はじめに

高可用性は、稼働中のネットワークのダウンタイムを最小限に抑えるためのワイヤレス コントローラの要件でした。このドキュメントでは、アクセス ポイントおよびクライアントのステートフル スイッチオーバー(AP およびクライアント SSO)のサポートに関連する Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラの操作と設定の理論について説明します。Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラは小規模から大規模まで、さまざまな拡張性の目標を持つ複数のプラットフォームで稼働可能な次世代のワイヤレス コントローラです。物理アプライアンス上、および Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラ(ESXi および KVM 上の C9800-40-K9、C9800-80-K9、および C9800-CL-K9)で AP とクライアント SSO がサポートされています。基盤となっている SSO 機能は、セットアップ プロセスでの違いはいくつかあるものの、すべてのプラットフォームで同じです。

概要

ワイヤレス コントローラでの高可用性 SSO 機能は、アクセス ポイントがアクティブ ワイヤレス コントローラとの CAPWAP トンネルを確立し、アクティブ ワイヤレス コントローラが AP のミラー コピーとクライアント データベースをスタンバイ ワイヤレス コントローラと共有できるようにします。AP が [Discovery] 状態になることはなく、クライアントはアクティブ ワイヤレス コントローラに障害が発生した場合も切断されず、スタンバイ コントローラがアクティブ ワイヤレス コントローラとしてネットワークを引き継ぎます。AP とアクティブ状態のワイヤレス コントローラ間では一度に 1 つの CAPWAP トンネルのみが維持されます。

リリース 16.10 では、フル アクセス ポイントとクライアントのステートフル スイッチ オーバーがサポートされています。クライアント SSO は、認証と DHCP フェーズがすでに完了しており、トラフィックの受け渡しを開始しているクライアントでサポートされます。SSO クライアントによって、ワイヤレス コントローラにクライアントが関連付けられたときか、またはクライアントのパラメータが変更されたときに、クライアント情報はスタンバイ ワイヤレス コントローラに同期します。完全に認証済みのクライアント(実行状態のクライアントなど)はスタンバイへと同期され、スイッチオーバー時のクライアントの再関連付けが回避されます。これによりクライアントと AP のフェールオーバーはシームレスになり、クライアント サービスのダウンタイム ゼロと SSID の停止ゼロが実現します。Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラへの AP およびクライアントの SSO サポートの追加は、プライマリ サイトでのボックス フェールオーバー、ネットワーク フェールオーバー、または停電により発生する可能性がある障害状態によってワイヤレス ネットワークの大規模なダウンタイムを削減することが全体目標となっています。

機能の説明と機能の動作

コントロール プレーン アクティビティはすべて、アクティブ ユニットとスタンバイ ユニット間で一元管理され、同期されます。アクティブ コントローラが、すべての制御と管理通信を一元管理します。ネットワーク制御データのトラフィックは、スタンバイ ユニットからアクティブ ユニットに透過的に切り替えられ、一元処理されます。

一括設定や増分設定は 2 つのコントローラ間で実行時に同期され、両方のコントローラが管理インターフェイス上で同じ IP アドレスを共有します。実行状態のアクセス ポイントの CAPWAP 状態も、アクティブ ワイヤレス コントローラからホットスタンバイ ワイヤレス コントローラに同期されるため、アクティブ ワイヤレス コントローラに障害が発生したときにアクセス ポイントをステートフルに切り替えることができます。アクティブ ワイヤレス コントローラに障害が発生した場合に AP が [Discovery] 状態になることはなく、スタンバイ ワイヤレス コントローラがアクティブ ワイヤレス コントローラを引き継いでネットワークにサービスを提供します。

SSO にはプリエンプト機能はありません。つまり、以前アクティブだったワイヤレス コントローラが動作を再開しても、アクティブ ワイヤレス コントローラのロールを取り戻すことはありません。ただし、その状態を現在アクティブ ワイヤレス コントローラとネゴシエートし、ホットスタンバイ状態に移行します。

