VPN の概要

バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)接続は、インターネットなどのパブリック ネットワークを介してエンドポイント間の安全なトンネルを確立します。

この章は、Firepower Threat Defense デバイス上のサイト間 VPN にのみ適用されます。サイト間 VPN の構築に使用される Internet Protocol Security(IPsec)、Internet Security Association and Key Management Protocol(ISAKMP、または IKE)および SSL 規格について説明します。

Firepower Management Center でゲートウェイ VPN または Firepower VPN と呼ばれる、7000 および 8000 シリーズ デバイス上のサイト間 VPN については ゲートウェイ VPN で説明しています。

VPN タイプ

Firepower Management Center は次のタイプの VPN 接続をサポートします。

  • Firepower Threat Defense デバイス上のサイト間 VPN。

    サイト間 VPN は、地理的に異なる場所にあるネットワークを接続します。管理対象デバイス間、および管理対象デバイスと関連するすべての規格に準拠するその他のシスコまたはサードパーティのピアとの間で、サイト間 IPsec 接続を作成できます。これらのピアは、IPv4 アドレスと IPv6 アドレスの内部と外部の任意の組み合わせを持つことができます。サイト間トンネルは、Internet Protocol Security(IPsec)プロトコル スイートと IKEv1 または IKEv2 を使用して構築されます。VPN 接続が確立されると、ローカル ゲートウェイの背後にあるホストはセキュアな VPN トンネルを介して、リモート ゲートウェイの背後にあるホストに接続することができます。

  • 7000 および 8000 シリーズ デバイス上のサイト間 VPN。

    これらのサイト間 VPN は、Firepower Management Center 内でゲートウェイ VPN または Firepower VPN と呼ばれます。このタイプの VPN 接続については、ゲートウェイ VPN を参照してください。

VPN の基本

トンネリングによって、インターネットなどのパブリック TCP/IP ネットワークの使用が可能となり、リモート ユーザとプライベート企業ネットワークとの間でセキュアな接続を作成できます。各セキュアな接続がトンネルと呼ばれます。

IPsec ベースの VPN テクノロジーでは、Internet Security Association and Key Management Protocol(ISAKMP または IKE)と IPsec トンネリングを使用して、トンネルを構築し管理します。ISAKMP と IPsec は、次を実現します。

  • トンネル パラメータのネゴシエート。

  • トンネルの確立。

  • ユーザとデータの認証。

  • セキュリティ キーの管理。

  • データの暗号化と復号。

  • トンネルを経由するデータ転送の管理。

  • トンネル エンドポイントまたはルータとしてのインバウンドおよびアウトバウンドのデータ転送の管理。

VPN 内のデバイスは、双方向トンネル エンドポイントとして機能します。プライベート ネットワークからプレーン パケットを受信し、それらをカプセル化して、トンネルを作成し、それらをトンネルの他端に送信することができます。そこで、カプセル化が解除され、最終宛先へ送信されます。また、パブリック ネットワークからカプセル化されたパケットを受信し、それらをカプセル化解除して、プライベート ネットワーク上の最終宛先に送信することもできます。

サイト間 VPN 接続が確立された後、ローカル ゲートウェイの背後にあるホストは、セキュアな VPN トンネルを介してリモート ゲートウェイの背後にあるホストと接続できます。接続は、2 つのゲートウェイの IP アドレスとホスト名、それらの背後にあるサブネット、および 2 つのゲートウェイが互いを認証するために使用する方式で構成されます。

インターネット キー エクスチェンジ(IKE)

インターネット キー エクスチェンジ(IKE)は、IPsec ピアを認証し、IPsec 暗号化キーをネゴシエートして配信し、IPsec セキュリティ アソシエーション(SA)を自動的に確立するために使用されるキー管理プロトコルです。

IKE ネゴシエーションは 2 つのフェーズで構成されています。フェーズ 1 では、2 つの IKE ピア間のセキュリティ アソシエーションをネゴシエートします。これにより、ピアはフェーズ 2 で安全に通信できるようになります。フェーズ 2 のネゴシエーションでは、IKE によって IPsec などの他のアプリケーション用の SA が確立されます。両方のフェーズで接続のネゴシエーション時にプロポーザルが使用されます。

