Cisco MDS 9000 シリーズ

Cisco MDS 9000 ファミリによる投資保護

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Cisco MDS 9000 ファミリによる投資保護



イントロダクション

ビジネス要件の進化に伴い、データセンターのスケーラビリティと管理性を高めると同時に IT コストを抑制できる高密度、高速、低遅延のネットワークに対する需要が高まっています。このドキュメントで説明する Cisco® MDS 9000 ファミリは、先進の高密度/高帯域ストレージ ネットワーキング ソリューションおよびユニファイド ファブリック アプリケーションを提供し、変化するデータセンター要件に対応します。第 3 世代モジュールが追加されたことにより、Cisco MDS 9000 ファミリのストレージ ネットワーキング製品は、1/2/4/8/10 Gbps ファイバ チャネルおよび Fibre Channel over Ethernet(FCoE)をサポートするようになりました。Cisco MDS 9000 ファミリ アーキテクチャの主要な利点の 1 つに投資保護があります。これは、第 1、第 2、第 3 世代の全モジュールを、既存のシャーシ構成および新しいスイッチ構成のどちらでも共存させることができる能力に基づいています。Storage Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)市場や SAN の提供実績をざっと眺めただけでも、シスコが代表的な SAN プロバイダーであることは明らかです。シスコは、テクノロジーの将来の変化に適応できる、互換性のあるアーキテクチャおよび設計を提供して、真の投資保護を実現します。

新たな課題

成長を続けるアプリケーション サーバ ファームのニーズを満たすには、1/2/4 Gbps の SAN 接続では不十分です。データ量は増える一方であるにもかかわらず、限られた時間内でバックアップしなければなりません。サポートすべきデータベース トランザクションの数も年々増え、帯域幅およびストレージを大量消費するアプリケーションもサポートしなければなりません。これらの要件を満たすには、8 Gbps または 10 Gbps の高密度ファイバ チャネル サービスが必要です。アプリケーション要件のこのような変化によって、セキュリティ、移行の容易さ、および障害回復のためのソリューションを提供するネットワークベース サービスの需要も生まれています。

また、一般にデータセンターでは、複数の異なるネットワークを運用します。たとえば、クライアント/サーバ間およびサーバ/サーバ間通信のためのイーサネット ネットワークや、ファイバ チャネル SAN があります。さまざまなタイプのネットワークをサポートするために、データセンターではネットワークごとに個別の冗長インターフェイス モジュールを使用し、ネットワーク アーキテクチャの各レイヤでスイッチの冗長ペアを使用しています。並列インフラストラクチャを採用すると、導入コストが増大し、データセンターの管理が難しくなり、ビジネスの柔軟性が損なわれます。このような課題に対応できるのがユニファイド ファブリックです。ユニファイド ファブリックを使用すると、データセンター内の I/O を統合し、ファイバ チャネルおよびイーサネット ネットワークで単一の統合インフラストラクチャを共有することができます。この設計の重要な柱となるのが、FCoE です。TCP/IP を使用せずにファイバ チャネル フレームをイーサネット パケットにカプセル化することを可能にする FCoE は、ユニファイド I/O を実現するテクノロジーの 1 つです。
Cisco MDS 9000 ファミリの特徴には、投資保護に加えて、運用を中断せずにより高いポート密度の SAN スイッチングにアップグレードできるアップグレード パスがあります。たとえば、2002 年に発売された MDS シャーシは、8 Gbps スイッチング、ネットワークベース サービス、および FCoE のサポートをすべて同時に提供しています。

Cisco MDS 9000 ファミリ製品

図 1 に、Cisco MDS 9000 ファミリ製品の概要を示します。

図 1 Cisco MDS 9000 ファミリ:投資保護のための位置付け

図 1 Cisco MDS 9000 ファミリ:投資保護のための位置付け


Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、ディレクタクラス スイッチの水準を高める製品です。業界最高レベルのアベイラビリティ、スケーラビリティ、セキュリティ、および管理機能を提供する Cisco MDS 9500 シリーズの導入により、総所有コスト(TCO)を低く抑えながらパフォーマンスの高い SAN を展開できるようになります。豊富なインテリジェント機能がオープン プロトコルの高性能スイッチ ファブリックに組み込まれており、大規模データセンター ストレージ環境の厳しい要件に対処し、ハイアベイラビリティ、セキュリティ、スケーラビリティ、管理の容易さ、および新しいテクノロジーの透過的な統合を実現します。

