IP ルーティングコマンド

accept-lifetime

キーチェーンの認証キーが有効なキーとして受信される期間を設定するには、accept-lifetime コマンドをキーチェーン キー コンフィギュレーション モードで使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

accept-lifetime [ local ] start-time { infinite | end-time | duration seconds }

no accept-lifetime

構文の説明

local

ローカルタイムゾーンで時刻を指定します。

start-time

key コマンドで指定したキーが受信できる開始時刻です。構文は次のいずれかにすることができます。

hh : mm : ss month date year

hh : mm : ss date month year

  • hh :時間

  • mm :分

  • ss :秒

  • month :月の最初の 3 文字

  • date :日(1 ~ 31)

  • year :年(4 桁)

デフォルトの開始時刻で、指定できる最初の日付は 1993 年 1 月 1 日です。

infinite

キーは start-time 値以降、受信可能です。

end-time

キーは、start-time 値から end-time 値まで、受信可能です。シンタックスは start-time 値と同じです。end-time start-time 値の後である必要があります。デフォルトの終了時刻は無限の期間です。

duration seconds

キーが受信可能な時間の長さ(秒単位)指定できる範囲は 1 ~ 864000 です。

コマンド デフォルト

キーチェーン上の認証キーは、永久に有効として受信されます(開始時刻は 1993 年 1 月 1 日、終了時刻は無期限です)。

コマンド モード

キー チェーン キー コンフィギュレーション(config-keychain-key)

コマンド履歴

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変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

DRP エージェント、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、および Routing Information Protocol(RIP)バージョン 2 のみがキーチェーンを使用します。

start-time 値と infinite end-time 、または duration seconds のいずれかの値を指定します。

キーにライフタイムを割り当てる場合は、Network Time Protocol(NTP)またはその他の時刻同期方式を実行することを推奨します。

最後のキーが期限切れになった場合、認証は続行されますが、エラー メッセージが生成されます。認証を無効にするには、手動で有効な最後のキーを削除する必要があります。

次の例では、chain1 という名前のキー チェーンが設定されます。key1 という名前のキーは午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで受け入れられ、午後 2 時 00 分から午後 3 時 00 分まで送信されます。key2 という名前のキーは午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで受け入れられ、午後 3 時 00 分から午後 4 時 00 分まで送信されます。このオーバーラップにより、ルータの設定時間内でのキーの移行または不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
Device(config-if)# ip rip authentication key-chain chain1
Device(config-if)# ip rip authentication mode md5
Device(config-if)# exit
Device(config)# router rip
Device(config-router)# network 172.19.0.0
Device(config-router)# version 2
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain)# key-string key2
Device(config-keychain)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

次に、chain1 という名前のキーを EIGRP アドレスファミリに設定する例を示します。Key1 という名前のキーは、午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで承認され、午後 2 時から午後 3 時まで送信されます。Key2 という名前のキーは、午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで承認され、午後 3 時から午後 4 時まで送信されます。この重複により、キーの移行またはルータの設定時間の不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# router eigrp 10
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# network 10.0.0.0
Device(config-router-af)# af-interface ethernet0/0
Device(config-router-af-interface)# authentication key-chain trees
Device(config-router-af-interface)# authentication mode md5
Device(config-router-af-interface)# exit
Device(config-router-af)# exit
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain-key)# key-string key2
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

address-family ipv6(OSPF)

標準の IPv6 アドレスプレフィックスを使用するルーティングセッション(Open Shortest Path First(OSPF)など)を設定するためにアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始するには、ルータ コンフィギュレーション モードで address-family ipv6 コマンドを使用します。アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

address-family ipv6 [unicast ] [vrf vrf-name ]

no address-family ipv6 [unicast ] [vrf vrf-name ]

構文の説明

unicast

(オプション)IPv6 ユニキャスト アドレス プレフィックスを指定します。

vrf

(オプション)IPv6 アドレスに対してすべての VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンステーブルまたは特定の VRF テーブルを指定します。

vrf-name

(オプション)IPv6 アドレスの特定の VRF テーブル。

コマンド デフォルト

IPv6 アドレス プレフィックスはイネーブルではありません。IPv6 アドレスプレフィックスが設定されている場合は、ユニキャスト アドレス プレフィックスがデフォルトです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

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使用上のガイドライン

address-family ipv6 コマンドは、ルータをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モード(プロンプト:config-router-af)にします。このモードから、標準 IPv6 アドレスプレフィックスを使用するルーティングセッションを設定できます。

次の例は、ルータをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードに切り替える方法を示しています。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# address-family ipv6 unicast
Device(config-router-af)#

area nssa

Not-So-Stubby Area(NSSA)を設定するには、ルータアドレスファミリまたはルータ コンフィギュレーション モードで area nssa コマンドを使用します。エリアから NSSA の区別を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

area nssa commandarea area-id nssa [no-redistribution] [default-information-originate [metric] [metric-type]] [no-summary] [nssa-only]

no area area-id nssa [no-redistribution] [default-information-originate [metric] [metric-type]] [no-summary] [nssa-only]

構文の説明

area-id

スタブ エリアまたは NSSA の ID。ID は、10 進数値または IP アドレスで指定します。

no-redistribution

(任意)ルータが NSSA エリア境界ルータ(ABR)であり、redistribute コマンドで、通常のエリアだけにルートをインポートし、NSSA エリアにインポートしない場合に使用します。

default-information- originate

(任意)タイプ 7 デフォルトを NSSA エリアに生成するために使用します。このキーワードは、NSSA ABR または NSSA 自律システム境界ルータ(ASBR)だけで有効です。

metric

(任意)OSPF デフォルト メトリックを指定します。

metric-type

(任意)デフォルト ルートの OSPF メトリック タイプを指定します。

no-summary

(任意)エリアを NSSA にすることを許可しますが、サマリー ルートを注入しません。

nssa-only

(任意)タイプ 7 LSA の Propagate(P)ビットを 0 に設定することで、この NSSA エリアに対するデフォルト アドバタイズメントを制限します。

コマンド デフォルト

NSSA エリアは未定義です。

コマンド モード

ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

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変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

指定したエリアをソフトウェア コンフィギュレーションから削除するには、no area area-id コマンドを使用します(他のキーワードは指定しません)。つまり、no area area-id コマンドは、area authentication area default-cost area nssa area range area stub 、および area virtual-link などのすべてのエリアオプションを削除します。

Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで area nssa コマンドを実行する必要があります。

次に、エリア 1 を NSSA エリアにする例を示します。


router ospf 1
redistribute rip subnets
network 172.19.92.0 0.0.0.255 area 1
area 1 nssa

area virtual-link

Open Shortest Path First(OSPF)仮想リンクを定義するには、ルータ アドレス ファミリ トポロジ、ルータ コンフィギュレーション、またはアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで area virtual-link コマンドを使用します。仮想リンクを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

area area-id virtual-link router-id authentication key-chain chain-name [hello-interval seconds] [retransmit-interval seconds] [transmit-delay seconds] [dead-interval seconds] [ttl-security hops hop-count]

no area area-id virtual-link router-id authentication key-chain chain-name

構文の説明

表 1.

area-id

仮想リンクに割り当てるエリア ID。10 進数値または有効な IPv6 プレフィックスを指定します。デフォルトはありません。

router-id

仮想リンク ネイバーに関連付けられるルータ ID。ルータ ID は show ip ospf または show ipv6 display コマンドで表示されます。デフォルトはありません。

authentication

仮想リンク認証を有効にします。

key-chain

暗号化認証キーのキーチェーンを設定します。

chain-name

有効な認証キーの名前。

hello-interval seconds

(任意)Cisco IOS ソフトウェアがインターフェイス上で送信する hello パケットの間隔(秒単位)を指定します。hello 間隔は、hello パケットでアドバタイズされる符号なし整数値です。この値は、共通のネットワークに接続されているすべてのルータおよびアクセス サーバで同じであることが必要です。有効な範囲は 1 ~ 8192 です。デフォルトは 10 です。

retransmit-interval seconds

(任意)インターフェイスに属する隣接に対するリンクステート アドバタイズメント(LSA)の再送信間隔(秒単位)を指定します。再送信間隔は、接続されているネットワーク上の任意の 2 台のルータ間の予想されるラウンドトリップ遅延です。この値は、予想されるラウンドトリップ遅延よりも大きいことが必要です。有効な範囲は 1 ~ 8192 です。デフォルトは 5 分です。

transmit-delay seconds

(任意)インターフェイス上でリンクステート アップデート パケットを送信するために必要な推定される時間(秒単位)を指定します。ゼロよりも大きい整数値を指定します。アップデート パケット内の LSA の経過時間は、転送前にこの値の分だけ増分されます。有効な範囲は 1 ~ 8192 です。デフォルト値は 1 です。

dead-interval seconds

(任意)hello パケットがどれだけの時間(秒単位)届かなかった場合にネイバーがルータをダウンと見なすかを指定します。デッド インターバルは符号なし整数値です。デフォルトは hello 間隔の 4 倍または 40 秒です。hello 間隔と同様に、この値は、共通のネットワークに接続されているすべてのルータとアクセス サーバで同じでなければなりません。

ttl-security hops hop-count

(任意)仮想リンク上で存続可能時間(TTL)セキュリティを設定します。引数 hop-count の範囲は 1 ~ 254 です。

コマンド デフォルト

OSPF 仮想リンクは定義されていません。

コマンド モード

ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

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変更内容

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使用上のガイドライン

OSPF では、すべてのエリアがバックボーン エリアに接続されている必要があります。バックボーンへの接続が失われた場合は、仮想リンクを確立して修復できます。

hello 間隔を短くするほど、トポロジの変更が速く検出されますが、ルーティング トラフィックの増加につながります。再送信間隔は控えめに設定する必要があります。そうしないと、不必要な再送信が発生します。シリアル回線および仮想リンクの場合は、値を大きくする必要があります。

インターフェイスの送信遅延と伝達遅延を考慮した伝送遅延値を選択する必要があります。

IPv6 の OSPF で仮想リンクを設定するには、アドレスではなくルータ ID を使用する必要があります。IPv6 の OSPF では、仮想リンクはリモート ルータの IPv6 プレフィックスではなくルータ ID を使用します。

ネイバーからの OSPF パケット上の TTL 値のチェックをイネーブルにするか、ネイバーに送信される TTL 値を設定するには、ttl-security hops hop-count キーワードと引数を使用します。この機能により、OSPF にさらなる保護レイヤが追加されます。


(注)  


仮想リンクを正しく設定するには、各仮想リンク ネイバーにトランジット エリア ID と対応する仮想リンク ネイバー ルータ ID が設定されている必要があります。ルータ ID を表示するには、特権 EXEC モードで show ip ospf または show ipv6 ospf コマンドを使用します。



(注)  


指定したエリアをソフトウェア コンフィギュレーションから削除するには、no area area-id コマンドを使用します(他のキーワードは指定しません)。つまり、no area area-id コマンドは、area default-cost area nssa area range area stub 、および area virtual-link などのすべてのエリアオプションを削除します。


Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで area virtual-link コマンドを実行する必要があります。

次に、すべてのオプション パラメータでデフォルト値を使用して、仮想リンクを確立する例を示します。


Device(config)# ipv6 router ospf 1
Device(config)# log-adjacency-changes
Device(config)# area 1 virtual-link 192.168.255.1

次に、IPv6 の OSPF で仮想リンクを確立する例を示します。


Device(config)# ipv6 router ospf 1
Device(config)# log-adjacency-changes
Device(config)# area 1 virtual-link 192.168.255.1 hello-interval 5

次の例に、IPv6 向けの OSPFv3 で仮想リンク用の TTL セキュリティを設定する方法を示します。


Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# address-family ipv6 unicast vrf vrf1
Device(config-router-af)# area 1 virtual-link 10.1.1.1 ttl-security hops 10


次の例に、仮想リンク用にキー チェーンを使用して認証を設定する方法を示します。


Device(config)# area 1 virtual-link 192.168.255.1 authentication key-chain ospf-chain-1

authentication(BFD)

シングルホップセッション用の Bidirectional Forwarding Detection(BFD)テンプレートで認証を設定するには、BFD コンフィギュレーション モードで authentication コマンドを使用します。シングルホップセッション用の BFD テンプレートで認証を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

authentication authentication-type keychain keychain-name

no authentication authentication-type keychain keychain-name

構文の説明

authentication-type

認証タイプ。有効な値は、md5、meticulous-md5、meticulous-sha1、および sha-1 です。

keychain keychain-name

指定された名前で認証キー チェーンを設定します。この名前の長さは最大 32 文字です。

コマンド デフォルト

シングルホップセッション用の BFD テンプレートでは認証が有効になっていません。

コマンド モード

BFD コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

シングルホップテンプレートで認証を設定できます。セキュリティを強化するために認証を設定することをお勧めします。認証は、BFD の送信元と宛先のペアごとに設定する必要があり、認証パラメータは両方のデバイスで同じである必要があります。

次に、BFD シングルホップテンプレートの template1 で認証を設定する例を示します。


Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#bfd-template single-hop template1
Device(config-bfd)#authentication sha-1 keychain bfd-singlehop

bfd

インターフェイスに対してベースライン Bidirectional Forwarding Detection(BFD)セッションパラメータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd コマンドを使用します。ベースライン BFD セッションパラメータを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

no bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

構文の説明

interval milliseconds

BFD 制御パケットが BFD ピアに送信される速度(ミリ秒単位)を指定します。milliseconds 引数の有効範囲は 50 ~ 9999 です。

min_rx milliseconds

BFD 制御パケットが BFD ピアで受信されるものと期待される速度(ミリ秒単位)を指定します。milliseconds 引数の有効範囲は 50 ~ 9999 です。

multiplier multiplier-value

BFD ピアから連続して紛失してよい BFD 制御パケットの数を指定します。この数に達すると、BFD はそのピアが利用不可になっていることを宣言し、レイヤ 3 BFD ピアに障害が伝えられます。multiplier-value 引数の有効範囲は 3 ~ 50 です。

コマンド デフォルト

ベースライン BFD セッションパラメータの設定はありません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd コマンドは、SVI、イーサネット、およびポートチャネル インターフェイスで設定できます。

BFD がポート チャネル インターフェイスで実行されている場合は、BFD には、750 * 3 ミリ秒のタイマー値制限があります。

bfd interval 設定は次のような場合には削除されません。

  • IPv4 アドレスがインターフェイスから削除された場合

  • IPv6 アドレスがインターフェイスから削除された場合

  • IPv6 がインターフェイスからディセーブルにされた場合

  • インターフェイスがシャットダウンされた場合

  • インターフェイスで IPv4 CEF がグローバルまたはローカルでディセーブルにされた場合

  • インターフェイスで IPv6 CEF がグローバルまたはローカルでディセーブルにされた場合

bfd interval 設定は、それを設定したサブインターフェイスが削除されたときに削除されます。


(注)  


インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd interval コマンドを設定すると、デフォルトで BFD エコー モードが有効になります。インターフェイス コンフィギュレーション モードで no ip redirect(BFD エコーが必要な場合)または no bfd echo のいずれかを有効にする必要があります。

CPU 使用率の上昇を避けるために、BFD エコー モードを使用する前に、no ip redirect コマンドを入力して、インターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)リダイレクト メッセージの送信を無効にする必要があります。


次に、ギガビットイーサネット 1/0/3 の BFD セッションパラメータを設定する例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#interface gigabitethernet 1/0/3
Device(config-if)#bfd interval 100 min_rx 100 multiplier 3

bfd all-interfaces

ルーティングプロセスに参加しているすべてのインターフェイスの Bidirectional Forwarding Detection(BFD)を有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを使用します。1 つのインターフェイスですべてのネイバーの BFD を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd all-interfaces

no bfd all-interfaces

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

ルーティングプロセスに参加しているインターフェイスの BFD が無効になっています。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース 変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

すべてのインターフェイスの BFD を有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを入力します。

次に、すべての Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)ネイバーの BFD を有効にする例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#router eigrp 123
Device(config-router)#bfd all-interfaces
Device(config-router)#end

次に、すべての Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)ネイバーの BFD を有効にする例を示します。

Device> enable
Device#configuration terminal
Device(config)#router isis tag1
Device(config-router)#bfd all-interfaces
Device(config-router)#end

bfd check-ctrl-plane-failure

Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)ルーティングプロトコルの Bidirectional Forwarding Detection(BFD)コントロールプレーン障害チェックを有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モードで bfd check-control-plane-failure コマンドを使用します。コントロールプレーン障害検出を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd check-ctrl-plane-failure

no bfd check-ctrl-plane-failure

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

BFD コントロールプレーン障害チェックが無効になっています。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

コマンド履歴

リリース 変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd check-ctrl-plane-failure コマンドは、IS-IS ルーティングプロセスについてのみ設定できます。このコマンドは、他のプロトコルではサポートされていません。

スイッチが再起動すると、見せかけの BFD セッション障害が発生する場合があります。このとき、隣接ルータは、転送障害が本当に発生したかのように動作します。ただし、スイッチで bfd check-control-plane-failure コマンドが有効になっていると、ルータはコントロールプレーン関連の BFD セッション障害を無視できます。ルータを再起動する予定がある場合は、直前にすべての隣接ルータの設定にこのコマンドを追加し、再起動が完了したときにすべての隣接ルータからこのコマンドを削除することをお勧めします。

次に、IS-IS ルーティングプロトコルの BFD コントロールプレーン障害チェックを有効にする例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#router isis
Device(config-router)#bfd check-ctrl-plane-failure
Device(config-router)#end

bfd echo

Bidirectional Forwarding Detection(BFD)エコーモードを有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd echo コマンドを使用します。BFD エコーモードを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd echo

no bfd echo

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd interval コマンドを使用して BFD を設定している場合は、BFD エコー モードがデフォルトで有効になります。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

エコーモードはデフォルトでイネーブルになっています。キーワードを指定せずに no bfd echo コマンドを入力すると、エコーパケットの送信がオフになり、スイッチが BFD ネイバースイッチから受信したエコーパケットを転送しないことを示します。

エコーモードを有効にすると、必要最短エコー送信間隔と必要最短送信間隔の値が bfd intervalmillisecondsmin_rxmilliseconds パラメータから取得されます。


(注)  


CPU 使用率の上昇を避けるために、BFD エコーモードを使用する前に、no ip redirects コマンドを入力して、インターネット制御メッセージプロトコル(ICMP)リダイレクトメッセージの送信を無効にする必要があります。


次に、BFD ネイバー間でエコーモードを設定する例を示します。

Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#interface GigabitEthernet 1/0/3
Device(config-if)#bfd echo

show bfd neighbors details コマンドの次の出力は、BFD セッションネイバーが BFD エコーモードで稼働しているところを示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。

Device#show bfd neighbors details
OurAddr      NeighAddr   LD/RD  RH/RS  Holdown(mult) State Int
172.16.1.2   172.16.1.1  1/6    Up     0 (3 )        Up    Fa0/1
Session state is UP and using echo function with 100 ms interval.
Local Diag: 0, Demand mode: 0, Poll bit: 0
MinTxInt: 1000000, MinRxInt: 1000000, Multiplier: 3
Received MinRxInt: 1000000, Received Multiplier: 3
Holdown (hits): 3000(0), Hello (hits): 1000(337)
Rx Count: 341, Rx Interval (ms) min/max/avg: 1/1008/882 last: 364 ms ago
Tx Count: 339, Tx Interval (ms) min/max/avg: 1/1016/886 last: 632 ms ago
Registered protocols: EIGRP
Uptime: 00:05:00
Last packet: Version: 1            - Diagnostic: 0
             State bit: Up         - Demand bit: 0
             Poll bit: 0           - Final bit: 0
             Multiplier: 3         - Length: 24
             My Discr.: 6          - Your Discr.: 1
             Min tx interval: 1000000   - Min rx interval: 1000000
             Min Echo interval: 50000

bfd slow-timers

Bidirectional Forwarding Detection(BFD) スロータイマー値を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd slow-timers コマンドを使用します。BFD によって使用されるスロータイマーを変更するには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd slow-timers [ milliseconds]

no bfd slow-timers

コマンド デフォルト

BFD スロータイマー値は 1000 ミリ秒です。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

次に、BFD スロータイマー値を 14,000 ミリ秒に設定する例を示します。

Device(config)#bfd slow-timers 14000

show bfd neighbors details コマンドの次の出力は、BFD スロータイマー値 14,000 ミリ秒が実装されているところを示します。MinTxInt および MinRxInt の値は BFD スロータイマーの設定値に対応しています。関連するコマンド出力は太字で示されています。

Device#show bfd neighbors details
OurAddr      NeighAddr   LD/RD  RH/RS  Holdown(mult) State Int
172.16.1.2   172.16.1.1  1/6    Up     0 (3 )        Up    Fa0/1
Session state is UP and using echo function with 100 ms interval.
Local Diag: 0, Demand mode: 0, Poll bit: 0
MinTxInt: 14000, MinRxInt: 14000, Multiplier: 3
Received MinRxInt: 1000000, Received Multiplier: 3
Holdown (hits): 3600(0), Hello (hits): 1200(337)
Rx Count: 341, Rx Interval (ms) min/max/avg: 1/1008/882 last: 364 ms ago
Tx Count: 339, Tx Interval (ms) min/max/avg: 1/1016/886 last: 632 ms ago
Registered protocols: EIGRP
Uptime: 00:05:00
Last packet: Version: 1            - Diagnostic: 0
             State bit: Up         - Demand bit: 0
             Poll bit: 0           - Final bit: 0
             Multiplier: 3         - Length: 24
             My Discr.: 6          - Your Discr.: 1
             Min tx interval: 1000000   - Min rx interval: 1000000
             Min Echo interval: 50000


(注)  


  • BFD セッションがダウンすると、BFD 制御パケットがスロータイマー間隔で送信されます。

  • BFD セッションが稼働している場合、エコーが有効になっていれば、BFD 制御パケットがネゴシエートされたスロータイマー間隔で送信され、エコーパケットがネゴシエートされた設定済みの BFD 間隔で送信されます。エコーが有効になっていない場合は、BFD 制御パケットがネゴシエートされた設定済みの間隔で送信されます。


bfd template

Bidirectional Forwarding Detection(BFD)テンプレートを設定し、BFD コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで bfd-template コマンドを使用します。BFD テンプレートを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd template template-name

no bfd template template-name

コマンド デフォルト

BFD テンプレートはインターフェイスにバインドされません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bfd-template コマンドを使用してテンプレートを作成していない場合でも、インターフェイスでテンプレート名を設定できますが、テンプレートを定義するまでテンプレートは無効と見なされます。テンプレート名を再設定する必要はありません。名前は自動的に有効になります。

