PortFast の機能概要
スパニングツリー PortFast 機能により、スイッチ ポートまたはトランク ポートが直接スパニングツリー フォワーディング ステートになり、リスニング ステートとラーニング ステートが省略されます。
単一ワークステーション、スイッチ、またはサーバに接続されたスイッチ ポートまたはトランク ポート上で PortFast を使用すると、ポートがリスニング ステート、ラーニング ステートを経てフォワーディング ステートに移行するのを待たずに、これらの装置をただちにネットワークに接続することができます。
注意 PortFast は、単一エンド ステーションまたはスイッチ ポートとスイッチ ポートの接続に使用できます。スイッチなど、別のレイヤ 2 装置に接続されたポートで PortFast をイネーブルにすると、ネットワーク ループが生じる可能性があります。
スイッチの起動時、または装置がポートに接続された時点で、ポートはスパニングツリー リスニング ステートになります。転送遅延タイマーが満了すると、ポートはラーニング ステートになります。さらにもう一度、転送遅延タイマーが満了すると、ポートはフォワーディング ステートまたはブロッキング ステートに移行します。
スイッチ ポートまたはトランク ポート上で PortFast をイネーブルにすると、ポートはただちにスパニングツリー フォワーディング ステートに移行します。
PortFast BPDU ガードの機能概要
Bridge Protocol Data Unit(BPDU;ブリッジ プロトコル データ ユニット)ガードは、ポートが BPDU を受信した場合に、そのポートを errdisable ステートに移すことによってスパニングツリー ループを防止します。スイッチ上で BPDU ガード機能をイネーブルに設定した場合、インターフェイスが BPDU を受信すると、スパニングツリーはそのインターフェイスをスパニングツリー ブロッキング ステートにする代わりにシャットダウンします。BPDU ガードをグローバルにイネーブルに設定し、ポート単位の設定では BPDU ガードをデフォルトにした場合( スイッチ上での PortFast BPDU ガードの設定 を参照)、BPDU ガードがイネーブルになるかディセーブルになるかは PortFast の設定によって決まります。
ポートの設定がデフォルトでない場合、PortFast は BPDU ガードの設定に影響しません。 表9-1 に、BPDU ガードに関するポート設定のすべての可能性を示します。BPDU ガード機能では、管理者がインターフェイスを手動でサービス状態に戻す必要があるので、無効な設定を防止できます。
表9-1 BPDU ガードのポート設定
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イネーブル |
イネーブル |
デフォルト |
イネーブル |
ディセーブル |
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ディセーブル |
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ディセーブル |
ディセーブル |
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ディセーブル |
イネーブル |
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イネーブル |
PortFast BPDU フィルタリングの機能概要
BPDU フィルタリングを使用することにより、エンド システムに接続されたポート上で BPDU が送信されないようにすることができます。スイッチ上で BPDU フィルタリングをイネーブルに設定した場合、スパニングツリーは、リスニングとラーニングのステートを経ずにポートをただちにフォワーディング ステートにします。BPDU フィルタリングをグローバルにイネーブルに設定し、ポート単位の設定では BPDU フィルタリングをデフォルトにした場合( スイッチ上での PortFast BPDU フィルタリングの設定 を参照)、BPDU フィルタリングがイネーブルになるかディセーブルになるかは PortFast の設定によって決まります。
ポートの設定がデフォルトでない場合、PortFast の設定は BPDU フィルタリングに影響しません。 表9-2 に、BPDU フィルタに関するすべての設定の組み合わせを示します。BPDU フィルタは、エンド ホストが接続されるとすぐに、アクセス ポートがフォワーディング ステートに直接移行できるようにします。
表9-2 BPDU フィルタのポート設定
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イネーブル |
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ディセーブル |
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ディセーブル |
ディセーブル |
