このドキュメントは、ハードウェア送信リングの機能と、Virtual Circuit(VC; 仮想回線)単位キューイングをサポートする ATM ルータ インターフェイス ハードウェアでの tx-ring-limit コマンドの目的について説明しています。
サービス ポリシーが設定された Cisco ルータ インターフェイスは、VC の輻輳レベルに応じて、次の 2 種類のキューのいずれか一方に ATM VC のパケットを格納します。
| キュー | 場所 | キューイング方式 | サービス ポリシーの適用 | 調整用コマンド |
|---|---|---|---|---|
| ハードウェア キューまたは送信リング | ポート アダプタまたはネットワーク モジュール | FIFO のみ | No | tx-ring-limit |
| レイヤ3キュー | レイヤ 3 プロセッサ システムまたはインターフェイス バッファ | N/A | Yes | キューイング方式によって異なる:- vc-hold-queue - queue-limit |
このドキュメントに特有の要件はありません。
本書の内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
送信リングについて説明する前に、パーティクルとは何かを理解しておく必要があります。パーティクルは、Cisco 7200ルータシリーズおよびCisco 7500ルータシリーズのVersatile Interface Processor(VIP)を含む多くのプラットフォームで、パケットバッファリングの基本的な構成要素を形成します。
Cisco IOS®ソフトウェアは、パケット長に応じて1つ以上のパーティクルを使用してパケットを格納します。次に例を示します。1200 バイトのパケットを受信すると、IOS は次の空きパーティクルを取得して、そのパーティクルにパケット データをコピーします。最初のパーティクルが満たされると、IOSは次の空きパーティクルに移動し、最初のパーティクルにリンクして、この2番目のパーティクルへのデータのコピーを続行します。完了すると、1200バイトのパケットが3つの不連続メモリに保存されます。IOSはこの不連続メモリを論理的に単一のパケットバッファの一部にします。
IOSパーティクルサイズはプラットフォームによって異なります。特定のプール内のすべてのパーティクルは同じサイズです。この均一性のためにパーティクル管理アルゴリズムは簡単なものとなり、メモリの効率的な使用が可能になります。
Cisco IOS では、パブリックおよびプライベート インターフェイス プールに加えて、リングと呼ばれる特別なバッファ制御構造が作成されます。Cisco IOSおよびインターフェイスコントローラは、これらのリングを使用して、メディアとの間でパケットの送受信に使用するバッファを制御します。リング自体は、I/Oメモリ内の別の場所にある個々のパケットバッファを指すメディアコントローラ固有の要素で構成されます。
各インターフェイスには、パケット受信用の受信リングとパケット送信用の送信リングという一対のリングがあります。リングのサイズは、インターフェイスコントローラによって異なる場合があります。通常、送信リングのサイズはインターフェイスまたはVCの帯域幅に基づき、2の累乗です(Cisco Bug ID CSCdk17210)。
| インターフェイス | Rings | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ラインレート(Mb/秒) < | 2 | 10 | 20 | 30 | 40 | ... |
| txcount | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 | 64 |
注:7200シリーズプラットフォームでは、送信リングパケットバッファは、スイッチドパケットの発信インターフェイスの受信リング、またはパケットがIOSによって発信された場合はパブリックプールから取得されます。これらのパケット バッファは、ペイロード データが送信された後、送信リングから割り当て解除され、元のプールに戻ります。
PA-A3ポートアダプタは、高い転送パフォーマンスを確保するために、個別のReceive And Transmit Segmentation And Reassembly(SAR)チップを使用します。各SARは、オンボードメモリの独自のサブシステムによってサポートされ、VCテーブルなどの主要なデータ構造と同様にパケットを格納します。このメモリには特に4 MBのSDRAMが含まれており、これがパーティクルにチャンクされます。
次の表は、PA-A3 の受信および送信パス上にあるパーティクルの数とサイズを示しています。
| リング | パーティクル サイズ | パーティクルの数 |
|---|---|---|
| 受信リング | 288 bytes | 該当なし |
| 送信リング | 576*バイト | 6000(144 のパーティクルが予約されている) |
* 送信リングのパーティクル サイズは 580 バイトと記述されることもあります。この値には、パケットとともにルータ内部を移動する 4 バイトの ATM コア ヘッダーが含まれています。
上記の表のサイズは、パフォーマンスを最大にするために、48(セルのペイロードフィールドのサイズ)とキャッシュラインサイズ(32バイト)で割り切れるため、選択されています。パケットが複数のバッファを必要とする場合に、SARによってバッファ間遅延が発生するのを防ぐように設計されています。インターネットパケットの約90 %をカバーするために、576バイトの送信パーティクルサイズも選択されました。
