EtherChannel の機能概要
ここでは、EtherChannel の機能について説明します。
• 「EtherChannel 機能の概要」
• 「EtherChannel の設定方法」
• 「ポートチャネル インターフェイスの概要」
• 「ロードバランスの概要」
EtherChannel 機能の概要
EtherChannel は、個々のイーサネット リンクを 1 つの論理リンクにバンドルすることによって、最大 8 つの物理リンクを合計した帯域幅を提供します。EtherChannel の最大数は 128 です。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチの任意のモジュール上の(設定に互換性のある)LAN ポートを 8 つまで使用して、1 つの EtherChannel を形成できます。各 EtherChannel の LAN ポートは、すべて同じ速度で、レイヤ 2 ポートまたはレイヤ 3 LAN ポートのどちらか一方として設定されている必要があります。
(注) Catalyst 6500 シリーズ スイッチに接続するネットワーク装置によって、1 つの EtherChannel にバンドルできるポート数が制限される場合があります。
EtherChannel 内のセグメントで障害が発生すると、障害リンク上でそれまで伝送されていたトラフィックがその EtherChannel 内の残りのセグメントに切り替えられます。障害が発生した場合、EtherChannel 機能はスイッチ、EtherChannel、および障害リンクを識別するトラップを送信します。EtherChannel の 1 つのセグメントに着信したブロードキャストおよびマルチキャスト パケットが、EtherChannel の別のセグメントに戻されることはありません。
EtherChannel の設定の概要
EtherChannel を形成するには、EtherChannel を手動で設定するか、Port Aggregation Control Protocol(PAgP)または Link Aggregation Control Protocol(LACP)を使用します。EtherChannel プロトコルを使用すると、接続先のネットワーク装置とダイナミックにネゴシエーションを行うことにより、同様な特性を持つポートが EtherChannel を形成できます。PAgP はシスコ システムズ独自のプロトコルであり、LACP は IEEE 802.3ad で定義されたプロトコルです。
PAgP および LACP はお互いに相互運用しません。PAgP を使用するように設定されたポートは、LACP を使用するように設定されたポートと EtherChannel を形成できません。LACP を使用するように設定されたポートは、PAgP を使用するように設定されたポートと EtherChannel を形成できません。
表 10-1 に、ユーザ側で設定変更可能な 3 つの EtherChannel モードを示します。
表 10-1 EtherChannel のモード
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on |
LAN ポートを無条件かつ強制的にチャネル化するモード。 on モードでは、 on モードの LAN ポート グループが、 on モードの別の LAN ポート グループに接続されている場合だけ、使用可能な EtherChannel が存在します。 on モードで設定されたポートはネゴシエーションを行わないため、ポート間にネゴシエーション トラフィックは発生しません。EtherChannel プロトコルでは、 on モードを設定できません。 |
auto |
PAgP モード。LAN ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。ポートは受信した PAgP パケットには応答しますが、PAgP ネゴシエーションは開始しません (デフォルト)。 |
desirable |
PAgP モード。LAN ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。ポートは PAgP パケットを送信して、他の LAN ポートとのネゴシエーションを開始します。 |
passive |
LACP モード。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。ポートは受信した LACP パケットには応答しますが、LACP ネゴシエーションは開始しません (デフォルト)。 |
active |
LACP モード。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。ポートは LACP パケットを送信して、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 |
EtherChannel の手動設定
手動設定された EtherChannel ポートは、EtherChannel プロトコル パケットを交換しません。手動設定された EtherChannel が形成されるのは、EtherChannel 内のすべてのポート設定に互換性がある場合だけです。
PAgP による EtherChannel 設定
PAgP を使用すると、LAN ポート間で PAgP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。PAgP パケットが交換されるのは、 auto モードおよび desirable モードのポート間に限られます。
