Cisco ACI サイトのインフラの設定

前提条件とガイドライン

次のセクションでは、全般とサイト固有のファブリック インフラ設定を行うために必要な手順について説明します。

インフラの設定を進める前に、前のセクションで説明したようにサイトを設定して追加する必要があります。これには、以下が含まれます。

  • 各サイトのファブリック アクセス ポリシーの設定。

  • リモート リーフ スイッチを使用したサイトの直接通信およびルーティング可能なサブネットの設定。

さらに、次の点に注意してください。

  • スパイン スイッチまたはスパイン ノード識別子の変更の追加や削除などのインフラストラクチャの変更には、一般的なインフラの設定手順の一部として、サイト接続性情報の更新 に記載されているマルチサイト オーケストレータ ファブリック接続情報の更新が必要です。

  • Orchestrator に割り当てられているオーバーレイ ユニキャスト TEP、オーバーレイ マルチキャスト TEP、および BGP EVPN ルータ ID IP アドレスは、元のファブリックのインフラ TEP プールのアドレス空間または 0.x.x.x の範囲から取得することはできません。

インフラの設定: 一般設定

ここでは、すべてのサイトの一般的なインフラ設定を構成する方法について説明します。

手順


ステップ 1

Cisco マルチサイト Orchestrator GUI にログインします。

ステップ 2

左側のナビゲーション メニューで、[インフラストラクチャ(Infrastructure)] > [インフラの設定(Infra Configuration)]を選択します。

ステップ 3

メイン ペインにある [インフラの設定(Configure Infra)] をクリックします。

ステップ 4

左側のサイドバーで、[全般設定(General Settings)]を選択します。

ステップ 5

コントロール プレーン BGP を構成します。

  1. [BGP ピアリング タイプ (BGP Peering Type)] ドロップダウンから、[フルメッシュ (full-mesh)] または [ルートリフレクタ (route-reflector)] のいずれかを選択します。

    [ルートリフレクタ (route-reflector)]オプションは、すべてのサイトが同じ BGP 自律システム (AS) に属している場合にのみ有効です。

  2. [キープアライブ間隔 (秒) (Keepalive Interval (Seconds))] フィールドに、キープアライブ間隔を秒単位で入力します。

    デフォルト値を維持することを推奨します。

  3. [保留間隔 (秒) (Hold Interval (Seconds))] フィールドに、保留間隔を秒単位で入力します。

    デフォルト値を維持することを推奨します。

  4. [失効間隔 (秒) (Stale Interval (Seconds))] フィールドに、失効間隔を秒単位で入力します。

    デフォルト値を維持することを推奨します。

  5. [グレースフル ヘルパー (Graceful Helper)] オプションをオンにするかどうかを選択します。

  6. [最大AS 制限値 (Maximum AS Limit)] フィールドで、最大 AS 制限値を入力します。

  7. [ピア間 BGP TTL (BGP TTL Between Peer)] フィールドで、ピア間の BGP TTL を入力します。


サイト接続性情報の更新

スパインの追加や削除、またはスパイン ノードの ID 変更などのインフラストラクチャへの変更が加えられた場合、Multi-Site ファブリック接続サイトの更新が必要になります。このセクションでは、各サイトの APIC から直接最新の接続性情報を取得する方法を説明します。

手順


ステップ 1

Cisco マルチサイト オーケストレータ GUI にログインします。

ステップ 2

[メイン メニュー (Main menu)] で、[インフラストラクチャ (Infrastructure)] > [インフラの設定 (Infra Configuration)]を選択します。

ステップ 3

右上にある [インフラの構成 (Infra Configuration)] ビューで、[インフラの設定 (Configure Infra)] ボタンをクリックします。

ステップ 4

左側のペインの [サイト (Sites)] の下で、特定のサイトを選択します。

ステップ 5

メイン ウィンドウで、[サイト データのリロード(Reload Site Data)] ボタンをクリックし、APIC からファブリック情報をプルします。

ステップ 6

(オプション)廃止されたスパイン スイッチノードの設定を削除する場合は、[確認 (Confirmation)] ダイアログでチェックボックスをオンにします。

このチェックボックスを有効にすると、現在使用されていないスパイン スイッチのすべての設定情報がデータベースから削除されます。

ステップ 7

最後に、[はい (Yes)] をクリックして確認し、接続情報をロードします。

これにより、新しいスパインや削除されたスパインを検出し、すべてのサイトに関連したファブリックの接続を APIC からインポートし直します。


インフラの設定: オンプレミス サイトの設定

ここでは、オンプレミス サイトにサイト固有のインフラ設定を構成する方法について説明します。

手順


ステップ 1

Cisco マルチサイト オーケストレータ GUI にログインします。

ステップ 2

左側のナビゲーション メニューで、[インフラストラクチャ(Infrastructure)] > [インフラの設定(Infra Configuration)]を選択します。

