目次
ハブおよびスポーク デバイスがマルチポイント トンネル経由で接続されているネットワークでは、ハブ サイトはスポーク デバイスでの帯域幅の制限を認識していません。 帯域幅の制限に関する更新情報がないと、パフォーマンス ルーティング(PfR)はアプリケーション トラフィックを最適化できません。 通常、インターネット サービス プロバイダー(ISP)へのスポーク デバイスの接続は、定期的に帯域幅が変化する DSL 接続です。 PfR 帯域幅の可視性は、PfR の拡張機能です。正確なポリシーを自動的に適用できるように、ピアリング PfR 要素に正確な最大帯域幅の情報を提供します。
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このマニュアルの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
PfR 帯域幅の可視性の制約事項
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PfR 帯域幅解決は、トラフィック クラスのスループット データがないため、PfR アクティブ モードではサポートされていません。
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PfR は、スポークツースポーク トンネリングをサポートしていません。 Next Hop Resolution Protocol(NHRP)設定の一環として、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip nhrp server-only コマンドを設定して、スポークツースポーク ダイナミック トンネルをディセーブルにします。
ADSL の定義
デジタル加入者線(DSL)テクノロジーは、マルチメディアやビデオなどの高帯域幅データをサービス加入者に転送するために、既存のツイストペア電話回線を使用するモデム テクノロジーです。 xDSL という用語は、Asymmetric DSL(ADSL/ADSL2)、Symmetric DSL(SDSL)、高速 DSL(HDSL)、Rate Adaptive(RADSL)、および最大 52 Mbps のダウンストリームを配信する Very High Bit Data Rate DSL(VDSL)を含む、類似の多くの DSL の競合形式をカバーします。
Asymmetric DSL の場合、あまり一般的ではない Symmetric DSL とは異なり、帯域幅はデータのアップロードよりダウンロードのほうが広くなります。
接続の加入者端局では、DSL モデムが、コンピュータで使用されるデジタル信号のデータを、電話回線で使用される適切な周波数帯域の電圧信号に変換します。 交換端局では、デジタル加入者線アクセス マルチプレクサ(DSLAM)は、DSL 回線を終了して集約し、他のネットワーキング転送に渡されます。 ADSL の場合、この手順でさらに DSLAM に内蔵されたフィルタ、または事前に設置された専用のフィルタリング機器を使用して、音声コンポーネントが分離されます。
PfR 帯域幅の可視性の問題
ハブおよびスポーク デバイスがマルチポイント トンネル経由で接続されているネットワークでは、ハブ サイトはスポーク デバイスでの帯域幅の制限を認識していません。 帯域幅の制限に関する更新情報がないと、パフォーマンス ルーティング(PfR)はアプリケーション トラフィックを最適化できません。 通常、インターネット サービス プロバイダー(ISP)へのスポーク デバイスの接続は、定期的に帯域幅が変化する DSL 接続です。 このようなネットワークの例として、次のネットワーク図を参照してください。
図 1. ADSL 接続を使用したハブおよびスポーク デバイス
PfR はハブとスポーク間のリンク使用率が設定されたしきい値を超えた場合、1 つの DMVPN/MGRE トンネルから別のトンネルにアプリケーション トラフィックをリダイレクトできますが、PfR では特定のスポークがどれだけ輻輳しているか確認することはできません。 スポーク側における更新された受信(Rx)と送信(Tx)の制限を検出し、その制限情報をハブに伝播できるメカニズムが必要です。この場合、PfR で制限情報を使用して、アプリケーション トラフィックを効率的に管理することができます。
ADSL の帯域幅の可視性の問題を生じるシナリオ
PfR 帯域幅の可視性の問題が生じる ADSL の主なシナリオは次の 3 つです。
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ADSL の再トレーニング:自動または手動による介入により、回線の再調整および再トレーニングを DSLAM に強制できます。これにより、回線の帯域幅割り当てが変更されます。 介入は予告なしに発生することがあります。 上方への再トレーニングの場合、ブランチへの影響はわずかです。 下方への再トレーニングの場合、ブランチは帯域幅を失うことがあります(交換の輻輳における一般的な問題)。 別のトンネルを介してトラフィックを移動させるタイミングを監視および評価する機能が、スムーズな再トレーニングを維持するためには重要です。
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ADSL の輻輳:輻輳期間中は、トラフィックが遅延することがあります。 このような状況では、ブランチ トラフィックができる限り最適なパスをとれるようにすること、およびすべてのリンクにわたってそれらのトラフィックを極力分散させることが不可欠です。
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ADSL の断続的なエラー:軽微な停止を引き起こす断続的なエラーが、場合によってはかなり頻繁に発生することがあります。 通常、これらの問題の調査には数営業日かかります(SLA なし)。 このような断続的な大量のエラーは、「割り当てられた」帯域幅の使用率が高い場合に低下となって表れます。 ISP が問題を修復するまで、トラフィック負荷のバランスを取り戻すために、どのトンネルについても使用プロファイルを効率的に変更する機能が存在する必要があります。
PfR 帯域幅の可視性の解決
