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目次
この章では、Cisco NX-OS デバイス上でのマーキング機能の設定方法について説明します。マーキング機能を使用すると、パケットの所属先となるトラフィックのクラスを定義できます。
ご使用のソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の警告および機能情報については、https://tools.cisco.com/bugsearch/ の Bug Search Tool およびご使用のソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「新規および変更された情報(New and Changed Information)」の章または以下の「機能の履歴」表を参照してください。
マーキングは、着信および発信パケットの Quality of Service(QoS)フィールドを変更するために使用する方式です。 マーキングが可能な QoS フィールドは、レイヤ 2 ではサービス クラス(CoS)、レイヤ 3 では Internet Protocol(IP)precedence と Diffserv コード ポイント(DSCP)です。 QoS グループと廃棄クラスはシステムにとってローカルな 2 つのラベルで、中間マーキング値を割り当てることができます。 これらの 2 つのラベルを使用して、パケット内でマーキングされた値の最終値を決定できます。
マーキングのコマンドは、ポリシー マップ内で参照されるトラフィック クラスで使用できます。 以下の表に、設定できるマーキング機能の一覧を示します。
マーキング機能 |
説明 |
||
---|---|---|---|
DSCP |
レイヤ 3 DSCP。
|
||
IP precedence |
レイヤ 3 の IP precedence。
|
||
CoS |
レイヤ 2 のサービス クラス(CoS)。 |
||
QoS group |
システム内部で操作および照合できる、ローカルで有効な QoS 値。 範囲は 0 ~ 126 です。 |
||
廃棄クラス |
システム内部で照合および操作できる、ローカルで有効な値。 指定できる範囲は 0 ~ 63 です。 この廃棄クラス値を操作する場合は dscp 値を操作できません。逆も同様です。 |
||
入力および出力ポート |
マーキングのステータスは着信または発信パケットに適用されます。 |
||
テーブル マップの使用 |
テーブル マップをマーキングに使用する方式。 |
特に制限事項として記載されていない限り、マーキング機能は着信パケットと発信パケットの両方に適用できます。
QoS 機能にライセンスは必要ありません。 ライセンス パッケージに含まれていない機能はすべて Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされており、追加費用は一切発生しません。
仮想デバイス コンテキスト(VDC)の使用には Advanced Services ライセンスが必要です。
NX-OS ライセンス方式の詳細については、『Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。
マーキングの前提条件は、次のとおりです。
モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス(MQC) の使用 に精通している。
スイッチにログインしている。
正しい VDC 内にいる。 VDC は、一連のシステム リソースを論理的に表現する用語です。 switchto vdc コマンドでは VDC 番号を指定できます。
マーキングの設定時の注意事項と制約事項は次のとおりです。
set cos コマンドは、他の set コマンドが出力用の同一パケットに使用されていない場合にのみ入力ポリシーに使用できます。
set qos-group コマンドは入力ポリシーでのみ使用できます。
set discard-class コマンドは入力ポリシーでのみ使用できます。
スイッチ仮想インターフェイス(SVI)上で PIM が有効になっている場合、この VLAN 上でレイヤ 2 スイッチド マルチキャスト トラフィックにマーキングできません。
レイヤ 2 ポートでの出力 QoS ポリシーは、どのモジュール タイプの VDC でもサポートされません。
VLAN 設定での出力ポリシーは、CoS での set match をサポートしません。
VLAN 設定での出力ポリシーは、QoS グループまたは廃棄クラスの set をサポートしません。
F1 または F2e モジュールから M モジュールへのプロキシ ルーテッド マーキングは、レイヤ 2 の入力ポートではサポートされません。 ただし、VLAN で適用されたマーキングは、レイヤ 2 の入力ポートでサポートされます。
ポリシー マップ内で 1 つまたは複数のマーキング機能を組み合わせることにより、QoS 値の設定を制御できます。 次に、インターフェイス上の着信パケットまたは発信パケットのいずれかにポリシーを適用できます。
set コマンドを使用したあと、コマンドの残りの部分を追加する前に、Enter を押さないでください。 set キーワードを入力した直後に Enter キーを押すと、QoS の設定を続けることができなくなります。
(注) |
この値を設定する場合、廃棄クラス値は設定できません(「廃棄クラス マーキングの設定」の項を参照)。 |
IP ヘッダーの DiffServ フィールドの上位 6 ビットで、DSCP 値を指定の値に設定できます。 以下の表に示す標準の DSCP 値のほか、0 ~ 60 の数値も入力できます。
値 |
DSCP 値のリスト |
---|---|
af11 |
AF11 dscp(001010):10 進値 10 |
af12 |
AF12 dscp(001100):10 進値 12 |
af12 |
AF13 dscp(001110):10 進値 14 |
af21 |
AF21 dscp(010010):10 進値 18 |
af22 |