ステップ 3

メイン ペインにある [インフラの設定(Configure Infra)] をクリックします。

ステップ 4

左側のペインの [サイト (Sites)] の下で、特定のオンプレミス サイトを選択します。

ステップ 5

右側の [ <サイト> 設定(Settings)] ペインで、[マルチサイト (Multi-Site)] ノブを有効にしてオーケストレータでサイトを管理できるようにします。

ステップ 6

(オプションn) [CloudSec 暗号化 (CloudSec Encryption)] ノブを有効にして、サイトを暗号化します。

CloudSec 暗号化は、サイト間トラフィックの暗号化機能を提供します。この機能の詳細については、 Cisco Multi-Site Configuration Guide の「Infrastructure Management」の章を参照してください。

ステップ 7

[オーバレイ マルチキャスト TEP (Overlay Multicast TEP)] を指定します。

このアドレスは、サイト間の L2 BUM および L3 マルチキャスト トラフィックのために使用されます。この IP アドレスは、単一のポッドまたはマルチポッド ファブリックであるかどうかには関わりなく、同じファブリックの一部であるすべてのスパイン スイッチに展開されます。

ステップ 8

[BGP 自律システム番号 (BGP Autonomous System Number)] を指定します。

ステップ 9

[BGP パスワード (BGP Password)] を指定します。

ステップ 10

[OSPF Area ID (OSPF エリア ID)] を指定します。

マルチサイト インフラ OSPF の詳細を設定する際には、OSPF エリア 0 を使用することを推奨します。0 以外のエリア ID を使用する場合、次の手順ではそれをregular OSPF エリア タイプとして設定することになります。 stub エリア タイプにはなりません。

ステップ 11

ドロップダウン メニューから [OSPF エリア タイプ (OSPF Area Type)]を選択します。

OSPF エリアタイプは、次のいずれかになります。

  • nssa

  • regular

  • stub

ステップ 12

ドロップダウン メニューから外部ルート ドメインを選択します。

Cisco APIC GUI で作成した外部ルータ ドメインを選択します。

ステップ 13

サイトの OSPF 設定を行います。

既存のポリシー (たとえば msc-ospf-policy-default) をクリックして修正することも、[+ ポリシー追加(+Add Policy)] をクリックして新しい OSPF ポリシーを追加することもできます。それから、[ポリシーの追加/更新(Add/Update Policy)] ウィンドウで、以下を指定します。

  • [ポリシー名(Policy Name)] フィールドにポリシー名を入力します。

  • [(ネットワーク タイプ (Network Type)] フィールドで、[ブロードキャスト (broadcast)][ポイントツーポイント (point-to-point)]、または [未指定 (unspecified)] のいずれかを選択します。

    デフォルトは [ブロードキャスト (broadcast)] です。

  • [優先順位 (Priority)] フィールドに、優先順位番号を入力します。

    デフォルトは 1 です。

  • [インターフェイスのコスト (Cost of Interface)] フィールドに、インターフェイスのコストを入力します。

    デフォルト値は 0 です。

  • [インターフェイス コントロール(Interface Controls)] ドロップダウン メニューで、以下のいずれかを選択します。

    • アドバタイズサブネット (advertise-subnet)

    • BFD (bfd)

    • MTU 無視 (mtu-ignore)

    • 受動的参加 (passive-participation)

  • [Hello 間隔 (秒) (Hello Interval (Seconds))] フィールドに、hello 間隔を秒単位で入力します。

    デフォルト値は 10 です。

  • [Dead 間隔 (秒) (Dead Interval (Seconds))] フィールドに、dead 間隔を秒単位で入力します。

    デフォルト値は 40 です。

  • [再送信間隔 (秒) (Retransmit Interval (Seconds))] フィールドに、再送信間隔を秒単位で入力します。

    デフォルト値は 5 です。

  • [転送遅延 (秒) (Transmit Delay (Seconds))] フィールドに、遅延を秒単位で入力します。

    デフォルトは 1 です。

ステップ 14

(オプション) サイトの SR-MPLS 設定を構成します。

サイトが MPLS ネットワークを介して接続されている場合には、[SR-MPLS 接続性 (SR-MPLS Connectivity)] ノブを有効にして、セグメント ルーティング グローバル ブロック (SRGB) の範囲を指定します。

