VLAN トランクの設定

VLAN トランクについて

ここでは、VLAN トランクについて説明します。

トランキングの概要

トランクとは、1 つまたは複数のイーサネット インターフェイスと他のネットワーキングデバイス(ルータ、コントローラなど)の間のポイントツーポイントリンクです。イーサネット トランクは 1 つのリンクを介して複数の VLAN トラフィックを伝送するので、VLAN をネットワーク全体に拡張できます。

IEEE 802.1Q(業界標準のトランキングカプセル化方式)が、すべてのイーサネットポートで使用できます。

トランキング モード

イーサネット トランク インターフェイスは、さまざまなトランキング モードをサポートします。インターフェイスをトランキングまたは非トランキングとして設定したり、ネイバー インターフェイスとトランキングのネゴシエーションを行ったりするように設定できます。トランキングを自動ネゴシエーションするには、インターフェイスが同じ VTP ドメインに存在する必要があります。

トランク ネゴシエーションは、ポイントツーポイント プロトコル(PPP)であるダイナミック トランキング プロトコル(DTP)によって管理されます。ただし、一部のインターネットワーキング デバイスによって DTP フレームが不正に転送されて、矛盾した設定となる場合があります。

レイヤ 2 インターフェイス モード

表 1. レイヤ 2 インターフェイス モード

モード

機能

switchport mode access

インターフェイス(アクセス ポート)を永続的な非トランキング モードにして、リンクの非トランク リンクへの変換をネゴシエートします。インターフェイスは、ネイバー インターフェイスがトランク インターフェイスかどうかに関係なく、非トランク インターフェイスになります。

switchport mode dynamic auto

インターフェイスがリンクをトランク リンクに変換できるようにします。インターフェイスは、ネイバーインターフェイスが trunk または desirable モードに設定されている場合、トランクインターフェイスになります。すべてのイーサネット インターフェイスのデフォルトのスイッチポート モードは dynamic auto です。

switchport mode dynamic desirable

インターフェイスがリンクのトランク リンクへの変換をアクティブに実行するようにします。インターフェイスは、ネイバーインターフェイスが trunk desirable または auto モードに設定されている場合、トランクインターフェイスになります。

switchport mode trunk

インターフェイスを永続的なトランキング モードにして、ネイバー リンクのトランク リンクへの変換をネゴシエートします。インターフェイスは、ネイバー インターフェイスがトランク インターフェイスでない場合でも、トランク インターフェイスになります。

switchport nonegotiate

インターフェイスが DTP フレームを生成しないようにします。このコマンドは、インターフェイス スイッチポート モードが access または trunk の場合だけ使用できます。トランク リンクを確立するには、手動でネイバー インターフェイスをトランク インターフェイスとして設定する必要があります。

switchport mode private-vlan

プライベート VLAN モードを設定します。

トランクでの許可 VLAN

デフォルトでは、トランク ポートはすべての VLAN に対してトラフィックを送受信します。各トランクですべての VLAN ID(1 ~ 4094)が許可されます。ただし、許可リストから VLAN を削除することにより、それらの VLAN からのトラフィックがトランク上を流れないようにすることができます。

スパニングツリー ループまたはストームのリスクを減らすには、許可リストから VLAN 1 を削除して個々の VLAN トランク ポートの VLAN 1 をディセーブルにできます。トランク ポートから VLAN 1 を削除した場合、インターフェイスは引き続き VLAN 1 内で Cisco Discovery Protocol(CDP)、ポート集約プロトコル(PAgP)、Link Aggregation Control Protocol(LACP)、DTP、および VTP などの管理トラフィックを送受信します。

VLAN 1 をディセーブルにしたトランク ポートが非トランク ポートになると、そのポートはアクセス VLAN に追加されます。アクセス VLAN が 1 に設定されると、switchport trunk allowed の設定には関係なく、ポートは VLAN 1 に追加されます。ポート上でディセーブルになっている任意の VLAN について同様のことが当てはまります。

