IP ルーティングコマンド

accept-lifetime

キーチェーンの認証キーが有効なキーとして受信される期間を設定するには、accept-lifetime コマンドをキーチェーン キー コンフィギュレーション モードで使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

accept-lifetime [ local ] start-time { infinite | end-time | duration seconds }

no accept-lifetime

構文の説明

local

ローカルタイムゾーンで時刻を指定します。

start-time

key コマンドで指定したキーが受信できる開始時刻です。構文は次のいずれかにすることができます。

hh : mm : ss month date year

hh : mm : ss date month year

  • hh :時間

  • mm :分

  • ss :秒

  • month :月の最初の 3 文字

  • date :日(1 ~ 31)

  • year :年(4 桁)

デフォルトの開始時刻で、指定できる最初の日付は 1993 年 1 月 1 日です。

infinite

キーは start-time 値以降、受信可能です。

end-time

キーは、start-time 値から end-time 値まで、受信可能です。シンタックスは start-time 値と同じです。end-time start-time 値の後である必要があります。デフォルトの終了時刻は無限の期間です。

duration seconds

キーが受信可能な時間の長さ(秒単位)値の範囲は 1 ~ 2147483646 です。

コマンド デフォルト

キーチェーン上の認証キーは、永久に有効として受信されます(開始時刻は 1993 年 1 月 1 日、終了時刻は無期限です)。

コマンド モード

キー チェーン キー コンフィギュレーション(config-keychain-key)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

Cisco IOS XE Bengaluru 17.5.1

duration キーワードの範囲は 1 ~ 2147483646 です。

使用上のガイドライン

DRP エージェント、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、および Routing Information Protocol(RIP)バージョン 2 のみがキーチェーンを使用します。

start-time 値と infinite end-time 、または duration seconds のいずれかの値を指定します。

キーにライフタイムを割り当てる場合は、Network Time Protocol(NTP)またはその他の時刻同期方式を実行することを推奨します。

最後のキーが期限切れになった場合、認証は続行されますが、エラー メッセージが生成されます。認証を無効にするには、手動で有効な最後のキーを削除する必要があります。

次の例では、chain1 という名前のキー チェーンが設定されます。key1 という名前のキーは午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで受け入れられ、午後 2 時 00 分から午後 3 時 00 分まで送信されます。key2 という名前のキーは午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで受け入れられ、午後 3 時 00 分から午後 4 時 00 分まで送信されます。このオーバーラップにより、ルータの設定時間内でのキーの移行または不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
Device(config-if)# ip rip authentication key-chain chain1
Device(config-if)# ip rip authentication mode md5
Device(config-if)# exit
Device(config)# router rip
Device(config-router)# network 172.19.0.0
Device(config-router)# version 2
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain)# key-string key2
Device(config-keychain)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

次に、chain1 という名前のキーを EIGRP アドレスファミリに設定する例を示します。Key1 という名前のキーは、午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで承認され、午後 2 時から午後 3 時まで送信されます。Key2 という名前のキーは、午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで承認され、午後 3 時から午後 4 時まで送信されます。この重複により、キーの移行またはルータの設定時間の不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# router eigrp 10
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# network 10.0.0.0
Device(config-router-af)# af-interface ethernet0/0
Device(config-router-af-interface)# authentication key-chain trees
Device(config-router-af-interface)# authentication mode md5
Device(config-router-af-interface)# exit
Device(config-router-af)# exit
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain-key)# key-string key2
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

address-family ipv6(OSPF)

標準の IPv6 アドレスプレフィックスを使用するルーティングセッション(Open Shortest Path First(OSPF)など)を設定するためにアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始するには、ルータ コンフィギュレーション モードで address-family ipv6 コマンドを使用します。アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

address-family ipv6 [unicast ] [vrf vrf-name ]

no address-family ipv6 [unicast ] [vrf vrf-name ]

構文の説明

unicast

(オプション)IPv6 ユニキャスト アドレス プレフィックスを指定します。

vrf

(オプション)IPv6 アドレスに対してすべての VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンステーブルまたは特定の VRF テーブルを指定します。

vrf-name

(オプション)IPv6 アドレスの特定の VRF テーブル。

コマンド デフォルト

IPv6 アドレス プレフィックスはイネーブルではありません。IPv6 アドレスプレフィックスが設定されている場合は、ユニキャスト アドレス プレフィックスがデフォルトです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース 変更内容
Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

address-family ipv6 コマンドは、ルータをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モード(プロンプト:config-router-af)にします。このモードから、標準 IPv6 アドレスプレフィックスを使用するルーティングセッションを設定できます。

次の例は、ルータをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードに切り替える方法を示しています。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# address-family ipv6 unicast
Device(config-router-af)#

address-family l2vpn

レイヤ 2 仮想プライベートネットワーク(VPN)エンドポイント プロビジョニング アドレス情報を使用するルーティングセッションを設定するためにアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始するには、ルータ コンフィギュレーション モードで address-family l2vpn コマンドを使用します。レイヤ 2 VPN アドレス ファミリ コンフィギュレーションを実行コンフィギュレーションから削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

address-family l2vpn [evpn | vpls]

no address-family l2vpn [evpn | vpls]

構文の説明

evpn

(オプション)L2VPN イーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)エンドポイント プロビジョニング アドレス情報を指定します。

vpls

(オプション)L2VPN 仮想プライベート LAN サービス(VPLS)エンドポイント プロビジョニング アドレス情報を指定します。

コマンド デフォルト

レイヤ 2 VPN エンドポイント プロビジョニングのサポートは有効になっていません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.6.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

address-family l2vpn コマンドは、デバイスをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モード(プロンプト:config-router-af)にします。このモードから、レイヤ 2 VPN エンドポイント プロビジョニングをサポートするルーティングセッションを設定できます。

レイヤ 2 VPN アドレスファミリに対する BGP サポートでは、レイヤ 2 VPN エンドポイント プロビジョニング情報を配布する BGP をベースとしたオートディスカバリ メカニズムが導入されています。BGP では、エンドポイント プロビジョニング情報を保存する際に個別のレイヤ 2 VPN ルーティング情報ベース(RIB)が使用されます。これは、レイヤ 2 仮想転送インスタンス(VFI)が設定されたときに毎回アップデートされます。プレフィックスおよびパス情報はレイヤ 2 VPN データベースに保存され、ベストパスが BGP により決定されるようになります。BGP により、アップデートメッセージですべての BGP ネイバーにエンドポイント プロビジョニング情報が配布されるとき、レイヤ 2 VPN ベースのサービスをサポートするために、エンドポイント情報を使用して Pseudowire メッシュがセットアップされます。

BGP オートディスカバリ メカニズムにより、Cisco IOS Virtual Private LAN Service(VPLS)機能に必要不可欠なレイヤ 2 VPN サービスのセットアップが簡易化されます。VPLS は、高速イーサネットを使用した堅牢でスケーラブルな IP MPLS ネットワークによる大規模な LAN として、地理的に分散した拠点間を接続することで柔軟なサービスの展開を実現します。

レイヤ 2 VPN EVPN アドレスファミリのマルチプロトコル機能は、IPv4 と IPv6 の両方のネイバーの内部 BGP(iBGP)および外部 BGP(eBGP)ネイバーでアドレスファミリ識別子(AFI)が有効になっている場合にアドバタイズされます。


(注)  


IPv4 アドレスファミリのルーティング機能は、neighbor remote-as コマンドで設定された各 BGP ルーティングセッションに対して、デフォルトでアドバタイズされます。ただし、ただし、neighbor remote-as コマンドを設定する前に、no bgp default ipv4-unicast コマンドを設定した場合は例外です。


この例では、2 つのプロバイダーエッジ(PE)デバイスがレイヤ 2 VFI、VPN、および VPLS ID を含む VPLS エンドポイント プロビジョニング情報を使用して設定されています。VPLS エンドポイント プロビジョニング情報が個別のレイヤ 2 VPN RIB に保存され、BGP 更新メッセージで他の BGP ピアに配布されるように、BGP ネイバーがレイヤ 2 VPN アドレスファミリで設定およびアクティブ化されます。BGP ピアでエンドポイント情報が受信されると、レイヤ 2 VPN ベースのサービスをサポートするために Pseudowire メッシュが設定されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# l2 vfi customerA autodiscovery
Device(config-vfi)# vpn id 100
Device(config-vfi)# vpls-id 45000:100
Device(config-vfi)# exit
Device(config)# l2 vfi customerB autodiscovery
Device(config-vfi)# vpn id 200
Device(config-vfi)# vpls-id 45000:200
Device(config-vfi)# exit
Device(config)# router bgp 45000
Device(config-router)# no bgp default ipv4-unicast
Device(config-router)# bgp log-neighbor-changes
Device(config-router)# neighbor 172.16.1.2 remote-as 45000
Device(config-router)# neighbor 172.21.1.2 remote-as 45000
Device(config-router)# address-family l2vpn vpls
Device(config-router-af)# neighbor 172.16.1.2 activate
Device(config-router-af)# neighbor 172.16.1.2 send-community extended
Device(config-router-af)# neighbor 172.21.1.2 activate
Device(config-router-af)# neighbor 172.21.1.2 send-community extended
Device(config-router-af)# end


Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# l2 vfi customerA autodiscovery
Device(config-vfi)# vpn id 100
Device(config-vfi)# vpls-id 45000:100
Device(config-vfi)# exit
Device(config)# l2 vfi customerB autodiscovery
Device(config-vfi)# vpn id 200
Device(config-vfi)# vpls-id 45000:200
Device(config-vfi)# exit
Device(config)# router bgp 45000
Device(config-router)# no bgp default ipv4-unicast
Device(config-router)# bgp log-neighbor-changes
Device(config-router)# neighbor 172.16.1.1 remote-as 45000
Device(config-router)# neighbor 172.22.1.1 remote-as 45000 
Device(config-router)# address-family l2vpn vpls
Device(config-router-af)# neighbor 172.16.1.1 activate               
Device(config-router-af)# neighbor 172.16.1.1 send-community extended
Device(config-router-af)# neighbor 172.22.1.1 activate               
Device(config-router-af)# neighbor 172.22.1.1 send-community extended
Device(config-router-af)# end

aggregate-address

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)データベース内に集約エントリを作成するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで aggregate-address コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

aggregate-address address mask [as-set] [as-confed-set] [summary-only] [suppress-map map-name] [advertise-map map-name] [attribute-map map-name]

no aggregate-address address mask [as-set] [as-confed-set] [summary-only] [suppress-map map-name] [advertise-map map-name] [attribute-map map-name]

構文の説明

address

集約アドレス。

mask

集約マスク。

as-set

(オプション)自律システム設定パス情報を生成します。

as-confed-set

(オプション)自律連合設定パス情報を生成します。

summary-only

(オプション)アップデートからのすべてのより具体的なルートをフィルタ処理します。

suppress-map map-name

(オプション)抑制するルートの選択に使用されるルート マップの名前を指定します。

advertise-map map-name

(オプション)AS_SET 送信元コミュニティを作成するルートの選択に使用されるルート マップの名前を指定します。

attribute-map map-name

(オプション)集約ルートの属性を設定するために使用されるルート マップの名前を指定します。

コマンド デフォルト

アトミック集約属性は、as-set キーワードが指定されない限り、このコマンドによって集約ルートが作成されるときに自動的に設定されます。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 1.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

集約ルートを BGP またはマルチプロトコル BGP(mBGP)に再配布するか、条件付きの集約ルーティング機能を使用することにより、BGP および mBGP に集約ルーティングを実装できます。

キーワードなしで aggregate-address コマンドを使用すると、指定された範囲内にあるより具体的な BGP または mBGP ルートが使用できる場合、BGP または mBGP ルーティングテーブルに集約エントリが作成されます(集約に一致する長いプレフィックスは、ルーティング情報ベース(RIB)に存在する必要があります)。集約ルートは自律システムからのルートとしてアドバタイズされます。また、この集約ルートには、情報が失われている可能性を示すために、アトミック集約属性が設定されます(アトミック集約属性は、as-set キーワードを指定しない限りデフォルトで設定されます)。

as-set キーワードを使用すると、コマンドがこのキーワードなしで従う同じルールを使用する集約エントリが作成されますが、このルートにアドバタイズされるパスは、集約されているすべてのパス内に含まれるすべての要素で構成される AS_SET になります。このルートは集約されたルート変更に関する自律システムパス到着可能性情報として継続的に削除してアップデートする必要があるため、多くのパスを集約する際に aggregate-address コマンドのこの形式を使用しないでください。

as-confed-set キーワードによって作成される集約エントリでは、このキーワードを指定しない場合にコマンドが従うルールと同じルールが使用されます。このキーワードは、自律的連合パス情報を生成することを除いては、as-set キーワードと同じ機能を実行します。

summary-only キーワードを使用すると、集約ルート(192.*.*.* など)が作成されるだけでなく、すべてのネイバーへのより具体的なルートのアドバタイズメントが抑制されます。特定のネイバーへのアドバタイズメントのみを抑制したい場合、neighbor distribute-list コマンドを使用できますが、慎重に使用すべきです。より具体的なルートがリークした場合、すべての BGP または mBGP ルータは、生成中の具体的でない集約よりもこのルートを優先します(最長一致ルーティングによる)。

suppress-map キーワードを使用すると、集約ルートは作成されますが、指定されたルートのアドバタイズメントが抑制されます。ルート マップの match 句を使用して、集約のより具体的な一部のルートを選択的に抑制し、他のルートを抑制しないでおくことができます。IP アクセス リストと自律システム パス アクセス リストの一致句がサポートされています。

advertise-map キーワードを使用すると、集約ルートの異なるコンポーネント(AS_SET やコミュニティなど)を構築するために使用する特定のルートが選択されます。集約のコンポーネントが別々の自律システムにあり、AS_SET で集約を作成して同じ自律システムの一部にアドバタイズしたい場合、aggregate-address コマンドのこの形式が役立ちます。AS_SET から特定の自律システム番号を省略し、集約が受信ルータの BGP ループ検出メカニズムによってドロップされるのを防ぐことを忘れてはなりません。IP アクセス リストと自律システム パス アクセス リストの match 句がサポートされています。

attribute-map キーワードを使用すると、集約ルートの属性を変更できます。AS_SET を構成するルートの 1 つが community no-export 属性(集約ルートがエクスポートされるのを防ぐ)などの属性で設定されている場合、aggregate-address コマンドのこの形式が役立ちます。属性マップ ルート マップを作成し、集約の属性を変更することができます。

次に、集約 BGP アドレスがルータ コンフィギュレーション モードで作成される例を示します。このルートにアドバタイズされるパスは、集約中のすべてのパス内に含まれるすべての要素で構成される AS_SET になります。


Device(config)#router bgp 50000 
Device(config-router)#aggregate-address 10.0.0.0 255.0.0.0 as-set 

次に、集約 BGP アドレスがアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで作成され、IP バージョン 4 アドレス ファミリの下にあるマルチキャスト データベースに適用される例を示します。summary-only キーワードが設定されているため、アップデートからより具体的なルートがフィルタ処理されます。


Device(config)#router bgp 50000 
Device(config-router)#address-family ipv4 multicast 
Device(config-router-af)#aggregate-address 10.0.0.0 255.0.0.0 summary-only 

次に、MAP-ONE というルート マップが作成され、AS-path アクセス リストで一致する例を示します。このルートにアドバタイズされるパスは、ルート マップで照合されるパスに含まれる要素で構成される AS_SET になります。


Device(config)#ip as-path access-list 1 deny ^1234_ 
Device(config)#ip as-path access-list 1 permit .* 
Device(config)#! 
Device(config)#route-map MAP-ONE 
Device(config-route-map)#match ip as-path 1 
Device(config-route-map)#exit 
Device(config)#router bgp 50000 
Device(config-router)#address-family ipv4 
Device(config-router-af)#aggregate-address 10.0.0.0 255.0.0.0 as-set advertise-map
MAP-ONE 
Router(config-router-af)#end
 

area nssa

Not-So-Stubby Area(NSSA)を設定するには、ルータアドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで area nssa コマンドを使用します。エリアから NSSA の区別を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

area nssa commandarea area-id nssa [no-redistribution] [default-information-originate [metric] [metric-type]] [no-summary] [nssa-only]

no area area-id nssa [no-redistribution] [default-information-originate [metric] [metric-type]] [no-summary] [nssa-only]

構文の説明

area-id

スタブ エリアまたは NSSA の ID。ID は、10 進数値または IP アドレスで指定します。

no-redistribution

(任意)ルータが NSSA エリア境界ルータ(ABR)であり、redistribute コマンドで、通常のエリアだけにルートをインポートし、NSSA エリアにインポートしない場合に使用します。

default-information- originate

(任意)タイプ 7 デフォルトを NSSA エリアに生成するために使用します。このキーワードは、NSSA ABR または NSSA 自律システム境界ルータ(ASBR)だけで有効です。

metric

(任意)OSPF デフォルト メトリックを指定します。

metric-type

(任意)デフォルト ルートの OSPF メトリック タイプを指定します。

no-summary

(任意)エリアを NSSA にすることを許可しますが、サマリー ルートを注入しません。

nssa-only

(任意)タイプ 7 LSA の Propagate(P)ビットを 0 に設定することで、この NSSA エリアに対するデフォルト アドバタイズメントを制限します。

コマンド デフォルト

NSSA エリアは未定義です。

コマンド モード

ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

指定したエリアをソフトウェア コンフィギュレーションから削除するには、no area area-id コマンドを使用します(他のキーワードは指定しません)。つまり、no area area-id コマンドは、area authentication area default-cost area nssa area range area stub 、および area virtual-link などのすべてのエリアオプションを削除します。

Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで area nssa コマンドを実行する必要があります。

次に、エリア 1 を NSSA エリアにする例を示します。


router ospf 1
redistribute rip subnets
network 172.19.92.0 0.0.0.255 area 1
area 1 nssa

area virtual-link

Open Shortest Path First(OSPF)仮想リンクを定義するには、ルータ アドレス ファミリ トポロジ、ルータ コンフィギュレーション、またはアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで area virtual-link コマンドを使用します。仮想リンクを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

area area-id virtual-link router-id authentication key-chain chain-name [hello-interval seconds] [retransmit-interval seconds] [transmit-delay seconds] [dead-interval seconds] [ttl-security hops hop-count]

no area area-id virtual-link router-id authentication key-chain chain-name

構文の説明

表 2.

area-id

仮想リンクに割り当てるエリア ID。10 進数値または有効な IPv6 プレフィックスを指定します。デフォルトはありません。

router-id

仮想リンク ネイバーに関連付けられるルータ ID。ルータ ID は show ip ospf または show ipv6 display コマンドで表示されます。デフォルトはありません。

authentication

仮想リンク認証を有効にします。

key-chain

暗号化認証キーのキーチェーンを設定します。

chain-name

有効な認証キーの名前。

hello-interval seconds

(任意)Cisco IOS ソフトウェアがインターフェイス上で送信する hello パケットの間隔(秒単位)を指定します。hello 間隔は、hello パケットでアドバタイズされる符号なし整数値です。この値は、共通のネットワークに接続されているすべてのルータおよびアクセス サーバで同じであることが必要です。有効な範囲は 1 ~ 8192 です。デフォルトは 10 です。

retransmit-interval seconds

(任意)インターフェイスに属する隣接に対するリンクステート アドバタイズメント(LSA)の再送信間隔(秒単位)を指定します。再送信間隔は、接続されているネットワーク上の任意の 2 台のルータ間の予想されるラウンドトリップ遅延です。この値は、予想されるラウンドトリップ遅延よりも大きいことが必要です。有効な範囲は 1 ~ 8192 です。デフォルトは 5 分です。

transmit-delay seconds

(任意)インターフェイス上でリンクステート アップデート パケットを送信するために必要な推定される時間(秒単位)を指定します。ゼロよりも大きい整数値を指定します。アップデート パケット内の LSA の経過時間は、転送前にこの値の分だけ増分されます。有効な範囲は 1 ~ 8192 です。デフォルト値は 1 です。

dead-interval seconds

(任意)hello パケットがどれだけの時間(秒単位)届かなかった場合にネイバーがルータをダウンと見なすかを指定します。デッド インターバルは符号なし整数値です。デフォルトは hello 間隔の 4 倍または 40 秒です。hello 間隔と同様に、この値は、共通のネットワークに接続されているすべてのルータとアクセス サーバで同じでなければなりません。

ttl-security hops hop-count

(任意)仮想リンク上で存続可能時間(TTL)セキュリティを設定します。引数 hop-count の範囲は 1 ~ 254 です。

コマンド デフォルト

OSPF 仮想リンクは定義されていません。

コマンド モード

ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

OSPF では、すべてのエリアがバックボーン エリアに接続されている必要があります。バックボーンへの接続が失われた場合は、仮想リンクを確立して修復できます。

hello 間隔を短くするほど、トポロジの変更が速く検出されますが、ルーティング トラフィックの増加につながります。再送信間隔は控えめに設定する必要があります。そうしないと、不必要な再送信が発生します。シリアル回線および仮想リンクの場合は、値を大きくする必要があります。

インターフェイスの送信遅延と伝達遅延を考慮した伝送遅延値を選択する必要があります。

IPv6 の OSPF で仮想リンクを設定するには、アドレスではなくルータ ID を使用する必要があります。IPv6 の OSPF では、仮想リンクはリモート ルータの IPv6 プレフィックスではなくルータ ID を使用します。

ネイバーからの OSPF パケット上の TTL 値のチェックをイネーブルにするか、ネイバーに送信される TTL 値を設定するには、ttl-security hops hop-count キーワードと引数を使用します。この機能により、OSPF にさらなる保護レイヤが追加されます。


(注)  


仮想リンクを正しく設定するには、各仮想リンク ネイバーにトランジット エリア ID と対応する仮想リンク ネイバー ルータ ID が設定されている必要があります。ルータ ID を表示するには、特権 EXEC モードで show ip ospf または show ipv6 ospf コマンドを使用します。



(注)  


指定したエリアをソフトウェア コンフィギュレーションから削除するには、no area area-id コマンドを使用します(他のキーワードは指定しません)。つまり、no area area-id コマンドは、area default-cost area nssa area range area stub 、および area virtual-link などのすべてのエリアオプションを削除します。


Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで area virtual-link コマンドを実行する必要があります。

次に、すべてのオプション パラメータでデフォルト値を使用して、仮想リンクを確立する例を示します。


Device(config)# ipv6 router ospf 1
Device(config)# log-adjacency-changes
Device(config)# area 1 virtual-link 192.168.255.1

次に、IPv6 の OSPF で仮想リンクを確立する例を示します。


Device(config)# ipv6 router ospf 1
Device(config)# log-adjacency-changes
Device(config)# area 1 virtual-link 192.168.255.1 hello-interval 5

次の例に、IPv6 向けの OSPFv3 で仮想リンク用の TTL セキュリティを設定する方法を示します。


Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# address-family ipv6 unicast vrf vrf1
Device(config-router-af)# area 1 virtual-link 10.1.1.1 ttl-security hops 10


次の例に、仮想リンク用にキー チェーンを使用して認証を設定する方法を示します。


Device(config)# area 1 virtual-link 192.168.255.1 authentication key-chain ospf-chain-1

auto-summary(BGP)

ネットワークレベルルートへのサブネットルートの自動集約を設定にするには、ルータ コンフィギュレーション モードで auto-summary コマンドを使用します。自動集約をディセーブルにし、クラスフルネットワーク境界を越えてサブプレフィックス ルーティング情報を送信するには、このコマンドの no 形式を使用します。

auto-summary

no auto-summary

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

自動集約はデフォルトで無効になっています(ソフトウェアは、クラスフル ネットワーク境界をまたいでサブプレフィックス ルーティング情報を送信します)。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

BGP は、このコマンドが有効になっている場合、クラスフル ネットワーク境界へのルートを自動的に集約します。ルート集約は、ルーティング テーブル内のルーティング情報の量を減らすために使用されます。自動集約は、接続された、静的な、再配布されたルートに適用されます。


(注)  


MPLS VPN Per VRF Label 機能は、自動集約をサポートしていません。


デフォルトでは、自動集約は無効になっており、BGP は内部ゲートウェイ プロトコル(IGP)から再配布されたサブネットを受け入れます。クラスフルネットワーク境界を越えるときにサブネットをブロックし、クラスフルネットワーク境界へのサマリサブプレフィックスを作成するには、auto-summary コマンドを使用します。

自動集約が有効なときに BGP のサブネットルートをアドバタイズして伝送するには、明示的な network コマンドを使用してサブネットをアドバタイズします。auto-summary コマンドは、network コマンド経由で、または iBGP または eBGP を介して BGP に挿入されたルートには適用されません。

デフォルトで BGP の自動集約が無効になっている理由

auto-summary を有効にすると、再配布によって BGP に挿入されたルートがクラスフル境界上に集約されます。32 ビットの IP アドレスは、ネットワーク アドレスとホスト アドレスで構成されています。サブネット マスクは、ネットワーク アドレスに使用されるビット数とホスト アドレスに使用されるビット数を決定します。IP アドレス クラスには、次の表に示すように、通常または標準のサブネット マスクがあります。

表 3. IP アドレス クラス

クラス

アドレス範囲

標準マスク

A

1.0.0.0 ~ 126.0.0.0

255.0.0.0 または /8

B

128.1.0.0 ~ 191.254.0.0

255.255.0.0 または /16

C

192.0.1.0 ~ 223.255.254.0

255.255.255.0 または /24

予約アドレスには、128.0.0.0、191.255.0.0、192.0.0.0、および 223.255.255.0 が含まれます。

標準サブネット マスクを使用する場合、クラス A アドレスはネットワーク用に 1 つのオクテットがあり、クラス B アドレスはネットワーク用に 2 つのオクテットがあり、クラス C アドレスはネットワーク用に 3 つのオクテットがあります。

たとえば、クラス B のアドレス 156.26.32.1 に 24 ビットのサブネット マスクがあるとします。24 ビットのサブネット マスクは、ネットワークに対して 3 つのオクテット、156.26.32 を選択します。最後のオクテットはホスト アドレスです。ネットワーク 156.26.32.1/24 が IGP を介して学習され、その後 BGP に再配布された場合、auto-summary が有効になっていれば、ネットワークはクラス B ネットワークのナチュラルマスクに自動的に集約されます。BGP がアドバタイズするネットワークは 156.26.0.0/16 です。BGP は、クラス B 全体のアドレス空間 156.26.0.0 から 156.26.255.255 まで到達できることをアドバタイジングします。BGP ルータ経由で到達できる唯一のネットワークが 156.26.32.0/24 である場合、BGP はこのルータ経由で到達できない 254 個のネットワークをアドバタイズします。このため、auto-summary (BGP) コマンドはデフォルトでは無効になっています。

次の例では、IPv4 アドレス ファミリ プレフィックスに対して自動集約が有効になっています。


Device(config)#router bgp 50000
 
Device(config-router)#address-family ipv4 unicast
 
Device(config-router-af)#auto-summary
 
Device(config-router-af)#network 7.7.7.7 255.255.255.255

この例では、ループバック インターフェイス 6 とループバック インターフェイス 7 にそれぞれ 7.7.7.6 と 7.7.7.7 などの異なるサブネットがあります。auto-summary コマンドと network コマンドの両方が設定されています。


Device#show ip interface brief
Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
Ethernet0/0            100.0.1.7       YES NVRAM  up                    up      
Ethernet0/1            unassigned      YES NVRAM  administratively down down    
Ethernet0/2            unassigned      YES NVRAM  administratively down down    
Ethernet0/3            unassigned      YES NVRAM  administratively down down    
Ethernet1/0            108.7.9.7       YES NVRAM  up                    up      
Ethernet1/1            unassigned      YES NVRAM  administratively down down    
Ethernet1/2            unassigned      YES NVRAM  administratively down down    
Ethernet1/3            unassigned      YES NVRAM  administratively down down    
Loopback6              7.7.7.6         YES NVRAM  up                    up      
Loopback7              7.7.7.7         YES NVRAM  up                    up      

次の出力では、auto-summary コマンドのため、BGP ルーティングテーブルには 7.7.7.6 の代わりに集約されたルート 7.0.0.0 が表示されていることに注意してください。auto-summary コマンドの影響を受けない network コマンドを使用して設定されたため、7.7.7.7/32 ネットワークが表示されます。


Device#show ip bgp
BGP table version is 10, local router ID is 7.7.7.7
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure, S Stale, m multipath, b backup-path, x best-external
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 6.6.6.6/32       100.0.1.6                0             0 6 i
*> 7.0.0.0          0.0.0.0                  0         32768 ?   <-- summarization
*> 7.7.7.7/32       0.0.0.0                  0         32768 i   <-- network command
r>i9.9.9.9/32       108.7.9.9                0    100      0 i
*> 100.0.0.0        0.0.0.0                  0         32768 ?
r> 100.0.1.0/24     100.0.1.6                0             0 6 ?
*> 108.0.0.0        0.0.0.0                  0         32768 ?
r>i108.7.9.0/24     108.7.9.9                0    100      0 ?
*>i200.0.1.0        108.7.9.9 

authentication(BFD)

シングルホップセッション用の Bidirectional Forwarding Detection(BFD)テンプレートで認証を設定するには、BFD コンフィギュレーション モードで authentication コマンドを使用します。シングルホップセッション用の BFD テンプレートで認証を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

authentication authentication-type keychain keychain-name

no authentication authentication-type keychain keychain-name

構文の説明

authentication-type

認証タイプ。有効な値は、md5、meticulous-md5、meticulous-sha1、および sha-1 です。

keychain keychain-name

指定された名前で認証キー チェーンを設定します。この名前の長さは最大 32 文字です。

コマンド デフォルト

シングルホップセッション用の BFD テンプレートでは認証が有効になっていません。

コマンド モード

BFD コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

シングルホップテンプレートで認証を設定できます。セキュリティを強化するために認証を設定することをお勧めします。認証は、BFD の送信元と宛先のペアごとに設定する必要があり、認証パラメータは両方のデバイスで同じである必要があります。

次に、BFD シングルホップテンプレートの template1 で認証を設定する例を示します。


Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#bfd-template single-hop template1
Device(config-bfd)#authentication sha-1 keychain bfd-singlehop

bfd

インターフェイスに対してベースライン Bidirectional Forwarding Detection(BFD)セッションパラメータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd コマンドを使用します。ベースライン BFD セッションパラメータを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

no bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

構文の説明

interval milliseconds

BFD 制御パケットが BFD ピアに送信される速度(ミリ秒単位)を指定します。milliseconds 引数の有効範囲は 50 ~ 9999 です。

min_rx milliseconds

BFD 制御パケットが BFD ピアで受信されるものと期待される速度(ミリ秒単位)を指定します。milliseconds 引数の有効範囲は 50 ~ 9999 です。

multiplier multiplier-value

BFD ピアから連続して紛失してよい BFD 制御パケットの数を指定します。この数に達すると、BFD はそのピアが利用不可になっていることを宣言し、レイヤ 3 BFD ピアに障害が伝えられます。multiplier-value 引数の有効範囲は 3 ~ 50 です。

コマンド デフォルト

ベースライン BFD セッションパラメータの設定はありません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd コマンドは、SVI、イーサネット、およびポートチャネル インターフェイスで設定できます。

BFD がポート チャネル インターフェイスで実行されている場合は、BFD には、750 * 3 ミリ秒のタイマー値制限があります。

bfd interval 設定は次のような場合には削除されません。

  • IPv4 アドレスがインターフェイスから削除された場合

  • IPv6 アドレスがインターフェイスから削除された場合

  • IPv6 がインターフェイスからディセーブルにされた場合

  • インターフェイスがシャットダウンされた場合

  • インターフェイスで IPv4 CEF がグローバルまたはローカルでディセーブルにされた場合

  • インターフェイスで IPv6 CEF がグローバルまたはローカルでディセーブルにされた場合

bfd interval 設定は、それを設定したサブインターフェイスが削除されたときに削除されます。


(注)  


インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd interval コマンドを設定すると、デフォルトで BFD エコー モードが有効になります。インターフェイス コンフィギュレーション モードで no ip redirect(BFD エコーが必要な場合)または no bfd echo のいずれかを有効にする必要があります。

CPU 使用率の上昇を避けるために、BFD エコー モードを使用する前に、no ip redirect コマンドを入力して、インターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)リダイレクト メッセージの送信を無効にする必要があります。


次に、ギガビットイーサネット 1/0/3 の BFD セッションパラメータを設定する例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#interface gigabitethernet 1/0/3
Device(config-if)#bfd interval 100 min_rx 100 multiplier 3

bfd all-interfaces

ルーティングプロセスに参加しているすべてのインターフェイスの Bidirectional Forwarding Detection(BFD)を有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを使用します。1 つのインターフェイスですべてのネイバーの BFD を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd all-interfaces

no bfd all-interfaces

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

ルーティングプロセスに参加しているインターフェイスの BFD が無効になっています。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

すべてのインターフェイスの BFD を有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを入力します。

次に、すべての Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)ネイバーの BFD を有効にする例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#router eigrp 123
Device(config-router)#bfd all-interfaces
Device(config-router)#end

次に、すべての Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)ネイバーの BFD を有効にする例を示します。

Device> enable
Device#configuration terminal
Device(config)#router isis tag1
Device(config-router)#bfd all-interfaces
Device(config-router)#end

bfd check-ctrl-plane-failure

Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)ルーティングプロトコルの Bidirectional Forwarding Detection(BFD)コントロールプレーン障害チェックを有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モードで bfd check-control-plane-failure コマンドを使用します。コントロールプレーン障害検出を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd check-ctrl-plane-failure

no bfd check-ctrl-plane-failure

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

BFD コントロールプレーン障害チェックが無効になっています。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd check-ctrl-plane-failure コマンドは、IS-IS ルーティングプロセスについてのみ設定できます。このコマンドは、他のプロトコルではサポートされていません。

スイッチが再起動すると、見せかけの BFD セッション障害が発生する場合があります。このとき、隣接ルータは、転送障害が本当に発生したかのように動作します。ただし、スイッチで bfd check-control-plane-failure コマンドが有効になっていると、ルータはコントロールプレーン関連の BFD セッション障害を無視できます。ルータを再起動する予定がある場合は、直前にすべての隣接ルータの設定にこのコマンドを追加し、再起動が完了したときにすべての隣接ルータからこのコマンドを削除することをお勧めします。

次に、IS-IS ルーティングプロトコルの BFD コントロールプレーン障害チェックを有効にする例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#router isis
Device(config-router)#bfd check-ctrl-plane-failure
Device(config-router)#end

bfd echo

Bidirectional Forwarding Detection(BFD)エコーモードを有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd echo コマンドを使用します。BFD エコーモードを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd echo

no bfd echo

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd interval コマンドを使用して BFD を設定している場合は、BFD エコー モードがデフォルトで有効になります。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

エコーモードはデフォルトでイネーブルになっています。キーワードを指定せずに no bfd echo コマンドを入力すると、エコーパケットの送信がオフになり、スイッチが BFD ネイバースイッチから受信したエコーパケットを転送しないことを示します。

エコーモードを有効にすると、必要最短エコー送信間隔と必要最短送信間隔の値が bfd intervalmillisecondsmin_rxmilliseconds パラメータから取得されます。


(注)  


CPU 使用率の上昇を避けるために、BFD エコーモードを使用する前に、no ip redirects コマンドを入力して、インターネット制御メッセージプロトコル(ICMP)リダイレクトメッセージの送信を無効にする必要があります。


次に、BFD ネイバー間でエコーモードを設定する例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#interface GigabitEthernet 1/0/3
Device(config-if)#bfd echo

show bfd neighbors details コマンドの次の出力は、BFD セッションネイバーが BFD エコーモードで稼働しているところを示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。

Device#show bfd neighbors details
OurAddr      NeighAddr   LD/RD  RH/RS  Holdown(mult) State Int
172.16.1.2   172.16.1.1  1/6    Up     0 (3 )        Up    Fa0/1
Session state is UP and using echo function with 100 ms interval.
Local Diag: 0, Demand mode: 0, Poll bit: 0
MinTxInt: 1000000, MinRxInt: 1000000, Multiplier: 3
Received MinRxInt: 1000000, Received Multiplier: 3
Holdown (hits): 3000(0), Hello (hits): 1000(337)
Rx Count: 341, Rx Interval (ms) min/max/avg: 1/1008/882 last: 364 ms ago
Tx Count: 339, Tx Interval (ms) min/max/avg: 1/1016/886 last: 632 ms ago
Registered protocols: EIGRP
Uptime: 00:05:00
Last packet: Version: 1            - Diagnostic: 0
             State bit: Up         - Demand bit: 0
             Poll bit: 0           - Final bit: 0
             Multiplier: 3         - Length: 24
             My Discr.: 6          - Your Discr.: 1
             Min tx interval: 1000000   - Min rx interval: 1000000
             Min Echo interval: 50000

bfd slow-timers

Bidirectional Forwarding Detection(BFD) スロータイマー値を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd slow-timers コマンドを使用します。BFD によって使用されるスロータイマーを変更するには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd slow-timers [ milliseconds]

no bfd slow-timers

コマンド デフォルト

BFD スロータイマー値は 1000 ミリ秒です。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次に、BFD スロータイマー値を 14,000 ミリ秒に設定する例を示します。

Device(config)#bfd slow-timers 14000

show bfd neighbors details コマンドの次の出力は、BFD スロータイマー値 14,000 ミリ秒が実装されているところを示します。MinTxInt および MinRxInt の値は BFD スロータイマーの設定値に対応しています。関連するコマンド出力は太字で示されています。