サポートされるプラットフォーム

  • Cisco Catalyst C9800-40-K9 ワイヤレス コントローラ

  • Cisco Catalyst C9800-80-K9 ワイヤレス コントローラ

  • ESXi 上の Cisco Catalyst C9800-CL-K9 ワイヤレス コントローラ

  • KVM 上の Cisco Catalyst C9800-CL-K9 ワイヤレス コントローラ


(注)  

  • HA ペアは同じフォーム ファクタの 2 つのワイヤレス コントローラ間でのみ形成できます。

  • HA ペアを形成するには、両方のコントローラが同じソフトウェア バージョンを実行している必要があります。


Cisco Catalyst C9800-40-K9 および C9800-80-K9 ワイヤレス コントローラの SSO

Cisco C9800-40-K9 ワイヤレス コントローラは拡張可能な高性能のワイヤレス コントローラであり、最大 2,000 アクセス ポイント、32,000 クライアントまで拡張できます。コントローラには 4 つの 10G データ ポートがあり、スループットは 40G です。

番号

説明

1

PWR:電源 LED

2

SYS:システム LED

3

ALM:アラーム LED

4

HA:高可用性 LED

5

CON:RJ-45 対応コンソール ポート

6

EN:USB コンソール対応 LED

7

CON:Mini USB コンソール ポート

8

USB ポート 0 および 1

9

SP:RJ-45 10/100/1000 管理イーサネット ポート

10

RP:RJ-45 10/100/1000 冗長イーサネット ポート

11

RP:1 GE SFP ポート(RP ポート上でサポートされている SFP は GLC-SX-MMD と GLC-LH-SMD のみ)

12

LINK:RJ-45 コネクタ LED

13

SSD:SSD アクティビティ LED

14

TE0:1 GE SFP/10 GE SFP + ポート 0

15

TE1:1 GE SFP/10 GE SFP + ポート 1

16

TE2:1 GE SFP/10 GE SFP + ポート 2

17

TE3:1 GE SFP/10 GE SFP + ポート 3

Cisco C9800-80-K9 ワイヤレス コントローラは、ラック ユニットの空間を 2 つ占有し、着脱可能なモジュール スロットと 8 つの組み込み 10GE/1GE インターフェイスをサポートする 100G ワイヤレス コントローラです。

番号

説明

1

MGMT:RJ-45 10/100/1000 イーサネット管理ポート。

2

RDCY:RJ-45 10/100/1000 冗長イーサネット ポート。

3

RDCY:10GE SFP+ ポート。

4

USB ポート 0。

5

USB ポート 1。

6

CON:RJ-45 対応コンソール ポート。

7

CON:ミニ USB コネクタ コンソール ポート。

8

SSD アクセス。

上の図に示すように、C9800-40-K9 ワイヤレス コントローラと C9800-80-K9 ワイヤレス コントローラの両方に 2 つの RP ポートが備わっています。

  • RJ-45 イーサネット冗長ポート

  • SFP ギガビット イーサネット ポート

両方の冗長ポートが接続されている場合は、次のようになります。

  • 両方の冗長ポートが同時に接続されている場合は、SFP ギガビット イーサネット ポートが優先されます。

  • HA が RJ-45 ポート上で起動した後に SFP ポートが接続された場合は、変更はありません。

  • RJ-45 ポートと SFP ギガビット RP ポート間では HA はサポートされません。

  • RP ポートでは、シスコのサポート対象の SFP(GLC-LH-SMD と GLC-SX-MMD)のみがサポートされています。

  • RJ-45 経由で HA リンクが動作している場合、HA ポート上の SFP 間にリンクがない場合でも、それらを挿入しないでください。物理レベルの検出であるため SFP が優先され、HA がダウンする原因となります。

