ローカル SPAN
ローカル SPAN は 1 つのデバイス内の SPAN セッション全体をサポートします。すべての送信元ポートまたは送信元 VLAN、および宛先ポートは、同じデバイスまたはデバイススタック内にあります。ローカル SPAN は、任意の VLAN 上の
1 つまたは複数の送信元ポートからのトラフィック、あるいは 1 つまたは複数の VLAN からのトラフィックを解析するために宛先ポートへコピーします。
図 1. 単一デバイスでのローカル SPAN の設定例
ポート 5(送信元ポート)上のすべてのトラフィックがポート 10(宛先ポート)にミラーリングされます。ポート 10 のネットワーク アナライザは、ポート 5 に物理的には接続されていませんが、ポート 5 からのすべてのネットワーク トラフィックを受信します。
図 2. デバイス スタックでのローカル SPAN の設定例
SPAN セッション
SPAN セッションを使用すると、1 つまたは複数のポート上または VLAN 上でトラフィックをモニターし、そのモニターしたトラフィックを 1 つまたは複数の宛て先ポートに送信できます。ローカル SPAN セッションは、宛て先ポートと送信元ポートまたは送信元
VLAN(すべて単一のネットワークデバイス上に設定されている)を結び付けたものです。これらのセッションでは、指定された入力および出力パケットが収集され、宛て先ポートに誘導される SPAN データのストリームに形成されます。SPAN セッションの主な特性は次のとおりです。
スイッチド ポートおよびルーテッド ポートはいずれも SPAN 送信元および宛先として設定できます。
SPAN セッションがデバイスの通常の動作を妨げることはありません。ただし、10 Mbps のポートで 100 Mbps のポートをトラフィック監視するなど、オーバーサブスクライブの SPAN 宛先は、パケットのドロップまたは消失を招くことがあります。
SPAN が有効な場合、監視中の各パケットは 2 回送信されます(1 回は標準トラフィックとして、もう 1 回は監視されたパケットとして)。多数のポートまたは VLAN を監視すると、大量のネットワークトラフィックが生成されることがあります。
無効にされたポートで SPAN セッションを設定できます。ただし、SPAN セッションは、そのセッションの宛て先ポートと、少なくとも1つの送信元ポートまたは VLAN が有効になっている場合にのみアクティブになります。
モニター対象トラフィック
SPAN セッションは、次のトラフィック タイプを監視できます。
受信(Rx)SPAN:受信(または入力)SPAN は、デバイスが変更または処理を行う前に、送信元インターフェイスまたは VLAN が受信したすべてのパケットをできるだけ多くモニタリングします。送信元が受信した各パケットのコピーがその SPAN
セッションに対応する宛先ポートに送られます。
Diffserv コード ポイント(DSCP)の変更など、ルーティングや Quality of Service(QoS)が原因で変更されたパケットは、変更される前にコピーされます。
受信処理中にパケットをドロップする可能性のある機能は、入力 SPAN には影響を与えません。宛先ポートは、実際の着信パケットがドロップされた場合でも、パケットのコピーを受信します。パケットをドロップする可能性のある機能は、標準および拡張 IP
入力アクセス コントロール リスト(ACL)、入力 QoS ポリシング、VLAN ACL、および出力 QoS ポリシングです。
送信(Tx)SPAN:送信(または出力)SPAN は、デバイスによる変更または処理がすべて実行されたあとに、送信元インターフェイスから送信されたすべてのパケットをできる限り多くモニタリングします。送信元が送信した各パケットのコピーがその SPAN
セッションに対応する宛先ポートに送られます。コピーはパケットの変更後に用意されます。
両方:SPAN セッションで、受信パケットと送信パケットの両方について、ポートまたは VLAN をモニタすることもできます。これはデフォルトです。
デフォルトでは、ローカル SPAN セッションはカプセル化とともに送信元パケットを複製します。
したがって、ローカル SPAN セッションでは、タグなし、および IEEE 802.1Q タグ付きパケットが宛て先ポートに混在することがあります。
デバイスの輻輳により、入力送信元ポート、出力送信元ポート、または SPAN 宛先ポートでパケットがドロップされることがあります。一般に、これらの特性は互いに無関係です。次に例を示します。
パケットは通常どおり転送されますが、SPAN 宛先ポートのオーバーサブスクライブが原因でモニタされないことがあります。
入力パケットが標準転送されないにもかかわらず、SPAN 宛先ポートに着信することがあります。
デバイスの輻輳が原因でドロップされた出力パケットは、出力 SPAN からもドロップされます。
SPAN の設定によっては、同一送信元のパケットのコピーが複数、SPAN 宛先ポートに送信されます。たとえば、ポート A での RX モニター用とポート B での TX モニター用に双方向(RX と TX)SPAN セッションが設定されているとします。パケットがポート