このプロトコルは、LAN ポート グループの機能をダイナミックに学習し、他の LAN ポートに通知します。PAgP は、正確に一致しているイーサネット リンクを識別すると、これらのリンクを 1 つの EtherChannel としてまとめます。作成された EtherChannel は、単一ブリッジ ポートとしてスパニングツリーに追加されます。
auto モードおよび desirable モードでは、PAgP は LAN ポート間でネゴシエーションを行い、ポート速度、トランキング ステートなどの一定の基準に従って EtherChannel を形成できるかどうかを判別します。レイヤ 2 EtherChannel は VLAN 番号も使用します。
LAN ポート間で PAgP モードが異なっていても、モードが矛盾しないかぎり EtherChannel を形成できます。次に、例を示します。
• desirable モードの LAN ポートは、 desirable モードの別の LAN ポートと EtherChannel を形成できます。
• desirable モードの LAN ポートは、 auto モードの別の LAN ポートと EtherChannel を形成できます。
• auto モードの LAN ポートは、どちらのポートもネゴシエーションを開始しないので、 auto モードの別の LAN ポートとは EtherChannel を形成できません。
IEEE 802.3ad LACP による EtherChannel の設定
LACP では、LAN ポート間で LACP パケットを交換することによる、EtherChannel の自動作成をサポートしています。LACP パケットが交換されるのは、 passive モードおよび active モードのポート間に限られます。
このプロトコルは、LAN ポート グループの機能をダイナミックに学習し、他の LAN ポートに通知します。LACP は、正確に一致しているイーサネット リンクを識別すると、これらのリンクを 1 つの EtherChannel としてまとめます。作成された EtherChannel は、単一ブリッジ ポートとしてスパニングツリーに追加されます。
passive モードおよび active モードでは、LACP は LAN ポート間でネゴシエーションを行い、ポート速度、トランキング ステートなどの一定の基準に従って EtherChannel を形成できるかどうかを判別します。レイヤ 2 EtherChannel は VLAN 番号も使用します。
LAN ポート間で LACP モードが異なっていても、モードが矛盾しないかぎり EtherChannel を形成できます。次に、例を示します。
• active モードの LAN ポートは、 active モードの別の LAN ポートと EtherChannel を形成できます。
• active モードの LAN ポートは、 passive モードの別の LAN ポートと EtherChannel を形成できます。
• passive モードの LAN ポートは、どちらのポートもネゴシエーションを開始しないので、 passive モードの別の LAN ポートとは EtherChannel を形成できません。
LACP では次のパラメータを使用します。
• LACP システム プライオリティ:LACP が稼動しているスイッチごとに LACP システム プライオリティを設定する必要があります。システム プライオリティは自動設定、または CLI から設定することができます(「LACP のシステム プライオリティおよびシステム ID の設定」を参照)。LACP はシステム ID を形成するために、システム プライオリティとスイッチの Media Access Control(MAC; メディア アクセス制御)アドレスを使用します。また、他のシステムとのネゴシエーション中にもこれらを使用します。
(注) LACP のシステム ID は、LACP システム プライオリティ値とスイッチの MAC アドレスを組み合わせたものです。
• LACP ポート プライオリティ:LACP を使用するように設定されたポートごとに、LACP ポート プライオリティを設定する必要があります。ポート プライオリティは自動設定、または CLI から設定することができます(「チャネル グループの設定」 を参照)。LACP はポート プライオリティとポート番号を使用してポート ID を形成します。ハードウェアの制限により互換性のあるすべてのポートを集約できない場合、LACP はポート プライオリティを使用して、スタンバイ モードにする必要があるポートを決定します。
• LACP 管理キー:LACP は、LACP を使用するように設定されたポートごとに、チャネル グループ ID 番号と同じ管理キー値を自動的に設定します。管理キーは、他のポートと集約されるポートの機能を定義します。他のポートと集約されるポート機能は、次の要因によって決まります。
– データ レート、デュプレックス機能、ポイントツーポイント型や共有型メディアなどのポートの物理特性
– ユーザが作成した設定に関する制限事項
LACP を使用するように設定されたポート上で、LACP は EtherChannel 内の互換性のあるポートの最大数を、ハードウェアで許容されている最大数(8 ポート)以下の値で設定しようとします。互換性のあるすべてのポートを LACP が集約できない場合(たとえば、リモート システムのハードウェア制限が厳しい場合)、チャネルにアクティブに追加できないすべてのポートはホット スタンバイ ステートになり、チャネル ポートのいずれかに障害が発生した場合だけ使用されます。さらに 8 個のスタンバイ ポートを設定できます(EtherChannel には合計 16 個のポートが関連付けられます)。