IKE ポリシーは、2 つのピアが、ピア間の IKE ネゴシエーションの安全性を確保するために使用する一連のアルゴリズムです。IKE ネゴシエーションは、共通(共有)IKE ポリシーに合意している各ピアによって開始されます。このポリシーは、どのセキュリティ パラメータが後続の IKE ネゴシエーションを保護するかを規定します。 IKE バージョン 1(IKEv1)の場合、IKE ポリシーには単一セットのアルゴリズムとモジュラス グループが含まれます。IKEv1 とは異なり、IKEv2 ポリシーでは、フェーズ 1 ネゴシエーション中にピアがその中から選択できるように、複数のアルゴリズムとモジュラス グループを選択できます。単一の IKE ポリシーを作成できますが、最も必要なオプションにより高い優先順位をつけるために異なるポリシーが必要となる場合もあります。サイト間 VPN の場合は、単一の IKE ポリシーを作成できます。

IKE ポリシーを定義するには、次を指定します。

  • 固有の優先順位(1 ~ 65,543、1 が最高の優先順位)。

  • データを保護し、プライバシーを確保するための IKE ネゴシエーションの暗号化方式。

  • 送信者の ID を保証し、メッセージが伝送中に変更されないように確保するためのハッシュ メッセージ認証コード(HMAC)方式(IKEv2 では整合性アルゴリズムと呼ばれる)。

  • IKEv2 の場合、IKEv2 トンネル暗号化に必要なキーの材料とハッシュ操作を派生させるためのアルゴリズムとして使用される個別の擬似乱関数(PRF)。オプションは、ハッシュ アルゴリズムで使用されているものと同じです。

  • 暗号化キー判別アルゴリズムの強度を決定する Diffie-Hellman グループ。デバイスは、このアルゴリズムを使用して、暗号化キーとハッシュ キーを派生させます。

  • ピアの ID を保証するための認証方式。


    (注)  

    認証には事前共有キーのみが使用されます。
  • デバイスが暗号化キーを交換するまでに使用できる時間制限。

IKE ネゴシエーションが開始すると、ネゴシエーションを開始するピアはリモート ピアにすべてのポリシーを送信し、リモート ピアは優先順位順に自身のポリシーとの一致を検索します。ピアが、暗号化、ハッシュ(IKEv2 の場合は整合性と PRF)、認証、Diffie-Hellman 値を保持し、さらに、送信されたポリシーのライフタイム以下である SA ライフタイムを保持している場合に、IKE ポリシー間に一致が存在します。ライフタイムが同じでない場合は、リモート ピア ポリシーの短い方のライフタイムが適用されます。デフォルトでは、Firepower Management Center は、正常なネゴシエーションを確保するために、すべての VPN エンドポイントに対して IKEv1 ポリシーを最低優先順位で展開します。

IPsec

IPsec は、VPN を設定する場合の最も安全な方法の 1 つです。IPsec では、IP パケット レベルでのデータ暗号化が提供され、標準規格に準拠した堅牢なセキュリティ ソリューションが提供されます。IPsec では、データはトンネルを介してパブリック ネットワーク経由で送信されます。トンネルとは、2 つのピア間のセキュアで論理的な通信パスです。IPSec トンネルを通過するトラフィックは、セキュリティ プロトコルとアルゴリズムの組み合わせによって保護されます。

IPsec プロポーザル ポリシーは、IPsec トンネルに必要な設定を定義します。IPsec プロポーザルとは、デバイスの VPN インターフェイスに適用される 1 つ以上の暗号マップの集合です。暗号マップには、IPsec セキュリティ アソシエーションを設定するために必要なすべてのコンポーネントが組み合わされています。これらのコンポーネントには以下のものがあります。

  • プロポーザル(またはトランスフォーム セット)とは、IPsec トンネル内のトラフィックを保護するためのセキュリティ プロトコルおよびアルゴリズムの組み合わせです。IPsec セキュリティ アソシエーション(SA)ネゴシエーション中に、ピアでは、両方のピアに共通するプロポーザルが検索されます。そのようなプロポーザルが検出されると、そのプロポーザルを適用して、その暗号マップのアクセス リストでデータ フローを保護する SA が作成され、VPN でトラフィックが保護されます。IKEv1 と IKEv2 には別個の IPsec プロポーザルがあります。IKEv1 プロポーザル(トランスフォーム セット)では、パラメータごとに 1 つの値を設定します。IKEv2 プロポーザルでは、単一のプロポーザルに複数の暗号化アルゴリズムと統合アルゴリズムを設定できます。