帯域幅の可視性は、パフォーマンス ルーティング(PfR)の拡張機能です。正確なポリシーを自動的に適用できるように、ピアリング PfR 要素に正確な最大帯域幅の情報を提供します。 帯域幅の可視性が問題になっているネットワークでは通常、マルチポイント トンネルを介して接続されたハブおよびスポーク デバイスがあり、ハブ サイトはスポーク デバイスでの帯域幅の制限を認識していません。 帯域幅の制限に関する更新情報がないと、PfR はアプリケーション トラフィックを最適化できません。 現在、帯域幅の制限は手動で更新されますが、これはスケーラブルなソリューションではありません。
PfR の帯域幅の可視性は、既存の PfR ターゲット検出機能を利用します。 既存の SAF ベースのピアリング インフラストラクチャは、スポーク デバイスからハブ デバイスに帯域幅情報、およびターゲット情報を伝播するために使用することができます。 ハブでは、PfR マスター コントローラは、ピアのデータベースを構築し、それらの送受信の最大帯域幅情報を追跡します。 境界ルータは、特定のピア ネットワークに送信される帯域幅の総量を追跡し、マスター コントローラに報告します。 特定のピアに送信される帯域幅の総量が、そのピアの受信容量の一定の割合を超えると、PfR はそのアプリケーション トラフィックを代替リンクに再ルーティングして、スポーク デバイスでの輻輳を防ぎます。
 (注) |
PfR は、スポークツースポーク トンネリングをサポートしていません。 Next Hop Resolution Protocol(NHRP)設定の一環として、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip nhrp server-only コマンドを設定して、スポークツースポーク ダイナミック トンネルをディセーブルにします。
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PfR 帯域幅解決をイネーブルにするには、PfR 帯域幅解決をイネーブルにするすべてのデバイスで PfR ターゲット検出を設定する必要があります。 その結果、すべてのマスター コントローラ デバイスで PfR 帯域幅解決がイネーブルになります。 PfR 帯域幅解決では、ダイナミックおよびスタティック ターゲット検出の両方がサポートされています。 帯域幅解決をイネーブルにすると、送受信の帯域幅制限は、PfR ターゲット検出を使用して自動的に検出されて伝播されます。 このメカニズムにより、動的に検出された制限を上書きできます。
 (注) |
PfR 帯域幅解決は、トラフィック クラスのスループット データがないため、PfR アクティブ モードではサポートされていません。
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マルチホップ ネットワークのハブ サイト用 PfR ターゲット検出および MC のピアリングの設定
ネットワークのヘッドエンドにあるマスター コントローラ(通常はハブ サイトのマスター コントローラ)で、PfR マスター コントローラ(MC)のピアリングを設定するには、このタスクを実行します。 マスター コントローラは、ルーティング機能を持つデバイスである必要があります。 このタスクでは、ハブ サイトとブランチ サイト間のネットワーク クラウドがカスタマーの管理下にない、または SAF 対応でないマルチホップ タイプのネットワークを想定しています。 この設計では、ハブ サイトの MC は、ブランチの MC SAF フォワーダがアドバタイズメントを交換するためにピアリングする Service Advertisement Facility(SAF)フォワーダ ハブになります。 ハブ サイトの MC は、同じ SAF ドメイン ID と MD5 認証を持つブランチの MC からのピアリング要求を受け入れます。
 (注) |
このタスクでは、ダイナミックな PfR ターゲット検出がイネーブルになります。 この方法は、SAF がネットワーク内で他のアプリケーションに対してすでにイネーブルになっている、または MC と SAF 間に既存の隣接関係がある場合に適しています。 たとえば、DMVPN WAN で、複数の PfR MC が DMVPN トンネル デバイスに共存している場合、それらには SAF 隣接関係もあり、スタティック ピアリングは必要ありません。
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 (注) |
PfR は、スポークツースポーク トンネリングをサポートしていません。 Next Hop Resolution Protocol(NHRP)設定の一環として、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip nhrp server-only コマンドを設定して、スポークツースポーク ダイナミック トンネルをディセーブルにします。
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手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. pfr master
4. target-discovery
5. mc-peer [head-end | peer-address] [loopback interface-number] [description text] [domain domain-id]
6. end
手順の詳細
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コマンドまたはアクション |
目的 |
ステップ 1 |
enable
例:
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特権 EXEC モードをイネーブルにします。
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ステップ 2 |
configure terminal
例:
Device# configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
pfr master
例:
Device(config)# pfr master
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PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを開始して、マスター コントローラとしてシスコ デバイスを設定します。 |
ステップ 4 |
target-discovery
例:
Device(config-pfr-mc)# target-discovery