ポートチャネル インターフェイスの概要
各 EtherChannel には、番号付きのポートチャネル インターフェイスが 1 つずつあります。1 ~ 256 の番号を割り振って、最大 128 個のポートチャネル インターフェイスを設定できます。ポートチャネル インターフェイスに適用した設定は、そのポートチャネル インターフェイスに割り当てられているすべての LAN ポートに影響します。
EtherChannel を設定すると、ポートチャネル インターフェイスに適用した設定は、EtherChannel に作用します。一方、LAN ポートに適用した設定は、適用先の LAN ポートだけに作用します。EtherChannel の全ポートのパラメータを変更する場合は、Spanning-Tree Protocol(STP; スパニングツリー プロトコル)コマンドまたはレイヤ 2 EtherChannel をトランクとして設定するコマンドなどのコンフィギュレーション コマンドをポート チャネル インターフェイスに適用します。
ロードバランスの概要
EtherChannel は、フレーム内のアドレスに基づいて形成されたバイナリ パターンの一部を、チャネル内の 1 つのリンクを選択する数値に変換することによって、EtherChannel 内のリンク間でトラフィックの負荷を分散させます。
EtherChannel のロードバランスには、MAC アドレスまたは IP アドレスを使用できます。EtherChannel のロードバランスにはレイヤ 4 ポート番号も使用できます。EtherChannel のロードバランスには、送信元と宛先のいずれか、または送信元と宛先の両方のアドレス、またはポートを使用できます。選択したモードは、スイッチ上で設定されているすべての EtherChannel に適用されます。EtherChannel のロードバランスには Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)レイヤ 2 ポート情報も使用できます。
使用する設定で最多の種類のロードバランス条件を提供するオプションを使用してください。たとえば、EtherChannel 上のトラフィックが 1 つの MAC アドレスだけに送信され、かつ EtherChannel ロードバランスの基準として宛先 MAC アドレスを使用している場合、EtherChannel は常に EtherChannel 内の同じリンクを選択します。IP アドレスの送信元アドレスを使用すると、ロードバランスが向上することがあります。
EtherChannel 機能の設定時の注意事項および制約事項
EtherChannel インターフェイスを正しく設定しないと、ネットワーク ループなどの問題を回避するために、一部の EtherChannel インターフェイスが自動的にディセーブルになることがあります。設定に関する問題を回避するために、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• この章で説明するコマンドは、スーパーバイザ エンジンおよび冗長スーパーバイザ エンジンのポートも含めて、Catalyst 6500 シリーズ スイッチのすべての LAN ポートに対して使用できます。
• WS-X6148-GE-TX および WS-X6148V-GE-TX スイッチング モジュールは、EtherChannel 単位で 1Gbps を超えるトラフィックをサポートしません。
• EtherChannel への(Inter Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)トランキングをサポートしていないメンバー ポートを追加すると、Cisco IOS ソフトウェアは、EtherChannel を ISL トランクとして設定しないように、自動的に switchport trunk encapsulation dot1q コマンドをポート チャネル インターフェイスに追加します。EtherChannel がトランクでない場合、 switchport trunk encapsulation dot1q コマンドが非アクティブになります。
• 冗長スーパーバイザ エンジン上のポートも含めて、すべてのモジュール上のすべてのイーサネット LAN ポートが、EtherChannel(最大 8 つの LAN ポート)をサポートします。これらの LAN ポートは、物理的に隣接している LAN ポートでなくても、また同じモジュール上の LAN ポートでなくてもかまいません。
• 同じ EtherChannel プロトコルを使用するように EtherChannel 内のすべての LAN ポートを設定します。1 つの EtherChannel 内で 2 つの EtherChannel プロトコルを実行することはできません。
• EtherChannel 内のすべての LAN ポートが、同じ速度および同じデュプレックス モードで動作するように設定してください。
• LACP は半二重をサポートしません。LACP EtherChannel 内の半二重ポートは中断ステートになります。
• EtherChannel のすべての LAN ポートをイネーブルにしてください。EtherChannel 内の LAN ポートを 1 つシャットダウンすると、リンク障害として扱われ、そのポートのトラフィックが EtherChannel 内の残りのポートの 1 つに転送されます。
