データシートCisco StackWise および StackWise Plus テクノロジーこのホワイト ペーパーでは、Cisco® StackWise™ および Cisco StackWise Plus テクノロジーの概要を紹介し、複数の固定構成スイッチの接続によって統合論理スイッチング アーキテクチャを構築するためにこれらのテクノロジーが使用している特別なメカニズムについて説明します。ここでは、Cisco StackWise および Cisco StackWise Plus テクノロジーの重要な側面である、スタック相互接続の動作、スタックの構築と変更、レイヤ 2 および レイヤ 3 の転送、および Quality Of Service(QoS)メカニズムに焦点を当てます。 このホワイト ペーパーの目的は、Cisco StackWise および StackWise Plus テクノロジーが音声、ビデオ、およびギガビット イーサネット アプリケーションに高いパフォーマンスを提供する方法について、読者の理解を深めることです。最初に、Cisco Catalyst® 3750 シリーズ スイッチと StackWise について説明し、次に、Cisco Catalyst 3750-E シリーズ スイッチと StackWise Plus について説明して、この 2 つの違いを明らかにします。Cisco Catalyst 3750-E スイッチだけから成るスタックに接続された Cisco Catalyst 3750-E では StackWise Plus が実行されますが、スタック内に Cisco Catalyst 3750 が 1 台でもある場合は StackWise が実行されます(図 1 および 2 を参照)。
図 1. StackWise テクノロジーを使用する Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチのスタック
図 2. StackWise および StackWise Plus テクノロジーを使用する Cisco Catalyst 3750-E シリーズ スイッチのスタック テクノロジーの概要Cisco StackWise テクノロジーは、スイッチ スタックの機能を集約して活用するための革新的な方法です。個々のスイッチはインテリジェントに結合され、32 Gbps のスイッチ スタック相互接続で 1 つのスイッチング ユニットを構成します。構成情報およびルーティング情報をスタック内のすべてのスイッチで共有することにより、1 つのスイッチング ユニットが構成されます。パフォーマンスに影響を与えることなく、動作中のスタックに対してスイッチの追加および取り外しを行うことができます。 スタック内のスイッチは、特別なスタック相互接続ケーブルを使用した双方向のクローズドループ パスにより、1 つの論理ユニットとして統合されます。この双方向パスは、接続されたすべてのスイッチのスイッチ ファブリックとして動作します。ネットワーク トポロジ情報およびルーティング情報は、スタック相互接続をとおして継続的に更新されます。すべてのスタック メンバーは、スタック相互接続の帯域幅にフル アクセスできます。スタックは、スタックのメンバー スイッチの中から選ばれた 1 つのマスター スイッチにより、1 つのユニットとして管理されます。 スタック内の各スイッチは、階層内のマスターと下位(メンバー)のいずれとしても動作できます。選択されたマスター スイッチは、スタックのコントロール センターとして動作します。マスター スイッチとメンバー スイッチのどちらも転送プロセッサとして動作します。各スイッチには番号が割り当てられます。最大 9 台のスイッチを結合できます。スタックのパフォーマンスに影響を与えることなく、スタック内のスイッチを追加したり削除することができます。 Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチで構成された各スタックは、1 つの IP アドレスを持ち、1 つのオブジェクトとして管理されます。この 1 つの IP での管理は、障害検出、仮想 LAN(VLAN)の構築と変更、セキュリティ、QoS 制御などのアクティビティに適用されます。各スタックには設定ファイルが 1 つだけ存在し、スタック内の各メンバーに配布されます。これにより、スタック内の各スイッチで同じネットワーク トポロジ、MAC アドレス、およびルーティング情報を共有できます。さらに、マスターに障害が発生した場合は、どのメンバーでもマスターになることができます。 スタック相互接続の機能Cisco StackWise テクノロジーは、特別なスタック相互接続ケーブルとスタッキング ソフトウェアを使用して、最大 9 台の Cisco Catalyst 3750 スイッチを 1 つの論理ユニットとして統合します。