Device#show bfd neighbors details
OurAddr      NeighAddr   LD/RD  RH/RS  Holdown(mult) State Int
172.16.1.2   172.16.1.1  1/6    Up     0 (3 )        Up    Fa0/1
Session state is UP and using echo function with 100 ms interval.
Local Diag: 0, Demand mode: 0, Poll bit: 0
MinTxInt: 14000, MinRxInt: 14000, Multiplier: 3
Received MinRxInt: 1000000, Received Multiplier: 3
Holdown (hits): 3600(0), Hello (hits): 1200(337)
Rx Count: 341, Rx Interval (ms) min/max/avg: 1/1008/882 last: 364 ms ago
Tx Count: 339, Tx Interval (ms) min/max/avg: 1/1016/886 last: 632 ms ago
Registered protocols: EIGRP
Uptime: 00:05:00
Last packet: Version: 1            - Diagnostic: 0
             State bit: Up         - Demand bit: 0
             Poll bit: 0           - Final bit: 0
             Multiplier: 3         - Length: 24
             My Discr.: 6          - Your Discr.: 1
             Min tx interval: 1000000   - Min rx interval: 1000000
             Min Echo interval: 50000


(注)  


  • BFD セッションがダウンすると、BFD 制御パケットがスロータイマー間隔で送信されます。

  • BFD セッションが稼働している場合、エコーが有効になっていれば、BFD 制御パケットがネゴシエートされたスロータイマー間隔で送信され、エコーパケットがネゴシエートされた設定済みの BFD 間隔で送信されます。エコーが有効になっていない場合は、BFD 制御パケットがネゴシエートされた設定済みの間隔で送信されます。


bfd template

Bidirectional Forwarding Detection(BFD)テンプレートを設定し、BFD コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで bfd-template コマンドを使用します。BFD テンプレートを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd template template-name

no bfd template template-name

コマンド デフォルト

BFD テンプレートはインターフェイスにバインドされません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd-template コマンドを使用してテンプレートを作成していない場合でも、インターフェイスでテンプレート名を設定できますが、テンプレートを定義するまでテンプレートは無効と見なされます。テンプレート名を再設定する必要はありません。名前は自動的に有効になります。

Device> enable
Device#configuration terminal
Device(config)#interface Gigabitethernet 1/3/0
Device(config-if)#bfd template template1

bfd-template single-hop

シングルホップ Bidirectional Forwarding Detection(BFD)テンプレートをインターフェイスにバインドするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd template コマンドを使用します。シングルホップ BFD テンプレートをインターフェイスからアンバインドするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd-template single-hop template-name

no bfd-template single-hop template-name

構文の説明

single-hop

シングルホップ BFD テンプレートを作成します。

template-name

テンプレート名。

コマンド デフォルト

BFD テンプレートは存在しません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd template コマンドを使用すると BFD テンプレートを作成し、デバイスを BFD コンフィギュレーション モードにすることができます。テンプレートは一連の BFD 間隔値を指定するために使用できます。BFD テンプレートの一部として指定される BFD 間隔値は、1 つのインターフェイスに限定されるものではありません。

次に、BFD テンプレートを作成し、BFD 間隔値を指定する例を示します。


Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#bfd-template single-hop node1
Device(bfd-config)#interval min-tx 100 min-rx 100 multiplier 3
Device(bfd-config)#echo

次に、BFD シングルホップテンプレートを作成し、BFD 間隔値と認証キー チェーンを設定する例を示します。

Device> enable
Device#configuration terminal
Device(config)#bfd-template single-hop template1
Device(bfd-config)#interval min-tx 200 min-rx 200 multiplier 3
Device(bfd-config)#authentication keyed-sha-1 keychain bfd_singlehop

(注)  


デフォルトでは、BFD テンプレート設定で BFD エコーは有効になっていません。これは明示的に設定する必要があります。


bgp graceful-restart

すべての BGP ネイバーに対してボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)グレースフルリスタート機能をグローバルに有効にするには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで bgp graceful-restart コマンドを使用します。BGP グレースフルリスタート機能をすべての BGP ネイバーに対してグローバルに無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bgp graceful-restart [extended | restart-time seconds | stalepath-time seconds] [all]

no bgp graceful-restart

構文の説明

extended

(任意)BGP グレースフル リスタートの拡張機能を有効にします。

restart-time seconds

(任意)再起動イベント発生後にグレースフル リスタート対応ネイバーが正常な動作に戻るのをローカル ルータが待つ最大時間を設定します。この引数のデフォルト値は 120 秒です。値の設定可能範囲は 1 ~ 3600 秒です。

stalepath-time seconds

(任意)ローカル ルータが再起動するピアの古くなったパスを保持する最大時間を設定します。すべての古いパスは、このタイマーが期限切れになった後に削除されます。この引数のデフォルト値は 360 秒です。値の設定可能範囲は 1 ~ 3600 秒です。

all

(任意)すべてのアドレス ファミリ モードで BGP グレースフル リスタート機能を有効にします。

コマンド デフォルト

このコマンドがキーワードまたは引数なしで入力された場合、次のデフォルト値が使用されます。

restart-time :120 秒 stalepath-time :360 秒


(注)  


BGP グレースフル リスタート機能をイネーブルにするために、restart と stalepath のタイマー値を変更する必要はありません。デフォルト値はほとんどのネットワーク構成にとって最適な値であり、これらの値は経験豊富なネットワーク オペレータのみが調整すべきです。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 4.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bgp graceful-restart コマンドは、BGP ネットワーク内のすべての BGP ネイバーに対してグレースフルリスタート機能をグローバルに有効または無効にするために使用します。グレースフル リスタート機能は、セッションの確立時に OPEN メッセージのノンストップ フォワーディング(NSF)対応ピアと NSF 認識ピアの間でネゴシエートされます。BGP セッションの確立後にグレースフル リスタート機能をイネーブルにした場合は、セッションをハード リセットして再起動する必要があります。

グレースフル リスタート機能は、NSF 対応ルータおよび NSF 認識ルータでサポートされます。NSF 対応ルータでは、ステートフル スイッチオーバー(SSO)処理(グレースフル リスタート)を実行し、その処理が完了するまでルーティング テーブル情報を保持することによってピアの再起動を支援できます。NSF 対応ルータは NSF 対応ルータと同様に機能しますが、SSO 処理を実行することはできません。

BGP グレースフル リスタート機能は、Cisco IOS ソフトウェアのサポート バージョンがインストールされている場合、デフォルトで有効になっています。この機能のデフォルトのタイマー値は、ほとんどのネットワーク構成にとって最適です。これらの値は、経験豊富なネットワーク オペレータのみが調整することを推奨します。タイマー値を調整する場合、再起動タイマーは、OPEN メッセージ内にある保持時間を超える値に設定してはなりません。連続した再起動動作が発生する場合、以前に古くなったとしてマークされたルート(再起動するルータからのルート)が削除されます。


(注)  


BGP グレースフル リスタート機能をイネーブルにするために、restart と stalepath のタイマー値を変更する必要はありません。デフォルト値はほとんどのネットワーク構成にとって最適な値であり、これらの値は経験豊富なネットワーク オペレータのみが調整すべきです。

次の例では、BGP グレースフル リスタート機能が有効になっています。


Device#configure terminal
Device(config)#router bgp 65000
Device(config-router)#bgp graceful-restart

次の例では、再起動タイマーが 130 秒に設定されています。


Device#configure terminal
Device(config)#router bgp 65000
Device(config-router)#bgp graceful-restart restart-time 130 

次の例では、stalepath タイマーが 350 秒に設定されています。


Device#configure terminal
Device(config)#router bgp 65000
Device(config-router)#bgp graceful-restart stalepath-time 350

次の例では、extended キーワードが使用されています。


Device#configure terminal
Device(config)#router bgp 65000
Device(config-router)#bgp graceful-restart extended

clear proximity ip bgp

ハードまたはソフト再構成を使用してボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)接続をリセットするには、特権 EXEC モードで clear proximity ip bgp コマンドを使用します。

clear proximity ip bgp {* | all | autonomous-system-number | neighbor-address | peer-group group-name } [in [prefix-filter] | out | slow | soft [in [prefix-filter] | out | slow]]

構文の説明

*

現在のすべての BGP セッションをリセットすることを指定します。

all

(任意)すべてのアドレス ファミリ セッションのリセットを指定します。

autonomous-system-number

すべての BGP ピア セッションがリセットされる自律システムの番号。番号の範囲は 1 ~ 65535 です。

  • Cisco IOS リリース 12.0(32)SY8、12.0(33)S3、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、Cisco IOS XE リリース 2.4、およびそれ以降のリリースでは、4 バイト自律システム番号の形式として asplain 表記(65536 ~ 4294967295)と asdot 表記(1.0 ~ 65535.65535)がサポートされています。

  • Cisco IOS リリース 12.0(32)S12、12.4(24)T、および Cisco IOS XE リリース 2.3 では、4 バイト自律システム番号の形式として asdot 表記(1.0 ~ 65535.65535)のみがサポートされています。

自律システムの番号形式の詳細については、router bgp コマンドを参照してください。

neighbor-address

指定された BGP ネイバーのみをリセットすることを指定します。この引数の値には、IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスを指定できます。

peer-group group-name

指定された BGP ピア グループのみをリセットすることを指定します。

in

(オプション)インバウンド再構成を開始します。in out のどちらのキーワードも指定しない場合は、インバウンドとアウトバウンドの両方のセッションがリセットされます。

prefix-filter

(任意)既存のアウトバウンド ルート フィルタ(ORF)プレフィックス リストを消去して、新しいルート リフレッシュまたはソフト再構成をトリガーします。これにより、ORF プレフィックス リストが更新されます。

out

(オプション)インバウンド再構成またはアウトバウンド再構成を開始します。in out のどちらのキーワードも指定しない場合は、インバウンドとアウトバウンドの両方のセッションがリセットされます。

slow

(オプション)低速ピアのステータスを強制的にクリアして、元のアップデート グループに移します。

soft

(任意)ソフト リセットを開始します。セッションを切断しません。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

clearproximity ip bgp コマンドを使用して、ハードリセットまたはソフト再構成を開始できます。ハード リセットは、指定されたピアリング セッションを切断して再構築し、BGP ルーティング テーブルを再構築します。ソフト再構成は、保存されたプレフィックス情報を使用し、既存のピアリング セッションを切断せずに BGP ルーティング テーブルの再構成とアクティブ化を行います。ソフト再構成では、保存されているアップデート情報が使用されます。アップデートを保存するために追加のメモリが必要になりますが、ネットワークを中断せずに、新しい BGP ポリシーを適用することができます。ソフト再構成は、インバウンド セッション、またはアウトバウンド セッションに対して設定できます。


(注)  


clear proximityip bgp コマンドで使用できる一部のキーワードが複雑であるため、一部のキーワードは、別のコマンドとして説明します。個別に文書化された複雑なキーワードはすべて clear ip bgp で始まります。たとえば、IPv4 アドレスファミリセッション内のすべての BGP ネイバーに対してハードまたはソフト再構成を使用して BGP 接続をリセットする方法については、clear ip bgp ipv4 コマンドを参照してください。


保存された情報から更新を生成する

BGP セッションをリセットせずに(ダイナミックではなく)保存されたアップデート情報から新しいインバウンドアップデートを生成するには、neighbor soft-reconfiguration inbound コマンドを使用してローカル BGP ルータを事前に設定する必要があります。この事前設定により、インバウンド ポリシーによって更新が受け入れられているかどうかにかかわらず、ソフトウェアは受信したすべての更新を変更なしで格納します。更新を保存するとメモリを消費するので、可能な場合は避けるべきです。

アウトバウンド BGP ソフト設定にはメモリのオーバーヘッドがなく、事前設定は必要ありません。新しいインバウンド ポリシーを有効にするために、BGP セッションの反対側でアウトバウンドの再構成をトリガーすることができます。

次のいずれかの変更が発生するたびに、このコマンドを使用します。

  • BGP 関連のアクセス リストへの追加または変更

  • BGP 関連ウェイトの変更

  • BGP 関連配布リストの変更

  • BGP 関連ルート マップの変更

ダイナミック インバウンド ソフト リセット

これは RFC 2918 に定義されているルート リフレッシュ機能で、サポートしているピアへのルート リフレッシュ要求を交換することにより、ローカル ルータがインバウンド ルーティング テーブルを動的にリセットできるようにするものです。中断を伴わないポリシー変更については、ルート リフレッシュ機能がアップデート情報をローカルに保存することはありません。その代わり、サポートしているピアとの動的な交換に依存します。ルート リフレッシュは、BGP 機能のネゴシエーションによってアドバタイズされます。すべての BGP ルータが、ルート リフレッシュ機能をサポートしていなければなりません。

BGP ルータがこの機能をサポートしているかどうかを確認するには、show ip bgp neighbors コマンドを使用します。ルータがルート リフレッシュ機能をサポートしている場合、次のメッセージが出力されます。


Received route refresh capability from peer.

すべての BGP ルータがルートリフレッシュ機能をサポートしている場合は、in キーワードを指定して clear proximityip bgp コマンドを使用します。ルートリフレッシュ機能がサポートされている場合は、ソフトリセットが自動的に行われるため、soft キーワードを使用する必要はありません。


(注)  


ソフト リセット(インバウンドまたはアウトバウンド)を設定した後、BGP ルーティング プロセスがメモリを保持するのは正常です。保持されるメモリの量は、ルーティング テーブルのサイズと使用されるメモリ チャンクの割合によって異なります。部分的に使用されているメモリ チャンクは、グローバル ルータ プールからより多くのメモリが割り当てられる前に使用または解放されます。


次の例では、ネイバー 10.100.0.1 とのインバウンド セッションに対してソフト再構成が開始され、アウトバウンド セッションは影響を受けません。


Device#clear proximity ip bgp 10.100.0.1 soft in

次の例では、ルート リフレッシュ機能が BGP ネイバー ルータでイネーブルになっており、ネイバー 172.16.10.2 とのインバウンド セッションに対してソフト再構成が開始され、アウトバウンド セッションは影響を受けません。


Device#clear proximity ip bgp 172.16.10.2 in

次の例では、自律システム番号 35700 のすべてのルータとのセッションに対してハード リセットが開始されます。


Device#clear proximity ip bgp 35700

次の例では、asplain 表記の 4 バイト自律システム番号 65538 のすべてのルータとのセッションに対してハード リセットが開始されます。この例では、Cisco IOS Release 12.0(32)SY8、12.0(33)S3、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、Cisco IOS XE Release 2.4 またはそれ以降のリリースが必要です。


Device#clear proximity ip bgp 65538

次の例では、asdot 表記の 4 バイト自律システム番号 1.2 のすべてのルータとのセッションに対してハード リセットが開始されます。この例では、Cisco IOS Release 12.0(32)SY8、12.0(32)S12、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、12.4(24)T、および Cisco IOS XE Release 2.3 またはそれ以降のリリースが必要です。


Device#clear proximity ip bgp 1.2

default-information originate(OSPF)

デフォルト外部ルートを Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングドメイン内に生成するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで default-information originate コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

default-information originate [always] [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]

no default-information originate [always] [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]

構文の説明

always

(任意)ソフトウェアにデフォルト ルートがあるかどうかにかかわらず、常に、デフォルト ルートをアドバタイズします。

(注)  

 

ルートマップを使用する場合、キーワード always には次の例外が含まれます。ルートマップを使用する場合、OSPF によるデフォルトルートの送信は、ルーティングテーブル内にデフォルトルートが存在するかどうかによって制限されず、always キーワードは無視されます。

metric metric-value

(任意)デフォルト ルートを生成するために使用するメトリック。値を省略して、default-metric ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して値を指定しない場合、デフォルトのメトリック値は 10 になります。使用される値はプロトコル固有です。

metric-type type-value

(任意)OSPF ルーティング ドメインにアドバタイズされる、デフォルト ルートに関連付けられた外部リンク タイプ次のいずれかの値を指定できます。

  • タイプ 1 外部ルート。

  • タイプ 2 外部ルート。

デフォルトはタイプ 2 外部ルートです。

route-map map-name

(任意)ルーティング プロセスは、ルート マップが満たされている場合にデフォルト ルートを生成します。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。OSPF ルーティング ドメイン内にデフォルト外部ルートは生成されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

コマンド履歴

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

redistribute または default-information ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して、OSPF ルーティングドメインにルートを再配布する場合、Cisco IOS ソフトウェアは自動的に自律システム境界ルータ(ASBR)になります。ただし、デフォルトでは、ASBR はデフォルト ルートを OSPF ルーティング ドメインに生成しません。キーワード always を指定した場合を除き、ソフトウェアには、デフォルトルートを生成する前に、自身のためにデフォルトルートが設定されている必要があります。

ルート マップを使用する場合、OSPF によるデフォルト ルートの送信は、ルーティング テーブル内にデフォルト ルートが存在するかどうかによって制限されません。

Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで default-information originate コマンドを実行する必要があります。

次に、OSPF ルーティング ドメインに再配布されるデフォルト ルートのメトリックを 100 に指定し、外部メトリック タイプをタイプ 1 に指定する例を示します。


router ospf 109
redistribute eigrp 108 metric 100 subnets
default-information originate metric 100 metric-type 1

default-metric(BGP)

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)に再配布されたルートのデフォルトメトリックを設定するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで default-metric コマンドを使用します。設定した値を削除し、BGP をデフォルト操作に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

default-metric number

no default-metric number

構文の説明

number

再配布されたルートに適用されるデフォルト メトリック値。この引数の値の範囲は 1 ~ 4294967295 です。

コマンド デフォルト

このコマンドが設定されていない場合、またはこのコマンドの no 形式を入力した場合のデフォルト動作は次のとおりです。

  • 再配布される内部ゲートウェイ プロトコル(IGP)ルートのメトリックは、内部 BGP(iBGP)メトリックに等しい値に設定されます。

  • 再配布される、接続されたルートとスタティック ルートのメトリックは、0 に設定されます。

このコマンドを有効にすると、再配布された接続ルートのメトリックは 0 に設定されます。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 6.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

default-metric コマンドを使用して、BGP に再配布されたルートのメトリック値を設定し、受信後に内部的に iBGP ピアにアドバタイズされる任意の外部 BGP(eBGP)ルートに適用できます。

この値は、ベストパス選択プロセス中に BGP によって評価される Multi Exit Discriminator(MED)です。MED は、ローカル自律システム(AS)および隣接 AS 内でのみ処理される非推移的な値です。デフォルトのメトリックは、受信したルートに MED 値がある場合には設定されません。


(注)  


イネーブルの場合、default-metric コマンドは、再配布された接続ルートに 0 のメトリック値を適用します。default-metric コマンドは、redistribute コマンドで適用されるメトリック値を上書きしません。


次の例では、OSPF から BGP に再配布されるルートに 1024 のメトリックが設定されています。


Device(config)#router bgp 50000 
Device(config-router)#address-family ipv4 unicast
 
Device(config-router-af)#default-metric 1024 
Device(config-router-af)#redistribute ospf 10 
Device(config-router-af)#end

次の設定例と出力例では、受信されて内部的に iBGP ピアにアドバタイズされる eBGP ルートに対してメトリック 300 が設定されています。


Device(config)#router bgp 65501
Device(config-router)#no synchronization
Device(config-router)#bgp log-neighbor-changes
Device(config-router)#network 172.16.1.0 mask 255.255.255.0
Device(config-router)#neighbor 172.16.1.1 remote-as 65501
Device(config-router)#neighbor 172.16.1.1 soft-reconfiguration inbound
Device(config-router)#neighbor 192.168.2.2 remote-as 65502
Device(config-router)#neighbor 192.168.2.2 soft-reconfiguration inbound
Device(config-router)#default-metric 300
Device(config-router)#no auto-summary

上記の設定後、show ip bgp neighbors received-routes コマンドの出力に示すように、192.168.2.2 の eBGP ピアからいくつかのルートが受信されます。


Device#show ip bgp neighbors 192.168.2.2 received-routes
 
BGP table version is 7, local router ID is 192.168.2.1 
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure, S Stale
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 172.17.1.0/24    192.168.2.2                            0 65502 i

192.168.2.2 の eBGP ピアから受信したルートが内部的に iBGP ピアにアドバタイズされた後、show ip bgp neighbors received-routes コマンドの出力は、これらのルートに対してメトリック(MED)が 300 に設定されたことを示します。


Device#show ip bgp neighbors 172.16.1.2 received-routes
BGP table version is 2, local router ID is 172.16.1.1 
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure, S Stale
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
* i172.16.1.0/24    172.16.1.2               0    100      0 i
* i172.17.1.0/24    192.168.2.2            300    100      0 65502 i
Total number of prefixes 2

distance(OSPF)

アドミニストレーティブ ディスタンスを定義するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたは VRF コンフィギュレーション モードで distance コマンドを使用します。distance コマンドを削除し、システムをデフォルトの状態に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

distance weight [ip-address wildcard-mask [access-list name ]]

no distance weight ip-address wildcard-mask [access-list-name]

構文の説明

weight

アドミニストレーティブ ディスタンス。範囲は 10 ~ 255 です。単独で使用される場合、weight 引数は、ルーティング情報ソースに他の指定がない場合にソフトウェアが使用するデフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスを指定します。アドミニストレーティブ ディスタンスが 255 のルートはルーティング テーブルに格納されません。「使用上のガイドライン」の項の表に、デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスがリストされています。

ip-address

(任意)4 分割ドット付き 10 進表記の IP アドレス。

wildcard-mask

(任意)4 分割ドット付き 10 進表記のワイルドカード マスク。wildcard-mask 引数でビットが 1 に設定されている場合、ソフトウェアは、アドレス値で対応するビットを無視します。

access-list-name

(任意)着信ルーティング アップデートに適用される IP アクセス リストの名前。

コマンド デフォルト

このコマンドが指定されていない場合、アドミニストレーティブ ディスタンスはデフォルトになります。「使用上のガイドライン」の項の表に、デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスがリストされています。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

VRF コンフィギュレーション(config-vrf)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。ユーザ グループの割り当てのためにコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。

アドミニストレーティブ ディスタンスは、10 ~ 255 の整数です。通常は、値が大きいほど、信頼性の格付けが下がります。255 のアドミニストレーティブ ディスタンスは、ルーティング情報源がまったく信頼できないため、無視すべきであることを意味します。重み値は主観的に選択します。重み値を選択するための定量的方法はありません。

アクセス リストがこのコマンドで使用される場合、ネットワークがルーティング テーブルに挿入されるときに適用されます。この動作により、ルーティング情報を提供する IP プレフィックスに基づいてネットワークをフィルタリングできます。たとえば、管理制御下にないネットワーキング デバイスからの、間違っている可能性があるルーティング情報をフィルタリングできます。

distance コマンドを実行する順序は、「例」の項に示すように、割り当てられるアドミニストレーティブ ディスタンスに影響を与える可能性があります。次の表に、デフォルトのアドミニストレイティブ ディスタンスを示します。

表 7. デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンス

レート ソース

デフォルト距離

接続されているインターフェイス

0

インターフェイスからのスタティック ルート

0

ネクスト ホップへのスタティック ルート

1

EIGRP 集約ルート

5

外部 BGP

20

内部 EIGRP

90

OSPF

110

IS-IS

115

RIP バージョン 1 および 2

120

外部 EIGRP

170

内部 BGP

200

不明

255

タスク ID

タスク ID

動作

ospf

読み取り、書き込み

次の例では、router ospf コマンドを使用して、Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングインスタンス 1 を設定しています。最初の distance コマンドは、デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスを 255 に設定します。つまり、ソフトウェアは、明示的なディスタンスが設定されていないネットワーキングデバイスからのすべてのルーティングアップデートを無視します。2 番目の distance コマンドは、ネットワーク 192.168.40.0 上のすべてのデバイスのアドミニストレーティブ ディスタンスを 90 に設定します。


Device#configure terminal
Device(config)#router ospf 1
Device(config-ospf)#distance 255
Device(config-ospf)#distance 90 192.168.40.0 0.0.0.255

eigrp log-neighbor-changes

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)隣接関係の変更のロギングをイネーブルにするには、ルータ コンフィギュレーション モード、アドレスファミリ コンフィギュレーション モード、またはサービスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-changes コマンドを使用します。EIGRP 隣接関係の変化に関するロギングをディセーブルにするには、この コマンドの no 形式を使用します。

eigrp log-neighbor-changes

no eigrp log-neighbor-changes

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

隣接関係の変更がロギングされます。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)サービス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-sf)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、ルーティング システムの安定性を監視して問題の検出に役立てるために、ネイバー ルータとの隣接関係の変更のロギングをイネーブルにします。デフォルトでは、ロギングはイネーブルです。隣接関係の変更のロギングをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

EIGRP アドレスファミリ隣接関係の変更のロギングをイネーブルにするには、アドレスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-changes コマンドを使用します。

EIGRP サービスファミリ隣接関係の変更のロギングをイネーブルにするには、サービスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-changes コマンドを使用します。

次の設定は、EIGRP プロセス 209 について隣接関係の変更のロギングをディセーブルにします。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# no eigrp log-neighbor-changes

次の設定は、EIGRP プロセス 209 について隣接関係の変更のロギングをイネーブルにします。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# eigrp log-neighbor-changes

次に、自律システム 4453 で EIGRP アドレス ファミリの隣接の変更のロギングをディセーブルにする例を示します。


Device(config)# router eigrp virtual-name
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453 
Device(config-router-af)# no eigrp log-neighbor-changes
Device(config-router-af)# exit-address-family

次の設定は、EIGRP サービス ファミリ プロセス 209 について隣接関係の変更のロギングをイネーブルにします。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# service-family ipv4 autonomous-system 4453 
Device(config-router-sf)# eigrp log-neighbor-changes
Device(config-router-sf)# exit-service-family

ip authentication key-chain eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)パケットの認証を有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip authentication key-chain eigrp コマンドを使用します。このような認証をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip authentication key-chain eigrp as-number key-chain

no ip authentication key-chain eigrp as-number key-chain

構文の説明

as-number

認証が適用される自律システム番号

key-chain

認証キー チェーン名

コマンド デフォルト

EIGRP パケットには認証は適用されません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次に、自律システム 2 に認証を適用し、SPORTS というキー チェーン名を識別する例を示します。


Device(config-if)#ip authentication key-chain eigrp 2 SPORTS

ip authentication mode eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)パケットに使用される認証タイプを指定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip authentication mode eigrp コマンドを使用します。認証タイプをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip authentication mode eigrp as-number md5

no ip authentication mode eigrp as-number md5

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

md5

キー付き Message Digest 5(MD5)認証。

コマンド デフォルト

EIGRP パケットには認証は適用されません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

認証を設定して、未承認のソースによる無許可または不正なルーティング メッセージの導入を防ぎます。認証が設定される際に、MD5 キー付きダイジェストが指定された自律システム内の各 EIGRP パケットに追加されます。

次に、自律システム 10 にある EIGRP パケットで MD5 認証を使用するためにインターフェイスを設定する例を示します。


Device(config-if)#ip authentication mode eigrp 10 md5

ip bandwidth-percent eigrp

インターフェイス上で Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)で使用される可能性ある帯域幅の割合を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip bandwidth-percent eigrp コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip bandwidth-percent eigrp as-number percent

no ip bandwidth-percent eigrp as-number percent

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

percent

EIGRP で使用できる帯域幅のパーセント

コマンド デフォルト

EIGRP では、利用可能な帯域幅の 50% を使用できます。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bandwidth インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで定義されているように、EIGRP はリンクの帯域幅を 50% まで使用します。このコマンドは、帯域幅のその他のフラクションが必要な場合に使用できます。100% を超える値が設定されている可能性があることに注意してください。他の理由で帯域幅が意図的に低く設定されている場合、この設定オプションは便利な場合があります。

次に、EIGRP で、自律システム 209 の 56-kbps シリアル リンクを最大 75%(42 kbps)使用できるようにする例を示します。


Device(config)#interface serial 0
Device(config-if)#bandwidth 56
Device(config-if)#ip bandwidth-percent eigrp 209 75

ip cef load-sharing algorithm

Cisco Express Forwarding ロードバランシング アルゴリズムを選択するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip cef load-sharing algorithm コマンドを使用します。デフォルトのユニバーサル ロードバランシング アルゴリズムに戻るには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip cef load-sharing algorithm {original | [universal [id] ]}

no ip cef load-sharing algorithm

構文の説明

original

送信元および宛先のハッシュに基づいて、ロードバランス アルゴリズムを元のアルゴリズムに設定します。

universal

送信元ハッシュ、宛先ハッシュ、ID ハッシュを使用するユニバーサル アルゴリズムに、ロードバランシング アルゴリズムを設定します。

id

(任意)固定 ID。

コマンド デフォルト

ユニバーサル ロードバランシング アルゴリズムがデフォルトで選択されています。ロードバランシング アルゴリズムに固定識別子を設定しなかった場合、ルータは固有 ID を自動的に生成します。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

Cisco Express Forwarding のオリジナルのロードバランシング アルゴリズムでは、すべてのデバイスで同じアルゴリズムが使用されるため、複数のデバイスにわたるロードシェアリングで歪みが発生していました。ロードバランシング アルゴリズムをユニバーサルモードに設定すると、ネットワークのそれぞれのデバイスは、送信元アドレスと宛先アドレスのペアごとに別々のロードシェアリング決定を下すことができるようになり、ロードバランシングのゆがみが解消します。

次に、Cisco Express Forwarding の元のロードバランシング アルゴリズムを有効にする例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# ip cef load-sharing algorithm original
Device(config)# exit

ip community-list

BGP コミュニティリストを設定し、コミュニティ値に基づいて許可または拒否するルートを制御するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip community-list コマンドを使用します。コミュニティリストを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

標準コミュニティ リスト

ip community-list {standard | standard list-name} {deny | permit} [community-number] [AA:NN] [internet] [local-as] [no-advertise] [no-export] [gshut]

no ip community-list {standard | standard list-name}

拡張コミュニティ リスト

ip community-list {expanded | expanded list-name} {deny | permit} regexp

no ip community-list {expanded | expanded list-name}

構文の説明

standard

コミュニティの 1 つ以上の許可または拒否グループを識別する 1 ~ 99 までの標準のコミュニティ リスト番号。

standard list-name

標準コミュニティ リストを設定します。

deny

指定されたコミュニティ(複数の場合あり)に一致するルートを拒否します。

permit

指定されたコミュニティ(複数の場合あり)に一致するルートを許可します。

community-number

(任意)1 ~ 4294967200 の範囲の 32 ビットの番号。1 つのコミュニティ、または複数のコミュニティをそれぞれスペースで区切って入力できます。

AA : NN

(任意)4 バイトの新コミュニティ形式で入力する自律システム番号およびネットワーク番号。この値は、コロンで区切られた 2 バイトの数 2 つで設定されます。2 バイトの数ごとに 1 ~ 65535 の数を入力できます。1 つのコミュニティ、または複数のコミュニティをそれぞれスペースで区切って入力できます。

internet

(任意)インターネット コミュニティを指定します。このコミュニティのルートは、すべてのピア(内部および外部)にアドバタイズされます。

local-as

(任意)local-as コミュニティを指定します。コミュニティのあるルートは、ローカル自律システムの一部であるピアへのみ、または連合のサブ自律システム内のピアへのみアドバタイズされます。これらのルートは、外部ピアや、連合内の他のサブ自律システムにはアドバタイズされません。

no-advertise

(任意)no-advertise コミュニティを指定します。このコミュニティのあるルートはピア(内部または外部)にはアドバタイズされません。

no-export

(任意)no-export コミュニティを指定します。このコミュニティのあるルートは、同じ自律システム内のピアへのみ、または連合内の他のサブ自律システムへのみアドバタイズされます。これらのルートは外部ピアにはアドバタイズされません。

gshut

(任意)グレースフル シャットダウン(GSHUT)コミュニティを指定します。

expanded

コミュニティの 1 つ以上の許可または拒否グループを識別する 100 ~ 500 までの拡張コミュニティ リスト番号。

expanded list-name

拡張コミュニティ リストを設定します。

regexp

入力ストリングとの照合パターンの指定に使用される正規表現。

(注)  

 

正規表現を使用できるのは拡張コミュニティ リストだけです。

コマンド デフォルト

BGP コミュニティの交換はデフォルトではイネーブルになりません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

表 8.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

ip community-list コマンドは、1 つ以上のコミュニティ値に基づいて BGP ルートをフィルタリングするために使用されます。BGP コミュニティ値は 32 ビット数値(古い形式)または 4 バイト数値(新しい形式)として設定されます。新しいコミュニティ形式は、ip bgp-community new-format コマンドをグローバル コンフィギュレーション モードで入力した場合に、イネーブルになります。新しいコミュニティ形式は、4 バイト値で構成されます。先頭の 2 バイトは自律システム番号を表し、末尾の 2 バイトはユーザ定義のネットワーク番号を表します。名前付きおよび番号付きコミュニティ リストがサポートされます。

BGP コミュニティの交換はデフォルトではイネーブルになりません。BGP ピア間の BGP コミュニティ属性の交換は、neighbor send-community コマンドを使用してネイバー単位でイネーブルになります。BGP コミュニティ属性は、RFC 1997 および RFC 1998 に定義されています。

このコマンドまたは set community コマンドで他のコミュニティ値が設定されるまで、デフォルトではすべてのルートまたはプレフィックスにインターネットコミュニティが適用されます。

ルート マップを使用してコミュニティ リストを参照し、ポリシー ルーティングや設定値を適用します。

コミュニティ リストの処理

特定のコミュニティセットと照合するように permit 値が設定されている場合は、デフォルトで、コミュニティリストが他のすべてのコミュニティ値に対して暗黙拒否に設定されます。アクセスリストとは異なり、コミュニティリストには deny ステートメントのみを含めることが可能です。

  • 同じ ip community-list ステートメントに複数のコミュニティを設定すると、論理 AND 条件が作成されます。ルートのすべてのコミュニティ値は、AND 条件を満たすためにコミュニティ リスト ステートメントのコミュニティと一致する必要があります。

  • 独立した ip community-list ステートメントに複数のコミュニティを設定すると、論理 OR 条件が作成されます。条件に一致する最初のリストが処理されます。

標準コミュニティ リスト

標準コミュニティ リストは、既知のコミュニティや特定のコミュニティ番号の設定に使用されます。標準コミュニティ リストでは、最大 16 のコミュニティを設定できます。16 を超えるコミュニティを設定しようとすると、制限数を超えた後続のコミュニティは処理されないか、または実行コンフィギュレーション ファイルに保存されます。

拡張コミュニティ リスト

拡張コミュニティ リストは正規表現によるフィルタ コミュニティに使用されます。正規表現は、コミュニティ属性の照合パターンの設定に使用されます。* または + の文字を使用した照合の順序は、最長のコンストラクトが最初になります。入れ子のコンストラクトは外側から内側へと照合されます。連結コンストラクトは左側から順に照合されます。ある正規表現が、1 つの入力ストリングの異なる 2 つの部分と一致する可能性がある場合、早く入力された部分が最初に一致します。正規表現の設定の詳細については、『Terminal Services Configuration Guide』の付録「Regular Expressions」を参照してください。

次の例では、標準コミュニティ リストが、自律システム 50000 のネットワーク 10 からのルートを許可するように設定されます。


Device(config)#ip community-list 1 permit 50000:10 

次の例では、同じ自律システムのピアか、同じ連合内のサブ自律システムのピアからのルートのみを許可するように、標準コミュニティ リストが設定されます。


Device(config)#ip community-list 1 permit no-export

次の例では、標準コミュニティ リストが、自律システム 65534 内のネットワーク 40 からのコミュニティと自律システム 65412 内のネットワーク 60 からのコミュニティを搬送するルートを拒否するように設定されます。この例は、論理 AND 条件を示しています。すべてのコミュニティ値が一致しないとリストが処理されません。


Device(config)#ip community-list 2 deny 65534:40 65412:60 

次の例では、名前付き標準コミュニティ リストが、ローカル自律システム内のすべてのルートを許可する、または、自律システム 40000 内のネットワーク 20 からのルートを許可するように設定されます。この例は、論理 OR 条件を示しています。最初の一致が処理されます。


Device(config)#ip community-list standard RED permit local-as 
Device(config)#ip community-list standard RED permit 40000:20

次の例では、GSHUT コミュニティとのルートを拒否し、ローカル AS コミュニティとのルートを許可する標準コミュニティ リストが設定されています。この例は、論理 OR 条件を示しています。最初の一致が処理されます。


Device(config)#ip community-list 18 deny gshut 
Device(config)#ip community-list 18 permit local-as

次の例では、拡張コミュニティ リストが、プライベート自律システムからのコミュニティを持つルートを拒否するように設定されています。


Device(config)#ip community-list 500 deny _64[6-9][0-9][0-9]_|_65[0-9][0-9][0-9]_ 

次の例では、名前付き拡張コミュニティ リストが、自律システム 50000 のネットワーク 1 ~ 99 のルートを拒否するように設定されています。


Device(config)#ip community-list expanded BLUE deny 50000:[0-9][0-9]_ 

ip prefix-list

プレフィックスリストを作成したり、プレフィックスリスト エントリを追加するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip prefix-list コマンドを使用します。プレフィックスリスト エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip prefix-list {list-name [seq number] {deny | permit} network/length [ge ge-length] [le le-length] | description 説明 | sequence-number}

no ip prefix-list {list-name [seq number] [ {deny | permit} network/length [ge ge-length] [le le-length]] | description 説明 | sequence-number}

構文の説明

list-name

プレフィックス リストを識別するための名前を設定します。「detail」または「summary」という単語は、show ip prefix-list コマンドのキーワードであるため、リスト名として使用しないでください。

seq

(任意)プレフィックスリスト エントリにシーケンス番号を適用します。

number

(任意)1 ~ 4294967294 の整数。このコマンドを設定するときにシーケンス番号が入力されない場合は、デフォルトのシーケンス番号がプレフィックス リストに適用されます。最初のプレフィックス エントリに番号 5 が適用され、後続の番号のないエントリには 5 ずつ増えた番号が適用されます。

deny

一致した条件へのアクセスを拒否します。

permit

一致した条件へのアクセスを許可します。

network / length

ネットワーク アドレスおよびネットワーク マスクの長さ(ビット単位)を設定します。ネットワーク番号には、任意の有効な IP アドレスまたはプレフィックスを指定できます。ビット マスクは 1 から 32 までの番号を使用できます。

ge

(任意)引数 ge-length を指定された範囲に適用することにより、範囲の下限(範囲の説明の「~から」の部分)を指定します。

(注)  

