イーサネット インターフェイスの概要
イーサネット ポートは、サーバまたは LAN に接続される標準のイーサネット インターフェイスとして機能します。
イーサネット インターフェイスはデフォルトでイネーブルです。
インターフェイス コマンド
interface コマンドを使用すれば、イーサネット インターフェイスのさまざまな機能をインターフェイスごとにイネーブルにできます。interface コマンドを入力する際には、次の情報を指定します。
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インターフェイス タイプ:物理イーサネット インターフェイスには、常にキーワード ethernet を使用します。
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スロット番号:
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スロット 1 にはすべての固定ポートが含まれます。
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スロット 2 には上位拡張モジュールのポートが含まれます(実装されている場合)。
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スロット 3 には下位拡張モジュールのポートが含まれます(実装されている場合)。
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スロット 4 には下位拡張モジュールのポートが含まれます(実装されている場合)。
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ポート番号:グループ内のポート番号。
Cisco Nexus ファブリック エクステンダ との併用をサポートするために、インターフェイスのナンバリング規則は、次のように拡張されています。
switch(config)# interface ethernet [chassis/]slot/port
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シャーシ ID は、接続されている ファブリック エクステンダ のポートをアドレス指定するために使用できる任意のエントリです。インターフェイス経由で検出された ファブリック エクステンダ を識別するために、シャーシ ID はスイッチ上の物理イーサネットまたは EtherChannel インターフェイスに設定されます。シャーシ ID の範囲は、100 ~ 199 です。
40 Gbpsインターフェイスの速度について
最大 12 のインターフェイスで 40 ギガビット/秒(Gbps)の速度を有効にできます。4 つの隣接ポートのグループの最初のポートで 40 Gbps の速度をイネーブルにします。たとえば、ポートグループ 1〜4 のポート 1、ポートグループ 5〜8 のポート 5、ポートグループ 9〜12 のポート 9 で 40 Gbps の速度を有効にします。40 Gbps ポート番号は、イーサネットインターフェイスの 1/1、1/5、 1/9、1/13、1/17、などです。
設定は、グループ内の残りの 3 つのポートではなく、最初のポートに適用します。残りのポートは、拡張 Small Form-Factor Pluggable(SFP +)トランシーバが挿入されていないポートと同様に機能します。設定を保存すると、すぐに有効になります。スイッチをリロードする必要はありません。
SFP+ トランシーバのセキュリティ チェックは、グループの最初のポートでのみ実行されます。
![]() (注) |
ブレークイン機能は Cisco NX-OS 3548 シリーズでサポートされていますが、リリース バージョン 7.0(3)I7(2) から 7.0(3)I7(7) の光トラシーバ SFP-10G-SR ではサポートされていません。 |
UDLD パラメータ
シスコ独自の単一方向リンク検出(UDLD)プロトコルでは、光ファイバまたは銅線(たとえば、カテゴリ 5 のケーブル)のイーサネット ケーブルで接続されているポートでケーブルの物理的な構成をモニタリングし、単一方向リンクの存在を検出できます。スイッチが単方向リンクを検出すると、UDLD は関連する LAN ポートをシャットダウンし、ユーザに警告します。単方向リンクは、スパニングツリー トポロジ ループをはじめ、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
UDLD は、レイヤ 1 プロトコルと協調してリンクの物理ステータスを検出するレイヤ 2 プロトコルです。レイヤ 1 では、オートネゴシエーションは物理シグナリングと障害検出を行います。UDLD は、ネイバーの ID の検知、誤って接続された LAN ポートのシャットダウンなど、自動ネゴシエーションでは実行不可能な処理を実行します。自動ネゴシエーションと UDLD の両方をイネーブルにすると、レイヤ 1 とレイヤ 2 の検出が協調して動作して、物理的な単一方向接続と論理的な単一方向接続を防止し、その他のプロトコルの異常動作を防止できます。
リンク上でローカル デバイスから送信されたトラフィックはネイバーで受信されるのに対し、ネイバーから送信されたトラフィックはローカル デバイスで受信されない場合には常に、単方向リンクが発生します。対になったファイバ ケーブルのうち一方の接続が切断された場合、自動ネゴシエーションがアクティブであると、そのリンクのアップ状態は維持されなくなります。この場合、論理リンクは不定であり、UDLD は何の処理も行いません。レイヤ 1 で両方の光ファイバが正常に動作している場合は、レイヤ 2 で UDLD が、これらの光ファイルが正しく接続されているかどうか、および正しいネイバー間でトラフィックが双方向に流れているかを調べます。自動ネゴシエーションはレイヤ 1 で動作するため、このチェックは、自動ネゴシエーションでは実行できません。
Cisco Nexus デバイスは、UDLD がイネーブルになっている LAN ポート上のネイバー デバイスに定期的に UDLD フレームを送信します。一定の時間内にフレームがエコー バックされてきて、特定の確認応答(echo)が見つからなければ、そのリンクは単一方向のフラグが立てられ、その LAN ポートはシャットダウンされます。UDLD プロトコルにより単方向リンクが正しく識別されその使用が禁止されるようにするためには、リンクの両端のデバイスで UDLD がサポートされている必要があります。