PA-A3 ドライバは各 VC にデフォルトの送信リング値を割り当てます。この値は、VC に割り当てられた ATM サービス カテゴリによって異なります。次の表にデフォルト値を示します。
| VC サービス カテゴリ | PA-A3-OC3、T3、E3デフォルトの送信リング値 | PA-A3-IMAのデフォルトの送信リング値 | PA-A3-OC12デフォルトの送信リング値 | 施行期間 |
|---|---|---|---|---|
| VBR-nrt | 式に基づく**: (48 x SCR) / (Particle_size x 5)最小値は40で、40未満の計算値はすべて非常に低いSCRで上書きされます。注:SCRは、ATMオーバーヘッドを含むセルレートです。 | 式に基づく: (48 x SCR) / (Particle_size x 5)最小値は40で、40未満の計算値はすべて非常に低いSCRで上書きされます。注:SCRは、ATMオーバーヘッドを含むセルレートです。 | 平均レート(SCR) * 2 * TOTAL_CREDITS / VISIBLE_BANDWIDTH TOTAL_CREDITS = 8192 VISIBLE_BANDWIDTH = 599040注:この式でデフォルトの128未満の値が計算される場合、VCの送信リング制限は128に設定されます。 | 常時 |
| ABR | 128 | 128 | N/A | 常時* |
| UBR | 40 | 128 | 128 | クレジット利用率の合計が 75 % または tx_threshold 値(show controller atm で表示される)を超えた場合のみ |
* PA-A3-OC12 は当初、現在の送信リング値に対して常にアクティブな VBR-nrt PVC の制限を実装していませんでした。この問題は、バグID CSCdx11084で解決されています。
** SCR はセル/秒で表されます。
当初は、送信リングの値を表示するために隠しコマンドを使用する必要がありました。現在の値は、show atm vc {vcd}コマンドで表示されます。
また、debug atm eventsコマンドを使用して、PA-A3ドライバとホストCPU間のVC設定メッセージを表示することもできます。次の出力例は、7200シリーズルータのPA-A3でキャプチャしたものです。送信リング値はtx_limit値として表示されます。この値は、送信方向の特定のVCに割り当てられたパーティクルバッファクォータを実装します。
PVC 1/100はVBR-nrtとして設定されています。3500 kbpsのSCRに基づいて、PA-A3は137のtx_limitを割り当てます。この計算を確かめるには、3500 kbps の SCR をセル/秒に変換する必要があります。(3,500,000 ビット/秒) * (1 バイト/ 8 ビット) * (1 セル/ 53 バイト) = (3, 500, 000 セル) / (8 * 53 秒) = 8254 セル/秒になります。セル/秒単位での SCR 値を上の公式に当てはめると、tx_limit = 137 が得られます。
7200-17(config)#interface atm 4/0 7200-17(config-if)#pvc 1/100 7200-17(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 4000 3500 94 7200-17(config-if-atm-vc)# *Oct 14 17:56:06.886: Reserved bw for 1/100 Available bw = 141500 7200-17(config-if-atm-vc)#exit 7200-17(config-if)#logging *Oct 14 17:56:16.370: atmdx_setup_vc(ATM4/0): vc:6 vpi:1 vci:100 state:2 config_status:0 *Oct 14 17:56:16.370: atmdx_setup_cos(ATM4/0): vc:6 wred_name:- max_q:0 *Oct 14 17:56:16.370: atmdx_pas_vc_setup(ATM4/0): vcd 6, atm hdr 0x00100640, mtu 4482 *Oct 14 17:56:16.370: VBR: pcr 9433, scr 8254, mbs 94 *Oct 14 17:56:16.370: vc tx_limit=137, rx_limit=47 *Oct 14 17:56:16.374: Created 64-bit VC count
PVC 1/101はABRとして設定されています。PA-A3はデフォルトのABR tx_limit値である128を割り当てます(上記の表を参照)。
