すべての画面テンプレートの一般的なガイドライン
画面テンプレートを作成してコンテンツを追加するときは、次のガイドラインを考慮してください。
■テンプレートは名前順に並べられる。
■再生証明(PoP: Proof of Play)のため、広告プレイリストと関連付けたリージョンを 1 つ以上設定することができる。
■リージョンは上から下にレイヤ順にリスト表示され、最上位レイヤがリストの一番上に表示される。
■レイヤには番号が付けられ、画面テンプレートに非ビデオ リージョンと、ビデオまたはリージョンが含まれている場合、ビデオまたは混合メディア リージョンは常にリストの下位に表示される。
注: 他のリージョンの上に手動でビデオ リージョンをドラッグできますが、ビデオ リージョンの下にあるリージョンでの描画は予測できず、完全に見えなくなる場合があります。
■ボックス アイコンで非ビデオ リージョンを追加。
■フィルム アイコンでビデオまたは混合メディア リージョンを追加。
■非ビデオ リージョンをビデオ リージョンに切り替える際、既にビデオ リージョンが存在する場合は警告が表示される。
■既存のテンプレートにおいてリージョンを削除してから保存すると、確認のための強制ダイアログが表示される。さらに、イベント スクリプトで使用されているテンプレートが編集されると(リージョンの追加を含む)、確認のための強制ダイアログが表示される。また、追加または削除されたリージョンに適切なコンテンツが含まれ、期待通りに変更されていることを確認するため、変更されたテンプレートを使用するスクリプトを編集する必要がある。
注: SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 のメディア プレーヤーは、HD/SD、および UHD 解像度のビデオ コンテンツをサポートしています。UHD 解像度のグラフィックはサポートされていません。DMP は HD/SD コンテンツのみをサポートしており、UHD ビデオのストリーミングはサポートしていません。サポートされているコンテンツの一覧については、「Cisco Vision Dynamic Signage Director でのコンテンツのサポートの概要」を参照してください。
全画面デュアル ビデオ デフォルト テンプレート
全画面デュアル ビデオ デフォルト テンプレートは DMP で利用できます。デュアル ビデオ リージョンでは、セカンダリ(ローカルまたはマルチキャスト)ビデオ リージョンと、プライマリ ビデオ リージョンの 2 つのビデオ リージョンを重ねることができます。
デュアル ビデオ テンプレートは、次の機能を提供します。
■2 つのビデオ フィードの同時表示
■ビデオ ベースの広告の掲載
■イベントにおける独占的機会(MoE: Moment of Exclusivity)の促進
■セカンダリ ビデオ リージョンへの輝度(Luma)キーイングの適用
注: SV-4K、CV-UHD、または CV-UHD2 のデジタル メディア プレーヤーでは、UHD 解像度のビデオ コンテンツに Luma キーを適用しないでください。Luma キーイングは、プライマリ リージョンの UHD ビデオ上に重ねてセカンダリ リージョンの HD ビデオが Luma キーを使用する場合に、デュアル ビデオでのみサポートされています。
表 5は、デュアル ビデオ リージョンの仕様を示しています。
表 5 全画面デュアル ビデオ テンプレートの仕様
リージョン |
仕様 |
ビデオ 1 |
■赤外線リモコン(IR)またはローカル制御を使用して制御可能。 ■ビデオ リージョン 1 は一番下のレイヤまたはプライマリ レイヤとして表示される。 ■オーディオのサポート。 ■ソース:ローカルまたはマルチキャスト ビデオ。 |
ビデオ 2 |
■IR またはローカル制御からの制御は不可。 ■ビデオ リージョン 2 はビデオ リージョン 1 の上に完全に重なる。 ■輝度(Luma)キーイングは、2 番目のビデオ リージョンに適用される(このテンプレートでは無効化や変更はできない)。UHD コンテンツに適用することはできません。 ■オーディオの再生は不可。 ■ソース:ローカルまたはマルチキャスト ビデオ。 |
注: Luma キーのデフォルトは #ff2000 に設定されています。Luma キーイングを有効にするには、[Properties] パネルを下にスクロールし、チェックボックスをクリックします(図 6)。