  • Cisco MDS 9506 マルチレイヤ ディレクタは、ディレクタクラス スイッチの水準を高める製品です。業界最高レベルのアベイラビリティ、スケーラビリティ、セキュリティ、および管理機能を提供する Cisco MDS 9506 シリーズの導入により、TCO を低く抑えながらパフォーマンスの高い SAN を展開できるようになります。
  • Cisco MDS 9509 マルチレイヤ ディレクタは、ハイパフォーマンスのコアにインテリジェント機能を加えて、ハイアベイラビリティ、セキュリティ、スケーラビリティ、管理の容易さ、および新しいテクノロジーの透過的な統合を妥協なく実現します。
  • Cisco MDS 9500 シリーズの主力製品である Cisco MDS 9513 マルチレイヤ ディレクタは、ディレクタクラス スイッチの水準を高めます。Cisco MDS 9513 が提供する業界最高レベルのスケーラビリティ、アベイラビリティ、セキュリティ、および管理機能により、スケーラビリティおよびパフォーマンスに優れた SAN を展開し、TCO を低く抑え、大規模データセンター ストレージ環境の厳しい要件に対処できるようになります。

Cisco MDS 9200 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチ

Cisco MDS 9200 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチは、高性能なファイバ チャネルと IP を単一のモジュールに統合することで、IP のコスト効率とユビキタス性を活用したより堅牢なビジネス継続性サービスを提供します。ストレージ ネットワークの拡張に合わせて、Cisco MDS 9000 ファミリのモジュールを Cisco MDS 9200 シリーズ スイッチの拡張スロットから Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタに移行できるようになっており、スムーズな移行、共通のスペア、および優れた投資保護という利点があります。

  • Cisco MDS 9222i マルチサービス モジュラ スイッチは、最新技術によるマルチプロトコルと分散型マルチサービスの統合を可能にします。ハイパフォーマンスな SAN 拡張および障害回復ソリューション、Cisco Storage Media Encryption(SME)などのインテリジェント ファブリック サービス、およびコスト効率の高いマルチプロトコル接続を実現できます。Cisco MDS 9222i は、コンパクトなフォーム ファクタ、モジュラ式の拡張スロット、通常はディレクタ クラスのスイッチでしか提供されない高度な機能を備えています。これは、ディレクタに匹敵する機能を低コストで導入する必要がある部門別 SAN やリモート ブランチ オフィス SAN に理想的なソリューションです。

Cisco MDS 9100 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチおよびブレード スイッチ

Cisco MDS 9100 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチとブレード スイッチは、スケーラビリティとコスト効率に優れ、インストールが容易で柔軟な設定が可能な、中堅・中小企業(SMB)にとって最適なファイバ チャネル スイッチです。Cisco MDS 9100 シリーズは魅力的な価格に設定されており、ディレクタ クラスの機能として仮想ストレージ エリア ネットワーク(VSAN)、PortChannel、操作を中断しないコード アップグレード、セキュリティ(認証、許可、およびアカウンティング [AAA]、ロールベース アクセス コントロール [RBAC] など)、拡張トラブルシューティング、診断などの機能をサポートしています。価格は手頃でありながら高度なストレージ ネットワーキング機能を備え、あらゆる規模の企業でインテリジェント SAN の利点を活かすことができます。このファブリック スイッチは、IBM や HP をはじめとする、市場をリードするブレード サーバに対応したブレード スイッチ フォーム ファクタのものも用意されています。

  • Cisco MDS 9134 マルチレイヤ ファブリック スイッチは、Cisco MDS 9124 マルチレイヤ ファブリック スイッチの後継モデルです。Cisco MDS 9134 および 9124 は、小規模なスタンドアロン SAN の基盤としても、大規模なコアエッジ SAN インフラストラクチャのエッジ スイッチとしても使用できます。また、Cisco MDS 9134 スイッチをペアでスタック接続することより、48 ポートまたは 64 ポートの 4 Gbps ファイバ チャネル スイッチを構成できます。
  • MDS 9124 は、コンパクトな 1RU フォームファクタ シャーシに最大 24 個の 4/2/1 Gbps 自動検知ファイバ チャネル ポートを装備しています。Cisco MDS 9124 は、最も要求の厳しい環境でもパフォーマンスとスケーラビリティの要件を満たすことができるように、各ポート専用の帯域幅として 4 Gbps を確保しています。On-demand Port Activation License をサポートする Cisco MDS 9124 には 8 ポート、16 ポート、および 24 ポートの構成があり、予算と成長に合わせて最適な構成を選ぶことができます。

Cisco MDS 9100 シリーズは Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタおよび Cisco MDS 9200 シリーズ スイッチと完全な互換性があり、大規模データセンターのコアエッジに導入することによって透過的なエンドツーエンドのサービスを提供します。

ビジネス上の利点:完全な投資保護

第 3 世代のハードウェアの導入は、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチにとって大きな変化であると言えます。基本的なスイッチ アーキテクチャとフレーム フローはすべてのシャーシで変わらないため、別の世代のモジュールを混在させて使用することも、モジュールの世代を統一して使用することも可能です。