7200-17(config-if)#pvc 1/102 7200-17(config-if-atm-vc)#abr ? <1-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps rate-factors Specify rate increase and rate decrease factors (inverse) 7200-17(config-if-atm-vc)#abr 4000 1000 7200-17(config-if-atm-vc)# *Oct 14 17:57:45.066: Reserved bw for 1/102 Available bw = 140500 *Oct 14 18:00:11.662: atmdx_setup_vc(ATM4/0): vc:8 vpi:1 vci:102 state:2 config_status:0 *Oct 14 18:00:11.662: atmdx_setup_cos(ATM4/0): vc:8 wred_name:- max_q:0 *Oct 14 18:00:11.662: atmdx_pas_vc_setup(ATM4/0): vcd 8, atm hdr 0x00100660, mtu 4482 *Oct 14 18:00:11.662: ABR: pcr 9433, mcr 2358, icr 9433 *Oct 14 18:00:11.662: vc tx_limit=128, rx_limit=47 *Oct 14 18:00:11.666: Created 64-bit VC counters
PVC 1/102はUBRとして設定されています。PA-A3はデフォルトのUBR tx_limit値である40を割り当てます(上記の表を参照)。
7200-17(config-if)#pvc 1/101 7200-17(config-if-atm-vc)#ubr 10000 7200-17(config-if-atm-vc)# *Oct 14 17:56:49.466: Reserved bw for 1/101 Available bw = 141500 *Oct 14 17:57:03.734: atmdx_setup_vc(ATM4/0): vc:7 vpi:1 vci:101 state:2 config_status:0 *Oct 14 17:57:03.734: atmdx_setup_cos(ATM4/0): vc:7 wred_name:- max_q:0 *Oct 14 17:57:03.734: atmdx_pas_vc_setup(ATM4/0): vcd 7, atm hdr 0x00100650, mtu 4482 *Oct 14 17:57:03.734: UBR: pcr 23584 *Oct 14 17:57:03.734: vc tx_limit=40, rx_limit=117 *Oct 14 17:57:03.738: Created 64-bit VC counters
tx_limit の目的は、絶えず輻輳が発生する VC によってパケット バッファ リソースが枯渇し、他の VC がトラフィック契約内の正常なトラフィックを送信できなくなる事態を回避するために、VC 単位の送信クレジットまたはメモリ割り当て方式を実装することです。
PA-A3 は、次の 2 つの条件のもとでメモリ クレジットのチェックを実行します。
各VBR-nrtおよびABR VCの個別クォータ:各VCのtx_countおよびtx_limitの値を比較します。tx_countがいずれかのVCのtx_limitよりも大きい場合、後続のパケットは廃棄されます。ある時点でパケットのバーストがVBR-nrt VCの送信リングを超過し、出力廃棄が発生する可能性があることに注意してください。
Overall quota:tx_threshold値を考慮します。PA-A3では、PA-A3でのパケットバッファの総使用量がプリセットされたしきい値に達した場合にのみ、このようなVCにトラフィックポリシングを適用することで、UBR VCでのバーストを大きくすることができます。
注:パケットに複数のパーティクルが必要で、送信リングがいっぱいの場合は、パーティクルが使用可能であればPA-A3によりVCが割り当て量を超えることができます。この方式は、出力廃棄のない小規模なパケットのバーストに対応するために設計されています。
show controller atm コマンドは、送信クレジットに関連するいくつかのカウンタを表示します。
7200-17#show controller atm 4/0 Interface ATM4/0 is up Hardware is ENHANCED ATM PA - OC3 (155000Kbps) Framer is PMC PM5346 S/UNI-155-LITE, SAR is LSI ATMIZER II Firmware rev: G125, Framer rev: 0, ATMIZER II rev: 3 idb=0x622105EC, ds=0x62217DE0, vc=0x62246A00 slot 4, unit 9, subunit 0, fci_type 0x0059, ticks 190386 1200 rx buffers: size=512, encap=64, trailer=28, magic=4 Curr Stats: VCC count: current=7, peak=7 SAR crashes: Rx SAR=0, Tx SAR=0 rx_cell_lost=0, rx_no_buffer=0, rx_crc_10=0 rx_cell_len=0, rx_no_vcd=0, rx_cell_throttle=0, tx_aci_err=0 Rx Free Ring status: base=0x3E26E040, size=2048, write=176 Rx Compl Ring status: base=0x7B162E60, size=2048, read=1200 Tx Ring status: base=0x3E713540, size=8192, write=2157 Tx Compl Ring status: base=0x4B166EA0, size=4096, read=1078 BFD Cache status: base=0x62240980, size=6144, read=6142 Rx Cache status: base=0x62237E80, size=16, write=0 Tx Shadow status: base=0x62238900, size=8192, read=2143, write=2157 Control data: rx_max_spins=3, max_tx_count=17, tx_count=14 rx_threshold=800, rx_count=0, tx_threshold=4608 tx bfd write indx=0x4, rx_pool_info=0x62237F20
次の表に、PA-A3が全体的な送信クレジットスキームを適用するために使用する値を示します。
| 値 | 説明 |
|---|---|
| max_tx_count | PA-A3 マイクロコードによって保持されている、その時点で最大の送信パーティクル数のヒストグラム。 |
| tx_count | PA-A3 マイクロコードによって保持されている、その時点での送信パーティクル数の合計。 注:PA-A3マイクロコードは、各VCのtx_countも追跡します。パーティクルがPA-A3ドライバからPA-A3マイクロコードに送信されると、tx_countが1ずつ増加します。 |
| tx_threshold | 空きパケットバッファの総量がこのしきい値を下回ると、PA-A3はUBR VCに送信クレジットを適用します。PA-A3は常にVBRとABR VCの送信クレジットを適用することに注意してください。 |
送信リングは、送信準備が整ったパケットのためのステージング領域として機能します。ルータは送信リング上に十分な数のパケットをキューイングし、インターフェイス ドライバが有効なセル タイムスロットを満たすためのパケットを確保できるようにする必要があります。
当初は、Low Latency Queueing(LLQ; 低遅延キューイング)を使用したサービス ポリシーが適用されている場合、PA-A3 ドライバは送信リングのサイズを調整できませんでした。現在のイメージでは、前述のデフォルトから値を下方に調整し(シスコ バグ ID CSCds63407)、キューイング関連の遅延を最小限に抑えることができます。
送信リングを調整する主な理由は、キューイングによる遅延を減らすことです。送信リングを調整する際は、次の点を考慮してください。
どのネットワーク インターフェイスでも、キューイングは遅延とインターフェイスで持続できるバースト量の二者択一を迫ります。キューサイズが大きいほど、バーストが長くなり、遅延が増加します。VCのトラフィックに不必要な遅延が生じていると感じる場合は、キューのサイズを調整します。
パケット サイズを考慮します。tx-ring-limit には、4 つのパケットを収容できる値を設定します。たとえば、パケットが 1500 バイトの場合は、tx-ring-limit 値を 16 = (4 パケット) * (4 パーティクル) に設定します。
送信クレジットが、1 個の MTU サイズのパケット、または VBR-nrt PVC の Maximum Burst Size(MBS; 最大バースト サイズ)に等しいセルの数(あるいはその両方)をサポートできるほど十分大きいことを確認します。
128 kbps SCRなど、低帯域幅のVCには低い値を設定します。たとえば、SCRが160 kbpsの低速VCでは、tx-ring-limitが10に設定されていると、ドライバレベルのキューで著しい遅延(数百ミリ秒など)が発生する可能性があります。この設定で、tx-ring-limitを最小値まで下げます。
高速VCに対してより大きな値を設定します。PA-A3でバックプレッシャの設定が非常に積極的で、送信リングから送信待ちのパケットがすぐに供給されない場合、4未満の値を選択すると、VCは設定されたレートで送信を行うことができなくなります。低い値がVCのスループットに影響を与えないことを確認します。(Cisco Bug ID CSCdk17210を参照)。
つまり、送信リングのサイズは、キューイングによる遅延を避けられる程度に小さくし、なおかつ廃棄とそれによる TCP ベースのフローへの影響を避けられる程度に大きくする必要があります。
インターフェイスでは、最初にレイヤ 3 キューイング システムからパケットが取り出され、次にそのパケットが送信リングにキューイングされます。サービス ポリシーはレイヤ 3 キュー内のパケットだけに適用され、送信リングには透過的です。
送信リングでのキューイングは、リングの深さに正比例するシリアル化遅延を引き起こします。過度のシリアル化遅延は、音声などの遅延に影響されやすいアプリケーションの遅延バジェットに影響を与えるおそれがあります。そのため、音声を伝送する VC では送信リングのサイズを小さくすることをお勧めします。値は送信リングによって引き起こされるシリアル化遅延の量(秒)に基づいて選択してください。これには次の公式を使用します。
((P*8)*D)/S P = Packet size in bytes. Multiply by eight to convert to bits. D = Transmit-ring depth. S = Speed of the VC in bps.
