データセンター ユーザ事例

新本社のネットワーク基盤に Cisco Nexus を採用。FabricPath の活用で高い運用性と安定性を実現

新本社のネットワーク基盤に Cisco Nexus を採用FabricPath の活用で高い運用性と安定性を実現

2012 年 10 月に本社を移転した株式会社スクウェア・エニックスは、新本社のネットワークを Cisco Nexus で構築した。採用の決め手は FabricPath の実装。これによりスケーラブルなレイヤ 2 ネットワークの構築が可能になり、シンプルで柔軟な運用が実現できた。また優れたパフォーマンスや安定性も高く評価されている。

導入の経緯〜導入プロセス
さらなる高速化が求められた新本社ネットワーク
運用性と安定性の高さも必須条件に


二大RPGと言われる「ファイナルファンタジー」と「ドラゴンクエスト」の制作会社として知られ、これらの他にも上質なエンタテインメントコンテンツを数多く提供している株式会社スクウェア・エニックス。同社は 2012 年 10 月に本社を移転した。これに合わせて IT 環境を再構築、社内ネットワークも刷新されている。

「以前のネットワークは 10 年程前に構築したものですが、当時からやりとりされるデータ量が多く、コアスイッチには 10Gbps のポートを実装していました」と振り返るのは、株式会社スクウェア・エニックス 情報システム部 マネージャーの森 竜也氏。ゲーム制作現場では毎日のように大容量コンテンツがダウンロードされており、そのデータ量は年々増え続けていると言う。最近では各開発者が毎朝ダウンロードするデータ量は、数GB〜数十GB に上っている。そのため新しいネットワークは、各フロアへのディストリビューションに、数十GB のポートを用意することが必須条件だったと説明する。

その一方で「運用管理性の向上も重要な課題でした」と指摘するのは、株式会社スクウェア・エニックス 情報システム部の田坂 圭氏だ。ゲーム開発で求められるネットワーク要件はプロジェクト毎に異なっており、柔軟な対応が求められる。しかし以前のネットワークは複数ベンダーの機器が混在しており、設定変更に手間がかかっていた。また障害発生時の原因究明も困難だった。原因不明の障害も数回発生しており、これによって開発業務が止まったこともあると言う。

これらの問題を解決するために採用されたのが、Cisco Nexus だ。その最大のポイントは FabricPath の存在である。このテクノロジーを活用することで、レイヤ2のシンプルさとレイヤ3の信頼性・スケーラビリティを兼ね備えたネットワークが構築できるからである。

「開発者が求める帯域の提供と、開発業務を止めない安定性が、新しいネットワークには求められました。Cisco Nexus はゲーム配信等で使っているデータセンターでも採用していますが、十分なパフォーマンスと安定性を発揮しています。FabricPath を実装した Cisco Nexus なら、ディストリビューションレベルで 100Gbps を視野に入れた高速ネットワークが実現できる上、ネットワーク全体がシンプルになるため運用性も向上すると評価しました」(森氏)。

2012年1月には Cisco Nexus の採用を決定。8月までに新本社でのネットワーク構築を完了し、9月に本番稼働に入っている。なお新本社にはIP電話も導入されており、ここでもシスコ製品が採用されている。

ネットワーク構成図

ネットワーク構成図

導入効果〜今後の展開
FabricPath で運用管理がシンプルかつ柔軟に
将来はゲーム配信での活用も検討


新本社のネットワークは、コアに Cisco Nexus 7009、ディストリビューションに Cisco Nexus 5548UP が使用されており、コア〜ディストリビューションは FabricPath で統合されている。それぞれの Cisco Nexus 5548UP は 10Gbps で Cisco Nexus 7009 と接続されており、フロア当たりの帯域は最大 100Gbps。エッジスイッチには Cisco Catalyst 2960S を使用、各座席に対して 1Gbps×4 ポートを配置しており、エッジポートの総数は 1 万 4000 に達している。

