OBFL の概要
ここでは、次の内容について説明します。
• 「OBFL の概要」
• 「仮想化サポート」
OBFL の概要
Cisco NX-OS には永続ストレージに障害データを記録する機能があるので、あとから記録されたデータを取得して表示し、分析できます。この OBFL 機能は、障害および環境情報をモジュールの不揮発性メモリに保管します。この情報は、障害モジュールの分析に役立ちます。
OBFL が保管するデータは、次のとおりです。
• 最初の電源投入時刻
• モジュールのシャーシ スロット番号
• モジュールの初期温度
• ファームウェア、BIOS、FPGA、および ASIC のバージョン
• モジュールのシリアル番号
• クラッシュのスタック トレース
• CPU hog 情報
• メモリ リーク情報
• ソフトウェア エラー メッセージ
• ハードウェア例外ログ
• 環境履歴
• OBFL 固有の履歴情報
• ASIC 割り込みおよびエラー統計の履歴
• ASIC レジスタ ダンプ
OBFL は Cisco NX-OS クラッシュが発生した場合に、カーネル トレースを保管します。
仮想化サポート
OBFL 情報を設定して表示するには、デフォルト Virtual Device Context(VDC; 仮想デバイス コンテキスト)を使用する必要があります。VDC の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide, Release 4.1 』を参照してください。
OBFL のライセンス要件
次の表に、この機能のライセンス要件を示します。
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NX-OS |
OBFL にはライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能は、Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされて提供されます。追加料金は発生しません。NX-OS ライセンス方式の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Licensing Guide, Release 4.1 』を参照してください。 |
OBFL の前提条件
VDC を設定する場合は、Advanced Services ライセンスをインストールし、所定の VDC を開始する必要があります(『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide, Release 4.1 』を参照)。
network-admin ユーザ権限で、デフォルト VDC にログインする必要があります。
注意事項および制約事項
OBFL に関する注意事項および制約事項は、次のとおりです。
• OBFL はデフォルトでイネーブルです。
• OBFL フラッシュがサポートする書き込みおよび消去の回数には制限があります。イネーブルにするロギング数が多いほど、この書き込みおよび消去回数に早く達してしまいます。
(注) この機能の Cisco NX-OS コマンドは、Cisco IOS のコマンドとは異なる場合があるので注意してください。
OBFL の設定
OBFL を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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hw-module logging onboard |
すべての OBFL 機能をイネーブルにします。 |
hw-module logging onboard environmental-history |
OBFL 環境履歴をイネーブルにします。 |
hw-module logging onboard error-stats |
OBFL エラー統計をイネーブルにします。 |
hw-module logging onboard interrupt-stats |
OBFL 割り込み統計をイネーブルにします。 |
hw-module logging onboard module slot |
モジュールの OBFL 情報をイネーブルにします。 |
hw-module logging onboard obfl-log |
ブート時間、デバイス バージョン、および OBFL 履歴をイネーブルにします。 |
no hw-module logging onboard |
すべての OBFL 機能をディセーブルにします。 |
OBFL コンフィギュレーションの確認
OBFL の設定状況を表示するには、 show logging onboard status コマンドを使用します。
switch# show logging onboard status
----------------------------
----------------------------
Module: 2 OBFL Log: Enabled
environmental-history Enabled
miscellaneous-error Enabled
obfl-log (boot-uptime/device-version/obfl-history) Enabled
Module: 6 OBFL Log: Enabled
environmental-history Enabled
miscellaneous-error Enabled
obfl-log (boot-uptime/device-version/obfl-history) Enabled
モジュールのフラッシュに保存されている OBFL 情報を表示するには、次のコマンドを使用します。
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show logging onboard boot-uptime |
ブートおよび動作時間の情報を表示します。 |
show logging onboard counter-stats |
すべての ASIC カウンタについて、統計情報を表示します。 |
show logging onboard device-version |
デバイス バージョン情報を表示します。 |
show logging onboard endtime |
指定した終了時刻までの OBFL ログを表示します。 |
show logging onboard environmental-history |
環境履歴を表示します。 |
show logging onboard error-stats |
エラー統計情報を表示します。 |
show logging onboard exception-log |
例外ログ情報を表示します。 |
show logging onboard interrupt-stats |
割り込み統計情報を表示します。 |
show logging onboard kernel-trace |
カーネル トレース情報を表示します。 |
show logging onboard module slot |
指定したモジュールの OBFL 情報を表示します。 |
show logging onboard obfl-history |
履歴情報を表示します。 |
show logging onboard obfl-logs |
ログ情報を表示します。 |
show logging onboard stack-trace |
カーネル スタック トレース情報を表示します。 |
show logging onboard starttime |
指定した開始時刻からの OBFL ログを表示します。 |
show logging onboard status |
OBFL ステータス情報を表示します。 |
(注) 上記の各 show コマンド オプションの OBFL 情報を消去するには、clear logging onboard コマンドを使用します。
OBFL のコンフィギュレーション例
モジュール 2 で環境情報について OBFL をイネーブルにする例を示します。
conf t
hw-module logging onboard module 2 environmental-history
デフォルト設定
表 15-1 に、OBFL パラメータのデフォルト設定を示します。
表 15-1 デフォルトのOBFL パラメータ
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OBFL |
すべての機能がイネーブル |
その他の関連資料
OBFL の実装に関連する詳細情報については、次の項を参照してください。
• 「関連資料」
• 「規格」
関連資料
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OBFL CLI コマンド |
『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS System Management Configuration Guide, Release 4.1』 |
コンフィギュレーション ファイル |
『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 4.1』 |
VDC |
『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide, Release 4.1』 |
規格
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この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。 |
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