目次
- MRP の設定
- MRP について
- MRP モード
- プロトコルの動作
- Media Redundancy Automanager(MRA)
- MRP ライセンス
- ライセンス ポータビリティ(ZTD)
- 複数の MRP リング
- MRP-STP の相互運用性
- 前提条件
- 注意事項と制約事項
- デフォルト設定
- MRP ライセンスのアクティブ化
- TIA 13 または STEP7 を使用した PROFINET MRP モードの設定
- PROFINET GSD ファイルのインストール
- PROFINET MRP の起動
- Simatic Step 7 または TIA 13 ポータルを使用した PROFINET の管理
- MRP CLI モードの設定
- MRP マネージャの設定
- MRP クライアントの設定
- PROFINET MRP の再有効化
- 設定の確認
- 設定例
- 関連資料
- 機能の履歴
MRP の設定
このマニュアルでは、Cisco Industrial Ethernet 2000 シリーズ スイッチ(IE 2000)、Cisco Industrial Ethernet 4000 シリーズ スイッチ(IE 4000)、Cisco Industrial Ethernet 4010 シリーズ スイッチ(IE 4010)、および Cisco Industrial Ethernet 5000 シリーズ スイッチ(IE 5000)で、Media Redundancy Protocol(MRP)を設定する方法について説明します。
MRP について
国際電気標準会議(IEC)の規格 62439-2 で定義される MRP は、産業自動化ネットワークのリング ネットワーク トポロジで高速コンバージェンスを実現します。MRP Media Redundancy Manager(MRM)は、リングの最大リカバリ時間を 10 ミリ秒、30 ミリ秒、200 ミリ秒、500 ミリ秒の範囲で定義します。
(注)
特に明記しないかぎり、スイッチという用語は IE 2000、IE 4000、IE 4010、または IE 5000 を指します。
(注)
最大 50 ノードで構成されるリングの場合、Cisco IE スイッチのデフォルトの最大リカバリ時間は 200 ミリ秒です。MRP マネージャの設定に説明されているように、500 ミリ秒のリカバリ時間プロファイルを使用するよう、スイッチを設定できます。MRP は MAC レイヤで動作し、製造業における産業ネットワークの PROFINET 規格と合わせて一般的に使用されます。
MRP モード
シスコはスイッチ上の MRP の 2 つのモードをサポートしていますが、ある時点においてスイッチで動作するよう有効にできるモードは 1 つだけです。
PROFINET MRP モード:このスイッチは PROFINET 環境に導入され、Siemens Totally Integrated Automation(TIA)フレームワークによって追加、管理されます。MRP マネージャまたはクライアントのライセンスが Web インターフェイスまたはコマンド ラインからアクティブ化されている場合、これがデフォルトの MRP モードです。詳細については、PROFINET MRP の再有効化を参照してください。
(注)
TIA でスイッチを管理する場合、MRP を設定するのに CLI や Web デバイス マネージャを使用しないでください。
MRP コマンドライン インターフェイス(CLI)モード:このモードは、Cisco IOS CLI および Web デバイス マネージャ、Web ベースのユーザ インターフェイス(UI)で管理されます。詳細については、MRP CLI モードの設定およびデバイス マネージャのオンライン ヘルプを参照してください。
(注)
MRP CLI モードでスイッチを管理する場合、Siemens STEP7/TIA から MRP 設定をダウンロードすることはできません。
プロトコルの動作
MRP リングでは、MRM はリング マネージャとして機能し、一方 Media Redundancy Clients(MRC)はリングのメンバー ノードとして機能します。各ノード(MRM または MRC)には、リングに参加するための 1 対のポートがあります。MRM は、1 つのリング ポートの制御フレームをリングを介して送信し、リングからの制御フレームを他のリング ポートを介して受信し、反対方向のものも受信することによって、ネットワーク障害に対応するリング トポロジを開始、制御します。MRC は MRM から受信した再構成フレームに応答し、そのリング ポート上のリンクの変化を検出して通知することができます。
IE 4000 および IE 5000 スイッチでは、リング内の特定のノードまたはすべてのノードを、Media Redundancy Automanager(MRA)として開始するように設定することもできます。MRA では、投票プロトコルと設定された優先順位値を使用して、MRM が互いに 1 つ選択されます。残りの MRA は MRC 権限に遷移します。詳細については、Media Redundancy Automanager(MRA)を参照してください。
すべての MRM および MRC リング ポートは、次の状態をサポートします。
無効(Disabled):リング ポートは受信したすべてのフレームをドロップします。
ブロック済み(Blocked):リング ポートは MRP 制御フレームと一部の標準フレーム(LLDP など)を除くすべての受信フレームをドロップします。
フォワーディング(Forwarding):リング ポートはすべての受信フレームを転送します。
未接続(Not Connected):リンクは物理的にダウンしているか切断されています。(この状態は、MRP ポートがソフトウェアによって手動で無効にされている「無効効態」とは異なります)。
通常動作中、ネットワークは Ring-Closed 状態で動作します(以下の図を参照)。ループを防止するため、一方の MRM リング ポートはブロック済みで、もう一方のポートはフォワーディングになります。ほとんどの場合、すべての MRC の両方のリング ポートはフォワーディング ステートになります。このループ回避により、物理リング トポロジは論理スタブ トポロジになります。
図では、左と右の 2 つのリングについて、次の点に注意してください。
左側のリング:どのポートも切断されていないため、MRM の接続(上部の小さな青い四角)はブロック済み状態(2 本の平行線で示す)です。
右側のリング:2 つの MRC の接続(左と中央の小さな白い四角)は、赤い「x」で示すように、それらの間のリンクが壊れているため、無効状態です。
ネットワーク障害が発生した場合:
ネットワークは Ring-Open 状態に移行します。
2 つの MRC を接続するリンクに障害が発生した場合、MRM の両方のリング ポートはフォワーディング ステートに変わり、障害に隣接する MRC は無効なリング ポートとフォワーディング リング ポートになり、他の MRC は両方のリング ポートがフォワーディングになります。
Ring-Open 状態では、ネットワーク論理トポロジはスタブになります。
レイヤ 2 イーサネット フレームは、これら 2 つのリング状態間の移行に必要な時間中に失われます。MRP プロトコルでは、スイッチオーバー時間を最小限に抑えるためにスイッチオーバーを自動的に管理する手順を定義します。さまざまなパラメータで構成されるリカバリ時間プロファイルは、MRP トポロジ コンバージェンス パフォーマンスを促進します。200 ミリ秒のプロファイルは、200 ミリ秒の最大リカバリ時間をサポートします。500 ミリ秒のプロファイルは、500 ミリ秒の最大リカバリ時間をサポートします。
MRP は 3 種類の制御フレームを使用します。
リング ステータスをモニタするため、MRM は定期的に両方のリング ポートでテスト フレームを送信します。