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イネーブル |
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イネーブル |
UplinkFast の機能概要
UplinkFast は、スパニングツリー トポロジーの変化後に高速コンバージェンスを行い、アップリンク グループを使用する冗長リンク間でロードバランシングを行います。アップリンク グループは、(VLAN[仮想 LAN]ごとの)ポートの集合であり、どの時点でも、その中の 1 つのポートだけが転送を行います。すなわち、アップリンク グループは、(転送を行う)ルート ポートと、ブロックされたポートの集合で構成されます。ブロックされたポートにはセルフループ ポートは含まれていません。アップリンク グループは、現在転送中のリンクで障害が起きた場合に代替パスを提供します。
(注) UplinkFast は、配線クローゼット スイッチに使用すると最も効果的です。それ以外の用途には、有効でない場合があります。
図9-1 に、リンク障害が発生する前のトポロジーの例を示します。ルート スイッチであるスイッチ A は、リンク L1 を介してスイッチ B に、リンク L2 を介してスイッチ C に直接接続されています。スイッチ B に直接接続されているスイッチ C のポートは、ブロッキング ステートです。
図9-1 直接リンク障害発生前の UplinkFast の例
スイッチ C が、現在アクティブ リンクである L2 上でリンク障害(直接リンク障害)を検出すると、UplinkFast がスイッチ C 上でブロックされていたポートのブロックを解除し、リスニング ステートおよびラーニング ステートを経ずに、ただちにフォワーディング ステートに移行させます(図9-2 を参照)。このスイッチオーバーに要する時間は、1 ~ 5 秒ほどです。
図9-2 直接リンク障害発生後の UplinkFast の例
BackboneFast の機能概要
スイッチ上のルート ポートまたはブロックされたポートが、そのポートの指定ブリッジから下位 BPDU を受信すると、BackboneFast が開始されます。下位 BPDU は、1 台のスイッチをルート ブリッジおよび指定ブリッジの両方として識別します。スイッチが下位 BPDU を受信すると、スイッチはそのスイッチが直接接続されていないリンク(間接リンク)で障害が発生した(つまり、指定ブリッジのルート ブリッジへの接続が切断された)ものとみなします。標準的なスパニングツリー ルールに従っている場合、スイッチは設定済みの最大エージング タイム( set spantree maxage コマンドの agingtime 変数で指定)にわたって下位 BPDU を無視します。
スイッチは、ルート ブリッジへの代替パスの有無を判別します。下位 BPDU がブロック ポートの 1 つに着信すると、スイッチのルート ポートとその他のブロックされたポートがルート ブリッジの代替パスになります(セルフループ ポートはルート ブリッジの代替パスとはみなされません)。下位 BPDU がルート ポートに到達した場合には、すべてのブロックされたポートがルート ブリッジへの代替パスになります。下位 BPDU がルート ポートに到達し、かつブロックされたポートがない場合には、スイッチはルート ブリッジへの接続が切断されたものとみなし、ルートの最大エージング タイムを満了させ、通常のスパニングツリー ルールに従ってルート スイッチになります。
スイッチにルート ブリッジへの代替パスがある場合、スイッチはそれらの代替パスを使用して、ルート ブリッジへのすべての代替パスに対して、Root Link Query Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)と呼ばれる新しい種類の PDU を送信します。ルートへの代替パスがまだあることを判別すると、スイッチは、下位 BPDU を受信したポートの最大エージング タイムを満了させます。ルート ブリッジに対するすべての代替パスが、スイッチとルート ブリッジ間の接続が切断されていることを示している場合には、スイッチは、下位 BPDU を受信したポートの最大エージング タイムを満了させます。1 つまたは複数の代替パスからルート ブリッジに引き続き接続できる場合には、スイッチは、下位 BPDU を受信したすべてのポートを Designated Port(DP; 指定ポート)にして、(ブロッキング ステートになっていた場合)ブロッキング ステートから除外して、リスニング ステートおよびラーニング ステートを経て、フォワーディング ステートに移行させます。
図9-3 に、リンク障害が発生する前のトポロジーの例を示します。ルート スイッチであるスイッチ A は、リンク L1 を介してスイッチ B に、また、リンク L2 を介してスイッチ C に直接接続されています。スイッチ B に直接接続されているスイッチ C のポートは、ブロッキング ステートです。
図9-3 間接リンク障害発生前の BackboneFast の例
