ネットワーク化されたIT 企業の成長、スピード化、柔軟性を実現

INDEX

  1. 技術とプロセスの相乗効果
  2. 豊かなインタラクションの確立 / セキュアなネットワーク戦略
  3. さらに次代を先見する視点を堅持

さらに次代を先見する視点を堅持

続いて、「シスコは、IP コミュニケーションの旗艦的役割を担っており、すでに IP 電話では 100万台の納入実績を樹立。SAN 市場においても、データセンターからブランチ・オフィスに至るまで、大きなシェアを獲得しています。もちろん、スイッチングやルーティング、セキュリティにおいてもリーダシップを発揮。10億のトラフィックを同時に実現するハイエンドの“Cisco CRS-1”から、ハードウエアと管理コストの圧縮を提供するローエンドまで、フルレンジの製品群をご提供しています」とアピールしました。

すでに米国では、80% 以上の消費者が Web で製品の仕様や価格をチェックしてから、購買行動に移ると言われています。そこでチェンバーズは、これからの流通ビジネスはこう変わると語りました。

「消費者は、オンラインで製品の仕様、価格や在庫をチェック。そこで購買を選択すると、セキュアなネットを介して本人確認が行われ、銀行口座の残高やクレジットの与信が確認されます。また、セールス部門が顧客からダイレクトにコンタクトを受けてアドバイスをしたり、商談を進めるなど、一連の流れをシームレスに実行するためには、複合的なインタラクションが基盤となります」

また今の経済状況をふまえ、金融業界や小売業におけるインタラクティブの重要性についても言及しています。「金融機関の合併や統合が進められる中、1to1 対応を充実させて窓口の生産性を上げる鍵は、ワイヤレスや携帯電話を駆使することにあります。小売業においては、インタラクションを向上させてリアルタイムに需要を把握することによって、在庫切れによる機会損失の回避と、過剰在庫の防止などが可能になるのです」チェンバーズは、そのためにも総合的なアーキテクチャが確立されなければならない、と力説しました。

製造・小売と続いてきたこの流れは、医療の分野にも広がっています。2050年には日本の人口比率の 65% が 65歳以上の高齢者となることに言及した彼は、医療コスト改革が大きな課題となることを予測。ネットワークを介在させることによって、遠隔医療や E カルテの推進などが実現し、同時に属人的なミスの排除も図れるはずだと訴え、講演を以下のように締めくくりました。

「いまや、2~3年が旧来の 10年にも匹敵する変化と激動の時代なのです。シスコ全体における日本の売上比率は、約 10% です。しかし私達は、日本に開発センターを設置し、日本市場独自のニーズに応える体制を整備してきました。というのも、ブロードバンド環境をはじめ、変化に対応したビジネスプロセス改革姿勢などの面でも、日本市場は国際戦略の雛形となる先進性を有したものだからです。インターネットは、全市民・全企業に開かれた共通資産であり、今後さらに医療や教育など、私達を取り巻く社会環境を大きく変化させていく基盤なのです。これからの時代は、競合他社に先駆けていち早く変化を捉え、柔軟な姿勢でビジネス変革に挑み、生産性を獲得すること。さらにネットワーク化された IT によって、生産性を最大化する具体的な施策を導き出し、実践すること――それこそが、次代の覇者への王道なのです。シスコは、今後ともそんな皆様の戦略的パートナーであり続けたい、と願ってやみません」