コンテンツの向き
Cisco Vision Dynamic Signage Director のすべてのコンテンツについて、デフォルトの向きは横方向モードです。
縦方向モードの自動回転
注: ここでの「自動回転」とは、コンテンツが TV ディスプレイの物理的な方向と一緒に自動的に回転すること(携帯端末での画面の動作など)を意味するものではなく、DMP によってコンテンツが回転して 1080 X 1920 の向きで表示されることを意味します。TV における通常の横方向の設置位置から見た場合、縦方向モードのコンテンツを適切に表示するには、TV を 90 度(時計回りに)回転させる必要があります。
縦方向モードの自動回転では、次のガイドラインに従って DMP ですべてのコンテンツが自動的に回転し、縦方向に設置されたディスプレイ上で正しい向きになります。
■1 台の TV ディスプレイについてすべてのコンテンツ ソースをサポートします。
■マルチキャスト ストリーミング ビデオのみの場合は、複数のディスプレイ画面にわたるコンテンツのスケーリングをサポートします。
■[Configuration] インターフェイスで TV ディスプレイの仕様を設定するときに「dmp.portrait」ディスプレイ パラメータを使用して有効にします。
注 :縦方向モードでビデオを使用しているときは、フル HD 解像度を超えてビデオをスケーリングしないでください。理想的には、UHD 以外のビデオでは、画面のリージョンを基準とするビデオの縦横比を一致させる必要があります。
DMP コンテンツの柔軟な回転
リリース 6.0 では縦方向のコンテンツ表示が導入されました。この機能拡張によって、コンテンツを 90 度および -90 度(+270 度)回転できるようになりました。この機能は、ビデオ、静的イメージ、ウィジェット、ローカルおよびマルチキャスト ビデオ、外部 URL といったすべてのコンテンツで有効です。すでにディスプレイ モニタが縦方向に設置されている場合に目的の方法でコンテンツを表示するには、コンテンツを回転させます。
コンテンツを回転させる方法:
1. [Configuration] > [Devices] > [Display Specifications] をクリックします。
2. 左側のパネルのリストから特定のディスプレイを選択し、右側のパネルの [Display Parameters] タブをクリックします(図 1)。
図 1 dmp.portrait ディスプレイ パラメータの有効化
3. dmp.portrait または dmp.portrait.clockwise というディスプレイ パラメータを 追加 または 編集 して「 true 」に設定し、必要とする適切な回転値にします(図 2 を参照)。
注 :デフォルトでは、dmp.portrait を使用してコンテンツに「true」を設定すると、コンテンツは 90 度回転します。dmp.portrait.clockwise を「true」に設定すると、コンテンツは 270 度(-90 度)回転します。
図 2 dmp.portrait ディスプレイ パラメータの追加
4. [ 保存(Save) ] をクリックします。
5. このパラメータを設定した後、DMP を再起動します。[Device Management] をクリックします(図 3)。
6. チェックボックスを使用して、dmp.portrait パラメータを設定する DMP を選択します。
7. 下矢印を使用し、[Reboot DMP] を選択します。
8. [Play] アイコン( コマンドの送信 )をクリックして、reboot コマンドを実行します。
図 3 DMP のリブート
注 :縦方向モードでビデオを使用しているときは、フル HD 解像度を超えてビデオをスケーリングしないでください。理想的には、UHD 以外のビデオでは、画面のリージョンを基準とするビデオの縦横比を一致させる必要があります。
図 4は、90 度および 270 度回転させたコンテンツを示す図です。縦方向および縦方向の時計回りを使用します。+90 および +270(-90)のみを使用できます。
図 4 90 度と 270 度、コンテンツの回転
縦方向 、+90 縦方向の時計回り、+270
ライブラリの受信トレイへの自動コンテンツのインポート
リリース 6.2 の新機能として、定義された送信元から自動コンテンツのインポートを実行します。送信元は、定義された SFTP の場所である場合があります。システムには SFTP の場所が複数定義されている可能性があります。この機能は、タスクとして登録し、毎日実行するように設定できます。
注 :SFTP 機能を使用して Cisco Vision Director にすでにインポートされているファイルは、同じコンテンツ名で再インポートすることはできません。
