Cisco MDS 9220i ファブリック スイッチの概要

Cisco MDS 9220i は、強力でコンパクトな 1 ラックユニット(1RU)SAN ファブリックスイッチであり、強力な SAN 拡張機能を備えているため、中小規模のストレージアレイ、ハイブリッド、およびオールフラッシュに最適です。

このデバイスには、次の主要な機能があります。

  • 32 Gbps ライン レート ファイバ チャネル ポート X 12

  • 1 Gbps X 4、10 Gbps X 4、または 40 Gpbs X 1 の速度のさまざまな組み合わせで設定可能な IPS ポート X 6。

  • ファイバ チャネル ポートの場合は 384 Gbps の転送キャパシティ、IPS ポートの場合は 80 Gbps の転送キャパシティ。

  • ホットスワップ可能で冗長な電源装置とファン モジュール。

  • WAN に最適化された TCP/IP スタックにより、FCIP による信頼性の高い高スループットのデータ複製を実現します。

  • 高度なアプリケーション アクセラレーション、データ圧縮、およびセキュリティ機能。

  • インサービス ソフトウェア アップグレード(ISSU)、仮想ストレージ エリア ネットワーク(VSAN)、VSAN 間ルーティング、セキュリティ機能、Quality of Service(QoS)などのエンタープライズ クラスの機能。

  • セルフテスト(オンライン正常性管理システム [OHMS]、リンク テスト(ISL および F ポートのリンク診断)、ピアポート統計情報の照会(Read Diagnostic Parameters [RDP])などの広範な診断。

シャーシのコンポーネント

このセクションでは、シャーシのさまざまなコンポーネントについて説明します。

正面図

次の図に、Cisco MDS 9220i スイッチの正面図を示します。

図 1. Cisco MDS 9220i スイッチの正面図

1

電源装置ステータス LED

9

固定 IPS ポート(25 Gbps X 1、着脱可能な SFP、SFP+、または QSFP 互換)

1

2

システム ステータス LED

10

固定 IPS ポート(40 Gbps X 1、着脱可能な SFP、SFP+、または QSFP 互換)

3

シリアル コンソール ポート(RJ45)

11

IPS ポート ステータス LED(6)

4

イーサネット管理ポート(10/100/1000 Mbps X 1、RJ-45 )

12

FC ポート ステータス LED(12)

5

イーサネット管理ポート(8/16/32 Gbps X 12、プラガブル SFP または SFP+ 互換)

13

イーサネット管理ポートのアクティビティ ステータス LED

6

エアフロー グリル

14

イーサネット管理ポートのリンク ステータス LED

7

固定 IPS ポート(1/10 Gbps X 3、プラガブル SFP、SFP+、または QSFP 互換)

15

USB ポート

8

固定 IPS ポート(1/10/25 Gbps X 1、プラガブル SFP、SFP+、または QSFP 互換)

2

16

ファン ステータス LED

1

ポート 5 および 25 Gbps の速度は、Cisco MDS NX-OS リリース 8.5(1) ではサポートされていません。

2

25 Gbps の速度は、Cisco MDS NX-OS リリース 8.5(1) ではサポートされていません。

背面図

次の図に、Cisco MDS 9220i スイッチの背面図を示します。

図 2. Cisco MDS 9220i スイッチの背面図

1

電源装置の電源レセプタクル(装置ごとに 1 つ)

6

電源装置ファン(装置ごとに 1 つ)

2

電源装置(2、交換可能)

7

電源装置のハンドル(装置ごとに 1 つ)

3

電源ステータス LED(装置ごとに 1 つ)

8

電源装置のリリース ラッチ(装置ごとに 1 つ)

4

シャーシ ファン モジュール リリース ラッチ(装置ごとに 2 つ)

9

シャーシ ファン モジュール(4、交換可能)

5

電源障害ステータス LED(装置ごとに 1 つ)

図 3. Cisco MDS 9220i の背面パネルのスロット番号

1

電源装置スロット 1

4

ファン モジュール スロット 3

2

ファン モジュール スロット 1

5

ファン モジュール スロット 4

3

ファン モジュール スロット 2

6

電源装置スロット 2

接地点

次の図に、Cisco MDS 9220i スイッチの接地点を示します。

図 4. Cisco MDS 9220i スイッチの接地点

1

アース ポスト

スイッチ LED

Cisco MDS 9220i スイッチの前面と背面の両方には LED があり、起動テストおよびオンライン操作中に、さまざまなシステム コンポーネントのステータスを示します。次の表に、各 LED の位置とその色の意味を示します。

