CLI へのアクセス
ここでは、CLI にアクセスする手順について説明します。
• 「EIA/TIA-232 コンソール インターフェイス経由で CLI にアクセスする場合」
• 「Telnet を使用して CLI にアクセスする場合」
EIA/TIA-232 コンソール インターフェイス経由で CLI にアクセスする場合
(注) EIA/TIA-232 は、EIA(米国電子工業会)および TIA(米国電気通信工業会)によって認定される以前は、Recommended Standard 232(RS-232)と呼ばれていました。
EIA/TIA-232 コンソール インターフェイスの接続を使用して、初期設定を行います。コンソール インターフェイスのケーブル接続手順については、『 Catalyst 6500 Series Switch Module Installation Guide 』を参照してください。
コンソールを接続するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Return キーを押します。 |
プロンプトを表示します。 |
ステップ 2 |
Router> enable |
イネーブル モードを開始します。 |
ステップ 3 |
Password: password Router# |
イネーブル モードの開始を完了します。 |
ステップ 4 |
Router# quit |
作業が完了したら、セッションを終了します。 |
コンソールに接続すると、次のように表示されます。
Press Return for Console prompt
Telnet を使用して CLI にアクセスする場合
(注) スイッチに Telnet で接続するには、事前に IP アドレスを設定する必要があります(「IPv4 ルーティングおよびアドレスの設定」を参照)。
スイッチは最大 8 つの Telnet セッションを同時にサポートできます。Telnet セッションは、アイドル状態のまま exec-timeout コマンドに指定されている時間が経過すると、自動的に切断されます。
スイッチに Telnet 接続するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
telnet { hostname | ip_addr } |
アクセス対象のスイッチに、リモート ホストから Telnet 接続します。 |
ステップ 2 |
Password: password Router# |
認証を開始します。 (注) パスワードを設定していない場合は、Return キーを押します。 |
ステップ 3 |
Router> enable |
イネーブル モードを開始します。 |
ステップ 4 |
Password: password Router# |
イネーブル モードの開始を完了します。 |
ステップ 5 |
Router# quit |
作業が完了したら、セッションを終了します。 |
次に、スイッチとの Telnet セッションをオープンする例を示します。
unix_host% telnet Router_1
Connected to 172.20.52.40.
Escape character is '^]'.
コマンドラインの処理
コマンドには、大文字と小文字の区別はありません。また、コマンドおよびパラメータは、現在使用可能な他のコマンドまたはパラメータと区別できる文字数まで省略可能です。ヒストリ バッファに格納されている最後の 20 個のコマンドをスクロールして見ることができ、そのコマンドをプロンプトで入力したり編集したりできます。 表 2-1 に、コマンドの入力と編集に使用できるキーボード ショートカットを示します。
表 2-1 キーボード ショートカット
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Ctrl+B キーまたは 左矢印キー |
カーソルを 1 文字分だけ後退させます。 |
Ctrl+F キーまたは 右矢印キー 1 |
カーソルを 1 文字分だけ進めます。 |
Ctrl+A キー |
コマンドラインの先頭にカーソルを移動します。 |
Ctrl+E キー |
コマンドラインの末尾にカーソルを移動します。 |
Esc、B キー |
単語 1 つ分だけカーソルを後退させます。 |
Esc、F キー |
単語 1 つ分だけカーソルを進めます。 |
ヒストリ置換
ヒストリ バッファには、直前に入力した 20 個のコマンドが保存されます。特別な省略コマンドを使用して、再入力せずに保存されているコマンドにアクセスすることができます。 表 2-2 に、ヒストリ置換コマンドを示します。
表 2-2 ヒストリ置換コマンド
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Ctrl+P キーまたは上矢印キー |
直前に入力されたコマンドから始めて、ヒストリ バッファに保管されているコマンドを呼び出します。キー シーケンスを繰り返すと、さらに古いコマンドが順に呼び出されます。 |
Ctrl+N キーまたは下矢印キー 1 |
Ctrl+P キーまたは上矢印キーを使用してコマンドを呼び出したあと、ヒストリ バッファ内のより新しいコマンドに戻ります。キー シーケンスを繰り返すと、さらに新しいコマンドが順に呼び出されます。 |
Router# show history |
EXEC モードで、直前に入力したいくつかのコマンドを表示します。 |
Cisco IOS コマンド モード
(注) Cisco IOS コマンド モードの詳細については、次の URL にある『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_2/configfun/configuration/guide/ffun_c.html
Cisco IOS ユーザ インターフェイスには、多数のモードがあります。使用できるコマンドは、どのモードにいるかによって変わってきます。自分がいるモードで使用できるコマンドの一覧を確認するには、システム プロンプトに疑問符(?)を入力します。「Cisco IOS コマンド リストおよび構文の表示」を参照してください。
スイッチ上でセッションを開始すると、ユーザ モード(別名ユーザ EXEC モード)から始まります。EXEC モードでは、限られた一部のコマンドしか使用できません。すべてのコマンドを使用できるようにするには、特権 EXEC モードを開始する必要があります。特権 EXEC モードにアクセスするには、通常、パスワードの入力が必要です。特権 EXEC モードでは、任意の EXEC コマンドを入力できるほか、グローバル コンフィギュレーション モードにアクセスできます。
コンフィギュレーション モードでは、実行コンフィギュレーションの変更を行うことができます。コンフィギュレーションを保存すると、再起動後もそれらのコマンドが保存されます。最初にグローバル コンフィギュレーション モードを開始する必要があります。グローバル コンフィギュレーション モードから、インターフェイス コンフィギュレーション モード、サブインターフェイス コンフィギュレーション モード、および各種プロトコル固有のモードを開始できます。