リンク L1 で障害が起きた場合、スイッチ C がリンク L1 に直接接続されていないため、スイッチ C はその障害を間接障害として検出します。スイッチ B には、ルート スイッチまでのパスがありません。BackboneFast により、スイッチ C のブロックされたポートは、そのポートに設定されている最大エージング タイムの満了を待たずに、ただちにリスニング ステートに移行します。BackboneFast はさらに、スイッチ C のポートをフォワーディング ステートに移行させ、スイッチ B からスイッチ A までのパスを提供します。このスイッチオーバーに要する時間は、約 30 秒です。図9-4 に、BackboneFast がリンク L1 で発生した障害に応じてどのようにトポロジーを再設定するかを示します。
図9-4 間接リンク障害発生後の BackboneFast の例
新しいスイッチがメディア共有型トポロジーに組み込まれた場合、BackboneFast は起動されません。図9-5 に、新しいスイッチが追加されたメディア共有型トポロジーを示します。新しいスイッチは、自分がルート スイッチであることを伝える下位 BPDU の送信を開始します。ただし、他のスイッチはこれらの下位 BPDU を無視します。その結果、新しいスイッチはスイッチ B がルート スイッチであるスイッチ A への指定ブリッジであることを学習します。
図9-5 メディア共有型トポロジーにおけるスイッチの追加
ループ ガードの機能概要
BPDU がない場合には、単一方向リンク障害によって、ルート ポートまたは代替ポートがルートとして指定される可能性があります。ソフトウェア障害によってはネットワークに一時的なループが引き起こされる場合があります。ループ ガードは、ルート ポートまたは代替ポートが BPDU を受信するかどうかを確認します。ポートが BPDU を受信していない場合、ループ ガードは、再度 BPDU の受信を始めるまで、ポートを inconsistent ステートにします。ループ ガードは障害を切り離して、スパニングツリーを障害リンクや障害ブリッジのない安定したトポロジーに収束させます。
ループ ガードは、ポート単位でイネーブルに設定できます。ループ ガードをイネーブルに設定すると、そのポートが属するすべてのアクティブなインスタンスまたは VLAN に、自動的にループ ガードが適用されます。ループ ガードをディセーブルにすると、指定したポートでループ ガードがディセーブルになります。ループ ガードをディセーブルにすると、すべての loop-inconsistent ポートがリスニング ステートに移行します。
あるチャネルでループ ガードをイネーブルに設定し、最初のリンクが単一方向になる場合は、ループ ガードは、対象となるポートがチャネルから削除されるまでは、チャネル全体をブロックします。図9-6 に示すのは、3 台のスイッチで構成されるループ ガードです。
図9-6 ループ ガード搭載の 3 台のスイッチ構成
図9-6 のスイッチ構成は、次のとおりです。
• スイッチ A および B は、分配スイッチです。
• スイッチ C は、アクセス スイッチです。
• ループ ガードは、スイッチ A、B、および C のポート 3/1 と 3/2 でイネーブルに設定されています。
ループ ガードは、ブロックされたポートがあるトポロジーでのみ使用してください。ブロックされたポートがないトポロジーは、ループフリーで、この機能をイネーブルにする必要がありません。ルート スイッチに対してループ ガードをイネーブルにしても効果はありませんが、ルート スイッチが非ルート スイッチになったときに保護機能を実行します。
ループ ガード使用の際は、次の注意事項に従ってください。
• ループ ガードは、PortFast がイネーブルに設定された VLAN ポートまたはダイナミック VLAN ポートではイネーブルに設定できません。
• ループ ガードが設定されたポートでは、PortFast をイネーブルに設定できません。
• ルート ガードがイネーブルの場合は、ループ ガードをイネーブルにできません。
ループ ガードは、他の機能との間で次のような相互作用があります。
• ループ ガードは、UplinkFast や BackboneFast の機能には影響を与えません。
• 共用リンクに接続されたポートでは、ループ ガードをイネーブルに設定しないでください。
(注) アクセス スイッチのルート ポートおよび代替ポートでは、ループ ガードをイネーブルに設定することを推奨します。
• ルート ガードは、常にポートをルート ポートとして指定させます。ループ ガードが有効なのは、ポートがルート ポートまたは代替ポートである場合だけです。あるポートに対してループ ガードとルート ガードを同時にイネーブルに設定することはできません。
• リンクが確立されると、PortFast はポートをただちにフォワーディング ステートに移行します。PortFast がイネーブルに設定されているポートは、ルート ポートや代替ポートにならないので、同じポートにループ ガードと PortFast を設定することはできません。ポートに対してダイナミック VLAN メンバーシップを割り当てるには、そのポートで PortFast がイネーブルに設定されている必要があります。ダイナミック VLAN メンバーシップを備えた、ループ ガードがイネーブルのポートを設定することはできません。
