システム リカバリ

この章では、電源オフサイクルの後に再起動が失敗に終わった場合、または reload コマンドの後に通常のブートシーケンスが中断した場合に、システムを回復する方法について説明します。


注意    


このシステムリカバリプロセスでは、既存のフローをドロップし、起動間隔中にトラフィックが処理されないようにすることによって、サブスクライバサービスを中断します。これは、緊急措置としてのみ開始する必要があります。


この章は、次の項で構成されています。

前提条件

再起動の失敗から回復するには、ハイパーバイザコンソールを介した VPC-SI または VPC-DI CF VM へのアクセスが許可されている必要があります。またハイパーバイザにアクセス可能な StarOS .bin および .iso イメージファイルの破損していないコピーが必要です。

コンソールアクセス

ブートリカバリシーケンスは、ハイパーバイザコンソールからのみ実行できます。

起動イメージ

SYSLINUX ブートローダーでは、システムを起動する起動イメージの優先順位を指定できます。ソフトウェアのアップデート後に VPC VM のリロードに失敗した場合は、以前に保存したイメージから起動を開始できます。

システムリカバリのプロセスによって、システムの起動元となる StarOS 起動イメージの場所のパス名を入力するように求めるプロンプトが表示されます。デフォルトでは、boot コマンドはタイムアウトし、デフォルトの構成ファイルを使用して、フラッシュメモリから優先順位の最も高いイメージのリロードを試みます。

StarOS のソフトウェアは、単一のバイナリファイル(ファイル拡張子 .bin)として提供され、システム全体の単一インスタンスとしてロードされます。
  • イメージファイル名は、プラットフォームタイプとリリース番号で識別されます。Format = platform-release_number.bin.

マルチブートの優先順位が提供され、それぞれが起動イメージ(.bin)と構成ファイルで構成されます。起動優先順位の番号が最も小さいものが、起動のたびに自動的に起動されます。ただし、スタートアップ時に SYSLINUX "boot:" プロンプトで番号を入力することにより、異なる優先順位を手動で起動できます。


(注)  


VPC VM は、ネットワークからの起動をサポートしていません。ローカル vHDD からのみ起動できます。


起動スタックのエントリと優先順位付けの詳細については、「ソフトウェア管理の運用」の章の「起動スタックの設定」の項を参照してください。

ブート CLI へのアクセス

ブート CLI にアクセスするには、進行中のリロード (リブート) シーケンスを中断する必要があります。


注意    


このシステムリカバリプロセスでは、既存のフローをドロップし、起動間隔中にトラフィックが処理されないようにすることによって、サブスクライバサービスを中断します。これは、緊急措置としてのみ開始する必要があります。


再起動の開始

リロードは、ハイパーバイザ GUI を介して VM を再起動することによって開始されます。これにより、SYSLINUX ブートローダーが自動的に起動します。

ブートシーケンスでは、プロセスをステップ実行する際に、コンソールにメッセージが表示されます。

boot: プロンプトで、目的のブートファイルの優先順位番号を入力します。

Enter CLI Mode

起動プロンプトが表示されたら、cli と入力して起動リカバリの CLI にアクセスします。CLI プロンプトが次のように変更されます。

8/0:boot>cli 
8/0:cli> 

boot コマンドシンタックス

boot recovery コマンドのシンタックスは次のとおりです。

boot [ -show | -priority=* | -config=* | -noconfig ] { bootfile_URL } 
このコマンドのオプションは、次のようなものがあります。
  • -show:現在の起動設定を表示します。
  • -priority = *:必要な起動スタックの優先順位(*)を選択します 。
  • -config = *:デフォルトファイルでない場合は、必要な設定ファイル名(*)を入力します。
  • -noconfig:設定ファイルを使用せずに起動します。

bootfile_URL は、StarOS 起動イメージファイルの場所の URL です。システムを起動する StarOS .bin ファイルのパスとファイル名を指定します。

URL は、管理カードに接続されているメモリデバイス上のローカルファイル(flash)や外部ファイルを参照できます。URL は次の形式で入力する必要があります。

{ /flash | /pcmcia1 | /usb1 }/filename 

起動できないシステムからの復旧

VPC が起動できなくなった場合(すべてのイメージを削除したり、起動優先順位を誤って設定したなど)、インストーラ ISO(.ssi.iso ファイル)を起動するか、第 2 のオプション(recover)を選択することで、復旧できます。このオプションでは、起動可能な新しい .bin ファイルをインストールし、新しい起動優先順位リストを作成します。vHDD は再フォーマットされません(これを実行するにはオプション 1 を選択)。そのため、設定ファイルが保持されます。