セグメント ルーティング グローバル ブロック(SRGB)は、ラベル スイッチング データベース (LSD) でセグメント ルーティング (SR) 用に予約されているラベル値の範囲です。これらの値は SR 対応ノードへのセグメント識別子(SID)として割り当てられ、ドメイン全体でグローバルな意味を持ちます。

デフォルトの範囲は 16000 ~ 23999 です。

サイトのMPLS接続を有効にする場合は、 『Cisco Multi-Site Configuration Guide for ACI Fabrics』の「Sites Connected via SR-MPLS」の章で説明されている追加設定を行う必要があります。


インフラの設定: ポッドの設定

このセクションでは、各サイトでポッド固有の設定を行う方法について説明します。

手順


ステップ 1

Cisco マルチサイト オーケストレータ GUI にログインします。

ステップ 2

メイン メニュー[サイト] をクリックします。

ステップ 3

[サイト] ビューで、[インフラの構築] をクリックします。

ステップ 4

左側のペインの [サイト (Sites)] の下で、特定のサイトを選択します。

ステップ 5

メイン ウィンドウで、ポッドを選択します。

ステップ 6

右の [ポッドのプロパティ] ペインで、ポッドについてオーバーレイ ユニキャスト TEP を追加できます。

この IP アドレスは、同じポッドの一部であり、サイト間の既知のユニキャスト トラフィックに使用されるすべてのスパイン スイッチに導入されます。

ステップ 7

[+ TEP プールの追加] をクリックして、ルーティング可能な TEP プールを追加します。

ルーティング可能な TEP プールは、サイト間接続のパブリック IP アドレスに使用されます。

ステップ 8

サイトの各ポッドに対してこの手順を繰り返します。


インフラの設定: スパイン スイッチ

このセクションでは、Cisco Multi-Site のために各サイトのスパイン スイッチを設定する方法について説明します。

手順


ステップ 1

Cisco マルチサイト オーケストレータ GUI にログインします。

ステップ 2

メイン メニュー[サイト] をクリックします。

ステップ 3

[サイト] ビューで、[インフラの構築] をクリックします。

ステップ 4

左側のペインの [サイト (Sites)] の下で、特定のサイトを選択します。

ステップ 5

メイン ウィンドウで、ポッド内のスパイン スイッチを選択します。

ステップ 6

右側の [<スパイン> 設定 (Settings)] ペインで、[+ ポート追加(Add Port)] をクリックします。

ステップ 7

[ポートの追加(Add Port)] ウィンドウで、次の情報を入力します。

  • [イーサネット ポート ID (Ethernet Port ID)] フィールドに、ポート ID、たとえば 1/29 を入力します。

  • [IP アドレス (IP Address)] フィールドに、IP アドレス/ネットマスクを入力します。

    MSO によって、指定されたポートで指定された IP アドレスを持つ VLAN 4 でサブインターフェイスが作成されます。

  • [MTU] フィールドに、サーバの MTU を入力します。[継承 (inherit)] を指定することも、5769000 の値を指定することもできます。

    スパイン ポートの MTU は、IPN 側の MTU と一致させる必要があります。

  • [OSPF ポリシー (OSPF Policy)] フィールドで、インフラの設定: オンプレミス サイトの設定 で設定したスイッチの OSPF ポリシーを選択します。

    OSPF ポリシーの OSPF 設定は、IPN 側と一致させる必要があります。

  • [OSPF 認証 (OSPF Authentication)] では、[なし (none)] または以下のいずれかを選択します。

    • MD5

    • Simple

ステップ 8

[BGP ピアリング (BGP Peering)] ノブを有効にします。

2 つより多くのスパイン スイッチのある単一のポッド ファブリックでは、BGP ピアリングは BGP スピーカ (BGP Speakers) と呼ばれるスパイン スイッチのペア (冗長性のためのもの) 上でのみ有効にします。他のすべてのスパイン スイッチでは、BGP ピアリングを無効にします。これらは BGP フォワーダ (BGP Forwarders) としてのみ機能します。

マルチポッド ファブリック BGP ピアリングは、それぞれが異なるポッドに展開された、2 台の BPG スピーカ スパイン スイッチ上でのみ有効にします。他のすべてのスパイン スイッチでは、BGP ピアリングを無効にします。これらは BGP フォワーダ (BGP Forwarders) としてのみ機能します。

ステップ 9

[BGP-EVPN Router-ID (BGP-EVPN ルータ ID)] フィールドでは、サイト間の BGP-eVPN セッションで使用する IP アドレスを指定します。

ステップ 10

すべてのスパイン スイッチで手順を繰り返します。


インフラ設定の展開

ここでは、各 APIC サイトにインフラ設定を展開する方法について説明します。

手順


メインペインの右上にある [展開 (deploy)] をクリックして、設定を展開します。