デバイスセットアップ設定の実行に関する情報
IP アドレスの割り当ておよび DHCP 自動設定を含む初期device設定タスクを実行する前に、このモジュールのセクションを確認します。
ブート プロセス
deviceを起動するには、スタートアップガイドやハードウェア設置ガイドの手順に従い、deviceを設置して電源をオンにし、deviceの初期設定(IP アドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、シークレット、Telnet パスワードなど)を行う必要があります。
ブートローダ ソフトウェアは、通常の起動プロセスを実行します。これには、次のアクティビティが含まれています。
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バンドルまたはインストール パッケージ セットでブート可能(基本)パッケージを検索します。
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下位レベルの CPU 初期化を行います。CPU レジスタを初期化することにより、物理メモリがマッピングされる場所、容量、速度などを制御します。
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CPU サブシステムの電源投入時セルフ テスト(POST)を実行し、システム DRAM をテストします。
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システム ボード上のファイル システムを初期化します。
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デフォルトのオペレーティング システム ソフトウェア イメージをメモリにロードし、deviceを起動します。
ブートローダによってフラッシュ ファイル システムにアクセスしてから、オペレーティング システムをロードします。ブート ローダの使用目的は通常、オペレーティング システムのロード、展開、および起動に限定されます。オペレーティング システムが CPU を制御できるようになると、ブートローダは、次にシステムがリセットされるか電源が投入されるまでは非アクティブになります。
また、オペレーティング システムが使用不可能になるほどの重大な障害が発生した場合は、ブートローダはシステムにトラップドアからアクセスします。トラップドアからシステムへアクセスすることで、必要に応じて、フラッシュ ファイル システムのフォーマット、XMODEM プロトコルを使用したオペレーティング システムのソフトウェア イメージの再インストール、失われたパスワードの回復、そして最終的にオペレーティング システムの再起動ができます。
device情報を割り当てるには、PC または端末をコンソールポートに接続するか、PC をイーサネット管理ポートに接続して、PC または端末エミュレーション ソフトウェアのボーレートおよびキャラクタフォーマットを、deviceのコンソールポートの設定と一致させておく必要があります。
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デフォルトのボーレートは 9600 です。
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デフォルトのデータ ビットは 8 です。
(注)
データ ビット オプションを 8 に設定した場合、パリティ オプションは「なし」に設定します。
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デフォルトのストップ ビットは 2(マイナー)です。
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デフォルトのパリティ設定は「なし」です。
Devices 情報の割り当て
IP 情報を割り当てるには、device のセットアッププログラムを使用する方法、DHCP サーバーを使用する方法、または手動で実行する方法があります。
特定の IP 情報の設定が必要な場合、deviceのセットアップ プログラムを使用してください。このプログラムを使用すると、ホスト名とイネーブル シークレット パスワードを設定することもできます。
また、任意で、Telnet パスワードを割り当てたり(リモート管理中のセキュリティ確保のため)、スイッチをクラスタのコマンドまたはメンバ スイッチとして、あるいはスタンドアロン スイッチとして設定したりできます。
サーバーの設定後は DHCP サーバーを使用して、IP 情報の集中管理と自動割り当てを行います。
(注) |
DHCP を使用している場合は、deviceが動的に割り当てられた IP アドレスを受信してコンフィギュレーション ファイルを読み込むまでは、セットアップ プログラムからの質問に応答しないでください。 |
deviceの設定手順を熟知している経験豊富なユーザーの場合は、deviceを手動で設定してください。それ以外のユーザは、「ブート プロセス」で説明したセットアップ プログラムを使用してください。
デフォルトのスイッチ情報
機能 |
デフォルト設定 |
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IP アドレスおよびサブネット マスク |
IP アドレスまたはサブネット マスクは定義されていません。 |
デフォルト ゲートウェイ |
デフォルト ゲートウェイは定義されていません。 |
イネーブル シークレット パスワード |
パスワードは定義されていません。 |
ホスト名 |
出荷時に割り当てられるデフォルトのホスト名は デバイス です。 |
Telnet パスワード |
パスワードは定義されていません。 |
クラスタ コマンド スイッチ機能 |