MRM が障害またはリカバリを検出すると、両方のリング ポートで TopoChange フレームを送信します。
MRC がローカル ポート上で障害またはリカバリを検出すると、LinkChange サブタイプ フレーム、Linkdown および Linkup を MRM に送信します。
Media Redundancy Automanager(MRA)
(注)
このセクションは、IE 4000 および IE 5000 スイッチにのみ適用されます。MRA は、IE 4000 および IE 5000 シリーズ スイッチでのみ、CLI を使用して有効化できます。
Media Redundancy Automanager(MRA)として開始するように設定されている場合、ノードでは投票プロトコルと設定された優先順位値を使用して MRM が選択されます。残りの MRA は MRC 権限に遷移します。すべてのノードは MRA または MRC として設定する必要があります。同じリング内に手動で MRM および MRA を設定することはサポートされていません。
MRA 権限は、MRM や MRC のような稼働中の MRP 権限ではありません。MRA 権限は、デバイス起動時の一時的な管理役割に過ぎません。起動後はノードを MRM 権限または MRC 権限に遷移する必要があり、マネージャ投票プロセスを通じて MRM が選択されます。
MRA 機能は、次のように機能します。
電源投入時に、すべての MRA がマネージャ投票プロセスを開始します。各 MRA では、両方のリング ポートで MRP_Test フレームの送信が開始します。MRP_Test フレームには MRA の優先順位値が含まれています。受信した MRP_Test フレームに含まれるリモート マネージャの優先順位値は、MRA 自身の優先度と比較されます。MRA は自身の優先順位が受信した優先順位よりも高い場合、リモートマネージャの MAC アドレスとともに、ネガティブ テスト マネージャの確認応答(MRP_TestMgrNAck)フレームを送信します。
受信側 MRA が、自身の MAC アドレスを含む MRP_TestMgrNAck を受信すると、受信側 MRA はクライアント(MRC)権限への遷移を開始します。
MRP_TestPropagate フレームは、クライアント権限の他の MRA デバイスに、役割の変更と、より優先順位が高い新規のマネージャについて通知します。このフレームを受信するクライアントは、その情報に応じて、より優先順位が高いマネージャの情報を更新します。これにより、モニタ中のより優先順位の高いマネージャ権限が変更された場合でも、クライアントがクライアント権限にとどまることになります。
MRP ライセンス
IE スイッチでの MRP の使用は、使用権(RTU)ライセンスに基づきます。MRP は、Lan Lite、Lan Base、IP Lite、IP Service を含むすべてのライセンス レベルでサポートされています。ライセンス ポータビリティ(ZTD)で説明されているように、SD カードを使用して MRP の永久ライセンスを新しいスイッチに移行できます。
IE 2000、IE 4000、IE 4010、IE 5000 スイッチの MRP ライセンス製品 ID(PID)を次の表に示します。プラットフォームやリリースごとの MRP 機能のサポートについての詳細な一覧については、機能の履歴を参照してください。
表 1 Cisco IE 2000、IE 4000、IE 4010、IE 5000 の MRP ライセンス製品 ID ライセンス PID
説明
プラットフォームとリリース
LIC-MRP-MANAGER=
MRP リング マネージャ ライセンス
このライセンスにより、IE 4000 および IE 5000 の MRA 管理権限が有効になります。同じライセンスにより、IE 2000 および IE 4010 の MRM のみが有効になります。
IE 2000:15.2(4)EA
IE 4000:15.2(4)EA1
IE 5000: 15.2(5)E1
IE 4010: 15.2(5)E2
LIC-MRP-Client=
MRP リング クライアント ライセンス
IE 2000:15.2(4)EA
IE 4000:15.2(4)EA1
IE 5000: 15.2(5)E1
IE 4010: 15.2(5)E2
上記の各 MRP ライセンスは、評価ライセンスと永久ライセンスとして利用できます。MRP ライセンスの有効期限が切れるか、または非アクティブになった場合、MRP のリング設定は次回の再起動時まで保持されます。MRP ライセンスをアクティブ化するには、MRP ライセンスのアクティブ化を参照してください。
(注)
IE 4000 および IE 5000 では、MRP マネージャ ライセンスまたは MRP クライアント ライセンスのいずれかを使用して、最大 3 つのリングを設定できます。MRP マネージャのライセンスを使用すると、スイッチは自動マネージャまたはクライアントとして設定できます。MRP クライアントのライセンスを使用すると、スイッチはクライアントとしてのみ設定できます。
IE 2000 および IE 4010 では、マネージャ ライセンスを使用して、最大 3 つのマネージャ(1 つのリングにつき 1 つのマネージャ)または 1 つのクライアントを設定できます。MRP クライアントのライセンスを使用すると、スイッチはクライアントとしてのみ設定できます。
ライセンス ポータビリティ(ZTD)
MRP ライセンスには、ゼロ タッチ導入(ZTD)を促進する機能が含まれています。MRP ライセンスを持つスイッチに障害が発生し、そのスイッチを新しいものと交換する必要がある場合、SD カードを使ってライセンスを移行することで、故障したスイッチの MRP ライセンスを新しいスイッチに移行できます。MRP ライセンスのポータビリティはデフォルトでオンになっているため、この機能に必要な設定はありません。
MRP ライセンスのポータビリティ要件は次のとおりです。
MRP 使用権ライセンスのポータビリティは永久ライセンスのみをサポートし、評価ライセンスはサポートしません。
ゼロ タッチ ライセンス移行は、スイッチが工場出荷時のデフォルト モードになっている場合のみ機能します。交換用スイッチを以前使用していた場合、そのスイッチを工場出荷時の初期状態にリセットします。これについては、『Cisco IE 2000 スイッチ ハードウェア インストレーション ガイド』、『 Cisco IE 4000 スイッチ ハードウェア インストレーション ガイド』、または『Cisco IE 5000 スイッチ ハードウェア インストレーション ガイド』の説明に従ってください。
ライセンスのポータビリティは、IE 2000、IE 4000、IE 5000 でサポートされています。
スイッチには SD カードが必要です。
転送前にライセンス移行用のソース スイッチが SD カードで起動されている必要があります。
ライセンスのポータビリティは、15.2(5)E2 より前の Cisco IOS リリースとの下位互換性はありません。
マルチマネージャ ライセンス(15.2(5)E2 より前のリリース)が設定されている場合は、15.2(5)E2 にアップグレードする前にライセンスを無効にする必要があります。
15.2(5)E2 のイメージを使用してマネージャ ライセンスを設定し、15.2(5)E2 より前のイメージにダウングレードすると、マネージャ ライセンスは保持されますが、マルチマネージャ ライセンスは保持されません。
ライセンスを移行するには、SD カードをターゲットのスイッチに挿入し、スイッチをリロードします。最初のリロード後、MRP ライセンス情報は古いスイッチのライセンス情報と同じものになります。永久ライセンスのその後の変更(アクティブ化または非アクティブ化)は即座に SD カードに同期されます。これにより、SD カードのライセンス ファイルに最新の MRP ライセンス情報が保持されます。
複数の MRP リング