 

ge キーワードは、演算子の「以上」を表します。

ge-length

(オプション)照合されるプレフィックスの最小の長さを表します。

le

(任意)引数 le-length を指定された範囲に適用することにより、範囲の上限(範囲の説明の「~まで」の部分)を指定します。

(注)  

 

le キーワードは、演算子の「以下」を表します。

le-length

(オプション)照合されるプレフィックスの最大の長さを表します。

description

(任意)プレフィックス リストに記述名を設定します。

description

(任意)プレフィックス リストの記述名(1 ~ 80 文字の長さ)。

sequence-number

(任意)プレフィックス リストのシーケンス番号の使用を有効または無効にします。

コマンド デフォルト

プレフィックス リストまたはプレフィックスリスト エントリは作成されません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

表 9.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

IP プレフィックス フィルタリングを設定するには、ip prefix-list コマンドを使用します。一致条件に基づいてプレフィックスを許可または拒否するには、プレフィックスリストを permit または deny キーワードを指定して設定します。どのプレフィックス リストのエントリとも一致しないトラフィックに暗黙拒否が適用されます。

プレフィックスリスト エントリは、IP アドレスとビット マスクで構成されています。IP アドレスは、クラスフルなネットワーク、サブネット、または単一のホスト ルート用にできます。ビット マスクは、1 ~ 32 の数値です。

プレフィックスリストは、完全なプレフィックス長の一致、または ge キーワードと le キーワードが使用されている場合は範囲内の一致に基づいてトラフィックをフィルタリングするように設定されます。ge キーワードと le キーワードは、プレフィックス長の範囲を指定するために使用され、network/length 引数だけを使用するよりも柔軟な設定を提供します。プレフィックスリストは、ge キーワードと le キーワードのどちらも指定されていない場合、完全一致を使用して処理されます。ge 値のみが指定されている場合、範囲は ge ge-length 引数に入力された値から完全な 32 ビットの長さまでです。le 値のみが指定されている場合、範囲は network/length 引数 に入力された値から le le-length 引数までです。ge ge-length le le-length の両方のキーワードと引数が入力された場合、その範囲は ge-length 引数と le-length 引数に使用される値の間です。

この動作は、次の式で表すことができます。

length < ge ge-length < le le-length <= 32

シーケンス番号なしで seq キーワードが設定されている場合、デフォルトのシーケンス番号は 5 です。このシナリオでは、最初のプレフィックスリスト エントリには番号 5 が割り当てられ、後続のプレフィックス リスト エントリは 5 ずつ増分します。たとえば、次の 2 つのエントリはシーケンス番号 10 と 15 を持ちます。最初のプレフィックス リスト エントリにシーケンス番号が入力され、後続のエントリには入力されない場合、後続のエントリ番号は 5 ずつ増分します。たとえば、最初に設定されたシーケンス番号が 3 の場合、後続のエントリは 8、13、および 18 になります。デフォルトのシーケンス番号を抑制するには、seq キーワードを指定して no ip prefix-list コマンドを入力します。

プレフィックス リストの評価はシーケンス番号が最も小さいからものから開始し、一致するものが見つかるまで順番に評価していきます。IP アドレスの一致が見つかると、そのネットワークに permit または deny 文が適用され、リストの残りは評価されません。


ヒント


最も処理される頻度の高いプレフィックス リスト文のシーケンス番号を最小にすれば、最良のパフォーマンスを得ることができます。seq number キーワードと引数はリシーケンスに使用できます。


neighbor prefix-list コマンドを入力すると、特定のピアのインバウンドまたはアウトバウンドアップデートにプレフィックスリストが適用されます。プレフィックスリストの情報とカウンタは、show ip prefix-list コマンドの出力に表示されます。prefix-list カウンタをリセットするには、clear ip prefix-list コマンドを入力します。

次の例では、プレフィックス リストがデフォルト ルート 0.0.0.0/0 を拒否するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list RED deny 0.0.0.0/0

次の例では、プレフィックス リストが 172.16.1.0/24 サブネットからのトラフィックを許可するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list BLUE permit 172.16.1.0/24

次の例では、プレフィックス リストが 24 ビット以下のマスク長を持つ 10.0.0.0/8 ネットワークからのルートを許可するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list YELLOW permit 10.0.0.0/8 le 24

次の例では、プレフィックス リストが 25 ビット以上のマスク長を持つ 10.0.0.0/8 ネットワークからのルートを拒否するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list PINK deny 10.0.0.0/8 ge 25

次の例では、マスク長が 8 ~ 24 ビットの任意のネットワークからのルートを許可するようにプレフィックス リストが設定されています。


Device(config)#ip prefix-list GREEN permit 0.0.0.0/0 ge 8 le 24

次の例では、プレフィックス リストが 10.0.0.0/8 ネットワークからの任意のマスク長を持つルートを拒否するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list ORANGE deny 10.0.0.0/8 le 32
 

ip hello-interval eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)プロセスの Hello インターバルを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip hello-interval eigrp コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip hello-interval eigrp as-number seconds

no ip hello-interval eigrp as-number [seconds]

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

seconds

hello インターバル(秒単位)。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

低速の非ブロードキャスト マルチアクセス(NBMA)ネットワークの hello インターバルは 60 秒で、その他のすべてのネットワークは 5 秒です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

デフォルトの 60 秒は、低速の NBMA メディアだけに適用されます。低速とは、bandwidth インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで指定されているように、T1 以下のレートのことを指します。EIGRP、フレーム リレー、およびスイッチド マルチメガビット データ サービス(SMDS)ネットワークは NBMA と見なすことができることに注意してください。これらのネットワークは、インターフェイスで物理マルチキャストを使用するように設定されていない場合 NBMA と見なされ、それ以外の場合、NBMA とは見なされません。

次に、イーサネット インターフェイスの 0 の hello インターバルを 10 秒に設定する例を示します。


Device(config)#interface ethernet 0
Device(config-if)#ip hello-interval eigrp 109 10

ip hold-time eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)プロセスのホールドタイムを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip hold-time eigrp コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip hold-time eigrp as-number seconds

no ip hold-time eigrp as-number seconds

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

seconds

ホールド時間(秒単位)。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

EIGRP ホールド タイムは、低速の非ブロードキャスト マルチアクセス(NBMA)ネットワークで 180 秒で、その他のすべてのネットワークでは 15 秒です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

非常に混雑した大規模ネットワークでは、一部のルータおよびアクセス サーバが、デフォルト ホールド タイム内にネイバーから hello パケットを受信できない可能性があります。この場合、ホールド タイムを増やすこともできます。

ホールド タイムは、少なくとも hello 間隔の 3 倍にすることを推奨します。指定されたホールド時間内にルータが hello パケットを受信しなかった場合は、そのルータ経由のルートが使用できないと判断されます。

ホールド タイムを増やすと、ネットワーク全体のルート収束が遅くなります。

デフォルトの 180 秒のホールド タイムと 60 秒の hello インターバルは、低速の NBMA メディアだけに適用されます。低速とは、bandwidth インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで指定されているように、T1 以下のレートのことを指します。

次に、イーサネット インターフェイス 0 のホールド タイムを 40 秒に設定する例を示します。


Device(config)#interface ethernet 0
Device(config-if)#ip hold-time eigrp 109 40

ip load-sharing

インターフェイスで Cisco Express Forwarding のロードバランシングを有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip load-sharing コマンドを使用します。インターフェイスで Cisco Express Forwarding のロードバランシングを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip load-sharing { per-destination }

no ip load-sharing

構文の説明

per-destination

インターフェイスで Cisco Express Forwarding の宛先別ロード バランシングを有効にします。

コマンド デフォルト

宛先単位のロード バランシングは、シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにすると、デフォルトでイネーブルになります。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

宛先別ロードバランシングにより、デバイスは複数の等コストのパスを使用して負荷を分散させます。指定された送信元と宛先ホストのペアは、複数の等コストのパスを使用可能な場合であっても、同じパスを使用することが保証されています。異なる送信元と宛先ホストのペア宛てのトラフィックは、それぞれ異なるパスを通る傾向があります。

次の例は、宛先単位のロードバランシングをイネーブルにする方法を示しています。

Device> enable 
Device# configure terminal
Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1
Device(config-if)# ip load-sharing per-destination

ip ospf database-filter all out

Open Shortest Path First(OSPF)インターフェイスへの発信リンクステート アドバタイズメント(LSA)をフィルタ処理するには、インターフェイスまたは仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip ospf database-filter all out コマンドを使用します。インターフェイスに対する LSA の転送を元に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip ospf database-filter all out [disable]

no ip ospf database-filter all out

構文の説明

disable

(任意)OSPF インターフェイスへの発信 LSA のフィルタリングを無効にします。すべての発信 LSA がインターフェイスにフラッディングされます。

(注)  

 

このキーワードは、仮想ネットワーク インターフェイス モードでのみ使用できます。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。すべての発信 LSA がインターフェイスにフラッディングされます。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、neighbor database-filter コマンドがネイバーベースで実行する機能と同じ機能を実行します。

仮想ネットワークに対して ip ospf database-filter all out コマンドを有効にして無効にする場合は、仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション モードで disable キーワードを使用します。

次に、イーサネット インターフェイス 0 経由で到達可能なブロードキャスト、非ブロードキャスト、ポイントツーポイント ネットワークに OSPF LSA がフィルタリングされないようにする例を示します。


Device(config)#interface ethernet 0
Device(config-if)#ip ospf database-filter all out

ip ospf name-lookup

すべての OSPF show EXEC コマンド表示で使用するドメインネームシステム(DNS)名を検索するように Open Shortest Path First(OSPF)を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip ospf name-lookup コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip ospf name-lookup

noipospfname-lookup

構文の説明

このコマンドには、引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用するとルータがルータ ID やネイバー ID ではなく名前で表示されるため、ルータを識別しやすくなります。

次に、すべての OSPF show EXEC コマンドの表示で使用する DNS 名を検索するように OSPF を設定する例を示します。


Device(config)#ip ospf name-lookup

ip split-horizon eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)スプリットホライズンをイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip split-horizon eigrp コマンドを使用します。スプリットホライズンをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip split-horizon eigrp as-number

no ip split-horizon eigrp as-number

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

コマンド デフォルト

このコマンドの動作は、デフォルトでイネーブルです。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

設定で EIGRP スプリット ホライズンをディセーブルにするには、no ip split-horizon eigrp コマンドを使用します。

次の例に、EIGRP スプリット ホライズンを有効にする方法を示します。


Device(config-if)#ip split-horizon eigrp 101

ip summary-address eigrp

指定されたインターフェイスで Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)のアドレス集約を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーションまたは仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip summary-address eigrp コマンドを使用します。この設定を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip summary-address eigrp as-number ip-address mask [admin-distance] [leak-map name]

no ip summary-address eigrp as-number ip-address mask

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

ip-address

インターフェイスに適用されるサマリー IP アドレス。

mask

サブネット マスク。

admin-distance

(任意)アドミニストレーティブ ディスタンス。範囲は 0 ~ 255 です。

(注)  

 

Cisco IOS XE リリース 3.2S 以降、admin-distance 引数が削除されました。アドミニストレーティブ ディスタンスを設定するには、summary-metric コマンドを使用します。

leak-map name

(任意)サマリー経由でリークするルートを設定するために使用されるルートマップ参照を指定します。

コマンド デフォルト

  • EIGRP サマリー ルートには、アドミニストレーティブ ディスタンス 5 が適用されます。

  • EIGRP は、単一ホスト ルートに対しても、自動的にネットワーク レベルを集約します。

  • 事前設定されるサマリー アドレスはありません。

  • EIGRP のデフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンス メトリックは 90 です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

インターフェイスレベルのアドレス集約を設定するには、ip summary-address eigrp コマンドを使用します。EIGRP 集約ルートには、アドミニストレーティブ ディスタンス値 5 が割り当てられます。アドミニストレーティブ ディスタンス メトリックは、ルーティング テーブルにインストールすることなくサマリーをアドバタイズするために使用します。

デフォルトでは、EIGRP はサブネット ルートをネットワーク レベルに集約します。no auto-summary コマンドを入力して、サブネットレベルの集約を設定することができます。

アドミニストレーティブ ディスタンスが 255 に設定されている場合、サマリー アドレスはピアにアドバタイズされません。

リークするルートに対する EIGRP のサポート

キーワード leak-map を設定すると、マニュアルサマリーによって抑制されるコンポーネントルートをアドバタイズできるようになります。サマリーの任意のコンポーネント サブセットをリークできます。ルート マップおよびアクセス リストは、リークされたルートを特定するために定義する必要があります。

不完全な設定を入力した場合、次がデフォルトの動作になります。

  • 存在しないルートマップを参照するようにキーワード leak-map を設定する場合、このキーワードの設定は無効です。サマリー アドレスはアドバタイズされますが、すべてのコンポーネント ルートは抑制されます。

  • キーワード leak-map を設定していてもアクセスリストが存在しないかルートマップがアクセスリストを参照していない場合、サマリーアドレスおよびすべてのコンポーネントルートがアドバタイズされます。

仮想ネットワーク トランク インターフェイスを設定していて ip summary-address eigrp コマンドを設定している場合、アドミニストレーティブ ディスタンス オプションは仮想ネットワーク サブインターフェイス上の ip summary-address eigrp コマンドでサポートされていないため、コマンドの admin-distance 値はトランクインターフェイス上で実行されている仮想ネットワークによって継承されません。

次の例は、イーサネット インターフェイス 0/0 で 192.168.0.0/16 サマリー アドレスにアドミニストレーティブ ディスタンスを 95 に設定する方法を示しています。


Device(config)#router eigrp 1
Device(config-router)#no auto-summary
Device(config-router)#exit
Device(config)#interface Ethernet 0/0
Device(config-if)#ip summary-address eigrp 1 192.168.0.0 255.255.0.0 95

次に、10.2.2.0 サマリー アドレスを通じてリークされる 10.1.1.0/24 サブネットを設定する例を示します。


Device(config)#router eigrp 1 
Device(config-router)#exit 
Device(config)#access-list 1 permit 10.1.1.0 0.0.0.255
Device(config)#route-map LEAK-10-1-1 permit 10
Device(config-route-map)#match ip address 1
Device(config-route-map)#exit
Device(config)#interface Serial 0/0
Device(config-if)#ip summary-address eigrp 1 10.2.2.0 255.0.0.0 leak-map LEAK-10-1-1
Device(config-if)#end

次の例では、GigabitEthernet インターフェイス 0/0/0 を仮想ネットワーク トランク インターフェイスとして設定します。


Device(config)#interface gigabitethernet 0/0/0
Device(config-if)#vnet global
Device(config-if-vnet)#ip summary-address eigrp 1 10.3.3.0 255.0.0.0 33

ip route static bfd

スタティックルートの Bidirectional Forwarding Detection(BFD)ネイバーを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip route static bfd コマンドを使用します。スタティックルートの BFD ネイバーを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip route static bfd { interface-type interface-number ip-address | vrf vrf-name} [ group group-name] [passive] [unassociate]

no ip route static bfd { interface-type interface-number ip-address | vrf vrf-name} [ group group-name] [passive] [unassociate]

構文の説明

interface-type interface-number

インターフェイスのタイプと番号。

ip-address

A.B.C.D 形式のゲートウェイの IP アドレス。

vrf vrf-name

Virtual Routing and Forwarding(VRF)インスタンスと宛先の vrf 名を指定します。

group group-name

(任意)BFD グループを割り当てます。group-name は BFD グループ名を指定する最大 32 文字の文字列です。

unassociate

(任意)BFD に設定されたスタティック ルートの関連付けを解除します。

コマンド デフォルト

スタティック ルート BFD ネイバーは指定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

スタティック ルート BFD ネイバーを指定するには、ip route static bfd コマンドを使用します。設定に指定されている同一のインターフェイスとゲートウェイを保持するスタティック ルートはすべて、到達可能性通知を得るために同一の BFD セッションを共有します。

interface-type interface-number および ip-address 引数に同じ値が指定されているスタティック ルートはすべて、自動的に BFD を使用して、ゲートウェイの到達可能性を判別し、高速障害検出を利用します。

group キーワードは BFD グループを割り当てます。スタティック BFD 設定は、インターフェイスが関連付けられている VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスに追加されます。passive キーワードは、グループのパッシブメンバを指定します。passive キーワードなしでグループにスタティック BFD を追加すると、BFD がグループのアクティブメンバになります。グループの BFD セッションをトリガーするために、スタティック ルートをアクティブ BFD 設定によって追跡する必要があります。特定のグループのすべてのスタティック BFD 設定(アクティブとパッシブ)を削除するには、no ip route static bfd コマンドを使用して、BFD グループ名を指定します。

unassociate キーワードは、BFD ネイバーがスタティック ルートに関連付けられることなく、インターフェイスに BFD が設定されている場合に BFD セッションが要求されることを指定します。これは IPv4 スタティック ルートがない BFDv4 セッションを起動するために役立ちます。unassociate キーワードを指定しない場合は、IPv4 スタティック ルートが BFD セッションに関連付けられます。

BFD では、両方のエンドポイント デバイス BFD セッションが開始されている必要があります。そのため、このコマンドは各エンドポイント デバイスで設定する必要があります。

スイッチ仮想インターフェイス(SVI)の BFD スタティック セッションは、その SVI 上で無効だった bfd intervalmillisecondsmin_rxmillisecondsmultipliermultiplier-value コマンドが有効化された後にのみ確立されます。

スタティック BFD セッションを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. SVI で BFD タイマーを有効にします。

    bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

  2. スタティック IP ルートの BFD を有効にします。

    ip route static bfd interface-type interface-number ip-address

  3. SVI で BFD タイマーを無効にし、再度有効にします。

    no bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

    bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

次に、指定したネイバー、グループおよびグループのアクティブメンバを介してすべてのスタティック ルートの BFD を設定する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ip route static bfd GigabitEthernet 1/0/1 10.1.1.1 group group1

次に、指定したネイバー、グループおよびグループのパッシブメンバを介してすべてのスタティック ルートの BFD を設定する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ip route static bfd GigabitEthernet 1/0/1 10.2.2.2 group group1 passive

次に、group および passive キーワードを指定せず、無関係なモードですべてのスタティック ルートの BFD を設定する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ip route static bfd GigabitEthernet 1/0/1 10.2.2.2 unassociate

ipv6 route static bfd

スタティックルートの Bidirectional Forwarding Detection for IPv6(BFDv6)ネイバーを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ipv6 route static bfd コマンドを使用します。スタティックルートの BFDv6 ネイバーを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

ipv6 route static bfd [ vrf vrf-name] interface-type interface-number ipv6-address [unassociated]

no ipv6 route static bfd

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)スタティック ルートを指定する必要がある Virtual Routing and Forwarding(VRF)インスタンスの名前。

interface-type interface-number

インターフェイスのタイプと番号。

ipv6-address

ネイバーの IPv6 アドレス。

unassociated

(任意)スタティック BFD ネイバーを関連付けられたモードから無関係なモードに移行します。

コマンド デフォルト

スタティック ルートの BFDv6 ネイバーは指定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

スタティック ルートのネイバーを指定するには、ipv6 route static bfd コマンドを使用します。設定に指定されている同一のインターフェイスとゲートウェイを保持するスタティック ルートはすべて、到達可能性通知を得るために同一の BFDv6 セッションを共有します。BFDv6 では、両方のエンドポイントのルータで BFDv6 セッションが開始されている必要があります。そのため、このコマンドは各エンドポイント ルータで設定する必要があります。IPv6 スタティック BFDv6 ネイバーは、インターフェイスとネイバー アドレスで完全に指定される必要があり、直接接続されている必要があります。

vrf vrf-name、interface-type interface-number および ipv6-address に同じ値が指定されているスタティック ルートはすべて、自動的に BFDv6 を使用して、ゲートウェイの到達可能性を判別し、高速障害検出を利用します。

次に、アドレスが 2001::1 のイーサネット インターフェイス 0/0 でネイバーを作成する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ipv6 route static bfd ethernet 0/0 2001::1

次に、ネイバーを無関係なモードに変換する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ipv6 route static bfd ethernet 0/0 2001::1 unassociated

metric weights(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)メトリック計算を調整するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで metric weights コマンドを使用します。デフォルト値にリセットするには、このコマンドの no 形式を使用します。

Router Configuration

metric weights tos k1 k2 k3 k4 k5

no metric weights

アドレス ファミリ コンフィギュレーション

metric weights tos [k1 [k2 [k3 [k4 [k5 [k6] ]]]]]

no metric weights

構文の説明

tos

サービスのタイプ。この値は常にゼロである必要があります。

k1 k2 k3 k4 k5 k6

(任意)EIGRP メトリック ベクトルをスカラー量に変換する定数。有効な値は 0 ~ 255 です。デフォルト値は次のとおりです。

  • k1: 1

  • k2: 0

  • k3: 1

  • k4: 0

  • k5: 0

  • k6: 0

(注)  

 

アドレス ファミリコン フィギュレーション モードでは、値を指定しないと、デフォルト値が設定されます。k6 引数は、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでのみサポートされています。

コマンド デフォルト

EIGRP メトリック K 値がデフォルト値として設定されます。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用すると、EIGRP ルーティングおよびメトリックの計算のデフォルト動作を変更して、特定のタイプ オブ サービス(ToS)の EIGRP メトリック計算の調整が可能になります。

k5 が 0 に等しい場合、次の計算式に従って複合 EIGRP メトリックが計算されます。

メトリック = [k1 * 帯域幅 + (k2 * 帯域幅)/(256 – 負荷) + k3 * 遅延 + K6 * 拡張メトリック]

k5 がゼロに等しくない場合、追加の計算が実行されます。

メトリック = メトリック * [k5/(信頼性 + k4)]

スケーリングされた帯域幅 = 107/最小インターフェイス帯域幅(キロビット/秒)* 256

遅延は、クラシック モードでは数十マイクロ秒、名前付きモードではピコ秒単位です。クラシック モードでは、16 進数の FFFFFFFF(10 進数 4294967295)の遅延は、ネットワークが到達不能であることを示します。名前付きモードでは、16 進数 FFFFFFFFFFFF(10 進数 281474976710655)の遅延は、ネットワークが到達不能であることを示します。

信頼性は 255 のフラクションとして指定されます。つまり、255 は 100% の信頼度または完全に安定したリンクであることを示します。

負荷は、255 のフラクションとして指定されます。負荷 255 は、完全に飽和状態のリンクを表します。

次に、メトリック ウェイトをデフォルトと少し異なる値に設定する例を示します。


Device(config)#router eigrp 109
Device(config-router)#network 192.168.0.0
Device(config-router)#metric weights 0 2 0 2 0 0

次に、アドレス ファミリ メトリック ウェイトを ToS:0、K1:2、K2:0、K3:2、K4:0、K5:0、K6:1 に設定する例を示します。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 4533
Device(config-router-af)#metric weights 0 2 0 2 0 0 1

neighbor advertisement-interval

BGP ルーティングアップデートを送信する最小ルート アドバタイズメント インターバル(MRAI)を設定するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで neighbor advertisement-interval コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | peer-group-name} advertisement-interval seconds

no neighbor {ip-address | peer-group-name} advertisement-interval seconds

構文の説明

ip-address

ネイバーの IP アドレス。

peer-group-name

BGP ピア グループの名前。

seconds

時間(秒)は、0 ~ 600 の整数で指定します。

コマンド デフォルト

VRF 以外の eBGP セッション:30 秒

VRF の eBGP セッション:0 秒

iBGP セッション:0 秒

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 10.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

MRAI が 0 秒の場合は、BGP ルーティングテーブルが変更された時点ですぐに BGP ルーティングアップデートが送信されます。

peer-group-name 引数を使用して BGP ピアグループを指定すると、ピアグループのすべてのメンバが、このコマンドで設定される特性を継承します。

次に、BGP ルーティング アップデートの最小送信間隔を 10 秒に設定するルータ コンフィギュレーション モードの例を示します。


router bgp 5
 neighbor 10.4.4.4 advertisement-interval 10

次に、BGP ルーティング アップデートの最小送信間隔を 10 秒に設定するアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードの例を示します。


router bgp 5
address-family ipv4 unicast
 neighbor 10.4.4.4 advertisement-interval 10

neighbor default-originate

BGP スピーカー(ローカルルータ)にネイバーへのデフォルトルート 0.0.0.0 の送信を許可して、このルートがデフォルトルートとして使用されるようにするには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで neighbor default-originate コマンドを使用します。デフォルトルートを送信しないようにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | peer-group-name} default-originate [route-map map-name]

no neighbor {ip-address | peer-group-name} default-originate [route-map map-name]

構文の説明

ip-address

ネイバーの IP アドレス。

peer-group-name

BGP ピア グループの名前。

route-map map-name

(オプション)ルート マップの名前。ルート マップでは、条件に応じてルート 0.0.0.0 を挿入できます。

コマンド デフォルト

ネイバーにデフォルト ルートは送信されません。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 11.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用すると、ローカル ルータの 0.0.0.0 が不要になります。match ip address 句を含むルートマップとともに使用することで、IP アクセスリストと完全に一致するルートがある場合にデフォルトルート 0.0.0.0 が挿入されるようにすることができます。ルート マップには他の match 句も含めることができます。

neighbor default-originate コマンドでは、標準アクセスリストまたは拡張アクセスリストを使用できます。

次に、ネイバー 172.16.2.3 にルート 0.0.0.0 を無条件で挿入するようにローカル ルータを設定するルータ コンフィギュレーションの例を示します。


 router bgp 109
 network 172.16.0.0
 neighbor 172.16.2.3 remote-as 200
 neighbor 172.16.2.3 default-originate

次の例では、ローカル ルータは、192.168.68.0 へのルートがある場合(つまり、255.255.255.0 または 255.255.0.0 などのマスクが存在するルートがある場合)にのみ、ルート 0.0.0.0 をネイバー 172.16.2.3 に挿入します。


 router bgp 109
 network 172.16.0.0
 neighbor 172.16.2.3 remote-as 200
 neighbor 172.16.2.3 default-originate route-map default-map
!
route-map default-map 10 permit
 match ip address 1
!
access-list 1 permit 192.168.68.0

次の例では、設定の最後の行が拡張アクセス リストの使用を示すように変更されています。ローカル ルータは、255.255.0.0 のマスクを持つ 192.168.68.0 へのルートがある場合にのみ、ルート 0.0.0.0 をネイバー 172.16.2.3 に挿入します。


router bgp 109
 network 172.16.0.0
 neighbor 172.16.2.3 remote-as 200
 neighbor 172.16.2.3 default-originate route-map default-map
!
route-map default-map 10 permit
 match ip address 100
!
access-list 100 permit ip host 192.168.68.0 host 255.255.0.0

neighbor description

説明をネイバーに関連付けるには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor description コマンドを使用します。説明を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | peer-group-name} description text

no neighbor {ip-address | peer-group-name} description [text]

構文の説明

ip-address

ネイバーの IP アドレス。

peer-group-name

EIGRP ピア グループ名。この引数は、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでは利用できません。

text

ネイバーを説明するテキスト(最大 80 文字)。

コマンド デフォルト

ネイバーの説明はありません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次に、ネイバーに「peer with example.com」という説明を設定する例を示します。


Device(config)#router bgp 109
Device(config-router)#network 172.16.0.0
Device(config-router)#neighbor 172.16.2.3 description peer with example.com

次の例では、アドレス ファミリ ネイバーの説明を「address-family-peer」としています。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)#network 172.16.0.0
Device(config-router-af)#neighbor 172.16.2.3 description address-family-peer

neighbor ebgp-multihop

直接接続されていないネットワークに存在する外部ピアへの BGP 接続を受け入れて試行するには、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor ebgp-multihop コマンドを使用します。デフォルトに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | ipv6-address | peer-group-name} ebgp-multihop [ttl]

no neighbor {ip-address | ipv6-address | peer-group-name} ebgp-multihop

構文の説明

ip-address

BGP-speaking ネイバーの IP アドレス。

ipv6-address

BGP-speaking ネイバーの IPv6 アドレス。

peer-group-name

BGP ピア グループの名前。

ttl

(任意)1 ~ 255 ホップの範囲の存続可能時間。

コマンド デフォルト

直接接続されたネイバーだけが許可されます。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 12.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

この機能は、シスコ テクニカル サポート担当者の指示のもとでのみ使用してください。

peer-group-name 引数を使用して BGP ピアグループを指定すると、ピアグループのすべてのメンバが、このコマンドで設定される特性を継承します。

ルートが一定でないことによるループの発生を回避するために、マルチホップピアのルートがデフォルトルート(0.0.0.0)だけの場合はマルチホップは確立されません。

次に、直接接続されていないネットワークに存在するネイバー 10.108.1.1 との間の接続を許可する例を示します。


Device(config)#router bgp 109
Device(config-router)#neighbor 10.108.1.1 ebgp-multihop

neighbor maximum-prefix(BGP)

ネイバーから受信できるプレフィックスの数を制御するには、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor maximum-prefix コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | peer-group-name} maximum-prefix maximum [threshold] [restart restart-interval ] [warning-only]

no neighbor {ip-address | peer-group-name} maximum-prefix maximum

構文の説明

ip-address

ネイバーの IP アドレス。

peer-group-name

Border Gateway Protocol(BGP)ピア グループの名前。

maximum

指定ネイバーから受信できるプレフィックスの最大数。設定可能なプレフィックス数は、ルータ上の使用可能なシステム リソースのみによって制限されます。

threshold

(任意)最大 プレフィックス数の制限値の何パーセントになったらルータが警告メッセージを生成するかを示すパーセンテージ。範囲は 1 ~ 100 で、デフォルトは 75 です。

restart

(オプション)最大プレフィックス数の制限を超えたためにディセーブルになったピアリング セッションを BGP を実行するルータで自動的に再確立するように設定します。再起動タイマーは restart-interval 引数で設定します。

restart-interval

(オプション)ピアリング セッションを再確立する時間間隔(分)。範囲は 1 ~ 65535 分です。

warning-only

(任意)最大プレフィックス制限 を超えた場合、ピアリング セッションを終了せずに、ルータが syslog メッセージを生成できるようにします。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。最大プレフィックス数を超えると、ピアリング セッションはディセーブルになります。restart-interval 引数が設定されていないと、最大プレフィックス制限を超えた後もディセーブルになったセッションはダウン状態のままになります。

threshold :75%

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 13.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

neighbor maximum-prefix コマンドを使用すると、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)ルーティングプロセスが指定ピアから受け入れるプレフィックスの最大数を設定できます。この機能は、ピアから受信されるプレフィックスの制御メカニズムを提供します(配布リスト、フィルタ リスト、ルート マップに加えて)。

受信プレフィックスの数が設定されている最大数を超えると、BGP はピアリング セッションをディセーブルにします(デフォルト)。restart キーワードが設定されている場合、BGP は設定されている時間間隔でピアリングセッションを自動的に再確立します。restart キーワードが設定されておらず、最大プレフィックス制限を超過したためにピアリングセッションが終了した場合、clear ip bgp コマンドが入力されるまでピアリングセッションは再確立されません。warning-only キーワードが設定されていれば、BGP はログメッセージだけを送信し、送信側とピアを保ちます。

このコマンドで設定できるプレフィックス数には、デフォルトの制限値はありません。設定可能なプレフィックス数の制限は、システム リソースの容量によって決まります。

次の例では、192.168.1.1 ネイバーから受け入れられる最大プレフィックス数が 1000 に設定されます。


Device(config)#router bgp 40000
 
Device(config-router)#network 192.168.0.0
 
Device(config-router)#neighbor 192.168.1.1 maximum-prefix 1000 

次の例では、192.168.2.2 ネイバーから受け入れられる最大プレフィックス数が 5000 に設定されます。ルータは、最大プレフィックス リミット(2500 プレフィックス)の 50% に到達した段階で警告メッセージを表示するようにも設定されます。


Device(config)#router bgp 40000 
Device(config-router)#network 192.168.0.0
 
Device(config-router)#neighbor 192.168.2.2 maximum-prefix 5000 50

次の例では、192.168.3.3 ネイバーから受け入れられる最大プレフィックス数が 2000 に設定されます。ルータは、30 分後にディセーブルにされたピアリング セッションを再確立するようにも設定されます。


Device(config)#router bgp 40000
 
Device(config-router) network 192.168.0.0
 
Device(config-router)#neighbor 192.168.3.3 maximum-prefix 2000 restart 30

次の例では、192.168.4.4 ネイバーの最大プレフィックス数のしきい値(500 X 0.75 = 375)を超えると警告メッセージが表示されます。


Device(config)#router bgp 40000
 
Device(config-router)#network 192.168.0.0
 
Device(config-router)#neighbor 192.168.4.4 maximum-prefix 500 warning-only
 

neighbor peer-group(メンバの割り当て)

BGP ネイバーをピアグループのメンバに設定するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで neighbor peer-group コマンドを使用します。ピアグループからネイバーを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | ipv6-address} peer-group peer-group-name

no neighbor {ip-address | ipv6-address} peer-group peer-group-name

構文の説明

ip-address

peer-group-name 引数で指定されたピア グループに属する BGP ネイバーの IP アドレス。

ipv6-address

peer-group-name 引数で指定されたピア グループに属する BGP ネイバーの IPv6 アドレス。

peer-group-name

このネイバーが属する BGP ピア グループの名前。

コマンド デフォルト

ピア グループ内に BGP ネイバーは存在しません。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 14.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

示された IP アドレスのネイバーは、ピア グループのすべての設定済みオプションを継承します。


(注)  


neighbor peer-group コマンドの no 形式を使用すると、ピアグループの関連付けだけでなく、そのネイバーのすべての BGP 設定が削除されます。


次のルータ コンフィギュレーション モードの例では、internal という名前のピア グループに 3 つのネイバーを割り当てています。


Device(config)#router bgp 100
Device(config-router)#neighbor internal peer-group
Device(config-router)#neighbor internal remote-as 100
Device(config-router)#neighbor internal update-source loopback 0
Device(config-router)#neighbor internal route-map set-med out
Device(config-router)#neighbor internal filter-list 1 out
Device(config-router)#neighbor internal filter-list 2 in
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.53 peer-group internal
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.54 peer-group internal
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.55 peer-group internal
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.55 filter-list 3 in

次のアドレスファミリ コンフィギュレーション モードの例では、internal という名前のピア グループに 3 つのネイバーを割り当てています。


Device(config)#router bgp 100
Device(config-router)#address-family ipv4 unicast
Device(config-router)#neighbor internal peer-group
Device(config-router)#neighbor internal remote-as 100
Device(config-router)#neighbor internal update-source loopback 0
Device(config-router)#neighbor internal route-map set-med out
Device(config-router)#neighbor internal filter-list 1 out
Device(config-router)#neighbor internal filter-list 2 in
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.53 peer-group internal
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.54 peer-group internal
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.55 peer-group internal
Device(config-router)#neighbor 172.16.232.55 filter-list 3 in

neighbor peer-group(作成)

BGP またはマルチプロトコル BGP ピアグループを作成するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで neighbor peer-group コマンドを使用します。ピアグループとそのすべてのメンバを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor peer-group-name peer-group

no neighbor peer-group-name peer-group

構文の説明

peer-group-name

BGP ピア グループの名前。

コマンド デフォルト

BGP ピア グループはありません。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 15.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

BGP またはマルチプロトコル BGP スピーカーでは、多数のネイバーが同じアップデート ポリシー(つまり、同じアウトバウンド ルート マップ、配布リスト、フィルタ リスト、アップデート ソースなど)を使って設定されていることがよくあります。アップデート ポリシーが同じネイバーをピア グループにまとめると設定が簡単になり、アップデート計算の効率が高まります。


(注)  


ピアグループメンバは、複数の論理 IP サブネットにまたがることができ、1 つのピアグループメンバから別のピアグループメンバへのルートを送信または伝えることができます。


neighbor peer-group コマンドを使用してピアグループを作成すると、neighbor コマンドを使用して設定できるようになります。デフォルトでは、ピアグループのメンバはピア グループのすべての設定オプションを継承します。また、アウトバウンドアップデートに影響しないオプションを無効にするように、メンバを設定することもできます。

すべてのピアグループメンバは、現在の設定とピア グループの変更を継承します。ピアグループメンバは、デフォルトで次の設定オプションを常に継承します。

  • remote-as(設定されている場合)

  • version

  • update-source

  • outbound route-maps

  • outbound filter-lists

  • outbound distribute-lists

  • minimum-advertisement-interval

  • next-hop-self

ピアグループが remote-as オプションを使用して設定されていない場合、メンバは neighbor {ip-address | peer-group-name } remote-as コマンドを使用して設定できます。このコマンドを使用すると、外部 BGP(eBGP)ネイバーを含むピア グループを作成できます。

次の設定例は、これらのタイプのネイバー ピア グループを作成する方法を示しています。

  • 内部ボーダー ゲートウェイ プロトコル(IBGP)のピア グループ

  • eBGP ピア グループ

  • マルチプロトコル BGP ピア グループ

次の例では、internal という名前のピアグループが、ピアグループのメンバを iBGP ネイバーに設定しています。router bgp コマンドと neighbor remote-as コマンドは同じ自律システム(この場合は自律システム 100)を示しているため、定義上、これは iBGP ピアグループです。すべてのピアグループメンバは、ループバック 0 をアップデートソースとして使用し、set-med をアウトバウンドルートマップとして使用します。neighbor internal filter-list 2 in コマンドは、172.16.232.55 を除くすべてのネイバーがフィルタリスト 2 をインバウンドフィルタリストとして持つことを示します。


 router bgp 100
 neighbor internal peer-group
 neighbor internal remote-as 100
 neighbor internal update-source loopback 0
 neighbor internal route-map set-med out
 neighbor internal filter-list 1 out
 neighbor internal filter-list 2 in
 neighbor 172.16.232.53 peer-group internal
 neighbor 172.16.232.54 peer-group internal
 neighbor 172.16.232.55 peer-group internal
 neighbor 172.16.232.55 filter-list 3 in