Device> enable
Device#configuration terminal
Device(config)#interface Gigabitethernet 1/3/0
Device(config-if)#bfd template template1

bfd-template single-hop

シングルホップ Bidirectional Forwarding Detection(BFD)テンプレートをインターフェイスにバインドするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで bfd template コマンドを使用します。シングルホップ BFD テンプレートをインターフェイスからアンバインドするには、このコマンドの no 形式を使用します。

bfd-template single-hop template-name

no bfd-template single-hop template-name

構文の説明

single-hop

シングルホップ BFD テンプレートを作成します。

template-name

テンプレート名。

コマンド デフォルト

BFD テンプレートは存在しません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

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使用上のガイドライン

bfd template コマンドを使用すると BFD テンプレートを作成し、デバイスを BFD コンフィギュレーション モードにすることができます。テンプレートは一連の BFD 間隔値を指定するために使用できます。BFD テンプレートの一部として指定される BFD 間隔値は、1 つのインターフェイスに限定されるものではありません。

次に、BFD テンプレートを作成し、BFD 間隔値を指定する例を示します。


Device>enable
Device#configuration terminal
Device(config)#bfd-template single-hop node1
Device(bfd-config)#interval min-tx 100 min-rx 100 multiplier 3
Device(bfd-config)#echo

次に、BFD シングルホップテンプレートを作成し、BFD 間隔値と認証キー チェーンを設定する例を示します。

Device> enable
Device#configuration terminal
Device(config)#bfd-template single-hop template1
Device(bfd-config)#interval min-tx 200 min-rx 200 multiplier 3
Device(bfd-config)#authentication keyed-sha-1 keychain bfd_singlehop

(注)  


デフォルトでは、BFD テンプレート設定で BFD エコーは有効になっていません。これは明示的に設定する必要があります。


default-information originate(OSPF)

デフォルト外部ルートを Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングドメイン内に生成するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで default-information originate コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

default-information originate [always] [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]

no default-information originate [always] [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]

構文の説明

always

(任意)ソフトウェアにデフォルト ルートがあるかどうかにかかわらず、常に、デフォルト ルートをアドバタイズします。

(注)  

 

ルートマップを使用する場合、キーワード always には次の例外が含まれます。ルートマップを使用する場合、OSPF によるデフォルトルートの送信は、ルーティングテーブル内にデフォルトルートが存在するかどうかによって制限されず、always キーワードは無視されます。

metric metric-value

(任意)デフォルト ルートを生成するために使用するメトリック。値を省略して、default-metric ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して値を指定しない場合、デフォルトのメトリック値は 10 になります。使用される値はプロトコル固有です。

metric-type type-value

(任意)OSPF ルーティング ドメインにアドバタイズされる、デフォルト ルートに関連付けられた外部リンク タイプ次のいずれかの値を指定できます。

  • タイプ 1 外部ルート。

  • タイプ 2 外部ルート。

デフォルトはタイプ 2 外部ルートです。

route-map map-name

(任意)ルーティング プロセスは、ルート マップが満たされている場合にデフォルト ルートを生成します。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。OSPF ルーティング ドメイン内にデフォルト外部ルートは生成されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

コマンド履歴

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使用上のガイドライン

redistribute または default-information ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して、OSPF ルーティングドメインにルートを再配布する場合、Cisco IOS ソフトウェアは自動的に自律システム境界ルータ(ASBR)になります。ただし、デフォルトでは、ASBR はデフォルト ルートを OSPF ルーティング ドメインに生成しません。キーワード always を指定した場合を除き、ソフトウェアには、デフォルトルートを生成する前に、自身のためにデフォルトルートが設定されている必要があります。

ルート マップを使用する場合、OSPF によるデフォルト ルートの送信は、ルーティング テーブル内にデフォルト ルートが存在するかどうかによって制限されません。

Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで default-information originate コマンドを実行する必要があります。

次に、OSPF ルーティング ドメインに再配布されるデフォルト ルートのメトリックを 100 に指定し、外部メトリック タイプをタイプ 1 に指定する例を示します。


router ospf 109
redistribute eigrp 108 metric 100 subnets
default-information originate metric 100 metric-type 1

distance(OSPF)

アドミニストレーティブ ディスタンスを定義するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたは VRF コンフィギュレーション モードで distance コマンドを使用します。distance コマンドを削除し、システムをデフォルトの状態に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

distance weight [ip-address wildcard-mask [access-list name ]]

no distance weight ip-address wildcard-mask [access-list-name]

構文の説明

weight

アドミニストレーティブ ディスタンス。範囲は 10 ~ 255 です。単独で使用される場合、weight 引数は、ルーティング情報ソースに他の指定がない場合にソフトウェアが使用するデフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスを指定します。アドミニストレーティブ ディスタンスが 255 のルートはルーティング テーブルに格納されません。「使用上のガイドライン」の項の表に、デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスがリストされています。

ip-address

(任意)4 分割ドット付き 10 進表記の IP アドレス。

wildcard-mask

(任意)4 分割ドット付き 10 進表記のワイルドカード マスク。wildcard-mask 引数でビットが 1 に設定されている場合、ソフトウェアは、アドレス値で対応するビットを無視します。

access-list-name

(任意)着信ルーティング アップデートに適用される IP アクセス リストの名前。

コマンド デフォルト

このコマンドが指定されていない場合、アドミニストレーティブ ディスタンスはデフォルトになります。「使用上のガイドライン」の項の表に、デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスがリストされています。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

VRF コンフィギュレーション(config-vrf)

コマンド履歴

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変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。ユーザ グループの割り当てのためにコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。

アドミニストレーティブ ディスタンスは、10 ~ 255 の整数です。通常は、値が大きいほど、信頼性の格付けが下がります。255 のアドミニストレーティブ ディスタンスは、ルーティング情報源がまったく信頼できないため、無視すべきであることを意味します。重み値は主観的に選択します。重み値を選択するための定量的方法はありません。

アクセス リストがこのコマンドで使用される場合、ネットワークがルーティング テーブルに挿入されるときに適用されます。この動作により、ルーティング情報を提供する IP プレフィックスに基づいてネットワークをフィルタリングできます。たとえば、管理制御下にないネットワーキング デバイスからの、間違っている可能性があるルーティング情報をフィルタリングできます。

distance コマンドを実行する順序は、「例」の項に示すように、割り当てられるアドミニストレーティブ ディスタンスに影響を与える可能性があります。次の表に、デフォルトのアドミニストレイティブ ディスタンスを示します。

表 2. デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンス

レート ソース

デフォルト距離

接続されているインターフェイス

0

インターフェイスからのスタティック ルート

0

ネクスト ホップへのスタティック ルート

1

EIGRP 集約ルート

5

外部 BGP

20

内部 EIGRP

90

OSPF

110

IS-IS

115

RIP バージョン 1 および 2

120

外部 EIGRP

170

内部 BGP

200

不明

255

タスク ID

タスク ID

動作

ospf

読み取り、書き込み

次の例では、router ospf コマンドを使用して、Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングインスタンス 1 を設定しています。最初の distance コマンドは、デフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンスを 255 に設定します。つまり、ソフトウェアは、明示的なディスタンスが設定されていないネットワーキングデバイスからのすべてのルーティングアップデートを無視します。2 番目の distance コマンドは、ネットワーク 192.168.40.0 上のすべてのデバイスのアドミニストレーティブ ディスタンスを 90 に設定します。


Device#configure terminal
Device(config)#router ospf 1
Device(config-ospf)#distance 255
Device(config-ospf)#distance 90 192.168.40.0 0.0.0.255

eigrp log-neighbor-changes

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)隣接関係の変更のロギングをイネーブルにするには、ルータ コンフィギュレーション モード、アドレスファミリ コンフィギュレーション モード、またはサービスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-changes コマンドを使用します。EIGRP 隣接関係の変化に関するロギングをディセーブルにするには、この コマンドの no 形式を使用します。

eigrp log-neighbor-changes

no eigrp log-neighbor-changes

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

隣接関係の変更がロギングされます。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)サービス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-sf)

コマンド履歴

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変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、ルーティング システムの安定性を監視して問題の検出に役立てるために、ネイバー ルータとの隣接関係の変更のロギングをイネーブルにします。デフォルトでは、ロギングはイネーブルです。隣接関係の変更のロギングをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

EIGRP アドレスファミリ隣接関係の変更のロギングをイネーブルにするには、アドレスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-changes コマンドを使用します。

EIGRP サービスファミリ隣接関係の変更のロギングをイネーブルにするには、サービスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-changes コマンドを使用します。

次の設定は、EIGRP プロセス 209 について隣接関係の変更のロギングをディセーブルにします。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# no eigrp log-neighbor-changes

次の設定は、EIGRP プロセス 209 について隣接関係の変更のロギングをイネーブルにします。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# eigrp log-neighbor-changes

次に、自律システム 4453 で EIGRP アドレス ファミリの隣接の変更のロギングをディセーブルにする例を示します。


Device(config)# router eigrp virtual-name
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453 
Device(config-router-af)# no eigrp log-neighbor-changes
Device(config-router-af)# exit-address-family

次の設定は、EIGRP サービス ファミリ プロセス 209 について隣接関係の変更のロギングをイネーブルにします。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# service-family ipv4 autonomous-system 4453 
Device(config-router-sf)# eigrp log-neighbor-changes
Device(config-router-sf)# exit-service-family

eigrp log-neighbor-warnings

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)ネイバー警告メッセージのロギングを有効にするには、ルータ コンフィギュレーション モード、アドレスファミリ コンフィギュレーション モード、またはサービスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-warnings コマンドを使用します。EIGRP ネイバー警告メッセージのロギングを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

eigrp log-neighbor-warnings [seconds]

no eigrp log-neighbor-warnings

構文の説明

seconds

(任意)ネイバー警告メッセージの反復間隔(秒数)。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルトは 10 です。

コマンド デフォルト

ネイバー警告メッセージが 10 秒間隔でログに記録されます。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)サービス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-sf)

コマンド履歴

リリース

変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

ネイバー警告メッセージが発生すると、デフォルトでログに記録されます。このコマンドを使用すると、ネイバー警告メッセージを無効および有効にしたり、ネイバー警告メッセージの反復間隔を設定したりすることができます。

EIGRP アドレスファミリの警告メッセージのロギングを有効にするには、アドレスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-warnings コマンドを使用します。

EIGRP サービスファミリの警告メッセージのロギングを有効にするには、サービスファミリ コンフィギュレーション モードで eigrp log-neighbor-warnings コマンドを使用します。

次のコマンドでは、EIGRP プロセス 209 のネイバー警告メッセージがログに記録され、5 分(300 秒)間隔で警告メッセージが繰り返されます。


Device(config)# router eigrp 209
Device(config-router)# eigrp log-neighbor-warnings 300

次に、自律システム番号 4453 のサービスファミリのネイバー警告メッセージをログに記録し、5 分(300 秒)間隔で警告メッセージを繰り返す例を示します。


Device(config)# router eigrp virtual-name
Device(config-router)# service-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-sf)# eigrp log-neighbor-warnings 300

次に、自律システム番号 4453 のアドレスファミリのネイバー警告メッセージをログに記録し、5 分(300 秒)間隔で警告メッセージを繰り返す例を示します。


Device(config)# router eigrp virtual-name
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# eigrp log-neighbor-warnings 300

ip authentication key-chain eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)パケットの認証を有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip authentication key-chain eigrp コマンドを使用します。このような認証をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip authentication key-chain eigrp as-number key-chain

no ip authentication key-chain eigrp as-number key-chain

構文の説明

as-number

認証が適用される自律システム番号

key-chain

認証キー チェーン名

コマンド デフォルト

EIGRP パケットには認証は適用されません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

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このコマンドが導入されました。

次に、自律システム 2 に認証を適用し、SPORTS というキー チェーン名を識別する例を示します。


Device(config-if)#ip authentication key-chain eigrp 2 SPORTS

ip authentication mode eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)パケットに使用される認証タイプを指定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip authentication mode eigrp コマンドを使用します。認証タイプをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip authentication mode eigrp as-number md5

no ip authentication mode eigrp as-number md5

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

md5

キー付き Message Digest 5(MD5)認証。

コマンド デフォルト

EIGRP パケットには認証は適用されません。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

認証を設定して、未承認のソースによる無許可または不正なルーティング メッセージの導入を防ぎます。認証が設定される際に、MD5 キー付きダイジェストが指定された自律システム内の各 EIGRP パケットに追加されます。

次に、自律システム 10 にある EIGRP パケットで MD5 認証を使用するためにインターフェイスを設定する例を示します。


Device(config-if)#ip authentication mode eigrp 10 md5

ip bandwidth-percent eigrp

インターフェイス上で Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)で使用される可能性ある帯域幅の割合を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip bandwidth-percent eigrp コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip bandwidth-percent eigrp as-number percent

no ip bandwidth-percent eigrp as-number percent

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

percent

EIGRP で使用できる帯域幅のパーセント

コマンド デフォルト

EIGRP では、利用可能な帯域幅の 50% を使用できます。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

bandwidth インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで定義されているように、EIGRP はリンクの帯域幅を 50% まで使用します。このコマンドは、帯域幅のその他のフラクションが必要な場合に使用できます。100% を超える値が設定されている可能性があることに注意してください。他の理由で帯域幅が意図的に低く設定されている場合、この設定オプションは便利な場合があります。

次に、EIGRP で、自律システム 209 の 56-kbps シリアル リンクを最大 75%(42 kbps)使用できるようにする例を示します。


Device(config)#interface serial 0
Device(config-if)#bandwidth 56
Device(config-if)#ip bandwidth-percent eigrp 209 75

ip cef load-sharing algorithm

Cisco Express Forwarding ロードバランシング アルゴリズムを選択するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip cef load-sharing algorithm コマンドを使用します。デフォルトのユニバーサル ロードバランシング アルゴリズムに戻るには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip cef load-sharing algorithm {original | [universal [id] ]}

no ip cef load-sharing algorithm

構文の説明

original

送信元および宛先のハッシュに基づいて、ロードバランス アルゴリズムを元のアルゴリズムに設定します。

universal

送信元ハッシュ、宛先ハッシュ、ID ハッシュを使用するユニバーサル アルゴリズムに、ロードバランシング アルゴリズムを設定します。

id

(任意)固定 ID。

コマンド デフォルト

ユニバーサル ロードバランシング アルゴリズムがデフォルトで選択されています。ロードバランシング アルゴリズムに固定識別子を設定しなかった場合、ルータは固有 ID を自動的に生成します。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース

変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

Cisco Express Forwarding のオリジナルのロードバランシング アルゴリズムでは、すべてのデバイスで同じアルゴリズムが使用されるため、複数のデバイスにわたるロードシェアリングで歪みが発生していました。ロードバランシング アルゴリズムをユニバーサルモードに設定すると、ネットワークのそれぞれのデバイスは、送信元アドレスと宛先アドレスのペアごとに別々のロードシェアリング決定を下すことができるようになり、ロードバランシングのゆがみが解消します。

次に、Cisco Express Forwarding の元のロードバランシング アルゴリズムを有効にする例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# ip cef load-sharing algorithm original
Device(config)# exit

ip prefix-list

プレフィックスリストを作成したり、プレフィックスリスト エントリを追加するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip prefix-list コマンドを使用します。プレフィックスリスト エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip prefix-list {list-name [seq number] {deny | permit} network/length [ge ge-length] [le le-length] | description 説明 | sequence-number}

no ip prefix-list {list-name [seq number] [ {deny | permit} network/length [ge ge-length] [le le-length]] | description 説明 | sequence-number}

構文の説明

list-name

プレフィックス リストを識別するための名前を設定します。「detail」または「summary」という単語は、show ip prefix-list コマンドのキーワードであるため、リスト名として使用しないでください。

seq

(任意)プレフィックスリスト エントリにシーケンス番号を適用します。

number

(任意)1 ~ 4294967294 の整数。このコマンドを設定するときにシーケンス番号が入力されない場合は、デフォルトのシーケンス番号がプレフィックス リストに適用されます。最初のプレフィックス エントリに番号 5 が適用され、後続の番号のないエントリには 5 ずつ増えた番号が適用されます。

deny

一致した条件へのアクセスを拒否します。

permit

一致した条件へのアクセスを許可します。

network / length

ネットワーク アドレスおよびネットワーク マスクの長さ(ビット単位)を設定します。ネットワーク番号には、任意の有効な IP アドレスまたはプレフィックスを指定できます。ビット マスクは 1 から 32 までの番号を使用できます。

ge

(任意)引数 ge-length を指定された範囲に適用することにより、範囲の下限(範囲の説明の「~から」の部分)を指定します。

(注)  

 

ge キーワードは、演算子の「以上」を表します。

ge-length

(任意)照合されるプレフィックスの最小の長さを表します。

le

(任意)引数 le-length を指定された範囲に適用することにより、範囲の上限(範囲の説明の「~まで」の部分)を指定します。

(注)  

 

le キーワードは、演算子の「以下」を表します。

le-length

(任意)照合されるプレフィックスの最大の長さを表します。

description

(任意)プレフィックス リストに記述名を設定します。

description

(任意)プレフィックス リストの記述名(1 ~ 80 文字の長さ)。

sequence-number

(任意)プレフィックス リストのシーケンス番号の使用を有効または無効にします。

コマンド デフォルト

プレフィックス リストまたはプレフィックスリスト エントリは作成されません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

表 3.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

IP プレフィックス フィルタリングを設定するには、ip prefix-list コマンドを使用します。一致条件に基づいてプレフィックスを許可または拒否するには、プレフィックスリストを permit または deny キーワードを指定して設定します。どのプレフィックス リストのエントリとも一致しないトラフィックに暗黙拒否が適用されます。

プレフィックスリスト エントリは、IP アドレスとビット マスクで構成されています。IP アドレスは、クラスフルなネットワーク、サブネット、または単一のホスト ルート用にできます。ビット マスクは、1 ~ 32 の数値です。

プレフィックスリストは、完全なプレフィックス長の一致、または ge キーワードと le キーワードが使用されている場合は範囲内の一致に基づいてトラフィックをフィルタリングするように設定されます。ge キーワードと le キーワードは、プレフィックス長の範囲を指定するために使用され、network/length 引数だけを使用するよりも柔軟な設定を提供します。プレフィックスリストは、ge キーワードと le キーワードのどちらも指定されていない場合、完全一致を使用して処理されます。ge 値のみが指定されている場合、範囲は ge ge-length 引数に入力された値から完全な 32 ビットの長さまでです。le 値のみが指定されている場合、範囲は network/length 引数に入力された値から le le-length 引数までです。ge ge-length le le-length の両方のキーワードと引数が入力された場合、その範囲は ge-length 引数と le-length 引数に使用される値の間です。

この動作は、次の式で表すことができます。

length < ge ge-length < le le-length <= 32

シーケンス番号なしで seq キーワードが設定されている場合、デフォルトのシーケンス番号は 5 です。このシナリオでは、最初のプレフィックスリスト エントリには番号 5 が割り当てられ、後続のプレフィックス リスト エントリは 5 ずつ増分します。たとえば、次の 2 つのエントリはシーケンス番号 10 と 15 を持ちます。最初のプレフィックス リスト エントリにシーケンス番号が入力され、後続のエントリには入力されない場合、後続のエントリ番号は 5 ずつ増分します。たとえば、最初に設定されたシーケンス番号が 3 の場合、後続のエントリは 8、13、および 18 になります。デフォルトのシーケンス番号を抑制するには、seq キーワードを指定して no ip prefix-list コマンドを入力します。

プレフィックス リストの評価はシーケンス番号が最も小さいからものから開始し、一致するものが見つかるまで順番に評価していきます。IP アドレスの一致が見つかると、そのネットワークに permit または deny 文が適用され、リストの残りは評価されません。


ヒント


最も処理される頻度の高いプレフィックス リスト文のシーケンス番号を最小にすれば、最良のパフォーマンスを得ることができます。seq number キーワードと引数はリシーケンスに使用できます。


neighbor prefix-list コマンドを入力すると、特定のピアのインバウンドまたはアウトバウンドアップデートにプレフィックスリストが適用されます。プレフィックスリストの情報とカウンタは、show ip prefix-list コマンドの出力に表示されます。prefix-list カウンタをリセットするには、clear ip prefix-list コマンドを入力します。

次の例では、プレフィックス リストがデフォルト ルート 0.0.0.0/0 を拒否するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list RED deny 0.0.0.0/0

次の例では、プレフィックス リストが 172.16.1.0/24 サブネットからのトラフィックを許可するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list BLUE permit 172.16.1.0/24

次の例では、プレフィックス リストが 24 ビット以下のマスク長を持つ 10.0.0.0/8 ネットワークからのルートを許可するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list YELLOW permit 10.0.0.0/8 le 24

次の例では、プレフィックス リストが 25 ビット以上のマスク長を持つ 10.0.0.0/8 ネットワークからのルートを拒否するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list PINK deny 10.0.0.0/8 ge 25

次の例では、マスク長が 8 ~ 24 ビットの任意のネットワークからのルートを許可するようにプレフィックス リストが設定されています。


Device(config)#ip prefix-list GREEN permit 0.0.0.0/0 ge 8 le 24

次の例では、プレフィックス リストが 10.0.0.0/8 ネットワークからの任意のマスク長を持つルートを拒否するように設定されています。


Device(config)#ip prefix-list ORANGE deny 10.0.0.0/8 le 32
 

ip hello-interval eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)プロセスの Hello インターバルを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip hello-interval eigrp コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip hello-interval eigrp as-number seconds

no ip hello-interval eigrp as-number [seconds]

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

seconds

hello インターバル(秒単位)。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

低速の非ブロードキャスト マルチアクセス(NBMA)ネットワークの hello インターバルは 60 秒で、その他のすべてのネットワークは 5 秒です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

デフォルトの 60 秒は、低速の NBMA メディアだけに適用されます。低速とは、bandwidth インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで指定されているように、T1 以下のレートのことを指します。EIGRP、フレーム リレー、およびスイッチド マルチメガビット データ サービス(SMDS)ネットワークは NBMA と見なすことができることに注意してください。これらのネットワークは、インターフェイスで物理マルチキャストを使用するように設定されていない場合 NBMA と見なされ、それ以外の場合、NBMA とは見なされません。