図 6 全画面デュアル ビデオによる Luma キーイングの有効化
グローバルの Luma キー値を変更する方法:
[Configuration] > [System Configuration] > [Global DMP Settings] > [Default - Audio/Video/Closed Caption] をクリックします。
Luma キーイングの詳細については、『 Cisco Vision Dynamic Signage Director Operations Guide 』を参照してください。
デュアル ビデオ画面テンプレートのガイドライン
メディア プレーヤーにデュアル ビデオ テンプレートを使用するときは、次のことを考慮してください。
■30 または 60 fps(フレーム/秒)でのフル HD(1920 X 1080)までのローカル ビデオおよびマルチキャスト ビデオの組み合わせがハードウェア アクセラレーションされます。
■両方のビデオ リージョンでのマルチキャスト ビデオの使用はサポートされていますが、各ビデオ リージョンにはマルチキャスト ビデオとローカルに保存されたビデオの組み合わせの使用をお勧めします。
■一貫した再生とパフォーマンスのために、ビデオ リージョンは非ビデオ コンテンツの下に配置します。
■テンプレート リージョンのアスペクト比は、そのリージョンで再生するビデオ コンテンツのアスペクト比に合わせます。
■セカンダリ ビデオ リージョンが表示されない場合は、ステージング エラーが発生していないこと、セカンダリ リージョンがプライマリ リージョンの後ろにないこと、解像度が 1920 X 1080 を超えていないことを確認します。
■デュアル ビデオ テンプレートでは、セカンダリ リージョン(ビデオ 2)はプライマリ リージョン(ビデオ 1)の上に表示されます。ビデオ リージョン 2 で Luma キーイングを使用することにより、ビデオ リージョン 2 を透過させてビデオ リージョン 1 のコンテンツの選択エリアを表示できます。デュアル ビデオ リージョンの順序を変更するには、ロックされたテンプレートをコピーしてカスタム テンプレートを作成し、必要に応じて順序を変更します。
■SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 メディア プレーヤーでは UHD 解像度のビデオ コンテンツに Luma キーを適用しないでください。Luma キーイングは、プライマリ リージョンの UHD ビデオ上に重ねてセカンダリ リージョンの HD ビデオが Luma キーを使用する場合に、デュアル ビデオでのみサポートされています。
デュアルビデオ画面テンプレート:拡張機能
リリース 6.3 の新機能では、新しいディスプレイ仕様 dmp.layerOrderMode を使用して、DMP ディスプレイのビデオ/HTML レイヤの順序を設定できます。
以前は、テンプレートのスタック順序に関係なく、ビデオレイヤは 常に DMP ディスプレイのスタック順序の一番下にレンダリングされていました(図 7)。透明度とサイジングによって効果を得ることができますが、ビデオをオーバーレイすることはできません。
図 7 デフォルトのレイヤ順序:一番下に 1 つのビデオ
dmp.layerOrderMode には 3 つの設定があります。この新しい表示パラメータを使用すると、次のことが可能になります。
■VideoOnBottom(既存の動作と同じ、図 7)
■GraphicsInMiddle(図 8)
■VideoOnTop(図 9)
独占的機会にビデオ オーバーレイ コンテンツを表示するビデオ背景を含む HTML5 のメニューなどの使用例では、GraphicsInMiddle を使用します(図 8)。
図 8 GraphicsInMiddle 値の出力
リージョンレイヤの順序に関係なく、セカンダリリージョンを常にプライマリリージョンの上に配置する必要がある場合は、VideoOnTop を設定します。ビデオは常に非ビデオレイヤの上に表示されます(図 9)。
図 9 VideoOnTop 値の出力
図 10に、シングルビデオ動作のグラフィック表示を示します。
図 10 シングルビデオコンテンツのレイヤリング動作