次の例では、neighbor remote-as コマンドを使用しないで external-peers という名前のピアグループを定義します。ピアグループの個々のメンバがそれぞれ自律システム番号で個別に設定されるため、定義上、これは eBGP ピアグループです。したがって、ピアグループは、自律システム 200、300、および 400 からのメンバで構成されます。すべてのピアグループメンバには、アウトバウンドルートマップとして set-metric ルートマップがあり、アウトバウンド フィルタ リストとしてフィルタリスト 99 があります。ネイバー 172.16.232.110 を除き、それらのすべてはインバウンドフィルタリストとして 101 を持っています。


 router bgp 100
 neighbor external-peers peer-group
 neighbor external-peers route-map set-metric out
 neighbor external-peers filter-list 99 out
 neighbor external-peers filter-list 101 in
 neighbor 172.16.232.90 remote-as 200
 neighbor 172.16.232.90 peer-group external-peers
 neighbor 172.16.232.100 remote-as 300
 neighbor 172.16.232.100 peer-group external-peers
 neighbor 172.16.232.110 remote-as 400
 neighbor 172.16.232.110 peer-group external-peers
 neighbor 172.16.232.110 filter-list 400 in

次の例では、ピアグループのすべてのメンバがマルチキャスト対応です。


router bgp 100
neighbor 10.1.1.1 remote-as 1
neighbor 172.16.2.2 remote-as 2
address-family ipv4 multicast
 neighbor mygroup peer-group
 neighbor 10.1.1.1 peer-group mygroup
 neighbor 172.16.2.2 peer-group mygroup
 neighbor 10.1.1.1 activate
 neighbor 172.16.2.2 activate

neighbor route-map

着信ルートまたは発信ルートにルートマップを適用するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで neighbor route-map コマンドを使用します。ルートマップを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | peer-group-name | ipv6-address [%]}route-map map-name {in | out}

no neighbor {ip-address | peer-group-name | ipv6-address [%]}route-map map-name {in | out}

構文の説明

ip-address

ネイバーの IP アドレス。

peer-group-name

BGP またはマルチプロトコル BGP ピア グループの名前。

ipv6-address

ネイバーの IPv6 アドレス。

%

(任意)IPv6 リンクローカル アドレス識別子。このキーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがそのインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合は、追加する必要があります。

map-name

ルート マップの名前。

in

着信ルートにルート マップを適用します。

out

発信ルートにルート マップを適用します。

コマンド デフォルト

ピアにルート マップは適用されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 16.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで指定した場合、そのアドレスファミリだけにルートマップが適用されます。ルータ コンフィギュレーション モードで指定した場合は、IPv4 または IPv6 ユニキャスト ルートだけにルート マップが適用されます。

発信ルート マップを指定した場合、ルート マップの少なくとも 1 のセクションに一致するルートだけがアドバタイズされます。これは適切な動作です。

peer-group-name 引数を使用して BGP またはマルチプロトコル BGP ピアグループを指定すると、ピアグループのすべてのメンバが、このコマンドで設定される特性を継承します。ネイバーにコマンドを指定すると、ピアグループから継承された受信ポリシーが上書きされます。

% キーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合に使用されます。このキーワードは、非リンクローカル IPv6 アドレスに使用する必要はありません。

次に、172.16.70.24 からの BGP 着信ルートに internal-map という名前のルート マップを適用するルータ コンフィギュレーション モードの例を示します。


router bgp 5
neighbor 172.16.70.24 route-map internal-map in
route-map internal-map
match as-path 1
set local-preference 100

次に、172.16.70.24 からのマルチプロトコル BGP 着信ルートに internal-map という名前のルート マップを適用するアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードの例を示します。


router bgp 5
address-family ipv4 multicast
neighbor 172.16.70.24 route-map internal-map in
route-map internal-map
match as-path 1
set local-preference 100

neighbor update-source

シスコ製ソフトウェアのボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)セッションで TCP 接続用に操作インターフェイスを使用できるようにするには、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor update-source コマンドを使用します。インターフェイスの割り当てを最も近いインターフェイス(最適ローカルアドレス)に復元するには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | ipv6-address [%] | peer-group-name}update-source interface-type interface-number

neighbor {ip-address | ipv6-address [%] | peer-group-name}update-source interface-type interface-number

構文の説明

ip-address

BGP-speaking ネイバーの IPv4 アドレス。

ipv6-address

BGP-speaking ネイバーの IPv6 アドレス。

%

(任意)IPv6 リンクローカル アドレス識別子。このキーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがそのインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合は、追加する必要があります。

peer-group-name

BGP ピア グループの名前。

interface-type

インターフェイス タイプ。

interface-number

インターフェイス番号。

コマンド デフォルト

最良ローカル アドレス

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 17.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、『Cisco IOS Interface and Hardware Component Configuration Guide』の「Interface Configuration Overview」の章で説明されているループバック インターフェイス機能と併用できます。

peer-group-name 引数を使用して BGP ピアグループを指定すると、ピアグループのすべてのメンバが、このコマンドで設定される特性を継承します。

内部または外部の BGP セッションの IPv6 リンクローカルピアリングを有効にするには、neighbor update-source コマンドを使用する必要があります。

% キーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合に使用され、これらのリンクローカル IPv6 アドレスに対しては、それらが存在するインターフェイスを指定する必要があります。構文は <IPv6 local-link address>%<interface name> になります(例:FE80::1%Ethernet1/0)。この状況では名前の短縮がサポートされていないため、インターフェイス タイプと番号にはスペースを含めず、省略されていない形式で使用する必要があることに注意してください。% キーワードおよびそれ以降のインターフェイス構文は、非リンクローカル IPv6 アドレスには使用されません。

次に、指定されたネイバーの BGP TCP 接続に、ベスト ローカル アドレスではなく、ループバック インターフェイスの IP アドレスを供給する例を示します。


Device(config)#router bgp 65000
Device(config-router)#network 172.16.0.0
Device(config-router)#neighbor 172.16.2.3 remote-as 110
Device(config-router)#neighbor 172.16.2.3 update-source Loopback0

次に、自律システム 65000 内の指定されたネイバーの IPv6 BGP TCP 接続にループバック インターフェイス 0 のグローバル IPv6 アドレスを供給し、自律システム 65400 内の指定されたネイバーに Fast イーサネット インターフェイス 0/0 のリンクローカル IPv6 アドレスを供給する例を示します。FE80::2 のリンクローカル IPv6 アドレスはイーサネット インターフェイス 1/0 にあることに注意してください。


Device(config)#router bgp 65000
Device(config-router)#neighbor 3ffe::3 remote-as 65000 
Device(config-router)#neighbor 3ffe::3 update-source Loopback0 
Device(config-router)#neighbor fe80::2%Ethernet1/0 remote-as 65400 
Device(config-router)#neighbor fe80::2%Ethernet1/0 update-source FastEthernet 0/0 
Device(config-router)#address-family ipv6 
Device(config-router)#neighbor 3ffe::3 activate 
Device(config-router)#neighbor fe80::2%Ethernet1/0 activate 
Device(config-router)#exit-address-family 

network(BGP およびマルチプロトコル BGP)

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)およびマルチプロトコル BGP ルーティングプロセスでアドバタイズするネットワークを指定するには、アドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで network コマンドを使用します。ルーティングテーブルからエントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

network {network-number [mask network-mask ] | nsap-prefix} [route-map map-tag]

no network {network-number [mask network-mask ] | nsap-prefix} [route-map map-tag]

構文の説明

network-number

BGP またはマルチプロトコル BGP でアドバタイズするネットワーク。

mask network-mask

(オプション)ネットワークまたはサブネットワークのマスクとそのアドレス。

nsap-prefix

BGP またはマルチプロトコル BGP がアドバタイズする Connectionless Network Service(CLNS)ネットワークのネットワーク サービス アクセス ポイント(NSAP)プレフィックス。この引数は、NSAP アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでのみ使用されます。

route-map map-tag

(オプション)設定されているルート マップの ID。ルート マップは、アドバタイズされるネットワークをフィルタリングするために調べる必要があります。この値を指定しない場合、すべてのネットワークがアドバタイズされます。このキーワードを指定し、ルート マップ タグを 1 つも指定しないと、いずれのネットワークもアドバタイズされません。

コマンド デフォルト

ネットワークは指定されていません。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

表 18.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

BGP およびマルチプロトコル BGP のネットワークは、接続されたルート、ダイナミック ルーティング、およびスタティック ルートの情報源から学習できます。

使用できる network コマンドの最大数は、設定されている NVRAM や RAM など、ルータのリソースで決まります。

次に、ネットワーク 10.108.0.0 を BGP アップデートに含めるように設定する例を示します。


Device(config)#router bgp 65100
Device(config-router)#network 10.108.0.0

次に、ネットワーク 10.108.0.0 をマルチプロトコル BGP アップデートに含めるように設定する例を示します。


Device(config)#router bgp 64800
Device(config-router)#address family ipv4 multicast
Device(config-router)#network 10.108.0.0

次に、マルチプロトコル BGP アップデートで NSAP プレフィックス 49.6001 をアドバタイズする例を示します。


Device(config)#router bgp 64500
Device(config-router)#address-family nsap
Device(config-router)#network 49.6001

network(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)ルーティングプロセスのネットワークを指定するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレスファミリ コンフィギュレーション モードで network コマンドを使用します。エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

network ip-address [wildcard-mask]

no network ip-address [wildcard-mask]

構文の説明

ip-address

直接接続されるネットワークの IP アドレス

wildcard-mask

(任意)EIGRP ワイルドカード ビット。ワイルドカード マスクは、サブネット マスクをビット単位で補完するサブネットワークを示します。

コマンド デフォルト

ネットワークは指定されていません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

EIGRP ルーティングプロセスに対して network コマンドが設定されると、ルータは 1 つ以上のローカルインターフェイスを一致させます。network コマンドは、network コマンドで設定されたアドレスと同じサブネット内にあるアドレスで構成されているローカルインターフェイスのみと一致します。次にルータが一致したインターフェイスを通じてネイバー関係を確立します。ルータに設定可能なネットワーク文((network コマンド)の数に制限はありません。

ネットワークをまとめてグループ化するためのショートカットとしてワイルドカード マスクを使用します。ワイルドカード マスクは、IP アドレスのネットワーク部分のすべてをゼロと一致させます。ワイルドカード マスクは、特定のホスト/IP アドレス、ネットワーク全体、サブネット、さらには IP アドレスの範囲を対象としています。

アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始する際、このコマンドは名前付き EIGRP IPv4 設定だけに適用されます。名前付き IPv6 および Service Advertisement Framework(SAF)設定では、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでこのコマンドをサポートしていません。

次に、EIGRP 自律システム 1 を設定し、ネットワーク 172.16.0.0 および 192.168.0.0 を通じてネイバーを確立する例を示します。


Device(config)#router eigrp 1
Device(config-router)#network 172.16.0.0
Device(config-router)#network 192.168.0.0
Device(config-router)#network 192.168.0.0 0.0.255.255

次に、EIGRP アドレス ファミリ自律システム 4453 を設定し、ネットワーク 172.16.0.0 および 192.168.0.0 を通じてネイバーを確立する例を示します。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)#network 172.16.0.0
Device(config-router-af)#network 192.168.0.0

nsf(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)の Cisco Nonstop Forwarding(NSF)動作をイネーブルにするには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレスファミリ コンフィギュレーション モードで nsf コマンドを使用します。EIGRP NSF をディセーブルにして EIGRP NSF 設定を running-config ファイルから削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

nsf

no nsf

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

EIGRP NSF はディセーブルです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

nsf コマンドは、NSF 対応ルータで EIGRP NSF サポートをイネーブルまたはディセーブルにするために使用します。NSF は、ハイ アベイラビリティをサポートするプラットフォームでのみサポートされています。

次の例は、NSF をディセーブルにする方法を示しています。


Device#configure terminal
Device(config)#router eigrp 101 
Device(config-router)#no nsf
Device(config-router)#end  

次に、EIGRP IPv6 NSF をイネーブルにする例を示します。


Device#configure terminal
Device(config)#router eigrp virtual-name-1
Device(config-router)#address-family ipv6 autonomous-system 10 
Device(config-router-af)#nsf 
Device(config-router-af)#end 

offset-list(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)を介して学習されたルートに対する着信および発信メトリックにオフセットを追加するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで offset-list コマンドを使用します。オフセットリストを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

offset-list {access-list-number | access-list-name} {in | out} offset [interface-type interface-number]

no offset-list {access-list-number | access-list-name} {in | out} offset [interface-type interface-number]

構文の説明

access-list-number | access-list-name

標準アクセス リスト番号または適用される名前。アクセスリスト番号 0 は、すべてのネットワーク(ネットワーク、プレフィックス、またはルート)を示します。offset 値が 0 の場合、アクションは実行されません。

in

着信メトリックにアクセス リストが適用されます。

out

発信メトリックにアクセス リストが適用されます。

offset

アクセス リストと一致するネットワークのメトリックに提供されるプラスのオフセット。オフセットが 0 の場合、アクションは実行されません。

interface-type

(任意)オフセット リストが適用されるインターフェイス タイプ。

interface-number

(任意)オフセット リストが適用されるインターフェイス番号。

コマンド デフォルト

EIGRP を介して学習されたルートに対する着信および発信メトリックに、オフセット値が追加されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

コマンド履歴

表 19.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

オフセット値がルーティング メトリックに追加されました。インターフェイス タイプおよびインターフェイス番号のあるオフセット リストは、拡張済みと見なされ、拡張されていないオフセット リストよりも優先されます。したがって、エントリで拡張オフセット リストと通常のオフセット リストが渡される場合、拡張オフセット リストのオフセットがメトリックに追加されます。

次の例では、ルータによって、アクセス リスト 21 に対してだけ 10 のオフセットがルータの遅延コンポーネントに適用されます。


Device(config-router)#offset-list 21 out 10

次の例では、ルータによって、イーサネット インターフェイス 0 から学習されたルートに対して 10 のオフセットが適用されます。


Device(config-router)#offset-list 21 in 10 ethernet 0

次の例では、ルータによって、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションのイーサネット インターフェイス 0 から学習されたルートに対して 10 のオフセットが適用されます。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 1
Device(config-router-af)#topology base
Device(config-router-af-topology)#offset-list 21 in 10 ethernet0

redistribute(IP)

あるルーティングドメインから別のルーティングドメインにルートを再配布するには、該当するコンフィギュレーション モードで redistribute コマンドを使用します。(プロトコルに応じて)再配布のすべてまたは一部を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。プロトコル固有の動作の詳細については、「使用上のガイドライン」の項を参照してください。

redistribute protocol [process-id] {level-1 | level-1-2 | level-2} [autonomous-system-number] [metric {metric-value | transparent}] [metric-type type-value] [match {internal | external 1 | external 2}] [tag tag-value] [route-map map-tag] [subnets] [nssa-only]

no redistribute protocol [process-id] {level-1 | level-1-2 | level-2} [autonomous-system-number] [metric {metric-value | transparent}] [metric-type type-value] [match {internal | external 1 | external 2}] [tag tag-value] [route-map map-tag] [subnets] [nssa-only]

構文の説明

protocol

ルートの再配布元のプロトコルです。次のキーワードのいずれかになります。application bgp connected eigrp isis mobile ospf rip、または static [ip ]。

static [ip ] キーワードは、IP スタティックルートを再配布する場合に使用します。intermediate system-to-intermediate system(IS-IS)プロトコルに再配布する場合は、オプションの ip キーワードを使用します。

application キーワードは、あるルーティングドメインから別のルーティングドメインにアプリケーションを再配布するために使用されます。 IS-IS、OSPF、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Routing Information Protocol(RIP)など、さまざまなルーティングプロトコルに複数のアプリケーションを再配布できます。

connected キーワードは、インターフェイス上で IP アドレスを有効にすることによって自動的に確立されるルートを示します。Open Shortest Path First(OSPF)や IS-IS などのルーティングプロトコルの場合、これらのルートは自律システムに対して外部として再配布されます。

process-id

(任意)application キーワードの場合、これはアプリケーションの名前です。

bgp キーワードまたは eigrp キーワードの場合、これは 16 ビット 10 進数値である自律システム(AS)番号です。

isis キーワードの場合、これはルーティングプロセスのわかりやすい名前を定義する任意のタグ 値です。ルーティング プロセスの名前を作成することは、ルーティングを設定するときに名前を使用することを意味します。2 つのルーティングドメインにルータを設定し、この 2 つのドメイン間でルーティング情報を再配布できます。

ospf キーワードの場合、ルートの再配布元の該当する OSPF プロセス ID です。この値により、ルーティング プロセスを識別します。この値は 0 以外の 10 進数で指定します。

rip キーワードの場合、process-id の値は必要ありません。

application キーワードの場合、これはアプリケーションの名前です。

デフォルトでは、プロセス ID は定義されません。

level-1

IS-IS 用に、レベル 1 ルートが他の IP ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

level-1-2

IS-IS 用に、レベル 1 とレベル 2 の両方のルートが他の IP ルーティングプロトコルに再配布されることを指定します。

level-2

IS-IS 用に、レベル 2 ルートが他の IP ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

autonomous-system-number

(オプション)再配布ルートの自律システム番号です。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

  • 4 バイト自律システム(AS)番号の形式として asdot 表記(1.0 ~ 65535.65535)のみがサポートされています。

自律システムの番号形式の詳細については、router bgp コマンドを参照してください。

metric metric-value

(オプション)同じルータ上の一方の OSPF プロセスから他方の OSPF プロセスに再配布する場合、メトリック値を指定しないと、メトリックは一方のプロセスから他方のプロセスへ存続します。他のプロセスを OSPF プロセスに再配布するときに、メトリック値を指定しない場合、デフォルトのメトリックは 20 です。デフォルト値は 0 です

metric transparent

(オプション)再配布ルートのルーティング テーブル メトリックを RIP メトリックとして使用します。

metric-type type value

(オプション)OSPF ルーティング ドメインにアドバタイズされるデフォルトのルートに関連付けられる外部リンク タイプを指定します。次の 2 つの値のいずれかにすることができます。

  • 1 :タイプ 1 外部ルート

  • 2 :タイプ 2 外部ルート

metric-type を指定しない場合、Cisco IOS ソフトウェアではタイプ 2 外部ルートが採用されます。

IS-IS の場合、次の 2 つの値のいずれかになります。

  • internal :63 以下の IS-IS メトリック。

  • external :64 以上、128 以下の IS-IS メトリック。

デフォルトは internal です。

match {internal | external1 | external2 }

(任意)OSPF ルートを他のルーティング ドメインに再配布する条件を指定します。次のいずれかを指定できます。

  • internal :特定の自律システムの内部ルート。

  • external 1 :自律システムの外部だが、OSPF にタイプ 1 外部ルートとしてインポートされるルート。

  • external 2 :自律システムの外部だが、OSPF にタイプ 2 外部ルートとしてインポートされるルート。

デフォルトは internal です。

tag tag-value

(オプション)各外部ルートに付加する 32 ビットの 10 進値を指定します。これは OSPF 自体には使用されません。自律システム境界ルータ(ASBR)間で情報を通信するために使用できます。何も指定しない場合、BGP および外部ゲートウェイプロトコル(EGP)からのルートにはリモート自律システム(AS)番号が使用され、その他のプロトコルには 0 が使用されます。

route-map

(オプション)この送信元ルーティング プロトコルから現在のルーティング プロトコルへのルートのインポートをフィルタリングするために照会するルート マップを指定します。指定しない場合は、すべてのルートが再配布されます。このキーワードを指定し、ルートマップタグを 1 つも指定しないと、いずれのルートもインポートされません。

map-tag

(オプション)設定されているルート マップの ID。

subnets

(オプション) OSPFへの再配布ルート。

(注)  

 

キーワードが設定されているかどうかに関係なく、サブネット機能はデフォルトでイネーブルになります。subnets この自動追加により、クラスレス OSPF ルートが再配布されます。

nssa-only

(オプション)OSPF に再配布されるすべてのルートに対する nssa-only 属性を設定します。

コマンド デフォルト

ルートの再配布はディセーブルです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-af)

アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

redistribute コマンドの no 形式の使用


注意    


redistribute コマンドに設定したオプションを削除するには、期待する結果が得られるように redistribute コマンドの no 形式を慎重に使用する必要があります。キーワードを変更または無効にしても、プロトコルによって他のキーワードの状態に影響する場合としない場合があります。


異なるプロトコルでは、redistribute コマンドの no 形式を異なる方法で導入することを理解することが重要です。

  • BGP、OSPF、RIP の設定では、no redistribute コマンドは、実行コンフィギュレーションの redistribute コマンドから、指定されたキーワードのみを削除します。これらでは、その他のプロトコルから再配布するときに、減算キーワードの方式を使用します。たとえば、BGP で no redistribute static route-map interior を設定する場合、ルートマップのみが再配布から除外され、redistribute static がフィルタなしでそのまま残ります。

  • no redistribute isis コマンドは、実行コンフィギュレーションから IS-IS 再配布を削除します。IS-IS は、IS-IS が再配布されているかどうかや、プロトコルを再配布しているかどうかに関係なく、コマンド全体を削除します。

  • EIGRP は、EIGRP コンポーネント バージョン rel5 の前は、減算キーワード方式を使用していました。EIGRP コンポーネントバージョン rel5 以降、no redistribute コマンドによって、他のプロトコルから再配布するときに redistribute コマンド全体が削除されます。

  • router eigrp コマンドを発行し、network サブコマンドを使用してプロセスのネットワークを指定すると、EIGRP ルーティングプロセスが設定されます。EIGRP ルーティングプロセスを設定しておらず、そのような EIGRP プロセスから BGP、OSPF、RIP へのルートの再配布を設定したとします。no redistribute eigrp コマンドを使用して redistribute eigrp コマンドのパラメータを変更するか無効にする場合、no redistribute eigrp コマンドは特定のパラメータの変更または無効化を行うのではなく redistribute eigrp コマンド全体を削除します。

redistribute コマンドのその他の使用上のガイドライン

内部メトリックが指定されたリンクステート プロトコルを受信するルータの場合、ルートのコストには、そのルータから再配布するルータまでのコストと宛先に達するまでのアドバタイズされたコストの合計が考慮されます。外部メトリックでは、宛先に達するまでのアドバタイズされたコストだけを考慮します。

IP ルーティングプロトコルから学習したルートは、レベル 1 またはレベル 2 で接続エリアに再配布できます。level-1-2 キーワードを使用すると、1 つのコマンドでレベル 1 とレベル 2 の両方のルートが許可されます。

再配布されるルーティング情報は、distribute-list out ルータ コンフィギュレーション コマンドでフィルタリングする必要があります。これにより、管理者が意図するルートだけが、受信側のルーティング プロトコルに転送されます。

ルータ コンフィギュレーション コマンドの redistribute または default-information を使用して OSPF ルーティングドメインにルートを再配布した場合、ルータは必ず自動的に ASBR になります。ただし、デフォルトでは、ASBR はデフォルト ルートを OSPF ルーティング ドメインに生成しません。

OSPF または BGP 以外のプロトコルから OSPF にルートを再配布するときは、metric-type キーワードと type-value 引数でメトリックが指定されていないと、OSPF ではデフォルトメトリックとして 20 が使用されます。BGP から OSPF にルートを再配布する場合は、デフォルト メトリックとして 1 が使用されます。OSPF プロセスから別の OSPF プロセスにルートを再配布する場合、自律システム(AS)の外部および Not-So-Stubby Area(NSSA)のルートではデフォルトメトリックとして 20 が使用されます。OSPF プロセス間でエリア内およびエリア間のルートを再配布する場合は、再配布元プロセスの内部 OSPF メトリックが再配布先プロセスの外部メトリックとしてアドバタイズされます(この場合にのみ、OSPF へのルートの再配布時にルーティング テーブルのメトリックが維持されます)。


(注)  


show ip ospf [topology-info ] コマンドは、subnets キーワードが設定されているかどうかに関係なく、subnets キーワードを表示します。これは、OSPFのサブネット機能がデフォルトでイネーブルになっているためです。

NSSA エリアの内部のルータでは、nssa-only キーワードを指定すると、生成されるタイプ 7 NSSA LSA の伝播(P)ビットがゼロに設定されます。これらの LSA については、エリア境界ルータでタイプ 5 外部 LSA に変換されません。NSSA エリアおよび標準エリアに接続されているエリア境界ルータでは、nssa-only キーワードを指定した場合、ルートが NSSA エリアにのみ再配布されます。

connected キーワードが設定されたルートでこの redistribute コマンドの影響を受けるのは、network ルータ コンフィギュレーション コマンドで指定されていないルートです。

default-metric コマンドでメトリックを指定しても、接続ルートのアドバタイズに使用するメトリックには影響しません。


(注)  


redistribute コマンドで指定された metric 値は、default-metric コマンドで指定された metric 値よりも優先されます。


内部ゲートウェイプロトコル(IGP)または外部ゲートウェイプロトコル(EGP)の BGP へのデフォルトの再配布は、default-information originate ルータ コンフィギュレーション コマンドが指定されない限り許可されません。

4 バイト自律システム番号のサポート

シスコが採用している 4 バイト自律システム番号は、自律システム番号の正規表現のマッチングおよび出力表示形式のデフォルトとして asplain(たとえば、65538)を使用していますが、RFC 5396 に記載されているとおり、4 バイト自律システム番号を asplain 形式および asdot 形式の両方で設定できます。4 バイト自律システム番号の正規表現マッチングと出力表示のデフォルトを asdot 形式に変更するには、bgp asnotation dot コマンドを使用します。

次に、OSPF ルートを BGP ドメインに再配布する例を示します。


Device(config)# router bgp 109
Device(config-router)# redistribute ospf

次に、EIGRP ルートを OSPF ドメインに再配布する例を示します。


Device(config)# router ospf 110
Device(config-router)# redistribute eigrp

次に、指定された EIGRP プロセスルートを OSPF ドメインに再配布する例を示します。EIGRP 派生メトリックは 100 に再マッピングされ、RIP ルートは 200 に再マッピングされます。


Device(config)# router ospf 109
Device(config-router)# redistribute eigrp 108 metric 100 subnets
Device(config-router)# redistribute rip metric 200 subnets

次に、BGP ルートを IS-IS に再配布する例を示します。リンクステートコストが 5 に指定され、メトリックタイプが外部に設定されます。外部というのは、内部メトリックより優先順位が低いことを示します。


Device(config)# router isis
Device(config-router)# redistribute bgp 120 metric 5 metric-type external

次に、OSPF ドメインにアプリケーションを再配布し、メトリック値 5 を指定する例を示します。


Device(config)# router ospf 4
Device(config-router)# redistribute application am metric 5

次に、ネットワーク 172.16.0.0 を OSPF 1 の外部 LSA として設定する例を示します。コストは 100 で維持されます。


Device(config)# interface ethernet 0
Device(config-if)# ip address 172.16.0.1 255.0.0.0
Device(config-if)# exit
Device(config)# ip ospf cost 100
Device(config)# interface ethernet 1
Device(config-if)# ip address 10.0.0.1 255.0.0.0
!
Device(config)# router ospf 1
Device(config-router)# network 10.0.0.0 0.255.255.255 area 0
Device(config-if)# exit
Device(config-router)# redistribute ospf 2 subnet
Device(config)# router ospf 2
Device(config-router)# network 172.16.0.0 0.255.255.255 area 0

次に、BGP ルートを OSPF に再配布し、asplain 形式のローカルの 4 バイト自律システム番号を割り当てる例を示します。


Device(config)# router ospf 2
Device(config-router)# redistribute bgp 65538

次に、構成で redistribute connected metric 1000 subnets コマンドから connected metric 1000 subnets オプションを削除して、redistribute connected コマンドをそのままにする例を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected metric 1000 subnets

次に、構成で redistribute connected metric 1000 subnets コマンドから metric 1000 オプションを削除して、 redistribute connected subnets コマンドをそのままにする例を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected metric 1000

次に、構成で redistribute connected metric 1000 subnets コマンドから subnets オプションを削除して、redistribute connected metric 1000 コマンドをそのままにする例を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected subnets

次に、redistribute connected コマンドと redistribute connected コマンドに設定されたすべてのオプションを構成から削除する方法を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected

次に、EIGRP ルートが名前付き EIGRP 構成の EIGRP プロセスに再配布される例を示します。


Device(config)# router eigrp virtual-name
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 1
Device(config-router-af)# topology base
Device(config-router-af-topology)# redistribute eigrp 6473 metric 1 1 1 1 1

次に、EIGRP 構成で再配布を設定および無効化する例を示します。 EIGRP の場合、コマンドの no 形式は実行コンフィギュレーションから redistribute コマンドセット全体を削除することに注意してください。


Device(config)# router eigrp 1
Device(config-router)# network 0.0.0.0
Device(config-router)# redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# redistribute rip route-map x

Device(config)# router eigrp 1
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute rip route-map x
Device(config-router)# end

Device# show running-config | section router eigrp 1

router eigrp 1
 network 0.0.0.0

次に、OSPF 構成で再配布を設定または無効化する例を示します。コマンドの no 形式は、実行コンフィギュレーションの redistribute コマンドから指定されたキーワードのみを削除することに注意してください。

Device(config)# router ospf 1
Device(config-router)# network 0.0.0.0
Device(config-router)# redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# redistribute rip route-map x

Device(config)# router ospf 1
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute rip route-map x
Device(config-router)# end

Device# show running-config | section router ospf 1

router ospf 1
 redistribute eigrp 2
 redistribute ospf 1
 redistribute bgp 1
 redistribute rip 
 network 0.0.0.0 

次に、BGP の再配布からルートマップフィルタのみを削除する例を示します。再配布自体はフィルタなしで有効なままになります。

Device(config)# router bgp 65000
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 route-map x

次に、BGP への EIGRP 再配布を削除する例を示します。

Device(config)# router bgp 65000
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 

redistribute(IPv6)

あるルーティングドメインから別のルーティングドメインに IPv6 ルートを再配布するには、ルータ コンフィギュレーション モードで redistribute コマンドを使用します。再配布をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

redistribute protocol [process-id] [include-connected {level-1 | level-1-2 | level-2}] [as-number] [metric metric-value] {metric-type type-value} [nssa-only] [tagtag-value] [route-map map-tag]

no redistribute protocol [process-id] [include-connected {level-1 | level-1-2 | level-2}] [as-number] [metric metric-value] {metric-type type-value} [nssa-only] [tagtag-value] [route-map map-tag]

構文の説明

protocol

ルートの再配布元のプロトコルです。bgp connected eigrp isis lisp nd omp ospf (ospfv3)、rip 、または static のいずれかのキーワードを指定できます。

process-id

(オプション)bgp キーワードまたは eigrp キーワードの場合、プロセス ID は 16 ビットの 10 進数の自律システム番号です。

isis キーワードの場合、プロセス ID はルーティングプロセスのわかりやすい名前を定義する任意の値です。Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロセスはルータごとに 1 つだけ指定できます。ルーティング プロセスの名前を作成することは、ルーティングを設定するときに名前を使用することを意味します。

ospf キーワードの場合、プロセス ID は IPv6 の Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングプロセスをイネーブルにするときに管理目的で割り当てられた番号です。

rip キーワードの場合、プロセス ID は IPv6 Routing Information Protocol(RIP)ルーティングプロセスのわかりやすい名前を定義する任意の値です。

include-connected

(オプション)ソースプロトコルから学習したルートと、ソースプロトコルが動作しているインターフェイス上の接続先プレフィックスを、ターゲットプロトコルで再配布できるようにします。

level-1

IS-IS 用に、レベル 1 ルートが他の IPv6 ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

level-1-2

IS-IS 用に、レベル 1 とレベル 2 の両方のルートが他の IPv6 ルーティングプロトコルに再配布されることを指定します。

level-2

IS-IS 用に、レベル 2 ルートが他の IPv6 ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

as-number

(オプション)再配布ルートの自律システム番号です。

metric metric-value

(オプション)同じルータ上の一方の OSPF プロセスから他方の OSPF プロセスに再配布する場合、メトリック値を指定しないと、メトリックは一方のプロセスから他方のプロセスへ存続します。他のプロセスを OSPF プロセスに再配布するときに、メトリック値を指定しない場合、デフォルトのメトリックは 20 です。

metric-type type-value

(オプション)ルーティングドメインにアドバタイズされるデフォルトのルートに関連付けられる外部リンクタイプを指定します。次の 2 つの値のいずれかにすることができます。

  • 1 :タイプ 1 外部ルート

  • 2 :タイプ 2 外部ルート

metric-type キーワードに値が指定されていない場合、Cisco IOS ソフトウェアは、タイプ 2 外部ルートを受け入れます。

nssa-only

(オプション)再配布されるルートを Not-So-Stubby Area(NSSA)に制限します。

tag tag-value

(オプション)各外部ルートに付加する 32 ビットの 10 進値を指定します。これは OSPF 自体には使用されません。自律システム境界ルータ(ASBR)間で情報を通信するために使用できます。何も指定しない場合、BGP および外部ゲートウェイプロトコル(EGP)からのルートにはリモート自律システムの番号が使用され、その他のプロトコルには 0 が使用されます。

route-map

(オプション)この送信元ルーティングプロトコルから現在のルーティングプロトコルへのルートのインポートをフィルタリングするためにチェックするルートマップを指定します。route-map キーワードを指定しない場合、すべてのルートが再配布されます。このキーワードを指定し、ルート マップ タグが表示されていない場合、ルートはインポートされません。

map-tag

(オプション)設定されているルート マップの ID。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース 変更内容
Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

キーワードを変更またはディセーブルにしても、他のキーワードの状態には影響しません。

ルートの再配布が include-connected キーワードを指定して設定されている場合、それらは IS-IS で無視されます。インターフェイスにおいて IS-IS からプレフィックスがアドバタイズされるのは、インターフェイスで IS-IS が実行されている場合かインターフェイスがパッシブとして設定されている場合です。

IPv6 ルーティングプロトコルから学習されたルートは、レベル 1 では IPv6 IS-IS、レベル 2 では接続エリアに再配布されます。level-1-2 キーワードを使用すると、1 つのコマンドでレベル 1 とレベル 2 の両方のルートが許可されます。

IPv6 RIP の場合、redistribute コマンドを使用すると、スタティックルートが直接接続されたルートのようにアドバタイズされます。


(注)  


スタティックルートを直接接続されたルートとしてアドバタイズする場合、設定に誤りがあるとルーティングループが発生する可能性があります。


再配布された IPv6 RIP ルーティング情報は、ルータ コンフィギュレーション モードの distribute-list prefix-list コマンドで常にフィルタリングされます。distribute-list prefix-list コマンドを使用することにより、管理者が意図するルートだけが、受信側のルーティングプロトコルに転送されます。


(注)  


IPv6 RIP の redistribute コマンドで指定された metric 値は、default-metric コマンドを使用して指定された metric 値よりも優先されます。

IPv4 では、プロトコルを再配布する場合、プロトコルが実行されているインターフェイスのサブネットもデフォルトで再配布されます。IPv6 では、これはデフォルトの動作ではありません。IPv6 でプロトコルが実行されているインターフェイスのサブネットを再配布するには、include-connected キーワードを使用します。IPv6 では、送信元プロトコルが BGP の場合、この機能はサポートされません。


no redistribute コマンドを設定すると、クライアントプロトコルが IS-IS または EIGRP の場合にパラメータ設定が無視されます。

IS-IS のレベル 1 とレベル 2 を削除すると、IS-IS 再配布が完全に削除されます。IS-IS レベルの設定は redistribute コマンドを使用してのみ設定できます。

ルートタイプの値をすべて削除すると、デフォルトの再配布タイプが OSPFv3 に戻ります。

外部ルートが NSSA に再配布されたときに伝搬ビット(P ビット)をクリアするには、nssa-only キーワードを指定します。これにより、対応する NSSA 外部リンク ステート アドバタイズメント(LSA)が他のエリアに変換されなくなります。

次に、IPv6 BGP ルートを再配布するように IPv6 IS-IS を設定する例を示します。メトリックとして 5 を指定し、メトリックタイプを 1 に設定しています。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router isis
Device(config-router)# address-family ipv6
Device(config-router-af)# redistribute bgp 64500 metric 5 metric-type 1

次に、IPv6 BGP ルートを cisco という名前の IPv6 RIP ルーティングプロセスに再配布する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router rip cisco
Device(config-router)# redistribute bgp 42

次に、IS-IS for IPv6 ルートを OSPFv3 for IPv6 ルーティングプロセス 1 に再配布する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# address-family ipv6
Device(config-router-af)# redistribute isis 1 metric 32 metric-type 1 tag 85

redistribute maximum-prefix(OSPF)

Open Shortest Path First(OSPF)に再配布されるプレフィックスの数を制限したり、OSPF に再配布されたプレフィックスが最大数を超えたときに警告メッセージを生成したりするには、ルータ コンフィギュレーション モードで redistribute maximum-prefix コマンドを使用します。この値を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

redistribute maximum-prefix maximum [percentage] [warning-only]

no redistribute

構文の説明

maximum

OSPF に再配布できる IP または IPv6 プレフィックスの最大数を指定する 1 ~ 4294967295 の整数。

キーワード warning-only を設定すると、maximum 値でシステムが警告メッセージのログを記録するまでに OSPF に再配布できるプレフィックスの数が指定されます。再配布数に制限はありません。

OSPF に再配布できる IP または IPv6 プレフィックスの最大数、またはシステムが警告メッセージのログを記録するまでに OSPF に再配布できるプレフィックス数は、キーワード warning-only が指定されているかどうかで異なります。