次に、イーサネット インターフェイスの 0 の hello インターバルを 10 秒に設定する例を示します。


Device(config)#interface ethernet 0
Device(config-if)#ip hello-interval eigrp 109 10

ip hold-time eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)プロセスのホールドタイムを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip hold-time eigrp コマンドを使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip hold-time eigrp as-number seconds

no ip hold-time eigrp as-number seconds

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

seconds

ホールド時間(秒単位)。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

EIGRP ホールド タイムは、低速の非ブロードキャスト マルチアクセス(NBMA)ネットワークで 180 秒で、その他のすべてのネットワークでは 15 秒です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

非常に混雑した大規模ネットワークでは、一部のルータおよびアクセス サーバが、デフォルト ホールド タイム内にネイバーから hello パケットを受信できない可能性があります。この場合、ホールド タイムを増やすこともできます。

ホールド タイムは、少なくとも hello 間隔の 3 倍にすることを推奨します。指定されたホールド時間内にルータが hello パケットを受信しなかった場合は、そのルータ経由のルートが使用できないと判断されます。

ホールド タイムを増やすと、ネットワーク全体のルート収束が遅くなります。

デフォルトの 180 秒のホールド タイムと 60 秒の hello インターバルは、低速の NBMA メディアだけに適用されます。低速とは、bandwidth インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで指定されているように、T1 以下のレートのことを指します。

次に、イーサネット インターフェイス 0 のホールド タイムを 40 秒に設定する例を示します。


Device(config)#interface ethernet 0
Device(config-if)#ip hold-time eigrp 109 40

ip load-sharing

インターフェイスで Cisco Express Forwarding のロードバランシングを有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip load-sharing コマンドを使用します。インターフェイスで Cisco Express Forwarding のロードバランシングを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip load-sharing { per-destination }

no ip load-sharing

構文の説明

per-destination

インターフェイスで Cisco Express Forwarding の宛先別ロード バランシングを有効にします。

コマンド デフォルト

宛先単位のロード バランシングは、シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにすると、デフォルトでイネーブルになります。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

宛先別ロードバランシングにより、デバイスは複数の等コストのパスを使用して負荷を分散させます。指定された送信元と宛先ホストのペアは、複数の等コストのパスを使用可能な場合であっても、同じパスを使用することが保証されています。異なる送信元と宛先ホストのペア宛てのトラフィックは、それぞれ異なるパスを通る傾向があります。

次の例は、宛先単位のロードバランシングをイネーブルにする方法を示しています。

Device> enable 
Device# configure terminal
Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1
Device(config-if)# ip load-sharing per-destination

ip network-broadcast

network-prefix-directed ブロードキャストパケットを受信して受け入れるには、デバイスのインターフェイスで ip network-broadcast コマンドを設定します。

ip network-broadcast

構文の説明

このコマンドには、引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Amsterdam 17.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

出力インターフェイスで ip directed-broadcast コマンドを設定する前に、入力インターフェイスで ip network-broadcast コマンドを設定します。これにより、ネットワークプレフィックス宛てのブロードキャストパケットが確実に受信され、受け入れられます。

ip network-broadcast コマンドはデフォルトでは無効になっています。このコマンドを設定しない場合、network-prefix-directed ブロードキャストパケットはサイレントに廃棄されます。

次に、ネットワークが入力で network-prefix-directed ブロードキャストパケットを受け入れ、出力インターフェイスでダイレクトブロードキャストから物理ブロードキャストへの変換を設定する方法の例を示しています。

Device# configure terminal
Device(config)#interface gigabitethernet 1/0/2
Device(config-if)#ip network-broadcast
Device(config-if)#exit
Device(config)#interface gigabitethernet 1/0/3
Device(config-if)#ip directed-broadcast
Device(config-if)#exit

ip ospf database-filter all out

Open Shortest Path First(OSPF)インターフェイスへの発信リンクステート アドバタイズメント(LSA)をフィルタ処理するには、インターフェイスまたは仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip ospf database-filter all out コマンドを使用します。インターフェイスに対する LSA の転送を元に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip ospf database-filter all out [disable]

no ip ospf database-filter all out

構文の説明

disable

(任意)OSPF インターフェイスへの発信 LSA のフィルタリングを無効にします。すべての発信 LSA がインターフェイスにフラッディングされます。

(注)  

 

このキーワードは、仮想ネットワーク インターフェイス モードでのみ使用できます。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。すべての発信 LSA がインターフェイスにフラッディングされます。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、neighbor database-filter コマンドがネイバーベースで実行する機能と同じ機能を実行します。

仮想ネットワークに対して ip ospf database-filter all out コマンドを有効にして無効にする場合は、仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション モードで disable キーワードを使用します。

次に、イーサネット インターフェイス 0 経由で到達可能なブロードキャスト、非ブロードキャスト、ポイントツーポイント ネットワークに OSPF LSA がフィルタリングされないようにする例を示します。


Device(config)#interface ethernet 0
Device(config-if)#ip ospf database-filter all out

ip ospf name-lookup

すべての OSPF show EXEC コマンド表示で使用するドメインネームシステム(DNS)名を検索するように Open Shortest Path First(OSPF)を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip ospf name-lookup コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip ospf name-lookup

noipospfname-lookup

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

このコマンドは、デフォルトでディセーブルになっています。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用するとルータがルータ ID やネイバー ID ではなく名前で表示されるため、ルータを識別しやすくなります。

次に、すべての OSPF show EXEC コマンドの表示で使用する DNS 名を検索するように OSPF を設定する例を示します。


Device(config)#ip ospf name-lookup

ip split-horizon eigrp

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)スプリットホライズンをイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip split-horizon eigrp コマンドを使用します。スプリットホライズンをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip split-horizon eigrp as-number

no ip split-horizon eigrp as-number

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

コマンド デフォルト

このコマンドの動作は、デフォルトでイネーブルです。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

仮想ネットワーク インターフェイス(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

設定で EIGRP スプリット ホライズンをディセーブルにするには、no ip split-horizon eigrp コマンドを使用します。

次の例に、EIGRP スプリット ホライズンを有効にする方法を示します。


Device(config-if)#ip split-horizon eigrp 101

ip summary-address eigrp

指定されたインターフェイスで Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)のアドレス集約を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーションまたは仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip summary-address eigrp コマンドを使用します。この設定を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip summary-address eigrp as-number ip-address mask [admin-distance] [leak-map name]

no ip summary-address eigrp as-number ip-address mask

構文の説明

as-number

自律システム(AS)番号。

ip-address

インターフェイスに適用されるサマリー IP アドレス。

mask

サブネット マスク。

admin-distance

(任意)アドミニストレーティブ ディスタンス。範囲は 0 ~ 255 です。

(注)  

 

Cisco IOS XE リリース 3.2S 以降、admin-distance 引数が削除されました。アドミニストレーティブ ディスタンスを設定するには、summary-metric コマンドを使用します。

leak-map name

(任意)サマリー経由でリークするルートを設定するために使用されるルートマップ参照を指定します。

コマンド デフォルト

  • EIGRP サマリー ルートには、アドミニストレーティブ ディスタンス 5 が適用されます。

  • EIGRP は、単一ホスト ルートに対しても、自動的にネットワーク レベルを集約します。

  • 事前設定されるサマリー アドレスはありません。

  • EIGRP のデフォルトのアドミニストレーティブ ディスタンス メトリックは 90 です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

仮想ネットワーク インターフェイス コンフィギュレーション(config-if-vnet)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

インターフェイスレベルのアドレス集約を設定するには、ip summary-address eigrp コマンドを使用します。EIGRP 集約ルートには、アドミニストレーティブ ディスタンス値 5 が割り当てられます。アドミニストレーティブ ディスタンス メトリックは、ルーティング テーブルにインストールすることなくサマリーをアドバタイズするために使用します。

デフォルトでは、EIGRP はサブネット ルートをネットワーク レベルに集約します。no auto-summary コマンドを入力して、サブネットレベルの集約を設定することができます。

アドミニストレーティブ ディスタンスが 255 に設定されている場合、サマリー アドレスはピアにアドバタイズされません。

リークするルートに対する EIGRP のサポート

キーワード leak-map を設定すると、マニュアルサマリーによって抑制されるコンポーネントルートをアドバタイズできるようになります。サマリーの任意のコンポーネント サブセットをリークできます。ルート マップおよびアクセス リストは、リークされたルートを特定するために定義する必要があります。

不完全な設定を入力した場合、次がデフォルトの動作になります。

  • 存在しないルートマップを参照するようにキーワード leak-map を設定する場合、このキーワードの設定は無効です。サマリー アドレスはアドバタイズされますが、すべてのコンポーネント ルートは抑制されます。

  • キーワード leak-map を設定していてもアクセスリストが存在しないかルートマップがアクセスリストを参照していない場合、サマリーアドレスおよびすべてのコンポーネントルートがアドバタイズされます。

仮想ネットワーク トランク インターフェイスを設定していて ip summary-address eigrp コマンドを設定している場合、アドミニストレーティブ ディスタンス オプションは仮想ネットワーク サブインターフェイス上の ip summary-address eigrp コマンドでサポートされていないため、コマンドの admin-distance 値はトランクインターフェイス上で実行されている仮想ネットワークによって継承されません。

次の例は、イーサネット インターフェイス 0/0 で 192.168.0.0/16 サマリー アドレスにアドミニストレーティブ ディスタンスを 95 に設定する方法を示しています。


Device(config)#router eigrp 1
Device(config-router)#no auto-summary
Device(config-router)#exit
Device(config)#interface Ethernet 0/0
Device(config-if)#ip summary-address eigrp 1 192.168.0.0 255.255.0.0 95

次に、10.2.2.0 サマリー アドレスを通じてリークされる 10.1.1.0/24 サブネットを設定する例を示します。


Device(config)#router eigrp 1 
Device(config-router)#exit 
Device(config)#access-list 1 permit 10.1.1.0 0.0.0.255
Device(config)#route-map LEAK-10-1-1 permit 10
Device(config-route-map)#match ip address 1
Device(config-route-map)#exit
Device(config)#interface Serial 0/0
Device(config-if)#ip summary-address eigrp 1 10.2.2.0 255.0.0.0 leak-map LEAK-10-1-1
Device(config-if)#end

次の例では、GigabitEthernet インターフェイス 0/0/0 を仮想ネットワーク トランク インターフェイスとして設定します。


Device(config)#interface gigabitethernet 0/0/0
Device(config-if)#vnet global
Device(config-if-vnet)#ip summary-address eigrp 1 10.3.3.0 255.0.0.0 33

ip route static bfd

スタティックルートの Bidirectional Forwarding Detection(BFD)ネイバーを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip route static bfd コマンドを使用します。スタティックルートの BFD ネイバーを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

ip route static bfd { interface-type interface-number ip-address | vrf vrf-name} [ group group-name] [passive] [unassociate]

no ip route static bfd { interface-type interface-number ip-address | vrf vrf-name} [ group group-name] [passive] [unassociate]

構文の説明

interface-type interface-number

インターフェイスのタイプと番号。

ip-address

A.B.C.D 形式のゲートウェイの IP アドレス。

vrf vrf-name

Virtual Routing and Forwarding(VRF)インスタンスと宛先の vrf 名を指定します。

group group-name

(任意)BFD グループを割り当てます。group-name は BFD グループ名を指定する最大 32 文字の文字列です。

unassociate

(任意)BFD に設定されたスタティック ルートの関連付けを解除します。

コマンド デフォルト

スタティック ルート BFD ネイバーは指定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

スタティック ルート BFD ネイバーを指定するには、ip route static bfd コマンドを使用します。設定に指定されている同一のインターフェイスとゲートウェイを保持するスタティック ルートはすべて、到達可能性通知を得るために同一の BFD セッションを共有します。

interface-type interface-number および ip-address 引数に同じ値が指定されているスタティック ルートはすべて、自動的に BFD を使用して、ゲートウェイの到達可能性を判別し、高速障害検出を利用します。

group キーワードは BFD グループを割り当てます。スタティック BFD 設定は、インターフェイスが関連付けられている VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスに追加されます。passive キーワードは、グループのパッシブメンバを指定します。passive キーワードなしでグループにスタティック BFD を追加すると、BFD がグループのアクティブメンバになります。グループの BFD セッションをトリガーするために、スタティック ルートをアクティブ BFD 設定によって追跡する必要があります。特定のグループのすべてのスタティック BFD 設定(アクティブとパッシブ)を削除するには、no ip route static bfd コマンドを使用して、BFD グループ名を指定します。

unassociate キーワードは、BFD ネイバーがスタティック ルートに関連付けられることなく、インターフェイスに BFD が設定されている場合に BFD セッションが要求されることを指定します。これは IPv4 スタティック ルートがない BFDv4 セッションを起動するために役立ちます。unassociate キーワードを指定しない場合は、IPv4 スタティック ルートが BFD セッションに関連付けられます。

BFD では、両方のエンドポイント デバイス BFD セッションが開始されている必要があります。そのため、このコマンドは各エンドポイント デバイスで設定する必要があります。

スイッチ仮想インターフェイス(SVI)の BFD スタティック セッションは、その SVI 上で無効だった bfd intervalmillisecondsmin_rxmillisecondsmultipliermultiplier-value コマンドが有効化された後にのみ確立されます。

スタティック BFD セッションを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. SVI で BFD タイマーを有効にします。

    bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

  2. スタティック IP ルートの BFD を有効にします。

    ip route static bfd interface-type interface-number ip-address

  3. SVI で BFD タイマーを無効にし、再度有効にします。

    no bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

    bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier multiplier-value

次に、指定したネイバー、グループおよびグループのアクティブメンバを介してすべてのスタティック ルートの BFD を設定する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ip route static bfd GigabitEthernet 1/0/1 10.1.1.1 group group1

次に、指定したネイバー、グループおよびグループのパッシブメンバを介してすべてのスタティック ルートの BFD を設定する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ip route static bfd GigabitEthernet 1/0/1 10.2.2.2 group group1 passive

次に、group および passive キーワードを指定せず、無関係なモードですべてのスタティック ルートの BFD を設定する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ip route static bfd GigabitEthernet 1/0/1 10.2.2.2 unassociate

ipv6 route static bfd

スタティックルートの Bidirectional Forwarding Detection for IPv6(BFDv6)ネイバーを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ipv6 route static bfd コマンドを使用します。スタティックルートの BFDv6 ネイバーを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

ipv6 route static bfd [ vrf vrf-name] interface-type interface-number ipv6-address [unassociated]

no ipv6 route static bfd

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)スタティック ルートを指定する必要がある Virtual Routing and Forwarding(VRF)インスタンスの名前。

interface-type interface-number

インターフェイスのタイプと番号。

ipv6-address

ネイバーの IPv6 アドレス。

unassociated

(任意)スタティック BFD ネイバーを関連付けられたモードから無関係なモードに移行します。

コマンド デフォルト

スタティック ルートの BFDv6 ネイバーは指定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

スタティック ルートのネイバーを指定するには、ipv6 route static bfd コマンドを使用します。設定に指定されている同一のインターフェイスとゲートウェイを保持するスタティック ルートはすべて、到達可能性通知を得るために同一の BFDv6 セッションを共有します。BFDv6 では、両方のエンドポイントのルータで BFDv6 セッションが開始されている必要があります。そのため、このコマンドは各エンドポイント ルータで設定する必要があります。IPv6 スタティック BFDv6 ネイバーは、インターフェイスとネイバー アドレスで完全に指定される必要があり、直接接続されている必要があります。

vrf vrf-name、interface-type interface-number および ipv6-address に同じ値が指定されているスタティック ルートはすべて、自動的に BFDv6 を使用して、ゲートウェイの到達可能性を判別し、高速障害検出を利用します。

次に、アドレスが 2001::1 のイーサネット インターフェイス 0/0 でネイバーを作成する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ipv6 route static bfd ethernet 0/0 2001::1

次に、ネイバーを無関係なモードに変換する例を示します。

Device#configuration terminal
Device(config)#ipv6 route static bfd ethernet 0/0 2001::1 unassociated

metric weights(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)メトリック計算を調整するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで metric weights コマンドを使用します。デフォルト値にリセットするには、このコマンドの no 形式を使用します。

Router Configuration

metric weights tos k1 k2 k3 k4 k5

no metric weights

アドレス ファミリ コンフィギュレーション

metric weights tos [k1 [k2 [k3 [k4 [k5 [k6] ]]]]]

no metric weights

構文の説明

tos

サービスのタイプ。この値は常にゼロである必要があります。

k1 k2 k3 k4 k5 k6

(任意)EIGRP メトリック ベクトルをスカラー量に変換する定数。有効な値は 0 ~ 255 です。デフォルト値は次のとおりです。

  • k1: 1

  • k2: 0

  • k3: 1

  • k4: 0

  • k5: 0

  • k6: 0

(注)  

 

アドレス ファミリコン フィギュレーション モードでは、値を指定しないと、デフォルト値が設定されます。k6 引数は、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでのみサポートされています。

コマンド デフォルト

EIGRP メトリック K 値がデフォルト値として設定されます。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドを使用すると、EIGRP ルーティングおよびメトリックの計算のデフォルト動作を変更して、特定のタイプ オブ サービス(ToS)の EIGRP メトリック計算の調整が可能になります。

k5 が 0 に等しい場合、次の計算式に従って複合 EIGRP メトリックが計算されます。

メトリック = [k1 * 帯域幅 + (k2 * 帯域幅)/(256 – 負荷) + k3 * 遅延 + K6 * 拡張メトリック]

k5 がゼロに等しくない場合、追加の計算が実行されます。

メトリック = メトリック * [k5/(信頼性 + k4)]

スケーリングされた帯域幅 = 107/最小インターフェイス帯域幅(キロビット/秒)* 256

遅延は、クラシック モードでは数十マイクロ秒、名前付きモードではピコ秒単位です。クラシック モードでは、16 進数の FFFFFFFF(10 進数 4294967295)の遅延は、ネットワークが到達不能であることを示します。名前付きモードでは、16 進数 FFFFFFFFFFFF(10 進数 281474976710655)の遅延は、ネットワークが到達不能であることを示します。

信頼性は 255 のフラクションとして指定されます。つまり、255 は 100% の信頼度または完全に安定したリンクであることを示します。

負荷は、255 のフラクションとして指定されます。負荷 255 は、完全に飽和状態のリンクを表します。

次に、メトリック ウェイトをデフォルトと少し異なる値に設定する例を示します。


Device(config)#router eigrp 109
Device(config-router)#network 192.168.0.0
Device(config-router)#metric weights 0 2 0 2 0 0

次に、アドレス ファミリ メトリック ウェイトを ToS:0、K1:2、K2:0、K3:2、K4:0、K5:0、K6:1 に設定する例を示します。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 4533
Device(config-router-af)#metric weights 0 2 0 2 0 0 1

neighbor description

説明をネイバーに関連付けるには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor description コマンドを使用します。説明を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

neighbor {ip-address | peer-group-name} description text

no neighbor {ip-address | peer-group-name} description [text]

構文の説明

ip-address

ネイバーの IP アドレス。

peer-group-name

EIGRP ピア グループ名。この引数は、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでは利用できません。

text

ネイバーを説明するテキスト(最大 80 文字)。

コマンド デフォルト

ネイバーの説明はありません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

次に、ネイバーに「peer with example.com」という説明を設定する例を示します。


Device(config)#router bgp 109
Device(config-router)#network 172.16.0.0
Device(config-router)#neighbor 172.16.2.3 description peer with example.com

次の例では、アドレス ファミリ ネイバーの説明を「address-family-peer」としています。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)#network 172.16.0.0
Device(config-router-af)#neighbor 172.16.2.3 description address-family-peer

network(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)ルーティングプロセスのネットワークを指定するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレスファミリ コンフィギュレーション モードで network コマンドを使用します。エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

network ip-address [wildcard-mask]

no network ip-address [wildcard-mask]

構文の説明

ip-address

直接接続されるネットワークの IP アドレス

wildcard-mask

(任意)EIGRP ワイルドカード ビット。ワイルドカード マスクは、サブネット マスクをビット単位で補完するサブネットワークを示します。

コマンド デフォルト

ネットワークは指定されていません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

EIGRP ルーティングプロセスに対して network コマンドが設定されると、ルータは 1 つ以上のローカルインターフェイスを一致させます。network コマンドは、network コマンドで設定されたアドレスと同じサブネット内にあるアドレスで構成されているローカルインターフェイスのみと一致します。次にルータが一致したインターフェイスを通じてネイバー関係を確立します。ルータに設定可能なネットワーク文((network コマンド)の数に制限はありません。

ネットワークをまとめてグループ化するためのショートカットとしてワイルドカード マスクを使用します。ワイルドカード マスクは、IP アドレスのネットワーク部分のすべてをゼロと一致させます。ワイルドカード マスクは、特定のホスト/IP アドレス、ネットワーク全体、サブネット、さらには IP アドレスの範囲を対象としています。

アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始する際、このコマンドは名前付き EIGRP IPv4 設定だけに適用されます。名前付き IPv6 および Service Advertisement Framework(SAF)設定では、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでこのコマンドをサポートしていません。

次に、EIGRP 自律システム 1 を設定し、ネットワーク 172.16.0.0 および 192.168.0.0 を通じてネイバーを確立する例を示します。


Device(config)#router eigrp 1
Device(config-router)#network 172.16.0.0
Device(config-router)#network 192.168.0.0
Device(config-router)#network 192.168.0.0 0.0.255.255

次に、EIGRP アドレス ファミリ自律システム 4453 を設定し、ネットワーク 172.16.0.0 および 192.168.0.0 を通じてネイバーを確立する例を示します。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)#network 172.16.0.0
Device(config-router-af)#network 192.168.0.0

nsf(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)の Cisco Nonstop Forwarding(NSF)動作をイネーブルにするには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレスファミリ コンフィギュレーション モードで nsf コマンドを使用します。EIGRP NSF をディセーブルにして EIGRP NSF 設定を running-config ファイルから削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

nsf

no nsf

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

EIGRP NSF はディセーブルです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

nsf コマンドは、NSF 対応ルータで EIGRP NSF サポートをイネーブルまたはディセーブルにするために使用します。NSF は、ハイ アベイラビリティをサポートするプラットフォームでのみサポートされています。

次の例は、NSF をディセーブルにする方法を示しています。


Device#configure terminal
Device(config)#router eigrp 101 
Device(config-router)#no nsf
Device(config-router)#end  

次に、EIGRP IPv6 NSF をイネーブルにする例を示します。


Device#configure terminal
Device(config)#router eigrp virtual-name-1
Device(config-router)#address-family ipv6 autonomous-system 10 
Device(config-router-af)#nsf 
Device(config-router-af)#end 

offset-list(EIGRP)

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)を介して学習されたルートに対する着信および発信メトリックにオフセットを追加するには、ルータ コンフィギュレーション モードまたはアドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで offset-list コマンドを使用します。オフセットリストを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

offset-list {access-list-number | access-list-name} {in | out} offset [interface-type interface-number]

no offset-list {access-list-number | access-list-name} {in | out} offset [interface-type interface-number]

構文の説明

access-list-number | access-list-name

標準アクセス リスト番号または適用される名前。アクセスリスト番号 0 は、すべてのネットワーク(ネットワーク、プレフィックス、またはルート)を示します。offset 値が 0 の場合、アクションは実行されません。

in

着信メトリックにアクセス リストが適用されます。

out

発信メトリックにアクセス リストが適用されます。

offset

アクセス リストと一致するネットワークのメトリックに提供されるプラスのオフセット。オフセットが 0 の場合、アクションは実行されません。

interface-type

(任意)オフセット リストが適用されるインターフェイス タイプ。

interface-number

(任意)オフセット リストが適用されるインターフェイス番号。

コマンド デフォルト

EIGRP を介して学習されたルートに対する着信および発信メトリックに、オフセット値が追加されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

コマンド履歴

表 4.

