この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Catalyst 6500シリーズ コンテント スイッチング モジュール(CSM)を使用すると、レイヤ 3 およびレイヤ 4 ~レイヤ7のパケット情報に基づいて、サーバ、サーバ ファーム、ファイアウォール、キャッシュ、VPN 終端装置、およびその他のネットワーク装置のグループ間で、高性能 Server Load Balancing(SLB;サーバ ロードバランシング)を実現することができます。
サーバ ファームは、ロードバランスの対象装置からなるグループです。サーバ ファームを仮想サーバにすることによって、ネットワークのスケーラビリティとサービス アベイラビリティが向上します。仮想サーバのアベイラビリティに影響を与えることなく、いつでも新規にサーバの追加、故障したサーバまたは既存のサーバの除去を行うことができます。
クライアントをCSMに接続するには、仮想サーバのVIP(仮想IP)アドレスに要求を送ります。クライアントが仮想サーバへの接続を開始すると、CSMは設定されたロードバランス アルゴリズムおよびポリシー(アクセス ルール)に基づいて、接続できる実サーバ(サーバ ファームに割り当てられる物理装置)を選択します。クライアント接続の送り先を指定することにより、ポリシーはトラフィックを管理します。
固定(sticky)接続は、送信元IPアドレス、送信元IPサブネット、Cookie、およびSecure Socket Layer(SSL)を使用して、同一クライアントからの複数の接続を同一実サーバに stick (固定する)ことによって、またはHTTPリダイレクト メッセージを使用してこれらの接続をリダイレクトすることによって、個々のサーバへのトラフィックを制限します。
• 「機能」
• 「前面パネル」
このソフトウェアのリリースには、前回のリリースからの機能をサポートするCSMフィーチャ セットが組み込まれています。この章で説明している表では、これらのフィーチャ セットを示しています。
表 1-1 に、今回のリリースで採用された新しいCSMの機能を示します。
|
|
---|---|
CSM はトラフィックの重み付けに関する推奨事項を Workload Manager(WM)から受け取ることができます。これをWM に登録すると、WM は新しいロード バランシング グループのメンバーを CSM に通知します。 |
表 1-2 に、今回のリリースおよび旧リリースで利用できるCSMの機能を示します。
図 1-1では、CSM の前面パネルを示しています。
(注) RJ-45コネクタは着脱式プレートで覆われています。
CSM を起動すると、各種ハードウェア コンポーネントが初期化され、スーパーバイザ エンジンとの通信が行われます。Status LEDは、スーパーバイザ エンジンの動作と初期化の結果を示します。通常の初期化シーケンスの間に、Status LEDは消灯状態からレッド、オレンジ、グリーンへと変化します。
(注) スーパーバイザ エンジンのLEDの詳細については、『Catalyst 6500 Series Switch Module Installation Guide』を参照してください。
表 1-3 に、Status LEDの動作を示します。
|
|
---|---|
• モジュールはスーパーバイザ エンジンからの電源供給を待機しています。 • モジュールに電源が供給されていません。次の原因が考えられます。 –モジュール温度が制限値を超えている1。 |
|
• モジュールがハードウェアを初期化中、またはスーパーバイザ エンジンと通信中です。 • モジュールは起動時にField Programmable Gate Array(FPGA)をダウンロードできませんでしたが、初期化シーケンスを続行し、スーパーバイザ エンジンからモジュール オンライン ステータスを取得します。 • モジュールはスーパーバイザ エンジンからモジュール オンライン ステータスを取得していません。この問題は、CSMに発行された外部ループバック テストでスーパーバイザ エンジンがエラーを検出した場合に発生します。 |
|
• モジュールは動作可能です。モジュールはスーパーバイザ エンジンからモジュール オンライン ステータスが取得しています。 |
|
• スーパーバイザ エンジンのCLI 2でset module disable modコマンドを使用した結果、モジュールがディセーブルになっています。 |
1.CSMの4つの各センサーの温度を表示するには、show environment temperature modコマンドを入力します。 |
着脱式プレートで覆われた RJ-45 コネクタを使用して、管理ステーションまたはテスト装置を接続します。このコネクタはフィールド エンジニアがテストを行ったり、ダンプ情報を取得したりするために使用します。
特定のVLANを設定する場合、クライアントおよびサーバは、レイヤ2およびレイヤ3テクノロジーを使用して、CSMを介して通信します(図 1-2を参照)。単純な SLB の運用では、クライアントはクライアント側 VLAN に、サーバはサーバ側 VLAN に接続します。サーバおよびクライアントは異なるサブネット上に配置できます。レイヤ3ホップで1つまたは複数離れた位置にサーバを配置し、ルータを介してCSMに接続することもできます。
クライアントはモジュールの VIP アドレスのいずれかに要求に送信します。CSMはこの要求に応答できるサーバに転送します。サーバはさらに、CSMに応答を転送し、CSMがクライアントにその応答を転送します。
クライアント側およびサーバ側VLANが同一サブネット上にある場合は、CSMをシングル サブネット(ブリッジ)モードで動作するように設定することができます。詳細については、「シングル サブネット(ブリッジ)モードの設定」を参照してください。
クライアント側およびサーバ側VLANが異なるサブネット上にある場合は、セキュア(ルータ)モードで動作するようにCSMを設定できます。詳細については、「セキュア(ルータ)モードの設定」を参照してください。
冗長CSMを使用して、セキュア(ルータ)モードまたはシングル サブネット(ブリッジ)モードのどちらでもフォールトトレラント構成を設定できます。詳細については、「フォールトトレランスの設定」を参照してください。
複数のVLANを使用して、シングル サブネット(ブリッジ)モードおよびセキュア(ルータ)モードを同じCSMで共存させることができます。
ここでは、CSM環境でクライアントとサーバ間でトラフィックが流れている仕組みについて説明します(図 1-3を参照)。
(注) 図 1-3に表示されている番号は、次のステップ番号に対応しています。
URLを入力して情報を要求した場合、トラフィック フローは次のようになります。
1. URLを入力します(図 1-3の例ではwww.example.com)。
2. クライアントはDNSサーバにアクセスして、URLに関連付けられているIPアドレスを検索します。
3. DNSサーバはVIPのIPアドレスをクライアントに送信します。
4. クライアントはそのIPアドレス(CSM VIP)を使用して、HTTP要求をCSMに送信します。
5. CSMはURLと要求を受信し、ロードバランス上の決定を行い、サーバを選択します。
たとえば、図 1-3では、CSMはwww.example.comサーバ プールからサーバ(Xサーバ)を選択し、そのVIPアドレスをXサーバのアドレスで置き換えて(directedモード)、トラフィックをXサーバに転送します。NATサーバ オプションがディセーブルの場合、VIPアドレスは変わりません(dispatchモード)。