引数 maximum のデフォルト値はありません。

warning-only キーワードも設定されている場合は、この値によって再配布が制限されることはありません。その場合は、再配布されるプレフィックスがこの値に達すると警告メッセージが記録される、契機となる数に過ぎません。

percentage

(任意)1 ~ 100 の整数で、警告メッセージが生成されるしきい値として % で指定します。

デフォルトは 75% です。

warning-only

(任意)引数 maximum で定義されたプレフィックス数を超えたときに警告メッセージのログが記録されるようにします。追加の再配布が防止されることはありません。

コマンド デフォルト

デフォルトは 75% です。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース 変更内容
Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)の OSPF への再配布などにより、大量の IP または IPv6 プレフィックスが OSPF に挿入されると、ネットワークが深刻なフラッディング状態になるおそれがあります。プレフィックスの再配布数を制限すると、この潜在的な問題を回避できます。

redistribute maximum-prefix コマンドを設定した場合は、プレフィックスの再配布数が設定の最大値に達したときに、それ以上のプレフィックスは再配布されません(warning-only キーワードが設定されている場合を除きます)。

次に、プレフィックスの再配布数が 600 の 85%(510 個のプレフィックス)に達した場合とルートの再配布数が 600 に達した場合にそれぞれ警告メッセージを記録するように設定する例を示します。ただし、再配布されるルート数は制限されません。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 11
Device(config-router)# address-family ipv6
Device(config-router-af)# redistribute eigrp 10 subnets
Device(config-router-af)# redistribute maximum-prefix 600 85 warning-only

次に、OSPFv3 プロセスに再配布できるプレフィックスの最大数を 2000 に設定する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 10
Device(config-router)# address-family ipv6 unicast
Device(config-router-af)# redistribute maximum-prefix 10
Device(config-router-af)# redistribute connected

rewrite-evpn-rt-asn

EVPN ルートターゲット拡張コミュニティの自律システム番号(ASN)の部分について、ターゲット eBGP EVPN ピアの ASN への書き換えを有効にするには、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで rewrite-evpn-rt-asn コマンドを使用します。ASN の書き換えを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

rewrite-evpn-rt-asn

no rewrite-evpn-rt-asn

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド モード

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Gibraltar 16.12.1

このコマンドが追加されました。

使用上のガイドライン

rewrite-evpn-rt-asn コマンドは、ルートターゲット自動機能を使用して EVPN ルートターゲットを設定する場合に必要です。ルートターゲット自動機能は、BGP EVPN をサポートするすべてのボーダーリーフスイッチに実装されています。

rewrite-evpn-rt-asn コマンドは以下にのみ影響します。

  • EVPN アドレスファミリ。

  • インバウンドルート受信。

  • EBGP ピアからのルート。

  • ルートタイプ 2 とルートタイプ 5 の EVPN プレフィックス。

  • BGP アップデート内のルートターゲット拡張コミュニティ。

rewrite-evpn-rt-asn コマンドは、タイプ 0 とタイプ 2 のルートターゲット拡張コミュニティでのみ機能します。


(注)  


このコマンドは、ルートターゲット自動機能を使用する場合に、一致するルートターゲットが手動で設定されていないスイッチがあるときにのみ実行します。


次に、rewrite-evpn-rt-asn コマンドを使用して ASN の書き換えを有効にする例を示します。

Device# configure terminal
Device(config)# router bgp 10000
Device(config-router)# address-family l2vpn evpn
Device(config-router-af)# rewrite-evpn-rt-asn

route-map

ルーティングプロトコル間でルートを再配布する条件を定義するか、ポリシールーティングをイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで route-map コマンドを使用します。エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

route-map map-tag [permit | deny] [sequence-number] ordering-seq sequence-name

no route-map map-tag [permit | deny] [sequence-number] ordering-seq sequence-name

構文の説明

map-tag

ルートマップ名。

permit

(任意)ルートマップに一致するルートのみを転送または再配布できます。

deny

(任意)ルートマップに一致するルートの転送または再配布をブロックします。

sequence-number

(任意)すでに同じ名前で設定されているルート マップ リスト内の新しいルート マップの位置を指定する番号。

ordering-seq sequence-name

(任意)指定された文字列に基づいてルートマップを順序付けます。

コマンド デフォルト

ポリシールーティングが有効になっておらず、ルーティングプロトコル間でルートを再配布する条件が設定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

route-map コマンドを使用して、ルート マップ コンフィギュレーション モードを開始します。

ルートを再配布するか、またはパケットにポリシールーティングを適用するには、ルートマップを使用します。ここでは、これらの両方の目的について説明します。

再配布

あるルーティングプロトコルから別のルーティングプロトコルにルートを再配布する条件を定義するには、route-map グローバル コンフィギュレーション コマンドと、match および set route-map コンフィギュレーション コマンドを使用します各 route-map コマンドには、match および set コマンドのリストが関連付けられています。match コマンドは match criteria (現在の route-map コマンドで再配布が許可される条件)を指定します。set コマンドは、set actions match コマンドによって適用される基準が満たされた場合に実行される再配布アクション)を指定します。route-map コマンドが有効で、ユーザがアクションを指定しなかった場合、permit アクションがデフォルトで適用されます。no route-map コマンドは、ルートマップを削除します。

match ルート マップ コンフィギュレーション コマンドには、複数の形式があります。match コマンドはどのような順序でも実行できます。また、set コマンドで指定された set actions に従って、ルートが採譜されるようにすべての match コマンドが一致している必要があります。match コマンドの no 形式を使用すると、指定した一致基準が削除されます。

ルーティング プロセス間でルートを再配布する方法を詳細に制御する必要がある場合にルート マップを使用します。宛先ルーティング プロトコルは router グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して指定します。ソース ルーティング プロトコルは redistribute ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して指定します。ルートマップの設定方法の例については、例のセクションを参照してください。

ルートマップに従ってルートを通過する場合は、ルートマップに複数の要素を持たせることができます。route-map コマンドに関連した 1 つ以上の match 句に一致しないルートはすべて無視されます。つまり、アウトバウンドルートマップではルートはアドバタイズされず、インバウンドルートマップでは受け入れられません。一部のデータのみを変更する場合は、2 つ目のルートマップセクションに明示的に match を指定して設定します。

redistribute ルータ コンフィギュレーション コマンドでは、map-tag 引数で指定されたルートマップを参照します。複数のルート マップで同じマップ タグ名を共有できます。

このルートマップの一致基準が満たされた場合、permit キーワードが指定されていると、設定アクションに従ってルートが再配布されます。ポリシー ルーティングの場合、パケットはポリシーに従ってルーティングされます。一致基準が満たされなかった場合、permit キーワードが指定されていると、同じマップタグを持つ次のルートマップがテストされます。あるルートが、同じ名前を共有するルート マップ セットの一致基準のいずれをも満たさない場合、そのセットによる再配布は行われません。

ルートマップの一致基準が満たされている場合でも、deny キーワードが指定されているとルートは再配布されません。ポリシールーティングの場合、パケットはポリシーに従ってルーティングされません。また、同じマップタグ名を共有しているルートマップは検証されません。パケットがポリシー ルーティングの対象にならない場合、通常の転送アルゴリズムが使用されます。

ポリシー ルーティング

ルート マップには、ポリシー ルーティングをイネーブルにするというもう 1 つの用途があります。ポリシー ルーティング パケットの条件を定義するには、route-map コマンドに加えて、ip policy route-map または ipv6 policy route-map コマンド、match および set コマンドを使用します。match コマンドは、ポリシールーティングが行われる条件を指定します。set コマンドは、match コマンドによって適用される条件が満たされている場合に実行するルーティングアクションを指定します。明らかな最短パスとは異なる方法でルートパケットにポリシーを適用することを推奨します。

sequence-number 引数を使用した場合の動作は次のとおりです。

  • 提供されたタグでエントリが定義されていない場合、sequence-number 引数を 10 にしたエントリが作成されます。

  • 指定されているタグで定義されているエントリが 1 つのみの場合、そのエントリが route-map コマンドのデフォルトエントリになります。このエントリの sequence-number 引数は変わりません。

  • 指定されたタグによって複数のエントリが定義されている場合、sequence-number 引数が必要であることを伝えるエラーメッセージが表示されます。

no route-map map-tag コマンドが指定されると(sequence-number 引数なし)、ルートマップ全体が削除されます。

次に、ホップカウントが 1 の Routing Information Protocol(RIP)ルートを Open Shortest Path First(OSPF)に再配布する例を示します。これらのルートは、メトリックが 5、メトリックタイプが type1、タグが 1 の外部リンクステート アドバタイズメント(LSA)として OSPF に再配布されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router ospf 109
Device(config-router)# redistribute rip route-map rip-to-ospf
Device(config-router)# exit
Device(config)# route-map rip-to-ospf permit
Device(config-route-map)# match metric 1
Device(config-route-map)# set metric 5
Device(config-route-map)# set metric-type type1
Device(config-route-map)# set tag 1

次に、IPv6 の場合にホップカウントが 1 の RIP ルートを OSPF に再配布する例を示します。これらのルートは、タグが 42、メトリックタイプが type1 の外部 LSA として OSPF に再配布されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# ipv6 router ospf 1
Device(config-router)# redistribute rip one route-map rip-to-ospfv3
Device(config-router)# exit
Device(config)# route-map rip-to-ospfv3
Device(config-route-map)# match tag 42
Device(config-route-map)# set metric-type type1

次の、名前付きコンフィギュレーションの例では、ホップカウントが 1 の Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)アドレスを再配布する方法を示します。これらのアドレスは、メトリックが 5 、タグが 1 の外部アドレスとして EIGRP に再配布されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router eigrp virtual-name1
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# topology base
Device(config-router-af-topology)# redistribute eigrp 6473 route-map virtual-name1-to-virtual-name2
Device(config-router-af-topology)# exit-address-topology
Device(config-router-af)# exit-address-family
Device(config-router)# router eigrp virtual-name2
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 6473
Device(config-router-af)# topology base
Device(config-router-af-topology)# exit-af-topology
Device(config-router-af)# exit-address-family
Device(config)# route-map virtual-name1-to-virtual-name2
Device(config-route-map)# match tag 42
Device(config-route-map)# set metric 5
Device(config-route-map)# set tag 1

router-id

固定ルータ ID を使用するには、ルータ コンフィギュレーション モードで router-id コマンドを使用します。Open Shortest Path First(OSPF)で以前の OSPF ルータ ID の動作を強制するには、このコマンドの no 形式を使用します。

router-id ip-address

no router-id ip-address

構文の説明

ip-address

IP アドレス形式でのルータ ID。

コマンド デフォルト

OSPF ルーティング プロセスは定義されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

IP アドレス形式で各ルータに任意の値を定義できます。ただし、それぞれ固有のルータ ID にする必要があります。

すでにアクティブになっている(ネイバーが存在する)OSPF ルータ プロセスでこのコマンドを使用すると、次回のリロード時または手動の OSPF プロセスの再起動時に、新しいルータ ID が使用されます。OSPF プロセスを手動で再起動するには、clear ip ospf コマンドを使用します。

次に、固定ルータ ID を指定する例を示します。


router-id 10.1.1.1

router bgp

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)ルーティングプロセスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで router bgp コマンドを使用します。BGP ルーティングプロセスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

router bgp autonomous-system-number

no router bgp autonomous-system-number

構文の説明

autonomous-system-number

他の BGP ルータに対するルータを指定し、同時に渡されるルーティング情報のタギングをする、自律システムの番号。番号の範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

デフォルトでは BGP ルーティング プロセスはイネーブルではありません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Gibraltar 16.12.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用すると、自律システム間でのルーティング情報のループなしのやり取りが自動的に保証される、分散ルーティング コアを設定できます。

シスコでは、自律システム番号を表す方法として次の 2 つを実装しています。

  • asplain:10 進表記方式。2 バイトおよび 4 バイト自律システム番号をその 10 進数値で表します。たとえば、65526 は 2 バイト自律システム番号、234567 は 4 バイト自律システム番号になります。

  • asdot:自律システム ドット付き表記。2 バイト自律システム番号は 10 進数で、4 バイト自律システム番号はドット付き表記で表されます。たとえば、65526 は 2 バイト自律システム番号、1.169031(10 進表記の 234567 をドット付き表記にしたもの)は 4 バイト自律システム番号になります。

自律システム番号を表す 3 つ目の方法については、RFC 5396 を参照してください。


(注)  


4 バイトの ASN サポートを含む Cisco IOS リリースでは、4 バイトの ASN 番号を含むコマンド アカウンティングおよびコマンド認可が、コマンドライン インターフェイスで使用される形式に関係なく、asplain 表記で送信されます。


asplain をデフォルトとする自律システム番号形式

Cisco IOS Release 12.0(32)SY8、12.0(33)S3、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、Cisco IOS XE Release 2.4、およびそれ以降のリリースで シスコが採用している 4 バイト自律システム番号では、自律システム番号のデフォルト表示形式として asplain が使用されますが、4 バイト自律システム番号を asplain と asdot の両方の形式で設定できます。また、正規表現で 4 バイト自律システム番号とマッチングするためのデフォルト形式は asplain であるため、4 バイト自律システム番号とマッチングする正規表現はすべて、asplain 形式で記述する必要があります。デフォルトの show コマンド出力を変更して、4 バイトの自律システム番号を asdot 形式で表示する場合は、ルータ コンフィギュレーション モードで bgp asnotation dot コマンドを使用します。デフォルトで asdot 形式がイネーブルにされている場合、正規表現の 4 バイト自律システム番号のマッチングには、すべて asdot 形式を使用する必要があり、使用しない場合正規表現によるマッチングは失敗します。次の表に示すように、4 バイト自律システム番号は asplain と asdot のどちらにも設定できますが、show コマンド出力と正規表現を使用した 4 バイト自律システム番号のマッチング制御には 1 つの形式だけが使用されます。デフォルトは asplain 形式です。show コマンド出力の表示と正規表現のマッチング制御で asdot 形式の 4 バイト自律システム番号を使用する場合、bgp asnotation dot コマンドを設定する必要があります。bgp asnotation dot コマンドを有効にした後、clear ip bgp * コマンドを入力してすべての BGP セッションに対してハード リセットを開始する必要があります。


(注)  


4 バイト自律システム番号をサポートしているイメージにアップグレードしている場合でも、2 バイト自律システム番号を使用できます。4 バイト自律システム番号に設定された形式にかかわらず、2 バイト自律システムの show コマンド出力と正規表現のマッチングは変更されず、asplain(10 進数)形式のままになります。


表 21. asplain をデフォルトとする 4 バイト自律システム番号形式

書式

設定形式

show コマンド出力および正規表現のマッチング形式

asplain

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:65536 ~ 4294967295

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:65536 ~ 4294967295

asdot

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:1.0 ~ 65535.65535

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:65536 ~ 4294967295

表 22. asdot を使用する 4 バイト自律システム番号形式

書式

設定形式

show コマンド出力および正規表現のマッチング形式

asplain

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:65536 ~ 4294967295

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:1.0 ~ 65535.65535

asdot

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:1.0 ~ 65535.65535

2 バイト:1 ~ 655354 バイト:1.0 ~ 65535.65535

予約済みおよびプライベートの自律システム番号

Cisco IOS Release 12.0(32)S12、12.0(32)SY8、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、12.4(24)T、Cisco IOS XE Release 2.3、およびそれ以降のリリースで シスコが採用している BGP は、RFC 4893 をサポートしています。RFC 4893 は、2 バイト自律システム番号から 4 バイト自律システム番号への段階的移行を BGP がサポートできるように開発されました。新しい予約済み(プライベート)自律システム番号(23456)は RFC 4893 により作成された番号で、Cisco IOS CLI ではこの番号を自律システム番号として設定できません。

RFC 5398Autonomous System (AS) Number Reservation for Documentation Use』では、文書化を目的として新たに予約された自律システム番号について説明されています。予約済み番号を使用することで、設定例を正確に文書化しつつ、その設定がそのままコピーされた場合でも製品ネットワークに競合が発生することを防止できます。予約済み番号は IANA 自律システム番号レジストリに記載されています。予約済み 2 バイト自律システム番号は 64496 ~ 64511 の連続したブロック、予約済み 4 バイト自律システム番号は 65536 ~ 65551 をその範囲としています。

64512 ~ 65534 を範囲とするプライベートの 2 バイト自律システム番号は依然有効で、65535 は特殊な目的のために予約されています。プライベート自律システム番号は内部ルーティング ドメインで使用できますが、インターネットにルーティングされるトラフィックについては変換が必要です。プライベート自律システム番号を外部ネットワークへアドバタイズするように BGP を設定しないでください。Cisco IOS ソフトウェアは、デフォルトではルーティング アップデートからプライベート自律システム番号を削除しません。ISP がプライベート自律システム番号をフィルタリングすることを推奨します。


(注)  


パブリック ネットワークおよびプライベート ネットワークに対する自律システム番号の割り当ては、IANA が管理しています。予約済み番号の割り当てや自律システム番号の登録申込など、自律システム番号に関する情報については、http://www.iana.org/ を参照してください。


次に、自律システム 45000 に BGP プロセスを設定し、2 バイト自律システム番号を使用して異なる自律システムで 2 つの外部 BGP ネイバーを設定する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router bgp 45000
Device(config-router)# neighbor 192.168.1.2 remote-as 40000
Device(config-router)# neighbor 192.168.3.2 remote-as 50000
Device(config-router)# neighbor 192.168.3.2 description finance
Device(config-router)# address-family ipv4
Device(config-router-af)# neighbor 192.168.1.2 activate
Device(config-router-af)# neighbor 192.168.3.2 activate
Device(config-router-af)# no auto-summary
Device(config-router-af)# no synchronization
Device(config-router-af)# network 172.17.1.0 mask 255.255.255.0
Device(config-router-af)# exit-address-family

次に、自律システム 65538 に BGP プロセスを設定し、asplain 表記の 4 バイト自律システム番号を使用して異なる自律システムで 2 つの外部 BGP ネイバーを設定する例を示します。 この例は、Cisco IOS Release 12.0(32)SY8、12.0(33)S3、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、Cisco IOS XE Release 2.4 およびそれ以降のリリースでサポートされています。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router bgp 65538
Device(config-router)# neighbor 192.168.1.2 remote-as 65536
Device(config-router)# neighbor 192.168.3.2 remote-as 65550
Device(config-router)# neighbor 192.168.3.2 description finance
Device(config-router)# address-family ipv4
Device(config-router-af)# neighbor 192.168.1.2 activate
Device(config-router-af)# neighbor 192.168.3.2 activate
Device(config-router-af)# no auto-summary
Device(config-router-af)# no synchronization
Device(config-router-af)# network 172.17.1.0 mask 255.255.255.0
Device(config-router-af)# exit-address-family

router eigrp

EIGRP ルーティングプロセスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで router eigrp コマンドを使用します。EIGRP ルーティングプロセスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

router eigrp {autonomous-system-number | virtual-instance-name}

no router eigrp {autonomous-system-number | virtual-instance-name}

構文の説明

autonomous-system-number

別の EIGRP アドレスファミリルートに対する EIGRP サービスを識別するための自律システム番号。ルーティング情報にタグを付加するためにも使用されます。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

virtual-instance-name

EIGRP 仮想インスタンス名。この名前は、単一ルータ上のすべてのアドレス ファミリ ルータ プロセスで一意である必要がありますが、ルータ間で一意である必要はありません。

コマンド デフォルト

EIGRP プロセスは設定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

autonomous-system-number 引数を使用して router eigrp コマンドを設定すると、自律システム(AS)設定と呼ばれる EIGRP 設定が作成されます。EIGRP AS 設定により、ルーティング情報のタギングに使用できる EIGRP ルーティング インスタンスが作成されます。

引数 virtual-instance-name を指定して router eigrp コマンドを設定すると、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションと呼ばれる EIGRP 設定が作成されます。EIGRP 名前付きコンフィギュレーション自体は、EIGRP ルーティング インスタンスを作成しません。EIGRP 名前付きコンフィギュレーションは、ルーティングに使用される、アドレス ファミリ コンフィギュレーションを定義する際に必要なベース コンフィギュレーションです。

次に、EIGRP プロセス 109 を設定する例を示します。


Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router eigrp 109

次に、EIGRP アドレスファミリ ルーティング プロセスを設定し、これに virtual-name という名前を割り当てる例を示します。


Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router eigrp virtual-name

router ospf

OSPF ルーティングプロセスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで router ospf コマンドを使用します。OSPF ルーティングプロセスを終了するには、このコマンドの no 形式を使用します。

router ospf process-id [vrf vrf-name ]

no router ospf process-id [vrf vrf-name ]

構文の説明

process-id

OSPF ルーティング プロセスの内部で使用される識別パラメータ。ローカルで割り当てられ、任意の正の整数を使用できます。OSPF ルーティング プロセスごとに固有の値が割り当てられます。

vrf vrf-name

(任意)OSPF VRF プロセスに関連付ける VPN ルーティング/転送(VRF)インスタンスの名前を指定します。

コマンド デフォルト

OSPF ルーティング プロセスは定義されません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

1 ルータあたり複数の OSPF ルーティング プロセスを指定できます。

router ospf コマンドの入力後、パスの最大番号を入力できます。1 ~ 32 のパスを指定できます。

次に、OSPF ルーティング プロセスを設定し、プロセス番号 109 を割り当てる例を示します。

Device(config)# router ospf 109

次の例に、router ospf コマンドを使用して、VRF first、second、third の OSPF VRF インスタンスプロセスを設定する、基本的な OSPF 設定を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router ospf 12 vrf first
Device(config)# router ospf 13 vrf second
Device(config)# router ospf 14 vrf third
Device(config)# exit 

次の例に、maximum-paths オプションの使用方法を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router ospf
Device(config-router)# maximum-paths 2
Device(config-router)# exit
 

router ospfv3

Open Shortest Path First バージョン 3(OSPFv3)のルータ コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで router ospfv3 コマンドを使用します。

router ospfv3 [process-id]

構文の説明

process-id

(任意)内部 ID。ここで使用される番号は、OSPFv3 ルーティングプロセスをイネーブルにするときに管理目的で割り当てられた番号です。範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

OSPFv3 ルーティングプロセスはデフォルトではディセーブルになっています。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容
Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

router ospfv3 コマンドは、OSPFv3 ルータ コンフィギュレーション モードを開始するために使用します。このモードから、IPv6 または IPv4 のアドレスファミリ コンフィギュレーション モードを開始し、IPv6 または IPv4 アドレスファミリを設定できます。

次に、OSPFv3 ルータ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# 

send-lifetime

キーチェーンの認証キーが送信できる期間を設定するには、send-lifetime コマンドをキー チェーン キー コンフィギュレーション モードで使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

send-lifetime [ local ] start-time { infinite | end-time | duration seconds }

no send-lifetime

構文の説明

local

ローカルタイムゾーンで時刻を指定します。

start-time

key コマンドで指定したキーが送信できる開始時刻です。構文は次のいずれかにすることができます。

hh : mm : ss month date year

hh : mm : ss date month year

  • hh :時間

  • mm :分

  • ss :秒

  • month :月の最初の 3 文字

  • date :日(1 ~ 31)

  • year :年(4 桁)

デフォルトの開始時刻で、指定できる最初の日付は 1993 年 1 月 1 日です。

infinite

キーは start-time 値以降、送信可能です。

end-time

キーは、start-time 値から end-time 値まで、送信可能です。シンタックスは、start-time 値と同じです end-time start-time 値の後である必要があります。デフォルトの終了時刻は無限の期間です。

duration seconds

キーが送信可能な時間の長さ(秒単位)指定できる範囲は 1 ~ 864000 です。

コマンド デフォルト

期限なし(開始時刻は 1993 年 1 月 1 日、終了時刻は無期限)

コマンド モード

キー チェーン キー コンフィギュレーション(config-keychain-key)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

start-time 値と、infinite end-time 、または duration seconds のいずれかの値を指定します。

キーにライフタイムを設定する場合は、Network Time Protocol(NTP)または時刻同期方式を実行することを推奨します。

最後のキーが期限切れになった場合、認証は続行されますが、エラー メッセージが生成されます。認証を無効にするには、手動で有効な最後のキーを削除する必要があります。

次の例では、chain1 という名前のキー チェーンが設定されます。Key1 という名前のキーは、午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで承認され、午後 2 時から午後 3 時まで送信されます。Key2 という名前のキーは、午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで承認され、午後 3 時から午後 4 時まで送信されます。この重複により、キーの移行またはルータの設定時間の不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
Device(config-if)# ip rip authentication key-chain chain1
Device(config-if)# ip rip authentication mode md5
Device(config-if)# exit
Device(config)# router rip
Device(config-router)# network 172.19.0.0
Device(config-router)# version 2
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain)# key-string key2
Device(config-keychain)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

次に、chain1 という名前のキーを EIGRP アドレスファミリに設定する例を示します。Key1 という名前のキーは、午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで承認され、午後 2 時から午後 3 時まで送信されます。Key2 という名前のキーは、午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで承認され、午後 3 時から午後 4 時まで送信されます。この重複により、キーの移行またはルータの設定時間の不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# router eigrp 10
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# network 10.0.0.0
Device(config-router-af)# af-interface ethernet0/0
Device(config-router-af-interface)# authentication key-chain trees
Device(config-router-af-interface)# authentication mode md5
Device(config-router-af-interface)# exit
Device(config-router-af)# exit
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain-key)# key-string key2
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

set community

BGP コミュニティ属性を設定するには、set community ルート マップ コンフィギュレーション コマンドを使用します。エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

set community {community-number [additive] [well-known-community] | none}

no set community

構文の説明

community-number

そのコミュニティ番号を指定します。有効な値の範囲は 1 ~ 4294967200、no-export 、または no-advertise です。

additive

(オプション)既存のコミュニティにコミュニティを追加します。

well-known-community

(オプション)次のキーワードを使用することにより、ウェルノウン コミュニティを指定できます。

  • internet

  • local-as

  • no-advertise

  • no-export

none

(オプション)ルート マップを渡すプレフィックスからコミュニティ属性を削除します。

コマンド デフォルト

BGP コミュニティ属性は存在しません。

コマンド モード

ルートマップ コンフィギュレーション(config-route-map)

コマンド履歴

表 23.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

タグを設定する場合は、match 句を使用する必要があります(「permit everything」リストを指している場合でも)。

あるルーティングプロトコルから別のルーティングプロトコルにルートを再配布する条件を定義するには、route-map グローバル コンフィギュレーション コマンドと、match および set ルート マップ コンフィギュレーション コマンドを使用します。各 route-map コマンドには、match および set コマンドのリストが関連付けられています。match コマンドは、一致基準(現在の route-map コマンドで再配布が許可される条件)を指定します。set コマンドは、set 処理match コマンドによって強制される基準が満たされた場合に実行される特定の再配布アクション)を指定します。no route-map コマンドは、ルートマップを削除します。

set ルート マップ コンフィギュレーション コマンドは、ルートマップのすべての一致基準が満たされたときに実行される再配布 set 処理を指定します。すべての一致基準を満たすと、すべての set 処理が実行されます。

次の例では、自律システム パス アクセス リスト 1 を通過するルートのコミュニティが 109 に設定されます。自律システム パス アクセス リスト 2 を通過するルートのコミュニティは、no-export(これらのルートがどの eBGP ピアにもアドバタイズされない)に設定されます。


route-map set_community 10 permit
match as-path 1
set community 109
route-map set_community 20 permit
match as-path 2
set community no-export

次の同様の例では、自律システム パス アクセス リスト 1 を通過するルートのコミュニティが 109 に設定されます。自律システム パス アクセス リスト 2 を通過するルートのコミュニティは、local-as(ルータがローカル自律システムの外部のピアにこのルートをアドバタイズしない)に設定されます。


route-map set_community 10 permit
match as-path 1
set community 109
route-map set_community 20 permit
match as-path 2
set community local-as

set ip next-hop(BGP)

ポリシールーティングにおいてルートマップの match 句を通過するパケットの出力先を示すには、ルートマップ コンフィギュレーション モードで set ip next-hop コマンドを使用します。エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

set ip next-hop ip-address [...ip-address] [peer-address]

no set ip next-hop ip-address [...ip-address] [peer-address]

構文の説明

ip-address

パケットが出力される出力先ネクスト ホップの IP アドレス。隣接ルータである必要はありません。

peer-address

(オプション)ネクスト ホップを BGP ピア アドレスに設定します。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。

コマンド モード

ルートマップ コンフィギュレーション(config-route-map)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

コマンド構文の省略記号(...)は、コマンド入力で ip-address 引数に複数の値を含めることができることを示します。

ポリシー ルーティング パケットに関する条件を定義するには、ip policy route-map インターフェイス コンフィギュレーション コマンド、route-map グローバル コンフィギュレーション コマンド、match および set ルートマップ コンフィギュレーション コマンドを使用します。ip policy route-map コマンドは、名前でルートマップを識別します。各 route-map コマンドには、match および set コマンドのリストが関連付けられています。match コマンドは、一致基準(ポリシールーティングが発生する条件)を指定します。set コマンドは、set 処理match コマンドによって強制される基準が満たされた場合に実行される特定のルーティングアクション)を指定します。

set ip next-hop コマンドで指定された最初のネクストホップがダウン状態になると、任意で指定された IP アドレスが使用されます。

BGP ピアのインバウンドルートマップで peer-address キーワードを指定し、set ip next-hop コマンドを使用すると、受信した一致するルートのネクストホップをネイバーピアアドレスに設定し、サードパーティのネクストホップを上書きします。したがって、同じルート マップを複数の BGP ピアに適用すると、サードパーティのネクストホップを上書きできます。

BGP ピアのアウトバウンドルートマップで peer-address キーワードを指定し、set ip next-hop コマンドを使用すると、アドバタイズされた一致するルートのネクストホップをローカルルータのピアアドレスに設定し、ネクストホップ計算をディセーブルにします。他のルートではなく、一部のルートにネクストホップを設定できるので、set ip next-hop コマンドは、(ネイバー単位の)neighbor next-hop-self コマンドよりも詳細に設定できます。neighbor next-hop-self コマンドは、そのネイバーに送信されたすべてのルートにネクストホップを設定します。

set 句は互いに組み合わせて使用できます。set 句は次の順で評価されます。

  1. set ip next-hop

  2. set interface

  3. set ip default next-hop

  4. set default interface


(注)  


反映されたルートの一般的な設定エラーを回避するために、BGP ルート リフレクタ クライアントに適用するルートマップで set ip next-hop コマンドを使用しないでください。


VRF インターフェイスで set ip next-hop ...ip-address コマンドを設定すると、指定した VRF アドレスファミリでネクストホップを検索できます。このコンテキストでは、...ip-address 引数は、指定された VRF インスタンスの引数と一致します。

次の例では、3 台のルータが同じ FDDI LAN 上にあります(IP アドレス 10.1.1.1、10.1.1.2、および 10.1.1.3)。それぞれが異なる自律システム(AS)です。set ip next-hop peer-address コマンドは、ルートマップと一致する、リモート自律システム 300 内のルータ(10.1.1.3)からリモート自律システム 100 内のルータ(10.1.1.1)へのトラフィックが、LAN への相互接続上で自律システム 100 内のルータ(10.1.1.1)に直接送信されるのではなく、ルータ bgp 200 を通過するように指定します。


Device(config)#router bgp 200
Device(config)#neighbor 10.1.1.3 remote-as 300
Device(config)#neighbor 10.1.1.3 route-map set-peer-address out
Device(config)#neighbor 10.1.1.1 remote-as 100
Device(config)#route-map set-peer-address permit 10
Device(config)#set ip next-hop peer-address

show ip bgp

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)ルーティングテーブル内のエントリを表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip bgp コマンドを使用します。

show ip bgp [ip-address [mask [longer-prefixes [injected] | shorter-prefixes [length] | best-path-reason | bestpath | multipaths | subnets] | best-path-reason | bestpath | internal | multipaths] | all | oer-paths | prefix-list name | pending-prefixes | route-map name | version {version-number | recent offset-value}]

構文の説明

ip-address

(オプション)特定のホストまたはネットワークだけを BGP ルーティング テーブルに表示するために出力をフィルタリングするために入力された IP アドレス。

mask

(オプション)指定したネットワークの一部であるホストをフィルタリングまたは照合するためのマスク。

longer-prefixes

(オプション)指定したルートと、より限定的なすべてのルートを表示します。

injected

(オプション)BGP ルーティング テーブルに注入された、より限定的なプレフィックスを表示します。

shorter-prefixes

(オプション)指定したルートと、より限定的でないすべてのルートを表示します。

length

(オプション)プレフィックス長。範囲は 0 ~ 32 の数字です。

bestpath

(オプション)このプレフィックスの最適パスを表示します。

best-path-reason

(オプション)パスがベストパスでない理由を表示します。

(注)  

 

ベストパスを選択する必要がある場合は、「Best Path Evaluation: No best path」と出力されます。

internal

(オプション)このプレフィックスに関する内部詳細情報を表示します。

multipaths

(オプション)このプレフィックスのマルチパスを表示します。

subnets

(オプション)指定したプレフィックスのサブネット ルートを表示します。

all

(オプション)BGP ルーティングテーブルのすべてのアドレスファミリ情報を表示します。

oer-paths

(オプション)BGP ルーティングテーブルに Optimized Edge Routing(OER)制御プレフィックスを表示します。

prefix-list name

(オプション)指定したプレフィックスリストに基づいて出力をフィルタリングします。

pending-prefixes

(オプション)BGP ルーティングテーブルからの削除が保留されているプレフィックスを表示します。

route-map name

(オプション)指定したルートマップに基づいて出力をフィルタリングします。

version version-number

(オプション)指定したバージョン番号以上のネットワークバージョンを持つすべてのプレフィックスを表示します。範囲は 1 ~ 4294967295 です。

recent offset-value

(オプション)現在のルーティング テーブル バージョンからのオフセットを表示します。範囲は 1 ~ 4294967295 です。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

Cisco IOS XE Gibraltar 16.10.1

このコマンドに best-path-reason キーワードが追加されました。

BGP パス インストール タイムスタンプがコマンドの出力に追加されました。

BGP ピーク プレフィックス ウォーターマークがコマンドの出力に追加されました。

使用上のガイドライン

show ip bgp コマンドは、BGP ルーティングテーブルの内容を表示するために使用します。出力は、特定のプレフィックスのエントリ、特定のプレフィックス長のエントリ、および、プレフィックスリスト、ルートマップ、または条件付きアドバタイズメントを介して注入されたプレフィックスのエントリを表示するようにフィルタリングできます。

ネットワークアドレスが変更されると、ネットワーク バージョン番号が増分されます。特定のネットワークバージョンを表示するには、version キーワードを使用します。

次に、BGP ルーティングテーブルの出力例を示します。


Device#show ip bgp

BGP table version is 6, local router ID is 10.0.96.2
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure, S Stale, m multipath, b backup-path, x best-external, f RT-Filter, a additional-path
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
RPKI validation codes: V valid, I invalid, N Not found

      Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight  Path

N*   10.0.0.1          10.0.0.3                 0             0  3 ?

N*>                    10.0.3.5                 0             0  4 ?

Nr   10.0.0.0/8        10.0.0.3                 0             0  3 ?

Nr>                    10.0.3.5                 0             0  4 ?

Nr>  10.0.0.0/24       10.0.0.3                 0             0  3 ?

V*>  10.0.2.0/24       0.0.0.0                  0         32768  i

Vr>  10.0.3.0/24       10.0.3.5                 0             0  4 ?
 