トランク ポートは、VLAN がイネーブルになっており、VTP が VLAN を認識し、なおかつポートの許可リストにその VLAN が登録されている場合に、VLAN のメンバになることができます。VTP が新しくイネーブルにされた VLAN を認識し、その VLAN がトランク ポートの許可リストに登録されている場合、トランク ポートは自動的にその VLAN のメンバになります。VTP が新しい VLAN を認識し、その VLAN がトランク ポートの許可リストに登録されていない場合には、トランク ポートはその VLAN のメンバにはなりません。

トランク ポートでの負荷分散

負荷分散により、デバイスに接続しているパラレルトランクの提供する帯域幅が分割されます。STP は通常、ループを防止するために、デバイス間で 1 つのパラレルリンク以外のすべてのリンクをブロックします。負荷分散を行うと、トラフィックの所属する VLAN に基づいて、リンク間でトラフィックが分散されます。

トランク ポートで負荷分散を設定するには、STP ポート プライオリティまたは STP パス コストを使用します。STP ポートプライオリティを使用して負荷分散を設定する場合には、両方の負荷分散リンクを同じデバイスに接続する必要があります。STP パスコストを使用して負荷分散を設定する場合には、それぞれの負荷分散リンクを同一のデバイスに接続することも、2 台の異なるデバイスに接続することもできます。

STP プライオリティによるネットワーク負荷分散

同一のデバイス上の 2 つのポートがループを形成すると、デバイスは STP ポートプライオリティを使用して、どのポートをイネーブルとし、どのポートをブロッキングステートとするかを判断します。パラレル トランク ポートにプライオリティを設定することにより、そのポートに、特定の VLAN のすべてのトラフィックを伝送させることができます。VLAN に対するプライオリティの高い(値の小さい)トランク ポートがその VLAN のトラフィックを転送します。同じ VLAN に対してプライオリティの低い(値の大きい)トランク ポートは、その VLAN に対してブロッキング ステートのままです。1 つのトランク ポートが特定の VLAN に関するすべてのトラフィックを送受信することになります。

STP パス コストによるネットワーク負荷分散

トランクにそれぞれ異なるパス コストを設定し、各パス コストをそれぞれ異なる VLAN 群に対応付け、各 VLAN でポートをブロックすることによって、VLAN トラフィックを分散するパラレル トランクを設定できます。VLAN はトラフィックを分離し、リンクが失われた場合に備えて冗長性を維持します。

機能の相互作用

トランキングは他の機能と次のように相互作用します。

  • トランク ポートをセキュア ポートにすることはできません。

  • トランク ポートをまとめて EtherChannel ポート グループにすることはできますが、グループ内のすべてのトランクに同じ設定をする必要があります。グループを初めて作成したときには、そのグループに最初に追加されたポートのパラメータ設定値をすべてのポートが引き継ぎます。次に示すパラメータのいずれかの設定を変更すると、デバイスは、入力された設定をグループ内のすべてのポートに伝播します。

    • 許可 VLAN リスト。

    • 各 VLAN の STP ポート プライオリティ。

    • STP PortFast の設定値。

    • トランク ステータス:

      ポート グループ内の 1 つのポートがトランクでなくなると、すべてのポートがトランクでなくなります。

  • トランク ポートで IEEE 802.1X をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、IEEE 802.1X はイネーブルになりません。IEEE 802.1X 対応ポートのモードをトランクに変更しようとしても、ポート モードは変更されません。

  • ダイナミック モードのポートは、ネイバーとトランク ポートへの変更をネゴシエートする場合があります。ダイナミック ポートで IEEE 802.1x をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、IEEE 802.1x はイネーブルになりません。IEEE 802.1x 対応ポートをダイナミックに変更しようとしても、ポート モードは変更されません。

VLAN トランクの前提条件

IEEE 802.1Q トランクは、ネットワークのトランキング方式について次の制約があります。

  • IEEE 802.1Q トランクを使用して接続している Cisco デバイスのネットワークでは、デバイスはトランク上で許容される VLAN ごとに 1 つのスパニングツリー インスタンスを維持します。他社製のデバイスは、すべての VLAN でスパニングツリー インスタンスを 1 つサポートする場合があります。