• ネットワークに、タイプに一貫性のないポートまたは port VLAN identifier(PVID; ポート VLAN ID)に一貫性のないポートがある場合は、設定の誤りが修正されるまで、すべての BPDU が廃棄されます。メッセージが期限切れになると、ポートは一貫性のないステートから移行します。ループ ガードは、タイプに一貫性のないポートや PVID に一貫性のないポートに対するメッセージ エージの期限切れを無視します。ポートがループ ガードによってブロック済みの場合は、ポートで受信された設定の間違った BPDU は、ループ ガードを回復させますが、ポートはタイプに一貫性のないステートまたは PVID に一貫性のないステートに移行されます。
• ハイ アベイラビリティ スイッチ構成では、ループ ガードによってポートがブロック ステートに移行されると、冗長スーパバイザ エンジンへ切り替えたあとでも、ポートはブロックされたままです。新たに起動されたスーパバイザ エンジンがそのポートを回復させるのは、そのポート上で BPDU が受信されたあとです。
• ループ ガードはスパニングツリーが認識しているポートを使用します。ループ ガードは、Port Aggregation Protocol(PAgP)が提供する論理ポートを利用できます。ただし、チャネルを形成するため、そのチャネルに属するすべての物理ポートが、互換性のある構成を備えている必要があります。PAgP は、すべての物理ポート上でルート ガードまたはループ ガードを均一に設定してチャネルを形成します。
ループ ガードは、以下の点について注意が必要です。
–スパニングツリーは、常にチャネルの最初の稼働ポートを選択して BPDU を送信します。そのリンクが単一方向になった場合、ループ ガードは、チャネル内の他のリンクが正常に機能している場合でも、チャネルをブロックします。
–ループ ガードによってすでにブロックされているポート群でチャネルを形成する場合、スパニングツリーは、これらのポートに対するステート情報をすべて失い、新しいチャネル ポートが指定された役割でフォワーディング ステートになることがあります。
–ループ ガードによってチャネルがブロックされ、チャネルが破壊されている場合、スパニングツリーは、ステート情報をすべて失います。チャネルを形成するリンクの 1 つまたは複数が単一方向の場合でも、各物理ポートが指定された役割でフォワーディング ステートになることがあります。
(注) UniDirectional Link Detection(UDLD; 単一方向リンク検出)をイネーブルに設定して、リンク障害を切り離すことができます。UDLD が障害を検出するまでループが発生する可能性がありますが、ループ ガードはそれを検出できません。
• ループ ガードは、ディセーブルになっているスパニングツリー インスタンスや VLAN に対しては無効です。
スイッチ上での PortFast の設定
ここでは、スイッチ上でスパニング ツリー PortFast 機能を設定する手順について説明します。
• 「アクセス ポート上での PortFast のイネーブル化」
• 「トランク ポート上でのスパニングツリー PortFast のイネーブル化」
• 「PortFast のディセーブル化」
• 「PortFast のリセット」
アクセス ポート上での PortFast のイネーブル化
注意 PortFast は、単一エンド ステーションまたはスイッチ ポートとスイッチ ポートの接続に使用できます。スイッチなど、別のレイヤ 2 装置に接続されたポートで PortFast をイネーブルにすると、ネットワーク ループが生じる可能性があります。
スイッチ ポート上で PortFast をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
単一ワークステーション、スイッチ、またはサーバに接続されたスイッチ ポート上で PortFast をイネーブルにします。 |
set spantree portfast mod_num / port_num enable | disable |
ステップ 2 |
スイッチ ポート上の PortFast 設定を確認します。 |
show spantree [ mod_num/port_num ] [ vlan ] |
次に、モジュール 4 のポート 1 で PortFast をイネーブルにし、設定を確認する例を示します(PortFast のステータスは、[Fast-Start] カラムに表示されます)。
Console> (enable) set spantree portfast 4/1 enable
Warning:Connecting Layer 2 devices to a fast start port can cause
temporary spanning tree loops. Use with caution.
