製造

Wi-Fi 7とAIで現場のデジタル活用ニーズに柔軟に対応

無線LAN の高度化、ネットワークの安定運用と効率化の両立を目指す

豊田自動織機の新ネットワーク構築プロジェクト


無線LAN の高度化、ネットワーク運用の最適化に取り組む豊田自動織機。AI による自動化などを駆使してネットワークの安定運用と効率化の両立を図り、現場のデジタル活用ニーズに柔軟に対応しています。

株式会社豊田自動織機

トヨタグループの源流企業として知られる。「お客様のニーズを先取りする商品・サービスを継続的に提供することにより、世界の産業・社会基盤を支え、住みよい地球 と 豊かな生活、そして温かい社会づくりに貢献する」をビジョンに掲げ、産業車両・物流ソリューション事業、自動車事業、繊維機械事業に取り組んでいる。

課題

機器やデバイス、データの増加や多様化に対応できる無線LAN を実現したい

  • 複雑化・大規模化するネットワークを人手に頼って運用管理するのは限界
  • ネットワークトラブル発生時の対応をスムーズに行いたい

解決策

産業機器も含めた実績が豊富で安心感があるシスコの無線LAN ソリューションを選定

  • 設計、設定、監視、トラブルシューティングなどを効率的に行えるCisco Catalyst Center によるネットワーク運用にシフト
  • Cisco Catalyst Center やCisco ThousandEyes を活用すれば、トラブルの迅速な把握と原因究明が期待できる

成果

Wi-Fi 7の導入

Wi-Fi 7 の導入で機器やデバイス、データの増加にも対応できる無線LANを実現

運用効率化

ソフトウェアアップデートなど、工数のかかるネットワーク運用を効率化

AIを駆使

AI による自動化やトラブルシューティング支援でダウンタイムを短縮

人手に頼ったネットワーク運用はもう限界

フォークリフト、カーエアコン用コンプレッサー、エアジェット織機の3つの分野で世界シェアトップを誇るなど、豊田自動織機の高い技術は、世界中で評価されています(同社調べ)。

現在、同社はデジタル活用を支えるネットワークの大規模な刷新に取り組んでいます。大きなテーマに据えているのが無線LANの高度化とネットワーク運用の最適化です。

無線LANの高度化については、通信速度の大幅な向上が見込める最新規格のWi-Fi 7の導入を進めます。「オフィスではモバイルデバイス、工場ではAGVなどのロボット、生産設備の稼働状況をモニタリングするためのカメラやセンサーの導入が増加しています。『新しい技術を活用したい』という現場のニーズに対応し続けるためには、帯域の大幅な拡張などが期待できるWi-Fi 7を早期に導入するべきだと考えました」と豊田自動織機ITソリューションズの小形 健一氏は言います。

ネットワーク運用の最適化については、CLIへのコマンド入力や、担当者の勘や経験に頼る方法に限界を感じていたと言います。「従来のネットワーク運用は、非常に大きな負担となり、工数もかさんでいます。このような運用を行い続けるのは、もはや現実的ではありません」と小形氏は話します。

 

異常の自動検出などAIによる自動化に期待

同社の新ネットワークは、シスコのソリューションを採用しています。

まずシスコの実績を評価しました。オフィスと違い、工場では様々な専門機器やデバイスが無線LANにつながっています。「過去には、アクセスポイントを入れ替えただけで、機器の一部がつながらなくなったことがあります。経験上、シスコの無線LANソリューションは、そのようなトラブルが少なく、当社が利用している機器やデバイスの利用を安心して継続できると考えました」と豊田自動織機ITソリューションズの大泉 武士氏は言います。

加えてCisco Catalyst Centerによる可視化と自動化がネットワーク運用の最適化につながると期待しました。

Cisco Catalyst Centerを利用すれば、ネットワーク機器を自動検出し、構成情報を一元管理することが可能。またネットワークをリアルタイムに監視して、ダッシュボードで稼働状況を可視化できます。さらに搭載したAIが、異常の自動検出、原因分析の支援を行うほか、日々のネットワークの利用状況を学習し、決まった時間帯や場所によってトラフィックが高まるといった傾向を把握すれば、それを踏まえてネットワークリソースを自動調整したり、設定変更の提案を行ったりします。「どんなに経験を積んだベテランでも人の作業にミスはつきもの。Cisco Catalyst Centerによって自動化を図れば、効率化だけでなくミスの削減にもつながると考えました」と大泉氏は話します。

対応が難しい無線LAN のトラブルにもスムーズに対応

同社は3年計画で新ネットワークの構築に取り組んでいます。工場に設置するスイッチは、厳しい条件下でも安定稼働するよう設計された産業用のCisco Catalyst IEスイッチを導入しています。

「日々、新しい技術を試してみたいといった相談を受けます。新ネットワークが完成すれば、そのような挑戦により柔軟に対応できるようになることは間違いありません」と小形氏は言います。

ネットワーク運用も大幅に効率化できると考えています。「Cisco Catalyst Centerを利用すれば、リモートからネットワーク機器のソフトウェアのアップデート作業を行ったり、検証を行った上でアップデートやエラー発生時の対応までを自動化することもできます。CLIからGUIベースのネットワーク運用へのシフトが進めば、ネットワーク担当者に求めるスキルセットは、これまでとは大きく変わるでしょう」と小形氏は言います。

トラブル対応も容易になり、ネットワークのダウンタイムも短縮できます。「Cisco Catalyst Centerは、デバイスが無線LANに接続するオンボーディングプロセスを可視化して、証明書の確認に問題が生じているなど、トラブルを視覚的に確認できます。トラブル対応は格段に効率化されます」(大泉氏)。

さらに同時に導入したCisco ThousandEyesもネットワーク運用の最適化に貢献します。トラブルが発生した際、自社のネットワークだけでなく、キャリア回線、クラウドサービス側に問題があるといったことまで把握して、適切な対応ができるようになります。

このように同社は、今後も新しい技術の積極的な活用を継続していくための重要な布石を打ちました。様々な可能性があるAR(拡張現実)など、すでに現場では様々な技術の活用に向けた計画が練られています。「オフィスでも、Cisco Spaces を使って機器やデバイスの位置情報を可視化し、会議室の利用状況の可視化に応用するなど、様々な検証を計画しています」と小形氏。新ネットワークの上で同社がどのような挑戦を行うのか、大いに注目です。

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