C9800-40-K9 ワイヤレス コントローラおよび C9800-80-K9 ワイヤレス コントローラ HA SSO の物理的な接続性

HA ペアには常にアクティブ コントローラ 1 台と、スタンバイ コントローラ 1 台が必要です。アクティブ コントローラが使用できなくなると、スタンバイがアクティブのロールを担います。アクティブ ワイヤレス コントローラはワイヤレス情報のすべてを作成、更新し、その情報を常にスタンバイ コントローラと同期します。アクティブ ワイヤレス コントローラに障害が発生すると、スタンバイ ワイヤレス コントローラがアクティブ ワイヤレス コントローラのロールを担い、HA ペアの動作を維持します。アクセス ポイントとクライアントは、アクティブからスタンバイへのスイッチオーバーのときも接続を維持し続けます。

SSO に RJ-45 RP ポートを使用した C9800 ワイヤレス コントローラの接続

SSO に SFP ギガビット RP ポートを使用した C9800 ワイヤレス コントローラの接続

上流側スイッチへの C9800 ワイヤレス コントローラ HA ペアの接続

オプション 1:VSS ペアへ接続されたポート チャネルを持つ C9800 コントローラ

  • 各ワイヤレス コントローラからディストリビューション VSS へ EC を使用する。

  • 2 つの物理スイッチ間での各 EC 内のリンクの分散:これにより、いずれかの VSS スイッチで障害が発生したときのワイヤレス コントローラのスイッチオーバーを防止する。

  • 単一のディストリビューション スイッチへの接続に関する考慮事項を適用する。

オプション 2:HSRP ルータに接続されたポートチャネルとアップリンクに接続された RP を持つ C9800

  • C9800 デバイスは 2 つの HSRP ルータ(アクティブとスタンバイ)に接続されています。アップリンクはポート チャネルです。

  • RP はそれぞれ対応するアップリンク ルータに接続されています。

  • HSRP アクティブからスタンドバイへのフェールオーバーによって、C9800 HA ペアのスイッチオーバーが誘発されます。これは、RP ポートがアップリンクとして同じ HSRP ルータを介して接続されているためです。

  • AP/クライアントは SSO の後に起動します。これはシームレスに遷移し、AP およびクライアントでのドロップはありません。

  • 上流側での確認を行えるアップリンクを介したリンクレベルの冗長な RP ポートを提供する静的ポート チャネルを使用した場合(LACP モードのみ)、このトポロジは可用性が高いため、推奨されています。

ESXi および KVM で実行する Cisco Catalyst C9800-CL-K9 での SSO

仮想 Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラは、単一サーバ セットアップまたはデュアル サーバ セットアップで HA ペアとして導入できます。

左の図に、同じ UCS/vSwitch に接続された冗長ポートを示します。

右の図に、別の UCS サーバに接続された冗長ポート L2 を示します。

仮想 Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラへの HA(RP) インターフェイスの追加

  1. VM セットアップでの HAの インターフェイスの追加:HA を実現するための 2 つ目のネットワーク アダプタの追加

  • VM が作成されたら、Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラの VM を選択し、[Edit Settings] を選択します。

RP/HA セットアップのために 2 つ目のネットワーク アダプタを追加します。

  • RP のイーサネット アダプタを選択します。

  • このネットワーク アダプタのネットワークをマッピングします。

  1. Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラのネットワーク インターフェイスを VM ネットワーク インターフェイスにマッピングします。

ハイパーバイザ物理ポート(例:スイッチ トランクに接続された vmnic2)は Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラ VM 管理インターフェイスとして vSwitch0 にマッピングされます。冗長 HA 設定で使用するためのオプションのインターフェイス(例:vmnic3)は RP という名前で vSwitch3 にマッピングされます。


(注)  

同じ UCS に Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラ 2 台を設定し、HA を実現するために RP ポートを使用した場合は、物理アダプタにマッピングされた物理 RP を接続する必要は一切ありません。ただし、アクティブとスタンバイの Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラが別のハイパーバイザにある場合は、RP にマッピングされた物理ポートをネットワークに接続し、互いに L2 に隣接するか、または到達可能である必要があります。