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 24. show ip bgp のフィールドの説明

フィールド

Description

BGP table version

テーブルの内部バージョン番号。この番号は、テーブルが変更されるたびに増分します。

local router ID

ルータの IP アドレス

Status codes

テーブルエントリのステータス。テーブルの各行の最初にステータスが表示されます。次のいずれかの値を指定できます。

  • s:テーブルエントリが抑制されます。

  • d:テーブルエントリがダンプニングされています。

  • h:テーブルエントリの履歴です。

  • *:テーブルエントリが有効です。

  • >:テーブルエントリがそのネットワークで使用するための最良エントリです。

  • i:テーブルエントリが内部 BGP(iBGP)セッションを経由して学習されます。

  • r:テーブルエントリは RIB 障害です。

  • S:テーブルエントリは失効しています。

  • m:テーブルエントリには、そのネットワークで使用するためのマルチパスが含まれています。

  • b:テーブルエントリには、そのネットワークで使用するためのバックアップパスが含まれています。

  • x:テーブルエントリには、ネットワークで使用するための最適外部ルートが含まれています。

Origin codes

エントリの作成元。作成元のコードはテーブルの各行の終わりにあります。次のいずれかの値を指定できます。

  • a:追加のパスとしてパスが選択されます。

  • i:内部ゲートウェイプロトコル(IGP)から発信され、network ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用してアドバタイズされたエントリ。

  • e:エクステリア ゲートウェイ プロトコル(EGP)から発信されたエントリ。

  • ?:パスの発信元はクリアされません。通常、これは IGP から BGP に再配信されるルータです。

RPKI validation codes

表示されている場合、RPKI サーバからダウンロードされたネットワークプレフィックスの RPKI 検証状態。このコードは、bgp rpki server または neighbor announce rpki state コマンドが設定されている場合にのみ表示されます。

Network

ネットワークエンティティの IP アドレス

Next Hop

パケットを宛先ネットワークに転送するときに使用される次のシステムの IP アドレス。0.0.0.0 のエントリは、ルータにこのネットワークへの非 BGP ルートがあることを示します。

Metric

表示されている場合は相互自律システムメトリック。

LocPrf

set local-preference ルートマップ コンフィギュレーション コマンドで設定されたローカルプリファレンス値。デフォルト値は 100 です。

Weight

自律システムフィルタを介して設定されたルートの重み。

Path

宛先ネットワークへの自律システムパス。パス内の各自律システムに対して、このフィールド内に 1 エントリを含めることができます。

(stale)

指定した自律システムの次のパスがグレースフル リスタート プロセス中に「stale」とマークされたことを示します。

Updated on

パスが受信または更新された時刻。

次に、BGP ルーティングテーブルの出力例を示します。[Path] フィールドの下に 4 バイト自律システム番号(65536 と 65550)が表示されます。この例では、Cisco IOS Release 12.0(32)SY8、12.0(33)S3、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、Cisco IOS XE Release 2.4 またはそれ以降のリリースが必要です。


Device#show ip bgp

BGP table version is 4, local router ID is 172.16.1.99
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure, S Stale
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.0/24      192.168.1.2              0             0 65536  i
*> 10.2.2.0/24      192.168.3.2              0             0 65550  i
*> 172.16.1.0/24    0.0.0.0                  0         32768 i

次に、BGP ルーティングテーブルの 192.168.1.0 エントリに関する情報の出力例を示します。


Device#show ip bgp 192.168.1.0
 
BGP routing table entry for 192.168.1.0/24, version 22
Paths: (2 available, best #2, table default)
  Additional-path
  Advertised to update-groups:
     3
  10 10
    192.168.3.2 from 172.16.1.2 (10.2.2.2)
      Origin IGP, metric 0, localpref 100, valid, internal, backup/repair
  10 10
    192.168.1.2 from 192.168.1.2 (10.3.3.3)
      Origin IGP, localpref 100, valid, external, best , recursive-via-connected

次に、BGP ルーティングテーブルの 10.3.3.3 255.255.255.255 エントリに関する情報の出力例を示します。


Device#show ip bgp 10.3.3.3 255.255.255.255

BGP routing table entry for 10.3.3.3/32, version 35
Paths: (3 available, best #2, table default)
Multipath: eBGP
Flag: 0x860
  Advertised to update-groups:
     1
  200
    10.71.8.165 from 10.71.8.165 (192.168.0.102)
      Origin incomplete, localpref 100, valid, external, backup/repair
      Only allowed to recurse through connected route
  200
    10.71.11.165 from 10.71.11.165 (192.168.0.102)
      Origin incomplete, localpref 100, weight 100, valid, external, best
      Only allowed to recurse through connected route
  200
    10.71.10.165 from 10.71.10.165 (192.168.0.104)
      Origin incomplete, localpref 100, valid, external,
      Only allowed to recurse through connected route 

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 25. show ip bgp ip-address のフィールドの説明

フィールド

Description

BGP routing table entry for

ルーティング テーブル エントリの IP アドレスまたはネットワーク番号。

version

テーブルの内部バージョン番号。この番号は、テーブルが変更されるたびに増分します。

Paths

使用可能なパスの数、およびインストールされた最適パスの数。最適パスが IP ルーティングテーブルに登録されている場合、この行に「Default-IP-Routing-Table」と表示されます。

Multipath

このフィールドは、マルチパス ロード シェアリングがイネーブルの場合に表示されます。このフィールドは、マルチパスが iBGP と eBGP のどちらであるかを示します。

Advertised to update-groups

アドバタイズメントが処理される各アップデートグループの数。

Origin

エントリの作成元。送信元は IGP、EGP、incomplete のいずれかになります。この行には、設定されたメトリック(メトリックが設定されていない場合は 0)、ローカルプリファレンス値(100 がデフォルト)、およびルートのステータスとタイプ(内部、外部、マルチパス、最適)が表示されます。

Extended Community

このフィールドは、ルートが拡張コミュニティ属性を伝送する場合に表示されます。この行には、属性コードが表示されます。拡張コミュニティに関する情報は後続の行に表示されます。

次に、all キーワードを指定した show ip bgp コマンドの出力例を示します。設定されたすべてのアドレスファミリに関する情報が表示されます。


Device#show ip bgp all

For address family: IPv4 Unicast   *****
BGP table version is 27, local router ID is 10.1.1.1
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.0/24      0.0.0.0                  0         32768 ?
*> 10.13.13.0/24    0.0.0.0                  0         32768 ?
*> 10.15.15.0/24    0.0.0.0                  0         32768 ?
*>i10.18.18.0/24    172.16.14.105         1388  91351      0 100 e
*>i10.100.0.0/16    172.16.14.107          262    272      0 1 2 3 i
*>i10.100.0.0/16    172.16.14.105         1388  91351      0 100 e
*>i10.101.0.0/16    172.16.14.105         1388  91351      0 100 e
*>i10.103.0.0/16    172.16.14.101         1388    173    173 100 e
*>i10.104.0.0/16    172.16.14.101         1388    173    173 100 e
*>i10.100.0.0/16    172.16.14.106         2219  20889      0 53285 33299 51178 47751 e
*>i10.101.0.0/16    172.16.14.106         2219  20889      0 53285 33299 51178 47751 e
*  10.100.0.0/16    172.16.14.109         2309             0 200 300 e
*>                  172.16.14.108         1388             0 100 e
*  10.101.0.0/16    172.16.14.109         2309             0 200 300 e
*>                  172.16.14.108         1388             0 100 e
*> 10.102.0.0/16    172.16.14.108         1388             0 100 e
*> 172.16.14.0/24   0.0.0.0                  0         32768 ?
*> 192.168.5.0      0.0.0.0                  0         32768 ?
*> 10.80.0.0/16     172.16.14.108         1388             0 50 e
*> 10.80.0.0/16     172.16.14.108         1388             0 50 e
For address family: VPNv4 Unicast   *****
BGP table version is 21, local router ID is 10.1.1.1
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
Route Distinguisher: 1:1 (default for vrf vpn1)
*> 10.1.1.0/24      192.168.4.3           1622             0 100 53285 33299 51178 {27016,57039,16690} e
*> 10.1.2.0/24      192.168.4.3           1622             0 100 53285 33299 51178 {27016,57039,16690} e
*> 10.1.3.0/24      192.168.4.3           1622             0 100 53285 33299 51178 {27016,57039,16690} e
*> 10.1.4.0/24      192.168.4.3           1622             0 100 53285 33299 51178 {27016,57039,16690} e
*> 10.1.5.0/24      192.168.4.3           1622             0 100 53285 33299 51178 {27016,57039,16690} e
*>i172.17.1.0/24    10.3.3.3                10     30      0 53285 33299 51178 47751 ?
*>i172.17.2.0/24    10.3.3.3                10     30      0 53285 33299 51178 47751 ?
*>i172.17.3.0/24    10.3.3.3                10     30      0 53285 33299 51178 47751 ?
*>i172.17.4.0/24    10.3.3.3                10     30      0 53285 33299 51178 47751 ?
*>i172.17.5.0/24    10.3.3.3                10     30      0 53285 33299 51178 47751 ?
For address family: IPv4 Multicast   *****
BGP table version is 11, local router ID is 10.1.1.1
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 10.40.40.0/26    172.16.14.110        2219             0 21 22 {51178,47751,27016} e
*                   10.1.1.1             1622             0 15 20 1 {2} e
*> 10.40.40.64/26   172.16.14.110        2219             0 21 22 {51178,47751,27016} e
*                   10.1.1.1             1622             0 15 20 1 {2} e
*> 10.40.40.128/26  172.16.14.110        2219             0 21 22 {51178,47751,27016} e
*                   10.1.1.1             2563             0 15 20 1 {2} e
*> 10.40.40.192/26  10.1.1.1             2563             0 15 20 1 {2} e
*> 10.40.41.0/26    10.1.1.1             1209             0 15 20 1 {2} e
*>i10.102.0.0/16    10.1.1.1              300    500      0 5  4 {101,102} e
*>i10.103.0.0/16    10.1.1.1              300    500      0 5  4 {101,102} e
For address family: NSAP Unicast *****
BGP table version is 1, local router ID is 10.1.1.1
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
              r RIB-failure
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network                       Next Hop                 Metric LocPrf Weight Path
* i45.0000.0002.0001.000c.00     49.0001.0000.0000.0a00                 100      0 ?
* i46.0001.0000.0000.0000.0a00   49.0001.0000.0000.0a00                 100      0 ?
* i47.0001.0000.0000.000b.00     49.0001.0000.0000.0a00                 100      0 ?
* i47.0001.0000.0000.000e.00     49.0001.0000.0000.0a00

次に、show ip bgp longer-prefixes コマンドの出力例を示します。


Device#show ip bgp 10.92.0.0 255.255.0.0 longer-prefixes

BGP table version is 1738, local router ID is 192.168.72.24
Status codes: s suppressed, * valid, > best, i - internal
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop          Metric LocPrf Weight Path
*> 10.92.0.0         10.92.72.30        8896         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.1.0         10.92.72.30        8796         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.11.0        10.92.72.30       42482         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.14.0        10.92.72.30        8796         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.15.0        10.92.72.30        8696         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.16.0        10.92.72.30        1400         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.17.0        10.92.72.30        1400         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.18.0        10.92.72.30        8876         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?
*> 10.92.19.0        10.92.72.30        8876         32768 ?
*                    10.92.72.30                         0 109 108 ?

次に、 show ip bgp shorter-prefixes コマンドの出力例を示します。8 ビットプレフィックス長を指定しています。


Device#show ip bgp 172.16.0.0/16 shorter-prefixes 8

*> 172.16.0.0         10.0.0.2                               0 ?
*                     10.0.0.2                 0             0 200 ?

次に、show ip bgp prefix-list コマンドの出力例を示します。


Device#show ip bgp prefix-list ROUTE

BGP table version is 39, local router ID is 10.0.0.1
Status codes:s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i -
internal
Origin codes:i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 192.168.1.0      10.0.0.2                               0 ?
*                   10.0.0.2                 0             0 200 ?

次に、show ip bgp route-map コマンドの出力例を示します。


Device#show ip bgp route-map LEARNED_PATH

BGP table version is 40, local router ID is 10.0.0.1
Status codes:s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i -
internal
Origin codes:i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 192.168.1.0      10.0.0.2                               0 ?
*                   10.0.0.2                 0             0 200 ?

次の出力は、追加のパスタグ(group-best、all、best 2 または best 3)のいずれかがパスに適用されているかどうかを(各ネイバーに対して)示します。出力の行は、rx pathid(ネイバーから受信)と tx pathid(ネイバーにアナウンス)を示します。BGP の追加パス機能が有効になっている場合、「Path advertised to update-groups:」が per-path になりました。

Device#show ip bgp 10.0.0.1 255.255.255.224

BGP routing table entry for 10.0.0.1/28, version 82
Paths: (10 available, best #5, table default)
  Path advertised to update-groups:
     21         25        
  Refresh Epoch 1
  20 50, (Received from a RR-client)
    192.0.2.1 from 192.0.2.1 (192.0.2.1)
      Origin IGP, metric 200, localpref 100, valid, internal, all
      Originator: 192.0.2.1, Cluster list: 2.2.2.2
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0, tx pathid: 0x9
      Updated on Aug 14 2018 18:30:39 PST
  Path advertised to update-groups:
     18         21        
  Refresh Epoch 1
  30
    192.0.2.2 from 192.0.2.2 (192.0.2.2)
      Origin IGP, metric 200, localpref 100, valid, internal, group-best, all
      Originator: 192.0.2.2, Cluster list: 4.4.4.4
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0x1, tx pathid: 0x8
      Updated on Aug 14 2018 18:30:39 PST
  Path advertised to update-groups:
     16         18         19         20         21         22         24        
     25         27        
  Refresh Epoch 1
  10
    192.0.2.3 from 192.0.2.3 (192.0.2.3)
      Origin IGP, metric 200, localpref 100, valid, external, best2, all
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0, tx pathid: 0x7
      Updated on Aug 14 2018 18:30:39 PST
  Path advertised to update-groups:
     20         21         22         24         25        
  Refresh Epoch 1
  10
    192.0.2.4 from 192.0.2.4 (192.0.2.4)
      Origin IGP, metric 300, localpref 100, valid, external, best3, all
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0, tx pathid: 0x6
      Updated on Jun 17 2018 11:12:30 PST
  Path advertised to update-groups:
     10         13         17         18         19         20         21        
     22         23         24         25         26         27         28        
  Refresh Epoch 1
  10
    192.0.2.5 from 192.0.2.5 (192.0.2.5)
      Origin IGP, metric 100, localpref 100, valid, external, best
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0, tx pathid: 0x0
      Updated on Jun 17 2018 11:12:30 PST
  Path advertised to update-groups:
     21        
  Refresh Epoch 1
  30
    192.0.2.6 from 192.0.2.6 (192.0.2.6)
      Origin IGP, metric 200, localpref 100, valid, internal, all
      Originator: 192.0.2.6, Cluster list: 5.5.5.5
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0x1, tx pathid: 0x5
      Updated on Jun 17 2018 11:12:30 PST
  Path advertised to update-groups:
     18         23         24         26         28        
  Refresh Epoch 1
  60 40, (Received from a RR-client)
    192.0.2.7 from 192.0.2.7 (192.0.2.7)
      Origin IGP, metric 250, localpref 100, valid, internal, group-best
      Originator: 192.0.2.7, Cluster list: 3.3.3.3
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0x2, tx pathid: 0x2
      Updated on Jun 17 2018 11:12:30 PST
  Path advertised to update-groups:
     25        
  Refresh Epoch 1
  30 40, (Received from a RR-client)
    192.0.2.8 from 192.0.2.8 (192.0.2.8)
      Origin IGP, metric 200, localpref 100, valid, internal, all
      Originator: 192.0.2.8, Cluster list: 2.2.2.2
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0x1, tx pathid: 0x3
      Updated on Jun 17 2018 11:12:30 PST
  Path advertised to update-groups:
     18         21         23         24         25         26         28        
  Refresh Epoch 1
  20 40, (Received from a RR-client)
    192.0.2.9 from 192.0.2.9 (192.0.2.9)
      Origin IGP, metric 200, localpref 100, valid, internal, group-best, all
      Originator: 192.0.2.9, Cluster list: 2.2.2.2
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0x1, tx pathid: 0x4
      Updated on Jun 17 2018 18:34:12 PST
  Path advertised to update-groups:
     21        
  Refresh Epoch 1
  30 40
    192.0.2.9 from 192.0.2.9 (192.0.2.9)
      Origin IGP, metric 100, localpref 100, valid, internal, all
      Originator: 192.0.2.9, Cluster list: 4.4.4.4
      mpls labels in/out 16/nolabel
      rx pathid: 0x1, tx pathid: 0x1
      Updated on Jun 17 2018 18:34:12 PST

次に、不明のパス属性と破棄されたパス属性を表示する show ip bgp コマンドの出力例を示します。


Device#show ip bgp 192.0.2.0/32

BGP routing table entry for 192.0.2.0/32, version 0
Paths: (1 available, no best path)
  Refresh Epoch 1
  Local
    192.168.101.2 from 192.168.101.2 (192.168.101.2)
      Origin IGP, localpref 100, valid, internal
      unknown transitive attribute: flag 0xE0 type 0x81 length 0x20
        value 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
              0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
              
      unknown transitive attribute: flag 0xE0 type 0x83 length 0x20
        value 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
              0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
              
      discarded unknown attribute: flag 0x40 type 0x63 length 0x64
       value 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
              0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000

次に、show ip bgp version コマンドの出力例を示します。

Device#show ip bgp version

BGP table version is 5, local router ID is 10.2.4.2
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
r RIB-failure, S Stale, m multipath, b backup-path, x best-external
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 192.168.34.2/24 10.0.0.1 0 0 1 ?
*> 192.168.35.2/24 10.0.0.1 0 0 1 ?

次に、ネットワークのバージョンを表示する例を示します。

Device#show ip bgp 192.168.34.2 | include version

BGP routing table entry for 192.168.34.2/24, version 5

show ip bgp version recent コマンドの次の出力例は、指定されたバージョンのプレフィックス変更を表示します。

Device#show ip bgp version recent 2

BGP table version is 5, local router ID is 10.2.4.2
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal,
r RIB-failure, S Stale, m multipath, b backup-path, x best-external
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete

   Network              Next Hop      Metric LocPrf  Weight   Path
*> 192.168.134.1/28     10.0.0.1         0             0       1 ?
*> 192.168.134.19/28    10.0.0.1         0             0       1 ?
*> 192.168.134.34/28    10.0.0.1         0             0       1 ?

Device#show ip bgp 80.230.70.96 best-path-reason

BGP routing table entry for 192.168.3.0/24, version 72
Paths: (2 available, best #2, table default)
  Advertised to update-groups:
     2         
  Refresh Epoch 1
  2
    10.0.101.1 from 10.0.101.1 (10.0.101.1)
      Origin IGP, localpref 100, valid, external
      Extended Community: RT:100:100
      rx pathid: 0, tx pathid: 0
      Updated on Aug 14 2018 18:34:12 PST
      Best Path Evaluation: Path is younger
  Refresh Epoch 1
  1
    10.0.96.254 from 10.0.96.254 (10.0.96.254)
      Origin IGP, localpref 100, valid, external, best
      rx pathid: 0, tx pathid: 0x0
      Updated on Aug 14 2018 18:30:39 PST
      Best Path Evaluation: Overall best path

次に、ネイバーベースごとのピーク時のルートエントリ数についてのピークウォーターマークとそのタイムスタンプを表示する show ip bgp summary コマンドの出力例を示します。

Device#show ip bgp all summary

For address family: IPv4 Unicast
BGP router identifier 10.10.10.10, local AS number 1
BGP table version is 27, main routing table version 27
2 network entries using 496 bytes of memory
2 path entries using 272 bytes of memory
1/1 BGP path/bestpath attribute entries using 280 bytes of memory
1 BGP extended community entries using 24 bytes of memory
0 BGP route-map cache entries using 0 bytes of memory
0 BGP filter-list cache entries using 0 bytes of memory
BGP using 1072 total bytes of memory
BGP activity 58/54 prefixes, 110/106 paths, scan interval 60 secs
20 networks peaked at 00:03:50 Jul 28 2018 PST (00:00:32.833 ago)

Neighbor        V           AS MsgRcvd MsgSent   TblVer  InQ OutQ Up/Down  State/PfxRcd
11.11.11.11     4         1       0       0        1    0    0 00:20:09 Idle

For address family: L2VPN E-VPN
BGP router identifier 10.10.10.10, local AS number 1
BGP table version is 183, main routing table version 183
2 network entries using 688 bytes of memory
2 path entries using 416 bytes of memory
2/2 BGP path/bestpath attribute entries using 560 bytes of memory
1 BGP extended community entries using 24 bytes of memory
0 BGP route-map cache entries using 0 bytes of memory
0 BGP filter-list cache entries using 0 bytes of memory
BGP using 1688 total bytes of memory
BGP activity 58/54 prefixes, 110/106 paths, scan interval 60 secs
30 networks peaked at 00:35:36 Jul 28 2018 PST (00:00:47.321 ago)


Neighbor        V           AS MsgRcvd MsgSent   TblVer  InQ OutQ Up/Down  State/PfxRcd
11.11.11.11     4          1       0       0        1    0    0 00:20:09 Idle

show ip bgp neighbors

ネイバーへのボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)接続および TCP 接続に関する情報を表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip bgp neighbors コマンドを使用します。

show ip bgp [ipv4 {multicast | unicast} | vpnv4 all | vpnv6 unicast all] neighbors [slow | ip-address | ipv6-address [advertised-routes | dampened-routes | flap-statistics | paths [reg-exp] | policy [detail] | received prefix-filter | received-routes | routes]]

構文の説明

ipv4

(オプション)IPv4 アドレスファミリのピアを表示します。

multicast

(オプション)IPv4 マルチキャスト アドレス プレフィックスを指定します。

unicast

(オプション)IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィックスを指定します。

vpnv4 all

(オプション)VPNv4 アドレスファミリのピアを表示します。

vpnv6 unicast all

(オプション)VPNv6 アドレスファミリのピアを表示します。

slow

(オプション)ダイナミックに設定された低速ピアに関する情報を表示します。

ip-address

(オプション)IPv4 ネイバーの IP アドレス。この引数を省略すると、すべてのネイバーに関する情報が表示されます。

ipv6-address

(オプション)IPv6 ネイバーの IP アドレス。

advertised-routes

(オプション)ネイバーにアドバタイズされたすべてのルートを表示します。

dampened-routes

(オプション)指定されたネイバーから受信されたダンプニングされたルートを表示します。

flap-statistics

(オプション)指定されたネイバーから学習されたルートのフラップ統計を表示します(外部 BGP ピアの場合のみ)。

paths reg-exp

(オプション)指定したネイバーから学習した自律システムパスを表示します。オプションの正規表現を使用して、出力をフィルタ処理できます。

policy

(オプション)アドレスファミリごとに、このネイバーに適用されるポリシーを表示します。

detail

(オプション)ルートマップ、プレフィックスリスト、コミュニティリスト、アクセスコントロールリスト(ACL)、自律システムパスフィルタリストなどの詳細なポリシー情報を表示します。

received prefix-filter

(オプション)指定したネイバーから送信されたプレフィックスリスト(アウトバウンド ルート フィルタ(ORF))を表示します。

received-routes

(オプション)指定したネイバーから受信したすべてのルートを表示します。

routes

(オプション)受信され、受け入れられるすべてのルートを表示します。このキーワードが入力されたときに表示される出力は、received-routes キーワードによって表示される出力のサブセットです。

コマンド デフォルト

このコマンドの出力には、すべてのネイバーの情報が表示されます。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

Cisco IOS XE Gibraltar 16.10.1

BGP ピーク プレフィックス ウォーターマークがコマンド出力に追加されました。

使用上のガイドライン

ネイバーセッションの BGP および TCP 接続情報を表示するには、show ip bgp neighbors コマンドを使用します。BGP の場合、これには詳細なネイバー属性、機能、パス、およびプレフィックス情報が含まれています。TCP の場合、これには BGP ネイバー セッション確立およびメンテナンスに関連した統計が含まれています。

アドバタイズされ、取り消されたプレフィックスの数に基づいて、プレフィックス アクティビティが表示されます。ポリシー拒否には、アドバタイズされたものの、その後、出力に表示されている機能または属性に基づいて無視されたルートの数が表示されます。

出力例は、show ip bgp neighbors コマンドで使用できるさまざまなキーワードによって異なります。以降のセクションでは、さまざまなキーワードの使用例を示します。

次に、10.108.50.2 の BGP ネイバーの出力例を示します。このネイバーは、内部 BGP(iBGP)ピアです。ルート更新とグレースフル リスタート機能をサポートしています。


Device#show ip bgp neighbors 10.108.50.2

BGP neighbor is 10.108.50.2,  remote AS 1, internal link
  BGP version 4, remote router ID 192.168.252.252 
  BGP state = Established, up for 00:24:25
  Last read 00:00:24, last write 00:00:24, hold time is 180, keepalive interval is
   60 seconds 
  Neighbor capabilities:
    Route refresh: advertised and received(old & new)
    MPLS Label capability: advertised and received 
    Graceful Restart Capability: advertised 
    Address family IPv4 Unicast: advertised and received
  Message statistics:
    InQ depth is 0
    OutQ depth is 0
                         Sent       Rcvd
    Opens:                  3          3
    Notifications:          0          0
    Updates:                0          0
    Keepalives:           113        112
    Route Refresh:          0          0
    Total:                116        115
  Default minimum time between advertisement runs is 5 seconds
 For address family: IPv4 Unicast
  BGP additional-paths computation is enabled
  BGP advertise-best-external is enabled
  BGP table version 1, neighbor version 1/0
 Output queue size : 0
  Index 1, Offset 0, Mask 0x2
  1 update-group member
                                 Sent       Rcvd
  Prefix activity:               ----       ----
    Prefixes Current:               0          0
    Prefixes Total:                 0          0
    Implicit Withdraw:              0          0
    Explicit Withdraw:              0          0
    Used as bestpath:             n/a          0
    Used as multipath:            n/a          0
                                   Outbound    Inbound
  Local Policy Denied Prefixes:    --------    -------
    Total:                                0          0
  Number of NLRIs in the update sent: max 0, min 0
  Connections established 3; dropped 2
  Last reset 00:24:26, due to Peer closed the session 
External BGP neighbor may be up to 2 hops away.
Connection state is ESTAB, I/O status: 1, unread input bytes: 0        
Connection is ECN Disabled 
Local host: 10.108.50.1, Local port: 179 
Foreign host: 10.108.50.2, Foreign port: 42698 
Enqueued packets for retransmit: 0, input: 0  mis-ordered: 0 (0 bytes) 
Event Timers (current time is 0x68B944): 
Timer          Starts    Wakeups            Next
Retrans            27          0             0x0
TimeWait            0          0             0x0
AckHold            27         18             0x0
SendWnd             0          0             0x0
KeepAlive           0          0             0x0
GiveUp              0          0             0x0
PmtuAger            0          0             0x0
DeadWait            0          0             0x0
iss: 3915509457  snduna: 3915510016  sndnxt: 3915510016     sndwnd:  15826
irs:  233567076  rcvnxt:  233567616  rcvwnd:      15845  delrcvwnd:    539
SRTT: 292 ms, RTTO: 359 ms, RTV: 67 ms, KRTT: 0 ms
minRTT: 12 ms, maxRTT: 300 ms, ACK hold: 200 ms
Flags: passive open, nagle, gen tcbs
IP Precedence value : 6
Datagrams (max data segment is 1460 bytes):
Rcvd: 38 (out of order: 0), with data: 27, total data bytes: 539
Sent: 45 (retransmit: 0, fastretransmit: 0, partialack: 0, Second Congestion: 08

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。アスタリスク文字(*)の後ろにあるフィールドは、カウンタが非ゼロ値の場合だけ表示されます。

表 26. show ip bgp neighbors のフィールドの説明

フィールド

Description

BGP neighbor

BGP ネイバーの IP アドレスとその自律システム番号。

remote AS

ネイバーの自律システム番号。

local AS 300 no-prepend(出力には表示されない)

ローカルの自律システム番号が受信された外部ルートの先頭に付加されていないことを確認します。この出力は、ネットワーク管理者が自律システムを移行しているときのローカル自律システムの非表示をサポートします。

internal link

iBGP ネイバーの場合「internal link」と表示されます。外部 BGP(eBGP)ネイバーの場合は「external link」と表示されます。

BGP version

リモート ルータとの通信に使用される BGP バージョン。

remote router ID

ネイバーの IP アドレス。

BGP state

セッション ネゴシエーションの有限状態マシン(FSM)ステージ。

up for

ベースとなる TCP 接続が存在している時間(hh:mm:ss 形式)。

Last read

BGP がこのネイバーから最後にメッセージを受信してからの時間(hh:mm:ss 形式)。

last write

BGP がこのネイバーに最後にメッセージを送信してからの時間(hh:mm:ss 形式)。

hold time

BGP がメッセージを受信せずにこのネイバーとセッションを維持した時間(秒数)。

keepalive interval

キープアライブ メッセージがこのネイバーに転送される間隔(秒数)。

Neighbor capabilities

このネイバーからアドバタイズされ受信される BGP 機能。2 つのルータ間で機能が正常に交換されている場合、「advertised and received」と表示されます。

Route refresh

ルート リフレッシュ機能のステータス。

MPLS Label capability

MPLS ラベルが eBGP ピアによって送受信されることを示します。

Graceful Restart Capability

グレースフル リスタート機能のステータス。

Address family IPv4 Unicast

このネイバーの IP Version 4 ユニキャスト固有プロパティ。

Message statistics

メッセージ タイプごとにまとめられた統計。

InQ depth is

入力キュー内のメッセージ数。

OutQ depth is

出力キュー内のメッセージ数。

Sent

送信されたメッセージの合計数。

Revd

受信されたメッセージの合計数。

Opens

送受信されたオープンメッセージ数。

Notifications

送受信された通知(エラー)メッセージ数。

Updates

送受信されたアップデートメッセージ数。

Keepalives

送受信されたキープアライブメッセージ数。

Route Refresh

送受信されたルートリフレッシュ要求メッセージ数。

Total

送受信されたメッセージの合計数。

Default minimum time between...

アドバタイズメント送信の間の時間(秒数)。

For address family:

後続のフィールドが参照するアドレスファミリ。

BGP table version

テーブルの内部バージョン番号。これは、ネイバーが更新されたプライマリ ルーティング テーブルです。テーブルが変更されると、番号が増えます。

neighbor version

送信済みのプレフィックスおよび送信する必要があるプレフィックスを追跡するためにソフトウェアによって使用された番号。

1 update-group member

このアドレスファミリのアップデートグループメンバの数。

Prefix activity

このアドレスファミリのプレフィックス統計。

Prefixes Current

このアドレスファミリに対して受け入れられるプレフィックス数。

Prefixes Total

受信されたプレフィックスの合計数。

Implicit Withdraw

プレフィックスが取り消されて再アドバタイズされた回数。

Explicit Withdraw

フィージブルでなくなったため、プレフィックスが取り消された回数。

Used as bestpath

最良パスとしてインストールされた受信プレフィックス数。

Used as multipath

マルチパスとしてインストールされた受信プレフィックス数。

* Saved(ソフト再構成)

ソフト再構成をサポートするネイバーで実行されたソフトリセットの数。このフィールドは、カウンタが非ゼロ値の場合のみ表示されます。

* History paths

このフィールドは、カウンタが非ゼロ値の場合のみ表示されます。

* Invalid paths

無効なパスの数。このフィールドは、カウンタが非ゼロ値の場合のみ表示されます。

Local Policy Denied Prefixes

ローカルポリシー設定が原因で拒否されたプレフィックス。カウンタは、インバウンドおよびアウトバウンドのポリシー拒否ごとに更新されます。この見出しの下のフィールドは、カウンタの値がゼロ以外である場合にだけ表示されます。

* route-map

インバウンドおよびアウトバウンドのルートマップポリシー拒否を表示します。

* filter-list

インバウンドおよびアウトバウンドのフィルタリストポリシー拒否を表示します。

* prefix-list

インバウンドおよびアウトバウンドのプレフィックスリスト ポリシー拒否を表示します。

* Ext Community

アウトバウンド拡張コミュニティポリシーの拒否のみを表示します。

* AS_PATH too long

アウトバウンド AS_PATH 長さポリシーの拒否を表示します。

* AS_PATH loop

アウトバウンド AS_PATH ループポリシーの拒否を表示します。

* AS_PATH confed info

アウトバウンド コンフェデレーション ポリシー拒否を表示します。

* AS_PATH contains AS 0

自律システム 0 のアウトバウンド拒否を表示します。

* NEXT_HOP Martian

アウトバウンドの Martian 拒否を表示します。

* NEXT_HOP non-local

アウトバウンド非ローカル ネクストホップ拒否を表示します。

* NEXT_HOP is us

アウトバウンドのネクストホップ自身の拒否を表示します。

* CLUSTER_LIST loop

アウトバウンドのクラスタリスト ループ拒否を表示します。

* ORIGINATOR loop

ローカルで発信されたルートのアウトバウンド拒否を表示します。

* unsuppress-map

非抑制マップによるインバウンド拒否を表示します。

* advertise-map

アドバタイズ マップによるインバウンド拒否を表示します。

* VPN Imported prefix

VPN プレフィックスのインバウンド拒否を表示します。

* Well-known Community

ウェルノウン コミュニティのインバウンド拒否を表示します。

* SOO loop

site-of-origin によるインバウンド拒否を表示します。

* Bestpath from this peer

最適パスがローカル ルータから提供されたことによるインバウンド拒否を表示します。

* Suppressed due to dampening

ネイバーまたはリンクがダンプニング状態であることによるインバウンド拒否を表示します。

* Bestpath from iBGP peer

最適パスが iBGP ネイバーから提供されたことによるインバウンド拒否を表示します。

* Incorrect RIB for CE

カスタマー エッジ(CE)ルータの RIB エラーによるインバウンド拒否を表示します。

* BGP distribute-list

配布リストによるインバウンド拒否を表示します。

Number of NLRIs...

アップデート内のネットワーク層到達可能性属性の数。

Current session network count peaked...

現在のセッションにおけるピーク時のネットワーク数が表示されます。

Highest network count observed at...

起動後のピーク時のネットワーク数が表示されます。

Connections established

TCP および BGP 接続が正常に確立した回数。

dropped

有効セッションに障害が発生したか停止した回数。

Last reset

このピアリングセッションが最後にリセットされてからの時間(hh:mm:ss 形式)。リセットがこの行に表示された理由。

External BGP neighbor may be...

BGP 存続可能時間(TTL)セキュリティチェックがイネーブルであることを示します。ローカルピアとリモートピアをまたぐことができるホップの最大数がこの行に表示されます。

Connection state

BGP ピアの接続ステータス。

unread input bytes

処理待ちのパケットのバイト数。

Connection is ECN Disabled

明示的輻輳通知のステータス(イネーブルまたはディセーブル)。

Local host: 10.108.50.1, Local port: 179

ローカル BGP スピーカーの IP アドレス。BGP ポート番号 179。

Foreign host: 10.108.50.2, Foreign port: 42698

ネイバーアドレスと BGP 宛先ポート番号。

Enqueued packets for retransmit:

TCP によって再送信のためにキューに格納されたパケット。

Event Timers

TCP イベントタイマー。起動およびウェイクアップのカウンタが提供されます(期限切れタイマー)。

Retrans

パケットを再送信した回数。

TimeWait

再送信タイマーが期限切れになるまで待機する時間。

AckHold

確認応答ホールドタイマー

SendWnd

伝送(送信)ウィンドウ。

KeepAlive

キープアライブパケットの数。

GiveUp

確認応答がないためにパケットがドロップされた回数。

PmtuAger

パス MTU ディスカバリタイマー。

DeadWait

デッドセグメントの有効期限タイマー。

iss:

初期パケット送信シーケンス番号。

snduna:

確認応答されなかった最後の送信シーケンス番号。

sndnxt:

次に送信されるパケットのシーケンス番号。

sndwnd:

リモートネイバーの TCP ウィンドウ サイズ。

irs:

初期パケット受信シーケンス番号。

rcvnxt:

ローカルに確認応答された最後の受信シーケンス番号。

rcvwnd:

ローカルホストの TCP ウィンドウサイズ。

delrcvwnd:

遅延受信ウィンドウ:ローカル ホストによって接続から読み取られ、ホストがリモートホストにアドバタイズした受信ウィンドウから削除されていないデータ。このフィールドの値は、フルサイズのパケットより大きくなるまで次第に増加し、それに達した時点で、rcvwnd フィールドに適用されます。

SRTT:

計算されたスムーズ ラウンドトリップ タイムアウト。

RTTO:

ラウンドトリップ タイムアウト。

RTV:

ラウンドトリップ時間の差異。

KRTT:

新しいラウンドトリップ タイムアウト(Karn アルゴリズムを使用)。このフィールドは、再送信されたパケットのラウンドトリップ時間を個別に追跡します。

minRTT:

記録された最短ラウンドトリップ タイムアウト(計算に使用される組み込み値)。

maxRTT:

記録された最長ラウンドトリップ タイムアウト。

ACK hold:

ローカル ホストが追加データを伝送(ピギーバック)するために確認応答を遅らせる時間の長さ。

IP Precedence value:

BGP パケットの IP プレシデンス。

Datagrams

ネイバーから受信したアップデートパケットの数。

Rcvd:

受信パケット数。

out of order:

シーケンスを外れて受信したパケットの数。

with data

データとともに送信されたアップデートパケットの数。

total data bytes

受信データの合計量(バイト)。

Sent

送信されたアップデートパケットの数。

Second Congestion

データとともに送信されたアップデートパケットの数。

Datagrams: Rcvd

ネイバーから受信したアップデートパケットの数。

retransmit

再送信されたパケット数。

fastretransmit

再送信タイマーが期限切れになる前に、順序が不正なセグメントのために再送信された重複する確認応答の数。

partialack

部分的な確認応答(後続の確認応答がない、またはそれ以前の送信)のために再送信された回数。

Second Congestion

輻輳による再送信に要した秒数。

次の部分的な例は、4 バイトの自律システム番号 65536 と 65550 を持つ自律システム内のいくつかの外部 BGP ネイバーの出力を示しています。この例では、Cisco IOS Release 12.0(32)SY8、12.0(33)S3、12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、12.2(33)SXI1、Cisco IOS XE Release 2.4 またはそれ以降のリリースが必要です。


Device#show ip bgp neighbors

BGP neighbor is 192.168.1.2,  remote AS 65536, external link
  BGP version 4, remote router ID 0.0.0.0
  BGP state = Idle
  Last read 02:03:38, last write 02:03:38, hold time is 120, keepalive interval is 70
seconds
  Configured hold time is 120, keepalive interval is 70 seconds
  Minimum holdtime from neighbor is 0 seconds
.
.
.
BGP neighbor is 192.168.3.2,  remote AS 65550, external link
 Description: finance
  BGP version 4, remote router ID 0.0.0.0
  BGP state = Idle
  Last read 02:03:48, last write 02:03:48, hold time is 120, keepalive interval is 70
seconds
  Configured hold time is 120, keepalive interval is 70 seconds
  Minimum holdtime from neighbor is 0 seconds

次に、172.16.232.178 ネイバーのみにアドバタイズされたルートを表示する例を示します。


Device#show ip bgp neighbors 172.16.232.178 advertised-routes 

BGP table version is 27, local router ID is 172.16.232.181
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
Network          Next Hop          Metric LocPrf Weight Path
*>i10.0.0.0      172.16.232.179         0    100      0 ?
*> 10.20.2.0     10.0.0.0               0         32768 i

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 27. show ip bgp neighbors advertised-routes のフィールドの説明

フィールド

Description

BGP table version

テーブルの内部バージョン番号。これは、ネイバーが更新されたプライマリ ルーティング テーブルです。テーブルが変更されると、番号が増えます。

local router ID

ローカル BGP スピーカーの IP アドレス。

Status codes

テーブルエントリのステータス。テーブルの各行の最初にステータスが表示されます。次のいずれかの値を指定できます。

  • s:テーブルエントリが抑制されます。

  • d:テーブルエントリが抑制され、BGP ネイバーにアドバタイズされません。

  • h:テーブルエントリに履歴情報に基づく最良パスが含まれていません。

  • *:テーブルエントリが有効です。

  • >:テーブルエントリがそのネットワークで使用するための最良エントリです。

  • i:テーブルエントリが内部 BGP(iBGP)セッションを経由して学習されます。

Origin codes

エントリの作成元。作成元のコードはテーブルの各行の終わりにあります。次のいずれかの値を指定できます。

  • i:内部ゲートウェイプロトコル(IGP)から発信され、network ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用してアドバタイズされたエントリ。

  • e:外部ゲートウェイプロトコル(EGP)から発信されたエントリ。

  • ?:パスの発信元はクリアされません。通常、これは、IGP から BGP に再配布されたルートです。

Network

ネットワークエンティティの IP アドレス

Next Hop

パケットを宛先ネットワークに転送するのに使用される次システムの IP アドレス。エントリ 0.0.0.0 は、宛先ネットワークへのパスに非 BGP ルートがあることを示します。

Metric

表示されている場合、これは相互自律システムメトリックの値です。このフィールドはあまり使用されません。

LocPrf

set local-preference ルートマップ コンフィギュレーション コマンドで設定されたローカルプリファレンス値。デフォルト値は 100 です。

Weight

自律システムフィルタを介して設定されたルートの重み。

Path

宛先ネットワークへの自律システムパス。パス内の各自律システムに対して、このフィールド内に 1 エントリを含めることができます。

次に、check-control-plane-failure オプションを設定して入力された show ip bgp neighbors コマンドの出力例を示します。

Device#show ip bgp neighbors 10.10.10.1

BGP neighbor is 10.10.10.1,  remote AS 10, internal link
 Fall over configured for session
 BFD is configured. BFD peer is Up. Using BFD to detect fast fallover (single-hop) with c-bit check-control-plane-failure.
 Inherits from template cbit-tps for session parameters
  BGP version 4, remote router ID 10.7.7.7
  BGP state = Established, up for 00:03:55
  Last read 00:00:02, last write 00:00:21, hold time is 180, keepalive interval is 60 seconds
  Neighbor sessions:
    1 active, is not multisession capable (disabled)
  Neighbor capabilities:
    Route refresh: advertised and received(new)
    Four-octets ASN Capability: advertised and received
    Address family IPv4 Unicast: advertised and received
    Enhanced Refresh Capability: advertised and received
    Multisession Capability:
    Stateful switchover support enabled: NO for session 1
 

次に、paths キーワードを指定した show ip bgp neighbors コマンドの出力例を示します。


Device#show ip bgp neighbors 172.29.232.178 paths 10 

Address    Refcount Metric Path
0x60E577B0        2     40 10 ?