産業用イーサネット ネットワークでは、セル/エリア内の MRP リングはアクセス レイヤのサブリングです。IE 2000 および IE 4010 では、MRP マネージャの MRP ライセンスを使用して複数の MRP リングを接続でき、これらをディストリビューション レイヤに集約できます。IE 4000 および IE 5000 では、複数の MRP リングを mrp-manager または mrp-client ライセンスに接続できます。(共通ノードはマネージャまたはクライアントが可能)
スイッチは同じ VLAN ID で最大 3 つの MRP リングをサポートし、各リングに一意の MRP ドメイン ID を使用します。3 つのリングはすべて同じ MRP マネージャによって制御されます。複数の MRP リングは Cisco Web デバイス マネージャ、または CLI によってのみ管理でき、Siemens STEP7/TIA では管理できません。詳細については、MRP CLI モードの設定 を参照してください。
前提条件
MRP マネージャと MRP クライアントのライセンスは、トラスト モデルの使用権ライセンスです。Cisco Commerce(https://cisco-apps.cisco.com/cisco/psn/commerce)経由でライセンスを購入する必要があります。
MRP プロトコルは、Lan Lite、Lan Base、拡張 Lan Base、IE 2000 用 IPLite、IE 4010、IE 4000 および IE 5000 用 Lan Base および IP Services でサポートされています。
MRP は物理リング トポロジに配置されているため、ネットワーク ストームを回避するため、MRP 機能を設定する前に、接続インターフェイスで shut コマンドを発行するか、ケーブルを物理的に取り外して、各リングの 2 つのノード間の物理的な接続を 1 つ開けておくことをお勧めします。すべての MRC および MRM(または IE 4000 および IE 5000 の MRA)を正しく設定した後に、ポートで noshut コマンドを発行するか、ノード間のケーブルを再接続します。
MRP プロトコルを設定する前に、MRP ライセンスをアクティブにします。「MRP ライセンスのアクティブ化」を参照してください。
スイッチの MRP 設定を決定します:MRP マネージャ(または IE 4000 および IE 5000 の MRA)またはクライアント。
ネットワークが SIMATIC TIA または STEP7 で管理されている場合、基本的な PROFINET 接続がオンになっていることを確認します。
MRP のデフォルトの VLAN は 1 です。デフォルト以外の VLAN を使用するには、それを MRP 設定に割り当てる前に PROFINET VLAN ID を設定する必要があります。
注意事項と制約事項
デフォルトでは、PROFINET MRP が有効になっています。シスコ スイッチ CLI を使用して PROFINET MRP 機能を無効にした後にのみ、シスコ スイッチ CLI を使用して MRP を設定する(MRP 権限を含む)ことが可能です。
PROFINET MRP が有効である場合は、STEP7 と TIA を使用して、MRP を設定(MRP 権限を含む)します。
MRP ライセンスはシスコ スイッチ CLI を使用して有効化する必要があります。
MRP マネージャ ライセンスを使用すると、各リングのマネージャ インスタンスを使用して、デバイス上の同じ VLAN に最大 3 つのリングを設定できます(各 MRP インスタンスはマネージャまたはクライアントになれます)。複数の MRP リングのサポートは、CLI または Web デバイス マネージャ ツールでのみ可能です。
スイッチは 1 リングあたり最大 50 の MRC をサポートします。
MRP は、Resilient Ethernet Protocol(REP)、スパニング ツリー プロトコル(STP)、Flex Link、または Dot1x と同じインターフェイス(ポート)で実行することはできません。
STP は MRP セグメントでは動作しません。MRP インターフェイスはすべての STP BPDU をドロップします。
アクセス ポートでは、MRP インターフェイスで具体的に switchportmodeaccess および switchportaccessvlan x コマンドを設定する必要があります。
MRP インターフェイスはフォワーディング ステートで起動し、安全にブロック可能と通知されるまでフォワーディング ステートのままになります。MRP リングの状態は Ring-Closed に変わります。
MRP ポートは、SPAN 宛先ポート、プライベート VLAN ポート、またはトンネル ポートのいずれのポート タイプとしても設定できません。また PROFINET モードで動作している場合、MRP ポートをトランク ポートとして設定することもできません。
MRP は EtherChannel または EtherChannel に属する個別のポートではサポートされません。
すべてのファスト イーサネット トポロジ、またはすべてのギガビット イーサネット トポロジのいずれかで MRP ノードを設定することを推奨します。
IE 5000 では、MRP はダウンリンク ポートでのみサポートされています。アップリンク ポートで MRP を設定しようとすると、エラー メッセージが表示されます。
オーバー サブスクリプションまたは輻輳により、MRP 制御フレームはドロップされます。この動作は STP BPDU に似ています。IE 2000 上で、すべての MRP ポートで mlsqostrustcos、mlsqoscos7 を設定すると、パフォーマンスが少し向上する場合があります。さらに、これらのコマンドを有効にするには、QoS をグローバルに有効にする必要があります。輻輳が解消されると、MRP は通常の動作を再開します。
IE 4000 および IE 5000 スイッチは MRP 制御フレームをドロップせずに輻輳を処理できます。
各 MRP リングは 1 つの MRP VLAN のみを持つことができます。
PROFINET MRP モードのみ
STEP7 と TIA によって管理される PROFINET MRP では、PROFINET に VLAN タギングの概念がないため、レイヤ 2 アクセス ポートのみサポートされています。
10 ミリ秒と 30 ミリ秒プロファイルは PROFINET MRP モードではサポートされていません。
PROFINET MRP モードを使用する場合、PROFINET が近接デバイスを認識し、Siemens PLC タイムアウトを回避するため、LLDP タイマーを 5 ミリ秒または 10 ミリ秒に設定することを推奨します。
管理 VLAN が PROFINET MRP VLAN と通信するためには、InterVLAN ルーティング機能が必要です。InterVLAN ルーティングは、IE 2000 の Lan Lite を除くすべてのソフトウェア ライセンスでサポートされています。
新しい脱着可能なモジュール GSD ファイルが TIA/STEP7 にインストールされている場合は、TIA/Step7 でプロジェクトを再作成する必要があります。古い GSD ファイルを使用して作成された既存のプロジェクトでは、同じデバイスに対して新しい GSD ファイルを選択しようとするとエラーを表示します。これは、脱着可能なモジュール SKU のコンボ ポートが以前に固定ポートとして定義されていたために発生します。
MRA は、PROFINET MRP モードではサポートされていません。
MRP CLI モードのみ
MRP CLI モードは、レイヤ 2 アクセス ポートとトランク ポートの両方でサポートされています。
CLI を使用して MRP リングを設定したら、MRP リングを、MRP をサポートするポート ペアに接続する必要があります。