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

オフセット値がルーティング メトリックに追加されました。インターフェイス タイプおよびインターフェイス番号のあるオフセット リストは、拡張済みと見なされ、拡張されていないオフセット リストよりも優先されます。したがって、エントリで拡張オフセット リストと通常のオフセット リストが渡される場合、拡張オフセット リストのオフセットがメトリックに追加されます。

次の例では、ルータによって、アクセス リスト 21 に対してだけ 10 のオフセットがルータの遅延コンポーネントに適用されます。


Device(config-router)#offset-list 21 out 10

次の例では、ルータによって、イーサネット インターフェイス 0 から学習されたルートに対して 10 のオフセットが適用されます。


Device(config-router)#offset-list 21 in 10 ethernet 0

次の例では、ルータによって、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションのイーサネット インターフェイス 0 から学習されたルートに対して 10 のオフセットが適用されます。


Device(config)#router eigrp virtual-name
Device(config-router)#address-family ipv4 autonomous-system 1
Device(config-router-af)#topology base
Device(config-router-af-topology)#offset-list 21 in 10 ethernet0

redistribute(IP)

あるルーティングドメインから別のルーティングドメインにルートを再配布するには、該当するコンフィギュレーション モードで redistribute コマンドを使用します。(プロトコルに応じて)再配布のすべてまたは一部を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。プロトコル固有の動作の詳細については、「使用上のガイドライン」の項を参照してください。

redistribute protocol [process-id] {level-1 | level-1-2 | level-2} [autonomous-system-number] [metric {metric-value | transparent}] [metric-type type-value] [match {internal | external 1 | external 2}] [tag tag-value] [route-map map-tag] [subnets] [nssa-only]

no redistribute protocol [process-id] {level-1 | level-1-2 | level-2} [autonomous-system-number] [metric {metric-value | transparent}] [metric-type type-value] [match {internal | external 1 | external 2}] [tag tag-value] [route-map map-tag] [subnets] [nssa-only]

構文の説明

protocol

ルートの再配布元のプロトコルです。次のキーワードのいずれかになります。application bgp connected eigrp isis mobile ospf rip、または static [ip ]。

static [ip ] キーワードは、IP スタティックルートを再配布する場合に使用します。intermediate system-to-intermediate system(IS-IS)プロトコルに再配布する場合は、オプションの ip キーワードを使用します。

application キーワードは、あるルーティングドメインから別のルーティングドメインにアプリケーションを再配布するために使用されます。 IS-IS、OSPF、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Routing Information Protocol(RIP)など、さまざまなルーティングプロトコルに複数のアプリケーションを再配布できます。

connected キーワードは、インターフェイス上で IP アドレスを有効にすることによって自動的に確立されるルートを示します。Open Shortest Path First(OSPF)や IS-IS などのルーティングプロトコルの場合、これらのルートは自律システムに対して外部として再配布されます。

process-id

(任意)application キーワードの場合、これはアプリケーションの名前です。

bgp キーワードまたは eigrp キーワードの場合、これは 16 ビット 10 進数値である自律システム(AS)番号です。

isis キーワードの場合、これはルーティングプロセスのわかりやすい名前を定義する任意のタグ 値です。ルーティング プロセスの名前を作成することは、ルーティングを設定するときに名前を使用することを意味します。2 つのルーティングドメインにルータを設定し、この 2 つのドメイン間でルーティング情報を再配布できます。

ospf キーワードの場合、ルートの再配布元の該当する OSPF プロセス ID です。この値により、ルーティング プロセスを識別します。この値は 0 以外の 10 進数で指定します。

rip キーワードの場合、process-id の値は必要ありません。

application キーワードの場合、これはアプリケーションの名前です。

デフォルトでは、プロセス ID は定義されません。

level-1

IS-IS 用に、レベル 1 ルートが他の IP ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

level-1-2

IS-IS 用に、レベル 1 とレベル 2 の両方のルートが他の IP ルーティングプロトコルに再配布されることを指定します。

level-2

IS-IS 用に、レベル 2 ルートが他の IP ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

autonomous-system-number

(オプション)再配布ルートの自律システム番号です。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。

  • 4 バイト自律システム(AS)番号の形式として asdot 表記(1.0 ~ 65535.65535)のみがサポートされています。

自律システムの番号形式の詳細については、router bgp コマンドを参照してください。

metric metric-value

(オプション)同じルータ上の一方の OSPF プロセスから他方の OSPF プロセスに再配布する場合、メトリック値を指定しないと、メトリックは一方のプロセスから他方のプロセスへ存続します。他のプロセスを OSPF プロセスに再配布するときに、メトリック値を指定しない場合、デフォルトのメトリックは 20 です。デフォルト値は 0 です

metric transparent

(オプション)再配布ルートのルーティング テーブル メトリックを RIP メトリックとして使用します。

metric-type type value

(オプション)OSPF ルーティング ドメインにアドバタイズされるデフォルトのルートに関連付けられる外部リンク タイプを指定します。次の 2 つの値のいずれかにすることができます。

  • 1 :タイプ 1 外部ルート

  • 2 :タイプ 2 外部ルート

metric-type を指定しない場合、Cisco IOS ソフトウェアではタイプ 2 外部ルートが採用されます。

IS-IS の場合、次の 2 つの値のいずれかになります。

  • internal :63 以下の IS-IS メトリック。

  • external :64 以上、128 以下の IS-IS メトリック。

デフォルトは internal です。

match {internal | external1 | external2 }

(任意)OSPF ルートを他のルーティング ドメインに再配布する条件を指定します。次のいずれかを指定できます。

  • internal :特定の自律システムの内部ルート。

  • external 1 :自律システムの外部だが、OSPF にタイプ 1 外部ルートとしてインポートされるルート。

  • external 2 :自律システムの外部だが、OSPF にタイプ 2 外部ルートとしてインポートされるルート。

デフォルトは internal です。

tag tag-value

(オプション)各外部ルートに付加する 32 ビットの 10 進値を指定します。これは OSPF 自体には使用されません。自律システム境界ルータ(ASBR)間で情報を通信するために使用できます。何も指定しない場合、BGP および外部ゲートウェイプロトコル(EGP)からのルートにはリモート自律システム(AS)番号が使用され、その他のプロトコルには 0 が使用されます。

route-map

(オプション)この送信元ルーティング プロトコルから現在のルーティング プロトコルへのルートのインポートをフィルタリングするために照会するルート マップを指定します。指定しない場合は、すべてのルートが再配布されます。このキーワードを指定し、ルートマップタグを 1 つも指定しないと、いずれのルートもインポートされません。

map-tag

(オプション)設定されているルート マップの ID。

subnets

(オプション) OSPFへの再配布ルート。

(注)  

 

キーワードが設定されているかどうかに関係なく、サブネット機能はデフォルトでイネーブルになります。subnets この自動追加により、クラスレス OSPF ルートが再配布されます。

nssa-only

(オプション)OSPF に再配布されるすべてのルートに対する nssa-only 属性を設定します。

コマンド デフォルト

ルートの再配布はディセーブルです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)

アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-af)

アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

redistribute コマンドの no 形式の使用


注意    


redistribute コマンドに設定したオプションを削除するには、期待する結果が得られるように redistribute コマンドの no 形式を慎重に使用する必要があります。キーワードを変更または無効にしても、プロトコルによって他のキーワードの状態に影響する場合としない場合があります。


異なるプロトコルでは、redistribute コマンドの no 形式を異なる方法で導入することを理解することが重要です。

  • BGP、OSPF、RIP の設定では、no redistribute コマンドは、実行コンフィギュレーションの redistribute コマンドから、指定されたキーワードのみを削除します。これらでは、その他のプロトコルから再配布するときに、減算キーワードの方式を使用します。たとえば、BGP で no redistribute static route-map interior を設定する場合、ルートマップのみが再配布から除外され、redistribute static がフィルタなしでそのまま残ります。

  • no redistribute isis コマンドは、実行コンフィギュレーションから IS-IS 再配布を削除します。IS-IS は、IS-IS が再配布されているかどうかや、プロトコルを再配布しているかどうかに関係なく、コマンド全体を削除します。

  • EIGRP は、EIGRP コンポーネント バージョン rel5 の前は、減算キーワード方式を使用していました。EIGRP コンポーネントバージョン rel5 以降、no redistribute コマンドによって、他のプロトコルから再配布するときに redistribute コマンド全体が削除されます。

  • router eigrp コマンドを発行し、network サブコマンドを使用してプロセスのネットワークを指定すると、EIGRP ルーティングプロセスが設定されます。EIGRP ルーティングプロセスを設定しておらず、そのような EIGRP プロセスから BGP、OSPF、RIP へのルートの再配布を設定したとします。no redistribute eigrp コマンドを使用して redistribute eigrp コマンドのパラメータを変更するか無効にする場合、no redistribute eigrp コマンドは特定のパラメータの変更または無効化を行うのではなく redistribute eigrp コマンド全体を削除します。

redistribute コマンドのその他の使用上のガイドライン

内部メトリックが指定されたリンクステート プロトコルを受信するルータの場合、ルートのコストには、そのルータから再配布するルータまでのコストと宛先に達するまでのアドバタイズされたコストの合計が考慮されます。外部メトリックでは、宛先に達するまでのアドバタイズされたコストだけを考慮します。

IP ルーティングプロトコルから学習したルートは、レベル 1 またはレベル 2 で接続エリアに再配布できます。level-1-2 キーワードを使用すると、1 つのコマンドでレベル 1 とレベル 2 の両方のルートが許可されます。

再配布されるルーティング情報は、distribute-list out ルータ コンフィギュレーション コマンドでフィルタリングする必要があります。これにより、管理者が意図するルートだけが、受信側のルーティング プロトコルに転送されます。

ルータ コンフィギュレーション コマンドの redistribute または default-information を使用して OSPF ルーティングドメインにルートを再配布した場合、ルータは必ず自動的に ASBR になります。ただし、デフォルトでは、ASBR はデフォルト ルートを OSPF ルーティング ドメインに生成しません。

OSPF または BGP 以外のプロトコルから OSPF にルートを再配布するときは、metric-type キーワードと type-value 引数でメトリックが指定されていないと、OSPF ではデフォルトメトリックとして 20 が使用されます。BGP から OSPF にルートを再配布する場合は、デフォルト メトリックとして 1 が使用されます。OSPF プロセスから別の OSPF プロセスにルートを再配布する場合、自律システム(AS)の外部および Not-So-Stubby Area(NSSA)のルートではデフォルトメトリックとして 20 が使用されます。OSPF プロセス間でエリア内およびエリア間のルートを再配布する場合は、再配布元プロセスの内部 OSPF メトリックが再配布先プロセスの外部メトリックとしてアドバタイズされます(この場合にのみ、OSPF へのルートの再配布時にルーティング テーブルのメトリックが維持されます)。


(注)  


show ip ospf [topology-info ] コマンドは、subnets キーワードが設定されているかどうかに関係なく、subnets キーワードを表示します。これは、OSPFのサブネット機能がデフォルトでイネーブルになっているためです。

NSSA エリアの内部のルータでは、nssa-only キーワードを指定すると、生成されるタイプ 7 NSSA LSA の伝播(P)ビットがゼロに設定されます。これらの LSA については、エリア境界ルータでタイプ 5 外部 LSA に変換されません。NSSA エリアおよび標準エリアに接続されているエリア境界ルータでは、nssa-only キーワードを指定した場合、ルートが NSSA エリアにのみ再配布されます。

connected キーワードが設定されたルートでこの redistribute コマンドの影響を受けるのは、network ルータ コンフィギュレーション コマンドで指定されていないルートです。

default-metric コマンドでメトリックを指定しても、接続ルートのアドバタイズに使用するメトリックには影響しません。


(注)  


redistribute コマンドで指定された metric 値は、default-metric コマンドで指定された metric 値よりも優先されます。


内部ゲートウェイプロトコル(IGP)または外部ゲートウェイプロトコル(EGP)の BGP へのデフォルトの再配布は、default-information originate ルータ コンフィギュレーション コマンドが指定されない限り許可されません。

4 バイト自律システム番号のサポート

シスコが採用している 4 バイト自律システム番号は、自律システム番号の正規表現のマッチングおよび出力表示形式のデフォルトとして asplain(たとえば、65538)を使用していますが、RFC 5396 に記載されているとおり、4 バイト自律システム番号を asplain 形式および asdot 形式の両方で設定できます。4 バイト自律システム番号の正規表現マッチングと出力表示のデフォルトを asdot 形式に変更するには、bgp asnotation dot コマンドを使用します。

次に、OSPF ルートを BGP ドメインに再配布する例を示します。


Device(config)# router bgp 109
Device(config-router)# redistribute ospf

次に、EIGRP ルートを OSPF ドメインに再配布する例を示します。


Device(config)# router ospf 110
Device(config-router)# redistribute eigrp

次に、指定された EIGRP プロセスルートを OSPF ドメインに再配布する例を示します。EIGRP 派生メトリックは 100 に再マッピングされ、RIP ルートは 200 に再マッピングされます。


Device(config)# router ospf 109
Device(config-router)# redistribute eigrp 108 metric 100 subnets
Device(config-router)# redistribute rip metric 200 subnets

次に、BGP ルートを IS-IS に再配布する例を示します。リンクステートコストが 5 に指定され、メトリックタイプが外部に設定されます。外部というのは、内部メトリックより優先順位が低いことを示します。


Device(config)# router isis
Device(config-router)# redistribute bgp 120 metric 5 metric-type external

次に、OSPF ドメインにアプリケーションを再配布し、メトリック値 5 を指定する例を示します。


Device(config)# router ospf 4
Device(config-router)# redistribute application am metric 5

次に、ネットワーク 172.16.0.0 を OSPF 1 の外部 LSA として設定する例を示します。コストは 100 で維持されます。


Device(config)# interface ethernet 0
Device(config-if)# ip address 172.16.0.1 255.0.0.0
Device(config-if)# exit
Device(config)# ip ospf cost 100
Device(config)# interface ethernet 1
Device(config-if)# ip address 10.0.0.1 255.0.0.0
!
Device(config)# router ospf 1
Device(config-router)# network 10.0.0.0 0.255.255.255 area 0
Device(config-if)# exit
Device(config-router)# redistribute ospf 2 subnet
Device(config)# router ospf 2
Device(config-router)# network 172.16.0.0 0.255.255.255 area 0

次に、BGP ルートを OSPF に再配布し、asplain 形式のローカルの 4 バイト自律システム番号を割り当てる例を示します。


Device(config)# router ospf 2
Device(config-router)# redistribute bgp 65538

次に、構成で redistribute connected metric 1000 subnets コマンドから connected metric 1000 subnets オプションを削除して、redistribute connected コマンドをそのままにする例を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected metric 1000 subnets

次に、構成で redistribute connected metric 1000 subnets コマンドから metric 1000 オプションを削除して、 redistribute connected subnets コマンドをそのままにする例を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected metric 1000

次に、構成で redistribute connected metric 1000 subnets コマンドから subnets オプションを削除して、redistribute connected metric 1000 コマンドをそのままにする例を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected subnets

次に、redistribute connected コマンドと redistribute connected コマンドに設定されたすべてのオプションを構成から削除する方法を示します。


Device(config-router)# no redistribute connected

次に、EIGRP ルートが名前付き EIGRP 構成の EIGRP プロセスに再配布される例を示します。


Device(config)# router eigrp virtual-name
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 1
Device(config-router-af)# topology base
Device(config-router-af-topology)# redistribute eigrp 6473 metric 1 1 1 1 1

次に、EIGRP 構成で再配布を設定および無効化する例を示します。 EIGRP の場合、コマンドの no 形式は実行コンフィギュレーションから redistribute コマンドセット全体を削除することに注意してください。


Device(config)# router eigrp 1
Device(config-router)# network 0.0.0.0
Device(config-router)# redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# redistribute rip route-map x

Device(config)# router eigrp 1
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute rip route-map x
Device(config-router)# end

Device# show running-config | section router eigrp 1

router eigrp 1
 network 0.0.0.0

次に、OSPF 構成で再配布を設定または無効化する例を示します。コマンドの no 形式は、実行コンフィギュレーションの redistribute コマンドから指定されたキーワードのみを削除することに注意してください。

Device(config)# router ospf 1
Device(config-router)# network 0.0.0.0
Device(config-router)# redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# redistribute rip route-map x

Device(config)# router ospf 1
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute ospf 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute bgp 1 route-map x
Device(config-router)# no redistribute isis level-2 route-map x
Device(config-router)# no redistribute rip route-map x
Device(config-router)# end

Device# show running-config | section router ospf 1

router ospf 1
 redistribute eigrp 2
 redistribute ospf 1
 redistribute bgp 1
 redistribute rip 
 network 0.0.0.0 

次に、BGP の再配布からルートマップフィルタのみを削除する例を示します。再配布自体はフィルタなしで有効なままになります。

Device(config)# router bgp 65000
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 route-map x

次に、BGP への EIGRP 再配布を削除する例を示します。

Device(config)# router bgp 65000
Device(config-router)# no redistribute eigrp 2 

redistribute(IPv6)

あるルーティングドメインから別のルーティングドメインに IPv6 ルートを再配布するには、IPv6 アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで redistribute コマンドを使用します。再配布をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

redistribute protocol [process-id] [include-connected {level-1 | level-1-2 | level-2}] [as-number] [metric metric-value] {metric-type type-value} [nssa-only] [tagtag-value] [route-map map-tag]

no redistribute protocol [process-id] [include-connected {level-1 | level-1-2 | level-2}] [as-number] [metric metric-value] {metric-type type-value} [nssa-only] [tagtag-value] [route-map map-tag]

構文の説明

protocol

ルートの再配布元のプロトコルです。bgp connected eigrp isis lisp nd omp ospf (ospfv3)、rip 、または static のいずれかのキーワードを指定できます。

process-id

(オプション)bgp キーワードまたは eigrp キーワードの場合、プロセス ID は 16 ビットの 10 進数の自律システム番号です。

isis キーワードの場合、プロセス ID はルーティングプロセスのわかりやすい名前を定義する任意の値です。Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロセスはルータごとに 1 つだけ指定できます。ルーティング プロセスの名前を作成することは、ルーティングを設定するときに名前を使用することを意味します。

ospf キーワードの場合、プロセス ID は IPv6 の Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングプロセスをイネーブルにするときに管理目的で割り当てられた番号です。

rip キーワードの場合、プロセス ID は IPv6 Routing Information Protocol(RIP)ルーティングプロセスのわかりやすい名前を定義する任意の値です。

include-connected

(オプション)ソースプロトコルから学習したルートと、ソースプロトコルが動作しているインターフェイス上の接続先プレフィックスを、ターゲットプロトコルで再配布できるようにします。

level-1

IS-IS 用に、レベル 1 ルートが他の IPv6 ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

level-1-2

IS-IS 用に、レベル 1 とレベル 2 の両方のルートが他の IPv6 ルーティングプロトコルに再配布されることを指定します。

level-2

IS-IS 用に、レベル 2 ルートが他の IPv6 ルーティングプロトコルに個別に再配布されることを指定します。

as-number

(オプション)再配布ルートの自律システム番号です。

metric metric-value

(オプション)同じルータ上の一方の OSPF プロセスから他方の OSPF プロセスに再配布する場合、メトリック値を指定しないと、メトリックは一方のプロセスから他方のプロセスへ存続します。他のプロセスを OSPF プロセスに再配布するときに、メトリック値を指定しない場合、デフォルトのメトリックは 20 です。

metric-type type-value

(オプション)ルーティングドメインにアドバタイズされるデフォルトのルートに関連付けられる外部リンクタイプを指定します。次の 2 つの値のいずれかにすることができます。

  • 1 :タイプ 1 外部ルート

  • 2 :タイプ 2 外部ルート

metric-type キーワードに値が指定されていない場合、Cisco IOS ソフトウェアは、タイプ 2 外部ルートを受け入れます。

nssa-only

(オプション)再配布されるルートを Not-So-Stubby Area(NSSA)に制限します。

tag tag-value

(オプション)各外部ルートに付加する 32 ビットの 10 進値を指定します。これは OSPF 自体には使用されません。自律システム境界ルータ(ASBR)間で情報を通信するために使用できます。何も指定しない場合、BGP および外部ゲートウェイプロトコル(EGP)からのルートにはリモート自律システムの番号が使用され、その他のプロトコルには 0 が使用されます。

route-map

(オプション)この送信元ルーティングプロトコルから現在のルーティングプロトコルへのルートのインポートをフィルタリングするためにチェックするルートマップを指定します。route-map キーワードを指定しない場合、すべてのルートが再配布されます。このキーワードを指定し、ルート マップ タグが表示されていない場合、ルートはインポートされません。

map-tag

(オプション)設定されているルート マップの ID。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース 変更内容
Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

