エンドポイントでのEDIDおよびカメラ接続の問題のトラブルシューティング

はじめに

このドキュメントでは、EDIDによって引き起こされる、クラウドに登録されたエンドポイントに接続されているカメラに関する問題をトラブルシューティングする方法について説明します。

前提条件

要件

次の項目に関する知識があることが推奨されます。

• Control Hubプラットフォーム
• エンドポイントおよびコントロールハブの「デバイス」セクションのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)によるエンドポイント管理
• 部屋OS
• HDMIケーブル配線

使用するコンポーネント

ここに示す機器は、テストを行い、このドキュメントで説明する結果を生成するために使用されています。

• Codec Proエンドポイント
• 壁に取り付けられた2台のPTZ 4Kカメラ（1台は通常の向きで取り付けられ、2台目は上下逆になっています）。
• カメラはLAN経由でエンドポイントに接続されますが、イーサネットケーブルはエンドポイントからカメラに直接接続されません。送受信装置が使用されている。
• Control Hub組織

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな（デフォルト）設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。

EDIDの基本的な説明

EDID(Extended Display Identification Data)は、HDMIケーブルを使用して2つのデバイス（メディアデバイスとディスプレイデバイス）を接続するときに使用されるデジタルハンドシェイクです。このハンドシェイクは、接続されたデバイスから使用され、サポートするフレームレート、解像度、および音声標準などのパラメータをネゴシエートします。このネゴシエーションにより、HDMIケーブルを介して相互にサポートされるパラメータリストが作成され、ビデオと音声のコンテンツを相互に送信するために使用されます。両方のデバイスが完全に起動し、可能な限り最良の結果（最適な解像度、フレームレート、および両側から相互にサポート可能なその他のパラメータ）を達成しようとするときに、ハンドシェイクが開始されます。このハンドシェイクはバックグラウンドで実行されます。この処理は非常に高速に実行され、実行中のユーザには目に見える結果が表示されません。中間デバイスが間に入っていない1～2メートルのHDMIケーブルでは実質的に瞬間的です。

正確なシナリオの説明

最新の会議室のセットアップでは、最良の結果を得るために使用できるさまざまなデバイスがあります。部屋のサイズ、ビューの角度、カメラとマイクの数などのパラメータは、最終的なセットアップと、エンドポイントの使用率から得られる結果に影響を与えます。部屋のサイズが大きい場合は、カメラやその他の周辺機器をエンドポイントの横または近くに配置することは必ずしも可能ではありません。このタイプの設定では、同時に部屋を使用できるすべてのユーザに最適な会議エクスペリエンスを提供できるとは限りません。

このため、エンドポイントが設定されている場所から比較的遠い距離にカメラを配置する必要がある場合があります。カメラをエンドポイントのHDMI入力ポートに接続し直すには、次のようなさまざまな代替手段を使用できます。

• 標準の1 mまたは2 mよりも長いHDMIケーブルを使用する。
• 複数のHDMIケーブルを接続し、HDMIスプリッタまたはエクステンダを使用してエンドポイントまでの距離をカバーする。
• HDMIスイッチを使用。

特定の問題は、説明したシナリオで発生します。2メートルを超える長いHDMIケーブルを使用している場合、またはエクステンダとスプリッタを使用している場合、EDID信号がケーブルに沿って移動しなければならない距離が長いと、損失が発生します。この結果、EDIDのネゴシエーションが失敗したり、期待した結果が得られなかったりする可能性があります。これに加えて、中間デバイスでは、デバイスのタイプ、設定、および機能によっては、EDID情報が正しく渡されない場合や、接続の相手側に渡されない場合があります。PTZカメラは、HDMIを介してエンドポイントに接続されている他のカメラと一緒に直接影響を受ける可能性があるため、EDIDがエンドポイントに誤ったパラメータを渡します。

これはエンドユーザには必ずしも完全に見えませんが、この記事で説明する例では、部屋の反対側に2台のPTZ 4Kカメラがあり、通常の向きでカメラ1を上下逆に取り付け、部屋の天井に取り付けると想定しています（ここに示します）。

接続図

Camera 2が逆さではなく正しい向きでビデオ映像を表示できるようにするには、「カメラカメラ[n]フリップ」機能を利用する必要があります（この機能はすべてのカメラでサポートされているわけではありませんが、PTZ 4Kの特定のモデルでサポートされています）。この特定の設定では、EDIDのネゴシエーション方法に応じて、両方のカメラが逆さビデオを提供していることに注意してください。「カメラカメラ[n] Flip」機能は動作していないが、問題が少し複雑であると即座に思いました。

「Cameras Camera [n] Flip」機能は、Control Hub組織内の管理の下の「デバイス」セクションに移動し、デバイスのリストからCodec Proデバイスを選択することで、クラウド登録されたCodec Proデバイス上にあります。

