コール転送の概要
ユーザは Cisco Unified IP Phone がコールを別の電話に転送するように設定できます。次のコール転送タイプがサポートされています。
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[帯域幅不足時転送(Call Forward No Bandwidth)]:帯域幅不足が原因で電話番号へのコールが失敗すると、コールが転送されます。また、公衆電話交換網(PSTN)をボイスメール システムへの代替ルートとして使用する自動代替ルーティング(AAR)接続先への転送機能が提供されます。
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[代替宛先への転送(Call Forward with Alternate Destination)]:電話番号と転送先へのコールに応答がない場合にコールが転送されます。最終的な手段としてコールは代替接続先に転送されます。このコール転送タイプは「MLPP 代替パーティ接続先」とも呼ばれます。""
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不在転送(CFA):すべてのコールが 1 つの電話番号に転送されます。
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話中転送(CFB):回線が使用中であり、設定されている話中転送(CFB)トリガー値に到達した場合にのみコールが転送されます。
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無応答時転送(CFNA):設定されている [無応答時の呼び出し時間(No Answer Ring Duration)] タイマーが期限切れになるか、接続先の登録が解除された後で、電話が応答しない場合にコールが転送されます。
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カバレッジなし時転送(CFNC):ハント リストの電話番号をすべて使用したか、またはタイムアウトになった場合にコールが転送されます。カバレッジの関連ハント パイロットにより、最終転送に [個人の初期設定を使用(Use Personal Preferences)] が指定されます。""
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[未登録不在転送(CFU)(Call Forward Unregistered (CFU))]:リモート WAN リンクの障害が原因で電話が未登録の場合にコールが転送されます。また、公衆電話交換網(PSTN)経由での自動再ルーティング機能が提供されます。発信者のタイプ(内部または外部)に基づいてコールを転送することもできます。
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CFA 接続先オーバーライド:コールの転送先ユーザ(ターゲット)が、コールが転送されるユーザ(開始ユーザ)にコールを発信するときに、コールが転送されます。ターゲットにコールが転送される代わりに、イニシエータの電話で呼出音が鳴ります。
不在転送(CFA ループ防止と CFA ループ ブレークアウトを含む)
不在転送(CFA)では、電話ユーザが 1 つの電話番号にすべてのコールを転送できます。
CFA は内線コールと外線コールに設定できます。また、コーリング サーチ スペース(CSS)を設定することによって、ボイスメール システムまたはダイヤルした接続先番号にコールを転送できます。Unified Communications Manager には、CFA 用の 2 番目のコーリング スペース設定フィールドが含まれます。CFA のセカンダリ CSS と、CFA の既存の CSS との組み合わせにより、代替 CSS システム設定がサポートされます。CFA をアクティブにすると、CFA 接続先の検証および CFA 接続先へのコールのリダイレクトには、CFA のプライマリ CSS とセカンダリ CSS だけが使用されます。これらのフィールドが空白の場合、ヌル CSS が使用されます。CFA のプライマリ CSS で設定されている CSS フィールドと、CFA のセカンダリ CSS のフィールドだけが使用されます。電話から CFA をアクティブにすると、CFA の CSS と CFA のセカンダリ CSS を使用して CFA 接続先が検証され、この CFA 接続先がデータベースに書き込まれます。CFA がアクティブな場合、CFA 接続先は常に、CFA の CSS および CFA のセカンダリ CSS に対して検証されます。
Unified Communications Manager CFA ループが識別されると、電話での CFA のアクティブ化を防止します。たとえば、電話番号が 1000 の電話でユーザが [不在(CFwdALL)] ソフトキーを押し、CFA 接続先として 1001 を入力し、1001 がすべてのコールを電話番号 1002 に転送し、1002 がすべてのコールを電話番号 1003 に転送し、1003 がすべてのコールを 1000 に転送する場合に、Unified Communications Manager はコール転送ループを検出します。この状況では、Unified Communications Manager はループが発生していることを識別して、電話番号 1000 の電話での CFA のアクティブ化を防止します。
ヒント |
同一電話番号が異なるパーティションに存在している場合、たとえばパーティション 1 と 2 に電話番号 1000 が存在している場合、Unified Communications Manager はその電話での CFA のアクティブ化を許します。 |
CFA ループは呼処理には影響しません。これは、Unified Communications Manager は CFA ループ ブレークアウトをサポートしており、これにより CFA ループが特定されると、転送チェーンの電話番号の 1 つで CFNA、CFB などの転送オプションが CFA とともに設定されている場合でも、コールが転送チェーン全体を通過し、不在転送ループを抜けて、ループが予期されているとおりに完了することが保証されるためです。
たとえば、電話番号 1000 の電話のユーザがすべてのコールを電話番号 1001 に転送し、1001 がすべてのコールを電話番号 1002 に転送し、1002 がすべてのコールを電話番号 1000 に転送すると、CFA ループが発生します。さらに、電話番号 1002 では電話番号 1004 への CFNA が設定されているとします。電話番号 1003 の電話機のユーザは、電話番号 1000 をコールします。これは 1001 に転送され、1002 に転送されます。Unified Communications Manager はCFA ループを識別し、そのコールがループから切断され、電話番号 1002 への接続を試みます。電話番号 1002 の電話のユーザがコールに応答する前に [無応答時の呼び出し時間(No Answer Ring Duration)] タイマーが期限切れになると、Unified Communications Manager はコールを電話番号 1004 に転送します。
1 つのコールについて Unified Communications Manager が複数の CFA ループを識別することがあります。この場合、各ループが識別されるたびに、コールの接続が試みられます。