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 28. show ip bgp neighbors paths のフィールドの説明

フィールド

Description

Address

パスが保存される内部アドレス。

Refcount

そのパスを使用しているルートの数。

メトリック

パスの Multi Exit Discriminator(MED)メトリック(BGP バージョン 2 および 3 のこのメトリック名は INTER_AS です)。

Path

そのルートの自律システム パスと、そのルートの発信元コード。

次の例は、10.0.0.0 ネットワークのすべてのルートをフィルタリングするプレフィックス リストが 192.168.20.72 ネイバーから受信されたことを示しています。


Device#show ip bgp neighbors 192.168.20.72 received prefix-filter

Address family:IPv4 Unicast
ip prefix-list 192.168.20.72:1 entries
   seq 5 deny 10.0.0.0/8 le 32

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 29. show ip bgp neighbors received prefix-filter のフィールドの説明

フィールド

Description

Address family

プレフィックスフィルタが受信されるアドレスファミリモード。

ip prefix-list

指定したネイバーから送信されたプレフィックスリスト。

次の出力例に表示されているのは、192.168.1.2 にあるネイバーに適用されたポリシーです。この出力には、継承されたポリシーと、このネイバーデバイスで設定されたポリシーの両方が表示されています。継承されたポリシーは、ピアグループ、またはピアポリシーテンプレートからネイバーが継承したポリシーです。


Device#show ip bgp neighbors 192.168.1.2 policy

Neighbor: 192.168.1.2, Address-Family: IPv4 Unicast
Locally configured policies:
 route-map ROUTE in
Inherited polices:
 prefix-list NO-MARKETING in
 route-map ROUTE in
 weight 300
 maximum-prefix 10000

次に、show ip bgp neighbors コマンドの出力例を示します。ここでは、discard 属性値および treat-as-withdraw 属性値が設定されていることが示されています。また、treat-as-withdraw 属性に一致する受信した更新の数、discard 属性に一致する受信した更新の数、および treat-as-withdraw である受信した不正な更新の数も示されます。


Device#show ip bgp vpnv4 all neighbors 10.0.103.1

BGP neighbor is 10.0.103.1,  remote AS 100, internal link
 Path-attribute treat-as-withdraw inbound
 Path-attribute treat-as-withdraw value 128
 Path-attribute treat-as-withdraw 128 in: count 2
 Path-attribute discard 128 inbound
 Path-attribute discard 128 in: count 2

				   Outbound    Inbound
  Local Policy Denied Prefixes:    --------    -------
    MALFORM treat as withdraw:            0          1
    Total:                                0          1

次の出力は、ネイバーが追加のパスをアドバタイズし、受信した追加のパスを送信できることを示します。また、追加のパスとアドバタイズされたパスを受信することもできます。


Device#show ip bgp neighbors 10.108.50.2

BGP neighbor is 10.108.50.2,  remote AS 1, internal link
  BGP version 4, remote router ID 192.168.252.252 
  BGP state = Established, up for 00:24:25
  Last read 00:00:24, last write 00:00:24, hold time is 180, keepalive interval is 60 seconds 
  Neighbor capabilities:
    Additional paths Send: advertised and received
    Additional paths Receive: advertised and received
    Route refresh: advertised and received(old & new)
    Graceful Restart Capabilty: advertised and received 
    Address family IPv4 Unicast: advertised and received

次の出力では、ネイバーのクラスタ ID が表示されます。(縦棒と「include」を意味する文字「i」によって、デバイスは「i」の後にユーザの入力を含む行だけを表示します(この場合は「cluster-id」))。表示されるクラスタ ID は、ネイバーまたはテンプレートによって直接設定されたものです。


Device#show ip bgp neighbors 192.168.2.2 | i cluster-id

 Configured with the cluster-id 192.168.15.6

次に、ネイバーベースごとのピーク時のルートエントリ数についてのピークウォーターマークとそのタイムスタンプを表示する出力例を示します。

Device#show ip bgp ipv4 unicast neighbors 11.11.11.11

BGP neighbor is 11.11.11.11,  remote AS 1, internal link                           
  BGP version 4, remote router ID 0.0.0.0                                          
  BGP state = Idle, down for 00:01:43                                              
  Neighbor sessions:                                                               
    0 active, is not multisession capable (disabled)                               
    Stateful switchover support enabled: NO                                        
  Do log neighbor state changes (via global configuration)                         
  Default minimum time between advertisement runs is 0 seconds                     

 For address family: IPv4 Unicast
  BGP table version 27, neighbor version 1/27
  Output queue size : 0                      
  Index 0, Advertise bit 0                   
  Slow-peer detection is disabled            
  Slow-peer split-update-group dynamic is disabled
                                 Sent       Rcvd  
  Prefix activity:               ----       ----  
    Prefixes Current:               0          0  
    Prefixes Total:                 0          0  
    Implicit Withdraw:              0          0  
    Explicit Withdraw:              0          0  
    Used as bestpath:             n/a          0  
    Used as multipath:            n/a          0  
    Used as secondary:            n/a          0  

                                   Outbound    Inbound
  Local Policy Denied Prefixes:    --------    -------
    Total:                                0          0
  Number of NLRIs in the update sent: max 2, min 0  
  Current session network count peaked at 20 entries at 00:00:23 Aug 8 2018 PST (00:01:29.156 ago).
  Highest network count observed at 20 entries at 23:55:32 Aug 7 2018 PST (00:06:20.156 ago).                 
  Last detected as dynamic slow peer: never           
  Dynamic slow peer recovered: never                  
  Refresh Epoch: 1                                    
  Last Sent Refresh Start-of-rib: never               
  Last Sent Refresh End-of-rib: never                 
  Last Received Refresh Start-of-rib: never           
  Last Received Refresh End-of-rib: never             
                                       Sent       Rcvd
        Refresh activity:              ----       ----
          Refresh Start-of-RIB          0          0  
          Refresh End-of-RIB            0          0  

次の例では、特定のネイバーとの間で発生したソフトインバウンドおよびアウトバウンド更新の回数が表示されています。

Device#show ip bgp l2vpn evpn neighbors 11.11.11.11

BGP neighbor is 11.11.11.11,  remote AS 1, internal link           
  BGP version 4, remote router ID 11.11.11.11                      
  BGP state = Established, up for 00:14:06                         
  Last read 00:00:21, last write 00:00:28, hold time is 180, keepalive 
  ……………
  Do log neighbor state changes (via global configuration)                                   
  Default minimum time between advertisement runs is 0 seconds                               

 For address family: L2VPN E-VPN
  Session: 11.11.11.11          
  BGP table version 30, neighbor version 30/0
  Output queue size : 0                      
  Index 1, Advertise bit 0                   
  1 update-group member                      
  Community attribute sent to this neighbor  
  Extended-community attribute sent to this neighbor
  ……….
  …………
  Last detected as dynamic slow peer: never           
  Dynamic slow peer recovered: never                  
  Refresh Epoch: 2                                    
  Last Sent Refresh Start-of-rib: never               
  Last Sent Refresh End-of-rib: never                 
  Last Received Refresh Start-of-rib: 00:14:06        
  Last Received Refresh End-of-rib: 00:14:06          
  Refresh-In took 0 seconds                           
                                       Sent       Rcvd
        Refresh activity:              ----       ----
          Refresh Start-of-RIB          0          1  
          Refresh End-of-RIB            0          1  

  Address tracking is enabled, the RIB does have a route to 11.11.11.11
  Route to peer address reachability Up: 1; Down: 0                    
    Last notification 00:14:07                                         
  Connections established 1; dropped 0                                 
…………
…………
Packets received in fast path: 0, fast processed: 0, slow path: 0
 fast lock acquisition failures: 0, slow path: 0
TCP Semaphore      0x7FA8A0AE7BA0  FREE

show ip eigrp interfaces

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)用に設定されたインターフェイスに関する情報を表示するには、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで show ip eigrp interfaces コマンドを使用します。

show ip eigrp [vrf vrf-name ] [autonomous-system-number] interfaces [type number] [detail]

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)指定された仮想ルーティング/転送(VRF)インスタンスに関する情報を表示します。

autonomous-system-number

(任意)出力をフィルタリングする必要がある自律システム番号。

type

(任意)インターフェイスタイプ。詳細については、疑問符(?)オンライン ヘルプ機能を使用します。

number

(任意)インターフェイスまたはサブインターフェイスの番号です。ネットワーキング デバイスに対する番号付け構文の詳細については、疑問符(?)のオンライン ヘルプ機能を使用してください。

detail

(任意)特定の EIGRP プロセスの EIGRP インターフェイスに関する詳細情報を表示します。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

アクティブな EIGRP インターフェイスと EIGRP 固有のインターフェイス設定と統計情報を表示するには、show ip eigrp interfaces コマンドを使用します。オプションの type number 引数と detail キーワードは任意の順序で入力できます。

インターフェイスが指定される場合、そのインターフェイスに関する情報だけが表示されます。それ以外は、EIGRP が動作しているすべてのインターフェイスに関する情報が表示さます。

自律システムが指定された場合、指定された自律システムについてのルーティング プロセスのみが表示されます。指定されない場合、すべての EIGRP プロセスが表示されます。

このコマンドは、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム コンフィギュレーションに関する情報を表示するために使用できます。

このコマンドは、 show eigrp address-family interfaces コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family interfaces コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp interfaces コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp interfaces

EIGRP-IPv4 Interfaces for AS(60)
                    Xmit Queue    Mean   Pacing Time   Multicast   Pending
Interface   Peers   Un/Reliable   SRTT   Un/Reliable   Flow Timer  Routes
Di0           0         0/0          0      11/434          0          0
Et0           1         0/0        337       0/10           0          0
SE0:1.16      1         0/0         10       1/63         103          0
Tu0           1         0/0        330       0/16           0          0

次の show ip eigrp interfaces detail コマンドの出力例は、アクティブなすべての EIGRP インターフェイスに関する詳細情報を表示します。


Device#show ip eigrp interfaces detail

EIGRP-IPv4 Interfaces for AS(1)
                        Xmit Queue   PeerQ        Mean   Pacing Time   Multicast   Pending 
Interface        Peers  Un/Reliable  Un/Reliable  SRTT   Un/Reliable   Flow Timer   Routes
Et0/0              1        0/0       0/0         525       0/2         3264           0
Hello-interval is 5, Hold-time is 15
  Split-horizon is enabled
  Next xmit serial <none>
  Packetized sent/expedited: 3/0
  Hello's sent/expedited: 6/2
  Un/reliable mcasts: 0/6  Un/reliable ucasts: 7/4
  Mcast exceptions: 1  CR packets: 1  ACKs suppressed: 0
  Retransmissions sent: 1  Out-of-sequence rcvd: 0
  Topology-ids on interface - 0 
  Authentication mode is not set

次の show ip eigrp interfaces detail コマンドの出力例は、no-ecmp-mode オプションとともに no ip next-hop self コマンドが設定されている特定のインターフェイスに関する詳細情報を表示します。


Device#show ip eigrp interfaces detail tunnel 0

EIGRP-IPv4 Interfaces for AS(1)
                        Xmit Queue   PeerQ        Mean   Pacing Time   Multicast   Pending 
Interface        Peers  Un/Reliable  Un/Reliable  SRTT   Un/Reliable   Flow Timer   Routes
Tu0/0              2        0/0       0/0         		2       0/0         50           0
Hello-interval is 5, Hold-time is 15
  Split-horizon is disabled
  Next xmit serial <none>
  Packetized sent/expedited: 24/3
  Hello's sent/expedited: 28083/9
  Un/reliable mcasts: 0/19  Un/reliable ucasts: 18/64
  Mcast exceptions: 5  CR packets: 5  ACKs suppressed: 0
  Retransmissions sent: 52  Out-of-sequence rcvd: 2
		Next-hop-self disabled, next-hop info forwarded, ECMP mode Enabled
  Topology-ids on interface - 0 
  Authentication mode is not set

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 30. show ip eigrp interfaces フィールドの説明

フィールド

説明

Interface

EIGRP が設定されるインターフェイス。

Peers

直接接続された EIGRP ネイバーの数。

PeerQ Un/Reliable

インターフェイス上の特定のピアに送信するためにキューに入れられた信頼性の低いパケットと信頼性の高いパケットの数。

Xmit Queue Un/Reliable

信頼性の低い送信キューおよび信頼性の高い送信キューに残っているパケットの数。

Mean SRTT

平均スムーズ ラウンドトリップ時間(SRTT)間隔(秒単位)。

Pacing Time Un/Reliable

インターフェイスから EIGRP パケット(信頼性の低いパケットおよび信頼性の高いパケット)を送信するタイミングを決定するために使用されるペーシング時間(秒単位)。

Multicast Flow Timer

デバイスがマルチキャスト EIGRP パケットを送信する最大秒数。

Pending Routes

送信キュー内で送信を待機しているルートの数。

Packetized sent/expedited

インターフェイス上のネイバーにパケットを送信するために準備された EIGRP ルートの数、および複数のルートが 1 つのパケットに格納された回数。

Hello’s sent/expedited

インターフェイス上で送信された EIGRP hello パケットの数と、迅速化されたパケットの数。

show ip eigrp neighbors

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)によって検出されたネイバーを表示するには、特権 EXEC モードで show ip eigrp neighbors コマンドを使用します。

show ip eigrp [vrf vrf-name ] [autonomous-system-number] neighbors [static | detail] [interface-type interface-number]

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)指定された VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスに関する情報を表示します。

autonomous-system-number

(任意)自律システム番号固有の出力が表示されます。

static

(任意)スタティック ネイバーを表示します。

detail

(任意)詳細なネイバー情報を表示します。

interface-type interface-number

(任意)インターフェイス固有の出力が表示されます。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

show ip eigrp neighbors コマンドは、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム コンフィギュレーションに関する情報を表示するために使用できます。動的および静的ネイバー状態を表示するには、show ip eigrp neighbors コマンドを使用します。このコマンドを使用して、特定のタイプのトランスポート問題をデバッグすることもできます。

このコマンドは、 show eigrp address-family neighbors コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family neighbors コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp neighbors コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp neighbors

H   Address                 Interface       Hold Uptime   SRTT   RTO  Q  Seq
                                            (sec)         (ms)       Cnt Num
0   10.1.1.2                 Et0/0             13 00:00:03 1996  5000  0  5
2   10.1.1.9                 Et0/0             14 00:02:24 206   5000  0  5
1   10.1.2.3                 Et0/1             11 00:20:39 2202  5000  0  5

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 31. show ip eigrp neighbors フィールドの説明

フィールド

説明

Address

EIGRP ピアの IP アドレス

Interface

ルータがピアから hello パケットを受信するインターフェイス

Hold

ピアのダウンを宣言する前に、EIGRP がピアからのヒアリングを待機する時間(秒)。

Uptime

ローカル ルータが最初にこのネイバーからヒアリングしてからの経過時間(時:分:秒)。

SRTT

スムーズ ラウンドトリップ時間。これは、EIGRP パケットがこのネイバーに送信される際に必要な時間およびローカル ルータがそのパケットの確認応答を受信する際にかかる時間(ミリ秒単位)の数字です。

RTO

Retransmission Timeout(再送信のタイムアウト)(ミリ秒)。これは、再送信キューからネイバーへパケットを再送信するまでソフトウェアが待機する時間です。

Q Cnt

ソフトウェアが送信を待機する EIGRP パケット(アップデート、クエリー、応答)の数。

Seq Num

このネイバーから受信した最新アップデート、クエリー、または応答パケットのシーケンス番号。

次に、show ip eigrp neighbors detail コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp neighbors detail

EIGRP-IPv4 VR(foo) Address-Family Neighbors for AS(1)
H   Address                 Interface       Hold Uptime   SRTT   RTO  Q  Seq
                                            (sec)         (ms)       Cnt Num
0   192.168.10.1                 Gi2/0             12 00:00:21 1600  5000  0  3
   Static neighbor (Lisp Encap)
			Version 8.0/2.0, Retrans: 0, Retries: 0, Prefixes: 1
   Topology-ids from peer - 0 

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 32. show ip eigrp neighbors detail フィールドの説明

フィールド

説明

H

このカラムは、指定されたネイバーとの間で確立されたピアリング セッションの順番を示します。順番は、0 から始まる連続した番号で指定されます。

Address

EIGRP ピアの IP アドレス

Interface

ルータがピアから hello パケットを受信するインターフェイス

Hold

ピアのダウンを宣言する前に、EIGRP がピアからのヒアリングを待機する時間(秒)。

Lisp Encap

このネイバーからのルートが LISP によってカプセル化されたことを示します。

Uptime

ローカル ルータが最初にこのネイバーからヒアリングしてからの経過時間(時:分:秒)。

SRTT

スムーズ ラウンドトリップ時間。これは、EIGRP パケットがこのネイバーに送信される際に必要な時間およびローカル ルータがそのパケットの確認応答を受信する際にかかる時間(ミリ秒単位)の数字です。

RTO

Retransmission Timeout(再送信のタイムアウト)(ミリ秒)。これは、再送信キューからネイバーへパケットを再送信するまでソフトウェアが待機する時間です。

Q Cnt

ソフトウェアが送信を待機する EIGRP パケット(アップデート、クエリー、応答)の数。

Seq Num

このネイバーから受信した最新アップデート、クエリー、または応答パケットのシーケンス番号。

Version

指定されたピアが実行中のソフトウェア バージョン。

Retrans

パケットを再送信した回数。

[Retries]

パケットの再送を試行した回数。

show ip eigrp topology

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)トポロジテーブルのエントリを表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip eigrp topology コマンドを使用します。

show ip eigrp topology [ network [ mask ] | prefix | active | all-links | detail-links | pending | secondary-paths | summary | zero-successors ]

構文の説明

network

(任意)ネットワーク アドレス。

mask

(任意)ネットワーク マスク。

prefix

(任意)<network>/<length> 形式のネットワークプレフィックス(例:192.168.0.0/16)。

active

(任意)アクティブ状態にあるすべてのトポロジ エントリを表示します。

all-links

(任意)(到達不能な後継ソースを含む)EIGRP トポロジテーブル内のすべてのエントリを表示します。

detail-links

(任意)追加詳細のあるすべてのトポロジエントリを表示します。

pending

(任意)ネイバーからの更新か、またはネイバーへの応答を待機している EIGRP トポロジテーブル内のすべてのエントリを表示します。

secondary-paths

(任意)トポロジのセカンダリパスを表示します。

summary

(任意)EIGRP トポロジ テーブルの要約を表示します。

zero-successors

(任意)サクセサがない利用可能なルートを表示します。

コマンド デフォルト

このコマンドがオプションのキーワードなしで使用される場合、フィージブル サクセサのあるトポロジ エントリだけが表示され、実行可能なパスだけが表示されます。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

show ip eigrp topology コマンドを使用して、トポロジエントリ、実行可能なパス、実行不可能なパス、メトリック、および状態を表示します。このコマンドは、引数またはキーワードなしで使用して、フィージブル サクセサと実行可能なパスを持つトポロジ エントリのみを表示することができます。all-links キーワードは、実行可能かどうかにかかわらずすべてのパスを表示し、detail-links キーワードはこれらのパスに関する追加の詳細を表示します。

EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム コンフィギュレーションに関する情報を表示するには、このコマンドを使用します。このコマンドは、 show eigrp address-family topology コマンドと同じ情報を表示します。show eigrp address-family topology コマンドを使用することを推奨します。

次に、show ip eigrp topology コマンドの出力例を示します。

Device# show ip eigrp topology

EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(1)/ID(10.0.0.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - Reply status, s - sia status
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 409600
        via 192.0.2.1 (409600/128256), Ethernet0/0
P 192.16.1.0/24, 1 successors, FD is 409600
        via 192.0.2.1 (409600/128256), Ethernet0/0
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 281600
        via Summary (281600/0), Null0
P 10.0.1.0/24, 1 successors, FD is 281600
        via Connected, Ethernet0/0

次に、show ip eigrp topology prefix コマンドの出力例を示します。このコマンドは単一のプレフィックスに関する詳細情報を表示します。表示されるプレフィックスは EIGRP 内部ルートです。

Device# show ip eigrp topology 10.0.0.0/8  
 
EIGRP-IPv4 VR(vr1) Topology Entry for AS(1)/ID(10.1.1.2) for 10.0.0.0/8
  State is Passive, Query origin flag is 1, 1 Successor(s), FD is 82329600, RIB is 643200
  Descriptor Blocks:
  10.1.1.1 (Ethernet2/0), from 10.1.1.1, Send flag is 0x0
      Composite metric is (82329600/163840), route is Internal
      Vector metric:
        Minimum bandwidth is 16000 Kbit
        Total delay is 631250000 picoseconds
        Reliability is 255/255
        Load is ½55
        Minimum MTU is 1500
        Hop count is 1
        Originating router is 10.1.1.1
								

次に、show ip eigrp topology prefix コマンドの出力例を示します。このコマンドは単一のプレフィックスに関する詳細情報を表示します。表示されるプレフィックスは EIGRP 外部ルートです。

Device# show ip eigrp topology 192.16.1.0/24

EIGRP-IPv4 Topology Entry for AS(1)/ID(10.0.0.1) for 192.16.1.0/24
State is Passive, Query origin flag is 1, 1 Successor(s), FD is 409600, RIB is 643200
  Descriptor Blocks:
  172.16.1.0/24 (Ethernet0/0), from 10.0.1.2, Send flag is 0x0
      Composite metric is (409600/128256), route is External
      Vector metric:
        Minimum bandwidth is 10000 Kbit
        Total delay is 6000 picoseconds
        Reliability is 255/255
        Load is ½55
        Minimum MTU is 1500
        Hop count is 1
        Originating router is 192.16.1.0/24
								External data:
        AS number of route is 0
        External protocol is Connected, external metric is 0
        Administrator tag is 0 (0x00000000)

次に、show ip eigrp topology prefix コマンドの出力例を示します。このコマンドは EIGRP トポロジで no-ecmp-mode キーワードを指定しないで no ip next-hop-self コマンドを設定した場合の等コストマルチパス(ECMP)モード情報を表示します。ECMP モードは、アドバタイズされているパスに関する情報を提供します。複数のサクセサが存在する場合、一番上のパスがすべてのインターフェイス上でのデフォルトパスとしてアドバタイズされ、出力に [ECMP Mode: Advertise by default] と表示されます。デフォルト以外のパスがアドバタイズされる場合は、[ECMP Mode: Advertise out <Interface name>] と表示されます。

トポロジ テーブルには、特定のプレフィックスのルート エントリが表示されます。ルートは、メトリック、ネクストホップ、およびインフォソースに基づいてソートされます。Dynamic Multipoint VPN(DMVPN)シナリオでは、同じメトリックとネクストホップを持つルートがインフォソースに基づいてソートされます。ECMP のトップ ルートは常にアドバタイズされます。

Device# show ip eigrp topology 192.168.10.0/24

EIGRP-IPv4 Topology Entry for AS(1)/ID(10.10.100.100) for 192.168.10.0/24
State is Passive, Query origin flag is 1, 2 Successor(s), FD is 284160
  Descriptor Blocks:
  10.100.1.0 (Tunnel0), from 10.100.0.1, Send flag is 0x0
      Composite metric is (284160/281600), route is Internal
      Vector metric:
        Minimum bandwidth is 10000 Kbit
        Total delay is 1100 microseconds
        Reliability is 255/255
        Load is ½55
        Minimum MTU is 1400
        Hop count is 1
        Originating router is 10.10.1.1
								ECMP Mode: Advertise by default
        10.100.0.2 (Tunnel1), from 10.100.0.2, Send flag is 0X0
								Composite metric is (284160/281600), route is Internal
								Vector metric:
								Minimum bandwidth is 10000 Kbit
								Total delay is 1100 microseconds
								Reliability is 255/255
								Load is ½55
								Minimum MTU is 1400
								Hop count is 1
								Originating router is 10.10.2.2
								ECMP Mode: Advertise out Tunnel1

次に、show ip eigrp topology all-links コマンドの出力例を示します。実行可能でないものを含めて、すべてのパスが表示されます。

Device# show ip eigrp topology all-links

EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(1)/ID(10.0.0.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 
P 172.16.1.0/24, 1 successors, FD is 409600, serno 14
        via 10.10.1.2 (409600/128256), Ethernet0/0
        via 10.1.4.3 (2586111744/2585599744), Serial3/0, serno 18

次に、show ip eigrp topology detail-links コマンドの出力例を示します。ルートに関する追加の詳細情報が表示されます。

Device# show ip eigrp topology detail-links 

EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(1)/ID(10.0.0.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 409600, serno 6
        via 10.10.1.2 (409600/128256), Ethernet0/0
P 172.16.1.0/24, 1 successors, FD is 409600, serno 14
        via 10.10.1.2 (409600/128256), Ethernet0/0
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 281600, serno 3
        via Summary (281600/0), Null0
P 10.1.1.0/24, 1 successors, FD is 281600, serno 1
        via Connected, Ethernet0/0

次の表では、上記の例に示されている重要なフィールドについて説明します。

表 33. show ip eigrp topology フィールドの説明

フィールド

Description

Codes

このトポロジ テーブル エントリの状態。Passive および Active は、宛先に関する EIGRP 状態を参照します。Update、Query、および Reply は、送信されているパケットのタイプを参照します。

  • P - Passive:このルートに対して EIGRP 計算が実行されていないことを示します。

  • A - Active:このルートに対して EIGRP 計算が実行されていることを示します。

  • U - Update:このルートに対して保留アップデートパケットが送信を待機していることを示します。

  • Q - Query:このルートに対して保留クエリーパケットが送信を待機していることを示します。

  • R - Reply:このルートに対して保留応答パケットが送信を待機していることを示します。

  • r - Reply status:EIGRP がこのルートに対してクエリーを送信し、指定されたパスからの応答を待機しています。

  • s - sia status:EIGRP クエリーパケットが stuck-in-active(SIA)ステータスであることを示します。

successors

サクセサの数。この数値は、IP ルーティング テーブル内のネクストホップの数に対応します。successors が大文字で表示される場合、ルートまたはネクストホップは遷移状態です。

serno

シリアル番号。

FD

フィジブル ディスタンス。これは、接続先に到達するための最適なメトリックか、またはルートがアクティブになったときに認識された最適なメトリックです。この値はフィジビリティ条件チェックに使用されます。レポートされたデバイスのディスタンスがフィージブル ディスタンス未満の場合、フィージビリティ コンディションが満たされて、そのルートはフィージブル サクセサになります。ソフトウェアは、パスをフィージブル サクセサだと判断した後は、その宛先にクエリーを送信する必要はありません。

via

パッシブ ルートをアドバタイズするネクストホップ アドレス。

show ip eigrp traffic

送受信した Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)パケット数を表示するには、特権 EXEC モードで show ip eigrp traffic コマンドを使用します。

show ip eigrp [vrf {vrf-name | *}] [autonomous-system-number] traffic

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)指定された VRF に関する情報を表示します。

vrf *

(任意)すべての VRF に関する情報を表示します。

autonomous-system-number

(任意)自律システム番号。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム(AS)コンフィギュレーションに関する情報を表示するために使用できます。

このコマンドは、 show eigrp address-family traffic コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family traffic コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp traffic コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp traffic
EIGRP-IPv4 Traffic Statistics for AS(60)
Hellos sent/received: 21429/2809
Updates sent/received: 22/17
Queries sent/received: 0/0
Replies sent/received: 0/0
Acks sent/received: 16/13
SIA-Queries sent/received: 0/0
SIA-Replies sent/received: 0/0
Hello Process ID: 204
PDM Process ID: 203
Socket Queue: 0/2000/2/0 (current/max/highest/drops)
Input Queue: 0/2000/2/0 (current/max/highest/drops)

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 34. show ip eigrp traffic フィールドの説明

フィールド

説明

Hellos sent/received

送受信された hello パケットの数

Updates sent/received

送受信されたアップデート パケットの数

Queries sent/received

送受信されたクエリー パケットの数

Replies sent/received

送受信された応答パケットの数

Acks sent/received

送受信される確認応答パケットの数

SIA-Queries sent/received

送受信される Stuck in Active クエリー パケット数

SIA-Replies sent/received

送受信される Stuck in Active 応答パケットのスタック数

Hello Process ID

hello プロセス ID

PDM Process ID

プロトコル依存モジュール IOS プロセス ID

Socket Queue

IP から EIGRP hello プロセスへのソケット キュー カウンタ

Input queue

EIGRP hello プロセスから EIGRP PDM へのソケット キュー カウンタ

show ip ospf

Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングプロセスに関する一般情報を表示するには、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで showipospf コマンドを使用します。

show ip ospf [process-id]

構文の説明

process-id

(任意)プロセス ID。この引数を指定すると、指定されたルーティング プロセスの情報だけが追加されます。

コマンド モード

ユーザ EXEC、特権 EXEC

コマンド履歴

メインライン リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次に、特定の OSPF プロセス ID を指定しないで入力されたときの、showipospf コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf
 
  Routing Process "ospf 201" with ID 10.0.0.1 and Domain ID 10.20.0.1 
  Supports only single TOS(TOS0) routes 
  Supports opaque LSA 
  SPF schedule delay 5 secs, Hold time between two SPFs 10 secs 
  Minimum LSA interval 5 secs. Minimum LSA arrival 1 secs 
  LSA group pacing timer 100 secs 
  Interface flood pacing timer 55 msecs 
  Retransmission pacing timer 100 msecs 
  Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0      
  Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0      
  Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0 
  Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0 
  Number of areas in this router is 2. 2 normal 0 stub 0 nssa 
  External flood list length 0 
     Area BACKBONE(0) 
         Number of interfaces in this area is 2 
         Area has message digest authentication 
         SPF algorithm executed 4 times 
         Area ranges are 
         Number of LSA 4. Checksum Sum 0x29BEB  
         Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0      
         Number of DCbitless LSA 3 
         Number of indication LSA 0 
         Number of DoNotAge LSA 0 
         Flood list length 0 
     Area 172.16.26.0 
         Number of interfaces in this area is 0 
         Area has no authentication 
         SPF algorithm executed 1 times 
         Area ranges are 
            192.168.0.0/16 Passive Advertise  
         Number of LSA 1. Checksum Sum 0x44FD   
         Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0      
         Number of DCbitless LSA 1 
         Number of indication LSA 1 
         Number of DoNotAge LSA 0 
         Flood list length 0

次に、BFD 機能が OSPF プロセス 123 でイネーブルされているかどうか確認する showipospf コマンドの出力例を示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。


Device#show ip ospf
 
 Routing Process "ospf 123" with ID 172.16.10.1
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Minimum LSA interval 5 secs
 Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x000000
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x000000
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0
   BFD is enabled
    Area BACKBONE(0)
        Number of interfaces in this area is 2
        Area has no authentication
        SPF algorithm last executed 00:00:03.708 ago
        SPF algorithm executed 27 times
        Area ranges are
        Number of LSA 3. Checksum Sum 0x00AEF1
        Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x000000
        Number of DCbitless LSA 0
        Number of indication LSA 0
        Number of DoNotAge LSA 0
        Flood list length 0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 35. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Routing process “ospf 201” with ID 10.0.0.1

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports...

サポートされるサービス タイプの数(タイプ 0 のみ)

SPF schedule delay

SPF 計算の遅延時間(秒単位)。

Minimum LSA interval

リンクステート アドバタイズメント間の最小間隔(秒単位)。

LSA group pacing timer

設定されている LSA グループ ペーシング タイマー(秒単位)。

Interface flood pacing timer

設定されている LSA フラッド ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Retransmission pacing timer

設定されている LSA 再送信ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Number of external LSA

外部リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of opaque AS LSA

不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DCbitless external and opaque AS LSA

デマンド回線外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DoNotAge external and opaque AS LSA

do not age 外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of areas in this router is

ルータに設定されているエリアの数。

External flood list length

外部フラッド リストの長さ。

BFD is enabled

BFD が OSPF プロセスでイネーブルにされています。

次に、Type-5 LSA 機能の OSPF Forwarding Address Suppression が設定されている場合の showipospf コマンドの出力からの抜粋を示します。


Device#show ip ospf
.
.
.
Area 2
   Number of interfaces in this area is 4
   It is a NSSA area
   Perform type-7/type-5 LSA translation, suppress forwarding address
.
.
.
Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.1
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Minimum LSA interval 5 secs
 Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 0. 0 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 36. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Area

OSPF エリアおよびタグ。

Number of interfaces...

エリアで設定されているインターフェイスの数。

It is...

指定できるタイプは、内部、エリア境界、または自律システム境界です。

Routing process “ospf 1” with ID 192.168.0.1

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports...

サポートされるサービス タイプの数(タイプ 0 のみ)

Initial SPF schedule delay

起動時の SPF 計算の遅延時間。

Minimum hold time

連続する SPF 計算間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。

Maximum wait time

連続する SPF 計算間の最大ホールド時間(ミリ秒単位)。

Incremental-SPF

増分 SPF 計算のステータス。

Minimum LSA...

リンクステート アドバタイズメント間の最小間隔(秒単位)、およびリンクステート アドバタイズメント間の最小到着時間(ミリ秒単位)。

LSA group pacing timer

設定されている LSA グループ ペーシング タイマー(秒単位)。

Interface flood pacing timer

設定されている LSA フラッド ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Retransmission pacing timer

設定されている LSA 再送信ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Number of...

受信した LSA の数およびタイプ

Number of external LSA

外部リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of opaque AS LSA

不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DCbitless external and opaque AS LSA

デマンド回線外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DoNotAge external and opaque AS LSA

do not age 外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of areas in this router is

タイプ別にリストされたルータに設定されているエリアの数。

External flood list length

外部フラッド リストの長さ。

次に、showipospf コマンドの出力例を示します。この例では、ユーザが、redistributionmaximum-prefix コマンドを使用して再配布ルートの制限を 2000 に設定しています。SPF スロットリングは timersthrottlespf コマンドを使用して設定されました。


Device#show ip ospf 1
 Routing Process "ospf 1" with ID 10.0.0.1
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 It is an autonomous system boundary router
 Redistributing External Routes from,
    static, includes subnets in redistribution
    Maximum limit of redistributed prefixes 2000
    Threshold for warning message 75%
Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 37. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Routing process “ospf 1” with ID 10.0.0.1

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports ...

サポートされているサービスのタイプの数。

It is ...

指定できるタイプは、内部、エリア境界、または自律システム境界ルータです。

Redistributing External Routes from

再配布されたルートのプロトコル別リスト。

Maximum limit of redistributed prefixes

再配布ルートの数の制限を指定するために redistributionmaximum-prefix コマンドに設定されている値。

Threshold for warning message

redistributionmaximum-prefix コマンドで設定された、警告メッセージを表示するために必要な再配布ルートのしきい値の割合。デフォルトは、最大値の 75% です。

Initial SPF schedule delay

SPF スロットリングの初期 SPF スケジュールまでの遅延(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Minimum hold time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Maximum wait time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最大ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Number of areas

ルータのエリアの数、エリアアドレスなど。

次に、showipospf コマンドの出力例を示します。この例では、ユーザが、LSA スロットリングを設定しています。これらの出力行は太字で示されます。


Device#show ip ospf 1
Routing Process "ospf 4" with ID 10.10.24.4
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Initial LSA throttle delay 100 msecs
 Minimum hold time for LSA throttle 10000 msecs
 
Maximum wait time for LSA throttle 45000 msecs
Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0
    Area 24
        Number of interfaces in this area is 2
        Area has no authentication
        SPF algorithm last executed 04:28:18.396 ago
        SPF algorithm executed 8 times
        Area ranges are
        Number of LSA 4. Checksum Sum 0x23EB9 
        Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0     
        Number of DCbitless LSA 0
        Number of indication LSA 0
        Number of DoNotAge LSA 0
        Flood list length 0

次に、showipospf コマンドの例を示します。この例では、ユーザが、redistributionmaximum-prefix コマンドを使用して再配布ルートの制限を 2000 に設定しています。SPF スロットリングは timersthrottlespf コマンドを使用して設定されました。


Device#show ip ospf 1
 Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.0
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 It is an autonomous system boundary router
 Redistributing External Routes from,
    static, includes subnets in redistribution
    Maximum limit of redistributed prefixes 2000
    Threshold for warning message 75%
Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 38. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Routing process “ospf 1” with ID 192.168.0.0

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports ...