注:インターネット上のIPパケットのサイズは、通常、64バイト(制御メッセージなど)、1500バイト(ファイル転送など)、または256バイト(その他すべてのトラフィック)の3つのサイズのいずれかになります。 これらの値から、インターネット全体を通して見た場合の標準的なパケット サイズは 250 バイトになります。
注:次の表は、送信リングサイズの大小に関する利点と欠点をまとめたものです。
| 送信リングのサイズ | 利点 | 短所 |
|---|---|---|
| 大きい値 | データ VC でバーストに対応する場合に推奨される。 | 音声VCには推奨されません。遅延とジッターの増加を招く可能性があります。 |
| 小さい値 | 音声 VC でキューイングによる遅延とジッタを減らす場合に推奨される。 | 比較的高速な VC では推奨されない。回線が空いているときに送信準備が整っているパケットがないほど小さい値に調整すると、スループットが下がるおそれがある。 |
送信リングのサイズを調整するには、VC 設定モードで tx-ring-limit コマンドを使用します。
7200-1(config-subif)#pvc 2/2 7200-1(config-if-atm-vc)#? ATM virtual circuit configuration commands: abr Enter Available Bit Rate (pcr)(mcr) broadcast Pseudo-broadcast class-vc Configure default vc-class name default Set a command to its defaults encapsulation Select ATM Encapsulation for VC exit-vc Exit from ATM VC configuration mode ilmi Configure ILMI management inarp Change the inverse arp timer on the PVC no Negate a command or set its defaults oam Configure oam parameters oam-pvc Send oam cells on this pvc protocol Map an upper layer protocol to this connection. random-detect Configure WRED service-policy Attach a policy-map to a VC transmit-priority set the transmit priority for this VC tx-ring-limit Configure PA level transmit ring limit ubr Enter Unspecified Peak Cell Rate (pcr) in Kbps. vbr-nrt Enter Variable Bit Rate (pcr)(scr)(bcs) 7200-1(config-if-atm-vc)#tx-ring-limit ? <3-6000> Number (ring limit) <cr>
現在設定されている値を表示するには、show atm vc コマンドを使用します。
7200-1#show atm vc VC 3 doesn't exist on interface ATM3/0 ATM5/0.2: VCD: 3, VPI: 2, VCI: 2 VBR-NRT, PeakRate: 30000, Average Rate: 20000, Burst Cells: 94 AAL5-LLC/SNAP, etype:0x0, Flags: 0x20, VCmode: 0x0 OAM frequency: 0 second(s) PA TxRingLimit: 10 InARP frequency: 15 minutes(s) Transmit priority 2 InPkts: 0, OutPkts: 0, InBytes: 0, OutBytes: 0 InPRoc: 0, OutPRoc: 0 InFast: 0, OutFast: 0, InAS: 0, OutAS: 0 InPktDrops: 0, OutPktDrops: 0 CrcErrors: 0, SarTimeOuts: 0, OverSizedSDUs: 0 OAM cells received: 0 OAM cells sent: 0 Status: UP
また、show atm pvc vpi/vci コマンドを使用して、現在の送信リングと受信リングの両方の制限を表示します。次の出力は、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(10) が稼動する 7200 シリーズ ルータでキャプチャされたものです。
viking#show atm pvc 1/101 ATM6/0: VCD: 2, VPI: 1, VCI: 101 UBR, PeakRate: 149760 AAL5-LLC/SNAP, etype:0x0, Flags: 0xC20, VCmode: 0x0 OAM frequency: 0 second(s), OAM retry frequency: 1 second(s), OAM retry frequency: 1 second(s) OAM up retry count: 3, OAM down retry count: 5 OAM Loopback status: OAM Disabled OAM VC state: Not Managed ILMI VC state: Not Managed VC TxRingLimit: 40 particles VC Rx Limit: 800 particles
