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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Unified CCX で使用できるリファレンス設計について説明します。サポートされている配置モデルとコール処理要件に必要なサーバの数およびタイプを決定するには、Cisco Collaboration Sizing Tool を使用します。ツールを使用する前に、目的に適した配置モデルを把握しておく必要があります。
Cisco Unified Intelligence Center および Cisco Finesse は Unified CCX と同じ仮想マシン(VM)上に配置され、すべての Unified CCX リファレンス設計をサポートします。
次の表は、Unified CCX でサポートされるリファレンス設計を示しています。これらのモデルは、使用するサーバ モデルとは関係がありません。Cisco Collaboration Sizing Tool は、必要な最小のサーバ モデルを特定します。この章では、これらの各リファレンス設計について、設計上の一般的ルールおよび考慮事項と制限事項を示します。この情報により、Unified CCX システムのプランナや設計者は、他の類似するリファレンス設計で何がサポートされているかを把握することができます。また、特定の一連の要件に対して最適なソリューションを決定する方法を理解できます。
Unified CCX リファレンス設計 |
サーバ 1 上の Unified CCX コンポーネント |
サーバ 2 上の Unified CCX コンポーネント |
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単一サーバ非ハイ アベイラビリティ配置モデル:Unified Communication Manager 統合 |
Engine、Database、Recording、Monitoring、Reporting、Desktop、Cisco Identity Service コンポーネント |
— |
2 サーバ ハイ アベイラビリティ配置モデル:Unified Communication Manager 統合 |
Engine、Database、Recording、Monitoring、Reporting、Desktop、Cisco Identity Service コンポーネント |
Engine、Database、Recording、Monitoring、Reporting、Desktop、Cisco Identity Service コンポーネント |
(注) | Unified CME と統合した Unified CCX 配置モデルは、9.0(1) 以降のバージョンではサポートされません。 |
(注) | Unified Communication Manager と統合した Unified CCX に ASR と TTS を追加できます。ASR ソフトウェアと TTS ソフトウェアはシスコから提供されていません。このソフトウェアは他のベンダーから購入する必要があります。これらのベンダーから、そのソフトウェアの設計要件およびサーバのサイジング要件が提供されていることがあります。 |
(注) | LAN 上のハイ アベイラビリティ配置では、1/2 秒ごとにハートビートが送信され、5 つのハートビートが連続して失敗するとフェールオーバーが発生します。WAN 上のハイ アベイラビリティ配置では、毎秒ハートビートが送信され、10 のハートビートが連続して失敗するとフェールオーバーが発生します。これらの値は設定できません。 |
Unified Communications Manager サーバを同じキャンパス LAN に配置し、Unified CCX と通信する CTI マネージャを実行することができます。WAN 経由で展開された Unified CCX サーバの場合は、サイトの冗長性を高めるために、両方のサイトにローカル Unified Communications Manager サーバを展開します。
ハイ アベイラビリティ配置で録音を使用する場合、Recording コンポーネントが冗長であることが必要です。
Unified CCX 配置のすべてのエージェントは、同じ Unified CM クラスタに登録している電話を使用する必要があります。別の Unified CM クラスタ上のデバイスと発信者からのコールは、クラスタ間トランクを使用して受信できます。
IP-IVR が Unified CCE 環境に配置されている場合は、ハイ アベイラビリティはサポートされません。
Unified CCX ソフトウェアとデータベースのバージョンは、ハイ アベイラビリティ配置内のマスターとスタンバイの両方のノードに対して同じである必要があります。
Unified CCX ソリューションはソフトウェア コンポーネントとハードウェア コンポーネントの組み合わせと連動して、複雑なスクリプト、カスタム コード、ドキュメントなどを実行できる、オープンで柔軟な環境を提供します。仮想メモリや CPU などのソフトウェア/ハードウェア コンポーネントをオーバーロードすると、ソリューションのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。実稼働セットアップにロードする前に、スクリプト、カスタム コード、ドキュメントを確認して最適化してください。また、ディスク スペースや CPU 使用率など、システム コンポーネントとハードウェア属性を常にモニタしてください。
Quality Management と Workforce Management はそれぞれ別の VM にインストールする必要があり、Cisco Unified CCX とも異なる VM にインストールする必要があります。本リリースでは、Unified CCX 上にインストールしたり、Quality Management と Workforce Management を同じ VM にインストールしたりするなど、他のソフトウェアとのいかなる形の共存もサポートされていません。
Unified CCX は、デバイスの制御にサード パーティ製アプリケーションを使用すること(TAPI の使用など)をサポートしていません。
Workforce Management と Quality Management に関する配置の詳細については、次の Web サイトにある『Cisco Workforce Optimization System Configuration Guide』を参照してください。