    IEEE 802.1Q トランクを使用して Cisco デバイスを他社製のデバイスに接続する場合、Cisco デバイスは、トランクの VLAN のスパニングツリー インスタンスを、他社製の IEEE 802.1Q デバイスのスパニングツリー インスタンスと結合します。ただし、各 VLAN のスパニングツリー情報は、他社製の IEEE 802.1Q デバイスからなるクラウドにより分離された Cisco デバイスによって維持されます。Cisco デバイスを分離する他社製の IEEE 802.1Q クラウドは、デバイス間の単一トランクリンクとして扱われます。

  • IEEE 802.1Qトランクに対応するネイティブVLANが、トランク リンクの両側で一致していなければなりません。トランクの片側のネイティブ VLAN と反対側のネイティブ VLAN が異なっていると、スパニングツリー ループが発生する可能性があります。

  • ネットワーク上のすべてのネイティブ VLAN についてスパニングツリーをディセーブルにせずに、IEEE 802.1Q トランクのネイティブ VLAN 上のスパニングツリーをディセーブルにすると、スパニングツリー ループが発生することがあります。IEEE 802.1Q トランクのネイティブ VLAN 上でスパニングツリーをイネーブルのままにしておくか、またはネットワーク上のすべての VLAN でスパニングツリーをディセーブルにすることを推奨します。また、ネットワークにループがないことを確認してから、スパニングツリーをディセーブルにしてください。

VLAN トランクの制約事項

次に、VLAN トランクに関する制約事項を示します。

  • トランク ポートをセキュア ポートにすることはできません。

  • トランク ポートをまとめて EtherChannel ポート グループにすることはできますが、グループ内のすべてのトランクに同じ設定をする必要があります。グループを初めて作成したときには、そのグループに最初に追加されたポートのパラメータ設定値をすべてのポートが引き継ぎます。次に示すパラメータのいずれかの設定を変更すると、デバイスは、入力された設定をグループ内のすべてのポートに伝播します。

    • 許可 VLAN リスト。

    • 各 VLAN の STP ポート プライオリティ。

    • STP PortFast の設定値。

    • トランク ステータス:

      ポート グループ内の 1 つのポートがトランクでなくなると、すべてのポートがトランクでなくなります。

  • トランク ポートで IEEE 802.1X をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、IEEE 802.1X はイネーブルになりません。IEEE 802.1X 対応ポートのモードをトランクに変更しようとしても、ポート モードは変更されません。

  • ダイナミック モードのポートは、ネイバーとトランク ポートへの変更をネゴシエートする場合があります。ダイナミック ポートで IEEE 802.1x をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、IEEE 802.1x はイネーブルになりません。IEEE 802.1x 対応ポートをダイナミックに変更しようとしても、ポート モードは変更されません。

  • ダイナミック トランキング プロトコル(DTP)はトンネルポートではサポートされていません。

VLAN トランクの設定方法

トランクの誤設定を避けるために、DTP をサポートしないデバイスに接続されたインターフェイスが DTP フレームを転送しないように(つまり DTP をオフにするように)設定してください。

  • これらのリンク上でトランキングを行わない場合は、switchport mode access インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、トランキングをディセーブルにします。

  • DTP をサポートしていないデバイスへのトランキングをイネーブルにするには、switchport mode trunk および switchport nonegotiate インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスがトランクになっても DTP フレームを生成しないように設定します。

トランク ポートとしてのイーサネット インターフェイスの設定

ここでは、イーサネット インターフェイスをトランクポートとして設定する方法について説明します。

トランク ポートの設定

トランクポートは VTP アドバタイズを送受信するので、VTP を使用する場合は、デバイス上で少なくとも 1 つのトランクポートが設定されており、そのトランクでポートが別のデバイスのトランクポートに接続されていることを確認する必要があります。そうでない場合、デバイスは VTP アドバタイズを受信できません。