ディセーブル |
クラスタ名 |
クラスタ名は定義されません。 |
DHCP ベースの自動設定の概要
DHCP は、インターネットホストおよびインターネットワーキング デバイスに設定情報を提供します。このプロトコルには、2 つのコンポーネントがあります。1 つは DHCP サーバからデバイスにコンフィギュレーション パラメータを提供するコンポーネント、もう 1 つはデバイスにネットワーク アドレスを割り当てるコンポーネントです。DHCP はクライアント/サーバ モデルに基づいています。指定された DHCP サーバが、動的に設定されるデバイスに対して、ネットワーク アドレスを割り当て、コンフィギュレーション パラメータを提供します。deviceは、DHCP クライアントおよび DHCP サーバーとして機能できます。
DHCP ベースの自動設定では、device(DHCP クライアント)は起動時に、IP アドレス情報およびコンフィギュレーション ファイルを使用して自動的に設定されます。
DHCP ベースの自動設定を使用すると、device上で DHCP クライアント側の設定を行う必要はありません。ただし、DHCP サーバで、IP アドレスに関連した各種リース オプションを設定する必要があります。
DHCP を使用してネットワーク上のコンフィギュレーション ファイルの場所をリレーする場合は、TFTP サーバおよびドメイン ネーム システム(DNS)サーバの設定が必要になることがあります。
deviceの DHCP サーバーは、スイッチと同じ LAN 上に配置することも、そのdeviceとは別の LAN 上に配置することもできます。DHCP サーバーが異なる LAN 上で動作している場合、deviceと DHCP サーバー間に、DHCP のリレー デバイスを設定する必要があります。リレー デバイスは、直接接続されている 2 つの LAN 間でブロードキャスト トラフィックを転送します。ルータはブロードキャスト パケットを転送しませんが、受信したパケットの宛先 IP アドレスに基づいてパケットを転送します。
DHCP ベースの自動設定は、deviceの BOOTP クライアント機能に代わるものです。
DHCP クライアントの要求プロセス
deviceを起動したときに、deviceにコンフィギュレーション ファイルがない場合、DHCP クライアントが呼び出され、DHCP クライアントが DHCP サーバーに設定情報を要求します。コンフィギュレーション ファイルが存在し、その設定に特定のルーテッドインターフェイスの ip address dhcp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドが含まれる場合、DHCP クライアントが呼び出され、DHCP クライアントがインターフェイスに IP アドレス情報を要求します。
次は、DHCP クライアントと DHCP サーバの間で交換される一連のメッセージです。
クライアントであるデバイス A は、DHCP サーバーの場所を特定するために、DHCPDISCOVER メッセージをブロードキャストします。DHCP サーバは、DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって、使用可能なコンフィギュレーション パラメータ(IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ IP アドレス、DNS IP アドレス、IP アドレス用のリースなど)をクライアントに提示します。
DHCPREQUEST ブロードキャスト メッセージでは、クライアントは、提示された設定情報に対して、DHCP サーバに正式な要求を戻します。この正式な要求はブロードキャストされるため、クライアントから DHCPDISCOVER ブロードキャスト メッセージを受信した他のすべての DHCP サーバは、クライアントに提示した IP アドレスを再利用できます。
DHCP サーバは、DHCPACK ユニキャスト メッセージをクライアントに戻すことで、IP アドレスがクライアントに割り当てられたことを確認します。このメッセージによって、クライアントとサーバはバウンドされ、クライアントはサーバから受信した設定情報を使用します。deviceの受信する情報量は、DHCP サーバーの設定方法によって異なります。
DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって送信されたコンフィギュレーション パラメータが無効である(コンフィギュレーション エラーがある)場合、クライアントは DHCP サーバに、DHCPDECLINE ブロードキャスト メッセージを戻します。
DHCP サーバはクライアントに、提示されたコンフィギュレーション パラメータが割り当てられていない、パラメータのネゴシエーション中にエラーが発生した、または DHCPOFFER メッセージに対するクライアントの応答が遅れている(DHCP サーバがパラメータを別のクライアントに割り当てた)という意味の DHCPNAK 拒否ブロードキャスト メッセージを送信します。
DHCP クライアントは、複数の DHCP サーバまたは BOOTP サーバから提示を受け取り、そのうちの任意の 1 つを受け入れることができますが、通常は最初に受け取った提示を受け入れます。DHCP サーバから提示された IP アドレスが必ずしもクライアントに割り当てられるわけではありません。ただし、サーバは通常、クライアントが正式にアドレスを要求するまではアドレスを確保しておきます。deviceが BOOTP サーバーからの応答を受け入れ、自身を設定する場合、deviceはdevice コンフィギュレーション ファイルを取得するために、TFTP 要求をユニキャストするのではなくブロードキャストします。