キーワードを変更またはディセーブルにしても、他のキーワードの状態には影響しません。

ルートの再配布が include-connected キーワードを指定して設定されている場合、それらは IS-IS で無視されます。インターフェイスにおいて IS-IS からプレフィックスがアドバタイズされるのは、インターフェイスで IS-IS が実行されている場合かインターフェイスがパッシブとして設定されている場合です。

IPv6 ルーティングプロトコルから学習されたルートは、レベル 1 では IPv6 IS-IS、レベル 2 では接続エリアに再配布されます。level-1-2 キーワードを使用すると、1 つのコマンドでレベル 1 とレベル 2 の両方のルートが許可されます。

IPv6 RIP の場合、redistribute コマンドを使用すると、スタティックルートが直接接続されたルートのようにアドバタイズされます。


(注)  


スタティックルートを直接接続されたルートとしてアドバタイズする場合、設定に誤りがあるとルーティングループが発生する可能性があります。


再配布された IPv6 RIP ルーティング情報は、ルータ コンフィギュレーション モードの distribute-list prefix-list コマンドで常にフィルタリングされます。distribute-list prefix-list コマンドを使用することにより、管理者が意図するルートだけが、受信側のルーティングプロトコルに転送されます。


(注)  


IPv6 RIP の redistribute コマンドで指定された metric 値は、default-metric コマンドを使用して指定された metric 値よりも優先されます。

IPv4 では、プロトコルを再配布する場合、プロトコルが実行されているインターフェイスのサブネットもデフォルトで再配布されます。IPv6 では、これはデフォルトの動作ではありません。IPv6 でプロトコルが実行されているインターフェイスのサブネットを再配布するには、include-connected キーワードを使用します。IPv6 では、送信元プロトコルが BGP の場合、この機能はサポートされません。


no redistribute コマンドを設定すると、クライアントプロトコルが IS-IS または EIGRP の場合にパラメータ設定が無視されます。

IS-IS のレベル 1 とレベル 2 を削除すると、IS-IS 再配布が完全に削除されます。IS-IS レベルの設定は redistribute コマンドを使用してのみ設定できます。

ルートタイプの値をすべて削除すると、デフォルトの再配布タイプが OSPFv3 に戻ります。

外部ルートが NSSA に再配布されたときに伝搬ビット(P ビット)をクリアするには、nssa-only キーワードを指定します。これにより、対応する NSSA 外部リンク ステート アドバタイズメント(LSA)が他のエリアに変換されなくなります。

次に、IPv6 BGP ルートを再配布するように IPv6 IS-IS を設定する例を示します。メトリックとして 5 を指定し、メトリックタイプを 1 に設定しています。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router isis
Device(config-router)# address-family ipv6
Device(config-router-af)# redistribute bgp 64500 metric 5 metric-type 1

次に、IPv6 BGP ルートを cisco という名前の IPv6 RIP ルーティングプロセスに再配布する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router rip cisco
Device(config-router)# redistribute bgp 42

次に、IS-IS for IPv6 ルートを OSPFv3 for IPv6 ルーティングプロセス 1 に再配布する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# address-family ipv6
Device(config-router-af)# redistribute isis 1 metric 32 metric-type 1 tag 85

redistribute maximum-prefix(OSPF)

Open Shortest Path First(OSPF)に再配布されるプレフィックスの数を制限したり、OSPF に再配布されたプレフィックスが最大数を超えたときに警告メッセージを生成したりするには、ルータ コンフィギュレーション モードで redistribute maximum-prefix コマンドを使用します。この値を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

redistribute maximum-prefix maximum [percentage] [warning-only]

no redistribute

構文の説明

maximum

OSPF に再配布できる IP または IPv6 プレフィックスの最大数を指定する 1 ~ 4294967295 の整数。

キーワード warning-only を設定すると、maximum 値でシステムが警告メッセージのログを記録するまでに OSPF に再配布できるプレフィックスの数が指定されます。再配布数に制限はありません。

OSPF に再配布できる IP または IPv6 プレフィックスの最大数、またはシステムが警告メッセージのログを記録するまでに OSPF に再配布できるプレフィックス数は、キーワード warning-only が指定されているかどうかで異なります。

引数 maximum のデフォルト値はありません。

warning-only キーワードも設定されている場合は、この値によって再配布が制限されることはありません。その場合は、再配布されるプレフィックスがこの値に達すると警告メッセージが記録される、契機となる数に過ぎません。

percentage

(任意)1 ~ 100 の整数で、警告メッセージが生成されるしきい値として % で指定します。

デフォルトは 75% です。

warning-only

(任意)引数 maximum で定義されたプレフィックス数を超えたときに警告メッセージのログが記録されるようにします。追加の再配布が防止されることはありません。

コマンド デフォルト

デフォルトは 75% です。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション(config-router)アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)

コマンド履歴

リリース 変更内容
Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)の OSPF への再配布などにより、大量の IP または IPv6 プレフィックスが OSPF に挿入されると、ネットワークが深刻なフラッディング状態になるおそれがあります。プレフィックスの再配布数を制限すると、この潜在的な問題を回避できます。

redistribute maximum-prefix コマンドを設定した場合は、プレフィックスの再配布数が設定の最大値に達したときに、それ以上のプレフィックスは再配布されません(warning-only キーワードが設定されている場合を除きます)。

次に、プレフィックスの再配布数が 600 の 85%(510 個のプレフィックス)に達した場合とルートの再配布数が 600 に達した場合にそれぞれ警告メッセージを記録するように設定する例を示します。ただし、再配布されるルート数は制限されません。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 11
Device(config-router)# address-family ipv6
Device(config-router-af)# redistribute eigrp 10 subnets
Device(config-router-af)# redistribute maximum-prefix 600 85 warning-only

次に、OSPFv3 プロセスに再配布できるプレフィックスの最大数を 10 に設定する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 10
Device(config-router)# address-family ipv6 unicast
Device(config-router-af)# redistribute maximum-prefix 10
Device(config-router-af)# redistribute connected

route-map

ルーティングプロトコル間でルートを再配布する条件を定義するか、ポリシールーティングをイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで route-map コマンドを使用します。エントリを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

route-map map-tag [permit | deny] [sequence-number] ordering-seq sequence-name

no route-map map-tag [permit | deny] [sequence-number] ordering-seq sequence-name

構文の説明

map-tag

ルートマップ名。

permit

(任意)ルートマップに一致するルートのみを転送または再配布できます。

deny

(任意)ルートマップに一致するルートの転送または再配布をブロックします。

sequence-number

(任意)すでに同じ名前で設定されているルート マップ リスト内の新しいルート マップの位置を指定する番号。

ordering-seq sequence-name

(任意)指定された文字列に基づいてルートマップを順序付けます。

コマンド デフォルト

ポリシールーティングが有効になっておらず、ルーティングプロトコル間でルートを再配布する条件が設定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

route-map コマンドを使用して、ルート マップ コンフィギュレーション モードを開始します。

ルートを再配布するか、またはパケットにポリシールーティングを適用するには、ルートマップを使用します。ここでは、これらの両方の目的について説明します。

再配布

あるルーティングプロトコルから別のルーティングプロトコルにルートを再配布する条件を定義するには、route-map グローバル コンフィギュレーション コマンドと、match および set route-map コンフィギュレーション コマンドを使用します各 route-map コマンドには、match および set コマンドのリストが関連付けられています。match コマンドは match criteria (現在の route-map コマンドで再配布が許可される条件)を指定します。set コマンドは、set actions match コマンドによって適用される基準が満たされた場合に実行される再配布アクション)を指定します。route-map コマンドが有効で、ユーザがアクションを指定しなかった場合、permit アクションがデフォルトで適用されます。no route-map コマンドは、ルートマップを削除します。

match ルート マップ コンフィギュレーション コマンドには、複数の形式があります。match コマンドはどのような順序でも実行できます。また、set コマンドで指定された set actions に従って、ルートが採譜されるようにすべての match コマンドが一致している必要があります。match コマンドの no 形式を使用すると、指定した一致基準が削除されます。

ルーティング プロセス間でルートを再配布する方法を詳細に制御する必要がある場合にルート マップを使用します。宛先ルーティング プロトコルは router グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して指定します。ソース ルーティング プロトコルは redistribute ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して指定します。ルートマップの設定方法の例については、例のセクションを参照してください。

ルートマップに従ってルートを通過する場合は、ルートマップに複数の要素を持たせることができます。route-map コマンドに関連した 1 つ以上の match 句に一致しないルートはすべて無視されます。つまり、アウトバウンドルートマップではルートはアドバタイズされず、インバウンドルートマップでは受け入れられません。一部のデータのみを変更する場合は、2 つ目のルートマップセクションに明示的に match を指定して設定します。

redistribute ルータ コンフィギュレーション コマンドでは、map-tag 引数で指定されたルートマップを参照します。複数のルート マップで同じマップ タグ名を共有できます。

このルートマップの一致基準が満たされた場合、permit キーワードが指定されていると、設定アクションに従ってルートが再配布されます。ポリシー ルーティングの場合、パケットはポリシーに従ってルーティングされます。一致基準が満たされなかった場合、permit キーワードが指定されていると、同じマップタグを持つ次のルートマップがテストされます。あるルートが、同じ名前を共有するルート マップ セットの一致基準のいずれをも満たさない場合、そのセットによる再配布は行われません。

ルートマップの一致基準が満たされている場合でも、deny キーワードが指定されているとルートは再配布されません。ポリシールーティングの場合、パケットはポリシーに従ってルーティングされません。また、同じマップタグ名を共有しているルートマップは検証されません。パケットがポリシー ルーティングの対象にならない場合、通常の転送アルゴリズムが使用されます。

ポリシー ルーティング

ルート マップには、ポリシー ルーティングをイネーブルにするというもう 1 つの用途があります。ポリシー ルーティング パケットの条件を定義するには、route-map コマンドに加えて、ip policy route-map または ipv6 policy route-map コマンド、match および set コマンドを使用します。match コマンドは、ポリシールーティングが行われる条件を指定します。set コマンドは、match コマンドによって適用される条件が満たされている場合に実行するルーティングアクションを指定します。明らかな最短パスとは異なる方法でルートパケットにポリシーを適用することを推奨します。

sequence-number 引数を使用した場合の動作は次のとおりです。

  • 提供されたタグでエントリが定義されていない場合、sequence-number 引数を 10 にしたエントリが作成されます。

  • 指定されているタグで定義されているエントリが 1 つのみの場合、そのエントリが route-map コマンドのデフォルトエントリになります。このエントリの sequence-number 引数は変わりません。

  • 指定されたタグによって複数のエントリが定義されている場合、sequence-number 引数が必要であることを伝えるエラーメッセージが表示されます。

no route-map map-tag コマンドが指定されると(sequence-number 引数なし)、ルートマップ全体が削除されます。

次に、ホップカウントが 1 の Routing Information Protocol(RIP)ルートを Open Shortest Path First(OSPF)に再配布する例を示します。これらのルートは、メトリックが 5、メトリックタイプが type1、タグが 1 の外部リンクステート アドバタイズメント(LSA)として OSPF に再配布されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router ospf 109
Device(config-router)# redistribute rip route-map rip-to-ospf
Device(config-router)# exit
Device(config)# route-map rip-to-ospf permit
Device(config-route-map)# match metric 1
Device(config-route-map)# set metric 5
Device(config-route-map)# set metric-type type1
Device(config-route-map)# set tag 1

次に、IPv6 の場合にホップカウントが 1 の RIP ルートを OSPF に再配布する例を示します。これらのルートは、タグが 42、メトリックタイプが type1 の外部 LSA として OSPF に再配布されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# ipv6 router ospf 1
Device(config-router)# redistribute rip one route-map rip-to-ospfv3
Device(config-router)# exit
Device(config)# route-map rip-to-ospfv3
Device(config-route-map)# match tag 42
Device(config-route-map)# set metric-type type1

次の、名前付きコンフィギュレーションの例では、ホップカウントが 1 の Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)アドレスを再配布する方法を示します。これらのアドレスは、メトリックが 5 、タグが 1 の外部アドレスとして EIGRP に再配布されます。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# router eigrp virtual-name1
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# topology base
Device(config-router-af-topology)# redistribute eigrp 6473 route-map virtual-name1-to-virtual-name2
Device(config-router-af-topology)# exit-address-topology
Device(config-router-af)# exit-address-family
Device(config-router)# router eigrp virtual-name2
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 6473
Device(config-router-af)# topology base
Device(config-router-af-topology)# exit-af-topology
Device(config-router-af)# exit-address-family
Device(config)# route-map virtual-name1-to-virtual-name2
Device(config-route-map)# match tag 42
Device(config-route-map)# set metric 5
Device(config-route-map)# set tag 1

router-id

固定ルータ ID を使用するには、ルータ コンフィギュレーション モードで router-id コマンドを使用します。Open Shortest Path First(OSPF)で以前の OSPF ルータ ID の動作を強制するには、このコマンドの no 形式を使用します。

router-id ip-address

no router-id ip-address

構文の説明

ip-address

IP アドレス形式でのルータ ID。

コマンド デフォルト

OSPF ルーティング プロセスは定義されません。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

IP アドレス形式で各ルータに任意の値を定義できます。ただし、それぞれ固有のルータ ID にする必要があります。

すでにアクティブになっている(ネイバーが存在する)OSPF ルータ プロセスでこのコマンドを使用すると、次回のリロード時または手動の OSPF プロセスの再起動時に、新しいルータ ID が使用されます。OSPF プロセスを手動で再起動するには、clear ip ospf コマンドを使用します。

次に、固定ルータ ID を指定する例を示します。


router-id 10.1.1.1

router eigrp

EIGRP ルーティングプロセスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで router eigrp コマンドを使用します。EIGRP ルーティングプロセスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

router eigrp {autonomous-system-number | virtual-instance-name}

no router eigrp {autonomous-system-number | virtual-instance-name}

構文の説明

autonomous-system-number

別の EIGRP アドレス ファミリ ルートに対するサービスを識別するための自律システム番号。ルーティング情報にタグを付加するためにも使用されます。有効範囲は 1 ~ 65535 です。

virtual-instance-name

EIGRP 仮想インスタンス名。この名前は、単一ルータ上のすべてのアドレス ファミリ ルータ プロセスで一意でなければいけませんが、ルータ間で一意である必要はありません。

コマンド デフォルト

EIGRP プロセスは設定されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

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変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

autonomous-system-number 引数を使用して router eigrp コマンドを設定すると、自律システム(AS)設定と呼ばれる EIGRP 設定が作成されます。EIGRP AS 設定により、ルーティング情報のタギングに使用できる EIGRP ルーティング インスタンスが作成されます。

引数 virtual-instance-name を指定して router eigrp コマンドを設定すると、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションと呼ばれる EIGRP 設定が作成されます。EIGRP 名前付きコンフィギュレーション自体は、EIGRP ルーティング インスタンスを作成しません。EIGRP 名前付きコンフィギュレーションは、ルーティングに使用される、アドレス ファミリ コンフィギュレーションを定義する際に必要なベース コンフィギュレーションです。

次に、EIGRP プロセス 109 を設定する例を示します。

Device(config)# router eigrp 109

次に、EIGRP アドレスファミリ ルーティング プロセスを設定し、これに virtual-name という名前を割り当てる例を示します。

Device(config)# router eigrp virtual-name

router ospfv3

Open Shortest Path First バージョン 3(OSPFv3)のルータ コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで router ospfv3 コマンドを使用します。

router ospfv3 [process-id]

構文の説明

process-id

(任意)内部 ID。ここで使用される番号は、OSPFv3 ルーティングプロセスをイネーブルにするときに管理目的で割り当てられた番号です。範囲は 1 ~ 65535 です。

コマンド デフォルト

OSPFv3 ルーティングプロセスはデフォルトではディセーブルになっています。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション(config)

コマンド履歴

リリース 変更内容
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使用上のガイドライン

router ospfv3 コマンドは、OSPFv3 ルータ コンフィギュレーション モードを開始するために使用します。このモードから、IPv6 または IPv4 のアドレスファミリ コンフィギュレーション モードを開始し、IPv6 または IPv4 アドレスファミリを設定できます。

次に、OSPFv3 ルータ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal 
Device(config)# router ospfv3 1
Device(config-router)# 

send-lifetime

キーチェーンの認証キーが送信できる期間を設定するには、send-lifetime コマンドをキー チェーン キー コンフィギュレーション モードで使用します。デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

send-lifetime [ local ] start-time { infinite | end-time | duration seconds }

no send-lifetime

構文の説明

local

ローカルタイムゾーンで時刻を指定します。

start-time

key コマンドで指定したキーが送信できる開始時刻です。構文は次のいずれかにすることができます。

hh : mm : ss month date year

hh : mm : ss date month year

  • hh :時間

  • mm :分

  • ss :秒

  • month :月の最初の 3 文字

  • date :日(1 ~ 31)

  • year :年(4 桁)

デフォルトの開始時刻で、指定できる最初の日付は 1993 年 1 月 1 日です。

infinite

キーは start-time 値以降、送信可能です。

end-time

キーは、start-time 値から end-time 値まで、送信可能です。シンタックスは、start-time 値と同じです end-time start-time 値の後である必要があります。デフォルトの終了時刻は無限の期間です。

duration seconds

キーが送信可能な時間の長さ(秒単位)指定できる範囲は 1 ~ 864000 です。

コマンド デフォルト

期限なし(開始時刻は 1993 年 1 月 1 日、終了時刻は無期限)

コマンド モード

キー チェーン キー コンフィギュレーション(config-keychain-key)

コマンド履歴

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変更内容

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使用上のガイドライン

start-time 値と、infinite end-time 、または duration seconds のいずれかの値を指定します。

キーにライフタイムを設定する場合は、Network Time Protocol(NTP)または時刻同期方式を実行することを推奨します。

最後のキーが期限切れになった場合、認証は続行されますが、エラー メッセージが生成されます。認証を無効にするには、手動で有効な最後のキーを削除する必要があります。

次の例では、chain1 という名前のキー チェーンが設定されます。Key1 という名前のキーは、午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで承認され、午後 2 時から午後 3 時まで送信されます。Key2 という名前のキーは、午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで承認され、午後 3 時から午後 4 時まで送信されます。この重複により、キーの移行またはルータの設定時間の不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
Device(config-if)# ip rip authentication key-chain chain1
Device(config-if)# ip rip authentication mode md5
Device(config-if)# exit
Device(config)# router rip
Device(config-router)# network 172.19.0.0
Device(config-router)# version 2
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain)# key-string key2
Device(config-keychain)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

次に、chain1 という名前のキーを EIGRP アドレスファミリに設定する例を示します。Key1 という名前のキーは、午後 1 時 30 分から午後 3 時 30 分まで承認され、午後 2 時から午後 3 時まで送信されます。Key2 という名前のキーは、午後 2 時 30 分から午後 4 時 30 分まで承認され、午後 3 時から午後 4 時まで送信されます。この重複により、キーの移行またはルータの設定時間の不一致に対処できます。時間の違いを処理するために、前後に 30 分間の余裕が設けられています。

Device(config)# router eigrp 10
Device(config-router)# address-family ipv4 autonomous-system 4453
Device(config-router-af)# network 10.0.0.0
Device(config-router-af)# af-interface ethernet0/0
Device(config-router-af-interface)# authentication key-chain trees
Device(config-router-af-interface)# authentication mode md5
Device(config-router-af-interface)# exit
Device(config-router-af)# exit
Device(config-router)# exit
Device(config)# key chain chain1
Device(config-keychain)# key 1
Device(config-keychain-key)# key-string key1
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 13:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 14:00:00 Jan 25 1996 duration 3600
Device(config-keychain-key)# exit
Device(config-keychain)# key 2
Device(config-keychain-key)# key-string key2
Device(config-keychain-key)# accept-lifetime 14:30:00 Jan 25 1996 duration 7200
Device(config-keychain-key)# send-lifetime 15:00:00 Jan 25 1996 duration 3600

show ip eigrp interfaces

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)用に設定されたインターフェイスに関する情報を表示するには、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで show ip eigrp interfaces コマンドを使用します。

show ip eigrp [vrf vrf-name ] [autonomous-system-number] interfaces [type number] [detail]

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)指定された仮想ルーティング/転送(VRF)インスタンスに関する情報を表示します。

autonomous-system-number

(任意)出力をフィルタリングする必要がある自律システム番号。

type

(任意)インターフェイスタイプ。詳細については、疑問符(?)オンライン ヘルプ機能を使用します。

number

(任意)インターフェイスまたはサブインターフェイスの番号です。ネットワーキング デバイスに対する番号付け構文の詳細については、疑問符(?)のオンライン ヘルプ機能を使用してください。

detail

(任意)特定の EIGRP プロセスの EIGRP インターフェイスに関する詳細情報を表示します。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

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変更内容

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このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

アクティブな EIGRP インターフェイスと EIGRP 固有のインターフェイス設定と統計情報を表示するには、show ip eigrp interfaces コマンドを使用します。オプションの type number 引数と detail キーワードは任意の順序で入力できます。

インターフェイスが指定される場合、そのインターフェイスに関する情報だけが表示されます。それ以外は、EIGRP が動作しているすべてのインターフェイスに関する情報が表示さます。

自律システムが指定された場合、指定された自律システムについてのルーティング プロセスのみが表示されます。指定されない場合、すべての EIGRP プロセスが表示されます。

このコマンドは、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム コンフィギュレーションに関する情報を表示するために使用できます。

このコマンドは、 show eigrp address-family interfaces コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family interfaces コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp interfaces コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp interfaces

EIGRP-IPv4 Interfaces for AS(60)
                    Xmit Queue    Mean   Pacing Time   Multicast   Pending
Interface   Peers   Un/Reliable   SRTT   Un/Reliable   Flow Timer  Routes
Di0           0         0/0          0      11/434          0          0
Et0           1         0/0        337       0/10           0          0
SE0:1.16      1         0/0         10       1/63         103          0
Tu0           1         0/0        330       0/16           0          0

次の show ip eigrp interfaces detail コマンドの出力例は、アクティブなすべての EIGRP インターフェイスに関する詳細情報を表示します。


