モノづくり日本の復権を支える町工場のネットワーク

INDEX

  1. 高い技術力と逆転の発想で元気な町工場
  2. 町工場にも景気回復の光が差し込み始めた
  3. 町工場をネットワークしてモノづくりを支援
  4. 日本のモノづくり復権に向けたネットワークの役割

町工場をネットワークしてモノづくりを支援

創立 8年のエヌシーネットワークは、現在 5~30人規模の町工場が 9,000社、100人以上の工場 3,000社が参加する日本最大のモノづくりネットワークに成長した。

「メールの問い合わせに対して、大きなところは担当者が経営者でないのでビジネスチャンスかどうかという嗅覚が鈍い。小さな工場では経営者がメールの窓口になっているので、ビジネスチャンスか冷やかしかを即断でき、即座に行動できるので取引実績も上がります。これは、小さいところほど二代目、三代目が社長になっており、新しい仕事に積極的に取り組むフットワークの軽さが影響しています。一方、大きな工場は固定客が決まっていてあまり冒険をしないので、成約件数は少なくなる傾向にあります」 (内原社長)

メッキなどコンピュータを必要としないところを除けば、99%の町工場は CAD /CAM を使っているというから、エヌシーネットワークを利用する町工場が 1万社を超えることもうなずける。実際に系列を超えた取引がネットワーク上で活発に行われている (5~6割が自動車関連、2割が弱電、その他) 。もともと町工場の経営者は技術屋なので、コンピュータが便利だとわかればコンピュータを使うことに抵抗感は少ないようだ。

こうしたコンピュータの壁を乗り越えた町工場が、エヌシーネットワークを活用して仕事の受発注を行っている。たとえば、仕事の発注者はエヌシーネットワークの Web サイトに発注情報を掲載し、それを見た会員が応募することで受注できる仕組みだ。発注者は複数の応募者から最適な会社を選ぶことができ、受注者は自社の強みを発揮できる発注情報を選んで応募することができる。エヌシーネットワークは受発注仲介の場を提供することで、実際のビジネスは当事者同士で行う。会員は年会費 3,000円を払うだけでこの仕組みを利用できるのだ。

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