不動産

Wi-Fi 7とCisco Merakiで実現する、顧客ニーズに応える貸会議室ネットワーク

全国に貸会議室やイベントスペースなどを展開するTKPは、 施設のWi-Fi環境をWi-Fi 7対応のCisco Merakiで刷新しました。大規模ハイブリッド会議や会議・研修中のネットワーク利用による高負荷通信に対応し、構築・運用工数の大幅な削減と一元管理を実現。Merakiダッシュボードによる遠隔可視化とシンプルな運用で、快適なネットワーク環境を提供しています。

直感的な管理画面とサポートで、遠隔からのトラブル対応を迅速化


対面イベントの需要回復に伴い、貸会議室を中心とする TKP の「フレキシブルオフィス事業」では、多数の利用者が集まる貸会議室での高速かつ安定したネットワーク環境の提供が急務となっていました。同社の主要拠点に導入された Cisco Meraki シリーズによる無線 LAN は、多様な用途に対応できる高い性能、迅速なトラブル対応を可能とする管理性を備えており、同社のビジネスの新たな基盤となっています。

株式会社 TKP

2005 年の創業以来、企業向け空間シェアリングの先駆者として、貸会議室、宿泊施設、レンタルオフィスなど多様なサービスを展開している。会議室・レンタルスペースの「フレキシブルオフィス事業」のほか、「イベントプロデュース事業」「ホテル・宿泊研修事業」「料飲・バンケット事業」「BPO(Business Process Outsourcing)事業」を手がけている。

株式会社 TKP:https://www.tkp.jp/

課題

大人数での会議やイベントの実施、ハイブリッド会議の普及や会議中のネットワーク利用の変化により、貸会議室にはより高速かつ安定したWi-Fi環境が求められるようになった。案件ごとのネットワーク構築の工数、トラブル対応の難しさも課題となっていた。

  • 数百名規模かつビデオ会議に常時接続するような会議や生成AIを活用する研修が増加
  • ベンダーごとに構築したリモートアクセス環境など、他のセキュリティリスクへの対応も求められる
  • ネットワークトラブル時の状況把握や対応の迅速化が求められていた

ソリューション

Cisco Merakiシリーズで無線LANの性能と管理性を強化e


効果

これからの事業を支える新しい無線 LAN

無線 LAN がリニューアルされた拠点では、多様な用途に十分に対応できる性能を備えたネットワークを自由に利用でき、レンタルスペースのアピールポイントの 1つとなっている

案件ごとのネットワーク構築作業がゼロに

導入済み拠点では、案件ごとにネットワークの設計・キッティング・設置・撤収などを行う必要がなくなった。

ネットワークを一元管理しトラブルにも迅速対応

Meraki ダッシュボードを通じて全国のアクセスポイントをリアルタイムに可視化。運用負担を軽減するとともに、トラブルの原因の切り分け、対処が迅速に行えるようになった

課題:会議体験の変化によりネットワークに求める要件が高度化

全国主要都市の279施設を通じて、貸会議室・イベントスペース・コワーキングスペース・レンタルオフィスを提供する「フレキシブルオフィス事業」を展開しているTKP。イベントプロデュースやホテル宿泊などのサービスも合わせて提供し、企業の会議や研修、イベント運営をトータルにサポートしています。

この事業を支える組織の1つが音響・レンタル事業部です。同事業部は、お客様の会議や研修、イベントに必要な音響・映像・照明設備や配信環境を提供しています。このなかには、無線LANをはじめとするネットワークの提供も含まれます。近年、ハイブリッド会議の普及により、より多くのデータ通信に対応するネットワークのニーズが急速に高まっており、同事業部はネットワーク刷新の必要性を感じていました。「対面イベントの需要が回復した上、ビデオ会議も急速に普及しています。貸会議室にメンバーが集まり、そこにオンラインから他のメンバーが参加する『現地+オンライン』のハイブリッド会議は、もはや当たり前の光景。ネットワークには以前より高い性能が求められます」とTKPの近藤 友也氏は言います。 

テクノロジーの進化により、ネットワークに求められる要件も大きく変わってきました。代表的なのが生成AIです。画像や動画が簡単に生成できることもあり、生成AIのトラフィックは、他のクラウドサービスより増加する傾向にあります。「ハイブリッド形式かつ数百名規模の研修で生成AIが題材になると、数百名が同時に生成AIサービスにアクセスしつつ、ビデオ会議サービスもつなぎっぱなしという状況が起こりえます。既存のネットワーク設備では対応が難しくなっていました」と近藤氏は話します。

業務負荷の大きさと管理性も課題でした。これまで同社は、お客様が開催する会議や研修の内容、規模などから必要なネットワーク帯域を想定し、必要な数のアクセスポイントを設置するなど、案件ごとに最適なネットワークを設計して提供してきました。複雑な案件の場合は、そのキッティング、設置、撤収にトータルで半日近くかかることもあり、繁忙期である春の企業の新入社員研修シーズンともなると、連日、その作業に追われていました。

しかも、設計とキッティングは東京の音響・レンタル事業部が行い、設置と撤収は現場スタッフが行うという役割分担であったため、トラブル対応も困難でした。「現場から『つながらない』と連絡があっても、全端末がつながらないのか一部だけなのか、どのような利用状況で症状が出るのかを把握するのに時間がかかり、解決が遅れることもしばしばでした」と近藤氏は言います。