次の図は、単方向リンクが発生した状態の一例を示したものです。デバイス B はこのポートでデバイス A からのトラフィックを正常に受信していますが、デバイス A は同じポート上でデバイス B からのトラフィックを受信していません。UDLD によって問題が検出され、ポートがディセーブルになります。
UDLD のデフォルト設定
次の表は、UDLD のデフォルト設定を示したものです。
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機能 |
デフォルト値 |
|---|---|
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UDLD グローバル イネーブル ステート |
グローバルにディセーブル |
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UDLD アグレッシブ モード |
ディセーブル |
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ポート別の UDLD イネーブル ステート(光ファイバ メディア用) |
すべてのイーサネット光ファイバ LAN ポートでイネーブル |
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ポート別の UDLD イネーブル ステート(ツイストペア(銅製)メディア用) |
有効(Enabled) |
UDLD アグレッシブ モードと非アグレッシブ モード
デフォルトでは、UDLD アグレッシブ モードはディセーブルになっています。UDLD アグレッシブ モードは、UDLD アグレッシブ モードをサポートするネットワーク デバイスの間のポイントツーポイントのリンク上に限って設定できます。UDLD アグレッシブ モードがイネーブルになっている場合、UDLD ネイバー関係が確立されている双方向リンク上のポートが UDLD フレームを受信しなくなったとき、UDLD はネイバーとの接続の再確立を試行します。この再試行に 8 回失敗すると、ポートはディセーブルになります。
スパニングツリー ループを防止するため、間隔がデフォルトの 15 秒である非アグレッシブな UDLD でも、(デフォルトのスパニングツリー パラメータを使用して)ブロッキング ポートがフォワーディング ステートに移行する前に、単方向リンクをシャットダウンすることができます。
UDLD アグレッシブ モードをイネーブルにすると、次のようなことが発生します。
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リンクの一方にポート スタックが生じる(送受信どちらも)
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リンクの一方がダウンしているにもかかわらず、リンクのもう一方がアップしたままになる
このような場合、UDLD アグレッシブ モードでは、リンクのポートの 1 つがディセーブルになり、トラフィックが廃棄されるのを防止します。
SVI 自動ステート
スイッチ仮想インターフェイス(SVI)は、デバイスの VLAN のブリッジング機能とルーティング機能間の論理インターフェイスを表します。デフォルトでは、VLAN インターフェイスが VLAN で複数のポートを有する場合、SVI は VLAN のすべてのポートがダウンするとダウン状態になります。
自動ステートの動作は、対応する VLAN のさまざまなポートの状態によって管理されるインターフェイスの動作状態です。VLAN の SVI インターフェイスは、VLAN に STP フォワーディング ステートのポートが少なくとも 1 個ある場合にアップになります。同様に、このインターフェイスは最後の STP 転送ポートがダウンするか、別の STP 状態になったとき、ダウンします。
デフォルトでは、自動ステートの計算はイネーブルです。SVI インターフェイスの自動ステートの計算をディセーブルにし、デフォルト値を変更できます。
![]() (注) |
Nexus 3000 シリーズスイッチは、1 つの VLAN の SVI がブリッジング リンクと同じデバイスに存在する場合、2 つの VLAN 間のブリッジングをサポートしません。デバイスに着信し、SVI に向かうトラフィックは、IPv4 廃棄としてドロップされます。これは、BIA MAC アドレスが VLAN/SVI 間で共有され、SVI の MAC を変更するオプションがないためです。 |
Cisco Discovery Protocol
Cisco Discovery Protocol(CDP)は、すべてのシスコ デバイス(ルータ、ブリッジ、アクセス サーバ、およびスイッチ)のレイヤ 2(データリンク層)で動作するデバイス検出プロトコルです。ネットワーク管理アプリケーションは CDP を使用することにより、既知のデバイスのネイバーであるシスコ デバイスを検出することができます。CDP を使用すれば、下位レイヤのトランスペアレント プロトコルが稼働しているネイバー デバイスのデバイス タイプや、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)エージェント アドレスを学習することもできます。この機能によって、アプリケーションからネイバー デバイスに SNMP クエリーを送信できます。
CDP は、サブネットワーク アクセス プロトコル(SNAP)をサポートしているすべてのメディアで動作します。CDP はデータリンク層でのみ動作するため、異なるネットワーク層プロトコルをサポートする 2 つのシステムで互いの情報を学習できます。
CDP が設定された各デバイスはマルチキャスト アドレスに定期的にメッセージを送信して、SNMP メッセージを受信可能なアドレスを 1 つまたは複数アドバタイズします。アドバタイズには、存続可能時間(保持時間)や情報も含まれています。これは、受信側のデバイスが CDP 情報を破棄せずに保持する時間の長さです。各デバイスは他のデバイスから送信されたメッセージも待ち受けて、ネイバー デバイスについて学習します。
このスイッチは、CDP バージョン 1 とバージョン 2 の両方をサポートします。
CDP のデフォルト設定
次の表は、CDP のデフォルト設定を示したものです。
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機能 |