表 1. Cisco MDS 9220i スイッチのシャーシ アクティビティ LED

スイッチ コンポーネント ID

場所

機能

カラー

ステータス

状態

電源装置ステータス LED

シャーシの前面パネルの左側

システム電源ステータス

なし

消灯

次のいずれかの状態です。

  • システムが PSU から十分な電力を受け取っていません。

  • Cisco NX-OS が実行されていない。

点灯

両方の PSU が取り付けられ、動作しています。

レッド

点灯

PSU に障害が発生しました。

システム ステータス LED

シャーシの前面パネルの左側

システム動作ステータス

点灯

すべての診断に合格し、Cisco NX-OS が実行されており、システムが動作しています。

オレンジ

点灯

次のいずれかの状態です。

  • システムは起動診断を実行しています。

  • システムはブート中です。

  • マイナー温度しきい値を超えています。

点滅

次のモジュールのいずれかで検出されたエアーフロー方向が正しくありません。

  • ファン モジュール:スイッチは 10 ~ 15 秒でシャットダウンします。

  • PSU:スイッチは 10 分後にシャットダウンします。

  • ファン モジュールと PSU:スイッチは 10 分後にシャットダウンします。

点灯

次のいずれかの状態です。

  • 起動中に診断テストに失敗したか、別の障害が発生しました。

  • メジャー温度しきい値を超えています。

ファン ステータス LED

シャーシの前面パネルの左側

システム冷却の動作ステータス

点灯

すべてのシャーシ ファン モジュールが動作しています。

点灯

ファンに障害が発生しています。

電源装置ステータス LED

各 PSU のフェースプレート

PSU 動作ステータス

なし

消灯

PSU への入力電圧がありません。

点灯

PSU の出力電圧は問題ありません。

点滅

PSU の出力電圧は問題ありますが、入力電圧は問題ありません。

電源障害ステータス LED

各 PSU のフェースプレート

PSU の障害ステータス

なし

消灯

PSU は正常に動作しています。

オレンジ

点灯

次のいずれかの状態が PSU に存在し、PSU は引き続き動作しています。

電圧オーバー

過電流

温度過上昇

ファン障害

点滅

PSU に障害がありますが、まだ動作しています。

ファン ステータス LED

シャーシの前面パネルの左側

ファン モジュール動作ステータス

点灯

ファン モジュールが正常に動作している。

オレンジ

点灯

ファン モジュールのファンに障害が発生しています。

次の表では、Cisco MDS 9220i スイッチのイーサネット ポート LED について説明します。

LED

ステータス

状態

リンク ステータス LED

消灯

リンクはありません。

緑で点灯

物理リンクを示します。

アクティビティ ステータス LED

消灯

トラフィックはありません。

オレンジで点滅

トラフィックを示します。

次の表では、Cisco MDS 9220i スイッチのファイバ チャネルと IPS ポート ステータス LED について説明します。

ステータス

状態

緑で点灯

リンクがアップの状態です。

緑の定期的な点滅

リンクがアップしており、ポート ビーコンがアクティブです。

緑色にランダムに点滅

リンクが稼働しており、トラフィックがポートを流れています。

オレンジで点灯

ポートが無効に設定されているか、ポートのハードウェアに障害が発生しています。

オレンジで点滅

ハードウェア障害が発生しています。

消灯

ポートは有効に設定されていますが、リンクはアップ状態ではなく、ポート ビーコンはアクティブではありません。

ファン モジュール

Cisco MDS 9220i スイッチ ファン モジュールには、シャーシに挿入したり、シャーシから取り外したりするための固定ハンドルがあります。ファン モジュールはホットスワップに対応しているため、動作中にファン モジュールを交換しても、動作を中断させずにすみます。システムを数分以上稼働させる場合は、適切なエアーフローと冷却を確保するために、空のファン ベイにファン ブランク モジュールを取り付ける必要があります。エアーフローの流れが不十分な場合、事前に設定された温度しきい値を超えて、システムが自動的にシャットダウンします。これは恒久的な熱による損傷を防ぐためです。

Cisco MDS 9220i スイッチは、2 つまたは 4 つの動作中のファン モジュールで展開できます。ファン モジュールには、スイッチの背面から見て左から右に順番に番号が付けられます。ファン モジュールが 3 つしか動作していない場合、システムは自動シャットダウンを防ぐために少なくとも 3 つの動作中のファン モジュールを必要とするため、ファンの冗長性はありません。この要件は、ファンモジュールの交換時に緩和され、システムは、中断のないサービスのために単一の動作中のファンモジュールで最大 3 分間動作できます。3 つのファン モジュールのみを使用する場合にシステムを最適に冷却するには、ファン ベイ 2、3 および 4 にモジュールを取り付けます。4 つのファン モジュールが取り付けられている場合、最大 1 つのファン モジュールに障害が発生した場合でも、システム動作が中断されないようにするための冗長性があります。

図 5. Cisco MDS 9220i ファン モジュール

データ センターでのさまざまなホット アイルやコールド アイル、およびラックの冷却構成に対応するため、2 つのモデルのファン モジュールがあります。最初のタイプは、シャーシの背面でポート側の吸気と排気を行うエアーフローに対応しています。2 番目のタイプは、エアーフローはいずれの方向でも動作します。たとえば、シャーシ背面で吸気、ポート側の排気を行います。エアーフローの方向は、各ファン モジュールに次のように示されています。