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PfR ターゲット検出を設定します。
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この例では、ダイナミックな PfR ターゲット検出が設定されます。
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ステップ 5 |
mc-peer [head-end | peer-address] [loopback interface-number] [description text] [domain domain-id]
例:
Device(config-pfr-mc)# mc-peer head-end loopback1 description SJ-hub
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この例では、このデバイスがハブ(ヘッドエンド)デバイスであることを示すために、PfR マスター コントローラのピアリングが設定されます。
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MC のピアリングに使用される SAF ドメイン ID を指定するには、domain キーワードを使用します。 domain-id 引数は、1 から 65535 の範囲で指定します。 SAF ドメイン ID を指定しない場合、デフォルト値の 59501 が使用されます。
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ステップ 6 |
end
例:
Device(config-pfr-mc)# end
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(任意)PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
マルチホップ ネットワークのブランチ オフィス用 PfR ターゲット検出および MC のピアリングの設定
スポーク ルータとして機能するブランチ オフィスで PfR ターゲット検出のスタティック モードを使用して PfR MC のピアリングを設定するには、このタスクを実行します。 この例では、ネットワークの本社(ヘッドエンド)にある PfR マスター コントローラ ハブ デバイスの IP アドレスは、MC のピアリングを可能にするためにループバック インターフェイスとして設定されます。 このタスクでは、ハブ サイトとブランチ オフィス間のネットワーク クラウドがカスタマーの管理下にないマルチホップ タイプのネットワークを想定しています。
 (注) |
PfR は、スポークツースポーク トンネリングをサポートしていません。 Next Hop Resolution Protocol(NHRP)設定の一環として、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip nhrp server-only コマンドを設定して、スポークツースポーク ダイナミック トンネルをディセーブルにします。
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はじめる前に
PfR マスター コントローラ(MC)ピアリングは、ネットワークのハブ サイト(ヘッドエンド)にあるルーティング機能を備えたデバイスに設定する必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. pfr master
4. mc-peer [peer-address loopback interface-number] [description text] [domain domain-id]
5. target-discovery
6. end
手順の詳細
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コマンドまたはアクション |
目的 |
ステップ 1 |
enable
例:
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特権 EXEC モードをイネーブルにします。
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ステップ 2 |
configure terminal
例:
Device# configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
pfr master
例:
Device(config)# pfr master
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PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを開始して、マスター コントローラとしてシスコ デバイスを設定します。 |
ステップ 4 |
mc-peer [peer-address loopback interface-number] [description text] [domain domain-id]
例:
Device(config-pfr-mc)# mc-peer 10.11.11.1 loopback1
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この例では、ネットワークの本社(ヘッドエンド)にある PfR マスター コントローラ ハブ デバイスの IP アドレスは、ピア アドレスとして設定されます。 |
ステップ 5 |
target-discovery
例:
Device(config-pfr-mc)# target-discovery
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ダイナミックな PfR ターゲット検出を設定します。 |
ステップ 6 |
end
例:
Device(config-pfr-mc)# end
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(任意)PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
帯域幅解決のイネーブル化
