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この章では、Catalyst 4900 シリーズ スイッチ、システムの機能、およびコンポーネントについて説明します。
• 「Catalyst 4900 シリーズ スイッチの用途」
• 「Catalyst 4948 スイッチのソフトウェア機能」
Catalyst 4900 シリーズ スイッチ(図1-1 および 図1-2 を参照)は、高性能で高密度なエッジ スイッチングを実行できるように設計されています。Catalyst 4900 シリーズ スイッチは、すべてのポートで 10/100/1000 接続を実現する、固定構成のスイッチング ソリューションです。ホットスワップ可能な冗長電源モジュールが小型の 1 ラックユニット サイズに収められていて、スペースに制限のある場合にも対応できます。
Catalyst 4948 スイッチには 96 Gbps のノンブロッキング全二重スイッチング ファブリックがあり、7200 万パケット/秒のスイッチング容量を備えているため、高速アプリケーションに対応できます。Catalyst 4948 シャーシには 44 個の 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T イーサネット ポート、および 1000BASE-X SFP ポートまたは 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T イーサネット ポートとして使用可能な 4 つのポートが備わっています。
Catalyst 4948-10GE スイッチには 136 Gbps のノンブロッキング全二重スイッチング ファブリックがあり、1 億 200 万パケット/秒のスイッチング容量を備えているため、高速アプリケーションに対応できます。Catalyst 4948-10GE シャーシには、48 個の 10/100/1000BASE-T イーサネット ポートおよび 2 つの 10 ギガビット イーサネット アップリンク ポートが備わっています。
どちらのスイッチにも室温で低ノイズで動作する着脱式自動変速ファン トレイが付いています。交換可能な 300 W AC または 300 W DC 冗長電源モジュールにより、スイッチに対障害保護機能を実現できます。「スイッチへの AC 電源の接続」を参照してください。
ここでは、Catalyst 4948 の機能の概要を示します。
• レイヤ 2、レイヤ 3、およびレイヤ 4 スイッチング サービス
• レイヤ 2 スイッチングのための 32,768 個の MAC(メディア アクセス制御)アドレスをサポート
• 2,048 個の VLAN(仮想 LAN)および 4,096 個の VLAN ID をサポート
–すべてのポートでの IEEE 802.1Q VLAN タギング
–すべてのポートでの Cisco ISL(スイッチ間リンク)タギング
• 16,000 個のマルチキャスト フォワーディング エントリおよび 16,000 個のユニキャスト フォワーディング エントリ
• 512 個の入力ポリサーおよび 512 個の出力ポリサー
• 8,000 個の入力 Security Access Control Entry(ACE; アクセス コントロール エントリ)および 8,000 個の出力 Security ACE
• Gigabit EtherChannel に対して、Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)を使用したポート集約をサポート
• Catalyst 4500 シリーズ管理ソフトウェア機能は、次のとおりです。
–Catalyst 4500 シリーズ スイッチと一貫性のある CLI(コマンドライン インターフェイス)および SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)インターフェイス
–Catalyst 4500 シリーズ スイッチと互換性のある新機能の開発
–コンソール インターフェイスに接続された端末を使用した、シリアル回線経由のアウトオブバンド管理をサポート
–SNMP、Telnet クライアント、および Trivial File Transfer Protocol(TFTP)を使用した、任意のスイッチ ポートからのインバンド管理をサポート
–RMON-1 による Remote Monitoring(RMON; リモート モニタリング)
–標準レイヤ 2 機能のサポート:802.1D スパニング ツリー、Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)、プルーニング拡張機能を備えた VTP バージョン 2、および Cisco Group Management Protocol(CGMP)クライアント
–SNMP 機能の完全サポート(エンティティ MIB[管理情報ベース]、すべての関連標準 MIB、およびすべての関連 Cisco MIB を含む)
–ポート ベースで最初の 4 つの RMON グループ(イーサネット統計、アラーム、イベント、履歴)をサポート。オプションの RMON プロセッシング モジュールは不要