スタックは、メンバー スイッチの中から選ばれた 1 つのマスターによって管理される 1 つのスイッチング ユニットとして動作します。マスター スイッチは、すべてのスイッチング テーブルおよびオプションのルーティング テーブルを自動的に作成し、更新します。サービスを中断することなく、動作中のスタックのメンバーを追加したり削除することができます。 双方向フロートラフィックのロード バランシングを効率的に行うために、パケットは逆方向に回る 2 つの論理パスのどちらかに割り当てられます。各論理パスはどちらの向きでも 16 Gbps をサポートするので、双方向で合計 32 Gbps のトラフィックになります。出力キューは、パスの使用率を計算して、トラフィック負荷が均等に配分されるようにします。 フレームがパスに転送可能な状態になると、どちらのパスの利用可能な帯域幅が大きいかを調べる計算が行われます。利用可能な帯域幅が大きい方のパスにフレーム全体がコピーされます。トラフィックは、Class of Service(CoS; サービス クラス)または Differentiated Service Code Point(DSCP)の指定に応じて処理されます。低遅延のトラフィックが優先されます。 ケーブル内で切断が検出されると、トラフィックはただちにもう一方の 16 Gbps パスで送り直されて、転送が継続されます。 オンラインでのスタック内のスイッチの追加と削除スタックのパフォーマンスに影響を与えることなく、動作中のスタックに対してスイッチの追加および取り外しを行うことができます。新しいスイッチを追加すると、現在実行中のスタックの Cisco IOS® ソフトウェア イメージと構成を使用して、マスター スイッチがユニットを自動的に構成します。スタックは、新しいアドレスを学習すると、スイッチング テーブル情報などの情報を集め、MAC テーブルを更新します。ネットワーク管理者が何も行わなくても、スイッチが自動的に組み込まれて動作準備が整います。同様に、スタック内の他のスイッチの動作に影響を与えることなく、動作中のスタックからスイッチを取り除くことができます。スタックは、一連のポートが存在しなくなったことを検出すると、転送またはルーティングに影響を与えることなく、この情報を更新します。 物理的な順次接続図 3 に示すように、スイッチの物理的な接続はシーケンシャルです。いずれか 1 つのケーブルで切断が発生すると、スタックの帯域幅は全容量の半分に減少します。サブセカンド タイミング メカニズムは、トラフィックの問題を検出すると、ただちにフェールオーバーを実行します。また、このメカニズムは、ケーブルのアクティビティの回復を検出すると、二重パスのフローを復旧させます。
図 3. Cisco StackWise テクノロジーの復元力のあるケーブル接続 サブセカンド フェールオーバーパスの一部分が切断されると、数マイクロ秒以内に、すべてのデータが双方向パスのうち動作している方に切り替えられます(図 4)。
図 4. ケーブル切断後のループバック スイッチは、スタック ポートが活動しており正しくデータ転送を行っているか、常に監視しています。エラー条件が一定のしきい値を超えるか、またはケーブルとポートの電磁的な接触が不十分な場合、それを検出したスイッチは、切断の発生していない側の最も近いスイッチにメッセージを送信します。その後、両方のスイッチは、すべてのトラフィックを動作しているパスに振り向けます。 単一の管理 IP アドレススタックには、初期設定の一部として 1 つの IP アドレスが割り当てられます。スタックの IP アドレスが設定されると、そのスタックに接続された物理スイッチはマスター スイッチ グループの一員になります。グループに接続されたスイッチは、すべてスタックの IP アドレスを使用します。新しいマスターが選ばれると、新しいマスターはこの IP アドレスを使用してネットワークとのやり取りを継続します。 スタックの構築と変更スタックは、個々のスイッチがスタッキング ケーブルで結合されることによって構築されます。スタック ポートが電気機械的なアクティビティを検出すると、各ポートはそれぞれのスイッチに関する情報の転送を開始します。一連のすべてのスイッチが認識されると、スタックはマスター スイッチとなるメンバーを選びます。マスター スイッチは、設定ファイル、ルーティング情報などのスタック情報の維持と更新を行います。スタック全体で 1 つの IP アドレスを持ち、この IP アドレスをすべてのスイッチが使用します。 