ソリューション: 利用者がいつでも自由に使えるWi-Fiの設置で課題を解決

これらの課題を解決するために同社が計画したのが、お客様が自由に利用できる無線LANの構築です。「利用者のニーズに十分に対応できる高い性能を備えた無線LANを標準的に提供できれば、案件ごとに個別のネットワークを構築する工数もなくなります。世の中ではフリーWi-Fiが広く普及しており、お客様から同様の無線LANサービスを求める声が増えていることも計画を後押ししました」と近藤氏は言います。

ネットワークのリニューアルにおいて、同社が最も重視したのが圧倒的な性能です。どのような用途や規模にも対応できる性能を確保できれば、「遅い」というトラブルの多くを回避できると考えたからです。

そのような方針のもと、まず同社はネットワーク回線を大幅に増強。そして、その回線のキャパシティを最大限に使用するための無線LANアクセスポイントにシスコのCisco Merakiシリーズを採用しました。

「実はMerakiを採用する前に別のメーカーのアクセスポイントも評価しました。しかし、スペック上は問題ないはずなのに、大人数でビデオ会議をつなぐと処理が追いつかず、期待した性能を出すことができませんでした。一方、同じ条件でMerakiは安定した性能を実現してくれた。ハードウェアそのものの差を強く感じ、アクセスポイントはMerakiしかないと考えました」と近藤氏は話します。

しかも最新規格のWi-Fi 7対応のモデルを採用し、大人数が同時接続する環境でも高いスループットと低レイテンシを実現できるようにしています。「お客様のニーズがどう変わっても対応できるようにしたかったからです」(近藤氏)。

Merakiの管理性にも優位性を感じました。音響・レンタル事業部のメンバーは、設備に関する様々なノウハウを持っていますが、ITやネットワークの専門家ではありません。無線LANやネットワークはできるだけ簡単に運用したいと考えています。クラウドを通じて状況を把握できるMerakiダッシュボードは、そのようなニーズに最適なツールです。「電波の状況を確認する。目的のアクセスポイントを選択し、そのアクセスポイントにどれくらいのデバイスがアクセスしているか、各デバイスがどのようなアプリケーションを利用しているかなどを把握する。GUIによる直感的な操作で、こうした作業を簡単に行えます」と近藤氏は言います。

また、Merakiのアクセスポイントは、周囲のアクセスポイントとの距離や位置関係などを踏まえて出力を自動調整し、電波干渉を抑止するなど、自動運用の機能も充実しています。「他の製品では、どんなに調整しても最適な電波設計を行うことができなかったのですが、Merakiは設置するだけで自動的に最適化する。このような特長も管理の効率化につながります」(近藤氏)。

効果~今後:Merakiダッシュボードで遠隔から状況を把握し、トラブル対応をシンプルに

Merakiを活用した新しい無線LANは、すでにTKPの主要拠点に展開されています。以前のように、案件ごとにアクセスポイントを用意し、設計・キッティング・設置・撤収を行う必要は大きく減りました。自由に使えるWi-Fi環境を標準的に提供できるようになったことで、貸会議室を利用するお客様にとっても、安心して選べる環境づくりにつながっています。「導入直後に、春の新入社員研修シーズンを迎えましたが、お客様の様々な用途に対応でき、大きなトラブルなく無事に繁忙期を乗り越えることができました」と近藤氏は強調します。

運用面でも、大きな変化が生まれています。音響・レンタル事業部は、東京から全国の主要拠点にあるMerakiのアクセスポイントを一元的に管理。各拠点の利用者から現地スタッフへ「つながらない」「遅い」といった問合せがあっても、Merakiダッシュボードを通じて、対象会場のアクセスポイントの状態や接続端末の状況を遠隔から確認できるようになりました。

「つながらない、遅いといった連絡を受けたら、その会場のアクセスポイントの接続状況を確認し、どの端末が接続しているのか、通信状況に問題がないかをすぐに確認できます。現地スタッフと状況を共有しながら切り分けられるため、トラブル対応が非常にしやすくなりました」と近藤氏は話します。

またMerakiダッシュボードを通じたサポートへの問い合わせも、運用負担の軽減につながっています。対象機器を指定すると、その機器のログが自動でサポートチームと共有される仕組みになっているため、状況説明やログ収集にかかる手間を抑えられます。「こちらでログを収集して送付する手間がなくなりました。問い合わせた瞬間に状況が共有されているため、迅速にトラブル対応を進めることができます。先日、特定のデバイスだけ遅いという状況が発生したのですが、Merakiのサポートを通じてネットワークには問題がないことを即座に確認してもらうことができました。原因の切り分けがしやすくなったことで、現場としても安心感があります」(近藤氏)。

今後は、AI Assistantの活用にも期待しています。近藤氏はネットワークの知見を持つ一方で、すべてのトラブル対応や判断を特定の担当者だけに依存する運用には限界があります。対話型ツールのAI Assistantがネットワークの状態やログを参照しながら、接続不安定の原因やトラフィック増加の背景、確認すべきポイントなどを提示できるようになれば、ネットワークの専門家でないメンバーでも状況を把握しやすくなります。

現時点では、Merakiダッシュボードによる遠隔可視化によって、近藤氏が現地スタッフを支援しやすくなったことが大きな成果です。さらに今後、AI Assistantを活用することで、初動対応や切り分けのハードルを下げ、チーム全体で対応できる運用体制へと発展させていくことが期待されています。

多様化する会議・研修・イベントのニーズに応えるためには、いつでも・誰でも・快適に使えるネットワーク環境が欠かせません。高い性能と直感的な管理性、遠隔からの可視化、サポートとの連携、そして今後のAI活用への期待を備えたMerakiは、TKPのビジネスを支える重要なインフラとして、その役割を担っています。

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