Spantree port 4/1 fast start enabled.
Console> (enable) show spantree 4/1
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
4/1 1 blocking 19 20 enabled
4/1 100 forwarding 10 20 enabled
4/1 521 blocking 19 20 enabled
4/1 522 blocking 19 20 enabled
4/1 523 blocking 19 20 enabled
4/1 524 blocking 19 20 enabled
4/1 1003 not-connected 19 20 enabled
4/1 1005 not-connected 19 4 enabled
(注) ポート指定がエッジとして表示された場合、そのポートも PortFast ポートです。「エッジ ポート」を参照してください。
トランク ポート上でのスパニングツリー PortFast のイネーブル化
注意 PortFast は、単一エンド ステーションまたはスイッチ ポートとスイッチ ポートの接続に使用できます。スイッチなど、別のレイヤ 2 装置に接続されたポートで PortFast をイネーブルにすると、ネットワーク ループが生じる可能性があります。
トランク ポート上で PortFast をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
単一ワークステーション、スイッチ、またはサーバに接続されたトランク ポート上で PortFast をイネーブルにします。 |
set spantree portfast mod_num / port_num enable trunk
(注) trunk キーワードを使用しないで set spantree portfast コマンドをトランク ポートに対して入力すると、トランク ポートはディセーブル モードのままになります。
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ステップ 2 |
トランク ポート上の PortFast 設定を確認します。 |
show spantree portfast [ mod_num/port_num ] |
次に、トランク ポートのモジュール 4 のポート 1 上で PortFast をイネーブルにし、このトランク ポートをフォワーディング ステートにして、設定を確認する例を示します(PortFast のステータスは、[Fast-Start] カラムに表示されます)。
Console> (enable) set spantree portfast 4/1 enable trunk
Warning:Connecting Layer 2 devices to a fast start port can cause
temporary spanning tree loops. Use with caution.
Spantree port 4/1 fast start enabled.
Console> (enable) show spantree 4/1
Port Vlan Port-State Cost Prio Portfast
------------------------ ---- ------------- --------- ---- ------------------
4/1 1 blocking 4 32 enabled 0
4/1 100 forwarding 4 32 enabled 0
4/1 521 blocking 4 32 enabled 0
4/1 524 blocking 4 32 enabled 0
4/1 1003 not-connected 4 32 enabled 0
4/1 1005 not-connected 4 32 enabled 0
Console> (enable) show spantree portfast 4/1
Portfast BPDU guard is disabled.
Portfast BPDU filter is disabled.
(注) 2 台のスイッチ間で PortFast がイネーブルの場合、システムはネットワークにループがないことを確認してから、ブロッキング トランクをフォワーディング ステートにします。
PortFast のディセーブル化
スイッチ ポートまたはトランク ポート上で PortFast をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ ポート上で PortFast をディセーブルにします。 |
set spantree portfast mod_num / port_num disable |
ステップ 2 |
PortFast の設定を確認します。 |
show spantree mod_num/port_num |
次に、モジュール 4 のポート 1 上で PortFast をディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set spantree portfast 4/1 disable
Spantree port 4/1 fast start disabled.
PortFast のリセット
スイッチ ポートまたはトランク ポート上で PortFast をリセットし、デフォルトの設定値に戻すには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ ポート上の PortFast をリセットし、デフォルトの設定値に戻します。 |
set spantree portfast mod_num / port_num default |
ステップ 2 |
PortFast の設定を確認します。 |
show spantree mod_num/port_num |
次に、モジュール 4 のポート 1 上で PortFast をリセットし、デフォルトの設定値に戻す例を示します。
Console> (enable) set spantree portfast 4/1 default
Spantree port 4/1 fast start set to default.