• LAN ポートの 1 つが Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)宛先ポートである場合には、EtherChannel は形成されません。
• レイヤ 3 EtherChannel の場合は、チャネル内の LAN ポートに対してではなく、ポート チャネル論理インターフェイスに対してレイヤ 3 アドレスを割り当ててください。
• レイヤ 2 EtherChannel の場合
– EtherChannel 内のすべての LAN ポートを同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定してください。
– トランキング LAN ポートから EtherChannel を設定する場合は、すべてのトランクでトランキング モードが同じであることを確認してください。EtherChannel 内の LAN ポートをそれぞれ異なるトランク モードに設定すると、予期しない結果が生じる可能性があります。
– EtherChannel は、トランキング レイヤ 2 EtherChannel 内のすべての LAN ポートで同じ許容範囲の VLAN をサポートします。VLAN の許容範囲が異なる場合、LAN ポートは EtherChannel を形成しません。
– STP ポート パス コストが異なる LAN ポートは、設定に互換性があるかぎり、EtherChannel を形成できます。異なる STP ポート パス コストを設定しても、LAN ポートが EtherChannel を形成できなくなるわけではありません。
– プロトコル フィルタリングの設定が LAN ポートで異なっている場合には、EtherChannel を形成できません。
• EtherChannel の設定後は、ポート チャネル インターフェイスに適用した設定が EtherChannel に作用します。LAN ポートに適用した設定は、設定を適用した LAN ポートだけに作用します。
• QoS(Quality of Service)がイネーブルであれば、 no mls qos channel-consistency ポートチャネル インターフェイス コマンドを入力し、完全優先キューのあるポートと完全優先キューのないポートを持つ EtherChannel をサポートします。
EtherChannel の設定
ここでは、EtherChannel を設定する手順について説明します。
• 「レイヤ 3 EtherChannel のポート チャネル論理インターフェイスの設定」
• 「チャネル グループの設定」
• 「EtherChannel ロードバランスの設定」
• 「EtherChannel Min-Links 機能の設定」
(注) LAN ポートが正しく設定されていることを確認してください(「EtherChannel 機能の設定時の注意事項および制約事項」を参照)。
レイヤ 3 EtherChannel のポート チャネル論理インターフェイスの設定
(注) • レイヤ 2 EtherChannel を設定する場合は、手動で作成したポート チャネル論理インターフェイスにレイヤ 2 LAN ポートを追加できません。レイヤ 2 EtherChannel を設定している場合は、ここに記載されている手順を実行しないでください(「チャネル グループの設定」を参照)。
• レイヤ 3 EtherChannel を設定する場合は、ここに記載されたポート チャネル論理インターフェイスを手動で作成し、レイヤ 3 LAN ポートをチャネル グループに追加する必要があります(「チャネル グループの設定」を参照)。
• レイヤ 3 LAN ポートから EtherChannel に IP アドレスを移動するには、レイヤ 3 LAN ポートから IP アドレスを削除したあとで、その IP アドレスをポート チャネル論理インターフェイス上で設定する必要があります。
レイヤ 3 EtherChannel 用のポートチャネル インターフェイスを作成するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface port-channel number |
ポートチャネル インターフェイスを作成します。 |
Router(config)# no interface port-channel number |
ポートチャネル インターフェイスを削除します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# ip address ip_address mask |
EtherChannel に IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 |
Router# show running-config interface port-channel group_number |
設定を確認します。 |
group_number には 1 ~ 256 を指定できます。最大 128 のポートチャネル インターフェイスを設定できます。次に、インターフェイス Port-channel 1 を作成する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface port-channel 1
Router(config-if)# ip address 172.32.52.10 255.255.255.0
次に、インターフェイス Port-channel 1 の設定を確認する例を示します。
Router# show running-config interface port-channel 1
Building configuration...