以下の項では、Unified CCX リファレンス設計について説明します。
単一サーバ非ハイ アベイラビリティでの Unified CCX と Unified CM の統合は、小規模導入向けです。このリファレンス設計では、すべての Unified CCX ソフトウェア コンポーネントの単一インスタンスを同じサーバ上に配置し、Informix Dynamic Server をデータベース サーバとして使用します。
このリファレンス設計を使用すれば、プライマリ CTI Manager で障害が発生した場合に、Unified CCX Engine をバックアップ CTI Manager にフェールオーバーできます。CTI ポートと CTI ルート ポイントは、CTI Manager との JTAPI 通信で使用するのと同じプライマリおよびセカンダリ サーバ リストを持つデバイス プールにグループ化する必要があります。
このリファレンス設計は、ハイ アベイラビリティを必要とする中小規模のコンタクト センター向けです。このリファレンス設計では、Cisco Finesse Agent Desktop を使用して、冗長 Unified CCX エンジン、データベース、録音、モニタリングのコンポーネントを組み込みます。
データベースの同期には Informix IDS レプリケーションが使用されます。
このリファレンス設計は、デスクトップ モニタリングを使用して、WAN に接続された任意のサイトにあるエージェントに対し、サイレント モニタリングと録音をサポートできます(デスクトップ モニタリングをサポートしている電話の一覧については、『Cisco Unified CCX Software and Hardware Compatibility Guide』(http://docwiki.cisco.com/wiki/Compatibility_Matrix_for_Unified_CCX)を参照してください)。また、Unified CCX サーバにローカル接続された VLAN セグメント上のエージェントに対し、SPAN ポート モニタリングもサポートできます。このリファレンス設計では、デスクトップ モニタリングを使用するすべてのエージェントと(場所は無関係)、ローカル VLAN 上のエージェントに対して、SPAN ポート モニタリングを使用し、録音とサイレント モニタリングの両方に対して冗長性を提供します。サイレント モニタリングおよび録音は、リモート サイトで Cisco Finesse IP Phone Agent を使用しているエージェントでは実行できません。同様に、デスクトップ モニタリングをサポートしていない電話を使用している、リモート サイトにあるエージェントに対しては、サイレント モニタリングと録音はできません。
このリファレンス設計を使用すれば、プライマリ サーバで障害が発生した場合に、どちらかの Unified CCX Engine コンポーネントをバックアップ CTI Manager にフェールオーバーできます。CTI ポートと CTI ルート ポイントは、CTI Manager との JTAPI 通信で使用するのと同じプライマリおよびセカンダリ サーバ リストを持つデバイス プールにグループ化する必要があります。
(注) | HA 配置では、スタンバイ エンジン ノードにあるデータベースから履歴データが得られます。HA 配置の場合は、稼働時間中により多くの履歴レポート セッションがサポートされます。 |
Unified CCX システムを設計する際は、次のことを考慮してください。
ハイ アベイラビリティでは、追加のディスク スペースが必要なため、履歴コール レポート容量が減る可能性があります。履歴コール レポート容量は、BHCC、1 日あたりの運用時間、週あたりの運用日数にも依存します。
G.711 コールの録音には、1 分あたり 1 MB 必要です。G.729 コールの録音には、1 分あたり 256 KB 必要です。
次のデータ カテゴリがハード ディスク スペースを使用します。
Unified CM サイジング ツールは、すべてのサーバにデバイスが均等に分散されることを前提としています。CTI ルート ポイントは、プライマリ CTI Manager が使用される際の、Cisco Unified Communications Manager サーバのデバイス プールの一部として設定されています。場所またはサーバごとに、Cisco Unified Communications Manager サイジング ツールの実行が必要になる場合があります。
Unified CM SIGQ(Q シグナリング)のパス置換機能は、Unified CCX のコールではサポートされていません。
Unified CM の Forced Authorization Codes と Client Matter Codes は、Unified CCX によって使用される Unified CM クラスタ内のすべてのルート パターンに対して無効にする必要があります。Unified CCX で使用されていないルート パターンに対してこれらの機能を有効にしても、Unified CCX には影響しません。
Unified CM と Unified CCX を併用した場合にサポートされていない機能の一覧については、Unified CCX の最新のリリース ノートを参照してください。
Unified CCX は、Unified CM および Unified CM プラットフォーム上のエージェント デバイスとして、さまざまな Finesse IP フォンのセットをサポートしています。ただし、すべてのエージェント デバイスを IP Phone Agent として使用できるわけではありません。サポートされているエージェント デバイスの完全なリストについては、次の Web サイトにある『Cisco Unified CCX Software and Hardware Compatibility Guide』を参照してください。http://docwiki.cisco.com/wiki/Compatibility_Matrix_for_Unified_CCX
また、各エージェントがサインイン ページの言語セレクタ ドロップダウン リストから言語を選択して設定できます。
Cisco Finesse Agent Desktop を使用しているエージェントは、Extension Mobility を使ってログインできますが、エージェントの電話が Unified CCX が使用する Unified CM クラスタ内にある必要があります。
