Cisco コンテンツ セキュリティ アプライアンス コンポーネントの交換
警告
ブランクの前面プレートおよびカバー パネルには、3 つの重要な機能があります。シャーシ内の危険な電圧および電流による感電を防ぐこと、他の装置への電磁干渉(EMI)の影響を防ぐこと、およびシャーシ内の冷気の流れを適切な状態に保つことです。システムは、必ずすべてのカード、前面プレート、前面カバー、および背面カバーを正しく取り付けた状態で運用してください。
ステートメント 1029
注意
アプライアンス コンポーネントを扱う際は、損傷を防ぐために、ESD ストラップを装着してください。
ヒント
前面パネルまたは背面パネルにあるユニット識別ボタンを押すと、アプライアンスの前面パネルと背面パネル上のユニット識別 LED が点滅します。このボタンの確認によって、ラックの反対側に移動しても対象のアプライアンスを特定できます。これらの LED の位置については、“Cisco コンテンツ セキュリティ アプライアンス コンポーネントの交換準備” sectionを参照してください。
ここでは、アプライアンス コンポーネントの交換方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
ハード ドライブまたはソリッド ステート ドライブの交換
ドライブの装着に関するガイドライン
90 シリーズ Cisco コンテンツ セキュリティ アプライアンスは、次のモデルで利用可能です。
- Cisco C190、M190、S190、および C390:2 台の小型フォーム ファクタ(SFF)ドライブ
- Cisco S390 および C690:4 台の SFF ドライブ
- Cisco M390:6 台の SFF ドライブ
- Cisco M390X、C690X、C690-1G、および C690-10G:8 台の SFF ドライブ
- Cisco M690:10 台の SFF ドライブ
- Cisco M690X、M690-1G、M690-10G、S690X、S690-1G、および S690-10G:16 台の SFF ドライブ
(注
) 工場出荷後にバックプレーン タイプを変更することはできません。前面パネル/バックプレーン構成を変更するには、シャーシを交換する必要があります。
すべてのバージョンのドライブ ベイの番号付けを、図 11-1 および図 11-2 に示します。
図 11-1 1RU アプライアンスのドライブ番号付け
図 11-2 2RU アプライアンスのドライブ番号付け
最適なパフォーマンスを得るためには、以下のドライブの装着に関するガイドラインを守ってください。
- ドライブを装着する場合は、最も番号の小さいベイから先に追加します。
- 未使用のベイには空のドライブ ブランキング トレイを付けたままにし、最適なエアー フローと冷却を確保します。
ドライブの交換手順
ヒント
SAS ハード ドライブはホットスワップ可能なため、SAS ハード ドライブの交換時にアプライアンスのシャットダウンまたは電源オフを行う必要はありません。
ステップ 1 次のようにして、交換するドライブを取り外すか、空のベイからブランク ドライブ トレイを取り外します。
a.
ドライブ トレイの表面にある解除ボタンを押します。図 11-3 を参照してください。
b.
イジェクト レバーをつかんで開き、ドライブ トレイをスロットから引き出します。
c.
既存のドライブを交換する場合は、ドライブをトレイに固定している 4 本のドライブ トレイ ネジを外し、トレイからドライブを取り外します。
ステップ 2 次のようにして、新しいドライブを取り付けます。
a.
空のドライブ トレイに新しいドライブを置き、4 本のドライブ トレイ ネジを取り付けます。
b.
ドライブトレイのイジェクトレバーを開いた状態で、ドライブトレイを空のドライブベイに差し込みます。
c.