ここでは、Catalyst 4948-10GE 機能の概要を示します。
• レイヤ 2、レイヤ 3、およびレイヤ 4 スイッチング サービス
• レイヤ 2 スイッチングのための 55,000 個の MAC アドレスをサポート
• 4,096 個の VLAN および 4,096 個の VLAN ID をサポート
–すべてのポートでの IEEE 802.1Q VLAN タギング
• 16,000 個のマルチキャスト フォワーディング エントリおよび 16,000 個のユニキャスト フォワーディング エントリ
• 1,022 個の入力ポリサーおよび 1,022 個の出力ポリサー
• 32,000 個の入力 Security ACE および 32,000 個の 出力 Security ACE
• Gigabit EtherChannel に対して、PAgP を使用したポート集約をサポート
• Catalyst 4500 シリーズ管理ソフトウェア機能は、次のとおりです。
–Catalyst 4500 シリーズ スイッチと一貫性のある CLI および SNMP インターフェイス
–Catalyst 4500 シリーズ スイッチと互換性のある新機能の開発
–コンソール インターフェイスに接続された端末を使用した、シリアル回線経由のアウトオブバンド管理をサポート
–SNMP、Telnet クライアント、および TFTP を使用した、任意のスイッチ ポートからのインバンド管理をサポート
–標準レイヤ 2 機能のサポート:802.1D スパニング ツリー、CDP、プルーニング拡張機能を備えた VTP バージョン 2、および CGMP クライアント
–SNMP 機能の完全サポート(エンティティ MIB、すべての関連標準 MIB、およびすべての関連 Cisco MIB を含む)
–ポート ベースで最初の 4 つの RMON グループ(イーサネット統計、アラーム、イベント、履歴)をサポート。オプションの RMON プロセッシング モジュールは不要
Catalyst 4900 シリーズ スイッチは、Catalyst 4500 シリーズ システム ソフトウェアを使用する、Catalyst スイッチ ファミリーに完全に統合することができる、高性能専用イーサネット スイッチです。
ここでは、Catalyst 4900 シリーズ ハードウェアの機能の概要を示します。
• RJ-45 インターフェイスを使用した 48 個の 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T イーサネット ポート。次の標準規格がサポートされています。
• (Catalyst 4948)SFP インターフェイスを使用した 4 つの 1000BASE-X イーサネット ポート(これらのポートは、直前の 4 つの 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T イーサネット ポートと MAC アドレスを共有)
• (Catalyst 4948-10GE)X2 インターフェイスを使用した 2 つの 10 ギガビット イーサネット アップリング ポート
• RJ-45 インターフェイスを使用したシリアル コンソール管理ポート
• 室温で低ノイズ(48 dB 以下)で動作する着脱式自動変速ファン トレイ
• 交換可能な冗長 300 W AC または 300 W DC 電源モジュール
• 10/100/1000 Mbps の EtherChannel(Catalyst 4948-10GE の場合は 10 Gbps)
RJ-45 インターフェイスを使用した 48 個の 10/100/1000BASE-T イーサネット ポート、および SFP インターフェイスを使用した 4 つの 1000BASE-X イーサネット ポートがあります。これらの SFP ポートは直前の 4 つの 10/100/1000BASE-T ポートと MAC アドレスを共有します。インターフェイス コンフィギュレーション モード コマンド media-type sfp | rj45 を使用すると、スイッチ ソフトウェアでこれらのポートのメディア タイプを設定し、SFP コネクタと RJ-45 コネクタのいずれを使用するかを決定できます。デフォルトは SFP です。
RJ-45 インターフェイスを使用した 48 個の 10/100/1000BASE-T イーサネット ポート、および X2 インターフェイスを使用した 2 つの 10 ギガビット イーサネット アップリンク ポートがあります。
コンソール シリアル ポート(RJ-45)には、標準コンソール機器を使用したスイッチ管理機能があります(図1-3 を参照)。 付録 A「仕様」 に、コンソールおよび管理ポートのコネクタ ピン配置を示します。
前面パネルの管理ポートが機能するのは、スイッチが rommon モードの場合のみです。使用中の管理ポートでは、帯域内アクセスを使用した TCP/IP ベースの管理サービス(Telnet、SNMP など)を利用できます。また、管理ポートでは BOOTP を使用した IP アドレス設定がサポートされ、スイッチへのイメージのダウンロードもサポートされています。
