この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
目次
この章の内容は、次のとおりです。
Cisco UCS では、シスコから取得し、シスコによって認定されたファームウェアを使用して、Cisco UCS インスタンスのエンドポイントをサポートします。 各エンドポイントは、ファームウェアが機能するために必要なインスタンスのコンポーネントです。 Cisco UCS インスタンスのエンドポイントのアップグレード順序は、アップグレード パスによって異なります。次の項目が含まれます。
Cisco UCS インスタンスのエンドポイントをアップグレードする適切な順序を確認するには、アップグレード パスに必要な手順の順序を参照してください。
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Cisco UCS Release 1.4(1) 以降では、シスコは 1 つの大きなファームウェア パッケージではなく、複数のバンドルでファームウェア アップグレードをリリースしています。 詳細については、ファームウェア イメージの管理を参照してください。 |
シスコでは、このマニュアルおよびテクニカル ノート『Unified Computing System Firmware Management Best Practices』において、ファームウェア イメージおよびファームウェア アップデートを管理するための一連のベスト プラクティスを保持しています。
このマニュアルでは、ファームウェアの管理について、次の定義を使用しています。
エンドポイントで実行しているファームウェアを、リリースやパッチなどの他のイメージに変更します。 アップグレードには、アップデートとアクティベーションが含まれます。
ファームウェア イメージをエンドポイントのバックアップ パーティションにコピーします。
バックアップ パーティションのファームウェアをエンドポイントのアクティブなファームウェア バージョンとして設定します。 アクティベーションには、エンドポイントのリブートが必要な場合やリブートが発生する場合があります。
Management Extension および機能カタログのアップグレードの場合は、アップデートとアクティブ化が同時に行われます。 このようなアップグレードについては、アップデートまたはアクティブ化のいずれかのみを実行する必要があります。 両方の手順を実行する必要はありません。
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ファームウェア管理および個別のコンポーネントのアップグレードの詳細については、Cisco UCS Manager コンフィギュレーション ガイドを参照してください。 |
シスコでは、Cisco UCS コンポーネントに対するすべてのファームウェアのアップデートをイメージのバンドルで配布します。 Cisco UCS ファームウェア アップデートは、次のバンドルでダウンロードできます。
このバンドルには、次のコンポーネントのアップデートに必要な次のファームウェア イメージが含まれます。
このバンドルには、Cisco UCS インスタンスのブレード サーバのファームウェアをアップデートするために必要な次のファームウェア イメージが含まれます。 Cisco UCS Manager で最新のインフラストラクチャ バンドルに含まれていないブレード サーバがサポートされるように、リリースに対して作成されたバンドル以外に次のバンドルもインフラストラクチャ バンドル間でリリースできます。
このバンドルには、Cisco UCS Manager に統合され、Cisco UCS Manager によって管理されるラックマウント サーバのコンポーネントのアップデートに必要な次のファームウェア イメージが含まれます。
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このバンドルは、スタンドアロン C シリーズ サーバには使用できません。 このサーバのファームウェア管理システムでは、Cisco UCS Manager に必要なヘッダーを解釈できません。 スタンドアロン C シリーズ サーバのアップグレード方法については、C シリーズのコンフィギュレーション ガイドを参照してください。 |
また、シスコではリリース ノートも提供しており、バンドルを取得したのと同じ Web サイトから入手できます。
エンドポイントのファームウェア バージョンはエンドポイントのタイプによって異なります。 ファブリック インターコネクトに物理的に存在するエンドポイントのバージョンは、サーバまたは I/O モジュールに物理的の存在するバージョンと異なります。
各 CIMC、I/O モジュール、アダプタには、フラッシュにファームウェア用の 2 つのスロットがあります。 各スロットに 1 つのバージョンのファームウェアを装着します。 1 つのスロットはアクティブで、他方のスロットはバックアップ スロットです。 コンポーネントは、アクティブとして指定されているスロットからブートします。
Cisco UCS Manager では次のファームウェア バージョンの用語が使われます。
実行されているバージョンは、アクティブで、エンドポイントで使用されているファームウェアです。
スタートアップ バージョンは、エンドポイントの次回のブート時に使用されるファームウェアです。 Cisco UCS Manager はアクティベーション操作によって、スタートアップ バージョンを変更します。
