プロフェッショナルサービス

「相手の目を見る」。コンサルタントがこだわった新ネットワーク

タナベコンサルティンググループは、トラフィックの急増を受け、ネットワークの刷新に取り組みました。クラウドによる一元管理とゼロトラストセキュリティで、質の高い会議を支えています。

約160名が顔を見ながら話すビデオ会議にも対応


 

 

タナベコンサルティンググループは、大規模なビデオ会議でも、全員が顔を映して参加します。ただしこのような使い方は、トラフィックの増加や通信の不安定を引き起こすことにもなります。そこで、ストレスのないネットワーク環境の実現を目指し、アーキテクチャを見直してボトルネックを解消。また、可視化を軸に運用管理性を高め、通信が混雑した際には適切な手を打てるようにし、通信の安定性を高めました。

株式会社タナベコンサルティンググループ

65年以上の歴史と18,900社以上の豊富な実績を持つ、日本を代表する総合経営コンサルティングファーム。「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを掲げ、企業の経営戦略の策定から経営オペレーションの実装・実行までを一気通貫で支援しています。

株式会社タナベコンサルティンググループ:
https://www.tanabeconsulting.co.jp/

課題

参加者の多い会議でネットワークトラフィックが急増。通信が不安定になることが増えていた

  • ネットワークトラフィックの状況を正確に把握する方法がなかった
  • すべてのインターネット接続が経由する本社が通信ボトルネックになっていた
  • セキュリティの強化のためにゼロトラストの考え方を取り入れたい

解決策

クラウドを通じた一元管理、ゼロトラストセキュリティを軸にネットワークを全面的に刷新

  • Cisco Meraki MSシリーズ
  • Cisco Meraki MRシリーズ
  • Cisco Meraki MXシリーズ
  • Cisco Secure Connect

成果

約160名の大規模ビデオ会議もスムーズ

約160名規模の会議もビデオ会議にシフト。全員、顔を映しての参加でも通信は安定している

閉域サービスからの脱却

インターネットブレイクアウトを行うアーキテクチャを採用し、キャリアの閉域サービスが不要になった

ゼロトラストでセキュリティを強化

ユーザーや端末に関係なく常に認証と通信監視を行う。ゼロトラストの考え方に基づいてセキュリティを強化

会議の変化によってネットワークトラフィックが急増

1957年、田辺経営相談所として創業。以来、日本の経営コンサルティングのパイオニアとして、1万8900社以上の支援を行ってきたタナベコンサルティンググループ。札幌、 仙台、新潟、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡、沖縄の国内主要都市10地域に経営コンサルタントが常駐し、「地域密着型」の支援を提供しています。「お客様を『ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社』にすることを、事業のコンセプトに据えています」とタナベコンサルティンググループの都築 伸佳氏は言います。

現在、同社は、全社ネットワークの大規模な刷新に取り組んでいます。背景には、会議の変化などによるネットワークトラフィックの急増がありました。

「例えば、当社では毎月全国10地域から約60名の幹部が集まって経営会議を行っています。従来は大阪本社にて対面で開催していましたが、その移動時間や交通費、宿泊費などを削減するために会議をビデオ会議で行うようにし、資料もデジタル化して、ペーパーレス化を図りました」と都築氏。しかも、どんなに大人数が参加するビデオ会議であっても、同社では、全員、顔を出して参加することを基本としています。コンサルタントとして、相手の目を見て話すことを大切にしているからです。また、会議資料が紙ではなくなり、印刷にかかる用紙代や手間、物理的な厚さなどを気にする必要がなくなったことから、年々、ページ数、つまりファイル容量が増加。その結果、参加者が一斉に資料にアクセスする会議直前から会議が終わるまで、同社のネットワークには大きな負荷がかかり、通信が不安定になることもありました。

「不安定な通信は、もちろん課題ですが、同じくらい課題に感じていたのは、どの通信が、どれくらい帯域を圧迫しているのか、ネットワークトラフィックの状況を正確に把握することができなかったことです。それでは対策を検討できません」と都築氏は言います。

クラウド管理とゼロトラストセキュリティを軸にした提案

ネットワークトラフィックの増加に対応できる新ネットワークの構築を目指し、同社が採用したのがシスコのソリューションです。具体的には、クラウドベースの管理ツールである「Meraki Dashboard」を通じて、ネットワーク機器の構成管理、設定変更、ソフトウェアアップデート、そしてネットワークトラフィックの可視化を一元的に行える「Cisco Merakiシリーズ」と、シスコのSASE(Secure Access Service Edge)である「Cisco Secure Connect」によって、ネットワークをアーキテクチャから見直すことにしました。

