この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
ホストの定義は、Grapevine クライアントのインスタンスを実行する Linux コンテナを備えたアプライアンス、物理サーバまたは仮想マシンです。Grapevine ルート自体は、Linux コンテナ内ではなく、ホストのオペレーティング システムで直接実行します。単一ホスト導入またはマルチホスト導入のいずれかを設定できます。3 つのホストを使用するマルチホスト導入は、高可用性とスケールの両方を実現するベスト プラクティスです。マルチホスト構成の各 Grapevine ルートは、他の Grapevine ルートとのアクティブ/アクティブ ステータスを維持するため、他の Grapevine ルートとの調整およびクラスタの全体的な管理が可能になります。
![]() (注) | アクティブ/アクティブとは、すべての Grapevine ルートが動作していてアクティブな状態のことです。 |
マルチホスト構成内の各ホストで、同じコントローラ ソフトウェアを実行する必要があります。マルチホスト構成では、物理アプライアンスと仮想アプライアンスを組み合わせることができます。
マルチホスト構成には次の要件および特徴があります。
マルチホスト設定内の各ホストでは、最小 32 GB のメモリが必要です。
3 つのホストで構成されるマルチホスト クラスタは 1 つのホストの障害に対応でき、シングル フェールオーバーをサポートします(ただし 2 つのホストのみではソフトウェアの高可用性だけが確保され、ハードウェアの高可用性は得られません)。
![]() (注) | 3 ホスト クラスタで 2 番目のホストにも障害が発生した場合、クラスタの残りのホストは動作しなくなり、クラスタがダウンします。したがっていずれかのホストに障害が発生した場合は、設定ウィザードを使用してそのホストをクラスタから削除してから、そのホストを修復してクラスタに再度結合するか、クラスタに新しいホストを結合することをお勧めします。 |
各ホストが 32 GB のメモリで設定されている場合、ホストに障害が発生すると、残りのホストは、コントローラを実行するのに十分な合計 64 GB のメモリを含むことになります。
3 つのすべてのホストは同じサブネットに存在する必要があります。
Cisco APIC-EMのクラスタリング機能は、まったく同じバージョンのコントローラを実行している複数のホスト間での処理の分散およびデータベース レプリケーションのメカニズムを提供します。クラスタリングによりリソースと機能の両方の共有が可能になり、システムの高可用性と拡張性が実現します。
マルチホスト環境では、1 つのホストのセキュリティ機能(X.509 証明書や trustpool など)が他の 2 つのホストで複製されます。ホストを別のホストまたはクラスタに結合すると、Cisco APIC-EMのクレデンシャルが共有され、結合するホストまたは既存クラスタのクレデンシャルと同一になります。Cisco APIC-EMのクレデンシャルはホストごとではなく、クラスタ全体(すべてのホスト)で使用されます。
![]() (注) | セットアップしたマルチホスト クラスタを安全なネットワーク環境内に配置することを強くお勧めします。このリリースでは、プライバシーはホスト間の通信すべてに対応はしていません。 |
Cisco APIC-EMはサービスの冗長性を使用して高可用性サポートを提供します。Cisco APIC-EMクラスタは、複数ホスト内の複数の Linux コンテナ間で設定できます。各ホストで、Grapevine ルートはホストで実行されるアプリケーションであり、Grapevine クライアントが作成されてコンテナに存在します。Cisco APIC-EMのサービスおよびデータベースは、次に Linux コンテナ内のクライアント間でインスタンス化されます。
Cisco APIC-EMサービス:
サービスの高可用性のために、サービスに障害が発生すると、Grapevine(Elastics Service Platform)は新しいインスタンスをスピン アップしてそれを置き換えます。唯一のインスタンスに障害が発生した後で Grapevine が同じコンテナで新しいインスタンスをスピン アップできない場合、新しいコンテナをスピン アップして、そのコンテナで新しいインスタンスをスピン アップします。
Cisco APIC-EM は交換サービス インスタンス モデルをサポートします。たとえば、単一ホストのいずれかのルートがインスタンスをスピン アップするとします。そのホストとルートがダウンすると、そのサービスが維持されるように異なるルート上の別のホストがインスタンスをスピン アップします。
Cisco APIC-EMデータベース:
Cisco APIC-EMサービスは PostgreSQL データベース管理システムを使用します。PostgreSQL には、フェールオーバーの状況に対処するために、複製されたデータベース間でデータを同期するための組み込みのマスター/スレーブ モデルがあります。
マスターとスレーブの postgres インスタンスは異なる Linux コンテナ間および異なるホスト間で生成されます。これらの postgresSql インスタンスのデータは、PostgresSQL の組み込みデータ ストリーミング複製メカニズムを使用して同期されます。3 つのホストでは、1 台のマスター(マスター postgres インスタンスを含む)と 2 台のスレーブ(それぞれスレーブ postgres インスタンスを含む)があります。
マスターに障害が発生すると、スレーブがシームレスに処理を引き継ぎます。
マスターによる障害時に、どのホストが新しいマスターになるかを決定するために、選択プロセスが残りのホスト間で行われます。CLI を使用してコントローラをリセットするか、ホストをリブートすることでこの選択プロセスをトリガーすることもできます。
![]() 注意 | ハードウェア障害から保護するには、3 つのホストを含むクラスタに Cisco APIC-EMを導入する必要があります。 |
いずれかのホストに設定変更があるたびに、Grapevine は他の 2 つのホストと変更を同期します。サポートされている同期のタイプは次のとおりです。
Grapevine はクラスタの高可用性操作を管理する主要コンポーネントです。適切なクラスタの高可用性操作のために、Grapevine は、ヘルスチェックとハートビートの両方を使用します。
パフォーマンスが悪く、正しく動作しないプロセスをモニタするにはヘルスチェックを使用します。Grapevine で動作するサービスには、定期的に呼び出されるヘルスチェックがあります。正常でないサービスの兆候があれば、Grapevine はそのサービスを収集して再生します。
ヘルスチェックに加えて、Grapevine は、サービス、クライアントおよびルート間のハートビートを使用して、クラスタの状態をモニタします。Grapevine は、失敗した可能性のあるプロセスのハートビートをモニタします。ハートビートがなければ、プロセスに障害が発生したことを示し、この状況を修正するために Grapevine はサービスを再生します。
Grapevine はクラスタに十分なメモリとストレージ容量があるかどうかをモニタするためにもハートビートを使用します。ハートビートが、クラスタのメモリまたはストレージが正常な動作に必要なレベルを下回り障害が発生したことを示している場合、Grapevine は新しいサービスを生成しません。
Cisco APIC-EMがマルチホスト クラスタとして設定されている場合、ホスト間のプライベート ネットワーク接続が設定されます。各ホストによってこのプライベート ネットワーク接続が他のクラスタ ホストのステータスと状態をモニタするために使用されます。スプリット ブレインは、次の事象などが原因で、ホスト間のネットワーク接続に一時的に障害があると発生します。
スプリット ブレイン発生中は、それぞれのホストが、他のホストとの調整を行わずに、指定したネットワーク デバイスにコマンドを送信する状況が発生し、問題が発生する可能性があります。
スプリット ブレイン状態を修正するため、いずれかのホストとのプライベート ネットワーク接続が失敗すると、他の 2 つのホストはクォーラムを作成し、接続に失敗したホストとの間にネットワーク パーティションを確立します。その結果、次の状態になります。