新しいリリースの Unified CM は、カスタマー配布(FCS)直後は Unified CCX をサポートしていない場合があります。Unified CCX が同じ Unified CM クラスタにインストールされている場合、新しい Unified CM リリースを早期に導入した組織では、新しい Unified CM リリースへの移行と Unified CM の新機能の使用が遅れることがあります。したがって、状況によっては、Unified CCX とは別の Unified CM クラスタを備えるほうが理にかないます。
Cisco Jabber は 2 種類のモード(デスクフォン モードとソフトフォン モード)で実行します。Unified CCX は、ソフトフォン モードのエージェント デバイスとしてのみ Cisco Jabber をサポートします。
(注) | Cisco Jabber はリモート エージェントでサポートされます。 |
エージェント電話として Cisco Jabber を使用している場合は、ビデオがサポートされるようになりました。Jabber をビデオに使用するエージェント デスクトップは、『Release Notes for Cisco Jabber for Windows』(
http://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/jabber-windows/products-release-notes-list.html )および『Release Notes for Cisco Jabber for Mac』( http://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/jabber-mac/products-release-notes-list.html
)に従う必要があります。エージェントの電話として Cisco Jabber for Windows を使用している場合、次の機能はサポートされません。
複数の Unified CCX クラスタと単一の Cisco Unified Communications Manager クラスタを統合できます。
(注) | すべての Unified CCX クラスタで使用されるエージェントの電話、CTI ポート、CTI ルート ポイントの組み合わせを使用して、Unified CM をサイジングする場合は、単一の Unified CM クラスタでサポートされる Unified CCX クラスタの数に制限はありません。 |
複数の CTI Manager が必要かどうかを判断するには、『Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND)』を参照してください。このガイドは http://www.cisco.com/go/ucsrnd にあります。
複数の CTI Manager が必要な場合は、最大の復元性、パフォーマンス、冗長性を提供するために、Unified CCX と他の CTI アプリケーションをクラスタ内の各 CTI Manager にロード バランシングします。
CTI Manager のベストプラクティスについては、『Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND)』を参照してください。このガイドは http://www.cisco.com/go/ucsrnd にあります。
構成をサポートするために複数のプライマリ サブスクライバが必要な場合は、すべてのエージェントをサブスクライバ ノード間に均等に分散します。この構成では、最頻時発呼数(BHCA)が、すべてのエージェントで均一であることが前提です。
各 Unified CCX クラスタはスタンドアロンであり、他の Unified CCX クラスタから独立しています。Unified CCX クラスタ間では通信も同期も行われません。エージェントは、1 つの Unified CCX クラスタだけを使用して実行する必要があります。
Unified CM Telephony Trigger(CTI ルート ポイント)および CTI ポートは、Unified CCX クラスタ全体で異なっている必要があります。
エージェントが別の Unified CCX クラスタ内で動作したり、別のクラスタにログインできる場合でも、Unified CCX Administration のリソース リストでは、各 Unified CCX クラスタに Cisco Unified Communications Manager クラスタ内のすべてのエージェントが表示されます。
そのような場合、Unified CCX の管理者は、各クラスタにどのリソースが関連付けられているか注意する必要があります。Unified CCX の管理者は、特定の Unified CCX クラスタに関連付けられているリソースに対して一意の命名規則を使用することで、この状態を軽減できます。
この配置は、さまざまな Unified CCX クラスタ全体に Unified CCX の冗長性を提供することを意図していません。ある Unified CCX クラスタで障害が発生した場合、このクラスタ内で動作しているエージェントは他の Unified CCX クラスタ内では動作できません。障害が発生した Unified CCX クラスタに本来送信されるはずだったコールを受け入れるように、別の Unified CCX クラスタが設定されている場合、Unified CCX クラスタ間でレポートの統合は行われません。
この配置により、各個別の Unified CCX クラスタの特性や設計上の推奨事項が変わることはありません。たとえば、Unified CCX クラスタ内では、ハイ アベイラビリティは引き続きサポートされます。
サポートされている Cisco HCS のリファレンス設計については、次の URL で入手可能な『Solution Reference Network Design for Cisco Hosted Collaboration Solution』を参照してください。
サポートされている Cisco Remote Expert のリファレンス設計については、次の URL で入手可能な『Cisco Remote Expert Mobile Design Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/c/en/us/solutions/enterprise/design-zone/remote_expert.html