図 5に、 ライブラリ 内でのアクセス方法を示します。指定したサイトをここで追加します。
図 5 自動コンテンツのインポート
指定したサイトを作成し、ファイルを取得するには、次の手順を実行します。
1. [New Site] をクリックします。[Create Site] ボックスが右側のパネルに表示されます(図 6)。
図 6 コンテンツ取得元の新しいサイトの作成
2. 必須フィールドに入力します。
3. Cisco Vision Director にコンテンツが存在する ホスト フォルダ と宛先フォルダ([To Folder])を選択します。宛先フォルダを選択しなかった場合、コンテンツはサイトの受信トレイのリストに移動します。
4. ファイルを取得する 開始 時刻と 終了 時刻を設定します。定義されている時間は 30 分より長くする必要があります。
5. [Save] をクリックします。
新しいサイトを作成した後で、送信元サイトを テスト または 削除 できます(図 7)。
図 7 コンテンツ送信元のテストまたは削除
コンテンツをダウンロード、コピー、または削除するには、次の手順を実行します。
1. コンテンツを選択して右クリックします。アクション ボックスが表示されます(図 8)。
図 8 自動コンテンツのインポートのアクション ボックスでの操作
[Download now] を選択すると、「Content Import successfully triggered now」と表示されます。このアクションにより、オンデマンドでコンテンツのインポートが実行されます。コンテンツがサイトフォルダに表示されます。宛先フォルダ(上の赤いボックス)を選択しなかった場合、インポートされたすべてのファイルは受信トレイのリストでサイトの下に表示されます。
特記事項:
■SFTP 機能を使用して Cisco Vision Director にすでにインポートされているファイルは、同じコンテンツ名で再インポートすることはできません。
■インポートアクションでフォルダを指定しなかった場合は、すべてのファイルを、作成した正しいワークスペースフォルダまたはサブフォルダに移動する必要があります。そうしないと、コンテンツはプレイリストで使用できません。
■サイトを削除すると、そのサイトはリストに表示されなくなります。ただし、スケジュールされたタスクが実行されるまで、サイトの詳細は削除されません。デフォルトの時刻は午前 8:00 です。スケジュールされたタスクを実行する前に同じ名前でサイトを作成する必要がある場合は、[Configuration] > [System Configuration] > [Scheduled Tasks] をクリックします。ContentImportDeleteTask までスクロールダウンします(64 ページの図 9)。このタスクを設定します。[Edit] アイコンを使用します。[Schedule Task] — [Edit] ダイアログボックスが表示されます。これにより、同じ日に同じサイトの詳細を追加できます。
図 9 ContentImportDeleteTask のスケジュール
フォルダにコンテンツ送信元のアセットが配置された後にそれらを管理するには、次の手順を実行します。
1. [Library Inbox] から 1 つ選択し、右クリックします。アクション ボックスが表示されます(図 10)。
図 10 受信トレイ コンテンツの送信元のアセット
コンテンツの送信元ファイルは、作成した同じフォルダにすべてのコンテンツ ファイルが配置されるのであれば、 ライブラリ に一括でアップロードできます。
コンテンツ サイトの設定プロパティを設定するには、次の手順を実行します。
1. [Configuration] > [System Configuration] > [Dynamic Signage Director Settings] > [Content Source Settings] をクリックします(図 11)。
2. 変更するプロパティを選択します。
3. [Edit](鉛筆アイコン)をクリックします。[Edit Configuration Settings] ダイアログボックスが表示されます。
4. 必要な特定の値を入力します。
5. [ 保存(Save) ] をクリックします。
図 11 コンテンツ 送信元設定の値の設定
[System Configuration] を使用して、上に示した設定プロパティの自動コンテンツのインポートに関するグローバル設定を行います。[Asset Library] ウィンドウ(図 10)を使用して、コンテンツ送信元を設定し、セットアップします。
自動コンテンツのレジストリ値を設定するには、次の手順を実行します。
1. [Configuration]、[System Configuration]、[Advanced] レジストリ設定をクリックします。