Control Hub Devicesセクション

次に「Configurations」セクションに移動し、次の図に示すように「All Configurations」を選択します。

Control HubのEndpoint Configurationセクション

新しいウィンドウの検索バーで、機能の名前を検索します。

Control HubのIndividual Device Configurationsメニュー

ドロップダウンメニューのリストから、上下逆に配置されたカメラを選択します。この記事で説明されているシナリオでは、カメラ2です（前述の接続図を参照）。次に、機能をオンにして[次へ]をクリックします。

カメラControl Hubのカメラ[n] Flip機能設定

次に、行っている変更が正しいことを確認し、[適用]をクリックします。

カメラCamera [n] Flip feature Review in Control Hub

トラブルシューティングの続行方法

接続図に基づいて、ケーブルは次のようにエンドポイントに物理的に接続されます。

• カメラ1（水平カメラ）=> HDMI入力コネクタ1に接続
• カメラ2（上下逆カメラ）=> HDMI入力コネクタ2に接続

ここまでの設定から判断すると、「カメラカメラ[n] Flip」機能が期待どおりに動作していないと考えるのが論理的です。エンドポイントログを収集すると、次のことがわかります。

*s Cameras Camera 1 DetectedConnector: 2
*s Cameras Camera 2 DetectedConnector: 1

カメラ1はコネクタ2で検出されますが、コネクタ1に物理的に接続されています。カメラ2はコネクタ1で検出されますが、コネクタ2に物理的に接続されています。

これは、カメラ1のカメラ[n]フリップ機能が変更され（水平方向）、逆さフッテージが表示される理由です。一方、カメラ2は設定を変更せずに上下逆になっているので、画像がそのまま表示されます。この段階では、両方のカメラでビデオ映像を逆さまに表示します。

これは、各カメラが接続されている場所を特定するために使用されるEDID情報が、カメラからエンドポイントに向けて開始される各HDMI接続から正しく伝搬されないためです。通常、HDMIを介してカメラをエンドポイントに接続するために使用される中間デバイスがこの結果に関与します。

問題を解決する方法

この問題を解決するには、Codec Proの設定で「AssignedSerialNumber」機能を正しく設定する必要があります。この機能を使用すると、各カメラのシリアル番号をそのカメラIDに手動で設定できます（カメラ1のカメラIDは1で、カメラ2のカメラIDは2である必要があります）。カメラIDは、カメラ[n]のnという数字です。デフォルトでは、カメラIDはカメラに自動的に割り当てられます。カメラからビデオデバイスにEDID情報が渡されない場合、カメラIDが、エンドポイントでカメラが物理的に接続されている実際の方法と一致しない可能性があります。このため、設定をカメラ1に適用しようとすると、カメラ2が影響を受け、カメラ2が影響を受けます。

これは、RoomOS 11.9の209ページの『アドミニストレーションガイド』で説明されている「AssignedSerialNumber」機能の説明です。

『Administration Guide』の「Cameras Camera [n] AssignedSerialNumber」

「AssignedSerialNumber」機能を見つけるには、この記事で説明されているように、Control Hubから「Cameras Camera [n] Flip」機能のデバイス構成にアクセスする必要があります。検索バーで機能名を検索します。

Camera Camera [n] AssignedSerialNumber Configuration in Control Hub

この段階では、影響を受けるカメラを選択する必要があります。この記事のシナリオでは、カメラ1とカメラ2です。どのカメラを最初に選択するかは重要ではありません。カメラ1はコネクタ2で検出されますが、コネクタ1に物理的に接続されています。カメラ2はコネクタ1で検出されますが、コネクタ2に物理的に接続されています。どのカメラがどのHDMI入力ポートに物理的に接続されているかを知る必要があります。Camera 1のAssigned Serial Numberを選択します（この図に示されているシリアル番号は無効で、デモ用のランダム番号です）。エンドポイントのHDMI入力ポート1に接続されているカメラ1のシリアル番号を入力し、 [次へ]をクリックします。

Camera Camera [n] AssignedSerialNumber Configuration in Control Hub

次に、「Review Configurations」ページで「Apply」をクリックします。

カメラCamera [n] AssignedSerialNumber Control Hubでの確認

Camera 2に対して同じ手順をCamera 2のシリアル番号を使用して実行しますが、必ずデバイス設定ページからCamera 2に割り当てられたシリアル番号を選択してください。

Camera Camera [n] AssignedSerialNumber Configuration in Control Hub

この段階で、問題は解決され、カメラ1はHDMI入力ポート1に正しくマッピングされ、そこで物理的に接続されます。カメラ2はHDMI入力ポート2にマッピングされ、そこで物理的に接続されます。

