性に対する攻撃ベクトルが排除されるため、対象デバイスのアップグレードが可能になるまでの適切な対応策となる可能性があります。HTTP サーバー機能を無効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで no ip http server または no ip http secure-server コマンドを使用します。HTTP サーバーと HTTPS サーバーの両方を使用している場合、HTTP サーバー機能を無効にするには、両方のコマンドが必要です。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS および IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。 また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。あるいは、次のフォームを使用して、シスコ セキュリティ アドバイザリに該当するリリースであるかどうかを確認します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- リリース番号(例:15.9(3)M2、17.3.3)を入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
シスコは、この脆弱性を報告していただいた Rockwell Automation 社の Jacek Strzalkowski 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2025 年 5 月 7 日 |
利用規約
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