EEM について
Embedded Event Manager はデバイス上で発生するイベントをモニタし、設定に基づいて各イベントの回復またはトラブルシューティングのためのアクションを実行します。
EEM の概要
EEM は次の 3 種類の主要コンポーネントからなります。
- イベント文:別の Cisco NX-OS コンポーネントからモニタし、アクション、回避策、または通知が必要になる可能性のあるイベント。
- アクション文:電子メールの送信、インターフェイスの無効化など、イベントから回復するために EEM が実行できるアクション。
- ポリシー:イベント文とアクション文の組み合わせ。指定されたイベントの発生時に、設定されているアクションが実行されます。
ポリシー
EEM ポリシーは、イベント文および 1 つまたは複数のアクション文からなります。イベント文では、探すイベントとともに、イベントのフィルタリング特性を定義します。アクション文では、イベントの発生時に EEM が実行するアクションを定義します。
図 1 に、EEM ポリシーの基本的な 2 種類の文を示します。
EEM ポリシーを設定するには、CLI または VSH スクリプトを使用します。
(注) |
EEM ポリシー照合は、MDS スイッチ上ではサポートされません。 |
EEM はスーパーバイザ上でイベント ログを維持します。
Cisco NX-OS には、設定済みのさまざまなシステム ポリシーがあります。これらのシステム ポリシーでは、デバイスに関連する多数の一般的なイベントおよびアクションが定義されています。システム ポリシー名は、2 個の下線記号(__)から始まります。
以下は、Cisco MDS 9000 シリーズ スイッチで利用可能な事前設定システム ポリシーの一部です。
-
ゾーン
-
__zone_dbsize_max_per_vsan:ゾーン データベースのサイズが vsan の 4000000 バイトの最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
__zone_members_max_per_sw:ゾーン メンバの数が スイッチの 32000 の最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
__zone_zones_max_per_sw:ゾーンの数がスイッチの 16000 の最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
__zone_zonesets_max_per_sw:ゾーンセット数がスイッチの 1000 の最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
-
ファブリック ログイン(FLOGI)
-
__flogi_fcids_max_per_switch:スイッチの flogis 数が 2000 の最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
__flogi_fcids_max_per_module:モジュールの flogis 数が 400 の最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
__Flogi_fcids_max_per_intf::インターフェイスの flogis 数が 256 の最大制限を超えた場合の Syslog 警告。
-
(注) |
上記 3 つの FLOGI ポリシーすべてが上書きされます。 |
-
ファイバ チャネル名サーバ(FCNS)
-
__fcns_entries_max_per_switch:スイッチごとにすべての Vsan 間で検証される名前サーバ エントリの最大制限を設定します。
-
アクション:syslog を表示します。
(注) |
ユーザ^は、異なるコンポーネントのポリシーのイベントを設定する必要があります。 |
使用するネットワークに合わせてユーザ ポリシーを作成できます。ユーザー ポリシーで定義されたアクションは、システム ポリシーで定義されたアクションとともに実行されます。ユーザ ポリシーを設定する場合には、CLI によるユーザ ポリシーの定義を参照してください。
一部のシステム ポリシーは上書きすることもできます。オーバーライド ポリシーは、システム ポリシーに置き換わります。イベントまたはアクションの上書きが可能です。
Use the show event manager system-policy command to view the preconfigured system policies and determine which policies that you can override.