DHCP ホスト名オプションにより、devicesのグループはホスト名および標準コンフィギュレーションを集中管理型 DHCP サーバーから取得できます。クライアント(device)は DCHPDISCOVER メッセージ内に、DHCP サーバーからのホスト名および他のコンフィギュレーション パラメータの要求に使用される Option 12 フィールドを加えます。すべてのクライアントのコンフィギュレーション ファイルは、DHCP から取得したホスト名を除き、まったく同じです。
クライアントにデフォルトのホスト名がある場合(hostname name グローバル コンフィギュレーション コマンドを設定していないか、no hostname グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してホスト名を削除していない場合)は、ip address dhcp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すると、DHCP のホスト名オプションがパケットに含まれません。この場合、インターフェイスの IP アドレスを取得中にクライアントが DHCP との相互作用で DHCP ホスト名オプションを受信した場合、クライアントは DHCP ホスト名オプションを受け入れて、システムに設定済みのホスト名があることを示すフラグが設定されます。
DHCP ベースの自動設定およびイメージ アップデート
DHCP イメージ アップグレード機能を使用すると、ネットワーク内の 1 つ以上のdevicesに新しいイメージ ファイルおよび新しいコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするように DHCP サーバーを設定できます。ネットワーク内のすべてのスイッチでのイメージおよびコンフィギュレーションの同時アップグレードによって、ネットワークに加えられたそれぞれの新しいdeviceが、同じイメージとコンフィギュレーションを確実に受信するようになります。
DHCP イメージ アップグレードには、自動設定およびイメージ アップデートの 2 つのタイプがあります。
DHCP ベースの自動設定の制約事項
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ネットワーク内に割り当てられた IP アドレスがなく、1 つ以上のレイヤ 3 インターフェイスが起動してない場合は、設定プロセスが保存された DHCP ベースの自動設定は停止します。
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タイムアウトを設定しない限り、設定機能を備えている DHCP ベースの自動設定は IP アドレスのダウンロードを無期限に繰り返します。
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コンフィギュレーション ファイルをダウンロードできないか破損している場合は、自動インストールプロセスが停止します。
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TFTP からダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルは、実行コンフィギュレーション内の既存コンフィギュレーションとマージされますが、write memory または copy running-configuration startup-configuration 特権 EXEC コマンドを入力しない限り、NVRAM に保存されません。ダウンロードされたコンフィギュレーションがスタートアップ コンフィギュレーションに保存された場合、後続のシステム再起動中にこの機能はトリガーされません。
DHCP 自動設定
DHCP 自動設定は、コンフィギュレーション ファイルを DHCP サーバーからネットワーク内の 1 つ以上のdevicesにダウンロードします。ダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルは、deviceの実行コンフィギュレーション ファイルになります。このファイルは、deviceがリロードされるまで、フラッシュメモリに保存されたブートアップ コンフィギュレーションを上書きしません。
DHCP 自動イメージ アップデート
DHCP 自動設定とともに DHCP 自動イメージ アップグレードを使用すると、コンフィギュレーションおよび新しいイメージをネットワーク内の 1 つ以上のdevicesにダウンロードできます。新しいコンフィギュレーションおよび新しいイメージをダウンロードしている 1 つのdeviceスイッチ(または複数のdevices)は、ブランク(つまり、出荷時のデフォルト設定がロードされている状態)にできます。
コンフィギュレーションをすでに持っているスイッチに新しいコンフィギュレーションをダウンロードすると、ダウンロードされたコンフィギュレーションは、スイッチに保存されているコンフィギュレーション ファイルに追加されます(どの既存のコンフィギュレーション ファイルも、ダウンロードされたファイルに上書きされません)。
deviceの DHCP 自動イメージアップデートをイネーブルにするには、イメージファイルおよびコンフィギュレーション ファイルがある TFTP サーバーを、正しいオプション 67(コンフィギュレーション ファイル名)、オプション 66(DHCP サーバーホスト名)、オプション 150(TFTP サーバーアドレス)、およびオプション 125(Cisco IOS イメージファイルの説明)の設定で設定する必要があります。
deviceをネットワークに設置すると、自動イメージ アップデート機能が開始します。ダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルはdeviceの実行コンフィギュレーションに保存され、新しいイメージがダウンロードされてdeviceにインストールされます。deviceを再起動すると、このコンフィギュレーションがdeviceのコンフィギュレーションに保存されます。