このタスクは、関係するサイトのすべてのハブとスポークのすべての PfR マスター コントローラで実行されます。
はじめる前に
 (注) |
PfR ターゲット検出は、帯域幅解決をイネーブルにする前に設定する必要があります。 PfR 帯域幅解決では、ダイナミックおよびスタティック ターゲット検出の両方がサポートされています。 PfR 帯域幅解決は、トラフィック クラスのスループット データがないため、PfR アクティブ モードではサポートされていません。
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 (注) |
PfR は、スポークツースポーク トンネリングをサポートしていません。 Next Hop Resolution Protocol(NHRP)設定の一環として、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip nhrp server-only コマンドを設定して、スポークツースポーク ダイナミック トンネルをディセーブルにします。
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手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. pfr master
4. bandwidth-resolution
手順の詳細
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コマンドまたはアクション |
目的 |
ステップ 1 |
enable
例:
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特権 EXEC モードをイネーブルにします。
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ステップ 2 |
configure terminal
例:
Device# configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
pfr master
例:
Device(config)# pfr master
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PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを開始して、マスター コントローラとしてルータを設定し、グローバル処理およびポリシーを設定します。 |
ステップ 4 |
bandwidth-resolution
例:
Device(config-pfr-mc)# bandwidth-resolution
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帯域幅解決をイネーブルにします。 |
動的に検出された送受信の帯域幅制限の上書き
PfR 外部インターフェイスの受信(Rx)および送信(Tx)の制限の最大値を手動で指定するには、PfR マスター コントローラでこのタスクを実行します。 帯域幅解決がイネーブルの場合、送受信の帯域幅制限は、PfR ターゲット検出を使用して動的に検出されて伝播されます。 PfR 帯域幅解決を使用して動的に検出された制限を上書きするには、このタスクを使用します。
境界ルータ用外部インターフェイスが設定されると、PfR は、境界ルータ上の外部リンク使用率を 20 秒ごとに自動的に監視します。 使用率はマスター コントローラに報告されます。使用率が指定された制限値を超えると、PfR はそのリンク上のトラフィック クラス用に別の出口リンクを選択します。 動的に検出された帯域幅制限を上書きするために指定できるのは、絶対値(キロビット毎秒(kbps))だけです。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. pfr master
4. border ip-address [key-chain key-chain-name]
5. interface type number external
6. maximum utilization receive absolute kbps
7. max-xmit-utilization absolute kbps
8. end
手順の詳細
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コマンドまたはアクション |
目的 |
ステップ 1 |
enable
例:
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特権 EXEC モードをイネーブルにします。
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ステップ 2 |
configure terminal
例:
Device# configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
pfr master
例:
Device(config)# pfr master
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PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを開始して、マスター コントローラとしてルータを設定し、グローバル処理およびポリシーを設定します。 |
ステップ 4 |
border ip-address [key-chain key-chain-name]
例:
Device(config-pfr-mc)# border 10.1.1.2
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PfR 管理境界ルータ コンフィギュレーション モードを開始して、境界ルータとの通信を確立します。
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境界ルータを識別するために、IP アドレスを設定します。
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PfR の管理対象ネットワークを作成するには、少なくとも 1 台の境界ルータを指定する必要があります。 1 台のマスター コントローラで制御できる境界ルータは、最大 10 台です。
(注) |