2. inbox.maxContentSourcesAllowed までスクロールしてこれを選択します。デフォルト値は 5 です(図 12)。
図 12 自動コンテンツ レジストリ値
3. 値を変更するには、[Edit] をクリックします。[Edit Configuration Settings] ダイアログボックスが表示されます。
4. 必要な特定の値を入力します。
5. [ 保存(Save) ] をクリックします。
コンテンツのスケーリング
「スケーリング」は、次の 2 点のサポートを示します。
■コンテンツを拡大すること。
■マルチ画面ビデオ ウォールで、ディスプレイごとにコンテンツの一部のみを表示すること。
注 :コンテンツのスケーリングは、マルチキャスト ビデオとローカル ビデオで動作するほか、静的グラフィックス、外部 URL でも動作します。
注 :大きなコンテンツはスケールダウンして正しい縦横比を保ってください。イメージまたはウィジェットの解像度がリージョンより小さい場合、コンテンツの解像度はスケールアップされません。
必要な設定はありません。これは単に Cisco Vision Director に追加された機能です。ビデオ ウォールでは、ビデオは常にリージョンまで拡大されます。ただし、リージョンが仕様の範囲外の場合は表示されないことがあります。非ビデオの場合、コンテンツはスケールダウンされます(イメージとウィジェットはリージョンに合わせてスケーリングされ、縦横比が維持されます。外部 URL はリージョンに合わせてスケーリングされます)。この機能では、非ビデオのコンテンツは、リージョンのサイズを超えてはみ出さないようにスケールダウンされます。
制限 :コンテンツがリージョンに対して小さすぎる場合はスケールアップできます(ビデオのみ)。
ベスト プラクティス :コンテンツの解像度をリージョンの解像度に合わせます。
UHD ビデオ コンテンツのベスト プラクティス
SV-4K、CV-UHD、または CV-UHD2 のメディア プレーヤー用の UHD 解像度のビデオ コンテンツを用意する前に、次のベスト プラクティスを考慮してください。
■いずれかのテンプレートをネイティブ UHD ビデオで使用する場合は、すべてのコンテンツ/リージョンを HD 1920 X 1080 で設計すること。UHD ビデオで表示されるイメージ コンテンツは、3840 X 2160 のキャンバス サイズに自動的にサイズ変更(等比拡大)されます。
Cisco Vision Dynamic Signage Director テンプレートのいずれかを使用し、プライマリ ビデオ リージョンを使用する場合は、フル Ultra HD 解像度(3840 X 2160)で UHD ビデオが表示されます。
UHD ビデオ コンテンツの制約事項
UHD 解像度のビデオ コンテンツを準備する前に、次の制限事項を考慮してください。
■UHD 解像度のビデオ コンテンツは SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 の DMP でのみサポートされています。
■UHD 解像度のビデオコンテンツは縦方向モードではサポートされません。
■H.264 ビデオ エンコードはサポートされていません。コンテンツ作成ツールが H.265 エンコードをサポートしていることを確認してください。
■ストリーミングコンテンツでは、H.264 ビデオはサポートされていません。
■HDMI-In ストリーミングでは、UHD 解像度のビデオはサポートされていません。
■デュアル UHD ビデオ リージョンの表示はサポートされていません。
■UHD ビデオ リージョンは、プライマリ ビデオ リージョンのみで再生してください。セカンダリ ビデオ リージョンは、最大で HD(1920 X 1080)のビデオ解像度をサポートします。
■Luma キーを UHD ビデオ コンテンツに適用することはできません。Luma キーイングは、プライマリ リージョンの UHD ビデオに重ねてセカンダリ リージョンの HD ビデオが Luma キーを使用する場合に、デュアル ビデオの UHD でのみサポートされています。
■Cisco Vision Dynamic Signage Director の画面テンプレート エディタでは、すべてのリージョン サイズが HD 1920 X 1080 のキャンバス サイズに基づいて提示されます。UHD ディスプレイを使用する場合は、Ultra HD のサイズ(3840 X 2160)に基づくテンプレートを設定しないでください。
■UHD ディスプレイを使用する場合は、TV ディスプレイ仕様の sv4k.videoMode シリアルコマンド内に 3840 X 2160 X 60p の固定解像度の値を設定してください(図 13)。