DHCP サーバ設定時の注意事項
デバイスを DHCP サーバとして設定する場合、次の注意事項に従ってください。
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DHCP サーバーには、deviceのハードウェア アドレスによって各deviceと結び付けられている予約済みのリースを設定する必要があります。
- deviceに IP アドレス情報を受信させるには、DHCP サーバーに次のリース オプションを設定する必要があります。
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クライアントの IP アドレス(必須)
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クライアントのサブネット マスク(必須)
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DNS サーバの IP アドレス(任意)
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ルータの IP アドレス(deviceで使用するデフォルト ゲートウェイ アドレス)(必須)
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- deviceに TFTP サーバーからコンフィギュレーション ファイルを受信させる場合は、DHCP サーバーに次のリース オプションを設定する必要があります。
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TFTP サーバ名(必須)
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ブート ファイル名(クライアントが必要とするコンフィギュレーション ファイル名)(推奨)
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ホスト名(任意)
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DHCP サーバーの設定によっては、deviceは IP アドレス情報またはコンフィギュレーション ファイル、あるいはその両方を受信できます。
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前述のリース オプションを設定しなかった場合、DHCP サーバーは、設定されたパラメータのみを使用してクライアントの要求に応答します。IP アドレスおよびサブネット マスクが応答に含まれていないと、deviceは設定されません。ルータの IP アドレスまたは TFTP サーバー名が見つからなかった場合、deviceは TFTP 要求をユニキャストしないでブロードキャストする場合があります。その他のリース オプションは、使用できなくても自動設定には影響しません。
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deviceは DHCP サーバーとして動作することができます。デフォルトでは、Cisco IOS DHCP サーバーおよび DHCP リレー エージェント機能はdevice上でイネーブルにされていますが、設定されていません。(これらの機能は動作しません)
DNS サーバの目的
DHCP サーバは、DNS サーバを使用して TFTP サーバ名を IP アドレスに変換します。DNS サーバ上で、TFTP サーバ名から IP アドレスへのマッピングを設定する必要があります。TFTP サーバーには、deviceのコンフィギュレーション ファイルが存在します。
DHCP の応答時に IP アドレスを取得する DHCP サーバのリース データベースに、DNS サーバの IP アドレスを設定できます。リース データベースには、DNS サーバの IP アドレスを 2 つまで入力できます。
DNS サーバーは、device と同じ LAN 上に配置することも、別の LAN 上に配置することもできます。DNS サーバーが別の LAN 上に存在する場合、deviceはルータを介して DNS サーバーにアクセスできなければなりません。
コンフィギュレーション ファイルの入手方法
IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が DHCP で専用のリースとして取得できるかどうかに応じて、deviceは次の方法で設定情報を入手します。
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IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が、device用に予約され、DHCP 応答(1 ファイル読み込み方式)で提供されている場合
deviceは DHCP サーバーから、IP アドレス、サブネット マスク、TFTP サーバー アドレス、およびコンフィギュレーション ファイル名を受信します。deviceは、TFTP サーバーにユニキャスト メッセージを送信し、指定されたコンフィギュレーション ファイルをサーバーのベース ディレクトリから取得して、ブートアップ プロセスを完了します。
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deviceの IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が予約されているが、DHCP 応答に TFTP サーバー アドレスが含まれていない場合(1 ファイル読み込み方式)。