どちらの MRP ポートも同じインターフェイス モード(アクセスまたはトランク)である必要があります。
既存の MRP リングの設定(モード)を変更する、またはアクセスとトランク間のリング ポートのインターフェイス モードを変更するには、まずリングを削除してから、新しい設定のリングを再作成する必要があります。
両方の MRP ポートがアクセス モードの場合、アクセス VLAN はこれに合わせる必要があります。設定済みの MRP VLAN がポートのアクセス VLAN と一致しない場合、MRP VLAN は自動的に MRP ポートのアクセス VLAN に変更されます。
2 つのアクセス ポートを持つ MRP リングで、MRP リング作成時にポートが同じアクセス VLAN に属していない場合、または MRP リング作成後にポートの 1 つだけアクセス VLAN を変更した場合、MRP リング動作は中断され、次のようなメッセージが表示されます。
ERROR% The ring 1 ports don't belong to the same access VLAN. The MRP ring will not function until the issue has been fixedこの問題を解決するには、2 つのリング ポートのアクセス VLAN の設定を同じにします。
標準プロファイルの 200 ミリ秒と 500 ミリ秒がサポートされています。10 ミリ秒と 30 ミリ秒のプロファイルはサポートされていません。
Media Redundancy Automanager(MRA)
MRA は、IE 4000 および IE 5000 でのみサポートされています。
MRA は、MRP CLI モードでのみサポートされています。
MRA 権限と静的 MRM 権限は同じリングでサポートされていません。MRA が機能するには、選択プロセスに参加していない MRM デバイスは存在できません。MRA 用に設定する場合、マネージャ権限をサポートするリング内のすべてのデバイスを、MRP 権限「マネージャ(自動)」に設定するか、MRP 権限「クライアント」のままにしておく必要があります。ただし、リング内の少なくとも 1 つのデバイスは、MRP 権限「マネージャ(自動)」または「マネージャ」のいずれかに設定する必要があります。
MRA は、仕様 IEC62439 で定義されている MRP_IECOUI を使用して NACK および PROP を送信します。パケット形式はこれに従って定義されます。
デフォルト設定
MRM ラインセンスと MRC ライセンスは、デフォルトで無効になっています。
MRM ライセンスまたは MRC ライセンスが有効な場合、PROFINET MRP はデフォルトで有効になっています。
MRP はデフォルトで無効になっています。
デフォルトの VLAN は 1 です。
デフォルト以外の VLAN を、MRP リング 1 に割り当てる前に作成します。
MRP ライセンスのアクティブ化
スイッチ上で MRP 機能を設定する前に、MRP ライセンスをアクティブ化する必要があります。
(注)
MRP マネージャと クライアント マネージャのライセンスは、トラスト モデルの使用権ライセンスです。Cisco Commerce(https://cisco-apps.cisco.com/cisco/psn/commerce)経由でライセンスを購入する必要があります。ライセンス PID の一覧については、表 1を参照してください。
Cisco IOS コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して、ライセンスをアクティブ化することができます。
スイッチのライセンスをアクティブ化するには、特権 EXEC モードで、次のコマンドのいずれか 1 つを入力します。
Switch# license right-to-use activate mrp-client Switch# license right-to-use activate mrp-manager
(注)
上記のコマンドを入力した後、ライセンスの条件が表示されます。承認するには yes と答えます。アクティブ化されたライセンスの詳細を表示するには、特権 EXEC モードで次のコマンドを入力します。
Switch# show license Index 1 Feature: lanbase Period left: Life time License Type: Permanent License State: Active, In Use License Priority: Medium License Count: Non-Counted ... <abbreviated display> Index 5 Feature: mrp-manager Period left: 8 weeks 4 days License Type: Evaluation License State: Active, Not in Use, EULA not accepted License Priority: None License Count: 1/0/0 (Active/In-use/Violation) Index 6 Feature: mrp-client Period left: Life time License Type: PermanentRightToUse License State: Active, In Use License Priority: High License Count: 1/1/0 (Active/In-use/Violation
(注)
mrp-client または mrp-manager の MRP ライセンスをアクティブ化してから、コマンド mrpring1 を使用して MRP を有効にすると、コマンド showmrpring1 はデフォルトで MRP モードを Client として表示します。MRP 設定が完了すると、showmrpring1 によりライセンスの正しいモードが表示されます。TIA 13 または STEP7 を使用した PROFINET MRP モードの設定
MRP ライセンスのアクティブ化の後、Siemens TIA または STEP7 を使用して、PROFINET MRP 設定をシスコ スイッチにプッシュすることができます。MRM ライセンスまたは MRC ライセンスが有効な場合、スイッチでは PROFINET MRP がデフォルトで有効になります。
(注)
PROFINET および TIA を使用している場合、CLI を使用してスイッチの設定を実行または変更しないでください。これには MRC または MRM 権限を設定することが含まれます。MRP CLI モードと PROFINET MRP モードは相互に排他的です。
(注)
シスコ スイッチが PROFINET PLC に接続されている場合、showprofinetstatus|includeConnected の出力は Yes になります。showprofinetstatus|includeConnected の出力が No の場合、スイッチは PROFINET PLC に接続されていません。
PROFINET GSD ファイルのインストール
PROFINET MRP GSD ファイル(Cisco_IE2000_GSD.zip、Cisco_IE4000_GSD.zip、Cisco_IE4010_GSD.zip、Cisco_IE4010_GSD.zip または Cisco_IE5000_GSD.zip)は、Cisco IOS リリースにバンドルされています。PC からのイメージを解凍した後、GSD XML ファイルを TIA 13 PC のある場所に手動でコピーまたは転送し、GSD ディレクトリにアップロードできます。
常に最新のリリースされた GSD ファイルを使用することを推奨します。Cisco IOS リリース 15.2(5)E2 の GSD ファイルは次のとおりです。
IE 2000:GSDML-V2.31-Cisco-IE2000-20170228.xml