Device#show ip eigrp interfaces detail

EIGRP-IPv4 Interfaces for AS(1)
                        Xmit Queue   PeerQ        Mean   Pacing Time   Multicast   Pending 
Interface        Peers  Un/Reliable  Un/Reliable  SRTT   Un/Reliable   Flow Timer   Routes
Et0/0              1        0/0       0/0         525       0/2         3264           0
Hello-interval is 5, Hold-time is 15
  Split-horizon is enabled
  Next xmit serial <none>
  Packetized sent/expedited: 3/0
  Hello's sent/expedited: 6/2
  Un/reliable mcasts: 0/6  Un/reliable ucasts: 7/4
  Mcast exceptions: 1  CR packets: 1  ACKs suppressed: 0
  Retransmissions sent: 1  Out-of-sequence rcvd: 0
  Topology-ids on interface - 0 
  Authentication mode is not set

次の show ip eigrp interfaces detail コマンドの出力例は、no-ecmp-mode オプションとともに no ip next-hop self コマンドが設定されている特定のインターフェイスに関する詳細情報を表示します。


Device#show ip eigrp interfaces detail tunnel 0

EIGRP-IPv4 Interfaces for AS(1)
                        Xmit Queue   PeerQ        Mean   Pacing Time   Multicast   Pending 
Interface        Peers  Un/Reliable  Un/Reliable  SRTT   Un/Reliable   Flow Timer   Routes
Tu0/0              2        0/0       0/0         		2       0/0         50           0
Hello-interval is 5, Hold-time is 15
  Split-horizon is disabled
  Next xmit serial <none>
  Packetized sent/expedited: 24/3
  Hello's sent/expedited: 28083/9
  Un/reliable mcasts: 0/19  Un/reliable ucasts: 18/64
  Mcast exceptions: 5  CR packets: 5  ACKs suppressed: 0
  Retransmissions sent: 52  Out-of-sequence rcvd: 2
		Next-hop-self disabled, next-hop info forwarded, ECMP mode Enabled
  Topology-ids on interface - 0 
  Authentication mode is not set

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 5. show ip eigrp interfaces フィールドの説明

フィールド

説明

Interface

EIGRP が設定されるインターフェイス。

Peers

直接接続された EIGRP ネイバーの数。

PeerQ Un/Reliable

インターフェイス上の特定のピアに送信するためにキューに入れられた信頼性の低いパケットと信頼性の高いパケットの数。

Xmit Queue Un/Reliable

信頼性の低い送信キューおよび信頼性の高い送信キューに残っているパケットの数。

Mean SRTT

平均スムーズ ラウンドトリップ時間(SRTT)間隔(秒単位)。

Pacing Time Un/Reliable

インターフェイスから EIGRP パケット(信頼性の低いパケットおよび信頼性の高いパケット)を送信するタイミングを決定するために使用されるペーシング時間(秒単位)。

Multicast Flow Timer

デバイスがマルチキャスト EIGRP パケットを送信する最大秒数。

Pending Routes

送信キュー内で送信を待機しているルートの数。

Packetized sent/expedited

インターフェイス上のネイバーにパケットを送信するために準備された EIGRP ルートの数、および複数のルートが 1 つのパケットに格納された回数。

Hello’s sent/expedited

インターフェイス上で送信された EIGRP hello パケットの数と、迅速化されたパケットの数。

show ip eigrp neighbors

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)によって検出されたネイバーを表示するには、特権 EXEC モードで show ip eigrp neighbors コマンドを使用します。

show ip eigrp [vrf vrf-name ] [autonomous-system-number] neighbors [static | detail] [interface-type interface-number]

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)指定された VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスに関する情報を表示します。

autonomous-system-number

(任意)自律システム番号固有の出力が表示されます。

static

(任意)スタティック ネイバーを表示します。

detail

(任意)詳細なネイバー情報を表示します。

interface-type interface-number

(任意)インターフェイス固有の出力が表示されます。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

show ip eigrp neighbors コマンドは、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム コンフィギュレーションに関する情報を表示するために使用できます。動的および静的ネイバー状態を表示するには、show ip eigrp neighbors コマンドを使用します。このコマンドを使用して、特定のタイプのトランスポート問題をデバッグすることもできます。

このコマンドは、 show eigrp address-family neighbors コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family neighbors コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp neighbors コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp neighbors

H   Address                 Interface       Hold Uptime   SRTT   RTO  Q  Seq
                                            (sec)         (ms)       Cnt Num
0   10.1.1.2                 Et0/0             13 00:00:03 1996  5000  0  5
2   10.1.1.9                 Et0/0             14 00:02:24 206   5000  0  5
1   10.1.2.3                 Et0/1             11 00:20:39 2202  5000  0  5

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 6. show ip eigrp neighbors フィールドの説明

フィールド

説明

Address

EIGRP ピアの IP アドレス

Interface

ルータがピアから hello パケットを受信するインターフェイス

Hold

ピアのダウンを宣言する前に、EIGRP がピアからのヒアリングを待機する時間(秒)。

Uptime

ローカル ルータが最初にこのネイバーからヒアリングしてからの経過時間(時:分:秒)。

SRTT

スムーズ ラウンドトリップ時間。これは、EIGRP パケットがこのネイバーに送信される際に必要な時間およびローカル ルータがそのパケットの確認応答を受信する際にかかる時間(ミリ秒単位)の数字です。

RTO

Retransmission Timeout(再送信のタイムアウト)(ミリ秒)。これは、再送信キューからネイバーへパケットを再送信するまでソフトウェアが待機する時間です。

Q Cnt

ソフトウェアが送信を待機する EIGRP パケット(アップデート、クエリー、応答)の数。

Seq Num

このネイバーから受信した最新アップデート、クエリー、または応答パケットのシーケンス番号。

次に、show ip eigrp neighbors detail コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp neighbors detail

EIGRP-IPv4 VR(foo) Address-Family Neighbors for AS(1)
H   Address                 Interface       Hold Uptime   SRTT   RTO  Q  Seq
                                            (sec)         (ms)       Cnt Num
0   192.168.10.1                 Gi2/0             12 00:00:21 1600  5000  0  3
   Static neighbor (Lisp Encap)
			Version 8.0/2.0, Retrans: 0, Retries: 0, Prefixes: 1
   Topology-ids from peer - 0 

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 7. show ip eigrp neighbors detail フィールドの説明

フィールド

説明

H

このカラムは、指定されたネイバーとの間で確立されたピアリング セッションの順番を示します。順番は、0 から始まる連続した番号で指定されます。

Address

EIGRP ピアの IP アドレス

Interface

ルータがピアから hello パケットを受信するインターフェイス

Hold

ピアのダウンを宣言する前に、EIGRP がピアからのヒアリングを待機する時間(秒)。

Lisp Encap

このネイバーからのルートが LISP によってカプセル化されたことを示します。

Uptime

ローカル ルータが最初にこのネイバーからヒアリングしてからの経過時間(時:分:秒)。

SRTT

スムーズ ラウンドトリップ時間。これは、EIGRP パケットがこのネイバーに送信される際に必要な時間およびローカル ルータがそのパケットの確認応答を受信する際にかかる時間(ミリ秒単位)の数字です。

RTO

Retransmission Timeout(再送信のタイムアウト)(ミリ秒)。これは、再送信キューからネイバーへパケットを再送信するまでソフトウェアが待機する時間です。

Q Cnt

ソフトウェアが送信を待機する EIGRP パケット(アップデート、クエリー、応答)の数。

Seq Num

このネイバーから受信した最新アップデート、クエリー、または応答パケットのシーケンス番号。

Version

指定されたピアが実行中のソフトウェア バージョン。

Retrans

パケットを再送信した回数。

[Retries]

パケットの再送を試行した回数。

show ip eigrp topology

Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)トポロジテーブルのエントリを表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip eigrp topology コマンドを使用します。

show ip eigrp topology [network [mask] | prefix | active | all-links | detail-links | frr | pending | secondary-paths | summary | zero-successors]

構文の説明

network

(任意)ネットワーク アドレス。

mask

(任意)ネットワーク マスク。

prefix

(任意)<network>/<length> 形式のネットワーク プレフィックス(例:192.168.0.0/16)。

active

(任意)アクティブ状態にあるすべてのトポロジ エントリを表示します。

all-links

(任意)(到達不能な後継ソースを含む)EIGRP トポロジ テーブル内の全エントリを表示します。

detail-links

(任意)追加詳細のあるすべてのトポロジ エントリを表示します。

frr

(任意)EIGRP トポロジテーブルに設定されているループフリー代替のリストを表示します。

pending

(任意)ネイバーからのアップデートを待機しているか、ネイバーへの応答を待機している、EIGRP トポロジ テーブル内のすべてのエントリを表示します。

secondary-paths

(任意)トポロジのセカンダリパスを表示します。

summary

(任意)EIGRP トポロジ テーブルの要約を表示します。

zero-successors

(任意)サクセサがゼロの使用可能なルートを表示します。

コマンド デフォルト

このコマンドがオプションのキーワードなしで使用される場合、フィージブル サクセサのあるトポロジ エントリだけが表示され、実行可能なパスだけが表示されます。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

Cisco IOS XE Amsterdam 17.3.1

frr キーワードが導入されました。

使用上のガイドライン

show ip eigrp topology コマンドを使用して、トポロジエントリ、実行可能なパス、実行不可能なパス、メトリック、および状態を表示します。このコマンドは、引数またはキーワードなしで使用して、フィージブル サクセサと実行可能なパスを持つトポロジ エントリのみを表示することができます。all-links キーワードは、実行可能かどうかにかかわらずすべてのパスを表示し、detail-links キーワードはこれらのパスに関する追加の詳細を表示します。

EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム コンフィギュレーションに関する情報を表示するには、このコマンドを使用します。このコマンドは、 show eigrp address-family topology コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family topology コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp topology コマンドの出力例を示します。

Device# show ip eigrp topology

EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(1)/ID(10.0.0.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - Reply status, s - sia status
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 409600
        via 192.0.2.1 (409600/128256), Ethernet0/0
P 192.16.1.0/24, 1 successors, FD is 409600
        via 192.0.2.1 (409600/128256), Ethernet0/0
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 281600
        via Summary (281600/0), Null0
P 10.0.1.0/24, 1 successors, FD is 281600
        via Connected, Ethernet0/0

次の show ip eigrp topology prefix コマンドの出力例は、単一のプレフィックスに関する詳細情報を表示します。表示されるプレフィックスは EIGRP 内部ルートです。

Device# show ip eigrp topology 10.0.0.0/8  
 
EIGRP-IPv4 VR(vr1) Topology Entry for AS(1)/ID(10.1.1.2) for 10.0.0.0/8
  State is Passive, Query origin flag is 1, 1 Successor(s), FD is 82329600, RIB is 643200
  Descriptor Blocks:
  10.1.1.1 (Ethernet2/0), from 10.1.1.1, Send flag is 0x0
      Composite metric is (82329600/163840), route is Internal
      Vector metric:
        Minimum bandwidth is 16000 Kbit
        Total delay is 631250000 picoseconds
        Reliability is 255/255
        Load is ½55
        Minimum MTU is 1500
        Hop count is 1
        Originating router is 10.1.1.1
								

次の show ip eigrp topology prefix コマンドの出力例は、単一のプレフィックスに関する詳細情報を表示します。表示されるプレフィックスは EIGRP 外部ルートです。

Device# show ip eigrp topology 192.16.1.0/24

EIGRP-IPv4 Topology Entry for AS(1)/ID(10.0.0.1) for 192.16.1.0/24
State is Passive, Query origin flag is 1, 1 Successor(s), FD is 409600, RIB is 643200
  Descriptor Blocks:
  172.16.1.0/24 (Ethernet0/0), from 10.0.1.2, Send flag is 0x0
      Composite metric is (409600/128256), route is External
      Vector metric:
        Minimum bandwidth is 10000 Kbit
        Total delay is 6000 picoseconds
        Reliability is 255/255
        Load is ½55
        Minimum MTU is 1500
        Hop count is 1
        Originating router is 192.16.1.0/24
								External data:
        AS number of route is 0
        External protocol is Connected, external metric is 0
        Administrator tag is 0 (0x00000000)

次の show ip eigrp topology prefix コマンドの出力例は、EIGRP トポロジで no-ecmp-mode キーワードを指定しないで no ip next-hop-self コマンドを設定した場合の等コストマルチパス(ECMP)モード情報を表示します。ECMP モードは、アドバタイズされているパスに関する情報を提供します。複数のサクセサが存在する場合、一番上のパスがすべてのインターフェイス上のデフォル トパスとしてアドバタイズされ、出力に「ECMP Mode: Advertise by default」と表示されます。デフォルト パス以外のパスがアドバタイズされる場合は、「ECMP Mode: Advertise out <Interface name>」と表示されます。

トポロジ テーブルには、特定のプレフィックスのルート エントリが表示されます。ルートは、メトリック、ネクストホップ、およびインフォソースに基づいてソートされます。Dynamic Multipoint VPN(DMVPN)シナリオでは、同じメトリックとネクストホップを持つルートがインフォソースに基づいてソートされます。ECMP のトップ ルートは常にアドバタイズされます。

Device# show ip eigrp topology 192.168.10.0/24

EIGRP-IPv4 Topology Entry for AS(1)/ID(10.10.100.100) for 192.168.10.0/24
State is Passive, Query origin flag is 1, 2 Successor(s), FD is 284160
  Descriptor Blocks:
  10.100.1.0 (Tunnel0), from 10.100.0.1, Send flag is 0x0
      Composite metric is (284160/281600), route is Internal
      Vector metric:
        Minimum bandwidth is 10000 Kbit
        Total delay is 1100 microseconds
        Reliability is 255/255
        Load is ½55
        Minimum MTU is 1400
        Hop count is 1
        Originating router is 10.10.1.1
								ECMP Mode: Advertise by default
        10.100.0.2 (Tunnel1), from 10.100.0.2, Send flag is 0X0
								Composite metric is (284160/281600), route is Internal
								Vector metric:
								Minimum bandwidth is 10000 Kbit
								Total delay is 1100 microseconds
								Reliability is 255/255
								Load is ½55
								Minimum MTU is 1400
								Hop count is 1
								Originating router is 10.10.2.2
								ECMP Mode: Advertise out Tunnel1

次の show ip eigrp topology all-links コマンドの出力例は、実行可能でないものを含むすべてのパスを表示します。

Device# show ip eigrp topology all-links

EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(1)/ID(10.0.0.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 
P 172.16.1.0/24, 1 successors, FD is 409600, serno 14
        via 10.10.1.2 (409600/128256), Ethernet0/0
        via 10.1.4.3 (2586111744/2585599744), Serial3/0, serno 18

次の show ip eigrp topology detail-links コマンドの出力例は、ルートに関する追加の詳細情報を表示します。

Device# show ip eigrp topology detail-links 

EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(1)/ID(10.0.0.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 409600, serno 6
        via 10.10.1.2 (409600/128256), Ethernet0/0
P 172.16.1.0/24, 1 successors, FD is 409600, serno 14
        via 10.10.1.2 (409600/128256), Ethernet0/0
P 10.0.0.0/8, 1 successors, FD is 281600, serno 3
        via Summary (281600/0), Null0
P 10.1.1.0/24, 1 successors, FD is 281600, serno 1
        via Connected, Ethernet0/0

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 8. show ip eigrp topology フィールドの説明

フィールド

説明

Codes

このトポロジ テーブル エントリの状態。Passive および Active は、宛先に関する EIGRP 状態を参照します。Update、Query、および Reply は、送信されているパケットのタイプを参照します。

  • P - Passive:このルートに対して EIGRP 計算が実行されていないことを示します。

  • A - Active:このルートに対して EIGRP 計算が実行されていることを示します。

  • U - Update:このルートに対して保留アップデートパケットが送信を待機していることを示します。

  • Q - Query:このルートに対して保留クエリーパケットが送信を待機していることを示します。

  • R - Reply:このルートに対して保留応答パケットが送信を待機していることを示します。

  • r - Reply status:EIGRP がこのルートに対してクエリーを送信し、指定されたパスからの応答を待機しています。

  • s - sia status:EIGRP クエリーパケットが stuck-in-active(SIA)ステータスであることを示します。

successors

サクセサの数。この数値は、IP ルーティング テーブル内のネクストホップの数に対応します。successors が大文字で表示される場合、ルートまたはネクストホップは遷移状態です。

serno

シリアル番号。

FD

フィジブル ディスタンス。フィージブル ディスタンスは、宛先に到達するための最適なメトリックか、ルートがアクティブになったときに認識された最適なメトリックです。この値はフィジビリティ条件チェックに使用されます。レポートされたデバイスのディスタンスがフィージブル ディスタンス未満の場合、フィージビリティ コンディションが満たされて、そのルートはフィージブル サクセサになります。ソフトウェアは、パスをフィージブル サクセサだと判断した後は、その宛先にクエリーを送信する必要はありません。

via

パッシブ ルートをアドバタイズするネクストホップ アドレス。

show ip eigrp traffic

送受信した Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)パケット数を表示するには、特権 EXEC モードで show ip eigrp traffic コマンドを使用します。

show ip eigrp [vrf {vrf-name | *}] [autonomous-system-number] traffic

構文の説明

vrf vrf-name

(任意)指定された VRF に関する情報を表示します。

vrf *

(任意)すべての VRF に関する情報を表示します。

autonomous-system-number

(任意)自律システム番号。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、EIGRP 名前付きコンフィギュレーションおよび EIGRP 自律システム(AS)コンフィギュレーションに関する情報を表示するために使用できます。

このコマンドは、 show eigrp address-family traffic コマンドと同じ情報を表示します。シスコでは、show eigrp address-family traffic コマンドを使用することを推奨しています。

次に、show ip eigrp traffic コマンドの出力例を示します。


Device#show ip eigrp traffic
EIGRP-IPv4 Traffic Statistics for AS(60)
Hellos sent/received: 21429/2809
Updates sent/received: 22/17
Queries sent/received: 0/0
Replies sent/received: 0/0
Acks sent/received: 16/13
SIA-Queries sent/received: 0/0
SIA-Replies sent/received: 0/0
Hello Process ID: 204
PDM Process ID: 203
Socket Queue: 0/2000/2/0 (current/max/highest/drops)
Input Queue: 0/2000/2/0 (current/max/highest/drops)

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 9. show ip eigrp traffic フィールドの説明

フィールド

説明

Hellos sent/received

送受信された hello パケットの数

Updates sent/received

送受信されたアップデート パケットの数

Queries sent/received

送受信されたクエリー パケットの数

Replies sent/received

送受信された応答パケットの数

Acks sent/received

送受信される確認応答パケットの数

SIA-Queries sent/received

送受信される Stuck in Active クエリー パケット数

SIA-Replies sent/received

送受信される Stuck in Active 応答パケットのスタック数

Hello Process ID

hello プロセス ID

PDM Process ID

プロトコル依存モジュール IOS プロセス ID

Socket Queue

IP から EIGRP hello プロセスへのソケット キュー カウンタ

Input queue

EIGRP hello プロセスから EIGRP PDM へのソケット キュー カウンタ

show ip ospf

Open Shortest Path First(OSPF)ルーティングプロセスに関する一般情報を表示するには、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで showipospf コマンドを使用します。

show ip ospf [process-id]

構文の説明

process-id

(任意)プロセス ID。この引数を指定すると、指定されたルーティング プロセスの情報だけが追加されます。

コマンド モード

ユーザ EXEC、特権 EXEC

コマンド履歴

メインライン リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

次に、特定の OSPF プロセス ID を指定しないで入力されたときの、showipospf コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf
 
  Routing Process "ospf 201" with ID 10.0.0.1 and Domain ID 10.20.0.1 
  Supports only single TOS(TOS0) routes 
  Supports opaque LSA 
  SPF schedule delay 5 secs, Hold time between two SPFs 10 secs 
  Minimum LSA interval 5 secs. Minimum LSA arrival 1 secs 
  LSA group pacing timer 100 secs 
  Interface flood pacing timer 55 msecs 
  Retransmission pacing timer 100 msecs 
  Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0      
  Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0      
  Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0 
  Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0 
  Number of areas in this router is 2. 2 normal 0 stub 0 nssa 
  External flood list length 0 
     Area BACKBONE(0) 
         Number of interfaces in this area is 2 
         Area has message digest authentication 
         SPF algorithm executed 4 times 
         Area ranges are 
         Number of LSA 4. Checksum Sum 0x29BEB  
         Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0      
         Number of DCbitless LSA 3 
         Number of indication LSA 0 
         Number of DoNotAge LSA 0 
         Flood list length 0 
     Area 172.16.26.0 
         Number of interfaces in this area is 0 
         Area has no authentication 
         SPF algorithm executed 1 times 
         Area ranges are 
            192.168.0.0/16 Passive Advertise  
         Number of LSA 1. Checksum Sum 0x44FD   
         Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0      
         Number of DCbitless LSA 1 
         Number of indication LSA 1 
         Number of DoNotAge LSA 0 
         Flood list length 0

次に、BFD 機能が OSPF プロセス 123 でイネーブルされているかどうか確認する showipospf コマンドの出力例を示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。


Device#show ip ospf
 
 Routing Process "ospf 123" with ID 172.16.10.1
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Minimum LSA interval 5 secs
 Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x000000
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x000000
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0
   BFD is enabled
    Area BACKBONE(0)
        Number of interfaces in this area is 2
        Area has no authentication
        SPF algorithm last executed 00:00:03.708 ago
        SPF algorithm executed 27 times
        Area ranges are
        Number of LSA 3. Checksum Sum 0x00AEF1
        Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x000000
        Number of DCbitless LSA 0
        Number of indication LSA 0
        Number of DoNotAge LSA 0
        Flood list length 0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 10. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Routing process “ospf 201” with ID 10.0.0.1

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports...

サポートされるサービス タイプの数(タイプ 0 のみ)

SPF schedule delay

SPF 計算の遅延時間(秒単位)。

Minimum LSA interval

リンクステート アドバタイズメント間の最小間隔(秒単位)。

LSA group pacing timer

設定されている LSA グループ ペーシング タイマー(秒単位)。

Interface flood pacing timer

設定されている LSA フラッド ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Retransmission pacing timer

設定されている LSA 再送信ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Number of external LSA

外部リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of opaque AS LSA

不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DCbitless external and opaque AS LSA

デマンド回線外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DoNotAge external and opaque AS LSA

do not age 外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of areas in this router is

ルータに設定されているエリアの数。

External flood list length

外部フラッド リストの長さ。

BFD is enabled

BFD が OSPF プロセスでイネーブルにされています。

次に、Type-5 LSA 機能の OSPF Forwarding Address Suppression が設定されている場合の showipospf コマンドの出力からの抜粋を示します。


Device#show ip ospf
.
.
.
Area 2
   Number of interfaces in this area is 4
   It is a NSSA area
   Perform type-7/type-5 LSA translation, suppress forwarding address
.
.
.
Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.1
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Minimum LSA interval 5 secs
 Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 0. 0 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 11. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Area

OSPF エリアおよびタグ。

Number of interfaces...