deviceは DHCP サーバーから、IP アドレス、サブネット マスク、およびコンフィギュレーション ファイル名を受信します。device は、TFTP サーバーにブロードキャストメッセージを送信し、指定されたコンフィギュレーション ファイルをサーバーのベースディレクトリから取得して、ブートアッププロセスを完了します。
-
IP アドレスだけがdevice用に予約され、DHCP 応答で提供されており、コンフィギュレーション ファイル名は提供されない場合(2 ファイル読み込み方式)
device は DHCP サーバーから、IP アドレス、サブネット マスク、および TFTP サーバー アドレスを受信します。deviceは、TFTP サーバーにユニキャストメッセージを送信し、network-confg または cisconet.cfg のデフォルト コンフィギュレーション ファイルを取得します(network-confg ファイルが読み込めない場合、deviceは cisconet.cfg ファイルを読み込みます)。
デフォルト コンフィギュレーション ファイルには、deviceのホスト名から IP アドレスへのマッピングが含まれています。deviceは、ファイルの情報をホスト テーブルに書き込み、ホスト名を入手します。ファイルにホスト名がない場合、deviceは DHCP 応答で指定されたホスト名を使用します。DHCP 応答でホスト名が指定されていない場合、device はデフォルトの Switch ホスト名として使用します。
デフォルトのコンフィギュレーション ファイルまたは DHCP 応答からホスト名を入手した後、device はホスト名と同じ名前のコンフィギュレーション ファイル(network-confg または cisconet.cfg のどちらが先に読み込まれたかに応じて、hostname-confg または hostname.cf)を TFTP サーバーから読み込みます。cisconet.cfg ファイルが読み込まれている場合は、ホストのファイル名は 8 文字に切り捨てられます。
network-confg、cisconet.cfg、またはホスト名と同じ名前のファイルを読み込むことができない場合、deviceは router-confg ファイルを読み込みます。router-confg ファイルを読み込むことができない場合、deviceは ciscortr.cfg ファイルを読み込みます。
(注) |
DHCP 応答から TFTP サーバーを入手できなかった場合、ユニキャスト伝送によるコンフィギュレーション ファイルの読み込みにすべて失敗した場合、または TFTP サーバー名を IP アドレスに変換できない場合には、deviceは TFTP サーバー要求をブロードキャストします。 |
環境変数の制御方法
通常動作の device では、コンソール接続のみを通じてブートローダモードを開始します。スイッチの電源コードを取り外してから、もう一度電源コードを接続します。ブート ローダ スイッチのプロンプトが表示されるまで [MODE] を押し続けます。
device のブートローダソフトウェアは不揮発性の環境変数をサポートするため、これらの環境変数を使用して、ブートローダまたはシステムで稼働する他のソフトウェアの機能を制御できます。ブートローダの環境変数は、UNIX または DOS システムで設定できる環境変数と類似しています。
値を持つ環境変数は、フラッシュ ファイル システムの外にあるフラッシュ メモリに保存されます。
ファイルの各行には、環境変数名と等号に続いて、その変数の値が指定されます。変数が存在しない場合は、変数の値はありません。値がヌル ストリングと表示された場合は、変数に値が設定されています。ヌル ストリング(たとえば " ")が設定されている変数は、値が設定された変数です。多くの環境変数は事前に定義されており、デフォルト値が設定されています。
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Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルを読み取らないコードを制御するデータ。たとえば、ブートローダの機能を拡張したり、パッチを適用したりするブートローダ ヘルパー ファイルの名前は、環境変数として保存できます。
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Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルを読み取るコードを制御するデータ。たとえば、Cisco IOS コンフィギュレーション ファイル名は環境変数として保存できます。
環境変数の設定を変更するには、ブートローダにアクセスするか、Cisco IOS コマンドを使用します。通常の環境では、環境変数の設定を変更する必要はありません。
一般的な環境変数
この表では、最も一般的な環境変数の機能について説明します。
変数 |
ブートローダ コマンド |
Cisco IOS グローバル コンフィギュレーション コマンド |
---|---|---|
BOOT |
set BOOT filesystem :/ file-url ... 自動起動時にロードして実行を試みる、セミコロンで区切られた実行可能ファイルのリスト。BOOT 環境変数が設定されていない場合、システムは、フラッシュ ファイル システム全体に再帰的な縦型検索を行って、最初に検出された実行可能イメージをロードして実行を試みます。BOOT 変数が設定されていても、指定されたイメージをロードできなかった場合、システムはフラッシュ ファイル システムで最初に検出した起動可能なファイルを起動しようとします。 |
boot system {filesystem : /file-url ...