上書きポリシーを設定する場合は、ポリシーの上書きを参照してください。
(注) |
You should use the show running-config eem command to check the configuration of each policy. イベント文が指定されていて、アクション文が指定されていない上書きポリシーを設定した場合、アクションは開始されません。また、障害も通知されません。 |
(注) |
上書きポリシーには、必ずイベント文を指定します。上書きポリシーにイベント文が含まれていないと、システム ポリシーで可能性のあるイベントがすべて上書きされます。 |
イベント文
イベントは、回避、通知など、何らかのアクションが必要なデバイス アクティビティです。これらのイベントは通常、インターフェイスやファンの誤動作といったデバイスの障害に関連します。
図 1 EEM ではイベント フィルタを定義して、クリティカル イベントまたは指定された時間内で繰り返し発生したイベントだけが関連付けられたアクションのトリガーになるようにします。
に、EEM が処理するイベントを示します。
イベント文では、ポリシー実行のトリガーになるイベントを指定します。設定できるイベント文は、1 つのポリシーに 1 つだけです。
EEM はイベント文に基づいてポリシーをスケジューリングし、実行します。EEM はイベントおよびアクション コマンドを検証し、定義に従ってコマンドを実行します。
アクション ステートメント
アクション文では、ポリシーによって実行されるアクションを記述します。各ポリシーに複数のアクション文を設定できます。ポリシーにアクションを関連付けなかった場合、EEM はイベント観察を続けますが、アクションは実行されません。
EEM がアクション文でサポートするアクションは、次のとおりです。
- CLI コマンドの実行。
- カウンタのアップデート。
- 例外の記録。
- モジュールの強制的シャットダウン。
- デバイスのリロード。
- 電力のバジェット超過による特定モジュールのシャットダウン。
- Syslog メッセージの生成。
- Call Home イベントの生成。
- SNMP 通知の生成。
- システム ポリシー用デフォルト アクションの使用。
(注) |
トリガーされたイベントでデフォルト アクションも処理されるようにする場合は、EEM アクションをポリシーのタイプに応じて event-default または policy-default で明示的に設定する必要があります。たとえば、match 文で CLI コマンドを照合する場合、EEM ポリシーに event-default アクション文を追加する必要があります。この文がないと、EEM では CLI コマンドを実行できません。 |
(注) |
ユーザ ポリシーまたは上書きポリシーの中に、相互に否定したり、関連付けられたシステム ポリシーに悪影響を与えたりするようなアクション文がないかどうかを確認してください。 |
VSH スクリプト ポリシー
テキスト エディタを使用し、VSH スクリプトでポリシーを作成することもできます。このようなポリシーにも、他のポリシーと同様、イベント文およびアクション文(複数可)を使用します。また、これらのポリシーでシステム ポリシーを補うことも上書きすることもできます。スクリプト ポリシーの作成後、そのポリシーをデバイスにコピーしてアクティブにします。スクリプト ポリシーを設定する場合は、VSH スクリプトによるポリシーの定義を参照してください。
環境変数
すべてのポリシーに使用できる、EEM の環境変数を定義できます。環境変数は、複数のポリシーで使用できる共通の値を設定する場合に便利です。たとえば、外部電子メール サーバの IP アドレスに対応する環境変数を作成できます。
パラメータ置換フォーマットを使用することによって、アクション文で環境変数を使用できます。
アクション文
この例では、「EEM action」というリセット理由を指定し、モジュール 1 を強制的にシャットダウンするアクション文の例を示します。
switch (config-eem-policy)# action 1.0 forceshut module 1 reset-reason “EEM action”
環境変数を使用するアクション文
シャットダウンの理由に default-reason という環境変数を定義すると、次の例のように、リセット理由を環境変数に置き換えることができます。
switch (config-eem-policy)# action 1.0 forceshut module 1 reset-reason $default-reason
この環境変数は、任意のポリシーで再利用できます。環境変数の詳細については、環境変数の定義を参照してください
EEM イベント相関
Cisco NX-OS Release 5.2 以降では、イベントの組み合わせに基づいて EEM ポリシーをトリガーできます。First, you use the tag keyword to create and differentiate multiple events in the EEM policy. Then using a set of boolean operators (and , or , and not ), along with the count and time, you can define a combination of these events to trigger a custom action.
ハイ アベイラビリティ
Cisco NX-OS は、EEM のステートレス リスタートをサポートします。リブートまたはスーパーバイザ スイッチオーバーの後、Cisco NX-OS は実行コンフィギュレーションを適用します。