  • 赤:ポート側吸気エアフロ―

  • 青:ポート側排気エアフロ―


(注)  


スイッチ内のすべてのファン モジュールは、同じエアーフロー タイプである必要があります。同じスイッチにポート側吸気モジュールまたはポート側排気モジュールを混在させないでください。


次の図に、ファン ブランク モジュールを示します。

図 6. ファン ブランク モジュール

ファン モジュールの取り付けおよび取り外しについては、ファン モジュールの取り付けと取り外しを参照してください。

電源

Cisco MDS 9220i スイッチ PSU には、非スイッチ電源コンセント、PSU ステータス LED、およびシャーシへの PSU の挿入と取り外しのためのハンドルがあります。Cisco MDS 9220i スイッチには、少なくとも 1 台の動作中の電源ユニットが必要です。2 台の PSU が取り付けられている場合、電源グリッドの冗長性を利用できます。デュアル PSU 構成では、単一の PSU の障害がサポートされ、中断のないサービスの継続が可能になり、単一障害点としての電源システムが排除されます。PSU はホットスワップ可能で、システムの動作中に PSU の取り外しと取り付けが可能です。正常なエアーフローを提供するために、数分以上動作しているときに空の PSU ベイがある場合は、PSU ブランクモジュールを取り付ける必要があります。エアーフローの流れが不十分な場合、事前に設定された温度しきい値を超えて、システムが自動的にシャットダウンします。これは恒久的な損傷を防ぐためです。

スイッチは、次のいずれかの PSU をサポートします。

  • 500 W AC、ポート側吸気バリアント(スイッチあたり最大 2 個)

  • 500 W AC、ポート側排気バリアント(スイッチあたり最大 2 個)

  • 1200 W HVAC/HVDC、双方向エアーフロー バリアント(スイッチごとに最大 2 個)


(注)  


  • すべての PSU は 80 Plus Platinum 認証です。

  • スイッチ内のすべての PSU は、同じ電源タイプである必要があります。同じスイッチで AC および HVAC/HVDC 電源を混在させないでください。


図 7. Cisco MDS 9220i 500 W AC PSU
図 8. Cisco MDS 9220i 1200 W HVAC/HVDC PSU

データ センターでのさまざまなホット アイルやコールド アイル、およびラックの冷却構成に対応するため、3 つのモデルの PSU があります。最初のタイプは、シャーシの背面でポート側の吸気と排気を行うエアーフローに対応しています。2 番目のタイプは、エアーフローが反対方向を向いており、シャーシ背面で吸気、ポート側の排気を行います。3 番目のタイプは、双方向エアフロ―で、PSU はファン モジュールのエアーフローに合わせて自動的に設定されます。エアーフローの方向は、各 PSU に次のように示されています。

  • 赤:ポート側吸気エアフロ―

  • 青:ポート側排気エアフロ―

  • 白:双方向エアーフロー


(注)  


PSU のエアーフローの方向は、ファン モジュールのエアーフローの方向と一致する必要があります。


スイッチ内のすべての PSU は、同じエアーフロータイプである必要があります。同じスイッチ内でポート側吸気、ポート側排気、または双方向エアーフローの PSU を混在させないでください。

次の図は電源のブランク モジュールを示します。

図 9. 電源ブランク モジュール

PSU の取り付けと取り外しの詳細については、電源装置の取り付けと取り外し を参照してください。

サポートされる SFP、SFP+、および QSFP+ トランシーバ

SFP、SFP+、および QSFP+ トランシーバは現場交換可能です。スイッチでサポートされる SFP、SFP+、または QSFP+ トランシーバの任意の組み合わせを使用できます。唯一の制限は、短波(SW)トランシーバをピアデバイスの SW トランシーバとペアリングする必要があり、長波(LW)トランシーバをピアデバイスの LW トランシーバとペアリングする必要があること、および信頼性の高い通信のために規定のケーブル長を超えてはならないことです。

Cisco MDS 9220i スイッチでサポートされる SFP、SFP+、および QSFP+ トランシーバのリストについては、SFP、SFP+、または QSFP+ トランシーバの仕様 を参照してください。SFP、SFP+、および QSFP+ トランシーバは、個別に、または Cisco MDS 9220i スイッチと一緒に注文できます。


(注)  


Cisco MDS 9220i スイッチでは Cisco SFP、SFP+、または QSFP+ トランシーバのみを使用してください。各 Cisco SFP、SFP+ および QSFP+ トランシーバには、その SFP、SFP+ または QSFP+ トランシーバがスイッチの要件を満たしているかどうかをスイッチで確認できるように、モデル情報がコード化されています。