テクノロジー解説

Cisco ネットワーク自動展開・管理ソリューション

企業にとって、ネットワークはいまや、ビジネスの重要な基盤としてなくてはならないものになっています。一方で、それに伴うコストの増大が企業の収益に影響を及ぼしています。厳しい経済情勢が続く中、経営陣が真っ先に削減対象として IT 関連のコストを槍玉に上げるケースも増えています。ネットワークに関するコスト削減は企業にとって重要な課題となりつつあります。

ネットワークのトータル コストのうち、機器の購入費を含む初期導入費用は 20 %にすぎず、 80 %は運用費用が占めると言われています。シスコではこのコストを削減し、グリーン対策やコンプライアンス向上にも有効な「ネットワーク自動展開・管理」のためのソリューションを用意しています。

ネットワークの自動展開・管理はなぜ必要か?

 ビジネス規模が拡大するにつれ、支店などの拠点を多数抱える企業が増えています。しかし、こうした企業の場合、ルータやスイッチ等の CPE(Customer Premise Equipment; 顧客宅内機器)の展開・管理には大変な労力が必要となります。

 最近のルータには豊富な機能が搭載されているため、専門の技術者が現地へ出張し、これらを有効に利用するための設定を個別に行う必要があります。出張費、人件費がかさむうえ、展開までに時間がかかるためにビジネスの俊敏性を損なうばかりか、設定ミスなどのヒューマン エラーのリスクが常についてまわります。設置後も、支店などの拠点には通常ネットワーク管理者が配置されないため、ネットワークの安定稼動や障害対応のための技術者の人件費や出張費など、さまざまな運用コストが企業を圧迫します。 コンプライアンスや内部統制のために割く専用スタッフの人件費もばかになりません。

 こうしたコスト面での課題を解決するのが、ネットワークの自動化ソリューションです。技術者が出張しなくても、自動化によって CPE の導入やソフトウェアのアップデートが拠点単位で行えるようになり、迅速な展開によってビジネス機会の損失を防ぎながら、ネットワーク コストの大幅な削減を実現します。

 シスコでは、導入、管理、サービスの自動化のIOSアーキテクチャである Cisco IOS Software EASy(Embedded Automation Systems)の機能として Catalyst スイッチの自動設定を可能にする Smart Install や Auto Smartports、または運用管理・コンプライアンス対策を自動化する NCM(Network Compliance Manager)など、ネットワーク自動化や運用コスト削減を可能にするさまざまなソリューションを用意しています。 その中でも、真の「ゼロタッチ」展開を実現する製品として、現在ひときわ大きな注目を集めているのが Cisco Configuration Engine です。

Cisco Configuration Engine による「ゼロタッチ」な展開

 Cisco Configuration Engine(CCE)は、サービスプロバイダーや大規模ネットワークを構築する企業において、初期導入の手間を削減し、保守運用のコストを削減するためのネットワーク自動化テクノロジーです。ルータ にケーブルを挿すだけで、中央の設定配信サーバから必要な設定ファイルをダウンロード、適用し、稼動までの設定を自動的に実施します。

 支店などの拠点に、新たにルータを展開する場合を例に、従来の展開方法と、CCE による展開方法を比較してみましょう。

従来の展開モデル

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従来の展開方法には次のような課題がありました。

  • ルータを技術者が持参しなければならない
  • 技術者が設定場所まで出張しなければならない
  • すべて手動で設定を行わなければならない
  • 多数のルータを一度に設定すると大変な工数がかかる
  • 設定時の人為的なミスを防ぐことが難しい

CCE での展開モデル

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 CCE の利用により、次のように解決することができます。

  • ルータを設置場所に出荷できるようになる
  • 技術者が移動時間をかけて出張する必要がなくなる
  • アクセスラインにつなぐだけで適切な設定が自動的にダウンロードされる
  • 多数のルータに設定を一括で送信できる
  • 設定が中央で管理されるため、設定漏れなどを防いで強固なセキュリティを確保できる

 自動化によるメリットは、初期設定時だけにもたらされるわけではありません。例えば、展開後にセキュリティ ホールが見つかった場合など、IOS のセキュリティ アップデートが必要になると、多数のルータに対して手動での作業を行うのでは、莫大な時間とコストがかかります。CCE では、従来のように telnet で 1 台 1 台に接続する必要はなく、Web ベースの管理画面からボタン 1 つで設定処理を送信することができるため、設定のアップデートや IOS のバージョンアップを設定配信サーバから一括で実施できます。大規模な CPE管理を必要とする企業であればあるだけ、自動化によって得られる運用面でのメリットは大きくなります。

 近年、「ゼロタッチ」を標榜しているテクノロジーは他にも見られますが、インターネットのようなセキュリティのない WAN 接続において、「ゼロタッチ」展開をセキュアに実現できるのが CCE の強みのひとつです。日本で主流となっている PPPoE 接続の場合への対応のほか、ルータだけでなくスイッチにも対応している点も、シスコのテクノロジーの特長です。

オフィスの作業環境を自宅にまで拡張する Cisco Virtual Office

CCE による「ゼロタッチ」を活かし、オフィスと同様の作業環境を自宅やリモート オフィスにまで拡張するソリューションが Cisco Virtual Office(CVO) です。遠隔地からでも、プラグアンドプレイで設定を自動的にダウンロード、適用し、オフィスのネットワークへのアクセスを実現するうえ、IP 電話も面倒な設定なしで、オフィスと同じ状態で使えるようになります。自宅での LAN と業務用の LAN はセグメントにより分割されるため、業務上のセキュリティを確保しながら、オフィスのネットワークを遠隔地に拡張します。

Cisco Virtual Office の構成イメージ

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 いつでも、どこからでも、オフィスにいるのと同じ条件でビジネスを進めることができるため、従業員は毎日オフィスに通う必要がなくなり、オフィスの電力消費、電子機器、ワークスペースなどの削減と、従業員のワークライフバランスの向上を実現します。また、設置は従業員自身が CPE をケーブルにつなぐだけで自動的に設定が行われるため、技術者の出張は必要なくなり、IT部門の負担を大幅に軽減します。オフィス機能の分散に貢献するので、厳しい企業環境のなか、オフィスの縮小・移転に伴う業務の縮退リスクの回避にも有効です。

 シスコは実際に、自社の従業員に対して CVO を展開し、TCOを 20 %削減し、従業員の生産性を 29 %向上させながらライフワークバランスの向上を実現し、通勤を減らすことで従業員 1 名あたり年間 2.5 トンの CO2 排出量を削減したという実績を持っています。こうした経験に基づいて構築された CVO は、モバイル オフィスや短期的な小規模拠点、分散型コールセンターなどに広く活用されはじめています。

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