ネットワーク化されたIT 企業の成長、スピード化、柔軟性を実現

INDEX

  1. 技術とプロセスの相乗効果
  2. 豊かなインタラクションの確立 / セキュアなネットワーク戦略
  3. さらに次代を先見する視点を堅持

豊かなインタラクションの確立

さらにチェンバーズは、こう続けました。「1980年代から 1990年代初めまでは、生産性と言えば、製造ラインや部品調達の効率化でした。その後、生産性の向上はトランザクション・ベースの事業へ広がっていきました。つまり、オンラインで商品の注文をし、注文した商品の配送状況を確認できたり、インターネットを介して情報収集することが重要になったのです」そして、今後 10年間において業務の生産性を生み出すのは、間違いなくインタラクションへの移行である点を強調したのです。

「インタラクションによる生産性の向上とは、豊かなコネクティビティの確立を意味しています。例えば、インターネットを介してサービス担当者と顧客がリアルタイムに会話したり、オンラインでチケット予約をしたり、エコ・パートナーとの協業体勢を強化したり、社内のアイデアやデザインの流通を実現したり…。さらに、IC タグを駆使したトレーサビリティなどによって、旧来多くの手順を踏んでいたプロセスの自動化を図ることも重要です。ここにおける価値は、まさに情報交換そのものの中にあるのです」

チェンバーズは、これを実証するものとしてシスコの実例などを挙げながらこう説明しました。「シスコは、毎年社員一人当たりの生産性を 50% 拡大しています。実は、私達が自社の株価を大きく押し上げた秘密も、インターネット上で顧客のアクションを支援しながら、双方向の自動化を進めたインタラクションの追究にあったのです。いま、バブル期の教訓から、旧来別々に鼎立 (ていりつ) していたビジネスプロセスとネットワーク化されたインフラ、そしてアプリケーション相互のインタラクションを図ろうという動きがでてきました。GE やウォールマート、トヨタなどの成功もまさにここにあるのです。データやアプリケーション、個々のプロセスなど、それがどこに位置しているかという実際の場所を意識することなく自由に活用することができる環境――そんなネットワークのインテリジェンスがアーキテクチャとして組み込まれた世界が必要なのです。シスコは、10年前からこのソリューションに着目し、ストレージ、ワイヤレス、ルータ、サーバなどを一体のものとしてとらえたビジョンを打ち立ててきました」

セキュアなネットワーク戦略

さらにチェンバーズは、インテリジェント・ネットワークに不可欠な要素としてセキュリティを挙げ、すべての製品にセキュリティ機能が組み込まれ、ハッカーやサイバーテロなど、悪意のある攻撃に対しては、人体の自己免疫機能的な対応を図る自己防衛型ネットワークが重要だ、と提言しました。

「強みをもった企業同士が、標準に基づいてコラボレーションを図る姿勢も重要です。シスコは、アンチウイルスやアンチスパイウエアのトッププレーヤー群との協業を進め、さらにユニークな技術を持った企業の買収、NAC パートナーの拡大と 1500人のエンジニアの陣容確保など、万全の体勢でセキュリティ強化を推進しています」

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