ip address 172.32.52.10 255.255.255.0
チャネル グループの設定
(注) • レイヤ 3 EtherChannel を設定する場合は、ポート チャネル論理インターフェイスを手動で作成してから(「レイヤ 3 EtherChannel のポート チャネル論理インターフェイスの設定」を参照)、ここに記載されているように、レイヤ 3 LAN ポートをチャネル グループに追加する必要があります。
• レイヤ 2 EtherChannel を設定するには、ここに記載されているように、ポート チャネル論理インターフェイスを自動作成する channel-group コマンドを使用して、LAN ポートを設定します。手動で作成したポート チャネル インターフェイスにレイヤ 2 LAN ポートを組み込むことはできません。
• Cisco IOS がレイヤ 2 EtherChannel 用のポート チャネル インターフェイスを作成するには、レイヤ 2 LAN ポートが接続され、動作している必要があります。
チャネル グループを設定するには、LAN ポートごとに次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface type slot/port |
設定する LAN ポートを選択します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# no ip address |
この LAN ポートに IP アドレスが割り当てられていないことを確認します。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# channel-protocol ( lacp | pagp } |
(任意)選択した LAN ポート上で、 channel-group コマンドの適用範囲を、 channel-protocol コマンドを使用して設定された EtherChannel プロトコルに制限します。 |
Router(config-if)# no channel-protocol |
制限を解除します。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# channel-group number mode { active | auto | desirable | on | passive } |
ポートチャネル内の LAN ポートを設定し、モードを指定します(表 10-1を参照)。PAgP は、auto および desirable モードだけをサポートします。LACP は、active および passive モードだけをサポートします。 |
Router(config-if)# no channel-group |
チャネル グループから LAN ポートを削除します。 |
ステップ 5 |
Router(config-if)# lacp port-priority priority_value |
(任意(LACP 用))有効な値は 1 ~ 65535 です。値が大きいほど、プライオリティは低くなります。デフォルト値は 32768 です。 |
Router(config-if)# no lacp port-priority |
デフォルト値に戻します。 |
ステップ 6 |
Router(config-if)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 7 |
Router# show running-config interface type 1 slot/port Router# show interfaces type 1 slot/port etherchannel |
設定を確認します。 |
次に、ポート FastEthernet 5/6 および 5/7 を、ポートチャネル 2、PAgP、モード desirable に設定する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface range fastethernet 5/6 -7
Router(config-if)# channel-group 2 mode desirable
(注) range キーワードの詳細については、「インターフェイスの範囲設定」を参照してください。
次に、インターフェイス Port-channel 2 の設定を確認する例を示します。
Router# show running-config interface port-channel 2
Building configuration...
switchport access vlan 10
次に、ポート FastEthernet 5/6 の設定を確認する例を示します。
Router# show running-config interface fastethernet 5/6
Building configuration...
interface FastEthernet5/6
switchport access vlan 10
channel-group 2 mode desirable
Router# show interfaces fastethernet 5/6 etherchannel
Port state = Down Not-in-Bndl
Channel group = 12 Mode = Desirable-Sl Gcchange = 0
Port-channel = null GC = 0x00000000 Pseudo port-channel = Po1
Port index = 0 Load = 0x00 Protocol = PAgP
Flags: S - Device is sending Slow hello. C - Device is in Consistent state.
A - Device is in Auto mode. P - Device learns on physical port.
Timers: H - Hello timer is running. Q - Quit timer is running.
S - Switching timer is running. I - Interface timer is running.