GUI を使用した高可用性 SSO の設定

デバイス冗長性は、[Administration] から、[Device] > [Redundancy] ページに移動して設定できます。

アクティブ コントローラで、スタンバイ コントローラよりも高い優先度を設定します。高い優先度の値を持つワイヤレス コントローラは、アクティブ/スタンバイ選出プロセス時にアクティブとして選択されます。リモート IP はスタンバイ コントローラの冗長ポート IP の IP アドレスです。

スタンバイ コントローラでは、リモート IP がアクティブ コントローラの冗長ポート IP に設定されます。

CLI を使用した高可用性 SSO の設定

  • 仮想 Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラで、2 つの仮想 Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラのインスタンスそれぞれで次のコマンドを使用して高可用性を有効にします。

chassis ha-interface Gig 1 local-ip <local IP> <local IP subnet> remote-ip  <remote IP>

例:

仮想 Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラ インスタンス - 1:

chassis ha-interface Gig 3 local-ip 172.23.174.85 /24 remote-ip  172.23.174.86   

仮想 Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラ インスタンス - 2:

chassis ha-interface Gig 3 local-ip 172.23.174.86 /24 remote-ip  172.23.174.85  
  • C9800-40-K9 ワイヤレス コントローラC9800-80-K9 ワイヤレス コントローラで、ワイヤレス コントローラ ユニット 2 台のそれぞれに次のコマンドを使用して高可用性を有効にします。

    chassis ha-interface local-ip <local IP> <local IP subnet> remote-ip  <remote IP>
  • CLI から reload コマンドを実行して両方のワイヤレス コントローラをリロードします。

アクティブおよびスタンバイの選出プロセス

アクティブ C9800 ワイヤレス コントローラは、次のイベントのいずれかが発生しない限り、アクティブ コントローラとしてのロールが維持されます。

  • ワイヤレス コントローラ HA ペアがリセットされる。

  • アクティブ ワイヤレス コントローラが HA ペアから削除される。

  • アクティブ ワイヤレス コントローラがリセットされるか、または電源オフになる。

  • アクティブ ワイヤレス コントローラがフェールする。

次の要因のいずれかに基づき、次に示す順序でアクティブ ワイヤレス コントローラが選出されるか、または再選出されます。

  1. 現在のアクティブ ワイヤレス コントローラであるワイヤレス コントローラ。

  2. 最も高いプライオリティ値を持つワイヤレス コントローラ。


    (注)  

    アクティブ コントローラにしたいワイヤレス コントローラ C9800 に最も高いプライオリティ値を割り当てることを推奨します。これにより、再選出が発生した場合にアクティブ コントローラとしてそのコントローラが選出されるようにします。


    スイッチ プライオリティ値の設定

    chassis chassis -number priority new-priority-number

    chassis-number:シャーシ番号とシャーシの新しいプライオリティを指定します。シャーシ番号の範囲は 1 ~ 2 です。

    プライオリティ値の範囲は 1 ~ 15 です。

    wireless controller#chassis 1 priority 2

    show chassis ユーザ EXEC コマンドを使用すると、現在のプライオリティ値を表示できます。新しいプライオリティ値はすぐに有効となりますが、現在のアクティブ コントローラには影響しません。新しいプライオリティ値は、現在のアクティブ ワイヤレス コントローラまたは HA 冗長ペアをリロードしたときに新しいアクティブ コントローラとしてどのコントローラを選出するかの決定に役立ちます。

  3. 起動時間が最短のワイヤレス コントローラ。

  4. 最小の MAC アドレスを持つワイヤレス コントローラ。

    シャーシの HA LED を使用して現在のアクティブ コントローラを識別できます。

HA ペア構成の状態遷移

  1. 非冗長モードのアクティブ ワイヤレス コントローラ

  2. HA ペアリングのためのスタンバイ挿入

  3. HA 同期処理中

  4. SSO での端末状態


(注)  