サポートされている TOS の数。

It is ...

指定できるタイプは、内部、エリア ボーダーまたは自律システム境界ルータです。

Redistributing External Routes from

再配布されたルートのプロトコル別リスト。

Maximum limit of redistributed prefixes

再配布ルートの数の制限を指定するために redistributionmaximum-prefix コマンドに設定されている値。

Threshold for warning message

redistributionmaximum-prefix コマンドで設定された、警告メッセージを表示するために必要な再配布ルートのしきい値の割合。デフォルトは、最大値の 75% です。

Initial SPF schedule delay

SPF スロットリングの初期 SPF スケジュールまでの遅延(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Minimum hold time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Maximum wait time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最大ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Number of areas

ルータのエリアの数、エリアアドレスなど。

次に、showipospf コマンドの出力例を示します。この例では、ユーザが、LSA スロットリングを設定しています。これらの出力行は太字で示されます。


Device#show ip ospf 1
Routing Process "ospf 4" with ID 10.10.24.4
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Initial LSA throttle delay 100 msecs
 Minimum hold time for LSA throttle 10000 msecs
 Maximum wait time for LSA throttle 45000 msecs
Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0
    Area 24
        Number of interfaces in this area is 2
        Area has no authentication
        SPF algorithm last executed 04:28:18.396 ago
        SPF algorithm executed 8 times
        Area ranges are
        Number of LSA 4. Checksum Sum 0x23EB9 
        Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0     
        Number of DCbitless LSA 0
        Number of indication LSA 0
        Number of DoNotAge LSA 0
        Flood list length 0

show ip ospf border-routers

エリア境界ルータ(ABR)および自律システム境界ルータ(ASBR)に対する内部 Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング テーブル エントリを表示するには、特権 EXEC モードで showipospfborder-routers コマンドを使用します。

show ip ospf border-routers

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド モード

特権 EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次に、showipospfborder-routers コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf border-routers
OSPF Process 109 internal Routing Table
Codes:  i - Intra-area route, I - Inter-area route
i 192.168.97.53   [10] via 172.16.1.53,   Serial0, ABR,  Area 0.0.0.3, SPF 3
i 192.168.103.51  [10] via 192.168.96.51, Serial0, ABR,  Area 0.0.0.3, SPF 3
I 192.168.103.52  [22] via 192.168.96.51, Serial0, ASBR, Area 0.0.0.3, SPF 3
I 192.168.103.52  [22] via 172.16.1.53,   Serial0, ASBR, Area 0.0.0.3, SPF 3

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 39. show ip ospf border-routers フィールドの説明

フィールド

説明

192.168.97.53

宛先のルータ ID

[10]

このルートを使用するコスト

via 172.16.1.53

宛先に対するネクスト ホップ

Serial0

発信インターフェイスのインターフェイス タイプ

ABR

宛先のルータ タイプ。ABR、ASBR またはこれら両方のいずれかです。

Area

このルートが学習されるエリアのエリア ID。

SPF 3

このルートをインストールする Shortest Path First(SPF)計算の内部番号。

show ip ospf database

特定のルータの Open Shortest Path First(OSPF)データベースに関連する情報リストを表示するには、EXEC モードで show ipospfdatabase コマンドを使用します。

show ip ospf [process-id area-id] database

show ip ospf [process-id area-id] database [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [asbr-summary] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [asbr-summary] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [asbr-summary] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [database-summary]

show ip ospf [process-id] database [external] [link-state-id]

show ip ospf [process-id] database [external] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [external] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [network] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [network] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [network] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [nssa-external] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [nssa-external] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [nssa-external] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [router] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [router] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [router] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [summary] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [summary] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [summary] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

構文の説明

process-id

(任意)内部 ID。ローカルで割り当てられ、任意の正の整数を使用できます。ここで使用される数は、OSPF ルーティングプロセスをイネーブルにするときに管理目的で割り当てられた数です。

area-id

(任意)特定のエリアを定義するために使用する network ルータ コンフィギュレーション コマンドで定義された OSPF アドレス範囲に関連付けられるエリア番号。

adv-router [ip-address

(任意)指定ルータのすべての LSA を表示します。IP アドレスを指定しない場合、ローカルルータ自体の情報が表示されます(これは self-originate の場合と同じです)。

link-state-id

(任意)アドバタイズメントによって説明されるインターネット環境の部分。入力値は、アドバタイズメントの LS タイプにより異なります。IP アドレス形式で入力する必要があります。

リンクステート アドバタイズメントがネットワークを示す場合、link-state-id では、次のいずれかの形式を使用できます。

ネットワークの IP アドレス(タイプ 3 サマリー リンク アドバタイズメントおよび自律システム外部リンク アドバタイズメントなどの場合)。

リンク ステート ID から取得された派生アドレス(ネットワークのサブネット マスクを使用してネットワーク リンク アドバタイズメントのリンク ステート ID をマスクすることによって、ネットワークの IP アドレスが生成されることに注意してください)。

リンク ステート アドバタイズメントにルータの説明が記載されている場合は、必ず、リンク ステート ID が、記載されたルータの OSPF ルータ ID になります。

自律システム外部アドバタイズメント(LS タイプ = 5)がデフォルトのルートを説明する場合、そのリンク ステート ID はデフォルトの宛先(0.0.0.0)に設定されます。

asbr-summary

(任意)自律システム境界ルータ サマリー LSA 限定の情報を表示します。

database-summary

(任意)データベースの各エリアの各 LSA タイプの数および合計を表示します。

external

(任意)外部 LSA の情報だけを表示します。

network

(任意)ネットワーク LSA の情報だけを表示します。

nssa-external

(任意)NSSA 外部 LSA の情報だけを表示します。

router

(任意)ルータ LSA の情報だけを表示します。

self-originate

(任意)自己生成 LSA(ローカル ルータから)だけ表示します。

summary

(任意)サマリー LSA の情報だけを表示します。

コマンド モード

EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、さまざまな形式で、異なる OSPF リンクステート アドバタイズメントに関する情報を提供します。

次に、引数やキーワードが使用されていないときの showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                 Displaying Router Link States(Area 0.0.0.0)
  Link ID       ADV Router    Age        Seq#    Checksum  Link count
172.16.21.6   172.16.21.6    1731    0x80002CFB    0x69BC       8
172.16.21.5   172.16.21.5    1112    0x800009D2    0xA2B8       5
172.16.1.2    172.16.1.2     1662    0x80000A98    0x4CB6       9
172.16.1.1    172.16.1.1     1115    0x800009B6    0x5F2C       1
172.16.1.5    172.16.1.5     1691    0x80002BC     0x2A1A       5
172.16.65.6   172.16.65.6    1395    0x80001947    0xEEE1       4
172.16.241.5  172.16.241.5   1161    0x8000007C    0x7C70       1
172.16.27.6   172.16.27.6    1723    0x80000548    0x8641       4
172.16.70.6   172.16.70.6    1485    0x80000B97    0xEB84       6
                Displaying Net Link States(Area 0.0.0.0)
  Link ID       ADV Router      Age        Seq#       Checksum
172.16.1.3  192.168.239.66     1245    0x800000EC      0x82E
                Displaying Summary Net Link States(Area 0.0.0.0)
  Link ID       ADV Router       Age        Seq#       Checksum
172.16.240.0   172.16.241.5    1152      0x80000077      0x7A05
172.16.241.0   172.16.241.5    1152      0x80000070      0xAEB7
172.16.244.0   172.16.241.5    1152      0x80000071      0x95CB

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 40. show ip ospf Database フィールドの説明

フィールド

説明

Link ID

ルータ ID 番号

ADV Router

アドバタイズ ルータの ID。

Age

リンク ステート経過時間

Seq#

リンク ステート シーケンス番号(以前の、または重複した LSA を検出します)

Checksum

リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム

Link count

ルータで検出されたインターフェイスの数

次に、asbr-summary キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database asbr-summary
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                Displaying Summary ASB Link States(Area 0.0.0.0)
	LS age: 1463
	Options: (No TOS-capability)
	LS Type: Summary Links(AS Boundary Router)
	Link State ID: 172.16.245.1 (AS Boundary Router address)
	Advertising Router: 172.16.241.5
	LS Seq Number: 80000072
	Checksum: 0x3548
	Length: 28
	Network Mask: 0.0.0.0 TOS: 0  Metric: 1

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 41. show ip ospf database asbr-summary フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンク ステート ID(自律システム境界ルータ)

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

TOS

サービスのタイプ。

Metric

リンク ステート メトリック

次に、external キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database external
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Autonomous system 300)
                   Displaying AS External Link States
LS age: 280
Options: (No TOS-capability)
LS Type: AS External Link
Link State ID: 10.105.0.0 (External Network Number)
Advertising Router: 172.16.70.6
LS Seq Number: 80000AFD
Checksum: 0xC3A
Length: 36
Network Mask: 255.255.0.0
     		Metric Type: 2 (Larger than any link state path)
     		TOS: 0
     		Metric: 1
     		Forward Address: 0.0.0.0
     		External Route Tag: 0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 42. show ip ospf database external フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Autonomous system

OSPF 自律システム番号(OSPF プロセス ID)

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンク ステート ID(外部ネットワーク番号)。

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス番号(以前の、または重複した LSA を検出します)

Checksum

LS のチェックサム(LSA の詳細な内容の Fletcher チェックサム)。

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

Metric Type

外部タイプ。

TOS

サービスのタイプ。

Metric

リンク ステート メトリック

Forward Address

転送アドレス。アドバタイズされた宛先へのデータ トラフィックは、このアドレスに転送されます。転送アドレスが 0.0.0.0 に設定されている場合は、代わりに、データ トラフィックがアドバタイズメントの送信元に転送されます。

External Route Tag

外部ルート タグ、各外部ルートに関連付けられる 32 ビット フィールド。これは、OSPF プロトコル自体では使用されません。

次に、network キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database network
 OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                Displaying Net Link States(Area 0.0.0.0)
LS age: 1367
Options: (No TOS-capability)
LS Type: Network Links
Link State ID: 172.16.1.3 (address of Designated Router)
Advertising Router: 192.168.239.66
LS Seq Number: 800000E7
Checksum: 0x1229
Length: 52
Network Mask: 255.255.255.0
        Attached Router: 192.168.239.66
        Attached Router: 172.16.241.5
        Attached Router: 172.16.1.1
        Attached Router: 172.16.54.5
        Attached Router: 172.16.1.5

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 43. show ip ospf database network フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID 300

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type:

リンク ステート タイプ

Link State ID

指定ルータのリンクステート ID

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

AS Boundary Router

ルータ タイプの定義

Attached Router

ネットワークに関連付けられるルータの IP アドレス別リスト

次に、router キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database router
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
Displaying Router Link States(Area 0.0.0.0)
LS age: 1176
Options: (No TOS-capability)
LS Type: Router Links
Link State ID: 172.16.21.6
Advertising Router: 172.16.21.6
LS Seq Number: 80002CF6
Checksum: 0x73B7
Length: 120
AS Boundary Router
155   Number of Links: 8
Link connected to: another Router (point-to-point)
(link ID) Neighboring Router ID: 172.16.21.5
(Link Data) Router Interface address: 172.16.21.6
Number of TOS metrics: 0
TOS 0 Metrics: 2

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 44. show ip ospf database router フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンクステート ID

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

AS Boundary Router

ルータ タイプの定義

Number of Links

アクティブ リンクの数

link ID

リンク タイプ

Link Data

ルータ インターフェイス アドレス

TOS

タイプ オブ サービス メトリック(タイプ 0 限定)

次に、summary キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database summary
       OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                Displaying Summary Net Link States(Area 0.0.0.0)
LS age: 1401
Options: (No TOS-capability)
LS Type: Summary Links(Network)
Link State ID: 172.16.240.0 (summary Network Number)
Advertising Router: 172.16.241.5
LS Seq Number: 80000072
Checksum: 0x84FF
Length: 28
Network Mask: 255.255.255.0   TOS: 0  Metric: 1

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 45. show ip ospf database summary フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンク ステート ID(サマリー ネットワーク番号)。

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

TOS

サービスのタイプ。

Metric

リンク ステート メトリック

次に、database-summary キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database database-summary
OSPF Router with ID (10.0.0.1) (Process ID 1)
Area 0 database summary
  LSA Type      Count    Delete   Maxage
  Router        3        0        0
  Network       0        0        0
  Summary Net   0        0        0
  Summary ASBR  0        0        0
  Type-7 Ext    0        0        0
    Self-originated Type-7  0
Opaque Link     0        0        0
  Opaque Area   0        0        0
  Subtotal      3        0        0
Process 1 database summary
  LSA Type      Count    Delete   Maxage
  Router        3        0        0
  Network       0        0        0
  Summary Net   0        0        0
  Summary ASBR  0        0        0
  Type-7 Ext    0        0        0
  Opaque Link   0        0        0
  Opaque Area   0        0        0
  Type-5 Ext    0        0        0
      Self-originated Type-5  200
Opaque AS       0        0        0
  Total       203        0        0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 46. show ip ospf database database-summary フィールドの説明

フィールド

説明

Area 0 database summary

エリア番号

Count

最初のカラムで特定されたタイプの LSA の数

Router

エリアのルータ LSA の数

Network

エリアのネットワーク LSA の数

Summary Net

エリアの要約 LSA の数

Summary ASBR

エリアの要約自律システム境界ルータ(ASBR)リンクステート アドバタイズメントの数

Type-7 Ext

タイプ 7 LSA の数

Self-originated Type-7

自動送信タイプ 7 LSA

Opaque Link

タイプ 9 LSA の数

Opaque Area

タイプ 10 LSA カウント

Subtotal

エリアの LSA の合計

Delete

エリア内で「Deleted」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

Maxage

エリア内で「Maxaged」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

Process 1 database summary

プロセスのデータベース サマリー

Count

最初のカラムで特定されたタイプの LSA の数

Router

プロセスのルータ LSA の数

Network

プロセスのネットワーク LSA の数

Summary Net

プロセスのサマリー LSA の数

Summary ASBR

プロセスの要約自律システム境界ルータ(ASBR)リンクステート アドバタイズメントの数

Type-7 Ext

タイプ 7 LSA の数

Opaque Link

タイプ 9 LSA の数

Opaque Area

タイプ 10 LSA の数

Type-5 Ext

タイプ 5 LSA の数

Self-Originated Type-5

自動送信タイプ 5 LSA の数

Opaque AS

タイプ 11 LSA の数

Total

プロセスの LSA の合計

Delete

プロセス内で「Deleted」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

Maxage

プロセス内で「Maxaged」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

show ip ospf interface

Open Shortest Path First(OSPF)に関連するインターフェイス情報を表示するには、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで show ip ospf interface コマンドを使用します。

show ip [ospf] [process-id] interface [type number] [brief] [multicast] [topology {topology-name | base}]

構文の説明

process-id

(任意)プロセス ID 番号。この引数を指定すると、指定されたルーティング プロセスの情報だけが追加されます。指定できる範囲は 1 ~ 65535 です。

type

(任意)インターフェイスタイプ。引数 type を指定すると、指定されたインターフェイス タイプの情報だけが追加されます。

number

(任意)インターフェイス番号。引数 number を指定すると、指定されたインターフェイス番号の情報だけが追加されます。

brief

(任意)OSPF インターフェイス、状態、アドレスとマスク、およびデバイスのエリアに関する簡単な概要情報を表示します。

multicast

(任意)マルチキャスト情報を表示します。

topology topology-name

(任意)ネームド トポロジ インスタンスに関する OSPF 関連情報を表示します。

topology base

(任意)基本トポロジに関する OSPF 関連情報を表示します。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次に、イーサネット インターフェイス 0/0 が指定されている場合の show ip ospf interface コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf interface ethernet 0/0

Ethernet0/0 is up, line protocol is up
  Internet Address 192.168.254.202/24, Area 0
  Process ID 1, Router ID 192.168.99.1, Network Type BROADCAST, Cost: 10
  Topology-MTID    Cost    Disabled    Shutdown      Topology Name
        0           10        no          no            Base
  Transmit Delay is 1 sec, State DR, Priority 1
  Designated Router (ID) 192.168.99.1, Interface address 192.168.254.202
  Backup Designated router (ID) 192.168.254.10, Interface address 192.168.254.10
  Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
    oob-resync timeout 40
    Hello due in 00:00:05
  Supports Link-local Signaling (LLS)
  Cisco NSF helper support enabled
  IETF NSF helper support enabled
  Index 1/1, flood queue length 0
  Next 0x0(0)/0x0(0)
  Last flood scan length is 1, maximum is 1
  Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
  Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1 
    Adjacent with neighbor 192.168.254.10  (Backup Designated Router)
  Suppress hello for 0 neighbor(s)

Cisco IOS リリース 12.2(33)SRB では、次の show ip ospf interface brief topology VOICE コマンドの出力例には、Multitopology Routing(MTR)VOICE トポロジがインターフェイス コンフィギュレーションで設定されていることなどの、情報の概要が示されます。


Device#show ip ospf interface brief topology VOICE

VOICE Topology (MTID 10)
Interface    PID   Area            IP Address/Mask    Cost  State Nbrs F/C
Lo0          1     0               10.0.0.2/32        1     LOOP  0/0
Se2/0        1     0               10.1.0.2/30        10    P2P   1/1

次の show ip ospf interface brief topology VOICE コマンドの出力例では、インターフェイスに対する MTR VOICE トポロジの詳細が示されています。キーワード brief を指定せずにこのコマンドを入力すると、詳細が表示されます。


Device#show ip ospf interface topology VOICE

                 VOICE Topology (MTID 10)
Loopback0 is up, line protocol is up
   Internet Address 10.0.0.2/32, Area 0
   Process ID 1, Router ID 10.0.0.2, Network Type LOOPBACK
   Topology-MTID    Cost    Disabled    Shutdown      Topology Name
         10          1         no          no            VOICE
   Loopback interface is treated as a stub Host Serial2/0 is up, line protocol is up
   Internet Address 10.1.0.2/30, Area 0
   Process ID 1, Router ID 10.0.0.2, Network Type POINT_TO_POINT
   Topology-MTID    Cost    Disabled    Shutdown      Topology Name
         10          10        no          no            VOICE
   Transmit Delay is 1 sec, State POINT_TO_POINT
   Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
     oob-resync timeout 40
     Hello due in 00:00:03
   Supports Link-local Signaling (LLS)
   Cisco NSF helper support enabled
   IETF NSF helper support enabled
   Index 1/1, flood queue length 0
   Next 0x0(0)/0x0(0)
   Last flood scan length is 1, maximum is 1
   Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
   Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1
     Adjacent with neighbor 10.0.0.1
   Suppress hello for 0 neighbor(s)

Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、次の show ip ospf interface コマンドの出力例は、設定された存続可能時間(TTL)の制限に関する詳細を表示します。

Device#show ip ospf interface ethernet 0
.
.
.
Strict TTL checking enabled
! or a message similar to the following is displayed
Strict TTL checking enabled, up to 4 hops allowed
.
.
.

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 47. show ip ospf interface フィールドの説明

フィールド

説明

Ethernet

物理リンクのステータス、およびプロトコルの動作ステータス。

Process ID

OSPF プロセス ID

Area

OSPF エリア。

Cost

インターフェイスに割り当てられる管理コスト。

State

インターフェイスの動作状態。

Nbrs F/C

OSPF ネイバー カウント。

Internet Address

インターフェイス IP アドレス、サブネットマスク、およびエリアアドレス。

Topology-MTID

MTR トポロジの Multitopology Identifier(MTID)。ピアに送信する情報が関連付けられるトポロジをプロトコルが識別できるように割り当てられている番号。

Transmit Delay

転送遅延(秒単位)、インターフェイス ステート、およびデバイス プライオリティ。

Designated Router

指定ルータ ID および各インターフェイス IP アドレス。

Backup Designated router

バックアップ指定ルータ ID および各インターフェイス IP アドレス。

Timer intervals configured

タイマーインターバルの設定。

Hello

次の hello パケットがこのインターフェイスから送信されるまでの時間(秒単位)。

Strict TTL checking enabled

使用できるホップは 1 つだけです。

Strict TTL checking enabled, up to 4 hops allowed

一定のホップ カウントが明示的に設定されています。

Neighbor Count

ネットワーク ネイバーの数、および隣接ネイバーのリスト。

show ip ospf neighbor

Open Shortest Path First(OSPF)ネイバー情報をインターフェイス単位で表示するには、特権 EXEC モードで showipospfneighbor コマンドを使用します。

show ip ospf neighbor [interface-type interface-number] [neighbor-id] [detail] [ summary [ per-instance] ]

構文の説明

interface-type interface-number

(任意)特定の OSPF インターフェイスに関連付けられるタイプおよび番号。

neighbor-id

(任意)ネイバー ホスト名または A.B.C.D 形式の IP アドレス。

detail

(任意)指定されたすべてのネイバーの詳細を表示します(すべてのネイバーをリストします)。

summary

(任意)すべてのネイバーの総数サマリーを表示します。

per-instance

(任意)各ネイバー状態のネイバーの総数を表示します。設定された OSPF インスタンスごとに出力が個別に出力されます。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

次の show ip ospf neighbor コマンドの出力例では、各ネイバーのサマリー情報が 1 行に表示されています。


Device#show ip ospf neighbor

Neighbor ID 		Pri   State        Dead Time     Address         Interface
10.199.199.137  1    FULL/DR       0:00:31    192.168.80.37      Ethernet0
172.16.48.1     1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.1        Fddi0
172.16.48.200   1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.200      Fddi0
10.199.199.137  5    FULL/DR       0:00:33    172.16.48.189      Fddi0

次に、ネイバー ID と一致するネイバーに関するサマリー情報を示す出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor 10.199.199.137
 
Neighbor 10.199.199.137, interface address 192.168.80.37
    In the area 0.0.0.0 via interface Ethernet0
    Neighbor priority is 1, State is FULL
    Options 2
    Dead timer due in 0:00:32
    Link State retransmission due in 0:00:04
 Neighbor 10.199.199.137, interface address 172.16.48.189
    In the area 0.0.0.0 via interface Fddi0
    Neighbor priority is 5, State is FULL
    Options 2
    Dead timer due in 0:00:32
    Link State retransmission due in 0:00:03

インターフェイスとネイバー ID を指定すると、次に示す出力例のように、インターフェイスのネイバー ID と一致するネイバーが表示されます。


Device#show ip ospf neighbor ethernet 0 10.199.199.137
 
Neighbor 10.199.199.137, interface address 192.168.80.37
    In the area 0.0.0.0 via interface Ethernet0
    Neighbor priority is 1, State is FULL
    Options 2
    Dead timer due in 0:00:37
    Link State retransmission due in 0:00:04

また、次に示す出力例のように、ネイバー ID なしでインターフェイスを指定して、指定したインターフェイスのすべてのネイバーを表示することもできます。


Device#show ip ospf neighbor fddi 0

   ID          Pri   State        Dead Time     Address         Interface
172.16.48.1     1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.1       Fddi0
172.16.48.200   1    FULL/DROTHER  0:00:32    172.16.48.200     Fddi0
10.199.199.137  5    FULL/DR       0:00:32    172.16.48.189     Fddi0

次に、show ip ospf neighbor detail コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor detail
 
Neighbor 192.168.5.2, interface address 10.225.200.28
    In the area 0 via interface GigabitEthernet1/0/0
    Neighbor priority is 1, State is FULL, 6 state changes
    DR is 10.225.200.28 BDR is 10.225.200.30
    Options is 0x42
    LLS Options is 0x1 (LR), last OOB-Resync 00:03:08 ago
    Dead timer due in 00:00:36
    Neighbor is up for 00:09:46
   Index 1/1, retransmission queue length 0, number of retransmission 1
    First 0x0(0)/0x0(0) Next 0x0(0)/0x0(0)
    Last retransmission scan length is 1, maximum is 1
    Last retransmission scan time is 0 msec, maximum is 0 msec

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 48. show ip ospf neighbor detail フィールドの説明

フィールド

説明

Neighbor

ネイバー ルータ ID。

interface address

インターフェイスの IP アドレス。

In the area

OSPF ネイバーが認識されるエリアおよびインターフェイス。

Neighbor priority

ネイバーおよびネイバー状態のルータ プライオリティ。

State

OSPF ステート一方の OSPF ネイバーが TTL セキュリティをイネーブルにしている場合、接続のもう一方は、INIT 状態のネイバーを示します。

state changes

ネイバーが作成されて以降の状態変化の数。この値は、clearipospfcountersneighbor コマンドを使用してリセットできます。

DR is

インターフェイスの指定ルータのルータ ID

BDR is

インターフェイスのバックアップ指定ルータのルータ ID

Options

hello packet options フィールドの内容(E ビット専用。可能な値は 0 および 2 です。2 はエリアがスタブでないことを示し、0 はエリアがスタブであることを示します)。

LLS Options..., last OOB-Resync

時:分:秒形式で指定される時刻前に実行されたリンクローカル シグナリングおよびアウトオブバンド(OOB)リンクステート データベース再同期。これは、ノンストップ フォワーディング(NSF)情報です。このフィールドは、最後に成功した NSF 対応ルータとのアウトオブバンド再同期化を示します。

Dead timer due in

Cisco IOS ソフトウェアがネイバー デッドを宣言するまでの予想時間(時:分:秒形式)。

Neighbor is up for

ネイバーが二方向状態になってからの時間(時:分:秒形式)。

Index

エリア規模および自律システム規模の再送信キューのネイバーの位置。

retransmission queue length

再送信キューのエレメントの数

number of retransmission

アップデート パケットがフラッディング中に再送信された回数。

First

フラッディング詳細のメモリ位置。

Next

フラッディング詳細のメモリ位置。

Last retransmission scan length

最後の再送信パケット内のリンクステート アドバタイズメント(LSA)の数

maximum

任意の再送信パケットで送信された LSA の最大数

Last retransmission scan time

最後の再送信パケットの構築にかかった時間。

maximum

任意の再送信パケットの構築にかかった最大時間(ミリ秒単位)。

次に、各ネイバーのサマリー情報を 1 行に表示する show ip ospf neighbor コマンドの出力例を示します。一方の OSPF ネイバーが TTL セキュリティをイネーブルにしている場合、接続のもう一方は、INIT 状態のネイバーを示します。


Device#show ip ospf neighbor

Neighbor ID 			Pri   State        Dead Time     Address         Interface
10.199.199.137  1    FULL/DR       0:00:31    192.168.80.37      Ethernet0
172.16.48.1     1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.1        Fddi0
172.16.48.200   1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.200      Fddi0
10.199.199.137  5    FULL/DR       0:00:33    172.16.48.189      Fddi0
172.16.1.201		1	INIT/DROTHER			00.00.35		10.1.1.201			Ethernet0/0

次の show ip ospf neighbor コマンドの出力例は、ネイバーの視点からネットワークを示しています。


Device#show ip ospf neighbor 192.0.2.1
            OSPF Router with ID (192.1.1.1) (Process ID 1)

                     Area with ID (0)

Neighbor with Router ID 192.0.2.1:
  Reachable over:
    Ethernet0/0, IP address 192.0.2.1, cost 10

  SPF was executed 1 times, distance to computing router 10

  Router distance table:
           192.1.1.1   i  [10]
           192.0.2.1   i  [0]
           192.3.3.3   i  [10]
           192.4.4.4   i  [20]
           192.5.5.5   i  [20]

  Network LSA distance table:
      192.2.12.2   i  [10]
      192.2.13.3   i  [20]
      192.2.14.4   i  [20]
      192.2.15.5   i  [20]

次に、show ip ospf neighbor summary コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor summary

    Neighbor summary for all OSPF processes

DOWN         0
ATTEMPT      0
INIT         0
2WAY         0
EXSTART      0
EXCHANGE     0
LOADING      0
FULL         1
Total count  1    (Undergoing NSF 0)

次に、show ip ospf neighbor summary per-instance コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor summary

      OSPF Router with ID (1.0.0.10) (Process ID 1)

DOWN         0
ATTEMPT      0
INIT         0
2WAY         0
EXSTART      0
EXCHANGE     0
LOADING      0
FULL         1
Total count  1    (Undergoing NSF 0)


             Neighbor summary for all OSPF processes

DOWN         0
ATTEMPT      0
INIT         0
2WAY         0
EXSTART      0
EXCHANGE     0
LOADING      0
FULL         1
Total count  1    (Undergoing NSF 0)


表 49. show ip ospf neighbor summary および show ip ospf neighbor summary per-instance のフィールドの説明

フィールド

説明

DOWN

当該ネイバーから情報(hello)を受信していませんが、この状態でも、そのネイバーに hello パケットを送信することは可能です。

ATTEMPT

この状態は、Non-Broadcast Multi-Access(NBMA)環境内の手動で設定されたネイバーに対してのみ有効です。Attempt ステートでは、ルータは、デッド時間間隔内に hello を受信しなかったネイバーにポーリング時間間隔ごとにユニキャスト hello パケットを送信します。

INIT

この状態は、ルータがネイバーから受信した hello パケットに、受信側ルータの ID が含まれていなかったことを意味します。ルータがネイバーから hello パケットを受信すると、有効な hello パケットを受信した確認として、送信側のルータ ID を hello パケットにリストします。

2WAY

このネイバー状態は、ルータ間で双方向通信が確立されていることを意味します。

EXSTART

この状態は、2 つの隣接ルータ間の隣接関係を作成する最初のステップです。このステップの目標は、どのルータがアクティブであるかを決定し、最初の DD シーケンス番号を決定することです。この状態以上のネイバーの会話は、隣接関係と呼ばれます。

EXCHANGE

この状態では、OSPF ルータが Database Descriptor(DBD)パケットを交換します。Database Descriptor にはリンクステート アドバタイズメント(LSA)ヘッダーだけが含まれ、リンクステート データベース全体のコンテンツが記述されます。各 DBD パケットにはシーケンス番号があり、そのシーケンス番号を増分するのは、セカンダリルータによって明示的に確認されているアクティブルータだけです。また、このステートで、ルータはリンク ステート要求パケットとリンク ステート アップデート パケット(LSA 全体を含む)を送信します。受信した DBD の内容は、ルータ リンク ステート データベースに含まれる情報と比較され、ネイバーに新規または最新のリンク ステート情報があるかどうかがチェックされます。

LOADING

この状態では、リンク ステート情報の実際の交換が行われます。DBD からの情報に基づいて、ルータはリンク ステート要求パケットを送信します。次に、ネイバーは、リンク ステート アップデート パケットで要求されたリンク ステート情報を提供します。隣接中に、デバイスは古い LSA または不足している LSA を受信すると、リンク ステート要求パケットを送信してその LSA を要求します。すべてのリンク ステート アップデート パケットが確認されます。

FULL

この状態では、デバイスは互いに完全隣接ネイバーとなっています。すべてのデバイスおよびネットワーク LSA が交換され、デバイスのデータベースは完全に同期化されます。

Full は、OSPF デバイスの通常のステートです。デバイスが別の状態でスタックしている場合は、隣接関係の形成に問題があることを示しています。唯一の例外は、2-way ステートです。2-way ステートは、ブロードキャスト ネットワークでは通常です。デバイスは、DR および BDR だけで Full ステートに達します。ネイバーは、常に互いを 2-way と見なします。

show ip ospf virtual-links

Open Shortest Path First(OSPF)仮想リンクのパラメータと現在の状態を表示するには、EXEC モードで showipospfvirtual-links コマンドを使用します。

show ip ospf virtual-links

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド モード

EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

showipospfvirtual-links コマンドで表示される情報は、OSPF ルーティング操作のデバッグに役立ちます。

次に、showipospfvirtual-links コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf virtual-links
Virtual Link to router 192.168.101.2 is up
Transit area 0.0.0.1, via interface Ethernet0, Cost of using 10
Transmit Delay is 1 sec, State POINT_TO_POINT
Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
Hello due in 0:00:08
Adjacency State FULL

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 50. show ip ospf virtual-links フィールドの説明

フィールド

説明

Virtual Link to router 192.168.101.2 is up

OSPF ネイバー、およびそのネイバーとのリンクがアップまたはダウン状態であるか指定します。

Transit area 0.0.0.1

仮想リンクが形成される移行エリア。

via interface Ethernet0

仮想リンクが形成されるインターフェイス。

Cost of using 10

仮想リンクを介して OSPF ネイバーに到達するときのコスト。

Transmit Delay is 1 sec

仮想リンクの移行遅延(秒単位)。

State POINT_TO_POINT

OSPF ネイバーの状態。

Timer intervals...

リンクに設定されるさまざまなタイマー間隔。

Hello due in 0:00:08

ネイバーからの次の hello の予想時間。

Adjacency State FULL

ネイバー間の隣接状態。

summary-address(OSPF)

Open Shortest Path First(OSPF)の集約アドレスを作成するには、ルータ コンフィギュレーション モードで summary-address コマンドを使用します。デフォルトに戻す場合は、このコマンドの no 形式を入力します。

summary-address commandsummary-address {ip-address mask | prefix mask} [not-advertise] [tag tag] [nssa-only]

no summary-address {ip-address mask | prefix mask} [not-advertise] [tag tag] [nssa-only]

構文の説明

ip-address

アドレスの範囲を表すために指定するサマリー アドレス。

mask

サマリー ルートに使用される IP サブネット マスク。

prefix

宛先の IP ルート プレフィックス。

not-advertise

(任意)指定されたプレフィックス/マスク ペアと一致するルートを抑制します。このキーワードは OSPF だけに適用されます。

tag tag

(任意)ルート マップを介した再配布を制御する「一致」値として使用できるタグ値を指定します。このキーワードは OSPF だけに適用されます。

nssa-only

(任意)指定したプレフィックスに対して生成されるサマリー ルートがある場合、そのサマリー ルートの nssa-only 属性を設定します。これにより、サマリーが Not-So-Stubby-Area(NSSA)エリアに制限されます。

コマンド デフォルト

このコマンドの動作は、デフォルトではディセーブルです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

他のルーティング プロトコルから学習したルートを集約できます。サマリーのアドバタイズに使用されるメトリックは、すべての特定ルートの中で最小のメトリックです。このコマンドは、ルーティング テーブルの容量縮小に有効です。

このコマンドを OSPF に対して使用すると、OSPF 自律システム境界ルータ(ASBR)により、このアドレスの対象となる再配布されるすべてのルートの集約として、1 つの外部ルートがアドバタイズされます。OSPF の場合、このコマンドでは、OSPF 内に再配布される他のルーティング プロトコルからのルートだけが集約されます。OSPF エリア間のルート集約には area range コマンドを使用します。

OSPF は summary-address 0.0.0.0 0.0.0.0 コマンドをサポートしていません。

次の例では、集約アドレス 10.1.0.0 にアドレス 10.1.1.0、10.1.2.0、10.1.3.0 などが含まれています。外部 LSA では、アドレス 10.1.0.0 だけがアドバタイズされます。


Device(config)#summary-address 10.1.0.0 255.255.0.0

timers throttle spf

Open Shortest Path First(OSPF)最短パス優先(SPF)スロットリングをオンにするには、適切なコンフィギュレーション モードで timers throttle spf コマンドを使用します。OSPF SPF スロットリングをオフにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

timers throttle spf spf-start spf-hold spf-max-wait

no timers throttle spf spf-start spf-hold spf-max-wait

構文の説明

spf-start

変更後の SPF 計算をスケジューリングするための初期遅延(ミリ秒単位)。値の範囲は 1 ~ 600000 です。IPv6 の OSPF では、デフォルト値は 5000 です。

spf-hold

2 つの連続する SPF 計算の間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。値の範囲は 1 ~ 600000 です。IPv6 の OSPF では、デフォルト値は 10,000 です。

spf-max-wait

2 つの連続する SPF 計算の間の最大待機時間(ミリ秒単位)。値の範囲は 1 ~ 600000 です。IPv6 の OSPF では、デフォルト値は 10,000 です。

コマンド デフォルト

SPF スロットリングは設定されていません。

コマンド モード

IPv6 ルータ コンフィギュレーション(config-rtr)用のアドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)ルータ コンフィギュレーション(config-router)OSPF

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

SPF 計算間の初回待機時間は、spf-start 引数で指定される時間(ミリ秒単位)です。連続する各待機間隔は、待機時間が引数 spf-max-wait で指定した最大時間(ミリ秒単位)に達するまで、現在のホールド レベル(ミリ秒単位)の 2 倍となります。値がリセットされるまで、または SPF 計算間でリンクステート アドバタイズメント(LSA)が受信されるまで、従属待機時間は最大のまま残ります。

Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで timers throttle spf コマンドを実行する必要があります。

Release 15.2(1)T

OSPFv3 プロセスに接続されたインターフェイスで ospfv3 network manet コマンドを設定すると、spf-start spf-hold 、および spf-max-wait 引数のデフォルト値は、それぞれ 1000 ミリ秒、1000 ミリ秒、および 2000 ミリ秒に短縮されます。

次に、timers throttle spf コマンドの遅延、ホールド、および最大間隔の各値がそれぞれ 5、1000、および 90,000 ミリ秒に設定されるようにルータを設定する例を示します。


router ospf 1
 router-id 10.10.10.2
 log-adjacency-changes
 timers throttle spf 5 1000 90000 
 redistribute static subnets
 network 10.21.21.0 0.0.0.255 area 0
 network 10.22.22.0 0.0.0.255 area 00

次に、timers throttle spf コマンドの遅延、ホールド、および最大間隔の各値がそれぞれ 500、1000、および 10,000 ミリ秒に設定されるように IPv6 を使用したルータを設定する例を示します。


ipv6 router ospf 1 
 event-log size 10000 one-shot
 log-adjacency-changes  
 timers throttle spf 500 1000 10000