1:N マスター冗長性1:N マスター冗長性は、すべてのスタック メンバーがマスターとして動作できるようにすることにより、転送の信頼性を最大限に高めます。スタック内のすべてのスイッチがマスターとして動作できるため、ネットワーク制御における 1:N のアベイラビリティが提供されます。万が一 1 台のスイッチで障害が発生しても、他のすべてのスイッチによってトラフィックの転送が継続され、動作が維持されます。 マスター スイッチの選択スタックは、メンバー スイッチの中から選ばれた 1 つのマスターによって管理される 1 つのスイッチング ユニットとして動作します。マスター スイッチは、すべてのスイッチング テーブルおよびオプションのルーティング テーブルを自動的に作成して更新します。スタックのメンバーはどれでもマスター スイッチになることができます。インストール時またはスタック全体のリブート時に、スタック内のスイッチ間で選択プロセスが実行されます。マスター スイッチの選択基準は階層構造になっています。
マスター スイッチの動作マスター スイッチは、Telnet セッション、ping、Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)、ルーティング情報の交換などの IP 機能にとって最も重要な場所です。マスターは、各下位スイッチに転送テーブルをダウンロードする役割を持っています。マルチキャストおよびユニキャスト ルーティングの処理は、マスターから実行されます。QoS および Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)の構成情報は、マスター スイッチから下位スイッチに配布されます。新しい下位スイッチが追加されたり、既存のスイッチが取り除かれた場合、マスターはそのことを伝える通知を発行し、すべての下位スイッチはそれに応じて自身のテーブルを更新します。 ネットワーク トポロジ情報の共有マスター スイッチは、正しいルーティング情報および構成情報を収集、維持する役割を持っています。マスター スイッチは、定期的にコピーまたは更新をスタック内のすべての下位スイッチに送信することにより、この情報を最新状態に保ちます。新しいマスターが選択された場合、新しいマスターは、以前のマスターが実行していた構成を再適用して、ユーザおよびネットワークの継続性を確保します。マスターがルーティングの制御と処理を実行します。スタック内の個々のスイッチは、マスターが配布した情報に基づいて転送を実行します。 下位スイッチの動作各スイッチは、自身の ローカル MAC アドレスとスタック内の他の MAC アドレスを保存するテーブルを持っています。マスター スイッチは、スタックに報告されたすべての MAC アドレスのテーブルを保持します。また、マスターはスタック全体のすべての MAC アドレスのマップを作成し、すべての下位スイッチに配布します。それにより、各スイッチはスタック内のすべてのポートを認識します。これにより、学習プロセスを繰り返す必要がなくなり、システムにとってより高速で効率的なスイッチング インフラストラクチャが実現します。 下位スイッチは、自身がサポートする各 VLAN 独自のスパニング ツリーを保持します。 下位スイッチは、実行中の構成のコピーをマスターから受信するまで待ち、最新の情報を受信するとデータ転送を開始します。これにより、すべてのスイッチが最新情報だけを使用することと、転送の判断に使用されるネットワーク トポロジが 1 つだけであることが保証されます。 ハイアベイラビリティを実現する複数のメカニズムCisco StackWise テクノロジーは、スタックの高い復元力を実現するためにさまざまなメカニズムをサポートしています。
レイヤ 2 およびレイヤ 3 転送Cisco StackWise テクノロジーは、レイヤ 2 およびレイヤ 3 転送の革新的な管理方式を提供します。レイヤ 2 転送は分散方式で行われます。レイヤ 3 転送は中央集中方式で行われます。これにより、スタック全体のルーティングおよびスイッチング動作に最大限の復元力と効率がもたらされます。 マスター変更中の転送の復元力マスター スイッチが非アクティブになり、新しいマスターが選択される間も、スタックは働き続けます。レイヤ 2 の接続は、影響を受けずに継続されます。新しいマスターは、ホットスタンバイ ユニキャスト テーブルを使用して、ユニキャスト トラフィックの処理を継続します。マルチキャスト テーブルおよびルーティング テーブルがフラッシュされ、ループを避けるために再ロードされます。レイヤ 3 の復元力は NSF で保護されます。NSF は、以前のマスター ノードから新しいマスター ノードにレイヤ 3 転送をグレースフルにすばやく移行します。 