バックプレーンに触れるまでトレイをスロット内に押し込み、イジェクトレバーを閉じてドライブを所定の位置に固定します。
図 11-3 1RU アプライアンスのドライブの交換
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解除ボタン |
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ドライブ トレイ固定ネジ(4 本) |
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イジェクト レバー |
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電源装置の交換
アプライアンスには 1 台または 2 台の電源装置を設置できます。2 台の電源装置を設置する場合、これらは冗長でホットスワップ可能になり、アクティブ電源 1 台とスタンバイ 1 台(1+1)になります。
このアプライアンスは、コールド冗長性もサポートしています。アプライアンスで使用される電力に応じて、1 台の電源装置でシステムにすべての電力をアクティブに供給し、もう 1 台の電源装置がスタンバイ状態になる場合があります。たとえば、AC 電源に接続されている電源装置が 2 台存在していても、電源装置 1 で消費電力が満たされる場合は、電源装置 2 がスタンバイ状態になります。
(注
) アプライアンスに電源装置の冗長性を指定している(電源装置が 2 台ある)場合は、1+1 冗長でありホットスワップ可能であるため、電源装置の交換時にアプライアンスの電源をオフにする必要はありません。
(注
) アプライアンス内で異なるタイプの電源装置を組み合わせて使用しないでください。両方の電源装置は、ワット数とシスコ製品 ID(PID)が同じである必要があります。
ステップ 1 交換する電源装置を取り外すか、空のベイからブランク パネルを取り外します。
a.
次のいずれかの操作を実行します。
–
アプライアンスに電源装置が 1 台しかない場合は、アプライアンスのシャット ダウンおよび電源オフの説明に従って、アプライアンスをシャットダウンし、電源をオフにします。
–
アプライアンスに電源装置が 2 台ある場合は、アプライアンスをシャットダウンする必要はありません。
b.
交換する電源装置から、電源コードを取り外します。
DC 電源装置では、コネクタ内部の上部にあるオレンジのプラスチック ボタンを電源装置に向けて押して、電源装置から電気コネクタ ブロックを取り外します(図 11-4 を参照)。電源装置からコネクタ ブロックを引き出します。
c.
電源装置のハンドルをつかみながら、緑色のリリース レバーをハンドルに向けてひねります(図 11-5 を参照)。
d.
電源装置をベイから引き出します。
ステップ 2 次のようにして、新しい電源装置を取り付けます。
a.
電源装置のハンドルをつかみ、空のベイに新しい電源装置を挿入します。
b.
リリース レバーがロックされるまで、電源装置をベイに押し込みます。
c.
電源コードを新しい電源装置に接続します。
DC 電源装置では、電気コネクタ ブロックを電源装置に押し込みます。
d.
アプライアンスノードをシャットダウンした場合は、 電源 ボタンを押して、アプライアンスを主電源モードに戻します。
図 11-4 1RU アプライアンスの電源装置の交換
図 11-5 2RU アプライアンスの電源装置の交換
DC 電源装置の取り付け
Cisco コンテンツ セキュリティ アプライアンスの x690 モデルは、オプションの 930 W DC 電源で利用可能です。バージョン 2 930 W DC 電源装置の部品番号は CCS-PWR-DCV2-930W です。
警告
容易にアクセス可能な二極切断装置を固定配線に組み込む必要があります。ステートメント 1022
警告
この製品は、設置する建物に回路短絡(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。一般および地域の電気規格に準拠するように設置する必要があります。ステートメント 1045
警告
装置を設置または交換するときには、必ずアースを最初に接続し、最後に取り外します。ステートメント 1046
警告
装置は地域および国の電気規則に従って設置する必要があります。ステートメント 1074
警告
DC 電源端子には、危険な電圧またはエネルギーが存在している可能性があります。端子が使用されていない場合は必ずカバーを取り付けてください。カバーを取り付けるときに絶縁されていない伝導体に触れないことを確認してください。ステートメント 1075
バージョン 2 930 W DC 電源を使用する場合は、キー付きコネクタのある付属の 3 線ケーブルを使用して、電源装置の固定電源コンセントに電源をつなぎます。
警告
この配線手順の開始前に、感電の危険を避けるために、施設の回路ブレーカーの DC 電源装置をオフにします。
ステップ 1 感電の危険を避けるために、施設の回路ブレーカーの DC 電源装置をオフにします。
ステップ 2 付属の 3 線コネクタ ケーブルを、施設の DC 電源に接続します。施設の DC 電源のマイナス線に赤色のワイヤを接続します。
(注
) 付属のコネクタ ケーブルには 8 AWG ゲージ導線が含まれています。推奨される施設のワイヤ ゲージは 8 AWG です。施設の最小ワイヤ ゲージは 10 AWG です。
