Cisco Exclusive Interview「ハートにブレーキをかけるな! ~赤信号を渡れない人間に未来はない」片山右京

INDEX

  1. たかが F1、ボクにはもっと大切なことがある
  2. 対決! 黒右京 vs 白右京
  3. チャレンジとは、本来の自分を取り戻す行為
  4. まずは小さなことから不良してみませんか?
  5. その人の限界は、自分の予測を遥かに超えたところにある

まずは小さなことから不良してみませんか?

― 永遠の悪ガキみたいなイメージの右京さんも、今年で 41歳。「働き盛り」といえる同世代のビジネスマンに対して何か感じるところはありますか?

「もったいない」ということですね。どうも発想が貧困になっていて、さまざまなことにブレーキがかかっているような感じ。与えられたものの中で生きることに慣れすぎて、もっと自由に楽しめるはずなのに、すっかり去勢されてしまっている。それが大人になることだと勘違いしているんじゃないかな。ボクとしては「ねえ、もっと、ハートで感じようよ」と言いたいです。

人間というのはどうしても事故や失敗を怖がるでしょう。大人になればなるほど、いろいろなエクスキューズを並べて挑戦をしなくなる。ボクはそれが本当にもったいないと思うんですよ。人間って、やりたいことをやってるときが一番元気だし、そういう状態でいると、いいものに出会って、さらに触発されて、世界がどんどん広がっていく。そういう自由な自分にフタをして気づかないふりをしている同世代が多いような気がします。まだまだ人生これからなのに…。

― では、そういう同世代に対し、右京さんから「よく効くアドバイス」をお願いします。

え~と、法律を犯さない範囲で、もっと自由に生きてみたら?と思います。ルールとか決まりを守ることも大事だけれど、自分の感覚で判断したり動いたりできないのは、やっぱりヤバイと思う。これまでの思考の枠組みを外す必要があるんじゃないでしょうか。

F1 時代、ボクは「カミカゼ・ウキョー」とか呼ばれて、キレて走るヤツとして有名だったんですが、やっぱり弱いからキレるわけですよ。もうね、泣きべそかきながら「うわ~ん」って腕を振り回しながら敵に向かっていく子供みたいなもの (笑) 。でも、ただただ守りに入って自分の夢や可能性にセーブをかけるくらいなら、たまにはキレてみる価値もあると思いますよ。

全く車が通らない横断歩道にいるのに、自己判断で赤信号を渡れない人間に未来はない、とボクは思う。そういうギリギリのところでしか見えてこないロマンというものがあるはずなんです。でも、同じことの繰り返しの毎日の中で、それを追えというのは酷な話。だから、あまり罪の意識にとらわれず、まずは小さなことから不良して、自分の殻を壊すことから始めてみたらどうでしょうか。

あ、ボクが言ってるのは「女の子と遊べ」ということじゃないですからね (笑) 。自分自身、自分の命、夢、危険、可能性、そんなものと真剣に遊んでみろ、ということ。自分には夢がないと思う人は、単に忘れているか隠しているだけ。夢がない人なんていませんよ。結果なんて気にしちゃダメ。まずはそれをオモテに出さなくちゃ! ビジネスマンがそうなれば、日本経済にもいい影響があるんじゃないかなあ。

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