AF22 dscp(010100):10 進値 20 |
af23 |
AF23 dscp(010110):10 進値 22 |
af31 |
AF31 dscp(011010):10 進値 26 |
af31 |
AF40 dscp(011100):10 進値 28 |
af33 |
AF33 dscp(011110):10 進値 30 |
af41 |
AF41 dscp(100010):10 進値 34 |
af42 |
AF42 dscp(100100):10 進値 36 |
af43 |
AF43 dscp(100110):10 進値 38 |
cs1 |
CS1(precedence 1)dscp(001000):10 進値 8 |
cs2 |
CS2(precedence 2)dscp(010000):10 進値 16 |
cs3 |
CS3(precedence 3)dscp(011000):10 進値 24 |
cs4 |
CS4(precedence 4)dscp(100000):10 進値 32 |
cs5 |
CS5(precedence 5)dscp(101000):10 進値 40 |
cs6 |
CS6(precedence 6)dscp(110000):10 進値 48 |
cs7 |
CS7(precedence 7)dscp(111000):10 進値 56 |
デフォルト |
デフォルト dscp(000000):10 進値 0 |
ef |
EF dscp(101110):10 進値 46 |
次に、ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
IP ヘッダーの IPv4 サービス タイプ(ToS)フィールドのビット 0 ~ 2 にある IP precedence フィールドの値を設定できます。
(注) |
このクラスに一致するパケットの場合、ToS フィールドの最後の 3 ビットはデバイスによって 0 に上書きされます。 |
以下の表に、優先順位値を示します。
値 |
優先順位値のリスト |
---|---|
0 ~ 7 |
IP precedence 値 |
critical |
クリティカル優先順位(5) |
flash |
フラッシュ優先順位(3) |
flash-override |
フラッシュ オーバーライド優先順位(4) |
immediate |
即時優先順位(2) |
internet |
インターネットワーク コントロール優先順位(6) |
ネットワーク |
ネットワーク コントロール優先順位(7) |
priority |
プライオリティ優先順位(1) |
routine |
ルーチン優先順位(0) |
次に、ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
IEEE 802.1Q ヘッダーの VLAN ID タグ フィールドの上位 3 ビットにある CoS フィールドの値を設定できます。
次に、ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
内部ラベル QoS グループの値を設定できます。この値はローカルでだけ重要な値です。 この値を後続のポリシー アクションで参照したり、match qos-group クラス マップ コマンドを使用して出力ポリシーで参照されるトラフィックを分類したりできます。
(注) |
QoS グループは入力ポリシーでだけ使用できます。 |
次に、ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
この値を設定する場合は、DSCP 値を設定できません。 「DSCP マーキングの設定」の項を参照してください。
内部ラベル廃棄クラスの値を設定できます。この値はローカルでだけ重要な値です。 この値を後続のポリシー アクションで参照したり、match discard-class クラス マップ コマンドを使用して出力ポリシーで参照されるトラフィックを分類したりできます。
(注) |
廃棄クラスは入力ポリシーでだけ使用できます。 |
次に、ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
QoS ポリシー マップをインターフェイスに付加することにより、その QoS ポリシー マップ内のマーキング命令を入力または出力パケットに適用できます。 入力または出力を選択するには、service-policy コマンドで input または output キーワードのいずれかを指定します。 詳細については、「QoS ポリシー アクションの付加および消去」の項を参照してください。
指定した入力ポリシー マップで定義されているトラフィックの各クラスについて、DSCP 値を設定できます。
デバイスのデフォルトの動作では、DSCP 値は保存(つまり、DSCP は信頼)されます。 ポートを非信頼にするには、DSCP 値を変更します。 QoS ポリシーを設定して、指定したインターフェイスにそのポリシーを付加しない限り、DSCP 値は保存されます。
(注) |
|
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal | グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} | qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。 |
ステップ 3 | switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] | class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。 |
ステップ 4 | switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value | DSCP 値を dscp-value に設定します。 有効な値を表 1 に示します。 |