RPR+ による高いルーティング復元力を備えたハイアベイラビリティ アーキテクチャマスター変更中のルーティングのアベイラビリティを高めるために使用されるメカニズムは、Routing Processor Redundancy+(RPR+)と呼ばれます。RPR+ は、アベイラビリティを高めるために Cisco 12000 および 7500 シリーズ ルータおよび Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチ製品で使用されています。ルーティング機能を持つすべての下位スイッチは、マスターに障害が発生した場合にルーティング機能を引き継げるように初期化されます。各下位スイッチは、完全に初期化されてマスターに接続されます。すべての下位スイッチが同じインターフェイス アドレス、カプセル化タイプ、およびインターフェイス プロトコルとサービスを持っています。下位スイッチは、現在のマスターから送信される同期済みの構成情報を継続的に受信して統合するとともに、セルフテストを継続的に実行して自身の動作の準備状態を監視します。 新しいメンバーの追加スイッチング スタックでマスターが確定すると、その後に追加される新しいスイッチはすべて下位スイッチになります。下位スイッチがすぐにトラフィックの転送を開始できるように、現在のすべてのルーティング情報およびアドレス情報が下位スイッチにダウンロードされます。下位スイッチのポートの IP アドレスは、マスター スイッチの IP アドレスと同じになります。QoS 構成設定などのグローバル情報が、新しい下位メンバーにダウンロードされます。 Cisco IOS ソフトウェア イメージの一致Cisco StackWise テクノロジーでは、スタック内のすべてのユニットで Cisco IOS ソフトウェアの同じリリースが実行されている必要があります。スタックを最初に構築する際は、すべてのスタック メンバーで同じレベルのソフトウェア、つまり、SMI、EMI、または AIPv6 のいずれかを使用することが推奨されます。これは、後から Cisco IOS ソフトウェアをアップグレードする際に、すべてのスイッチをマスターと同じバージョンにする必要があるためです。 マスター スイッチからの Cisco IOS ソフトウェアの自動アップグレード/ダウングレード既存のスタックに新しいスイッチが追加されると、マスター スイッチは新しいスイッチと通信して、Cisco IOS ソフトウェア イメージがスタックで使用されているものと同じかどうかを判断します。同じである場合、マスター スイッチはスタック構成を新しいスイッチに送信し、新しいスイッチのポートをオンラインにします。Cisco IOS ソフトウェア イメージが同じでない場合は、次の 3 つのいずれかが行われます。
スタック内のすべてのデバイスに対するアップグレードの適用スイッチ スタックは 1 つのユニットのように動作するため、アップグレードはスタックのすべてのメンバーに同時に適用されます。つまり、スタック内のスイッチに AIPv6、EMI、および SMI 機能が混在する場合、Cisco IOS ソフトウェアのアップグレードが最初に適用されたときに、スタック内のすべてのユニットは適用されたイメージの特性を持つようになります。これにより、スタックへの機能の追加が効率的に行えますが、SMI 機能から EMI 機能または AIPv6 機能にユニットをアップグレードする前に、すべての必要なアップグレード ライセンスを購入済みであることを確認することが重要です。 適切なライセンスがない場合、それらのユニットは Cisco IOS ソフトウェア ポリシーに違反することになります。 スマートなユニキャストおよびマルチキャスト:多くの宛先を持つ 1 つのパケットCisco StackWise テクノロジーでは、ユニキャストおよびマルチキャスト トラフィックの転送のために、非常に効率的なメカニズムを使用しています。各データ パケットは、スタック相互接続に 1 回だけ送出されます。これには、マルチキャスト パケットも含まれます。各データ パケットには、パケットのアクティビティ リストと QoS 指定を含む 24 バイトのヘッダーがあります。アクティビティ リストには、宛先ポートとパケットの処理方法が指定されています。マルチキャストの場合は、パケットのコピーの送信先となるポートをマスター スイッチが識別して、各ポートの宛先インデックスを追加します。パケットのコピーの 1 つがスタック相互接続に送出されます。アドレスが宛先インデックス アドレスのいずれかと一致するスイッチ ポートは、このパケットをコピーします。これにより、スタックでマルチキャスト情報を受信および管理するための非常に効率的なメカニズムが実現します(図 5)。