次の起動時にロードする Cisco IOS イメージと、イメージがロードされるスタックメンバーを指定します。このコマンドは、BOOT 環境変数の設定を変更します。 |
MANUAL_BOOT |
set MANUAL_BOOT yes スイッチの起動を自動で行うか手動で行うかを決定します。 有効な値は 1、yes、0、および no です。no または 0 に設定されている場合、ブートローダはシステムを自動的に起動しようとします。それ以外の値に設定されている場合は、ブートローダ モードから手動でスイッチを起動する必要があります。 |
boot manual 次回の起動時にスイッチを手動で起動できるようにします。MANUAL_BOOT 環境変数の設定が変更されます。 次回のシステム再起動時には、スイッチはブートローダ モードになります。システムを起動するには、boot flash: filesystem :/ file-url ブート ローダコマンドを使用してブート可能なイメージの名前を指定します。 |
CONFIG_FILE |
set CONFIG_FILE flash:/ file-url Cisco IOS がシステム コンフィギュレーションの不揮発性コピーの読み書きに使用するファイル名を変更します。 |
boot config-file flash:/ file-url Cisco IOS がシステム設定の不揮発性コピーの読み書きに使用するファイル名を指定します。このコマンドによって、CONFIG_FILE 環境変数が変更されます。 |
SWITCH_NUMBER |
set SWITCH_NUMBER stack-member-number スタック メンバのメンバ番号を変更します。 |
switch current-stack-member-number renumber new-stack-member-number スタック メンバのメンバ番号を変更します。 |
SWITCH_PRIORITY |
set SWITCH_PRIORITY stack-member-number スタック メンバのプライオリティ値を変更します。 |
switch stack-member-number priority priority-number スタック メンバのプライオリティ値を変更します。 |
BAUD |
set BAUD baud-rate |
line console 0 speedspeed-value ボー レートを設定します。 |
ENABLE_BREAK |
set ENABLE_BREAK yes/no |
boot enable-break switch yes/no このコマンドは、ENABLE_BREAK が yes に設定されている場合にフラッシュ ファイルシステムを初期化するときに発行できます。 |
TFTP の環境変数
イーサネット管理ポートを通してスイッチに PC を接続していると、TFTP でブートローダに対してコンフィギュレーション ファイルのアップロードまたはダウンロードができます。このテーブルの環境変数が設定されていることを確認します。
変数 |
説明 |
||
---|---|---|---|
MAC_ADDR |
スイッチの MAC アドレスを指定します。
ただし、ブート ローダを稼働した後に変数を変更した場合、またはこの変数が保存されている値と異なる場合は、TFTP を使用する前にこのコマンドを入力します。新しい値を有効にするためにリセットする必要があります。 |
||
IP_ADDRESS |
スイッチの関連付けられた IP サブネットに IP アドレスおよびサブネット マスクを指定します。 |
||
DEFAULT_ROUTER |
デフォルト ゲートウェイに IP アドレスおよびサブネット マスクを指定します。 |
ソフトウェア イメージのリロードのスケジューリング
device 上でソフトウェアイメージのリロードを後で(深夜、週末など device をあまり使用しないときに)行うように、スケジュールを設定できます。または(ネットワーク内のすべての devices でソフトウェアをアップグレードする場合など)ネットワーク全体でリロードを同時に行うことができます。
(注) |
リロードのスケジュールは、約 24 日以内に設定する必要があります。 |
リロード オプションには以下のものがあります。
-
指定した分数、または時間および分数が経過したときに、ソフトウェアがリロードされます。リロードは、約 24 時間以内に実行する必要があります。最大 255 文字で、リロードの理由を指定できます。
-
ソフトウェアのリロードが(24 時間制で)指定された時間に有効になります。月日を指定すると、指定された日時にリロードが行われるようにスケジュールが設定されます。月日を指定しなかった場合、リロードは当日の指定時刻に行われます(指定時刻が現時刻より後の場合)。または翌日の指定時刻に行われます(指定時刻が現在時刻よりも前の場合)。00:00 を指定すると、深夜 0 時のリロードが設定されます。
reload コマンドはシステムを停止させます。手動で起動することが設定されていない限り、システムは自動的に再起動します。
手動で起動するようにdeviceが設定されている場合、仮想端末からリロードを実行しないでください。これは device がブートローダモードになることでリモートユーザーが制御を失う事態を防止するための制約です。
コンフィギュレーション ファイルを変更すると、リロードの前にコンフィギュレーションを保存するように指示するプロンプトがdeviceにより表示されます。保存操作時に、CONFIG_FILE 環境変数がすでに存在しないスタートアップ コンフィギュレーション ファイルを示していた場合、保存を続行するかどうかという問い合わせがシステムから出されます。その状況のまま続けると、リロード時にセットアップ モードが開始されます。
スケジュールがすでに設定されたリロードを取り消すには、reload cancel 特権 EXEC コマンドを使用します。