ステップ 5 | switch(config-pmap-c-qos)# exit | ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 6 | switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] | class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。 |
ステップ 7 | switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value | DSCP 値を dscp-value に設定します。 有効な値を表 1 に示します。 |
ステップ 8 | switch(config-pmap-c-qos)# exit | ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 9 | switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] | class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。 |
ステップ 10 | switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value | DSCP 値を dscp-value に設定します。 有効な値を表 1 に示します。 |
ステップ 11 | switch(config-pmap-c-qos)# exit | ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 12 | switch(config)# interface ethernet {slot/port} | イーサネット インターフェイスを設定するためにインターフェイス モードを開始します。 |
ステップ 13 | switch(config-if)#service-policy [type qos] {input | output} {policy-map-name | qos-dynamic} [no-stats] | policy-map-name をインターフェイスの入力パケットに追加します。 インターフェイスに付加できるのは、1 つの入力ポリシーおよび 1 つの出力ポリシーだけです。 |
次に、ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
システム定義のテーブル マップを使用して、マッピング元 QoS フィールドからマッピング先 QoS フィールドに、任意の変数から別の変数への値のマッピングを定義できます。 システム定義のテーブル マップの一覧については、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」を参照してください。マッピング元フィールドとマッピング先フィールドは、set コマンドおよび police コマンド内のテーブル マップのコンテキストによって決定されます。 テーブル マップについては、「テーブル マップを使用したマーキングの設定」の項を参照してください。
システム定義のテーブル マップは設定可能ではありません。 現在の値を表示するには、show table map コマンドを入力します。
マッピングされないマッピング元値のマッピング先値を定義するには、default コマンドを使用します。 デフォルトでは、マッピングされない値はマッピング先値にコピーされます。そのため、マッピング先値はマッピング元値と同じになります。 default コマンドの ignore 変数はサポートされなくなりました。
(注) |
この手順では、システム定義のテーブル マップのいずれか 1 つだけを使用できます。 システム定義のテーブル マップについては、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」を参照してください。 |
システム定義のテーブル マップを使用して、set および police ポリシー マップ クラス コマンドの中でマーキングを実行できます。
(注) |
システム定義のテーブル マップの一覧については、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」を参照してください。 |
マッピング元フィールドとマッピング先フィールドは、参照先のテーブル マップ内で設定されたマッピング元値とマッピング先値にマッピングするコマンドの中で指定されます。 以下の表に、これらのコマンドで使用できる QoS フィールドの一覧を示します。
QoS テーブル マップ フィールド |
説明 |
---|---|
CoS |
802.1Q ヘッダー内のサービス クラス フィールド |
DSCP |
IP ヘッダー内の DiffServ コード ポイント |
IP precedence |
IPv4 ToS フィールドのビット 0 ~ 2 |
廃棄クラス |
システム内部で照合および操作できる、ローカルで有効な値。 指定できる範囲は 0 ~ 63 です。 |
システム定義テーブル マップを使用して、異なる値を変更することはできません。ただし、同じ変数である場合に限り、任意の値を別の値に変更できます。 police コマンドの exceed または violate アクションに対して、set コマンドと同じ構文を使用することによって、マークダウン システム定義テーブル マップを使用できます。
(注) |
内部ラベル QoS グループはテーブル マップを使用してはサポートされていません。 |
(注) |
police コマンドでマークダウンを行うには、テーブル マップを使用する必要があります。 |
police コマンドについては、「ポリシングの設定」を参照してください。
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal | グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