エリアで設定されているインターフェイスの数。

It is...

指定できるタイプは、内部、エリア境界、または自律システム境界です。

Routing process “ospf 1” with ID 192.168.0.1

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports...

サポートされるサービス タイプの数(タイプ 0 のみ)

Initial SPF schedule delay

起動時の SPF 計算の遅延時間。

Minimum hold time

連続する SPF 計算間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。

Maximum wait time

連続する SPF 計算間の最大ホールド時間(ミリ秒単位)。

Incremental-SPF

増分 SPF 計算のステータス。

Minimum LSA...

リンクステート アドバタイズメント間の最小間隔(秒単位)、およびリンクステート アドバタイズメント間の最小到着時間(ミリ秒単位)。

LSA group pacing timer

設定されている LSA グループ ペーシング タイマー(秒単位)。

Interface flood pacing timer

設定されている LSA フラッド ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Retransmission pacing timer

設定されている LSA 再送信ペーシング タイマー(ミリ秒単位)。

Number of...

受信した LSA の数およびタイプ

Number of external LSA

外部リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of opaque AS LSA

不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DCbitless external and opaque AS LSA

デマンド回線外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of DoNotAge external and opaque AS LSA

do not age 外部および不透明リンクステート アドバタイズメントの数。

Number of areas in this router is

タイプ別にリストされたルータに設定されているエリアの数。

External flood list length

外部フラッド リストの長さ。

次に、showipospf コマンドの出力例を示します。この例では、ユーザが、redistributionmaximum-prefix コマンドを使用して再配布ルートの制限を 2000 に設定しています。SPF スロットリングは timersthrottlespf コマンドを使用して設定されました。


Device#show ip ospf 1
 Routing Process "ospf 1" with ID 10.0.0.1
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 It is an autonomous system boundary router
 Redistributing External Routes from,
    static, includes subnets in redistribution
    Maximum limit of redistributed prefixes 2000
    Threshold for warning message 75%
Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 12. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Routing process “ospf 1” with ID 10.0.0.1

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports ...

サポートされているサービスのタイプの数。

It is ...

指定できるタイプは、内部、エリア境界、または自律システム境界ルータです。

Redistributing External Routes from

再配布されたルートのプロトコル別リスト。

Maximum limit of redistributed prefixes

再配布ルートの数の制限を指定するために redistributionmaximum-prefix コマンドに設定されている値。

Threshold for warning message

redistributionmaximum-prefix コマンドで設定された、警告メッセージを表示するために必要な再配布ルートのしきい値の割合。デフォルトは、最大値の 75% です。

Initial SPF schedule delay

SPF スロットリングの初期 SPF スケジュールまでの遅延(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Minimum hold time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Maximum wait time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最大ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Number of areas

ルータのエリアの数、エリアアドレスなど。

次に、showipospf コマンドの出力例を示します。この例では、ユーザが、LSA スロットリングを設定しています。これらの出力行は太字で示されます。


Device#show ip ospf 1
Routing Process "ospf 4" with ID 10.10.24.4
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Initial LSA throttle delay 100 msecs
 Minimum hold time for LSA throttle 10000 msecs
 
Maximum wait time for LSA throttle 45000 msecs
Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0
    Area 24
        Number of interfaces in this area is 2
        Area has no authentication
        SPF algorithm last executed 04:28:18.396 ago
        SPF algorithm executed 8 times
        Area ranges are
        Number of LSA 4. Checksum Sum 0x23EB9 
        Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0     
        Number of DCbitless LSA 0
        Number of indication LSA 0
        Number of DoNotAge LSA 0
        Flood list length 0

次に、showipospf コマンドの例を示します。この例では、ユーザが、redistributionmaximum-prefix コマンドを使用して再配布ルートの制限を 2000 に設定しています。SPF スロットリングは timersthrottlespf コマンドを使用して設定されました。


Device#show ip ospf 1
 Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.0
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 It is an autonomous system boundary router
 Redistributing External Routes from,
    static, includes subnets in redistribution
    Maximum limit of redistributed prefixes 2000
    Threshold for warning message 75%
Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 13. show ip ospf フィールドの説明

フィールド

説明

Routing process “ospf 1” with ID 192.168.0.0

プロセス ID および OSPF ルータ ID。

Supports ...

サポートされている TOS の数。

It is ...

指定できるタイプは、内部、エリア ボーダーまたは自律システム境界ルータです。

Redistributing External Routes from

再配布されたルートのプロトコル別リスト。

Maximum limit of redistributed prefixes

再配布ルートの数の制限を指定するために redistributionmaximum-prefix コマンドに設定されている値。

Threshold for warning message

redistributionmaximum-prefix コマンドで設定された、警告メッセージを表示するために必要な再配布ルートのしきい値の割合。デフォルトは、最大値の 75% です。

Initial SPF schedule delay

SPF スロットリングの初期 SPF スケジュールまでの遅延(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Minimum hold time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Maximum wait time between two consecutive SPFs

SPF スロットリングの 2 つの連続する SPF 計算間の最大ホールド時間(ミリ秒単位)。timersthrottlespf コマンドを使用して設定されます。

Number of areas

ルータのエリアの数、エリアアドレスなど。

次に、showipospf コマンドの出力例を示します。この例では、ユーザが、LSA スロットリングを設定しています。これらの出力行は太字で示されます。


Device#show ip ospf 1
Routing Process "ospf 4" with ID 10.10.24.4
 Supports only single TOS(TOS0) routes
 Supports opaque LSA
 Supports Link-local Signaling (LLS)
 Initial SPF schedule delay 5000 msecs
 Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
 Incremental-SPF disabled
 Initial LSA throttle delay 100 msecs
 Minimum hold time for LSA throttle 10000 msecs
 Maximum wait time for LSA throttle 45000 msecs
Minimum LSA arrival 1000 msecs
 LSA group pacing timer 240 secs
 Interface flood pacing timer 33 msecs
 Retransmission pacing timer 66 msecs
 Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0     
 Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
 Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
 Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
 External flood list length 0
    Area 24
        Number of interfaces in this area is 2
        Area has no authentication
        SPF algorithm last executed 04:28:18.396 ago
        SPF algorithm executed 8 times
        Area ranges are
        Number of LSA 4. Checksum Sum 0x23EB9 
        Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0     
        Number of DCbitless LSA 0
        Number of indication LSA 0
        Number of DoNotAge LSA 0
        Flood list length 0

show ip ospf border-routers

エリア境界ルータ(ABR)および自律システム境界ルータ(ASBR)に対する内部 Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング テーブル エントリを表示するには、特権 EXEC モードで showipospfborder-routers コマンドを使用します。

show ip ospf border-routers

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド モード

特権 EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

次に、showipospfborder-routers コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf border-routers
OSPF Process 109 internal Routing Table
Codes:  i - Intra-area route, I - Inter-area route
i 192.168.97.53   [10] via 172.16.1.53,   Serial0, ABR,  Area 0.0.0.3, SPF 3
i 192.168.103.51  [10] via 192.168.96.51, Serial0, ABR,  Area 0.0.0.3, SPF 3
I 192.168.103.52  [22] via 192.168.96.51, Serial0, ASBR, Area 0.0.0.3, SPF 3
I 192.168.103.52  [22] via 172.16.1.53,   Serial0, ASBR, Area 0.0.0.3, SPF 3

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 14. show ip ospf border-routers フィールドの説明

フィールド

説明

192.168.97.53

宛先のルータ ID

[10]

このルートを使用するコスト

via 172.16.1.53

宛先に対するネクスト ホップ

Serial0

発信インターフェイスのインターフェイス タイプ

ABR

宛先のルータ タイプ。ABR、ASBR またはこれら両方のいずれかです。

Area

このルートが学習されるエリアのエリア ID。

SPF 3

このルートをインストールする Shortest Path First(SPF)計算の内部番号。

show ip ospf database

特定のルータの Open Shortest Path First(OSPF)データベースに関連する情報リストを表示するには、EXEC モードで show ipospfdatabase コマンドを使用します。

show ip ospf [process-id area-id] database

show ip ospf [process-id area-id] database [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [asbr-summary] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [asbr-summary] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [asbr-summary] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [database-summary]

show ip ospf [process-id] database [external] [link-state-id]

show ip ospf [process-id] database [external] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [external] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [network] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [network] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [network] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [nssa-external] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [nssa-external] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [nssa-external] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [router] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [router] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [router] [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [self-originate] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [summary] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database [summary] [link-state-id] [adv-router [ip-address] ]

show ip ospf [process-id area-id] database [summary] [link-state-id] [self-originate] [link-state-id]

構文の説明

process-id

(任意)内部 ID。ローカルで割り当てられ、任意の正の整数を使用できます。ここで使用される数は、OSPF ルーティングプロセスをイネーブルにするときに管理目的で割り当てられた数です。

area-id

(任意)特定のエリアを定義するために使用する network ルータ コンフィギュレーション コマンドで定義された OSPF アドレス範囲に関連付けられるエリア番号。

adv-router [ip-address

(任意)指定ルータのすべての LSA を表示します。IP アドレスを指定しない場合、ローカルルータ自体の情報が表示されます(これは self-originate の場合と同じです)。

link-state-id

(任意)アドバタイズメントによって説明されるインターネット環境の部分。入力値は、アドバタイズメントの LS タイプにより異なります。IP アドレス形式で入力する必要があります。

リンクステート アドバタイズメントがネットワークを示す場合、link-state-id では、次のいずれかの形式を使用できます。

ネットワークの IP アドレス(タイプ 3 サマリー リンク アドバタイズメントおよび自律システム外部リンク アドバタイズメントなどの場合)。

リンク ステート ID から取得された派生アドレス(ネットワークのサブネット マスクを使用してネットワーク リンク アドバタイズメントのリンク ステート ID をマスクすることによって、ネットワークの IP アドレスが生成されることに注意してください)。

リンク ステート アドバタイズメントにルータの説明が記載されている場合は、必ず、リンク ステート ID が、記載されたルータの OSPF ルータ ID になります。

自律システム外部アドバタイズメント(LS タイプ = 5)がデフォルトのルートを説明する場合、そのリンク ステート ID はデフォルトの宛先(0.0.0.0)に設定されます。

asbr-summary

(任意)自律システム境界ルータ サマリー LSA 限定の情報を表示します。

database-summary

(任意)データベースの各エリアの各 LSA タイプの数および合計を表示します。

external

(任意)外部 LSA の情報だけを表示します。

network

(任意)ネットワーク LSA の情報だけを表示します。

nssa-external

(任意)NSSA 外部 LSA の情報だけを表示します。

router

(任意)ルータ LSA の情報だけを表示します。

self-originate

(任意)自己生成 LSA(ローカル ルータから)だけ表示します。

summary

(任意)サマリー LSA の情報だけを表示します。

コマンド モード

EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

このコマンドは、さまざまな形式で、異なる OSPF リンクステート アドバタイズメントに関する情報を提供します。

次に、引数やキーワードが使用されていないときの showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                 Displaying Router Link States(Area 0.0.0.0)
  Link ID       ADV Router    Age        Seq#    Checksum  Link count
172.16.21.6   172.16.21.6    1731    0x80002CFB    0x69BC       8
172.16.21.5   172.16.21.5    1112    0x800009D2    0xA2B8       5
172.16.1.2    172.16.1.2     1662    0x80000A98    0x4CB6       9
172.16.1.1    172.16.1.1     1115    0x800009B6    0x5F2C       1
172.16.1.5    172.16.1.5     1691    0x80002BC     0x2A1A       5
172.16.65.6   172.16.65.6    1395    0x80001947    0xEEE1       4
172.16.241.5  172.16.241.5   1161    0x8000007C    0x7C70       1
172.16.27.6   172.16.27.6    1723    0x80000548    0x8641       4
172.16.70.6   172.16.70.6    1485    0x80000B97    0xEB84       6
                Displaying Net Link States(Area 0.0.0.0)
  Link ID       ADV Router      Age        Seq#       Checksum
172.16.1.3  192.168.239.66     1245    0x800000EC      0x82E
                Displaying Summary Net Link States(Area 0.0.0.0)
  Link ID       ADV Router       Age        Seq#       Checksum
172.16.240.0   172.16.241.5    1152      0x80000077      0x7A05
172.16.241.0   172.16.241.5    1152      0x80000070      0xAEB7
172.16.244.0   172.16.241.5    1152      0x80000071      0x95CB

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 15. show ip ospf Database フィールドの説明

フィールド

説明

Link ID

ルータ ID 番号

ADV Router

アドバタイズ ルータの ID。

Age

リンク ステート経過時間

Seq#

リンク ステート シーケンス番号(以前の、または重複した LSA を検出します)

Checksum

リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム

Link count

ルータで検出されたインターフェイスの数

次に、asbr-summary キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database asbr-summary
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                Displaying Summary ASB Link States(Area 0.0.0.0)
	LS age: 1463
	Options: (No TOS-capability)
	LS Type: Summary Links(AS Boundary Router)
	Link State ID: 172.16.245.1 (AS Boundary Router address)
	Advertising Router: 172.16.241.5
	LS Seq Number: 80000072
	Checksum: 0x3548
	Length: 28
	Network Mask: 0.0.0.0 TOS: 0  Metric: 1

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 16. show ip ospf database asbr-summary フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンク ステート ID(自律システム境界ルータ)

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

TOS

サービスのタイプ。

Metric

リンク ステート メトリック

次に、external キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database external
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Autonomous system 300)
                   Displaying AS External Link States
LS age: 280
Options: (No TOS-capability)
LS Type: AS External Link
Link State ID: 10.105.0.0 (External Network Number)
Advertising Router: 172.16.70.6
LS Seq Number: 80000AFD
Checksum: 0xC3A
Length: 36
Network Mask: 255.255.0.0
     		Metric Type: 2 (Larger than any link state path)
     		TOS: 0
     		Metric: 1
     		Forward Address: 0.0.0.0
     		External Route Tag: 0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 17. show ip ospf database external フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Autonomous system

OSPF 自律システム番号(OSPF プロセス ID)

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンク ステート ID(外部ネットワーク番号)。

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス番号(以前の、または重複した LSA を検出します)

Checksum

LS のチェックサム(LSA の詳細な内容の Fletcher チェックサム)。

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

Metric Type

外部タイプ。

TOS

サービスのタイプ。

Metric

リンク ステート メトリック

Forward Address

転送アドレス。アドバタイズされた宛先へのデータ トラフィックは、このアドレスに転送されます。転送アドレスが 0.0.0.0 に設定されている場合は、代わりに、データ トラフィックがアドバタイズメントの送信元に転送されます。

External Route Tag

外部ルート タグ、各外部ルートに関連付けられる 32 ビット フィールド。これは、OSPF プロトコル自体では使用されません。

次に、network キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database network
 OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                Displaying Net Link States(Area 0.0.0.0)
LS age: 1367
Options: (No TOS-capability)
LS Type: Network Links
Link State ID: 172.16.1.3 (address of Designated Router)
Advertising Router: 192.168.239.66
LS Seq Number: 800000E7
Checksum: 0x1229
Length: 52
Network Mask: 255.255.255.0
        Attached Router: 192.168.239.66
        Attached Router: 172.16.241.5
        Attached Router: 172.16.1.1
        Attached Router: 172.16.54.5
        Attached Router: 172.16.1.5

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 18. show ip ospf database network フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID 300

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type:

リンク ステート タイプ

Link State ID

指定ルータのリンクステート ID

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

AS Boundary Router

ルータ タイプの定義

Attached Router

ネットワークに関連付けられるルータの IP アドレス別リスト

次に、router キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database router
OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
Displaying Router Link States(Area 0.0.0.0)
LS age: 1176
Options: (No TOS-capability)
LS Type: Router Links
Link State ID: 172.16.21.6
Advertising Router: 172.16.21.6
LS Seq Number: 80002CF6
Checksum: 0x73B7
Length: 120
AS Boundary Router
155   Number of Links: 8
Link connected to: another Router (point-to-point)
(link ID) Neighboring Router ID: 172.16.21.5
(Link Data) Router Interface address: 172.16.21.6
Number of TOS metrics: 0
TOS 0 Metrics: 2

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 19. show ip ospf database router フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンクステート ID

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

AS Boundary Router

ルータ タイプの定義

Number of Links

アクティブ リンクの数

link ID

リンク タイプ

Link Data

ルータ インターフェイス アドレス

TOS

タイプ オブ サービス メトリック(タイプ 0 限定)

次に、summary キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database summary
       OSPF Router with id(192.168.239.66) (Process ID 300)
                Displaying Summary Net Link States(Area 0.0.0.0)
LS age: 1401
Options: (No TOS-capability)
LS Type: Summary Links(Network)
Link State ID: 172.16.240.0 (summary Network Number)
Advertising Router: 172.16.241.5
LS Seq Number: 80000072
Checksum: 0x84FF
Length: 28
Network Mask: 255.255.255.0   TOS: 0  Metric: 1

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 20. show ip ospf database summary フィールドの説明

フィールド

説明

OSPF Router with id

ルータ ID 番号

Process ID

OSPF プロセス ID

LS age

リンク ステート経過時間

Options

サービス オプションのタイプ(タイプ 0 のみ)

LS Type

リンク ステート タイプ

Link State ID

リンク ステート ID(サマリー ネットワーク番号)。

Advertising Router

アドバタイズ ルータの ID。

LS Seq Number

リンク ステート シーケンス(以前の、または重複した LSA を検出します)。

Checksum

LS のチェックサム(リンクステート アドバタイズメントの詳細な内容の Fletcher チェックサム)

Length

LSA の長さ(バイト単位)

Network Mask

実行されたネットワーク マスク

TOS

サービスのタイプ。

Metric

リンク ステート メトリック

次に、database-summary キーワードを指定した場合の showipospfdatabase コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf database database-summary
OSPF Router with ID (10.0.0.1) (Process ID 1)
Area 0 database summary
  LSA Type      Count    Delete   Maxage
  Router        3        0        0
  Network       0        0        0
  Summary Net   0        0        0
  Summary ASBR  0        0        0
  Type-7 Ext    0        0        0
    Self-originated Type-7  0
Opaque Link     0        0        0
  Opaque Area   0        0        0
  Subtotal      3        0        0
Process 1 database summary
  LSA Type      Count    Delete   Maxage
  Router        3        0        0
  Network       0        0        0
  Summary Net   0        0        0
  Summary ASBR  0        0        0
  Type-7 Ext    0        0        0
  Opaque Link   0        0        0
  Opaque Area   0        0        0
  Type-5 Ext    0        0        0
      Self-originated Type-5  200
Opaque AS       0        0        0
  Total       203        0        0

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 21. show ip ospf database database-summary フィールドの説明

フィールド

説明

Area 0 database summary

エリア番号

Count

最初のカラムで特定されたタイプの LSA の数

Router

エリアのルータ LSA の数

Network

エリアのネットワーク LSA の数

Summary Net

エリアの要約 LSA の数

Summary ASBR

エリアの要約自律システム境界ルータ(ASBR)リンクステート アドバタイズメントの数

Type-7 Ext

タイプ 7 LSA の数

Self-originated Type-7

自動送信タイプ 7 LSA

Opaque Link

タイプ 9 LSA の数

Opaque Area

タイプ 10 LSA カウント

Subtotal

エリアの LSA の合計

Delete

エリア内で「Deleted」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

Maxage

エリア内で「Maxaged」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

Process 1 database summary

プロセスのデータベース サマリー

Count

最初のカラムで特定されたタイプの LSA の数

Router

プロセスのルータ LSA の数

Network

プロセスのネットワーク LSA の数

Summary Net

プロセスのサマリー LSA の数

Summary ASBR

プロセスの要約自律システム境界ルータ(ASBR)リンクステート アドバタイズメントの数

Type-7 Ext

タイプ 7 LSA の数

Opaque Link

タイプ 9 LSA の数

Opaque Area

タイプ 10 LSA の数

Type-5 Ext

タイプ 5 LSA の数

Self-Originated Type-5

自動送信タイプ 5 LSA の数

Opaque AS

タイプ 11 LSA の数

Total

プロセスの LSA の合計

Delete

プロセス内で「Deleted」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

Maxage

プロセス内で「Maxaged」とマークされたリンク ステート アドバタイズメントの数。

show ip ospf interface

Open Shortest Path First(OSPF)に関連するインターフェイス情報を表示するには、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで show ip ospf interface コマンドを使用します。

show ip [ospf] [process-id] interface [type number] [brief] [multicast] [topology {topology-name | base}]

構文の説明

process-id

(任意)プロセス ID 番号。この引数を指定すると、指定されたルーティング プロセスの情報だけが追加されます。指定できる範囲は 1 ~ 65535 です。

type

(任意)インターフェイスタイプ。引数 type を指定すると、指定されたインターフェイス タイプの情報だけが追加されます。

number

(任意)インターフェイス番号。引数 number を指定すると、指定されたインターフェイス番号の情報だけが追加されます。

brief

(任意)OSPF インターフェイス、状態、アドレスとマスク、およびデバイスのエリアに関する簡単な概要情報を表示します。

multicast

(任意)マルチキャスト情報を表示します。

topology topology-name

(任意)ネームド トポロジ インスタンスに関する OSPF 関連情報を表示します。

topology base

(任意)基本トポロジに関する OSPF 関連情報を表示します。

コマンド モード

ユーザ EXEC (>)

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

次に、イーサネット インターフェイス 0/0 が指定されている場合の show ip ospf interface コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf interface ethernet 0/0

Ethernet0/0 is up, line protocol is up
  Internet Address 192.168.254.202/24, Area 0
  Process ID 1, Router ID 192.168.99.1, Network Type BROADCAST, Cost: 10
  Topology-MTID    Cost    Disabled    Shutdown      Topology Name
        0           10        no          no            Base
  Transmit Delay is 1 sec, State DR, Priority 1
  Designated Router (ID) 192.168.99.1, Interface address 192.168.254.202
  Backup Designated router (ID) 192.168.254.10, Interface address 192.168.254.10
  Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
    oob-resync timeout 40
    Hello due in 00:00:05
  Supports Link-local Signaling (LLS)
  Cisco NSF helper support enabled
  IETF NSF helper support enabled
  Index 1/1, flood queue length 0
  Next 0x0(0)/0x0(0)
  Last flood scan length is 1, maximum is 1
  Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
  Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1 
    Adjacent with neighbor 192.168.254.10  (Backup Designated Router)
  Suppress hello for 0 neighbor(s)

Cisco IOS リリース 12.2(33)SRB では、次の show ip ospf interface brief topology VOICE コマンドの出力例には、Multitopology Routing(MTR)VOICE トポロジがインターフェイス コンフィギュレーションで設定されていることなどの、情報の概要が示されます。


Device#show ip ospf interface brief topology VOICE

VOICE Topology (MTID 10)
Interface    PID   Area            IP Address/Mask    Cost  State Nbrs F/C
Lo0          1     0               10.0.0.2/32        1     LOOP  0/0
Se2/0        1     0               10.1.0.2/30        10    P2P   1/1

次の show ip ospf interface brief topology VOICE コマンドの出力例では、インターフェイスに対する MTR VOICE トポロジの詳細が示されています。キーワード brief を指定せずにこのコマンドを入力すると、詳細が表示されます。


Device#show ip ospf interface topology VOICE

                 VOICE Topology (MTID 10)
Loopback0 is up, line protocol is up
   Internet Address 10.0.0.2/32, Area 0
   Process ID 1, Router ID 10.0.0.2, Network Type LOOPBACK
   Topology-MTID    Cost    Disabled    Shutdown      Topology Name
         10          1         no          no            VOICE
   Loopback interface is treated as a stub Host Serial2/0 is up, line protocol is up
   Internet Address 10.1.0.2/30, Area 0
   Process ID 1, Router ID 10.0.0.2, Network Type POINT_TO_POINT
   Topology-MTID    Cost    Disabled    Shutdown      Topology Name
         10          10        no          no            VOICE
   Transmit Delay is 1 sec, State POINT_TO_POINT
   Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
     oob-resync timeout 40
     Hello due in 00:00:03
   Supports Link-local Signaling (LLS)
   Cisco NSF helper support enabled
   IETF NSF helper support enabled
   Index 1/1, flood queue length 0
   Next 0x0(0)/0x0(0)
   Last flood scan length is 1, maximum is 1
   Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
   Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1
     Adjacent with neighbor 10.0.0.1
   Suppress hello for 0 neighbor(s)

Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、次の show ip ospf interface コマンドの出力例は、設定された存続可能時間(TTL)の制限に関する詳細を表示します。

Device#show ip ospf interface ethernet 0
.
.
.
Strict TTL checking enabled
! or a message similar to the following is displayed
Strict TTL checking enabled, up to 4 hops allowed
.
.
.