一般企業で FabricPath を導入するのは国内初のケースだが、ネットワークは非常に安定しており、トラブルは全く発生していない。パフォーマンスも高く、ユーザーからも「使いやすくなった」という声が寄せられていると森氏は言う。

プロジェクト毎に VLAN を設定するといった作業も行いやすくなった。コアから各フロアのディストリビューションまでを、まるで大きな1つのコアのように扱えるようになったからだ。「設定コマンドを 1 回入力すれば、その結果が FabricPath に含まれるすべてのスイッチに反映されます」と田坂氏。入力したコマンドが、ネットワーク全体に“しみわたっていく”イメージだと言う。

ポートのトレーサビリティも向上している。ゲーム開発現場では開発途上のゲーム機が接続されることが多く、MAC アドレス不正による障害や、ブロードキャスト ストームが発生する危険性が高い。以前はどのポートで問題が引き起こされたのかを究明するのに時間がかかっていたが、現在ではディストリビューション ポートのレベルまで可視化されており、どのフロアのどのエリアに問題原因があるのかがすぐにわかるようになっている。

ネットワーク メンテナンスの際も、ネットワークを止める必要性が小さくなると期待されている。メンテナンス対象となるスイッチのトラフィックを、他のスイッチのパスで代替できるからだ。2013 年 6 月に予定されている大規模なメンテナンスはネットワークを停止して実施する計画になっているが、それ以降のメンテナンスは開発業務を止めることなく実施できる可能性が高い。

「FabricPath で次世代ネットワークを構築するというコンセプトは、間違っていなかったと実感しています」と森氏。今後はゲーム配信等で使用しているデータセンターでも、新規プロジェクトのネットワークで FabricPath を利用することができないか検討されている。例えば、「大型の MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)では相互通信量が多く、大規模なレイヤ 2 ネットワークが必要です。このような要件に対し、FabricPath は最適なソリューションだと考えています」。

株式会社スクウェア・エニックス

株式会社スクウェア・エニックス
所在地
東京都新宿区新宿 6 丁目 27 番 30 号
新宿イーストサイドスクエア
設立
2008(平成 20)年 10 月
資本金
15 億円(2013 年 3 月 31 日現在)
従業員数
1,814 人(単体、2013 年 3 月 31 日現在)
売上高
713 億 2,900 万円(平成 25 年 3 月期)

日本を代表するゲーム制作会社。2003 年(平成 15 年)4 月に、株式会社エニックスと株式会社スクウェアの合併により誕生した。代表的なタイトルは、二大 RPG と言われる「ファイナルファンタジー」と「ドラゴンクエスト」。「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する。」を企業理念に、上質なエンタテインメントコンテンツを提供し続けている。

導入ソリューション

  • Cisco Nexus 7009
  • Cisco Nexus 5548UP
    (FabricPath)

導入前の課題・検討事案

  • ゲーム開発現場では大容量ネットワークが必要。以前のネットワークもコアスイッチに 10Gbps のポートを用意していたが、新しいネットワークはディストリビューション レベルで数十 Gbps の帯域が求められた。
  • 運用性や安定性も必須条件だった。ネットワークが停止すると開発業務も止まってしまうからである。

導入効果

  • コアに Cisco Nexus 7009、ディストリビューションに Cisco Nexus 5548UP を使用することで、ディストリビューション レベルで 100Gbps を実現可能な広帯域でパフォーマンスの高いネットワークを構築できた。
  • FabricPath の活用によって、コア〜ディストリビューションまでを巨大な1つのコアとして扱えるようになり、運用性が向上した。
  • ネットワークの安定性も高まった。
株式会社スクウェア・
エニックス
情報システム部
マネージャー
森 竜也 氏

株式会社スクウェア・
エニックス
情報システム部
マネージャー
森 竜也 氏

株式会社スクウェア・
エニックス
情報システム部
田坂 圭 氏

株式会社スクウェア・
エニックス
情報システム部
田坂 圭 氏