ステップ 2 | switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} | qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。 |
||
ステップ 3 | switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] | class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。 |
||
ステップ 4 | switch(config-pmap-c-qos)# set {cos | dscp | discard-class | precedence | discard-class} {cos | dscp | discard-class | precedence | discard-class} table-map-name | 参照先の table-map-name 内で指定されたマッピング値に基づいて、1 番目のパケット フィールドに、2 番目のパケット フィールドの値を設定します。
|
||
ステップ 5 | switch(config-pmap-c-qos)# exit | ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
次に、policy1 ポリシー マップ設定の表示方法例を示します。
switch# show policy-map policy1
マーキングの設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
コマンド |
目的 |
---|---|
show table-map | すべてのテーブル マップが表示されます。 |
show policy-map | すべてのポリシー マップを表示します。 |
次に、マーキングの設定例を示します。
configure terminal policy-map type qos untrust_dcsp class class-default set dscp 0 policy-map type queuing untrust_1Gport_policy class type queuing 2q4t-in-q-default set cos 0 policy-map type queuing untrust_10Gport_policy class type queuing 8q2t-in-q-default set cos 0
以下の表に、このマニュアルで取り上げる新機能および変更された機能を要約し、各機能がサポートされているリリースを示します。 ご使用のソフトウェア リリースで、本書で説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の警告および機能情報については、https://tools.cisco.com/bugsearch/ の Bug Search Tool およびご使用のソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。
機能名 |
リリース |
機能情報 |
---|---|---|
set cos コマンド |
5.0(3) |
入力ポリシーの set cos コマンドのサポート。 |
目次
この章では、Cisco NX-OS デバイス上でのマーキング機能の設定方法について説明します。マーキング機能を使用すると、パケットの所属先となるトラフィックのクラスを定義できます。
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の警告および機能情報については、https://tools.cisco.com/bugsearch/ の Bug Search Tool およびご使用のソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「新規および変更された情報(New and Changed Information)」の章または以下の「機能の履歴」表を参照してください。
マーキングについて
マーキングは、着信および発信パケットの Quality of Service(QoS)フィールドを変更するために使用する方式です。 マーキングが可能な QoS フィールドは、レイヤ 2 ではサービス クラス(CoS)、レイヤ 3 では Internet Protocol(IP)precedence と Diffserv コード ポイント(DSCP)です。 QoS グループと廃棄クラスはシステムにとってローカルな 2 つのラベルで、中間マーキング値を割り当てることができます。 これらの 2 つのラベルを使用して、パケット内でマーキングされた値の最終値を決定できます。
マーキングのコマンドは、ポリシー マップ内で参照されるトラフィック クラスで使用できます。 以下の表に、設定できるマーキング機能の一覧を示します。
表 1 設定可能なマーキング機能 マーキング機能
説明
DSCP
レイヤ 3 DSCP。
(注) この dscp 値を操作する場合は廃棄クラス値を操作できません。逆も同様です。
IP precedence
レイヤ 3 の IP precedence。
(注) IP precedence では、タイプ オブ サービス(ToS)フィールドの下位 3 ビットだけが使用されます。 TOS フィールドの最初の 3 ビットはデバイスによって 0 に上書きされます。
CoS
レイヤ 2 のサービス クラス(CoS)。
QoS group
システム内部で操作および照合できる、ローカルで有効な QoS 値。 範囲は 0 ~ 126 です。
廃棄クラス
システム内部で照合および操作できる、ローカルで有効な値。 指定できる範囲は 0 ~ 63 です。
この廃棄クラス値を操作する場合は dscp 値を操作できません。逆も同様です。
入力および出力ポート
マーキングのステータスは着信または発信パケットに適用されます。
テーブル マップの使用
テーブル マップをマーキングに使用する方式。
特に制限事項として記載されていない限り、マーキング機能は着信パケットと発信パケットの両方に適用できます。