Console> (enable) show spantree portfast 4/1
Portfast BPDU guard is disabled.
Portfast BPDU filter is disabled.
スイッチ上での PortFast BPDU ガードの設定
ここでは、スイッチ上で PortFast BPDU ガードを設定する手順について説明します。
• 「PortFast BPDU ガードのイネーブル化」
• 「PortFast BPDU ガードのディセーブル化」
PortFast BPDU ガードのイネーブル化
PortFast 機能はポート単位で設定しますが、PortFast BPDU ガード オプションは、グローバルでもポート単位でも設定できます。
ポート上で PortFast をディセーブルにすると、PortFast BPDU ガードは非アクティブになります。ポートの設定がデフォルト以外の場合は、ポートの設定によってグローバル設定が変更されます。ポートの設定がデフォルトに設定されている場合は、グローバル設定がチェックされます。ポートの設定がイネーブルの場合は、ポートの設定が使用され、グローバル設定は使用されません。
非トランキング スイッチ ポート上で PortFast BPDU ガードをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート単位で BPDU ガードをイネーブルにします。 |
set spantree portfast bpdu-guard mod/port [disable | enable | default] |
ステップ 2 |
PortFast BPDU ガードの設定を確認します。 |
show spantree summary |
次に、スイッチ上で PortFast BPDU ガードをイネーブルにし、Per VLAN Spanning-Tree Plus(PVST+)モードで設定を確認する例を示します。
(注) PVST+ の詳細については、「スパニングツリーの設定」を参照してください。
Console> (enable) set spantree portfast bpdu-guard 6/1 enable
Spantree port 6/1 bpdu guard enabled.
Console> (enable) show spantree summary
Root switch for vlans: none.
Portfast bpdu-guard enabled for bridge.
Uplinkfast disabled for bridge.
Backbonefast disabled for bridge.
Vlan Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
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PortFast BPDU ガードのディセーブル化
スイッチ上で PortFast BPDU ガードをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で PortFast BPDU ガードをディセーブルにします。 |
set spantree portfast bpdu-guard mod/port [disable | enable | default] |
ステップ 2 |
PortFast BPDU ガードの設定を確認します。 |
show spantree summary |
次に、スイッチ上で PortFast BPDU ガードをディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable)
set spantree portfast bpdu-guard disable
Spantree portfast bpdu-guard disabled on this switch.
Console> (enable)
show spantree summary
Summary of connected spanning tree ports by vlan
Portfast bpdu-guard disabled for bridge.
Uplinkfast disabled for bridge.
Backbonefast disabled for bridge.
Vlan Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
スイッチ上での PortFast BPDU フィルタリングの設定
ここでは、スイッチ上で PortFast BPDU フィルタリングを設定する手順について説明します。
• 「PortFast BPDU フィルタリングのイネーブル化」
• 「PortFast BPDU フィルタリングのディセーブル化」
PortFast BPDU フィルタリングのイネーブル化
非トランキング スイッチ ポート上で PortFast BPDU フィルタリングをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート上で BPDU フィルタ ステートを設定します。 |
set spantree portfast bpdu-filter mod/port [disable | enable | default] |
ステップ 2 |
PortFast BPDU フィルタリングの設定を確認します。 |
show spantree summary |
各ポート上の BPDU フィルタリングをデフォルト値に設定します。次に、ポート上で PortFast BPDU フィルタリングをイネーブルにし、PVST+ モードで設定を確認する例を示します。
(注) PVST+ の詳細については、「スパニングツリーの設定」を参照してください。
Console> (enable) set spantree portfast bpdu-filter 6/1 enable
Warning:Ports enabled with bpdu filter will not send BPDUs and drop all
received BPDUs. You may cause loops in the bridged network if you misuse
Console> (enable) show spantree summary
Root switch for vlans: none.
Portfast bpdu-filter enabled for bridge.
Uplinkfast disabled for bridge.
Backbonefast disabled for bridge.