境界ルータが最初に設定されている場合は、key-chain キーワードおよび key-chain-name 引数を入力する必要があります。 ただし、既存の境界ルータを再設定する場合、このキーワードは省略可能です。 |
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ステップ 5 |
interface type number external
例:
Device(config-pfr-mc-br)# interface GigabitEthernet 0/0/0 external
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PfR 管理の外部インターフェイスとして境界ルータを設定し、PfR ボーダー出口インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
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外部インターフェイスは、トラフィックの転送およびアクティブ モニタリングに使用されます。
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PfR 管理のネットワークには、最低 2 つの外部境界ルータ インターフェイスが必要です。 各境界ルータでは、少なくとも 1 つの外部インターフェイスを設定する必要があります。 1 台のマスター コントローラで制御できる外部インターフェイスは、最大 20 です。
(注) |
external キーワードまたは internal キーワードを指定せずに interface (PfR) コマンドを入力すると、ルータは、PfR ボーダー出口コンフィギュレーション モードではなく、グローバル コンフィギュレーション モードで開始されます。 アクティブ インターフェイスがルータ設定から削除されないように、このコマンドの no 形式は慎重に適用してください。 |
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ステップ 6 |
maximum utilization receive absolute kbps
例:
Device(config-pfr-mc-br-if)# maximum utilization receive absolute 500000
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PfR 管理の入口リンクのインターフェイスを介して送信できる着信トラフィックの最大使用率のしきい値を設定します。
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PfR 管理の入口リンクでの絶対最大使用率を kbps 単位で指定するには、absolute キーワードおよび kbps 引数を使用します。
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ステップ 7 |
max-xmit-utilization absolute kbps
例:
Device(config-pfr-mc-br-if)# max-xmit-utilization absolute 500000
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単一の PfR 管理の出口リンクの最大使用率を設定します。
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PfR 管理の出口リンクでの絶対最大使用率を kbps 単位で指定するには、absolute キーワードおよび kbps 引数を使用します。
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ステップ 8 |
end
例:
Device(config-pfr-mc-br-if)# end
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PfR ボーダー出口インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
例:PfR 帯域幅解決の設定
 (注) |
PfR ターゲット検出は、帯域幅解決がイネーブルになる前に設定する必要があります。 PfR 帯域幅解決では、ダイナミックおよびスタティック ターゲット検出の両方がサポートされています。
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次の設定は、本社とブランチ オフィスまたはリモート サイト間のネットワーク クラウドがカスタマーの管理下にない、または SAF 対応でないマルチホップ ネットワークで使用できます。 設定例では、3 台のマスター コントローラ(1 台は本社、2 台はブランチ オフィス)が示されています。 すべての PfR マスター コントローラ(MC)デバイスで PfR 帯域幅解決がイネーブルになっています。 3 つすべてのサイトの show pfr master bandwidth-resolution コマンドの出力が表示されています。
 (注) |
次の例では、ハブおよびスポーク デバイスのホスト名は「Router-hub」、「Router-spoke1」、または「Router-spoke2」として設定されていますが、デバイスには PfR をサポートするルーティング機能を備えた任意のデバイスを指定できます。
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ハブの MC 帯域幅解決の設定
ハブ デバイスにはルーティング機能があり、本社に設置されています。 この例では、マスター コントローラで PfR 帯域幅解決がイネーブルになっています。
Router-hub> enable
Router-hub# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router-hub(config)# pfr master
Router-hub(config-pfr-mc)# bandwidth-resolution
Router-hub(config-pfr-mc)# end
Spoke1 MC の帯域幅解決の設定
spoke1 デバイスにはルーティング機能があり、ブランチ(スポーク)オフィスに設置されています。 この例では、ブランチ オフィスのマスター コントローラで PfR 帯域幅解決がイネーブルになっています。