  • 暗号マップには、IPsec ルール、プロポーザル、リモート ピア、IPsec SA を定義するために必要なその他のパラメータを含む、IPsec セキュリティ アソシエーション(SA)を設定するために必要なすべてのコンポーネントが組み合わされています。2 つのピアが SA を確立しようとする場合は、それぞれに少なくとも 1 つの互換暗号マップ エントリが必要です。

    不明なリモート ピアがローカル ハブとの間の IPsec セキュリティ アソシエーションの開始を試みた場合、ダイナミック暗号マップ ポリシーがサイト間 VPN で使用されます。ハブは、セキュリティ アソシエーション ネゴシエーションを開始できません。ダイナミック暗号ポリシーを使用することによって、ハブがリモート ピアのアイデンティティを把握していない場合でも、リモート ピアはローカル ハブとの間で IPsec トラフィックを交換できます。実質的には、ダイナミック暗号マップ ポリシーによって、すべてのパラメータが設定されていない暗号マップ エントリが作成されます。設定されていないパラメータは、IPsec ネゴシエーションの結果として、リモート ピアの要件に合うようにあとで動的に設定されます。

    ダイナミック暗号マップ ポリシーは、ハブ アンド スポークおよび完全メッシュ VPN トポロジでのみ適用されます。ポイントツーポイントまたはフル メッシュ VPN トポロジでは、スタティック クリプト マップ ポリシーのみを適用できます。ポイントツーポイント トポロジでダイナミック暗号マップ ポリシーをエミュレートするには、2 つのデバイスでハブアンドスポーク トポロジを作成します。スポークのダイナミック IP アドレスを指定して、このトポロジでダイナミック暗号マップを有効にします。

VPN パケット フロー

Firepower Threat Defense デバイスでは、デフォルトでは、明示的な許可なしにいずれのトラフィックもアクセス コントロールを通過できません。VPN トンネル トラフィックも、Snort を通過するまでは、エンドポイントにリレーされません。着信トンネル パケットは復号されてから、Snort プロセスへ送信されます。Snort は、暗号化の前に発信パケットを処理します。

VPN トンネルのエンドポイント ノードごとに保護されたネットワークを識別するアクセス制御は、どのトラフィックが Firepower Threat Defense デバイスをパス スルーしてエンドポイントに到達できるかを決定します。

さらに、システムは、トンネルがダウンしている場合は、トンネル トラフィックをパブリックなソースに送信しません。

VPN ライセンス

Firepower Threat Defense VPN を有効にするための特別なライセンスはありません。デフォルトで利用可能です。

Firepower Management Center は、スマート ライセンス サーバから提供される属性に基づいて、Firepower Threat Defense デバイスで強力な暗号の使用を許可するかブロックするかを決定します。

これは、Cisco Smart License Manager に登録するときにデバイス上で輸出管理機能を許可するオプションを選択しているかどうかによって制御されます。評価ライセンスを使用している場合、または輸出管理機能を有効にしていない場合は、強力な暗号化を使用できません。

VPN 接続の安全性を確保する方法

VPN トンネルは通常、インターネットなどのパブリック ネットワークを経由するため、トラフィックを保護するために接続を暗号化する必要があります。IKE ポリシーと IPsec プロポーサルを使用して、暗号化とその他のセキュリティ技術を定義し、適用します。

デバイス ライセンスによって強力な暗号化を適用できる場合は、広範な暗号化とハッシュ アルゴリズム、および Diffie-Hellman グループがあり、その中から選択できます。ただし、一般に、トンネルに適用する暗号化が強力なほど、システム パフォーマンスは低下します。効率を損なうことなく十分な保護を提供するセキュリティとパフォーマンスのバランスを見出します。