図 11に、デュアルビデオ動作のグラフィック表示を示します。
図 11 デュアルビデオ動作:VideoOnBottom/VideoOnTop
注: プライマリ/セカンダリリージョンの下に HTML コンテンツが必要な場合に使用します。診断、StartWebApp、ガイド、TV バナー、および PIN が表示されない場合があります。
図 12に、中間層のグラフィックを含むデュアルビデオのグラフィック表示を示します。
図 12 ビデオ間の中間層にグラフィックがあるデュアルビデオ
コンテンツの階層化:サポートされていない内容
コンテンツ表示を設計する際に次のことを行うことは推奨されません。
■2 つの非ビデオコンテンツレイヤ間にビデオ(URL チャネルを使用する場合など)。
■VideoOnTop を使用する場合にプライマリビデオの下にセカンダリビデオ。ランタイムは、プライマリビデオをセカンダリビデオの下に強制します。
■異なるスクリプトステート間での 2 つのビデオリージョンのレイヤ順序の交換。これは予測できない結果になる可能性があります。
■テンプレートリージョンがレイヤ順序と一致しません。これは予測できない結果になる可能性があります。
重要: この新しい表示パラメータを使用する際の最新の注意事項は次のとおりです。
■テンプレートの階層化は、レイヤモードと一致している必要があります。たとえば、DMP に VideoOnTop を設定すると、ビデオレイヤは、 テンプレート の下部にある場合でも 常に 最上位になります。したがって、この新しい機能を使用する場合は、表示テンプレートとコンテンツを慎重に設計してください。
次に、GraphicsInMiddle を使用したプロセスの例を示します。スクリプトで使用されるテンプレートのリージョンが適切に階層化されていることを確認します(ビデオ/非ビデオ/ビデオ)。
新しいビデオレイヤリングを許可する表示パラメータを設定するには、次の手順を実行します。
1. [Configuration] > [Devices] > [Display Specifications] > [Display Parameters] をクリックします。
2. 左側のパネルで DMP を選択します。
3. 右側の [Search] フィールドに レイヤ を入力します。dmp.layerOrderMode がリストに表示されます。
4. [Edit](鉛筆アイコン)をクリックします。[Edit Display Parameter] ダイアログボックスが表示されます(図 13)。
5. [Configured Status] フィールドに、 GraphicsInMiddle と入力します。
6. [ 保存(Save) ] をクリックします。
図 13 dmp.layerOrderMode 表示パラメータの設定
7. DMP を再起動して、新しい設定を画面に表示します。
カスタム画面テンプレート
Cisco Vision Dynamic Signage Director に付属する標準テンプレートの使用に加えて、独自のカスタムまたはオーバーレイ テンプレートを作成することもできます。
カスタム画面テンプレートでは、スポンサー/開催場所のニーズに合わせて画面のリージョンのサイズと配置を変更できます。例については、図 15を参照してください。
図 15 カスタム テンプレートの例
カスタム画面テンプレートのガイドライン
カスタム画面テンプレートを作成するときは、次のガイドラインを考慮してください。
■リージョンには、非ビデオ コンテンツ(静的グラフィック)、ビデオ、または両方の組み合わせ(混合メディア リージョンにおいて)を含めることができます。
■画面テンプレートごとに最大で 5 つのリージョンをサポートします。5 つを超えると、パフォーマンスが低下する可能性があり、使用される非ビデオ コンテンツの種類に応じて結果が異なる場合があります。たとえば、ごく単純なウィジェットではパフォーマンスが低下することはありませんが、非常に複雑なウィジェットの場合はその可能性があります。
■カスタム テンプレートには、最大 2 つのビデオ リージョンを含めることができます。
–SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 でのデュアル UHD ビデオ リージョンはサポートされていません。