Vlan Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
PortFast BPDU フィルタリングのディセーブル化
スイッチ上で PortFast BPDU フィルタリングをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で PortFast BPDU フィルタリングをディセーブルにします。 |
set spantree portfast bpdu-filter disable |
ステップ 2 |
PortFast BPDU フィルタリングの設定を確認します。 |
show spantree summary show portfast |
次に、スイッチ上で PortFast BPDU フィルタリングをディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable)
set spantree portfast bpdu-filter disable
Spantree portfast bpdu-filter disabled on this switch.
Console> (enable)
show spantree summary
Summary of connected spanning tree ports by vlan
Portfast bpdu-filter disabled for bridge.
Uplinkfast disabled for bridge.
Backbonefast disabled for bridge.
Vlan Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
スイッチ上での UplinkFast の設定
PVST+ または Multi-Instance Spanning-Tree Protocol(MISTP)に、UplinkFast を設定できます。使用するコマンドは同じですが、出力はわずかに異なる場合があります。
(注) MISTP の詳細については、「スパニングツリーの設定」を参照してください。
ここでは、スイッチ上で UplinkFast 機能を設定する手順について説明します。
• 「UplinkFast のイネーブル化」
• 「UplinkFast のディセーブル化」
UplinkFast のイネーブル化
set spantree uplinkfast enable コマンドを実行すると、そのスイッチ上のすべてのポートのパス コストが増加します。その結果、スイッチがルート スイッチになる可能性が低くなります。 station_update_rate の値は、100 ミリ秒間に送信されるマルチキャスト パケットの数を表します(デフォルトでは 15 パケット/100 ミリ秒です)。
(注) set spantree uplinkfast コマンドをイネーブルにすると、このコマンドはスイッチ上のすべての VLAN に影響を及ぼします。個々の VLAN 上で UplinkFast を設定することはできません。
スイッチ上で UplinkFast をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で UplinkFast をイネーブルにします。 |
set spantree uplinkfast enable [ rate station_update_rate ] [ all-protocols off | on ] |
ステップ 2 |
UplinkFast がイネーブルに設定されたことを確認します。 |
show spantree uplinkfast [{ mistp-instance [ instances ]}| vlans ] |
次に、PVST+ モードがイネーブルになっている場合にステーション アップデート レートを 15 パケット/100 ミリ秒にして、UplinkFast をイネーブルにし、さらに、UplinkFast がイネーブルになっていることを確認する例を示します。
Console> (enable) set spantree uplinkfast enable
VLANs 1-4094 bridge priority set to 49152.
The port cost and portvlancost of all ports set to above 3000.
Station update rate set to 15 packets/100ms.
uplinkfast all-protocols field set to off.
uplinkfast enabled for bridge.
Console> (enable) show spantree uplinkfast 1 100 521-524
Station update rate set to 15 packets/100ms.
uplinkfast all-protocols field set to off.
-----------------------------------------------
次に、すべての VLAN について UplinkFast の設定を表示する例を示します。
Console> show spantree uplinkfast
Station update rate set to 15 packets/100ms.
uplinkfast all-protocols field set to off.
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21-50 1/9(fwd), 1/6-1/8, 1/10-1/12
MISTP モードがイネーブルになっている場合に UplinkFast をイネーブルにすると、次の例のような出力が表示されます。
Console> (enable) set spantree uplinkfast enable
Instances 1-16 bridge priority set to 49152.
The port cost and portinstancecost of all ports set to above 10000000.
Station update rate set to 15 packets/100ms.
uplinkfast all-protocols field set to off.
uplinkfast enabled for bridge.
次に、特定のインスタンスについて UplinkFast の設定を表示する例を示します。
Console> show spantree uplinkfast mistp-instance 1
Station update rate set to 15 packets/100ms.
uplinkfast all-protocols field set to off.
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UplinkFast のディセーブル化
set spantree uplinkfast disable コマンドは、スイッチ上で UplinkFast をディセーブルにしますが、スイッチ プライオリティとポート コストの値は出荷時のデフォルトにはリセットされません。
(注) set spantree uplinkfast disable コマンドを入力すると、スイッチ上のすべての VLAN が影響を受けます。個々の VLAN 上で UplinkFast をディセーブルにすることはできません。
スイッチ上で UplinkFast をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で UplinkFast をディセーブルにします。 |
set spantree uplinkfast disable |
ステップ 2 |
UplinkFast がディセーブルに設定されたことを確認します。 |
show spantree uplinkfast |
次に、PVST+ モードがイネーブルになっている場合、スイッチ上で UplinkFast をディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set spantree uplinkfast disable
Uplinkfast disabled for switch.