始める前に

デフォルトでは、インターフェイスはレイヤ 2 モードです。レイヤ 2 インターフェイスのデフォルトモードは、switchport mode dynamic auto です。隣接インターフェイスがトランキングをサポートし、トランキングを許可するように設定されている場合、リンクはレイヤ 2 トランクです。また、インターフェイスがレイヤ 3 モードの場合は、switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力するとレイヤ 2 トランクになります。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/2

トランクに設定するポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switchport mode {dynamic {auto | desirable} | trunk}

例:

Device(config-if)# switchport mode dynamic desirable

インターフェイスをレイヤ 2 トランクとして設定します(インターフェイスがレイヤ 2 アクセス ポートまたはトンネル ポートであり、トランキング モードを設定する場合に限り必要となります)。

  • dynamic auto :ネイバー インターフェイスが trunk または desirable モードに設定されている場合に、インターフェイスをトランク リンクとして設定します。これはデフォルトです。

  • dynamic desirable :ネイバー インターフェイスが trunk、desirable、または auto モードに設定されている場合に、インターフェイスをトランク リンクとして設定します。

  • trunk :ネイバー インターフェイスがトランク インターフェイスでない場合でも、インターフェイスを永続的なトランキング モードに設定して、リンクをトランク リンクに変換するようにネゴシエートします。

ステップ 5

switchport access vlan vlan-id

例:

Device(config-if)# switchport access vlan 200

(任意)インターフェイスがトランキングを停止した場合に使用するデフォルト VLAN を指定します。

ステップ 6

switchport trunk native vlan vlan-id

例:

Device(config-if)# switchport trunk native vlan 200

IEEE 802.1Q トランク用のネイティブ VLAN を指定します。

ステップ 7

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show interfaces interface-id switchport

例:

Device# show interfaces gigabitethernet 1/0/2 switchport

インターフェイスのスイッチ ポート設定を表示します。[Administrative Mode] および [Administrative Trunking Encapsulation] フィールドに表示されます。

ステップ 9

show interfaces interface-id trunk

例:

Device# show interfaces gigabitethernet 1/0/2 trunk

インターフェイスのトランクの設定を表示します。

ステップ 10

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トランクでの許可 VLAN の定義

VLAN 1 は、すべての Cisco デバイスのすべてのトランクポートのデフォルト VLAN です。以前は、すべてのトランクリンクで VLAN 1 を必ずイネーブルにする必要がありました。VLAN 1 の最小化機能を使用して、個々の VLAN トランク リンクで VLAN 1 をディセーブルに設定できます。これにより、ユーザ トラフィック(スパニングツリー アドバタイズなど)は VLAN 1 で送受信されなくなります。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

設定するポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switchport mode trunk

例:

Device(config-if)# switchport mode trunk

インターフェイスを VLAN トランク ポートとして設定します。

ステップ 5

switchport trunk allowed vlan { word | add | all | except | none | remove} vlan-list

例:

Device(config-if)# switchport trunk allowed vlan remove 2

(任意)トランク上で許容される VLAN のリストを設定します。

vlan-list パラメータは、1 ~ 4094 の単一の VLAN 番号、または 2 つの VLAN 番号(小さい方が先、ハイフンで区切る)で指定された VLAN 範囲です。カンマで区切った VLAN パラメータの間、またはハイフンで指定した範囲の間には、スペースを入れないでください。

デフォルトでは、すべての VLAN が許可されます。

ステップ 6

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show interfaces interface-id switchport

例:

Device# show interfaces gigabitethernet 1/0/1 switchport

表示された [Trunking VLANs Enabled] フィールドの設定を確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

プルーニング適格リストの変更

プルーニング適格リストは、トランク ポートだけに適用されます。トランク ポートごとに独自の適格リストがあります。この手順を有効にするには、VTP プルーニングがイネーブルに設定されている必要があります。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet0/1

VLAN プルーニングを適用するトランク ポートを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switchport trunk pruning vlan {add | except | none | remove} vlan-list [,vlan [,vlan [,,,]]