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 22. show ip ospf interface フィールドの説明

フィールド

説明

Ethernet

物理リンクのステータス、およびプロトコルの動作ステータス。

Process ID

OSPF プロセス ID

Area

OSPF エリア。

Cost

インターフェイスに割り当てられる管理コスト。

State

インターフェイスの動作状態。

Nbrs F/C

OSPF ネイバー カウント。

Internet Address

インターフェイス IP アドレス、サブネットマスク、およびエリアアドレス。

Topology-MTID

MTR トポロジの Multitopology Identifier(MTID)。ピアに送信する情報が関連付けられるトポロジをプロトコルが識別できるように割り当てられている番号。

Transmit Delay

転送遅延(秒単位)、インターフェイス ステート、およびデバイス プライオリティ。

Designated Router

指定ルータ ID および各インターフェイス IP アドレス。

Backup Designated router

バックアップ指定ルータ ID および各インターフェイス IP アドレス。

Timer intervals configured

タイマーインターバルの設定。

Hello

次の hello パケットがこのインターフェイスから送信されるまでの時間(秒単位)。

Strict TTL checking enabled

使用できるホップは 1 つだけです。

Strict TTL checking enabled, up to 4 hops allowed

一定のホップ カウントが明示的に設定されています。

Neighbor Count

ネットワーク ネイバーの数、および隣接ネイバーのリスト。

show ip ospf neighbor

Open Shortest Path First(OSPF)ネイバー情報をインターフェイス単位で表示するには、特権 EXEC モードで showipospfneighbor コマンドを使用します。

show ip ospf neighbor [interface-type interface-number] [neighbor-id] [detail] [ summary [ per-instance] ]

構文の説明

interface-type interface-number

(任意)特定の OSPF インターフェイスに関連付けられるタイプおよび番号。

neighbor-id

(任意)ネイバー ホスト名または A.B.C.D 形式の IP アドレス。

detail

(任意)指定されたすべてのネイバーの詳細を表示します(すべてのネイバーをリストします)。

summary

(任意)すべてのネイバーの総数サマリーを表示します。

per-instance

(任意)各ネイバー状態のネイバーの総数を表示します。設定された OSPF インスタンスごとに出力が個別に出力されます。

コマンド モード

特権 EXEC(#)

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

次の show ip ospf neighbor コマンドの出力例では、各ネイバーのサマリー情報が 1 行に表示されています。


Device#show ip ospf neighbor

Neighbor ID 		Pri   State        Dead Time     Address         Interface
10.199.199.137  1    FULL/DR       0:00:31    192.168.80.37      Ethernet0
172.16.48.1     1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.1        Fddi0
172.16.48.200   1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.200      Fddi0
10.199.199.137  5    FULL/DR       0:00:33    172.16.48.189      Fddi0

次に、ネイバー ID と一致するネイバーに関するサマリー情報を示す出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor 10.199.199.137
 
Neighbor 10.199.199.137, interface address 192.168.80.37
    In the area 0.0.0.0 via interface Ethernet0
    Neighbor priority is 1, State is FULL
    Options 2
    Dead timer due in 0:00:32
    Link State retransmission due in 0:00:04
 Neighbor 10.199.199.137, interface address 172.16.48.189
    In the area 0.0.0.0 via interface Fddi0
    Neighbor priority is 5, State is FULL
    Options 2
    Dead timer due in 0:00:32
    Link State retransmission due in 0:00:03

インターフェイスとネイバー ID を指定すると、次に示す出力例のように、インターフェイスのネイバー ID と一致するネイバーが表示されます。


Device#show ip ospf neighbor ethernet 0 10.199.199.137
 
Neighbor 10.199.199.137, interface address 192.168.80.37
    In the area 0.0.0.0 via interface Ethernet0
    Neighbor priority is 1, State is FULL
    Options 2
    Dead timer due in 0:00:37
    Link State retransmission due in 0:00:04

また、次に示す出力例のように、ネイバー ID なしでインターフェイスを指定して、指定したインターフェイスのすべてのネイバーを表示することもできます。


Device#show ip ospf neighbor fddi 0

   ID          Pri   State        Dead Time     Address         Interface
172.16.48.1     1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.1       Fddi0
172.16.48.200   1    FULL/DROTHER  0:00:32    172.16.48.200     Fddi0
10.199.199.137  5    FULL/DR       0:00:32    172.16.48.189     Fddi0

次に、show ip ospf neighbor detail コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor detail
 
Neighbor 192.168.5.2, interface address 10.225.200.28
    In the area 0 via interface GigabitEthernet1/0/0
    Neighbor priority is 1, State is FULL, 6 state changes
    DR is 10.225.200.28 BDR is 10.225.200.30
    Options is 0x42
    LLS Options is 0x1 (LR), last OOB-Resync 00:03:08 ago
    Dead timer due in 00:00:36
    Neighbor is up for 00:09:46
   Index 1/1, retransmission queue length 0, number of retransmission 1
    First 0x0(0)/0x0(0) Next 0x0(0)/0x0(0)
    Last retransmission scan length is 1, maximum is 1
    Last retransmission scan time is 0 msec, maximum is 0 msec

次の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明します。

表 23. show ip ospf neighbor detail フィールドの説明

フィールド

説明

Neighbor

ネイバー ルータ ID。

interface address

インターフェイスの IP アドレス。

In the area

OSPF ネイバーが認識されるエリアおよびインターフェイス。

Neighbor priority

ネイバーおよびネイバー状態のルータ プライオリティ。

State

OSPF ステート一方の OSPF ネイバーが TTL セキュリティをイネーブルにしている場合、接続のもう一方は、INIT 状態のネイバーを示します。

state changes

ネイバーが作成されて以降の状態変化の数。この値は、clearipospfcountersneighbor コマンドを使用してリセットできます。

DR is

インターフェイスの指定ルータのルータ ID

BDR is

インターフェイスのバックアップ指定ルータのルータ ID

Options

hello packet options フィールドの内容(E ビット専用。可能な値は 0 および 2 です。2 はエリアがスタブでないことを示し、0 はエリアがスタブであることを示します)。

LLS Options..., last OOB-Resync

時:分:秒形式で指定される時刻前に実行されたリンクローカル シグナリングおよびアウトオブバンド(OOB)リンクステート データベース再同期。これは、ノンストップ フォワーディング(NSF)情報です。このフィールドは、最後に成功した NSF 対応ルータとのアウトオブバンド再同期化を示します。

Dead timer due in

Cisco IOS ソフトウェアがネイバー デッドを宣言するまでの予想時間(時:分:秒形式)。

Neighbor is up for

ネイバーが二方向状態になってからの時間(時:分:秒形式)。

Index

エリア規模および自律システム規模の再送信キューのネイバーの位置。

retransmission queue length

再送信キューのエレメントの数

number of retransmission

アップデート パケットがフラッディング中に再送信された回数。

First

フラッディング詳細のメモリ位置。

Next

フラッディング詳細のメモリ位置。

Last retransmission scan length

最後の再送信パケット内のリンクステート アドバタイズメント(LSA)の数

maximum

任意の再送信パケットで送信された LSA の最大数

Last retransmission scan time

最後の再送信パケットの構築にかかった時間。

maximum

任意の再送信パケットの構築にかかった最大時間(ミリ秒単位)。

次に、各ネイバーのサマリー情報を 1 行に表示する show ip ospf neighbor コマンドの出力例を示します。一方の OSPF ネイバーが TTL セキュリティをイネーブルにしている場合、接続のもう一方は、INIT 状態のネイバーを示します。


Device#show ip ospf neighbor

Neighbor ID 			Pri   State        Dead Time     Address         Interface
10.199.199.137  1    FULL/DR       0:00:31    192.168.80.37      Ethernet0
172.16.48.1     1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.1        Fddi0
172.16.48.200   1    FULL/DROTHER  0:00:33    172.16.48.200      Fddi0
10.199.199.137  5    FULL/DR       0:00:33    172.16.48.189      Fddi0
172.16.1.201		1	INIT/DROTHER			00.00.35		10.1.1.201			Ethernet0/0

次の show ip ospf neighbor コマンドの出力例は、ネイバーの視点からネットワークを示しています。


Device#show ip ospf neighbor 192.0.2.1
            OSPF Router with ID (192.1.1.1) (Process ID 1)

                     Area with ID (0)

Neighbor with Router ID 192.0.2.1:
  Reachable over:
    Ethernet0/0, IP address 192.0.2.1, cost 10

  SPF was executed 1 times, distance to computing router 10

  Router distance table:
           192.1.1.1   i  [10]
           192.0.2.1   i  [0]
           192.3.3.3   i  [10]
           192.4.4.4   i  [20]
           192.5.5.5   i  [20]

  Network LSA distance table:
      192.2.12.2   i  [10]
      192.2.13.3   i  [20]
      192.2.14.4   i  [20]
      192.2.15.5   i  [20]

次に、show ip ospf neighbor summary コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor summary

    Neighbor summary for all OSPF processes

DOWN         0
ATTEMPT      0
INIT         0
2WAY         0
EXSTART      0
EXCHANGE     0
LOADING      0
FULL         1
Total count  1    (Undergoing NSF 0)

次に、show ip ospf neighbor summary per-instance コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf neighbor summary

      OSPF Router with ID (1.0.0.10) (Process ID 1)

DOWN         0
ATTEMPT      0
INIT         0
2WAY         0
EXSTART      0
EXCHANGE     0
LOADING      0
FULL         1
Total count  1    (Undergoing NSF 0)


             Neighbor summary for all OSPF processes

DOWN         0
ATTEMPT      0
INIT         0
2WAY         0
EXSTART      0
EXCHANGE     0
LOADING      0
FULL         1
Total count  1    (Undergoing NSF 0)


表 24. show ip ospf neighbor summary および show ip ospf neighbor summary per-instance のフィールドの説明

フィールド

説明

DOWN

当該ネイバーから情報(hello)を受信していませんが、この状態でも、そのネイバーに hello パケットを送信することは可能です。

ATTEMPT

この状態は、Non-Broadcast Multi-Access(NBMA)環境内の手動で設定されたネイバーに対してのみ有効です。Attempt ステートでは、ルータは、デッド時間間隔内に hello を受信しなかったネイバーにポーリング時間間隔ごとにユニキャスト hello パケットを送信します。

INIT

この状態は、ルータがネイバーから受信した hello パケットに、受信側ルータの ID が含まれていなかったことを意味します。ルータがネイバーから hello パケットを受信すると、有効な hello パケットを受信した確認として、送信側のルータ ID を hello パケットにリストします。

2WAY

このネイバー状態は、ルータ間で双方向通信が確立されていることを意味します。

EXSTART

この状態は、2 つの隣接ルータ間の隣接関係を作成する最初のステップです。このステップの目標は、どのルータがアクティブであるかを決定し、最初の DD シーケンス番号を決定することです。この状態以上のネイバーの会話は、隣接関係と呼ばれます。

EXCHANGE

この状態では、OSPF ルータが Database Descriptor(DBD)パケットを交換します。Database Descriptor にはリンクステート アドバタイズメント(LSA)ヘッダーだけが含まれ、リンクステート データベース全体のコンテンツが記述されます。各 DBD パケットにはシーケンス番号があり、そのシーケンス番号を増分するのは、セカンダリルータによって明示的に確認されているアクティブルータだけです。また、このステートで、ルータはリンク ステート要求パケットとリンク ステート アップデート パケット(LSA 全体を含む)を送信します。受信した DBD の内容は、ルータ リンク ステート データベースに含まれる情報と比較され、ネイバーに新規または最新のリンク ステート情報があるかどうかがチェックされます。

LOADING

この状態では、リンク ステート情報の実際の交換が行われます。DBD からの情報に基づいて、ルータはリンク ステート要求パケットを送信します。次に、ネイバーは、リンク ステート アップデート パケットで要求されたリンク ステート情報を提供します。隣接中に、デバイスは古い LSA または不足している LSA を受信すると、リンク ステート要求パケットを送信してその LSA を要求します。すべてのリンク ステート アップデート パケットが確認されます。

FULL

この状態では、デバイスは互いに完全隣接ネイバーとなっています。すべてのデバイスおよびネットワーク LSA が交換され、デバイスのデータベースは完全に同期化されます。

Full は、OSPF デバイスの通常のステートです。デバイスが別の状態でスタックしている場合は、隣接関係の形成に問題があることを示しています。唯一の例外は、2-way ステートです。2-way ステートは、ブロードキャスト ネットワークでは通常です。デバイスは、DR および BDR だけで Full ステートに達します。ネイバーは、常に互いを 2-way と見なします。

show ip ospf virtual-links

Open Shortest Path First(OSPF)仮想リンクのパラメータと現在の状態を表示するには、EXEC モードで showipospfvirtual-links コマンドを使用します。

show ip ospf virtual-links

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド モード

EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

showipospfvirtual-links コマンドで表示される情報は、OSPF ルーティング操作のデバッグに役立ちます。

次に、showipospfvirtual-links コマンドの出力例を示します。


Device#show ip ospf virtual-links
Virtual Link to router 192.168.101.2 is up
Transit area 0.0.0.1, via interface Ethernet0, Cost of using 10
Transmit Delay is 1 sec, State POINT_TO_POINT
Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
Hello due in 0:00:08
Adjacency State FULL

次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。

表 25. show ip ospf virtual-links フィールドの説明

フィールド

説明

Virtual Link to router 192.168.101.2 is up

OSPF ネイバー、およびそのネイバーとのリンクがアップまたはダウン状態であるか指定します。

Transit area 0.0.0.1

仮想リンクが形成される移行エリア。

via interface Ethernet0

仮想リンクが形成されるインターフェイス。

Cost of using 10

仮想リンクを介して OSPF ネイバーに到達するときのコスト。

Transmit Delay is 1 sec

仮想リンクの移行遅延(秒単位)。

State POINT_TO_POINT

OSPF ネイバーの状態。

Timer intervals...

リンクに設定されるさまざまなタイマー間隔。

Hello due in 0:00:08

ネイバーからの次の hello の予想時間。

Adjacency State FULL

ネイバー間の隣接状態。

summary-address(OSPF)

Open Shortest Path First(OSPF)の集約アドレスを作成するには、ルータ コンフィギュレーション モードで summary-address コマンドを使用します。デフォルトに戻す場合は、このコマンドの no 形式を入力します。

summary-address commandsummary-address {ip-address mask | prefix mask} [not-advertise] [tag tag] [nssa-only]

no summary-address {ip-address mask | prefix mask} [not-advertise] [tag tag] [nssa-only]

構文の説明

ip-address

アドレスの範囲を表すために指定するサマリー アドレス。

mask

サマリー ルートに使用される IP サブネット マスク。

prefix

宛先の IP ルート プレフィックス。

not-advertise

(任意)指定されたプレフィックス/マスク ペアと一致するルートを抑制します。このキーワードは OSPF だけに適用されます。

tag tag

(任意)ルート マップを介した再配布を制御する「一致」値として使用できるタグ値を指定します。このキーワードは OSPF だけに適用されます。

nssa-only

(任意)指定したプレフィックスに対して生成されるサマリー ルートがある場合、そのサマリー ルートの nssa-only 属性を設定します。これにより、サマリーが Not-So-Stubby-Area(NSSA)エリアに制限されます。

コマンド デフォルト

このコマンドの動作は、デフォルトではディセーブルです。

コマンド モード

ルータ コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

他のルーティング プロトコルから学習したルートを集約できます。サマリーのアドバタイズに使用されるメトリックは、すべての特定ルートの中で最小のメトリックです。このコマンドは、ルーティング テーブルの容量縮小に有効です。

このコマンドを OSPF に対して使用すると、OSPF 自律システム境界ルータ(ASBR)により、このアドレスの対象となる再配布されるすべてのルートの集約として、1 つの外部ルートがアドバタイズされます。OSPF の場合、このコマンドでは、OSPF 内に再配布される他のルーティング プロトコルからのルートだけが集約されます。OSPF エリア間のルート集約には area range コマンドを使用します。

OSPF は summary-address 0.0.0.0 0.0.0.0 コマンドをサポートしていません。

次の例では、集約アドレス 10.1.0.0 にアドレス 10.1.1.0、10.1.2.0、10.1.3.0 などが含まれています。外部 LSA では、アドレス 10.1.0.0 だけがアドバタイズされます。


Device(config)#summary-address 10.1.0.0 255.255.0.0

timers throttle spf

Open Shortest Path First(OSPF)最短パス優先(SPF)スロットリングをオンにするには、適切なコンフィギュレーション モードで timers throttle spf コマンドを使用します。OSPF SPF スロットリングをオフにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

timers throttle spf spf-start spf-hold spf-max-wait

no timers throttle spf spf-start spf-hold spf-max-wait

構文の説明

spf-start

変更後の SPF 計算をスケジューリングするための初期遅延(ミリ秒単位)。値の範囲は 1 ~ 600000 です。IPv6 の OSPF では、デフォルト値は 5000 です。

spf-hold

2 つの連続する SPF 計算の間の最小ホールド時間(ミリ秒単位)。値の範囲は 1 ~ 600000 です。IPv6 の OSPF では、デフォルト値は 10,000 です。

spf-max-wait

2 つの連続する SPF 計算の間の最大待機時間(ミリ秒単位)。値の範囲は 1 ~ 600000 です。IPv6 の OSPF では、デフォルト値は 10,000 です。

コマンド デフォルト

SPF スロットリングは設定されていません。

コマンド モード

IPv6 ルータ コンフィギュレーション(config-rtr)用のアドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-router-af)ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション(config-router-af-topology)ルータ コンフィギュレーション(config-router)OSPF

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

SPF 計算間の初回待機時間は、spf-start 引数で指定される時間(ミリ秒単位)です。連続する各待機間隔は、待機時間が引数 spf-max-wait で指定した最大時間(ミリ秒単位)に達するまで、現在のホールド レベル(ミリ秒単位)の 2 倍となります。値がリセットされるまで、または SPF 計算間でリンクステート アドバタイズメント(LSA)が受信されるまで、従属待機時間は最大のまま残ります。

Release 12.2(33)SRB

マルチトポロジルーティング(MTR)機能を使用する予定の場合は、この OSPF ルータ コンフィギュレーション コマンドをトポロジ対応にするために、ルータ アドレス ファミリ トポロジ コンフィギュレーション モードで timers throttle spf コマンドを実行する必要があります。

Release 15.2(1)T

OSPFv3 プロセスに接続されたインターフェイスで ospfv3 network manet コマンドを設定すると、spf-start spf-hold 、および spf-max-wait 引数のデフォルト値は、それぞれ 1000 ミリ秒、1000 ミリ秒、および 2000 ミリ秒に短縮されます。

次に、timers throttle spf コマンドの遅延、ホールド、および最大間隔の各値がそれぞれ 5、1000、および 90,000 ミリ秒に設定されるようにルータを設定する例を示します。


router ospf 1
 router-id 10.10.10.2
 log-adjacency-changes
 timers throttle spf 5 1000 90000 
 redistribute static subnets
 network 10.21.21.0 0.0.0.255 area 0
 network 10.22.22.0 0.0.0.255 area 00

次に、timers throttle spf コマンドの遅延、ホールド、および最大間隔の各値がそれぞれ 500、1000、および 10,000 ミリ秒に設定されるように IPv6 を使用したルータを設定する例を示します。


ipv6 router ospf 1 
 event-log size 10000 one-shot
 log-adjacency-changes  
 timers throttle spf 500 1000 10000