A からデバイスに入ってポート B にスイッチされると、着信パケットも発信パケットも宛先ポートに送信されます。このため、両方のパケットは同じものになります。レイヤ 3 書き換えが行われた場合には、パケット変更のため異なるパケットになります。
送信元ポート
送信元ポート(別名モニター側ポート)は、ネットワーク トラフィック分析のために監視するスイッチド ポートまたはルーテッド ポートです。
1 つのローカル SPAN セッションでは、送信元ポートまたは VLAN のトラフィックを単一方向または双方向でモニターできます。
デバイスは、任意の数の送信元ポート(デバイスで使用可能なポートの最大数まで)および最大 1500 の送信元 VLAN をサポートしています。
送信元ポートの特性は、次のとおりです。
モニターする方向(入力、出力、または両方)を指定して、各送信元ポートを設定できます。
すべてのポート タイプ(EtherChannel、ギガビット イーサネットなど)が可能です。
EtherChannel 送信元の場合は、EtherChannel 全体で、または物理ポートがポート チャネルに含まれている場合は物理ポート上で個別に、トラフィックをモニターできます。
アクセス ポート、トランク ポート、ルーテッド ポート、または音声 VLAN ポートに指定できます。
宛先ポートにすることはできません。
送信元ポートは同じ VLAN にあっても異なる VLAN にあってもかまいません。
単一セッション内で複数の送信元ポートをモニターすることが可能です。
送信元 VLAN
VLAN ベースの SPAN(VSPAN)では、1 つまたは複数の VLAN のネットワーク トラフィックをモニターできます。VSPAN 内の SPAN 送信元インターフェイスが VLAN ID となり、トラフィックはその VLAN のすべてのポートでモニターされます。
VSPAN には次の特性があります。
送信元 VLAN 内のすべてのアクティブ ポートは送信元ポートとして含まれ、単一方向または双方向でモニターできます。
指定されたポートでは、モニター対象の VLAN 上のトラフィックのみが宛先ポートに送信されます。
宛先ポートが送信元 VLAN に所属する場合は、送信元リストから除外され、モニターされません。
ポートが送信元 VLAN に追加または削除されると、これらのポートで受信された送信元 VLAN のトラフィックは、モニター中の送信元に追加または削除されます。
モニターできるのは、イーサネット VLAN だけです。
セッションあたりの送信元 VLAN の数は 1,500 以下である必要があります。この制限は、受信(RX)および送信(TX)方向の合計です。
宛先ポート
各ローカル SPAN セッションには、送信元ポートおよび VLAN からのトラフィックのコピーを受信し、SPAN パケットをユーザー(通常はネットワーク アナライザ)に送信する宛て先ポート(別名モニター側ポート)が必要です。
宛先ポートの特性は、次のとおりです。
SPAN セッションには、セッションごとに 1 つの宛先ポートを設定できます。一度に 1 つの SPAN セッションにしか参加できません(ある SPAN セッションの宛先ポートは、別の SPAN セッションの宛先ポートになることはできません)。
ローカル SPAN セッションの場合、宛先ポートは送信元ポートと同じデバイスまたはデバイススタックに存在している必要があります。
ポートを SPAN 宛先ポートとして設定すると、元のポート設定が上書きされます。SPAN 宛先設定を削除すると、ポートは以前の設定に戻ります。ポートが SPAN 宛先ポートとして機能している間にポートの設定が変更されると、SPAN 宛先設定が削除されるまで、変更は有効になりません。
ポートが EtherChannel グループに含まれていた場合、そのポートが宛先ポートとして設定されている間、グループから削除されます。削除されたポートがルーテッド ポートであった場合、このポートはルーテッド ポートでなくなります。
任意のイーサネット物理ポートにできます。セキュアポートまたは送信元ポートにすることはできません。
アクティブな場合、着信トラフィックはディセーブルになります。ポートは SPAN セッションに必要なトラフィック以外は送信しません。宛先ポートでは着信トラフィックを学習したり、転送したりしません。
レイヤ 2 プロトコル(STP、VTP、CDP、DTP、PAgP)のいずれにも参加しません。
任意の SPAN セッションの送信元 VLAN に所属する宛先ポートは、送信元リストから除外され、モニターされません。
デバイスまたはデバイススタックの宛先ポートの最大数は 64 です。
ローカル SPAN の場合、宛て先ポートでの送信元パケットはデフォルトで元のカプセル化(タグなし、ISL、または IEEE802.1Q)で表示されます。したがって、ローカル SPAN セッションの出力に、タグなし、ISL、または IEEE802.1Q
タグ付きパケットが混在することがあります。