マーキングの前提条件
マーキングの前提条件は、次のとおりです。
モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス(MQC) の使用 に精通している。
スイッチにログインしている。
正しい VDC 内にいる。 VDC は、一連のシステム リソースを論理的に表現する用語です。 switchto vdc コマンドでは VDC 番号を指定できます。
注意事項と制約事項
マーキングの設定時の注意事項と制約事項は次のとおりです。
set cos コマンドは、他の set コマンドが出力用の同一パケットに使用されていない場合にのみ入力ポリシーに使用できます。
set qos-group コマンドは入力ポリシーでのみ使用できます。
set discard-class コマンドは入力ポリシーでのみ使用できます。
スイッチ仮想インターフェイス(SVI)上で PIM が有効になっている場合、この VLAN 上でレイヤ 2 スイッチド マルチキャスト トラフィックにマーキングできません。
レイヤ 2 ポートでの出力 QoS ポリシーは、どのモジュール タイプの VDC でもサポートされません。
VLAN 設定での出力ポリシーは、CoS での set match をサポートしません。
VLAN 設定での出力ポリシーは、QoS グループまたは廃棄クラスの set をサポートしません。
F1 または F2e モジュールから M モジュールへのプロキシ ルーテッド マーキングは、レイヤ 2 の入力ポートではサポートされません。 ただし、VLAN で適用されたマーキングは、レイヤ 2 の入力ポートでサポートされます。
マーキングの設定
ポリシー マップ内で 1 つまたは複数のマーキング機能を組み合わせることにより、QoS 値の設定を制御できます。 次に、インターフェイス上の着信パケットまたは発信パケットのいずれかにポリシーを適用できます。
set コマンドを使用したあと、コマンドの残りの部分を追加する前に、Enter を押さないでください。 set キーワードを入力した直後に Enter キーを押すと、QoS の設定を続けることができなくなります。
- DSCP マーキングの設定
- IP precedence マッピングの設定
- CoS マーキングの設定
- QoS グループ マーキングの設定
- 廃棄クラス マーキングの設定
- 入力および出力マーキングの設定
- DSCP ポート マーキングの設定
- マーキングで使用するためのテーブル マップの設定
- テーブル マップを使用したマーキングの設定
DSCP マーキングの設定
手順
(注)
この値を設定する場合、廃棄クラス値は設定できません(「廃棄クラス マーキングの設定」の項を参照)。
IP ヘッダーの DiffServ フィールドの上位 6 ビットで、DSCP 値を指定の値に設定できます。 以下の表に示す標準の DSCP 値のほか、0 ~ 60 の数値も入力できます。
表 2 標準の DSCP 値 値
DSCP 値のリスト
af11
AF11 dscp(001010):10 進値 10
af12
AF12 dscp(001100):10 進値 12
af12
AF13 dscp(001110):10 進値 14
af21
AF21 dscp(010010):10 進値 18
af22
AF22 dscp(010100):10 進値 20
af23
AF23 dscp(010110):10 進値 22
af31
AF31 dscp(011010):10 進値 26
af31
AF40 dscp(011100):10 進値 28
af33
AF33 dscp(011110):10 進値 30
af41
AF41 dscp(100010):10 進値 34
af42
AF42 dscp(100100):10 進値 36
af43
AF43 dscp(100110):10 進値 38
cs1
CS1(precedence 1)dscp(001000):10 進値 8
cs2
CS2(precedence 2)dscp(010000):10 進値 16
cs3
CS3(precedence 3)dscp(011000):10 進値 24
cs4
CS4(precedence 4)dscp(100000):10 進値 32
cs5
CS5(precedence 5)dscp(101000):10 進値 40
cs6
CS6(precedence 6)dscp(110000):10 進値 48
cs7
CS7(precedence 7)dscp(111000):10 進値 56
デフォルト
デフォルト dscp(000000):10 進値 0
ef
EF dscp(101110):10 進値 46
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value DSCP 値を dscp-value に設定します。 標準値は上記の表に示されています。
QoS ポリシーを VLAN 設定レベルで適用した場合、DSCP 値は 3 つの最も重要な DSCP ビットからのブリッジド トラフィックおよびルーテッド トラフィックに対する CoS 値を導き出します。
IP precedence マッピングの設定
手順IP ヘッダーの IPv4 サービス タイプ(ToS)フィールドのビット 0 ~ 2 にある IP precedence フィールドの値を設定できます。
(注)
このクラスに一致するパケットの場合、ToS フィールドの最後の 3 ビットはデバイスによって 0 に上書きされます。
以下の表に、優先順位値を示します。
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set precedence precedence-value IP precedence 値を precedence-value に設定します。 値の範囲は 0 ~ 7 です。 上記の表に示す値のいずれか 1 つを入力できます。
CoS マーキングの設定
手順
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set cos cos-value CoS 値を cos-value に設定します。 値の範囲は 0 ~ 7 です。