シスコは、投資を保護するために、以前の世代のスイッチング モジュールと共に次世代のスーパーバイザ、スイッチング モジュール、およびシャーシもサポートするようにシステムを設計しています(図 2)。また、新しいモジュールの導入によって、既存シャーシのスケーラビリティ、柔軟性、およびサービサビリティを向上させます。

図 2 投資の保護:容易な移行のための拡張可能なアーキテクチャ

図 2 投資の保護:容易な移行のための拡張可能なアーキテクチャ

Cisco MDS 9500 シリーズのマルチレイヤ ディレクタはいずれも、共通のアーキテクチャ、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェア オペレーティング システム、およびスイッチングとサービスのモジュールが採用されています。モジュールは、Cisco MDS 9500 および 9200 シリーズ全体を通して上位および下位の互換性があります。

Cisco MDS 9000 ファミリによる投資保護の主な特徴

  • スケーラビリティの高いディレクタ:最大 528 ポート
    • 高密度:192/336/528 ポート システム
    • ハイアベイラビリティ:冗長システム帯域幅
    • 高い安定性:Virtual SAN(VSAN; 仮想 SAN)、Inter VSAN Routing(IVR; VSAN 間ルーティング)、および VSAN 単位のファブリック サービス
  • 優れた投資保護
    • 8 Gbps への透過的アップグレード
    • FCoE サポート
    • 上位互換性と下位互換性
    • 単一プラットフォームで 1/2/4/8/10 Gbps に対応
  • FICON(IBM Fibre Connection)、ファイバ チャネル プロトコル、FCIP、および iSCSI のサポート
  • インテリジェント ファブリック アプリケーション
    • ネットワークホスト型のボリューム管理
    • 継続的データ レプリケーション
    • Cisco SME
    • 仮想化
    • データの移行

ケース スタディ

OhioHealth は、オハイオ州の地域社会にサービスと支援を提供する、非営利の慈善医療保健団体です。コロンバスを拠点として、46 の郡全体で 17 の病院、20 の保健診療所、在宅介護業者、医療機器および保健サービス供給業者のネットワークを形成しています。

OhioHealth の統括本部では、組織のスケジューリング、請求処理、および回収業務を行っています。また、中央病院、リバーサイド メソジスト病院、グラント医療センター、ドクターズ病院、ダブリン メソジスト病院など、いくつかの地域にオフィスを構えています。医療保健業界の業務全般がますます電子化および自動化されるにつれて、OhioHealth では、特に放射線科および心臓外科で画像診断に使われるデータの量が増加傾向にありました。帯域幅とストレージ キャパシティを拡張することは、ビジネスの継続性および障害回復機能と同様に、常に求められる課題となりました。

OhioHealth ではすでに、エッジで Cisco Catalyst® 3750 シリーズ スイッチを、コアで Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチを使用しており、訪問者およびスタッフのアクセス用に病院のネットワーク全体でシスコ ワイヤレス ソリューションを展開していました。OhioHealth の IT スタッフは、ストレージ ネットワーキングをアップグレードすることを決定し、そのために Cisco MDS 9509 マルチレイヤ ディレクタ スイッチ 2 台(プライマリおよびセカンダリ データセンターに 1 台ずつ)と各スイッチのポート 244 個で構成されるシスコ SAN を展開しました。IT チームは、市場に流通している各種ストレージ スイッチを評価した結果、スケーラビリティ、管理能力、および投資保護に優れた Cisco MDS 9000 ファミリ ソリューションを選択しました。Cisco MDS 9000 ファミリには VSAN などの機能もあり、2 つのデータセンター間の接続の統合および SAN リソースの利用効率の向上に役立てることができました。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/ps4159/ps6409/ps4358/case_study_c36-468864.pdf (英語)

シスコが選ばれる理由

今日のビジネス環境におけるデータの急増により、企業はデータセンターの運用を、より少数の、より大規模な、より管理しやすい SAN に統合しつつあります。スケーラビリティは不可欠な要素です。データセンターのリソースを効率的に管理および統合すると同時に、変化するビジネス要件に継続的に対応しなければならないからです。Cisco MDS 9000 ファミリ アーキテクチャがあれば、厳しいビジネス ニーズに対応するために、現在のネットワーク全体をアップグレードする必要はありません。Cisco MDS 9000 ファミリは、既存および新規の Cisco MDS 9000 ファミリ モジュラ スイッチング製品との完全な互換性を提供することで、業界をリードする投資保護を実現します。Cisco MDS 9000 ファミリの SAN ソリューションは、長期にわたる投資保護および将来のアーキテクチャとの互換性を維持する設計によって、完全な投資保護の提供実績において業界をリードしています。2002 年に発売された Cisco MDS 9000 ファミリ シャーシは、8 Gbps および FCoE をサポートし、真の投資保護を実現しています。

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