図1-3 および図1-4 に、スイッチの管理ポートおよびコンソール ポートの位置を示します。
図1-3 (Catalyst 4948)管理ポート LED の詳細図
図1-4 (Catalyst 4948-10GE)管理ポート LED の詳細図
スイッチの前面パネルの LED(図1-3 および図1-5 を参照)は、次のようなステータス情報を示します。
• PS1 LED は内部電源モジュールのステータスを示します。
• PS2 LED は内部電源モジュールのステータスを示します。
• FAN LED はファン トレイのステータスを示します。
• リンク ステータス LED は管理ポートの下に配置されています。
表1-1 に LED の機能を示します。
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10/100 BASE-T コンソール ポートがリンクアップ状態 |
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スイッチまたはファンに電力が供給されていない(特に、1 つ以上の電源モジュール ステータス LED がグリーンの場合は、トレイが装着されていない可能性がある) |
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電源モジュールに電力が供給されていない動作可能 1 |
1.一方の LED がグリーンで、もう一方の LED が消灯している場合、電源モジュールは適切に装着されていません。LED がレッドの場合は、電源モジュールが装着されているにもかかわらずスイッチがオンに切り替えられていないか、または障害があります。詳細なステータス情報を表示するには、CLI を使用しなければならないことがあります。 |
(注) 環境仕様については、「設置場所の準備」を参照してください。
ホットスワップ可能なシステムのファン トレイは、内部シャーシ コンポーネントに冷気を送り込みます。ファンは背面から排気し、シャーシの側面から新鮮な空気を取り込みます。
図1-6 に、スイッチのエアーフローの方向(吸気および排気)を示します。
図1-6 エアーフロー(Catalyst 4948-10GE の場合)
ファン トレイには 4 つのファンがあります。1 つのファンに障害が発生しても、残りのファンは動作を継続します。内部温度はセンサでモニタされます。動作中のファンの個数および速度は、動作音ができるだけ小さくなるように、内部温度に従って変動します。温度が指定のしきい値を超えると、環境モニタが警告メッセージを出します。
(注) スイッチの完全な電源仕様については、付録 A「仕様」 を参照してください。
Catalyst 4900 シリーズ スイッチには、冗長 300 W AC または 300 W DC 内部電源モジュールが 2 つ装備されています。
内部電源モジュールには、それぞれ個別の電源コードおよびステータス LED(前面パネルの PS1 および PS2)があります。また、入力(Input OK)および出力(Output OK)電流のステータスを示す LED も電源モジュールに配置されています。電源コードは、電源モジュールと設置場所の電源を接続する場合に使用します。AC 電源モジュールには電源スイッチがあります。電源モジュールに電源コードを接続し、スイッチをオンの位置に設定すると、AC 電力が供給されます。DC 電源モジュールにはオン/オフ スイッチ、および DC 電源に接続するための電源コードはありません。
スイッチは電源モジュールを 1 つのみ搭載した状態でも起動しますが、この構成の場合、冗長フェールオーバー機能およびロード シェアリング機能は使用できません。確実に電力を供給するために、両方の電源モジュールをそれぞれ異なる AC または DC 回路に接続することを推奨します。
安全上の理由から、AC 電源モジュールをシャーシから取り外したり、シャーシに取り付けたりする場合は、スイッチをオフにして、コードを外す必要があります。DC 電源モジュールを取り外す場合は、電源からの電力供給を遮断しておく必要があります。
環境モニタリングおよびレポート機能を使用すると、システム動作が停止する前に、不適切な環境条件を解決して、正常な動作を維持することができます。
電源モジュールごとに、温度と出力電圧がモニタされます。スイッチは電源モジュールの動作状態を検知し、ソフトウェアを介してステータスを報告します。
スイッチの電源モジュールには AC または DC を選択できます。Catalyst 4900 シリーズ スイッチは、次の電源モジュールをサポートしています。
稼働中のシステムでは、入力ステータスに関係なく、冗長電源モジュールを識別して診断できます。AC および DC 電源モジュールは相互に交換可能です。
Catalyst 4900 シリーズ スイッチは、冗長電源管理モードをサポートしています。両方の電源モジュールがこのモードで正常に動作している場合、各モジュールは常に、システムの合計所要電力の 20/80 ~ 45/55% の電力を供給しています。一方の電源モジュールに障害が発生した場合、他方の電源モジュールは合計所要電力の 100% まで供給電力を増加させます。