IE 3000:GSDML-V2.31-Cisco-IE3000-20160125.xml
IE 4000:GSDML-V2.31-Cisco-IE4000-20160601.xml
IE 4010:GSDML-V2.31-Cisco-IE4010-20170330.xml
IE 5000:GSDML-V2.31-Cisco-IE5000-20170228.xml
注意
Cisco IOS ソフトウェアにバンドルされているバージョンより古い TIA 13 または STEP 7 にインストールされた GSD XML ファイルがある場合、非互換性により起こり得る問題を回避するため、古いファイルを削除することを推奨します。
(注)
サポートされている SFP トランシーバについては、IE 2000 および IE 5000 のデータ シート参照してください。このリリースでは、IE 4000 および IE 4010 は SFP GLC-LH-SM および GLC-FE-100FX をサポートしています。
最低限必要な Cisco IOS リリースについては、機能の履歴を参照してください。
PROFINET MRP の起動
手順前提条件
LLDP プロトコルを使用してすべての近接デバイスを検出するため、PROFINET MRP をネットワークにプッシュする前に、MRP イーサネット ポートを承認し、リング(オープン リング)から切断することを推奨します。このアプローチにより、何か問題があった場合に、不必要なフラッディングを回避できます。
ステップ 1 (オプション)show lldp neighbor と入力し、LLDP プロトコルがすべてのネイバーを正しく検出することを確認します。 ステップ 2 すべての MRP ライセンスがスイッチ上でアクティブであることを確認します。 ステップ 3 PROFINET ステータスに「接続済み」と表示されていることを確認します。 ステップ 4 profinetmrpring1 の出力を調べることで、MRP ポートが正しく接続されていることを確認でき、次の報告が得られます。
ブロック済みモードの 1 つの MRM ポート
フォワーディング モードの他のすべての MRM ポート(のバランス)
(注) MRP デバイスのロールを変更する(MRP クライアントから MRP マネージャ、または MRP マネージャから MRP クライアントなど)前に、MRP リングが開いていることを確認します。
MRP CLI モードの設定
IE 2000 および IE 4010 上で MRP を設定するには、ノードを MRM または MRC として設定し、その 2 つの MRP ポートを指定します。IE 4000 または IE 5000 上で MRP を設定するには、ノードを MRA または MRC として設定し、その 2 つの MRP ポートを指定します。mrp-manager ライセンスを使用すると、各リングのマネージャ インスタンスおよびデバイスごとに 1 つのマネージャを使用して、デバイス上に最大 3 つのリングを設定できます(デバイスはマネージャまたはクライアントになれます)。1 つの MRM を持つリングはそれぞれ、最大 50 の MRC をサポートできます。
次の MRP 設定パラメータは、複数の MRP リングに必要な domain-id、ならびに IE 4000 および IE 5000 の MRA に使用される優先順位を除いてオプションです。
domain-id:MRP リングを表す一意の ID。
domain-name:設定した MRP ドメイン ID の論理名。
priority:IE 2000 および IE 4010 では、このパラメータは現在使用されていません。IE 4000 および IE 5000 の MRA では、この値は MRM 投票プロセスで使用されます。
profile:200 ミリ秒(デフォルト)または 500 ミリ秒。
vlan-id:MRP フレームを送信するための VLAN。
default:グローバル MRP 設定では、モードをクライアントに設定します。
MRP マネージャの設定
手順IE 2000 および IE 4010 スイッチを MRP マネージャとして、IE 4000 および IE 5000 スイッチを MRP CLI モードで設定するには、次の手順に従います。
PROFINET MRP はスイッチのデフォルト モードであるため、次の手順 1 において MRP CLI モードで動作させるには、そのモードを無効にする必要があります。
(注)
デバイスが PLC モジュールに接続されている場合、MRP に対して「no device in the ring」が選択されていることを確認します。
ステップ 1 コンフィギュレーション モードを開始します。 configure terminal
no profinet mrp
ステップ 2 MRP を有効化します。 mrp ring 1
ステップ 3 MRP マネージャ モード(IE 2000 および IE 4010 スイッチ)または自動マネージャ モード(IE 4000 および IE 5000 スイッチ)を設定します。 modemanager
modeauto-manager
ステップ 4 (単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン ID を設定します。 domain-id value
value:ハイフンによって 5 つのグループに分けられた 32 桁の 16 進数の UUID 文字列
例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000
リング 1 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF です。
ステップ 5 (単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン名を設定します。 domain-name name
name:最大 32 文字の文字列
ステップ 6 (オプション)VLAN ID を設定します。 vlan-id vlan
ステップ 7 (オプション)リカバリ プロファイルを設定します。 profile {200 | 500}
200:最大リカバリ時間 200 ミリ秒
500:最大リカバリ時間 500 ミリ秒
ステップ 8 IE 4000 および IE 5000 で、MRA の優先順位を設定します。 priority value
value:範囲は <36864 ~ 61440> で、最低値は 65535。
デフォルトの優先順位は 40960 です。
ステップ 9 特権 EXEC モードに戻ります。 end
ステップ 10 コンフィギュレーション モードを開始します。 configure terminal
ステップ 11 最初のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。 interface port
ステップ 12 インターフェイス モードを設定します。 switchportmode { access|trunk }
(注) MRP をアクセス モードで設定するには switchportmodeaccess を指定する必要があります。 ステップ 13 MRP リングにインターフェイスを関連付けます。 mrp ring 1
ステップ 14 グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 exit
ステップ 15 2 番目のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。 interface port
ステップ 16 インターフェイス モードを設定します。 switchport mode { access | trunk }
(注) MRP をアクセス モードで設定するには、この手順で switchportmodeaccess を指定する必要があります。 ステップ 17 MRP リングにインターフェイスを関連付けます。 mrp ring 1