Hello Partner PAgP Learning Group
Port Flags State Timers Interval Count Priority Method Ifindex
Fa5/2 d U1/S1 1s 0 128 Any 0
Age of the port in the current state: 04d:18h:57m:19s
次に、LAN ポートを設定したあとに、インターフェイス Port-channel 2 の設定を確認する例を示します。
Router# show etherchannel 12 port-channel
Port-channels in the group:
Age of the Port-channel = 04d:18h:58m:50s
Logical slot/port = 14/1 Number of ports = 0
GC = 0x00000000 HotStandBy port = null
Port state = Port-channel Ag-Not-Inuse
LACP のシステム プライオリティおよびシステム ID の設定
LACP のシステム ID は、LACP システム プライオリティ値とスイッチの MAC アドレスを組み合わせたものです。
LACP のシステム プライオリティおよびシステム ID を設定するには、次の作業を実行します。
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ステップ 1 |
Router(config)# lacp system-priority priority_value |
(任意(LACP 用))有効な値は 1 ~ 65535 です。値が大きいほど、プライオリティは低くなります。デフォルト値は 32768 です。 |
Router(config)# no lacp system-priority |
デフォルト値に戻します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 3 |
Router# show lacp sys-id |
設定を確認します。 |
次に、LACP のシステム プライオリティを設定する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# lacp system-priority 23456
次に、設定を確認する例を示します。
システム プライオリティが最初に表示され、次にスイッチの MAC アドレスが表示されます。
EtherChannel ロードバランスの設定
EtherChannel ロードバランスを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# port-channel load-balance { src-mac | dst-mac | src-dst-mac | src-ip | dst-ip | src-dst-ip | src-port | dst-port | src-dst-port } |
EtherChannel ロードバランスを設定します。 |
Router(config)# no port-channel load-balance |
デフォルトの EtherChannel ロードバランスに戻します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 3 |
Router# show etherchannel load-balance |
設定を確認します。 |
ロードバランスのキーワードの意味は、次のとおりです。
• dst-ip :宛先 IP アドレス
• dst-mac :宛先 MAC アドレス
• dst-port :宛先レイヤ 4 ポート
• mpls :MPLS パケットのロードバランス
• src-dst-ip :送信元および宛先 IP アドレス
• src-dst-mac :送信元および宛先 MAC アドレス
• src-dst-port :送信元および宛先レイヤ 4 ポート
• src-ip :送信元 IP アドレス
• src-mac :送信元 MAC アドレス
• src-port :送信元レイヤ 4 ポート
次に、送信元および宛先 IP アドレスを使用するように EtherChannel を設定する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# port-channel load-balance src-dst-ip
次に、設定を確認する例を示します。
Router# show etherchannel load-balance
Source XOR Destination IP address
EtherChannel Min-Links 機能の設定
EtherChannel Min-Links 機能は、 LACP EtherChannel でサポートされています。この機能を使用すると、リンク アップ ステートであり、かつリンク アップ ステートに移行させるためにポート チャネル インターフェイスの EtherChannel にバンドルされていなければならないメンバー ポートの最小数を設定できます。EtherChannel Min-Links 機能を使用して低帯域幅の LACP EtherChannel をアクティブにしないようにできます。またこの機能により、アクティブなメンバー ポートが少なすぎて必要な最小帯域幅を供給できないような場合に、LACP EtherChannel を非アクティブにすることもできます。
EtherChannel Min-Links 機能を設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface port-channel number |
LACP ポート チャネル インターフェイスを選択します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# port-channel min-links number |
リンク アップ ステートになっていて、リンク アップ ステートに移行させるためにポート チャネル インターフェイスの EtherChannel にバンドルされていなければならないメンバー ポートの最小数を設定します。 |
Router(config-if)# no port-channel min-links |
デフォルトの アクティブ メンバー ポート数(1)に戻します。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 |
Router# show running-config interface type 1 slot/port Router# show interfaces type 1 slot/port etherchannel |
設定を確認します。 |
(注) EtherChannel の一端だけで EtherChannel Min-Links 機能が設定されていて正常に機能していた場合でも、最適な結果を得るためには、同じ数の最小リンクを EtherChannel の両端で設定します。
次に、EtherChannel でアクティブなメンバー ポートが 2 個未満の場合にポート チャネル インターフェイス 1 を非アクティブに設定する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface port-channel 1
Router(config-if)# port-channel min-links 2