QoS グループ マーキングの設定
手順内部ラベル QoS グループの値を設定できます。この値はローカルでだけ重要な値です。 この値を後続のポリシー アクションで参照したり、match qos-group クラス マップ コマンドを使用して出力ポリシーで参照されるトラフィックを分類したりできます。
(注)
QoS グループは入力ポリシーでだけ使用できます。
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set qos-group qos-group-value QoS グループ値を qos-group-value に設定します。 値の範囲は 0 ~ 126 です。
廃棄クラス マーキングの設定
手順この値を設定する場合は、DSCP 値を設定できません。 「DSCP マーキングの設定」の項を参照してください。
内部ラベル廃棄クラスの値を設定できます。この値はローカルでだけ重要な値です。 この値を後続のポリシー アクションで参照したり、match discard-class クラス マップ コマンドを使用して出力ポリシーで参照されるトラフィックを分類したりできます。
(注)
廃棄クラスは入力ポリシーでだけ使用できます。
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set discard-class qos-group-value 廃棄クラス値を discard-class-value に設定します。 値の範囲は 0 ~ 63 です。
(注) マーキングとテーブル マップの使用の詳細については、「テーブル マップを使用したマーキングの設定」の項を参照してください。
入力および出力マーキングの設定
QoS ポリシー マップをインターフェイスに付加することにより、その QoS ポリシー マップ内のマーキング命令を入力または出力パケットに適用できます。 入力または出力を選択するには、service-policy コマンドで input または output キーワードのいずれかを指定します。 詳細については、「QoS ポリシー アクションの付加および消去」の項を参照してください。
DSCP ポート マーキングの設定
手順指定した入力ポリシー マップで定義されているトラフィックの各クラスについて、DSCP 値を設定できます。
デバイスのデフォルトの動作では、DSCP 値は保存(つまり、DSCP は信頼)されます。 ポートを非信頼にするには、DSCP 値を変更します。 QoS ポリシーを設定して、指定したインターフェイスにそのポリシーを付加しない限り、DSCP 値は保存されます。
(注)
各方向について各インターフェイスに付加できるポリシー タイプ qos マップは 1 つだけです。
DSCP 値は、Cisco NX-OS デバイスのレイヤ 3 ポートで信頼されています。
デフォルトのポリシー マップ ポリシーを使用すると、DSCP が適切な CoS 値にマップされるため、キューイングは適切に動作します。
カスタマー ポリシーを使用すると、トラフィックが適切なキューに入るように、CoS 値にマップする DSCP 値を手動で設定する必要があります。
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value DSCP 値を dscp-value に設定します。 有効な値を表 1 に示します。
ステップ 5 switch(config-pmap-c-qos)# exit ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 6 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 7 switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value DSCP 値を dscp-value に設定します。 有効な値を表 1 に示します。
ステップ 8 switch(config-pmap-c-qos)# exit ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 9 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 10 switch(config-pmap-c-qos)# set dscp dscp-value DSCP 値を dscp-value に設定します。 有効な値を表 1 に示します。
ステップ 11 switch(config-pmap-c-qos)# exit ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 12 switch(config)# interface ethernet {slot/port} イーサネット インターフェイスを設定するためにインターフェイス モードを開始します。
ステップ 13 switch(config-if)#service-policy [type qos] {input | output} {policy-map-name | qos-dynamic} [no-stats] policy-map-name をインターフェイスの入力パケットに追加します。 インターフェイスに付加できるのは、1 つの入力ポリシーおよび 1 つの出力ポリシーだけです。
マーキングで使用するためのテーブル マップの設定
システム定義のテーブル マップを使用して、マッピング元 QoS フィールドからマッピング先 QoS フィールドに、任意の変数から別の変数への値のマッピングを定義できます。 システム定義のテーブル マップの一覧については、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」を参照してください。マッピング元フィールドとマッピング先フィールドは、set コマンドおよび police コマンド内のテーブル マップのコンテキストによって決定されます。 テーブル マップについては、「テーブル マップを使用したマーキングの設定」の項を参照してください。