図 5. スタッカブル スイッチでの通常のマルチキャストと Cisco StackWise テクノロジーを使用した Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチでのスマート マルチキャストの比較 QoS メカニズムQoS は、ユーザがネットワークと接する場所における細かい制御を提供します。これは、情報の差別的な取り扱いが不可欠な統合アプリケーションに移行しつつあるネットワークでは特に重要です。また、QoS は、輻輳を避ける必要があるギガビット イーサネット速度に移行する場合も必要です。 エッジで適用される QoS図 6 に示すように、Cisco StackWise は総合的で堅牢な QoS モデルをサポートします。
図 6. QoS モデル Cisco Catalyst 3750-E および Cisco Catalyst 3750 には、2 つの入力キューと 4 つの出力キューがあります。このため、Cisco Catalyst 3750-E および Cisco Catalyst 3750 スイッチはいずれも、前面ポートに向かうトラフィックを制限する機能をサポートするだけでなく、スタック リング相互接続に向かうトラフィックの量とタイプを制限することもできます。入力キューおよび出力キューはいずれも、1 つのキューが優先キューとして使用されるように設定して、そのキューが完全に空になるまでは他の重み付けされたキューを処理しないようにすることができます。または、入力キューと出力キューのそれぞれのセットで、すべてのキューに重み付けすることもできます。 StackWise は、Shaped Round Robin(SRR)を使用します。SRR は、パケットをキューから取り出すレートを指定するスケジューリング サービスです。SRR には、シェイプドと共有(デフォルト)の 2 つのモードがあります。シェイプド モードは出力キューでのみ利用可能です。シェイプド出力キューでは、一定のポート帯域幅を予約して確保し、その予約に基づいて均等間隔でパケットを送信します。共有出力キューでも、設定された帯域幅の配分は保証されますが、その帯域幅が予約されるわけではありません。つまり、共有モードでは、より優先順位の高いキューが空の場合、予約された帯域幅の期限が切れる前でも、未使用の帯域幅を優先順位の低いキューが利用できます。シェイプド SRR と共有 SRR の間に優劣はありません。共有 SRR の場合、未使用のキュー スロットをトラフィックの多すぎるキューが使用できるので、キューイング システムの効率を最大限に高める必要がある場合は共有 SRR を使用します。これは、標準的な重み付けラウンドロビン(WRR)では不可能です。シェイプド SRR は、キューが使用できる帯域幅を厳格に制限する必要がある場合に使用します。シェイプド SRR を使用すると、ポート全体の制限レート内にキューを制限できます。キュー シェーピングに加えて、Cisco Catalyst 3750-E では物理ポートのレート制限も可能です。したがって、全体のレートで制限されたポート値内にキューを制限できます。 前述のように、SRR は WRR とは異なります。図 7 に示した例では、完全優先キューイングは設定されていません。Q4 に最高の重みが与えられ、Q3、Q2 と低くなり、Q1 が最低です。WRR では、キューは重みに基づいて処理されます。Q1 は重み 1 の時間、Q2 は重み 2 の時間、Q3 と Q4 もそれぞれ重み 3 と重み 4 の時間だけ処理されます。この処理メカニズムは、キューからキューへと移動しながら、重み付けされた時間だけ各キューの処理を行います。SRR でも重みが使用されますが、SRR では異なる方法で Q1、Q2、Q3、Q4 の順に処理します。SRR では、重み付けされた期間だけ各キューに留まって処理を行ってから次のキューに移動するわけではありません。その代わりに、SRR では、キューに対して数回ずつ短時間アクセスします。各アクセスでは、それぞれのキューについて処理を行う場合もあれば、行わない場合もあります。各アクセスでは、重みの大きいキューの方が優先順位の低いキューよりも処理される可能性が高くなります。SRR と WRR で一定時間の間に各キューで処理されるパケットの数は同じです。ただし、その順序は異なります。SRR では、トラフィックの順序はより均等に配分されます。WRR では、Q2 の一連のパケット、Q1 の一連のパケット、という順序で処理されます。SRR では、パケットが重みに基づいてインターリーブされます。図 7 の例では、WRR の場合は、1 とマークされたすべてのパケットが処理され、その後、2、3、4、5 の順で処理されます。SRR の場合は、A とマークされたすべてのパケットが処理され、その後、B、C、D の順で処理されます。SRR は WRR を発展させたもので、より円滑なラウンドロビン メカニズムを使用することにより、トラフィックの過度のバーストによってバッファがあふれることを防ぎます。