シスコでは、どのオプションを選択するかについての特定のガイダンスは提供できません。比較的大規模な企業またはその他の組織内で運用している場合は、すでに、満たす必要がある標準が定義されている可能性があります。定義されていない場合は、時間を割いてオプションを調べてください。

以降のトピックでは、使用可能なオプションについて説明します。

使用する暗号化アルゴリズムの決定

IKE ポリシーまたは IPsec プロポーザルに使用する暗号化アルゴリズムを決定する際、選択肢は VPN のデバイスでサポートされるアルゴリズムに限られます。

IKEv2 では、複数の暗号化アルゴリズムを設定できます。システムは、設定をセキュア度が最も高いものから最も低いものに並べ替え、その順序を使用してピアとのネゴシエーションを行います。IKEv1 では、単一のオプションのみ選択できます。

IPsec プロポーザルでは、認証、暗号化、およびアンチリプレイ サービスを提供するカプセル化セキュリティ プロトコル(ESP)によってアルゴリズムが使用されます。ESP は、IP プロトコル タイプ 50 です。IKEv1 IPsec プロポーザルでは、アルゴリズム名の前に ESP というプレフィックスが付けられます。

デバイス ライセンスが強力な暗号化を適用できる場合、次の暗号化アルゴリズムを選択できます。強力な暗号化の対象ではない場合、DES のみ選択できます。

  • AES-GCM—(IKEv2 のみ)Galois/カウンタ モードの Advanced Encryption Standard は、機密性、データの発信元の認証を提供する操作のブロック暗号モードであり、AES よりも優れたセキュリティを提供します。AES-GCM には、128 ビット、192 ビット、256 ビットの 3 種類のキー強度が用意されています。キーが長いほど安全になりますが、パフォーマンスは低下します。GCM は NSA Suite B をサポートするために必要となる AES モードです。NSA Suite B は、暗号化強度に関する連邦標準規格を満たすためにデバイスがサポートすべき一連の暗号化アルゴリズムです。.

  • AES-GMAC—(IKEv2 IPsec プロポーザルのみ)。Advanced Encryption Standard のガロア メッセージ認証コード(GMAC)は、データ発信元認証だけを行う操作のブロック暗号モードです。これは AES-GCM の一種であり、データを暗号化せずにデータ認証が行えます。AES-GMAC には、128 ビット、192 ビット、256 ビットの 3 種類のキー強度が用意されています。

  • AES(Advanced Encryption Standard)は DES よりも高度なセキュリティを提供する対称暗号化アルゴリズムであり、計算的には 3DES よりも効率的です。AES には、128 ビット、192 ビット、256 ビットの 3 種類のキー強度が用意されています。キーが長いほど安全になりますが、パフォーマンスは低下します。

  • 3DES(トリプル DES):56 ビット キーを使用して暗号化を 3 回行います。異なるキーを使用してデータの各ブロックを 3 回処理するため、DES よりも安全です。ただし、使用するシステム リソースが多くなり、DES よりも速度が遅くなります。

  • DES(データ暗号化標準):56 ビット キーを使用して暗号化する対称秘密鍵ブロック アルゴリズムです。3DES よりも高速であり、使用するシステム リソースも少ないですが、安全性も劣ります。堅牢なデータ機密保持が必要ない場合、およびシステム リソースや速度が重要である場合には、DES を選択します。

  • Null:ヌル暗号化アルゴリズムは暗号化なしで認証します。通常はテスト目的にのみ使用されます。

使用するハッシュ アルゴリズムの決定

IKE ポリシーでは、ハッシュ アルゴリズムがメッセージ ダイジェストを作成します。これは、メッセージの整合性を保証するために使用されます。IKEv2 では、ハッシュ アルゴリズムは 2 つのオプションに分かれています。1 つは整合性アルゴリズムに使用され、もう 1 つは擬似乱数関数(PRF)に使用されます。

IPsec プロポーザルでは、ハッシュ アルゴリズムは Encapsulating Security Protocol(ESP)による認証に使用されます。IKEv2 IPsec プロポーザルでは、これは整合性のハッシュと呼ばれます。IKEv1 IPsec プロポーザルでは、アルゴリズム名の接頭辞が「ESP-」となり、「-HMAC」(Hash Method Authentication Code)という接尾辞も使用されます。