–リージョン 2 のビデオ コンテンツで Luma キーイングを使用することにより、リージョン 2 でビデオを透過させてリージョン 1 のビデオ コンテンツの選択エリアを表示できます(図 6を参照)。
–テンプレートの相対的なレイヤの順序を変更することで、ビデオ リージョンの順序を変更します。
■リージョンを階層化する場合、非ビデオコンテンツ(グラフィック、ウィジェットなど)は、常にディスプレイ仕様の設定に従って表示されます:dmp.layerOrderMode。デュアルビデオ画面テンプレート:拡張機能を参照してください。
注: 2 つのビデオ/混合メディア リージョンを重ねる場合で、1 番目のビデオ/混合メディア リージョンにビデオと非ビデオ コンテンツの両方が含まれていると、1 番目のリージョン内の非ビデオ コンテンツが、常に 2 番目のリージョンのビデオの 上に表示 されます。これを変更するには、デュアルビデオ画面テンプレート:拡張機能を参照してください。
ヒント :リージョン 1 に非ビデオ コンテンツを含める場合は、静的コンテンツのローカル ビデオを作成し、プレイリストでそれを使用して、プライマリ リージョンに残るようにします。
■パフォーマンスを最適化するため、ビデオとグラフィックのアスペクト比のサイズを、リージョンのアスペクト比に合わせます。マルチスクリーンのテンプレートの一般的な拡大は、現在のところサポートされていません。ただし、マルチキャスト ビデオおよびローカル ビデオのスケーリングについては、すべてのデジタル メディア プレイヤーでサポートされています。
■すべてのリージョンが 1920 X 1080 の大きさに収まる必要があります。オーバーレイを使用する場合は、1920 X 1080 の 2 つのリージョンを用意できます。
注: DMP は数多くの解像度へのネゴシエーションをサポートしています。ただし、ネゴシエートされた解像度が 1920 X 1080 未満の場合は、テンプレートによってその低い解像度にまでトリミングされます。
表 6に、カスタム テンプレートを作成するときに用意することができるコンテンツ リージョンの数を示します。
表 6 カスタム テンプレートの作成時に許可されるリージョンの数
リージョンのタイプ |
SV-4K、CV-UHD、CV-UHD2 |
DMP 2K、CV-HD、および CV-HD2 |
非ビデオ グラフィック |
0 個以上 |
0 個以上 |
ビデオ リージョン 1 または混合メディア |
1 個まで |
1 個まで |
ビデオ リージョン 2 または混合メディア |
1 個まで |
未サポート |
カスタム オーバーレイ画面テンプレート
オーバーレイ画面テンプレートは、メディア プレーヤーで非ビデオ リージョン(グラフィック)をビデオ(または混合メディア)リージョンに重ねることができるカスタム テンプレートです。デュアル ビデオ リージョンを持つカスタム画面テンプレートを作成することもできます(またはデフォルトの全画面デュアル ビデオ テンプレートを使用できます)。
画面のオーバーレイ機能は任意のリージョンに割り当てることができます。オーバーレイ機能を使用することで、次のものを表示できます。
■全画面の非ビデオ(グラフィック)のコンテンツ リージョンが上に重なった、全画面ビデオ(または混合メディア)リージョン。
■画面上の小さなリージョンに重なるブランド/グラフィック。
■ロゴの一部の色が透明で、他の色は透明でない透明ロゴなどの、目立ちにくいブランド/グラフィック。
注: オーバーレイ画面テンプレートを作成する際、プライマリ ビデオ リージョンの上に非ビデオ リージョンを重ねる場合は、必ずイメージがキャンバスに合うように設計してください。イメージがキャンバスからはみ出していると、イメージの一部のみが表示されます。
オーバーレイ画面テンプレートのグラフィックスに関するガイドライン
■8 ビットまたは 24 ビットの PNG(透過ピクセルをサポート)ファイル形式を使用します。
■全画面ビデオ リージョン用に.PNG でピクセルを透過させます。
■.JPG ファイルは透過性を維持しないため使用しないでください。
注: グラフィックは常にビデオをオーバーレイします。dmp.layerOrderMode を使用しない限り、ビデオをグラフィックの上に配置することはできません。「デュアルビデオ画面テンプレート:拡張機能」を参照してください。