ステップ 18 特権 EXEC モードに戻ります。 end
ステップ 19 (複数のリングの場合)リングを追加するごとに、ステップ 2 ~ 15 を繰り返します。
2 番目のリングにリング番号 2 を割り当てます。
リング 2 に一意のドメイン ID を割り当てます。リング 2 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE です。
3 番目のリングにリング番号 3 を割り当てます。
リング 3 に一意のドメイン ID を割り当てます。リング 3 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFD です。
(注) 各リングには固有のドメイン ID が必要です。2 つのリングで同じドメイン ID を共有することはありません。
次に、MRP 自動マネージャを設定する例を示します。
Switch#configure terminal Switch# no profinet mrp Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#mrp ring 1 Switch(config-mrp)#mode auto-manager Switch(config-mrp-auto-manager)#domain-id FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF Switch(config-mrp-auto-manager)#priority 40960 Switch(config-mrp-auto-manager)#end Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#GigabitEthernet1/2 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops. Switch(config-if)#exit Switch(config)#GigabitEthernet1/1 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops. Switch(config-if)#exit Switch(config-if)#end Switch# show mrp ring 1 MRP ring 1 Profile : 200 ms Mode : Auto-Manager Priority : 40960 Operational Mode: Client From : CLI License : Active Best Manager : MAC Address : 00:78:88:5E:03:81 Priority : 36864 Network Topology: Ring Network Status : OPEN Port1: Port2: MAC Address :84:B8:02:ED:E8:02 MAC Address :84:B8:02:ED:E8:01 Interface :GigabitEthernet1/2 Interface :GigabitEthernet1/1 Status :Forwarding Status :Forwarding VLAN ID : 1 Domain Name : Cisco MRP Ring 1 Domain ID : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF Topology Change Request Interval : 10ms Topology Change Repeat Count : 3 Short Test Frame Interval : 10ms Default Test Frame Interval : 20ms Test Monitoring Interval Count : 3 Test Monitoring Extended Interval Count : N/A Switch#show mrp ports Ring ID : 1 PortName Status -------------------------------------- GigabitEthernet1/2 Forwarding GigabitEthernet1/1 ForwardingMRP クライアントの設定
手順スイッチを MRP クライアントとして設定するには、次の手順に従います。
ステップ 1 コンフィギュレーション モードを開始します。 configure terminal
ステップ 2 MRP を有効化します。 mrp ring 1
ステップ 3 MRP クライアント モードを設定します(このモードを指定しない場合、クライアント モードがデフォルトです)。 modeclient
ステップ 4 (オプション)MRM でこのリング用に設定した(MRP マネージャの設定の手順 4)ドメインと同じドメイン ID を設定します。 domain-id value
value:ハイフンによって 5 つのグループに分けられた 32 桁の 16 進数の UUID 文字列
例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000
リング 1 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF です。
ステップ 5 特権 EXEC モードに戻ります。 end
ステップ 6 コンフィギュレーション モードを開始します。 configure terminal
ステップ 7 最初のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。 interface port
ステップ 8 インターフェイス モードを設定します。 switchport mode { access | trunk }
(注) MRP をアクセス モードで設定するには switchportmodeaccess を指定する必要があります。 ステップ 9 MRP リングにインターフェイスを関連付けます。 mrp ring 1
ステップ 10 グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 exit
ステップ 11 2 番目のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。 interface port
ステップ 12 インターフェイス モードを設定します。 switchport mode { access | trunk }
(注) MRP をアクセス モードで設定するには switchportmodeaccess を指定する必要があります。 ステップ 13 MRP リングにインターフェイスを関連付けます。 mrp ring 1
ステップ 14 特権 EXEC モードに戻ります。 end
次に、MRP クライアントを設定する例を示します。
Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#mrp ring 1 Switch(config-mrp)#mode client Switch(config-mrp-client)#end Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface gi1/1 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 Switch(config-if)#exit Switch(config)#interface gi1/2 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 Switch(config-if)#end Switch#show mrp ring MRP ring 1 Mode : Client From : CLI License : Active Best Manager : MAC Address : Unknown Priority : Unknown Network Topology: Ring Network Status : Unknown Port1: Port2: MAC Address :30:F7:0D:68:07:81 MAC Address :30:F7:0D:68:07:82 Interface :GigabitEthernet1/1 Interface :GigabitEthernet1/2 Status :Forwarding Status :Forwarding VLAN ID : 1 Domain Name : Cisco MRP Ring 1 Domain ID : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF Link Down Timer Interval : 20 ms Link Up Timer Interval : 20 ms Link Change (Up or Down) count : 4 ms MRP ring 2 not configured MRP ring 3 not configuredPROFINET MRP の再有効化
手順PROFINET MRP はデフォルトで有効になっています。現在スイッチが MRP CLI モードで動作していて、動作モードを PROFINET MRP に戻したい場合のみ、次の手順に従ってください。
(注)
PROFINET MRP に設定するインターフェイスで、switchportmodetrunkon を設定しないでください。PROFINET MRP インターフェイスには、デフォルトの vlan mode/no configuration または switchportaccessvlan1 CLI を設定できます。
ステップ 1 コンフィギュレーション モードを開始します。 configure terminal
ステップ 2 PROFINET MRP を有効化します。 profinet mrp
ステップ 3 TIA ポータルを使用して、PROFINET MRP クライアントまたは PROFINET MRP マネージャを設定します。 次の例は、PROFINET MRP を有効にする方法、およびステータスの確認方法を示します。
switch#configure terminal switch(config)# profinet mrp switch(config)# end switch#show profinet status Profinet : Enabled Connection Status : Connected Vlan : 50 Profinet ID : ie2km1 GSD version : Match Reduct Ratio : 128 MRP : Enabled MRP License Status : Active MRP Max Rings Allowed : 3 MRC2# sh profinet mrp ring 1 MRP ring 1 Profile : 200 ms Mode : Client From : Profinet Network Topology: Ring PNPORT 1:(0/32769) PNPORT 2:(0/32770) MAC Address :78:DA:6E:57:9C:83 MAC Address :78:DA:6E:57:9C:84 Interface :FastEthernet1/1 Interface :FastEthernet1/2 Status :Forwarding Status :Forwarding VLAN ID : 1 Domain Name : mrpdomain-1 Domain ID : C3D687FE789E3A1ACDBE5BFCBBC27B6 Topology Change Request Interval : 10ms Topology Change Repeat Count : 3 Short Test Frame Interval : 10ms Default Test Frame Interval : 20ms Test Monitoring Interval Count : 3 Test Monitoring Extended Interval Count : N/A設定の確認
コマンド
説明
showmrpring{1-3}
MRP リングの設定の詳細を表示します。
show mrp ports
MRP ポート状態の詳細を表示します。いずれのポートでも MRP が設定されていない場合、「N/A」と表示されます。
showmrpring{1-3}statistics[all | event | hardware | packet | platform]
MRP リングの動作の詳細を表示します。
(注) ハードウェアの統計情報は、FPGA がサポートされている IE 4000 および IE 5000 でのみ使用可能です。
debugmrp [cli | client | fpga | license | manager | packet | platform]
MRP イベントをトレースします。
(注) fpga は FPGA がサポートされている IE 4000 および IE 5000 でのみ使用可能です。
manager は、スイッチがマネージャまたは自動マネージャとして設定されているときにのみ使用可能です。
show profinet status
PROFINET の詳細を表示します。
showprofinetmrpring
PROFINET MRP リングの設定の詳細を表示します。
設定例
次に、マネージャとして設定された MRP スイッチの例を示します。
Switch#configure terminal Switch# no profinet mrp Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#mrp ring 1 Switch(config-mrp)#mode manager Switch(config-mrp-manager)#end Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface fa1/8 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops. Switch(config-if)#exit Switch(config)#interface fa1/7 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops. Switch(config-if)#end Switch#show mrp ring MRP ring 1 Profile : 200 ms Mode : Master From : CLI Network Topology: Ring Port1: Port2: MAC Address :2C:54:2D:2C:3E:0A MAC Address :2C:54:2D:2C:3E:09 Interface :FastEthernet1/8 Interface :FastEthernet1/7 Status :Forwarding Status :Forwarding VLAN ID : 1 Domain Name : Cisco MRP Domain ID : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF Topology Change Request Interval : 10ms Topology Change Repeat Count : 3 Short Test Frame Interval : 10ms Default Test Frame Interval : 20ms Test Monitoring Interval Count : 3 Test Monitoring Extended Interval Count : N/A Switch#show mrp ports Ring ID : 1 PortName Status -------------------------------------- FastEthernet1/7 Forwarding FastEthernet1/8 Forwarding次に、自動マネージャとして設定された MRP スイッチの例を示します。