例えば、地域事業所の社員から「ネットワークが遅い」という連絡を受けても、これまでは、原因を特定することは難しく、打てる手には限りがありました。一方、Meraki Dashboardを利用すれば、クラウド経由でその拠点の機器にアクセスし、通信の状況をリアルタイムに把握。必要な対処を適切に行えるようになります。

また従来、同社はキャリアの閉域サービスで事業所間を接続し、インターネット接続は、統合ゲートウェイと位置付ける本社を必ず経由していました。そのため負担が集中する本社の機器がボトルネックになりやすく、そのこともネットワークの遅延を招いていました。それに対してCisco Secure Connectを導入し、各ユーザーのインターネット接続をCisco Secure Connect経由で行うようにすれば、DNS/URL制御によって不正サイトや業務外のインターネットアクセスを遮断しつつ、ユーザーや端末に関係なく常に認証と通信監視を行ってゼロトラストの考え方に基づいたセキュリティを実現。各事業所から直接インターネットに接続する「ローカルブレイクアウト」を可能とし、従来のボトルネックを解消することができる上、リモートワーク中の社員のインターネット接続も安全に行えます。

「私たちの課題を伝えると、ネットワークとセキュリティシステム構築のプロフェッショナルであるセコムトラストシステムズが、このような提案を行ってくれたのです。まさに私たちが求めていたネットワークを実現できると感じました。また、メーカーとしてのシスコへの信頼も採用を後押ししました。既存ネットワークの中心は、他社のものでしたが、一部でシスコの機器を利用していました。その機器が長年、まったくトラブルを起こすことなく安定稼働している様子を見て、常々、『シスコはすごい』と感心していました」と都築氏は話します。

新ネットワークが会議の質を高める議論に発展

具体的に同社の新ネットワークの構成は、次のような構成となっています。

10事業所、すべてのLANは、ネットワークスイッチ「Cisco Meraki MSシリーズ」とアクセスポイント「Cisco Meraki MRシリーズ」で構成し、ゲートウェイには、基本的なセキュリティ対策としてUTM(統合脅威管理)を持つアプライアンス製品「Cisco Meraki MXシリーズ」を設置。また、検討時に想定したとおり、すべてのインターネット接続はCisco Secure Connectを経由させてローカルブレイクアウトするようにしています。

「セキュリティを担保しつつ、帯域を有効活用できるようになり、以前のようにネットワークが遅延するようなことはなくなりました。1年に2回、部長クラス以上のものが参加する約160名規模の会議もビデオ会議にシフトしましたが、まったく問題なく開催しています。もちろん、全員、顔を出しての参加です」と都築氏は話します。

Cisco Merakiシリーズが安定した通信を実現しており、まだ大きなトラブルは発生していませんが、万が一、トラブルがあってもMeraki Dashboardを通じて、感覚ではなく事実に基づいた対応が可能になります。「会議中でも『遅い』といった連絡があれば、Meraki Dashboardを確認し、問題の有無や場所を特定し、迅速に対処できると考えています」(都築氏)。

また、トラブル時だけでなく、ネットワークの利用状況を継続的に確認しておけば、状況の変化もすぐに把握し、構成や設定を見直すなど、ネットワーク運用の最適化にもつながります。「あるエリアに人が集まることが増え、特定のアクセスポイントに負荷が偏るといったことも想定されます。そうした変化も、すぐに把握して、対処できます」と都築氏は言います。

当初は想定していなかったメリットもありました。Cisco Secure Connect経由でインターネットに接続したところ、あるお客様のWebサイトがブロックされたのです。「調べてみるとサーバ証明書の期限切れのようでした。そのことをお伝えして、お客様に対応をご提案しました」と都築氏。ネットワークの刷新、セキュリティの強化が、お客様のビジネスへの貢献にもつながったのです。

加えて、ネットワークの制約なく、スムーズにビデオ会議を開催できるようになったことで、会議に関する視点は、会議の内容や進行方法、資料の作り方などに移り、新ネットワークの構築が会議や議論の質を高めるための議論にも発展しています。

以前から高く評価していたシスコの技術を取り入れ、セキュリティを保ちながら、ネットワークトラフィックの急増に対応したタナベコンサルティング。新ネットワークを活かして、これからも全国の企業の経営を協力にサポートしていきます。


販売パートナー

セコムトラストシステムズ株式会社

セコムのグループ企業であり、セコムグループのシステム構築・運用で培った「安全」「安心」を24時間365日提供する技術力やサービス力を活かし、情報セキュリティサービスと大規模災害対策サービスを核に据えたトータルな情報・ネットワークサービス事業を展開しています。

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