デフォルト設定 |
|---|---|
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CDP インターフェイス ステート |
有効 |
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CDP タイマー(パケット更新頻度) |
60 秒 |
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CDP ホールドタイム(廃棄までの時間) |
180 秒 |
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CDP バージョン 2 アドバタイズ |
有効(Enabled) |
errordisable ステート
あるインターフェイスが errdisable ステートであるというのは、そのインターフェイスが管理上は(no shutdown コマンドにより)イネーブルになっていながら、実行時に何らかのプロセスによってディセーブルになっていることを指します。たとえば、UDLD が単方向リンクを検出した場合、そのインターフェイスは実行時にシャットダウンされます。ただし、そのインターフェイスは管理上イネーブルであるため、そのステータスは errdisable として表示されます。いったん インターフェイスが errdisabl ステートになったら、手動で再イネーブル化する必要があります。あるいは、自動タイムアウト回復値を設定しておくこともできます。errdisable 検出はすべての原因に対してデフォルトでイネーブルです。自動回復はデフォルトでは設定されていません。
インターフェイスが errdisable ステートになった場合は、errdisable detect cause コマンドを使用して、そのエラーに関する情報を取得してください。
errdisable の特定の原因に対する errdisable 自動回復タイムアウトを設定する場合は、time 変数の値を変更します。
errdisable recovery cause コマンドを使用すると、300 秒後に自動回復します。回復までの時間を変更する場合は、errdisable recovery interval コマンドを使用して、タイムアウト時間を指定します。指定できる値は 30 ~ 65535 秒です。
インターフェイスが errdisable からリカバリしないようにするには、no errdisable recovery cause コマンドを使用します。
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all:すべての原因からの回復タイマーをイネーブル化します。
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bpduguard:ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)ガードの errdisable ステートからの回復タイマーをイネーブル化します。
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failed-port-state:スパニング ツリー プロトコル(STP)のポート設定状態障害からの回復タイマーをイネーブル化します。
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link-flap:リンクステート フラッピングからの回復タイマーをイネーブル化します。
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pause-rate-limit:ポーズ レート リミットの errdisable ステートからの回復タイマーをイネーブル化します。
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udld:単方向リンク検出(UDLD)の errdisable ステートからの回復タイマーをイネーブル化します。
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loopback:ループバック errdisable ステートからの回復タイマーをイネーブル化します。
特定の原因に対し、errdisable からの回復をイネーブルにしなかった場合、errdisable ステートは、shutdown および no shutdown コマンドを入力するまで続きます。原因に対して回復をイネーブルにすると、そのインターフェイスの errdisable ステートは解消され、すべての原因がタイムアウトになった段階で動作を再試行できるようになります。エラーの原因を表示する場合は、show interface status err-disabled コマンドを使用します。
MTU 設定
スイッチは、フレームをフラグメント化しません。そのためスイッチでは、同じレイヤ 2 ドメイン内の 2 つのポートに別々の最大伝送単位(MTU)を設定することはできません。物理イーサネット インターフェイス別 MTU はサポートされていません。代わりに、MTU は QoS クラスに従って設定されます。MTU を変更する場合は、クラス マップおよびポリシー マップを設定します。
![]() Note |
インターフェイス設定を表示すると、物理イーサネット インターフェイスに 1500 というデフォルトの MTU が表示されます。 |
デバウンス タイマー パラメータについて
デバウンス タイマーを設定するとリンク変更の通知が遅くなり、ネットワークの再設定によるトラフィック損失が減少します。デバウンス タイマーはイーサネット ポートごとに個別に設定します。遅延時間はミリ秒単位で指定できます。遅延時間の範囲は 0~5000 ミリ秒です。デフォルトでは、デバウンス タイマーは 100 ms に設定されており、デバウンス タイマーは動作しません。このパラメータが 0 ミリ秒に設定されると、デバウンス タイマーはディセーブルになります。
![]() Caution |
デバウンス タイマーをイネーブルにするとリンクアップおよびリンクダウン検出が遅くなり、デバウンス期間中のトラフィックが失われます。この状況は、一部のレイヤ 2 とレイヤ 3 プロトコルのコンバージェンスと再コンバージェンスに影響する可能性があります。 |


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