(注) Release 12.1(11b)E 以降では、コンフィギュレーション モードで、コマンドの前に do キーワードを入力することによって、EXEC モード レベル コマンドを入力できます。
ROM モニタ モードは、スイッチを正常に起動できない場合に使用される独立したモードです。たとえば、スイッチの起動時に有効なシステム イメージが見つからない場合、またはスイッチのコンフィギュレーション ファイルが壊れている場合に、スイッチで ROM モニタ モードが開始されることがあります。「CLI のセキュリティ確保」を参照してください。
表 2-3 に、使用頻度の高い Cisco IOS モードについて説明します。
表 2-3 使用頻度の高い Cisco IOS コマンド モード
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ユーザ EXEC |
リモート装置への接続、端末の一時的な設定変更、基本的なテストの実行、およびシステム情報の表示。 |
ログインします。 |
Router> |
特権 EXEC |
動作パラメータの設定。イネーブル コマンド セットには、 configure コマンドのほかにユーザ EXEC モードのコマンドが含まれます。このコマンドを使用して、別のコマンド モードにアクセスします。 |
ユーザ EXEC モードで、 enable コマンドおよびイネーブル パスワードを入力します。 |
Router# |
グローバル コンフィギュレーション |
システム全体に作用する機能の設定。 |
特権 EXEC モードで、 configure terminal コマンドを入力します。 |
Router(config)# |
インターフェイス コンフィギュレーション |
インターフェイス別に使用できるさまざまな機能があります。インターフェイス コマンドを実行すると、インターフェイスの動作がイネーブルになるか、または変更されます。 |
グローバル コンフィギュレーション モードで、 interface type slot/port コマンドを入力します。 |
Router(config-if)# |
コンソール コンフィギュレーション |
直接接続されたコンソールまたは Telnet 接続による仮想端末から、このコンフィギュレーション モードを使用してコンソール インターフェイスを設定します。 |
グローバル コンフィギュレーション モードで、 line console 0 コマンドを入力します。 |
Router(config-line)# |
ユーザが入力するコマンドは、Cisco IOS コマンド インタープリタ(別名 EXEC)によって認識および実行されます。コマンドを入力する際、他のコマンドと区別がつく文字数だけを入力し、コマンドおよびキーワードを省略できます。たとえば、 show コマンドは sh 、 configure terminal コマンドは config t に省略できます。
exit と入力すると、スイッチは 1 つ前のレベルに戻ります。コンフィギュレーション モードを完全に終了して特権 EXEC モードに戻るには、 Ctrl+Z キーを押します。
Cisco IOS コマンド リストおよび構文の表示
どのコマンド モードでも、疑問符(?)を入力することにより、使用できるコマンドのリストを表示できます。
特定の文字シーケンスで始まるコマンドのリストを表示するには、それらの文字を入力し、そのあとに疑問符(?)を入力します。スペースは入れません。この形式のヘルプは、ユーザに代わって 1 つの単語を完成させるので、ワード ヘルプといいます。
collect configure connect copy
キーワードまたは引数のリストを表示するには、キーワードまたは引数の代わりに疑問符を入力します。疑問符の前にスペースを 1 つ入れてください。この形式のヘルプは、すでに入力したコマンド、キーワード、および引数に基づいて、使用できるキーワードまたは引数を表示するので、コマンド構文ヘルプといいます。
次に、例を示します。
memory Configure from NV memory
network Configure from a TFTP network host
overwrite-network Overwrite NV memory from TFTP network host
terminal Configure from the terminal
前に入力したコマンドを再表示するには、上矢印キーまたは Ctrl+P キーを押します。上矢印キーを続けて押すことにより、直前に入力したコマンドを 20 個まで表示できます。
ヒント コマンドの入力において問題が生じた場合は、システム プロンプトを確認するとともに、疑問符(?)を入力して使用できるコマンドのリストを表示してください。コマンド モードが間違っているか、間違った構文を使用している可能性があります。
1 つ前のモードに戻るには、 exit を入力します。どのモードでも、 Ctrl+Z キーを押すか、または end コマンドを入力すると、直接特権 EXEC モードに戻ります。
ROM モニタの CLI
ROM モニタは、プラットフォームの電源投入時、リセット時、または重大な例外が発生したときに実行される ROM ベースのプログラムです。ROM モニタ モードが開始されるのは、スイッチが有効なソフトウェア イメージを見つけることができなかった場合、NVRAM 内のコンフィギュレーションが壊れていた場合、またはコンフィギュレーション レジスタが ROM モニタ モードを開始するように設定されていた場合です。ROM モニタ モードで、フラッシュ メモリ、ネットワーク サーバ ファイル、またはブートフラッシュから、ソフトウェア イメージを手動でロードできます。
スイッチを再起動し、起動から 60 秒以内に Break キーを押して、ROM モニタ モードを開始することもできます。
(注) コンフィギュレーション レジスタの設定で、Break キーがオフに設定されているかどうかに関係なく、再起動から 60 秒間は常に Break キーが有効です。
端末サーバから ROM モニタ モードにアクセスするには、エスケープによって Telnet プロンプトを表示し、端末エミュレーション プログラムで send break コマンドを入力し、ROM モニタ モードを開始します。
ROM モニタ モードが開始されると、プロンプトが rommon 1> になります。疑問符( ? )を入力すると、使用できる ROM モニタ コマンドが表示されます。
ROM モニタコマンドについての詳細は、『 Catalyst Supervisor Engine 32 PISA Cisco IOS Command Reference , Release 12.2ZY』を参照してください。