ILS の概要
シスコ クラスタ間検索サービス(ILS)を使用すると、データを共有するリモート Cisco Unified Communications Manager クラスタで構成されるマルチクラスタ ネットワークを簡単に作成できます。
ILS を使用すると、管理者はクラスタ間の接続を手動で設定する必要がなくなります。ハブ クラスタで ILS を設定済みであれば、新しいクラスタで ILS を有効化し、その新しいクラスタで既存のハブをポイントすることによって、新しいクラスタを接続できます。ILS は、クラスタを自動的に接続し、両方のクラスタに大規模な ILS ネットワークのトポロジを知らせます。
ILS ネットワーク コンポーネント
ILS ネットワークは、次のコンポーネントで構成されます。
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ハブ クラスタ:ハブ クラスタは、自動メッシュ機能を使用して ILS ネットワークのバックボーンを形成し、他のハブ クラスタとのフル メッシュト ポロジを作成します。ハブ クラスタは、多様な機能について、ILS ネットワーク全体で情報の中継と共有を実行します。
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スポーク クラスタ:スポーク クラスタはそれぞれのローカルのハブ クラスタにのみ接続し、他のハブ クラスタやスポーク クラスタに直接接続することはありません。スポーク クラスタは、ネットワーク全体での情報の共有と中継については、それぞれのローカル ハブに依存します。
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グローバル ダイヤル プランのインポートされたカタログ:このオプションのコンポーネントは、グローバル ダイヤル プラン レプリケーションが設定されており、Cisco TelePresence Video Communications Server またはサードパーティのコール制御システムと相互運用している場合に適用されます。他のシステムからエクスポートされた CSV ファイルからディレクトリ URI または +E.164 番号のカタログを手動でインポートすると、ILS ネットワーク内のユーザが別のシステムのユーザにコールできるようになります。
クラスタ ビュー
ILS のリモート クラスタ ビュー機能を使用して、ネットワークをマッピングすることができます。各クラスタは、ピア情報ベクターと呼ばれる更新メッセージを交換します。これは、ネットワーク内の各クラスタのステータスをリモート クラスタに通知するものです。更新メッセージには、次のような、ネットワーク内の既知のクラスタに関する情報が含まれます。
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クラスタ ID
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パブリッシャのピア ID
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クラスタの説明とバージョン
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ホストの完全修飾ドメイン名(FQDN)
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ILS がアクティブ化されたクラスタ ノードの IP アドレスおよびホスト名
機能サポート
グローバル ダイヤル プラン レプリケーションおよびエクステンション モビリティ ローミングなどの機能は、クラスタがダイヤル プラン情報を共有するクラスタ間ネットワークの作成に関して、ILS に依存しています。それにより、ビデオ コール、URI ダイヤリング、およびクラスタ間のモビリティを使用して、クラスタ間コール ネットワークをセットアップできます。
ILS は、IM and Presence の中央クラスタを複数のテレフォニー クラスタに接続している場合に、IM and Presence Service の集中型展開でも使用されます。ILS は、IM and Presence の中央クラスタおよびテレフォニー クラスタの間の接続を作成するのに使用されます。
ILS ネットワーキング キャパシティ
ILS ネットワークを計画する際に念頭に置くべき推奨キャパシティは以下のとおりです。
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ILS ネットワーキングは最大 10 個のハブ クラスタをサポートしており、ハブあたりのスポーク クラスタ数は 20 個であるため、合計で最大 200 個のクラスタを使用できます。ハブとスポークの組み合わせによるトポロジは、各クラスタ内で多数の TCP 接続が作成されるのを回避するために使用します。
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ハブ クラスタとスポーク クラスタを最大数まで、またはそれを超えて使用すると、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。1 つのハブに多数のスポーク クラスタを追加すると余分な接続が作成され、メモリまたは CPU の処理量が増加する可能性があります。1 つのハブ クラスタに接続するスポーク クラスタは 20 個以下にすることを推奨します。
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ILS ネットワーキングを使用すると、システムの CPU 処理量が増えます。CPU 使用率と同期時間は、クラスタ間で同期されているレコードの数によって異なります。ハブとスポークのトポロジを計画するときは、負荷を処理できる CPU をハブ クラスタが備えていることを確認してください。
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これらの推奨事項はシステム テストに基づいており、リソース使用率を考慮に入れています。これらの推奨事項の超過を防止する機能はシステムに備わっていませんが、超過することで、リソースの過剰な使用のリスクが生じます。最適なパフォーマンスを実現するに、シスコでは前述のキャパシティを推奨しています。 |