Switch#configure terminal Switch# no profinet mrp Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#mrp ring 1 Switch(config-mrp)#mode auto-manager Switch(config-mrp-auto-manager)#priority 36864 Switch(config-mrp-auto-manager)#end Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface gi1/2 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops. Switch(config-if)#exit Switch(config)#interface gi1/1 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops. Switch(config-if)#end Switch#show mrp ring MRP ring 1 Profile : 200 ms Mode : Auto-Manager Priority : 36864 Operational Mode: Manager From : CLI License : Active Best Manager MAC Address :84:B8:02:ED:E8:01 priority 36864 Network Topology: Ring Network Status : OPEN Port1: Port2: MAC Address :84:B8:02:ED:E8:02 MAC Address :84:B8:02:ED:E8:01 Interface :GigabitEthernet1/2 Interface :GigabitEthernet1/1 Status :Forwarding Status :Forwarding VLAN ID : 1 Domain Name : Cisco MRP Ring 1 Domain ID : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF Topology Change Request Interval : 10ms Topology Change Repeat Count : 3 Short Test Frame Interval : 10ms Default Test Frame Interval : 20ms Test Monitoring Interval Count : 3 Test Monitoring Extended Interval Count : N/A Topology Change Request Interval : 10ms Topology Change Repeat Count : 3 Short Test Frame Interval : 10ms Default Test Frame Interval : 20ms Test Monitoring Interval Count : 3 Test Monitoring Extended Interval Count : N/A次に、クライアントとして設定された MRP スイッチの例を示します。
Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#mrp ring 1 Switch(config-mrp)#mode client Switch(config-mrp-client)#end Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface fa1/3 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 Switch(config-if)#exit Switch(config)#interface fa1/4 Switch(config-if)#switchport mode trunk Switch(config-if)#mrp ring 1 Switch(config-if)#end Switch#show mrp関連資料
Cisco Industrial Ethernet 2000 シリーズ スイッチのマニュアルについては、http://www.cisco.com/go/ie2000 を参照してください。
Cisco Industrial Ethernet 4000 シリーズ スイッチのマニュアルについては、http://www.cisco.com/go/ie4000 を参照してください。
Cisco Industrial Ethernet 4010 シリーズ スイッチのマニュアルについては、http://www.cisco.com/go/ie4010を参照してください。
Cisco Industrial Ethernet 5000 シリーズ スイッチのマニュアルについては、http://www.cisco.com/go/ie5000 を参照してください。
機能の履歴
次の表に、MRP 機能と、MRP をサポートする各 IE スイッチのプラットフォームでその機能が最初にサポートされる Cisco IOS リリースを示します。
PROFINET 機能
IE 2000
IE4000
IE4010
IE5000
PROFINET
15.2(3)EA
15.2(4)EA
15.2(4)EC
15.2(4)EA
MRP クライアント
15.2(4)EA
15.2(4)EA1
15.2(5)E2
15.2(5)E1
MRP マネージャ
15.2(4)EA
15.2(4)EA1
15.2(5)E2
15.2(5)E1
複数の MRP リング
(マネージャのみ)
15.2(5)E
15.2(5)E
15.2(5)E2
15.2(5)E1
MRP 500 ミリ秒プロファイル
15.2(5)E
15.2(5)E
15.2(5)E2
15.2(5)E1
MRP Auto Manager CLI
N/A
15.2(5)E2
N/A
15.2(5)E2
MRP Auto Manager
(PROFINET)
N/A
15.2(6)E
N/A
N/A
脱着可能な SFP サポート
15.2(5)E2
N/A
N/A
15.2(5)E2
プラットフォーム
機能
最初にサポートされる Cisco IOS リリース
IE4000
Media Redundancy Automanager(MRA)。
15.2(5)E2
IE 5000
Media Redundancy Automanager(MRA)。
15.2(5)E2
IE 4010
IE 4010 で最初のサポート。 15.2(5)E2
IE 5000
IE 5000 で最初のサポート。
15.2(5)E1
IE 2000、IE 4000
複数の MRP リング、複数のリング ライセンス、MRP 500 ミリ秒プロファイル、および MRP/STP 相互運用性。
15.2(5)E
IE 4000
PROFINET MRP モードと MRP CLI モードの最初のサポート。
15.2(4)EA1
IE 2000
PROFINET MRP モードと MRP CLI モードの最初のサポート。
15.2(4)EA
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