バックアップ バージョンは、他方のスロットのファームウェアで、エンドポイントによって使用されていません。 このバージョンは、エンドポイントをアップデートしたが、まだアクティブにしていないファームウェアか、または最近アクティブ化されたバージョンによって交換された古いファームウェア バージョンなどです。 Cisco UCS Manager はアップデート操作によって、バックアップ スロットのイメージを置き換えます。
スタートアップ バージョンからエンドポイントをブートできない場合、バックアップ バージョンからブートします。
アクティブにできるのは、ファブリック インターコネクトのファームウェアとファブリック インターコネクト上の Cisco UCS Manager だけです。 すべてのイメージがファブリック インターコネクトに保存されるため、ファブリック インターコネクトおよび Cisco UCS Manager ファームウェアにはバックアップ バージョンがありません。 その結果、ブート可能ファブリック インターコネクト イメージは、サーバ CIMC とアダプタのように、2 つに制限されません。 代わりに、ブート可能ファブリック インターコネクト イメージは、ファブリック インターコネクトのメモリの空き領域と、そこに保存されるイメージの数によって制限されます。
ファブリック インターコネクトおよび Cisco UCS Manager ファームウェアには、カーネル ファームウェアとシステム ファームウェアの実行されているバージョンとスタートアップ バージョンがあります。 カーネル ファームウェアとシステム ファームウェアは、同じバージョンのファームウェアを実行している必要があります。
Cisco UCS Release 1.4(2) から Release 1.4(3) へのファームウェア アップグレードは、エンドポイントをアクティブ化し、更新されたホスト ファームウェア パッケージが適用された後にサーバがリブートするために、最大 1 分間のデータの中断に対応する必要がある場合、予定されたメンテナンス ウィンドウで計画する必要があります。
このファームウェアのアップグレードでは、次の方法を組み合わせる必要があります。
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直接のアップグレードは、サーバ BIOS、ストレージ コントローラ、HBA ファームウェア、HBA オプション ROM など、すべてのエンドポイントで利用できるわけではありません。 それらのエンドポイントは、サーバに関連付けられているサービス プロファイルに含まれているホスト ファームウェア パッケージによって、アップグレードする必要があります。 |
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この順序に従わないと、ファームウェアのアップグレードが失敗し、サーバで Cisco UCS Manager の通信に問題が発生することがあります。 |
このマニュアルの手順と推奨されるオプションによって、データ トラフィックの中断を最小限にします。 そのため、Release 1.4 のいずれかのバージョンから Release 1.4 のそれよりも新しいバージョンにアップグレードする場合は、次の順序でコンポーネントをアップグレードします。
最初の B230 サーバを追加するとき、Cisco UCS Manager でサーバのサポートを追加するために、次の順序で手順を実行する必要があります。
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B230 サーバを追加するために、Management Extension または機能カタログを更新する必要はありません。 必要なサポートは、それぞれの Cisco UCS Release 1.4 インフラストラクチャ バンドルに含まれています。 |
既存のコ Cisco UCS ンポーネントのアップグレードが完了した後、Cisco UCS ラックマウント サーバを統合できます。 ラックマウント サーバを統合するときは、次の順序で手順を実行する必要があります。
Cisco UCS インスタンスの任意のエンドポイントのファームウェアをアップデートする前に、次の注意、注意事項、およびベスト プラクティスを考慮してください。
Cisco UCS インスタンスの設定に応じて、アップグレード後に設定を変更するには、次の変更が必要な場合があります。 障害などの問題を回避するには、必要な変更を行ってからアップグレードすることを推奨します。
ホスト オペレーティング システム レベルで、1 つ以上の vNIC で [Enable Failover] を設定し、同時に NIC チーミング/ボンディングを設定した場合は、ファームウェアのアップグレード時にすべての接続が失われる可能性があります。 いずれかの方法を使用して可用性を設計します。両方は使用しないでください。
Cisco UCS インスタンスの 1 つ以上の vNIC に対してフェールオーバーをイネーブルにしているかどうかを確認するには、サーバに関連付けられている各サービス プロファイル内で vNIC の設定を確認します。 詳細については、実行しているリリースの Cisco UCS Manager コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
リリース 1.4(1) 以降では、VLAN 4048 は予約済み VLAN です。 Cisco UCS インスタンスが VLAN 4048 を使用するように設定されている場合、異なる ID を使用するようにこの VLAN を再設定してからアップグレードする必要があります。