Router-spoke1> enable
Router-spoke1# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router-spoke1(config)# pfr master
Router-spoke1(config-pfr-mc)# bandwidth-resolution
Router-spoke1(config-pfr-mc)# end
Spoke2 MC の帯域幅解決の設定
spoke2 デバイスにはルーティング機能があり、セカンド ブランチ(スポーク)オフィスに設置されています。 この例では、セカンド ブランチ オフィスのマスター コントローラで PfR 帯域幅解決がイネーブルになっています。
Router-spoke2> enable
Router-spoke2# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router-spoke2(config)# pfr master
Router-spoke2(config-pfr-mc)# bandwidth-resolution
Router-spoke2(config-pfr-mc)# end
PfR 帯域幅解決の出力例
次の出力は、PfR の帯域幅解決がイネーブルになった後のハブ デバイスのマスター コントローラのものです。
Router-hub# show pfr master bandwidth-resolution all
Border Router: 10.20.20.2 External Interface: Tu10
MC-peer address Overlay address Rx BW [kbps] Tx BW [kbps] Tx Load [kbps]
172.17.51.1 10.110.110.2 1000 900 0
172.20.61.1 10.110.110.3 1000 900 35
Border Router: 10.20.20.3 External Interface: Tu20
MC-peer address Overlay address Rx BW [kbps] Tx BW [kbps] Tx Load [kbps]
172.17.51.1 10.90.90.2 1000 900 18
172.20.61.1 10.90.90.3 803 903
次の出力は、PfR の帯域幅解決がイネーブルになった後のハブ デバイスのマスター コントローラのもので、IP アドレス 172.20.61.1 のマスター コントローラ ピアの出力が表示されています。
Router-hub# show pfr master bandwidth-resolution 172.20.61.1
PfR Bandwidth Resolution Database
MC-peer: 172.20.61.1
Border Router External Interface Overlay Address Rx BW [kbps] Tx BW [kbps] Tx Load [kbps]
10.20.20.2 Tu10 10.110.110.3 1000 900 35
10.20.20.3 Tu20 10.90.90.3 803 903 0
その他の関連資料
関連資料
関連項目 |
マニュアル タイトル |
Cisco IOS コマンド |
『Cisco IOS Master Command List, All Releases』 |
Cisco IOS PfR のコマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用上の注意事項、および例 |
『Cisco IOS Performance Routing Command Reference』 |
Cisco IOS XE Release での基本的な PfR 設定 |
「ベーシック パフォーマンス ルーティングの設定」モジュール |
Cisco IOS XE Release 3.1 および 3.2 の境界ルータ専用機能の設定に関する情報 |
「パフォーマンス ルーティング境界ルータ専用機能」モジュール |
Cisco IOS XE Release のパフォーマンス ルーティングの運用フェーズを理解するために必要な概念 |
「パフォーマンス ルーティングの理解」モジュール |
Cisco IOS XE Release でのアドバンスド PfR 設定 |
「アドバンスド パフォーマンス ルーティングの設定」モジュール |
IP SLA の概要 |
「Cisco IOS IP SLAs Overview」モジュール |
シスコの DocWiki コラボレーション環境の PfR 関連のコンテンツへのリンクがある PfR ホーム ページ |
PfR:Home |
MIB
MIB |
MIB のリンク |
-
CISCO-PFR-MIB
-
CISCO-PFR-TRAPS-MIB
|
選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 http://www.cisco.com/go/mibs |
シスコのテクニカル サポート
説明 |
リンク |
シスコのサポートおよびドキュメンテーション Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リソースを提供しています。 これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。 この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html |
PfR 帯域幅の可視性の機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 1 PfR 帯域幅の可視性の機能情報
機能名 |
リリース |
機能情報 |
xDSL アクセス用 PfR 帯域幅の可視性の配信 |
15.3(1)T Cisco IOS XE Release 3.8S |
PfR 帯域幅の可視性は、PfR の拡張機能です。ポリシーを自動的に適用できるように、ピアリング PfR 要素に正確な最大帯域幅の情報を提供します。 次のコマンドが導入または変更されました。bandwidth-resolution、debug pfr border bandwidth-resolution、debug pfr master bandwidth-resolution、show pfr master bandwidth-resolution。 |