それでも問題が解決しない場合は、Camera 1とCamera 2の「Cameras Camera [n] Flip」機能を確認し、上下逆に設定されたカメラ（ここではCamera 2について説明）でのみ有効になっていることを確認する必要があります。また、エンドポイントのリブートを試みることもできます。設定は影響を受けません。エンドポイントを工場出荷時の状態にリセットした場合は、すべての設定を再度実行する必要があります。

エンドポイントのGUIからこの手順を実行する方法

Control Hubから、またはブラウザタブでデバイスのIPアドレスを入力してエンドポイントのGUIにアクセスし、管理者ユーザクレデンシャルでログインします。次に、 「設定」セクションの「設定」に移動し、 「設定」タブを選択します。ページ内の検索バーで「反転」と入力します。必要なカメラに対して、「カメラCamera [n] Flip」機能の設定を実行できます（この記事で説明した例ではCamera 2）。次に「保存」をクリックします。

エンドポイントGUIでのカメラのカメラ[n] Flip設定

「AssignedSerialNumber」機能の場合は、同じメニューに移動し、検索バーに「assigned」と入力します。各カメラにシリアル番号を手動で割り当て、 [保存]をクリックします。

エンドポイントGUIでのカメラ[n] AssignedSerialNumberの設定

エンドポイントに接続されているカメラのシリアル番号を確認する方法

この最後のセクションでは、クラウドに登録されたエンドポイントに接続されているカメラのシリアル番号を見つける方法を示します。カメラのシリアル番号を確認するには、次の3つの方法があります。

• エンドポイントのGUIで
• Control Hub内
• デバイスのログ

エンドポイントのGUIでのカメラのシリアル番号

Control Hubから、またはブラウザタブでデバイスのIPアドレスを入力してエンドポイントのGUIにアクセスし、管理者ユーザクレデンシャルでログインします。次に、 「設定」セクションの「設定」に移動し、 「オーディオとビデオ」タブを選択します。次に、「カメラ」という最初のタブを選択します。

エンドポイントGUIのエンドポイントペリフェラルの詳細

このメニューでは、シリアル番号とともに、カメラに関する情報（前に共有した図では、すべてのIPとシリアル番号が意図的に非表示になっています。エンドポイントのGUIでは、この情報が表示されます）を確認できます。各カメラの割り当て済みシリアル番号機能を設定する際に、各番号をコピーして貼り付け、Control HubまたはエンドポイントのGUIで使用します。

Control Hub内のカメラのシリアル番号

Control Hub組織にログインし、Managementセクションの下のDevicesに移動します。デバイスリストからデバイスを選択し、「Connected Peripherals」に移動します。

Control Hubのエンドポイント周辺装置の詳細

カメラの1つを選択します。次のメニューが表示され、カメラのシリアル番号を確認できます。

Control Hubでのカメラの詳細

シリアル番号をコピーして貼り付け、このカメラの割り当て済みシリアル番号機能を設定する際に、Control HubまたはエンドポイントのGUIで使用します。同じ手順を実行して、2台目のカメラのシリアル番号を確認します。

デバイスログのカメラのシリアル番号

Control Hubから、またはブラウザタブでデバイスのIPアドレスを入力してエンドポイントのGUIにアクセスし、管理者ユーザクレデンシャルでログインします。[Issues and Diagnostics] （問題と診断）に移動し、 [System Logs] （システムログ）タブを選択します。次に、 「ログのダウンロード」ボタンの横にある下矢印をクリックして、 「完全なログ」を選択します。次に、ログファイルがダウンロードされます。

エンドポイントGUIからのログ収集

ログファイルを解凍し、「peripherals」という名前のファイルを見つけます。目的のノートアプリケーションでファイルを開きます。図に示す回線には、エンドポイントに接続されているカメラのシリアル番号が含まれています（その他の情報は意図的に省略されています）。

ペリフェラルログファイルの検査

各カメラの割り当て済みシリアル番号機能を設定する際に、各番号をコピーして貼り付け、Control HubまたはエンドポイントのGUIで使用します。

Codec ProとRoom Kit Pro

この記事では、Codec Proが使用されていることが言及されていますが、Control Hubから共有されている写真ではRoom Kit Proを見ることができます。これは、Room Kit Proが、カメラやナビゲータタッチパネルなどの周辺機器と共にCodec Pro（単体でも別売）を含むデバイスバンドルであるためです。Room Kit ProバンドルのエンドポイントユニットはCodec Proであるため、そのように表記されています。この詳細を説明するRoom Kit Proのデータシートは、ここのリンクから入手できます。

関連情報

PTZ 4Kカメラ設置ガイド

RoomOS 11.9を実行するシスココラボレーションデバイスのアドミニストレーションガイド

Cisco Room Kit Proデータシート