IKEv2 では、複数のハッシュ アルゴリズムを設定できます。各設定が、安全性の高い順に順序付けられ、ピアとのネゴシエーションにはこの順序が使用されます。IKEv1 では、1 つのオプションしか選択できません。

選択可能なハッシュ アルゴリズムは、次のとおりです。

  • SHA (Secure Hash Algorithm):160 ビットのダイジェストを生成します。SHA には、総当たり攻撃に対して、MD5 よりも高い耐性が備えられています。ただし、SHA は MD5 よりもリソース消費量が大きくなります。最大レベルのセキュリティを必要とする実装には、SHA ハッシュ アルゴリズムを使用してください。

    Standard SHA(SHA1)は 160 ビットのダイジェストを生成します。

    IKEv2 の設定では、以下の SHA-2 オプションを指定して、より高度なセキュリティを実現することができます。NSA Suite B 暗号化仕様を実装するには、次のいずれかを選択します。

    • SHA256:256 ビットのダイジェストを生成するセキュア ハッシュ アルゴリズム SHA 2 を指定します。

    • SHA384:384 ビットのダイジェストを生成するセキュア ハッシュ アルゴリズム SHA 2 を指定します。

    • SHA512:512 ビットのダイジェストを生成するセキュア ハッシュ アルゴリズム SHA 2 を指定します。

  • [MD5 (Message Digest 5)]:128 ビットのダイジェストを生成します。MD5 は処理時間が短いため、全体的なパフォーマンスが SHA より高速ですが、SHA より強度は低いと考えられています。

  • NULL またはなし(NULL、ESP-NONE):(IPsec プロポーザルのみ)NULL ハッシュ アルゴリズム。通常はテスト目的のみに使用されます。しかし、暗号化オプションとしていずれかの AES-GCM/GMAC オプションを選択した場合は、NULL 整合性アルゴリズムを選択する必要があります。NULL 以外のオプションを選択した場合、これらの暗号化標準に対しては、整合性ハッシュは無視されます。

使用する Diffie-Hellman 係数グループの決定

次の Diffie-Hellman キー導出アルゴリズムを使用して、IPsec Security Association(SA:セキュリティ アソシエーション)キーを生成することができます。各グループでは、異なるサイズの係数が使用されます。係数が大きいほどセキュリティが強化されますが、処理時間が長くなります。両方のピアに、一致する係数グループが存在する必要があります。

AES 暗号化を選択する場合は、AES で必要な大きいキー サイズをサポートするために、Diffie-Hellman(DH:デフィーヘルマン)グループ 5 以降を使用する必要があります。IKEv1 ポリシーではグループ 1、2、5 のみ許可されます。

NSA Suite-B の暗号化の仕様を実装するには、IKEv2 を使用して楕円曲線 Diffie-Hellman(ECDH)オプション:19、20、21 のいずれか 1 つを選択します。楕円曲線オプションと、2048 ビット係数を使用するグループは、Logjam のような攻撃にさらされる可能性が低くなります。

IKEv2 では、複数のグループを設定できます。システムは、設定をセキュア度が最も高いものから最も低いものに並べ替え、その順序を使用してピアとのネゴシエーションを行います。IKEv1 では、単一のオプションのみ選択できます。

  • 1:Diffie-Hellman グループ 1(768 ビット係数)。

  • 2:Diffie-Hellman グループ 2(1024 ビット係数)。

  • 5:Diffie-Hellman グループ 5(1536 ビット係数)。128 ビットのキーでは十分な保護レベルです。

  • 14:Diffie-Hellman グループ 14(2048 ビット係数)。192 ビットのキーでは十分な保護レベルです。

  • 19:Diffie-Hellman グループ 19(256 ビット楕円曲線)。

  • 20:Diffie-Hellman グループ 20(384 ビット楕円曲線)。

  • 21:Diffie-Hellman グループ 21(521 ビット楕円曲線)。

  • 24:Diffie-Hellman グループ 24(2048 ビット係数および 256 素数位数サブグループ)。

VPN トポロジ オプション

新しい VPN トポロジを作成するには、最低でも、固有の名前をつけ、トポロジの型を特定し、IKE バージョンを選択する必要があります。それぞれが VPN トンネル グループを含む 3 つの型のトポロジから選択できます。