古い Cisco UCS ファームウェア リリースを Release 1.3(1i) 以降にアップグレードすると、アップグレード後にサーバが初めてサーバ プロファイルに関連付けられるとき、ローカル ディスク設定ポリシーの Protect Configuration プロパティに次の影響が生じます。
Cisco UCS インスタンスをアップグレードすると、ローカル ディスク設定ポリシーがサーバ ハードウェアと一致するかどうかに関係なく、初期サーバ アソシエーションは設定エラーを生じずに処理が進められます。 Protect Configuration プロパティをイネーブルにしていても、前のサービス プロファイルと新しいサービス プロファイルの間でローカル ディスク設定ポリシーの設定に不一致がある場合、Cisco UCS はサーバ上のユーザ データを保護しません。
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Protect Configuration プロパティをイネーブルにした場合、前のサービス プロファイルと新しいサービス プロファイルの間でローカル ディスク設定ポリシーに不一致があると、サーバに対する後続のサービス プロファイル アソシエーションはすべてブロックされます。 |
サービス プロファイルと関連付けられているすべてのサーバは、アップグレード後にリブートしません。 Cisco UCS Managerは、ローカル ディスク設定ポリシーとサーバ ハードウェアに不一致があっても、設定エラーを報告しません。
サービス プロファイルがサーバから関連付けを解除され、新しいサービス プロファイルが関連付けられると、新しいサービス プロファイルの Protect Configuration プロパティが優先され、前のサービス プロファイルの設定は上書きされます。
Cisco UCS インスタンスのハードウェアはアップグレード方法に影響を与えることがあります。 エンドポイントをアップグレードする前に、次の注意事項およびベスト プラクティスを考慮してください。
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更新が完了するまで、エンドポイントがあるハードウェアを取り外したり、メンテナンス作業を実行しないでください。 ハードウェアが取り外されたり、その他のメンテナンス作業により使用できない場合、ファームウェアの更新は失敗します。 この失敗により、バックアップ パーティションが破損する場合があります。 バックアップ パーティションが破損しているエンドポイントではファームウェアを更新できません。 |
次の状況では、サービス ファームウェアのアップグレード時に、Cisco UCS Manager によって RAID 同期プロセスの一環としてハード ディスクのすべてのデータにスクラビング処理が行われることがあります。
元のハード ディスクに、保持する必要がある重要なデータが含まれている場合は、RAID 用にすでに構成されている新しいハード ディスクを挿入しないでください。
Cisco UCS Gen-2 アダプタは、エンドポイントで直接アップグレードすることはできません。 このようなアダプタのファームウェアは、ホスト ファームウェア パッケージを使用してアップグレードする必要があります。
Intel ベースのアダプタ カードである Cisco UCS 82598KR-CI 10-Gigabit Ethernet Adapter(N20-AI0002)のファームウェアは、製造元でハードウェアに書き込まれます。 このアダプタのファームウェアはアップグレードできません。
2 つのファブリック インターコネクトのあるクラスタ設定の場合、ファブリック インターコネクト間のフェールオーバーを利用して、データ トラフィックを中断せずに、エンドポイントの直接のファームウェア アップグレードを実行できます。 ただし、ホストまたは管理ファームウェア パッケージによってアップグレードする必要があるエンドポイントの場合は、データ トラフィックの中断が避けられません。
単一のファブリック インターコネクトのスタンドアロン設定の場合、エンドポイントの直接のファームウェア アップグレードを実行すると、データ トラフィックの中断を最小にできます。 ただし、アップグレードを完了するために、ファブリック インターコネクトをリブートする必要があるため、トラフィックの中断は避けられません。
エンドポイントをアップグレードする前に、次の注意事項およびベスト プラクティスを考慮してください。
Cisco UCS インスタンスのすべてのエンドポイントを、同じファームウェア リリースにアップグレードすることをお勧めします。 あるエンドポイントのファームウェア リリース内の新しい機能および変更は、別のエンドポイント内の同じ機能および変更と依存関係があることがあります。 そのため、ファームウェア リリースを混在させると、通常の使用時に、パフォーマンスの問題やその他の問題を引き起こしたり、アップデートが失敗したりする可能性があります。
アダプタやサーバ CIMC などの一部のエンドポイントは、直接のファームウェア アップグレードか、またはサービス プロファイルに含まれるファームウェア パッケージによって、アップグレードできます。 Cisco UCS インスタンスの設定によって、これらのエンドポイントのアップグレード方法が決まります。 サーバに関連付けられているサービス プロファイルに、ホスト ファームウェア パッケージが含まれる場合、ファームウェア パッケージによって、それらのサーバのアダプタをアップグレードします。 同様に、サーバに関連付けられているサービス プロファイルに管理ファームウェア パッケージが含まれる場合、ファームウェア パッケージによって、それらのサーバの CIMC をアップグレードします。
