一時キャプチャ バッファについて
一時キャプチャ バッファ(TCB)は、パケット ドロップ イベントをモニタするデバッグ機能です。TCB により、パケット ドロップの周辺にあるトランザクションがよく見えるようになります。この機能は、予期しない珍しいパケット ドロップのデバッグを目的としています。
TCB は以下で構成されています。
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TCB バッファ(循環バッファ):特定のドロップ イベントの周辺にあるメモリ管理ユニット(MMU)リソースのセットでトランザクションをキャプチャするために使用します。
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パケット メタデータ(送信元/宛先ポート、タイムスタンプ、ユニキャスト キュー番号、ユニキャスト キューの項目数、サービス プールの深さなど)
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raw パケット データ(パケットの最初から 80 バイト)
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イベント バッファ(FIFO バッファ):次の目的で使用します。
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ドロップ パケット メタデータの記録
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ドロップの原因特定
次の図に、TCB のワークフローを示します。
トリガー後のフェーズでは、キャプチャ範囲の他のキューで発生するドロップがイベント バッファに保存されます。このバッファには、パケットのメタデータが保存されます。raw パケット情報は失われます。
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TCB の設定属性を次に示します。
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キャプチャ範囲:
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モニタ範囲タイプ:TCB がモニタする範囲タイプを決定します。サポートされている範囲は次のとおりです。
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ユニキャスト キュー(UCQ)
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入力ポート
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出力ポート
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モニタ範囲エンティティ:モニタ範囲タイプと一貫性がある必要があります。サポートされているエンティティは次のとおりです。
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UCQ ID
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ポート番号
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ドロップ イベント トリガー:トリガーを引き起こす可能性のあるメカニズムをドロップします。サポートされているトリガーは次のとおりです。
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入力アドミッション ドロップ
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出力アドミッション ドロップ
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重み付けランダム早期検出(WRED)ドロップ
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トリガー前フェーズのサンプル確率:トリガー前フェーズのパケット サンプリング確率(1/16 ~ すべて)
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トリガー後フェーズのサンプル確率:トリガー後フェーズのパケット サンプリング確率(1/16 ~ すべて)
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凍結条件:TCB ステート マシンは、以下の凍結条件のいずれかに達したときに凍結フェーズに入ります。
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凍結前キャプチャ数:ドロップ イベント トリガーと凍結フェーズの間でキャプチャされたパケットの数
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凍結前キャプチャ時間:ドロップ イベント トリガーから凍結フェーズまでの時間(マイクロ秒)
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しきい値プロファイル:TCB インスタンスごとに使用できる 8 個のしきい値プロファイル。開始しきい値および停止しきい値があります。開始しきい値は、停止しきい値よりも大きい必要があります。
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しきい値プロファイル マップ:TCB スコープ内の各 UCQ は 1 つのしきい値プロファイルにマッピングでき、異なる UCQ を 1 つのしきい値プロファイルにマッピングすることもできます。サポートされているマップは次のとおりです。
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出力アドミッション ドロップ
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重み付けランダム ドロップ
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