図 7. キューイング 高度なキュー処理メカニズムに加えて、輻輳回避メカニズムもサポートされています。Weighted Tail Drop(WTD; 重み付きテール ドロップ)を個々またはすべての入力キューおよび出力キューに適用できます。WTD は、キューの長さを管理し、トラフィック分類ごとに廃棄優先順位を設定する輻輳回避メカニズムです。設定可能なしきい値により、特定のタイプのパケットを廃棄するタイミングを決定します。しきい値は、CoS 値または DSCP 値に基づいて設定できます。キューがいっぱいになると、低優先順位のパケットから廃棄されます。たとえば、キューが 60% フルになると CoS 0 〜 5 を廃棄するように WTD を設定できます。さらに、キューごとに複数のしきい値およびレベルを設定できます。 ジャンボ フレームのサポートCisco StackWise テクノロジーでは、レイヤ 2 転送の 10/100/1000 銅線ポートで最大 9 KB のジャンボ フレームをサポートします。Cisco Catalyst 3750 では、ジャンボ パケットのレイヤ 3 転送をサポートしていません。しかし、Cisco Catalyst 3750-E はレイヤ 3 ジャンボ フレーム転送をサポートしています。 スマート VLANVLAN の動作は、マルチキャストの動作と同じです。マスターは、複数の VLAN 宛ての情報を検出すると、複数の宛先アドレスを持つパケットを 1 つ作成します。 これにより、スタック相互接続を最も効果的に使用できます(図 8)。
図 8. スマート VLAN の動作 Cross-Stack EtherChannel 接続スタック内のすべてのポートが 1 つの論理ユニットとして動作するため、スタック内の複数の物理デバイスにわたって EtherChannel テクノロジーを使用できます。Cisco IOS ソフトウェアは、スタック内のスイッチの最大 8 つの個別の物理ポートを、1 つの論理チャネル アップリンクに集約できます。1 つのスタックで最大 12 の EtherChannel グループをサポートできます。 StackWise Plus StackWise Plus は、StackWise を発展させたものです。StackWise Plus は、Cisco Catalyst 3750-E スイッチ ファミリでのみサポートされます。StackWise Plus と StackWise の間には、次のような 2 つの大きな違いがあります。
1 つのスタックでの StackWise Plus と StackWise の併用Cisco Catalyst 3750-E StackWise Plus スイッチと Cisco Catalyst 3750 StackWise スイッチを同じスタック内で組み合わせて使用することができます。この場合、Cisco Catalyst 3750-E スイッチは StackWise Plus モードから StackWise モードに移行します。つまり、宛先ストリッピングを行わなくなります。ただし、Cisco Catalyst 3750-E のローカル スイッチング機能はそのままです。 管理Cisco StackWise および StackWise Plus テクノロジーを使用する製品は、CLI またはネットワーク管理パッケージによって管理できます。Cisco Cluster Management Suite(CMS)ソフトウェアは、シスコのスタッカブル スイッチの管理を目的として開発されました。Cisco CMS ソフトウェアに用意されているスタック ユニット用の特別なウィザードを使用すると、ネットワーク管理者は同じプロファイルを使用してスタックのすべてのポートを設定できます。ネットワーク管理者は、データ、音声、ビデオ、マルチキャスト、セキュリティ、およびインター VLAN ルーティングの各機能についてあらかじめ定義されたウィザードを使用して、すべてのポート設定を一度に設定できます。 Cisco StackWise および StackWise Plus テクノロジーは、CiscoWorks で管理することもできます。 まとめCisco StackWise および StackWise Plus テクノロジーを使用すると、ネットワーク エッジの復元力と汎用性を高め、速度と統合アプリケーションの進化に対応することができます。 |