管理ファームウェア パッケージによる CIMC のアップグレードまたは、サーバに関連付けられたサービス プロファイル内のファームウェア パッケージによるアダプタのアップグレードは、直接のファームウェア アップグレードより優先されます。 サーバに関連付けられたサービス プロファイルにファームウェア パッケージが含まれる場合、エンドポイントを直接アップグレードすることはできません。 直接のアップグレードを実行するには、サービス プロファイルからファームウェア パッケージを削除する必要があります。
Cisco UCS Manager GUI を使用して、ファームウェアをアップデートする場合、[Activate Firmware] ダイアログボックスの [Filter] ドロップダウン リストで [ALL] を選択して、すべてのエンドポイントを同時にアクティブにしないでください。 多くのファームウェア リリースやパッチには依存関係があるため、ファームウェアの更新を正常に実行するためにエンドポイントを特定の順序でアクティブにする必要があります。 この順序はリリースやパッチの内容によって異なります。 すべてのエンドポイントをアクティブにすると、必要な順序でアップデートが行われることが保証されず、エンドポイント、ファブリック インターコネクト、および Cisco UCS Manager 間の通信が中断することがあります。 特定のリリースやパッチの依存関係については、当該のリリースやパッチに付属のリリース ノートを参照してください。
直接のアップグレード時に、アダプタに [Set Startup Version Only] を設定する必要があります。 この設定では、アクティブ化されたファームウェアが pending-next-boot 状態に移行し、サーバがすぐにリブートしません。 アクティブ化されたファームウェアは、サーバがリブートされるまで、アダプタで実行されているバージョンのファームウェアになりません。 ホスト ファームウェア パッケージのアダプタに [Set Startup Version Only] を設定することはできません。
サーバがサービス プロファイルに関連付けられていない場合、アクティブ化されたファームウェアは pending-next-boot 状態のままになります。 Cisco UCS Manager は、サーバがサービス プロファイルに関連付けられるまで、エンドポイントをリブートせず、ファームウェアをアクティブにしません。 必要に応じて、関連付けられていないサーバを手動でリブートまたはリセットして、ファームウェアをアクティブにできます。
I/O モジュールに対して [Set Startup Version Only] を設定した場合、そのデータ パス内のファブリック インターコネクトがリブートされると、I/O モジュールがリブートされます。 I/O モジュールに対して、[Set Startup Version Only] を設定しない場合、I/O モジュールがリブートし、トラフィックが中断します。 また、Cisco UCS Manager が、ファブリック インターコネクトと I/O モジュールとの間でプロトコルとファームウェア バージョンが一致しないことを検出した場合、Cisco UCS Manager は I/O モジュールをファブリック インターコネクトのファームウェアと同じバージョンに自動的にアップデートし、ファームウェアをアクティブにして I/O モジュールを再度リブートします。
より新しいリリースに直接アップグレードするときは、[Ignore Compatibility Check] を選択することを推奨します。 より新しいリリースには、旧リリースとの互換性がないコードが含まれている場合があります。 このオプションによって、アップグレードが実行され、互換性の問題が回避されます。
Cisco UCS インスタンスをアップグレードすると、Cisco UCS Manager によってコンポーネントが再起動され、アップグレード プロセスが完了します。 この再起動によって、サービスの中断およびコンポーネントの障害と同じイベントが発生し、Call Home アラートの送信がトリガーされます。 アップグレードの開始前に Call Home をディセーブルにしない場合は、アップグレードに関連したコンポーネントの再起動によって生成されるアラートを無視してください。
エンドポイントで、直接のファームウェア アップグレードを実行する場合、Cisco UCS インスタンスで、1 つ以上のエンドポイントでトラフィックの中断や、停止が発生することがあります。
ファブリック インターコネクトのファームウェアをアップグレードする場合、次の停止の影響や中断が発生します。
Cisco UCS Manager へのファームウェア アップグレードにより、次の中断が発生します。
I/O モジュールのファームウェアをアップグレードする場合、次の停止の影響と中断が発生します。
サーバの CIMC のファームウェアをアップグレードした場合、CIMC と内部プロセスのみが影響を受けます。 サーバ トラフィックは中断しません。 このファームウェア アップグレードにより、CIMC に次の停止の影響と中断が発生します。
アダプタのファームウェアをアクティブにし、[Set Startup Version Only] オプションを設定していない場合、次の停止の影響と中断が発生します。