図 13 sv4k.videoMode ディスプレイ パラメータ
コンテンツタイプと仕様の使用
クワッドリージョン テンプレートの仕様
仕様は次のとおりです。
■クワッドリージョン テンプレートのビデオ設計は、CV-UHD および CV-UHD2 DMP でのみ使用できます。
■クワッドリージョン テンプレートのビデオは、各画面に固定された 2x2 テンプレートであり、画面全体を 4 つの均等な部分に分けます。つまり、調整可能なテンプレート/配置、z レイヤの順序付け、またはオーバーラップはありません。
■Luma キーはサポートされていません。
■ディスプレイをクワッドビデオモードにする可能性がある場合を除き、スクリプトでの使用はサポートされていません。
■ローカル制御 API は、ビデオリージョンを制御してチャネルを変更し、オーディオを別のリージョンに切り替えます。
■一度に 1 つのクワドラントの音声がサポートされます。ローカル制御 API 経由でのみアクティブなオーディオを選択します。
■クワッドビデオモードでは、イメージ、ウィジェットテキストのオーバーレイ、または外部 URL はサポートされていません。
■Dolby Vision コンテンツはサポートされていません。
Dolby Vision の有効化
シリーズ 4 DMPS(CV-UHD2 および CV-HD2)は、ハイダイナミックレンジ 10(HDR10)および Dolby Vision 対応です。これらの DMP は、HDR コンテンツを自動的に検出します。HDR10 コンテンツの場合、DMP が非 HDR コンテンツから HDR コンテンツに移行すると、ディスプレイの右上隅に「HDR」ロゴが点滅することがあります。
Dolby Vision の再生では、sv4k.videoMode に :dbv を付加する必要があります。
Dolby Vision の再生を設定するには、次の手順を実行します。
1. [Configuration] > [Devices] > [Display Specifications] > [Display Parameters] をクリックします。
2. Dolby Vision を使用するようにデバイスを設定するには、:dbv をビデオモード設定に追加します(図 14)。
図 14 Dolby Vision の表示パラメータの編集
ビデオモードに :dbv を追加すると、DMP によってディスプレイの右上隅に Dolby Vision ロゴが点滅する場合があります。
重要な注意事項:
■ビデオモードが自動検出に設定されている場合、HDR 以外のコンテンツを再生すると、DWS は UHD ディスプレイのビデオモードを 3840x2160x60 と表示します。
■Dolby Vision または HDR10 を再生すると、DWS のビデオモードが 3840x2160x60p HDR10(自動)に変更されます。
■ビデオモードが Dolby Vision(:dbv)を強制する場合、DWS はコンテンツの色深度を表示します。
制約:
■Dolby Vision は、CV-UHD2 DMP でのみ完全にサポートされています。
■Dolby Vision 対応コンテンツを使用する場合、使用できるビデオデコーダは 1 つだけです。
■Dolby Vision のコンテンツを使用する場合、スクリプト検証に警告はありません。
■非 HDR 対応 DMP またはディスプレイでの HDR ビデオの再生では、色の歪みがあります。
TV ディスプレイの解像度を指定する方法の詳細については、『 Cisco Vision Dynamic Signage Director Operations Guide 』の「Configuring Resolution in Display Specification」を参照してください。
HDR10 コンテンツ
■HDR10 はデュアルビデオをサポートします
■HDR/HDR10 は CV-UHD2 DMP でのみ完全にサポートされています
表 1に、現在の DMP 機能とコンテンツタイプを示します。
表 1 DMP モデル別のビデオコンテンツ機能
モデル |
HDR10 |
Hybrid Log Gamma(HLG) |
Dolby Vision |
CV-UHD2 |
対応 |
対応 |
対応 |
CV-HD2 |
全画面 |
全画面 |
非対応 |
CV-UHD |
全画面 |
全画面 |
非対応 |
CV-HD |
全画面 |
全画面 |
非対応 |
SV-4K |
全画面 |
全画面 |
非対応 |
DMP-2K |
全画面 |
全画面 |
非対応 |
注: 縦方向モードは、HDR、HLG、または Dolby Vision のコンテンツではサポートされていません。