送信パスでは、ホストの CPU によってホスト バッファから PA-A3 上のローカル パーティクル バッファにペイロード情報が転送されます。PA-A3 で動作しているファームウェアは、いくつかのバッファ記述子をキャッシュし、それらをまとめて解放します。キャッシング期間中、PA-A3 は、ローカル メモリの内容が物理回線上に送信された後でも、新しいパケットを受け入れません。この方式の目的は、全体的なパフォーマンスを最適化することにあります。そのため、デフォルト以外の tx-ring-limit 値を設定するときは、バッファ記述子の戻り遅延を考慮する必要があります。
また、576 バイトのパーティクル サイズに対して 1 の tx-ring-limit 値を設定した場合、1500 バイトのパケットはキューから次のように取り出されます。
PA-A3 ドライバは最初のパーティクルを送信リングにキューイングし、このパケットが他の 2 つのメモリ パーティクルに格納されていることを記憶します。
送信リングが次に空になったときに、同じパケットの 2 番目のパーティクルが送信リングに配置されます。
送信リングが次に再び空になったときに、3 番目のパーティクルが送信リングに配置されます。
送信リングがただ 1 つの 576 バイト パーティクルから構成されている場合でも、MTU/ポート速度が、送信リングを通過するときの最悪の遅延となります。
tx-ring-limit コマンドが vc-class 文によって VC に適用された場合、PA-A3 はその設定値を適用しません。この結果を確認するには、show atm vc 詳細コマンドで現在の値を表示します。vc-class を使用した送信リングの調整機能は、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1 で実装されました(シスコ バグ ID CSCdm93064)。 CSCdv59010 では、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2 のある一定のバージョンでの tx-ring-limit に関する問題が解決しています。vc-class 文によって tx-ring-limit コマンドを ATM PVC に適用しても、送信リングのサイズは変更されません。この結果を確認するには、vc-class および class-vc コマンドのペアによってコマンドを適用した後、show atm vc 詳細コマンドを使用します。
Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(1) が動作している Cisco 7200 シリーズ ルータで PA-A3 上の PVC に tx-ring-limit コマンドを追加すると、コマンドが次のように複製されます(シスコ バグ ID CSCdu19350)。
interface ATM1/0.1 point-to-point description dlci-101, cr3640 ip unnumbered Loopback0 pvc 0/101 tx-ring-limit 3 tx-ring-limit 3
この状態は無害であり、ルータの動作に影響を与えることはありません。
シスコ バグ ID CSCdv71623 では、トラフィック レートが回線レートをかなり下回っているときにマルチリンク PPP バンドル インターフェイスで出力廃棄が起こる問題が解決しています。この問題は、tx-ring-limit 値が 5 よりも大きい ATM インターフェイスにおいて、CSCdv89201 で見られました。この問題は、断片化が無効の場合、またはリンク ウェイト(断片化サイズの制限)が大きく(T1 や E1 などの高速リンクでは一般的)、なおかつデータ トラフィックに大小のパケットが混在している場合に特に顕著です。断片化を有効にして小さい断片化サイズを使用すれば(インターフェイス設定コマンド ppp multilink fragment delay で設定)、動作は大幅に改善されます。ただし、回避策としてこの方法を使用する前に、このような高レベルの断片化を実行してもシステムの CPU が過負荷状態に陥らないだけの十分な処理能力がルータにあることを確認する必要があります。
シスコ バグ ID CSCdw29890 では、ATM PVC バンドルに対する tx-ring-limit コマンドが CLI では受け入れられるものの、実際には有効にならない問題が解決しています。ただし、通常は ATM PVC バンドルで tx-ring-limit を変更する必要はありません。その理由は、リング サイズを小さくすると実質上すべての送信バッファが QOS 制御キューに移動するためです。これにより、到達した優先パケットが即座に送信されるようになり、低速インターフェイスでの遅延は最小限に抑えられます。ATM PVC バンドルでは、すべてのメンバ VC のパケットからのセルが常に同時に送信(およびインターリーブ)されるため、自動的に遅延が最小になります。
現在のCisco IOSソフトウェアイメージは、Cisco 2600および3600シリーズルータ用のATMネットワークモジュールでの送信リングの調整をサポートしています(Cisco Bug ID CSCdt73385)。 現在の値は、show atm vc出力に表示されます。