トランクからのプルーニングを許可する VLAN のリストを設定します。

add except none および remove キーワードの使用方法については、このリリースに対応するコマンドリファレンスを参照してください。

連続していない VLAN ID は、カンマ(スペースなし)で区切ります。ID の範囲はハイフンで指定します。有効な ID 範囲は 2 ~ 1001 です。拡張範囲 VLAN(VLAN ID 1006 ~ 4094)はプルーニングできません。

プルーニング不適格の VLAN は、フラッディング トラフィックを受信します。

デフォルトでは、プルーニングが許可される VLAN のリストには、VLAN 2 ~ 1001 が含まれます。

ステップ 5

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show interfaces interface-id switchport

例:

Device# show interfaces gigabitethernet 1/0/1 switchport

表示された [Pruning VLANs Enabled] フィールドの設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

タグなしトラフィック用ネイティブ VLAN の設定

IEEE 802.1Q タギングが設定されたトランク ポートは、タグ付きトラフィックおよびタグなしトラフィックの両方を受信できます。デフォルトでは、デバイスはタグなしトラフィックを、ポートに設定されたネイティブ VLAN に転送します。ネイティブ VLAN は、デフォルトでは VLAN 1 です。

ネイティブ VLAN には任意の VLAN ID を割り当てることができます。

パケットの VLAN ID が出力ポートのネイティブ VLAN ID と同じであれば、そのパケットはタグなしで送信されます。ネイティブ VLAN ID と異なる場合は、デバイスはそのパケットをタグ付きで送信します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/2

IEEE 802.1Q トランクとして設定するインターフェイスを定義して、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switchport trunk native vlan vlan-id

例:

Device(config-if)# switchport trunk native vlan 12

トランク ポート上でタグなしトラフィックを送受信する VLAN を設定します。

vlan-id に指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。

ステップ 5

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show interfaces interface-id switchport

例:

Device# show interfaces gigabitethernet 1/0/2 switchport

[Trunking Native Mode VLAN] フィールドの設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トランク ポートの負荷分散の設定

ここでは、負荷分散用のトランクポートの設定について説明します。

STP ポート プライオリティによる負荷分散の設定

スイッチがスイッチスタックのメンバーである場合、spanning-tree [ vlan vlan-id] cost priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの代わりに、spanning-tree [ vlan vlan-id] port-priority cost インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、フォワーディングステートにするインターフェイスを選択する必要があります。最初に選択させるインターフェイスには、低いコスト値を割り当て、最後に選択させるインターフェイスには高いコスト値を割り当てます。

次の手順では、STP ポート プライオリティを使用した負荷分散を指定してネットワークを設定する方法について説明します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

デバイス A でグローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

vtp domain domain-name

例:

Device(config)# vtp domain workdomain

VTP 管理ドメインを設定します。

1 ~ 32 文字のドメイン名を使用できます。

ステップ 4

vtp mode server

例:

Device(config)# vtp mode server

デバイス A を VTP サーバーとして設定します。

ステップ 5

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show vtp status

例:

Device# show vtp status

デバイス A とデバイス B の両方で VTP 設定を確認します。

表示された VTP Operating Mode および VTP Domain Name フィールドをチェックします。

ステップ 7

show vlan

例:

Device# show vlan

デバイス A のデータベースに VLAN が存在していることを確認します。

ステップ 8

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 9

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet1/0/1

トランクとして設定するインターフェイスを定義し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 10

switchport mode trunk

例:

Device(config-if)# switchport mode trunk

ポートをトランク ポートとして設定します。

ステップ 11

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 12

show interfaces interface-id switchport

例:

Device# show interfaces gigabitethernet 1/0/1 switchport

VLAN の設定を確認します。

ステップ 13

デバイスの 2 番目のポートに対して、デバイス A で上記の手順を繰り返します。

ステップ 14

デバイス B で前述の手順を繰り返し、デバイス A で設定したトランクポートに接続するトランクポートを設定します。

ステップ 15

show vlan

例:

Device# show vlan

トランクリンクがアクティブになると、VTP がデバイス B に VTP および VLAN 情報を渡します。このコマンドは、デバイス B が VLAN 設定を学習したことを確認します。

ステップ 16

configure terminal

例:

Device# configure terminal

デバイス A でグローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 17

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

STP のポート プライオリティを設定するインターフェイスを定義し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 18

spanning-tree vlan vlan-range port-priority priority-value

例:

Device(config-if)# spanning-tree vlan 8-10 port-priority 16

指定された VLAN 範囲にポート プライオリティを割り当てます。0 ~ 240 のポート プライオリティ値を入力します。ポート プライオリティ値は 16 ずつ増分します。

ステップ 19

exit

例:

Device(config-if)# exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 20

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/2

STP のポート プライオリティを設定するインターフェイスを定義し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 21

spanning-tree vlan vlan-range port-priority priority-value

例:

Device(config-if)# spanning-tree vlan 3-6 port-priority 16

指定された VLAN 範囲にポート プライオリティを割り当てます。0 ~ 240 のポート プライオリティ値を入力します。ポート プライオリティ値は 16 ずつ増分します。

ステップ 22

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 23

show running-config

例:

Device# show running-config

入力を確認します。

ステップ 24

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

STP パス コストによる負荷分散の設定

次の手順では、STP パス コストを使用した負荷分散を指定してネットワークを設定する方法について説明します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

デバイス A でグローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

トランクとして設定するインターフェイスを定義し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switchport mode trunk

例:

Device(config-if)# switchport mode trunk

ポートをトランク ポートとして設定します。

ステップ 5

exit

例:

Device(config-if)# exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 6

デバイス A またはデバイス A スタック内の別のインターフェイスでステップ 2 ~ 4 を繰り返します。

ステップ 7

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show running-config

例:

Device# show running-config

入力を確認します。画面で、インターフェイスがトランク ポートとして設定されていることを確認してください。

ステップ 9

show vlan

例:

Device# show vlan

トランクリンクがアクティブになると、デバイス A がもう一方のデバイスから VTP 情報を受信します。このコマンドは、デバイス A が VLAN コンフィギュレーションを学習したことを確認します。

ステップ 10

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 11

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

STP コストを設定するインターフェイスを定義し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 12

spanning-tree vlan vlan-range cost cost-value

例:

Device(config-if)# spanning-tree vlan 2-4 cost 30

VLAN 2 ~ 4 のスパニングツリー パス コストを 30 に設定します。

ステップ 13

end

例:

Device(config-if)# end

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 14

デバイス A に設定したもう一方のトランクインターフェイスでステップ 9 ~ 13 を繰り返し、VLAN 8、9、および 10 のスパニングツリーパスコストを 30 に設定します。

ステップ 15

exit

例:

Device(config)# exit

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 16

show running-config

例:

Device# show running-config

入力を確認します。両方のトランク インターフェイスに対してパス コストが正しく設定されていることを表示で確認します。

ステップ 17

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次の作業

VLAN トランクを設定したら、次の項目を設定できます。

  • VLAN

  • 音声 VLAN

  • プライベート VLAN

その他の参考資料

関連資料

関連項目 マニュアル タイトル

この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。

Command Reference (Catalyst 9600 Series Switches)

標準および RFC

標準/RFC タイトル

RFC 1573

Evolution of the Interfaces Group of MIB-II

RFC 1757

Remote Network Monitoring Management

RFC 2021

SNMPv2 Management Information Base for the Transmission Control Protocol using SMIv2

VLAN トランクの機能履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Gibraltar 16.11.1

VLAN トランク

この機能が導入されました。

トランクとは、1 つまたは複数のイーサネット インターフェイスと他のネットワーキングデバイス(ルータ、コントローラなど)の間のポイントツーポイントリンクです。イーサネット トランクは 1 つのリンクを介して複数の VLAN トラフィックを伝送するので、VLAN をネットワーク全体に拡張できます。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、https://cfnng.cisco.com/ に進みます。