システム定義のテーブル マップは設定可能ではありません。 現在の値を表示するには、show table map コマンドを入力します。
マッピングされないマッピング元値のマッピング先値を定義するには、default コマンドを使用します。 デフォルトでは、マッピングされない値はマッピング先値にコピーされます。そのため、マッピング先値はマッピング元値と同じになります。 default コマンドの ignore 変数はサポートされなくなりました。
(注)
この手順では、システム定義のテーブル マップのいずれか 1 つだけを使用できます。 システム定義のテーブル マップについては、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」を参照してください。
テーブル マップを使用したマーキングの設定
手順システム定義のテーブル マップを使用して、set および police ポリシー マップ クラス コマンドの中でマーキングを実行できます。
(注)
システム定義のテーブル マップの一覧については、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」を参照してください。
マッピング元フィールドとマッピング先フィールドは、参照先のテーブル マップ内で設定されたマッピング元値とマッピング先値にマッピングするコマンドの中で指定されます。 以下の表に、これらのコマンドで使用できる QoS フィールドの一覧を示します。
表 4 QoS テーブル マップ フィールド QoS テーブル マップ フィールド
説明
CoS
802.1Q ヘッダー内のサービス クラス フィールド
DSCP
IP ヘッダー内の DiffServ コード ポイント
IP precedence
IPv4 ToS フィールドのビット 0 ~ 2
廃棄クラス
システム内部で照合および操作できる、ローカルで有効な値。 指定できる範囲は 0 ~ 63 です。
システム定義テーブル マップを使用して、異なる値を変更することはできません。ただし、同じ変数である場合に限り、任意の値を別の値に変更できます。 police コマンドの exceed または violate アクションに対して、set コマンドと同じ構文を使用することによって、マークダウン システム定義テーブル マップを使用できます。
(注)
内部ラベル QoS グループはテーブル マップを使用してはサポートされていません。
(注)
police コマンドでマークダウンを行うには、テーブル マップを使用する必要があります。
police コマンドについては、「ポリシングの設定」を参照してください。
コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 switch# configure terminal グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 switch(config)# policy-map [type qos] [match-first] {qos-policy-map-name | qos-dynamic} qos-policy-map-name という名前のポリシー マップを作成するか、そのポリシー マップにアクセスし、ポリシー マップ モードを開始します。 ポリシー マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。ポリシー マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。
ステップ 3 switch(config-pmap-qos)# class [type qos] {class-map-name | qos-dynamic | class-default} [insert-before before-class-map-name] class-map-name への参照を作成し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 insert-before を使用して事前挿入するクラスを指定しない限り、ポリシー マップの末尾にクラスが追加されます。 ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択するには、class-default キーワードを使用します。
ステップ 4 switch(config-pmap-c-qos)# set {cos | dscp | discard-class | precedence | discard-class} {cos | dscp | discard-class | precedence | discard-class} table-map-name 参照先の table-map-name 内で指定されたマッピング値に基づいて、1 番目のパケット フィールドに、2 番目のパケット フィールドの値を設定します。
(注) table-map-name は、「モジュラ QoS コマンドライン インターフェイスの使用」に記載されているいずれかの、設定されていないシステム定義のテーブル マップの名前にする必要があります。この手順ではユーザ定義のテーブルの名前は使用できません。
ステップ 5 switch(config-pmap-c-qos)# exit ポリシー マップ コンフィギュレーション モードに戻ります。
マーキングの機能履歴
以下の表に、このマニュアルで取り上げる新機能および変更された機能を要約し、各機能がサポートされているリリースを示します。 ご使用のソフトウェア リリースで、本書で説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の警告および機能情報については、https://tools.cisco.com/bugsearch/ の Bug Search Tool およびご使用のソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。