  • ポイントツーポイント(PTP)トポロジでは、2 つのエンドポイント間に VPN トンネルを確立します。

  • ハブおよびスポーク トポロジは、ハブ エンドポイントをスポーク エンドポイントのグループに接続する VPN トンネル グループを確立します。

  • フル メッシュのトポロジは、エンドポイントのセットの間で VPN トンネルのグループを確立します。

VPN 認証の事前共有キーを手動または自動で定義します。デフォルトのキーはありません。自動を選択すると、Firepower Management Center は事前共有キーを生成して、そのキーをトポロジ内のすべてのノードに割り当てます。

ポイントツーポイントの VPN トポロジ

ポイントツーポイントの VPN トポロジでは、2 つのエンドポイントが相互に直接通信します。2 つのエンドポイントをピア デバイスとして設定し、いずれかのデバイスでセキュアな接続を開始することができます。

次の図は、一般的なポイントツーポイントの VPN トポロジを示しています。

ポイントツーポイント VPN トポロジを示す図

ハブ アンド スポーク VPN トポロジ

ハブ アンド スポーク VPN トポロジでは、中央のエンドポイント(ハブ ノード)が複数のエンドポイント(スポーク ノード)と接続します。ハブ ノードと個々のスポーク エンドポイント間のそれぞれの接続は、別の VPN トンネルです。いずれかのスポーク ノードの背後にあるホストは、ハブ ノードを介して互いに通信できます。

ハブ アンド スポーク トポロジは一般的に、インターネットや他のサードパーティのネットワークを介してセキュアな接続を使用している組織の本社とブランチ オフィスを接続する VPN を表します。これらの展開は、すべての従業員に対して、組織のネットワークへのコントロールされたアクセスを提供します。一般的に、ハブ ノードは本社に配置します。スポーク ノードはブランチ オフィスに配置し、大半のトラフィックはここから開始されます。

次の図は、一般的なハブ アンド スポーク VPN トポロジを示しています。

図はハブ アンド スポーク VPN トポロジを示しています

フル メッシュ VPN トポロジ

フル メッシュ VPN トポロジでは、すべてのエンドポイントが個々の VPN トンネルによって他のエンドポイントと通信できます。このトポロジにより、あるエンドポイントで障害が発生しても、残りのエンドポイントの相互通信は維持されるように冗長性が提供されます。これは、一般的に分散したブランチ オフィスが配置されたグループを接続する VPN を表します。この設定で展開する VPN 対応の管理対象デバイスの数は、必要な冗長性のレベルによって異なります。

次の図は、一般的なフル メッシュ VPN トポロジを示しています。

図はメッシュ VPN トポロジを示しています。

暗黙的にサポートされるトポロジ

3 つの主要な VPN トポロジに加えて、これらのトポロジを組み合わせた他のより複雑なトポロジを作成することもできます。具体的には以下のとおりです。

  • 部分メッシュ:このネットワークでは、一部のデバイスはフル メッシュ トポロジに編成され、その他のデバイスは、フル メッシュ構成のデバイスのうちのいくつかとのハブアンドスポーク接続またはポイントツーポイント接続を形成します。部分メッシュには、フル メッシュ トポロジほどの冗長性はありませんが、導入コストがより低くなります。部分メッシュ トポロジは、フル メッシュ構成のバックボーンに接続するペリフェラル ネットワークで使用されます。

  • 階層型ハブアンドスポーク:このネットワークでは、あるデバイスが、1 つ以上のトポロジでハブとして動作し、他のトポロジではスパイクとして動作できます。スポーク グループからそれらの直近のハブへのトラフィックが許可されます。

  • 結合ハブアンドスポーク:接続して 1 つのポイントツーポイント トンネルを形成する、2 つのトポロジ(ハブアンドスポーク、ポイントツーポイント、またはフル メッシュ)の組み合わせです。たとえば、2 つのハブアンドスポーク トポロジから構成され、それぞれのハブがポイントツーポイント トポロジのピア デバイスとして動作する結合ハブアンドスポーク トポロジを作成できます。