ステップ 3 付属のコネクタ ケーブルを電源装置の電源コンセントに接続します。図 11-6 に、コネクタがコンセントにロックされるため、極性が正しく調整される様子を示します。
図 11-6 バージョン 2 930 W、-48 VDC 電源装置コネクタ ブロック
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電源装置ステータス LED |
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固定電源コンセント |
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電源障害 LED |
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付属のコネクタ ケーブル |
ステップ 4 施設の DC 電源の電力を回路ブレーカーで元に戻します。
ステップ 5 電源装置ステータス LED がグリーンに点灯していることを確認します。
リモート電源再投入の有効化
アプライアンスの電源をリモートでリセットする場合は、このセクションで説明されている手順を使用して、この機能を事前に有効にし、設定しておく必要があります。
(注
) RPC ポート速度は、自動ネゴシエーションなしで 100 Mbps および全二重モードに静的に設定されます。自動ネゴシエーションなしの場合、RPC ポートは正しく接続されず、使用できません。
はじめる前に
- 専用の RPC ポートをセキュア ネットワークに直接ケーブル接続します。
- ファイアウォールを通過するために必要なポートを開くなど、アプライアンスがリモート アクセス可能であることを確認します。
- この機能では、専用の RPC インターフェイス用に一意の IPv4 アドレスが必要です。このインターフェイスは、このセクションで説明されている手順でのみ設定可能です。 ipconfig コマンドを使用して設定することはできません。
- アプライアンスの電源を再投入するには、Intelligent Platform Management Interface(IPMI)バージョン 2.0 をサポートするデバイスを管理できるサードパーティ製ツールが必要です。このようなツールを使用できるように準備されていることを確認します。
- CLI へのアクセスに関する詳細については、CLI のリファレンス ガイドを参照してください。
手順
ステップ 1 SSH またはシリアル コンソール ポートを使用して、コマンドライン インターフェイスにアクセスします。
ステップ 2 管理者権限を持つアカウントを使用してログインします。
ステップ 3 以下のコマンドを入力します。
remotepower
setup
ステップ 4 プロンプトに従って、以下の情報を指定します。
- この機能専用の IP アドレスと、ネットマスクおよびゲートウェイ。
- 電源の再投入コマンドを実行するために必要なユーザ名とパスワード。
これらのクレデンシャルは、アプライアンスへのアクセスに使用する他のクレデンシャルに依存しません。
ステップ 5 commit
を入力して変更を保存します。
ステップ 6 設定をテストして、アプライアンスの電源をリモートで管理できることを確認します。
ステップ 7 入力したクレデンシャルが、将来、いつでも使用できることを確認します。たとえば、この情報を安全な場所に保管し、このタスクを実行する必要がある管理者が、必要なクレデンシャルにアクセスできるようにします。
アプライアンスの電源のリモート リセット
アプライアンスのハード リセットが必要な場合は、サードパーティの Platform Management(IPMI)ツールを使用してアプライアンス シャーシをリモートからリブートできます。
制約事項
- この機能を使用する場合は、使用が必要になる前に、あらかじめ有効にしておく必要があります。
詳細は、リモート電源再投入の有効化を参照してください。
- 次の IPMI コマンドのみがサポートされています。
status、on、off、cycle、reset、diag、soft
サポートされていないコマンドを発行すると、「権限不足」エラーが発生します。
はじめる前に
- IPMI バージョン 2.0 を使用してデバイスを管理できるユーティリティを取得し、設定します。
- サポートされている IPMI コマンドの使用方法を理解します。IPMI ツールのマニュアルを参照してください。
手順
ステップ 1 IPMI を使用して、必要なクレデンシャルと共に、先に設定したリモート電源管理ポートに割り当てられた IP アドレスに、サポートされている電源の再投入コマンドを発行します。
たとえば、IPMI をサポートする UNIX タイプのマシンからは、次のようなコマンドを発行します。
ipmitool -I lan -H 192.0.2.1 -U remoteresetuser -P password chassis power reset
192.0.2.1
はリモート電源管理ポートに割り当てられている IP アドレス、 remoteresetuser
および password
はこの機能を有効化するときに入力したクレデンシャルです。
ステップ 2 アプライアンスが再起動されるまで、少なくとも 11 分間待ちます。