Use clear spantree uplinkfast to return stp parameters to default.
Console> (enable) show spantree uplinkfast
Station update rate set to 15 packets/100ms.
uplinkfast all-protocols field set to off.
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スイッチ上での BackboneFast の設定
ここでは、BackboneFast の設定手順について説明します。
• 「BackboneFast のイネーブル化」
• 「BackboneFast 統計情報の表示」
• 「BackboneFast のディセーブル化」
BackboneFast のイネーブル化
(注) BackboneFast を使用するには、ネットワーク上のすべてのスイッチで BackboneFast をイネーブルに設定する必要があります。BackboneFast は、トークンリング VLAN ではサポートされていません。この機能は、サードパーティ製のスイッチと組み合わせて使用することができます。
スイッチ上で BackboneFast をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で BackboneFast をイネーブルにします。 |
set spantree backbonefast enable |
ステップ 2 |
BackboneFast がイネーブルに設定されたことを確認します。 |
show spantree backbonefast |
次に、スイッチ上で BackboneFast をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set spantree backbonefast enable
Backbonefast enabled for all VLANs
Console> (enable) show spantree backbonefast
BackboneFast 統計情報の表示
BackboneFast 統計情報を表示するには、イネーブル モードで次のコマンドを入力します。
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BackboneFast 統計情報を表示します。 |
show spantree summary |
次に、BackboneFast 統計情報の表示例を示します。
Console> (enable) show spantree summary
Summary of connected spanning tree ports by vlan
Uplinkfast disabled for bridge.
Backbonefast enabled for bridge.
Vlan Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
----- -------- --------- -------- ---------- ----------
Number of inferior BPDUs received (all VLANs) : 0
Number of RLQ req PDUs received (all VLANs) : 0
Number of RLQ res PDUs received (all VLANs) : 0
Number of RLQ req PDUs transmitted (all VLANs) : 0
Number of RLQ res PDUs transmitted (all VLANs) : 0
BackboneFast のディセーブル化
スイッチ上で BackboneFast をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で BackboneFast をディセーブルにします。 |
set spantree backbonefast disable |
ステップ 2 |
BackboneFast がディセーブルに設定されたことを確認します。 |
show spantree backbonefast |
次に、スイッチ上で BackboneFast をディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set spantree backbonefast disable
Backbonefast enabled for all VLANs
Console> (enable) show spantree backbonefast
スイッチ上でのループ ガードの設定
ここでは、ループ ガードの設定手順について説明します。
• 「ループ ガードのイネーブル化」
• 「ループ ガードのディセーブル化」
ループ ガードのイネーブル化
ポート単位でスパニングツリー ループ ガード機能をイネーブルまたはディセーブルにするには、 set spantree guard コマンドを使用します。
スイッチ上でループ ガードをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート上でループ ガードをイネーブルにします。 |
set spantree guard loop mod/port |
ステップ 2 |
ループ ガードがイネーブルに設定されたことを確認します。 |
show spantree guard { mod/port | vlan } mistp-instance instance |
次に、ループ ガードをイネーブルにする例を示します。
Console> (enable) set spantree guard loop 5/1
Rootguard is enabled on port 5/1, enabling loopguard will disable rootguard on this port.
Do you want to continue (y/n) [n]? y
Loopguard on port 5/1 is enabled.
ループ ガードのディセーブル化
スイッチ上でループ ガードをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート上でループ ガードをディセーブルにします。 |
set spantree guard none mod/port |
ステップ 2 |
ループ ガードがディセーブルに設定されたことを確認します。 |
show spantree guard { mod/port | vlan } mistp-instance instance |
次に、ループ ガードをディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set spantree guard none 5/1
Rootguard is disabled on port 5/1, disabling loopguard will disable rootguard on this port.
Do you want to continue (y/n) [n]? y
Loopguard on port 5/1 is disabled.