HA ペアの解消:HA 設定は、chassis clear コマンド後にリロードすることで HA 設定を無効にできます。


HA ペアのモニタリング

アクティブ ワイヤレス コントローラの管理 UI からアクティブとスタンバイの両方のシステムを監視できます。これには、CPU およびメモリ使用率に関する情報と、詳細な CPU ビューおよびメモリ ビューが含まれています。

コントローラ Web UI で [Monitoring] > [System] > [Redundancy] に移動します。[Redundancy States] ページが表示されます。

パラメータ

説明

My State

アクティブ CPU コントローラ モジュールの状態を表示します。表示される値は次のとおりです。

Active

Standby HOT

Disable

Peer State

ピア(またはスタンバイ)CPU コントローラ モジュールの状態を表示します。表示される値は次のとおりです。

Standby HOT

Disable

Mode

冗長ピアの現在の状態を表示します。表示される値は次のとおりです。

Simplex:単一 CPU のコントローラ モジュール。

Duplex:2 つの CPU が搭載されたコントローラ モジュール。

Unit ID

CPU コントローラ モジュールのユニット ID を表示します。

Redundancy Mode (Operational)

ユニットでサポートされる最新の動作冗長モードを表示します。

Redundancy Mode (Configured)

ユニットでサポートされる最新の設定冗長モードを表示します。

Redundancy State

ユニットの現在機能している冗長性状態を表示します。表示される値は次のとおりです。

SSO

Not Redundant

Manual Swact

手動スイッチオーバーが有効になっているかどうかを表示します。

Communications

2 つのコントローラ間で通信がアップかダウンかを表示します。

同じページにスイッチオーバー履歴を表示します。次の表に、次のパラメータの説明を示します。

パラメータ

説明

Index

冗長ユニットのインデックス番号を表示します。

Previous Active

スイッチオーバーする前にアクティブだったコントローラを表示します。

Current Active

現在アクティブなコントローラを表示します。

Switch Over Time

スイッチオーバー発生時のシステム時刻を表示します。

Switch Over Reason

スイッチオーバーの理由を表示します。

CLI からの HA ペアのモニタリング

show chasis コマンドは HA ペアに関するサマリー情報を表示します。これには、MAC アドレス、ロール、スイッチ プライオリティ、および冗長 HA ペア内の各ワイヤレス コントローラの現在の状態が含まれています。デフォルトでは、HA ペアのローカル MAC アドレスが最初に選択されたアクティブ コントローラの MAC アドレスになります。

上に示すように、show chassis コマンドは、シャーシ番号に対して「*」を使用してコンソールでの現在の C9800 ワイヤレス コントローラを示します。

冗長状態の確認

2 台のユニットの状態を監視するには show redundancy コマンドを使用します。

wireless controller#show redundancy ?
  application       box 2 box application information
  clients           Redundancy Facility (RF) client list
  config-sync       Show Redundancy Config Sync status
  counters          Redundancy Facility (RF) operational counters
  domain            Specify the RF domain
  history           Redundancy Facility (RF) history
  idb-sync-history  Redundancy Facility (RF) IDB sync history
  linecard-group    Line card redundancy group information
  rii               Display the redunduncy interface identifier for Box to Box
  states            Redundancy Facility (RF) states
  switchover        Redundancy Facility (RF) switchover
  trace             Redundancy Facility (RF) trace
  |                 Output modifiers
  <cr>              <cr>

show redundancy コマンドは冗長システムと現在のプロセッサ情報を表示します。冗長システムの情報にはシステム稼働時間、スタンバイの障害、スイッチオーバーの理由、ハードウェアのモード、および設定され、動作している冗長モードが含まれます。表示される現在のプロセッサ情報には、イメージ バージョン、アクティブなロケーション、ソフトウェアの状態、ブート変数、設定登録値、および現在の状態での稼働時間などが含まれています。ピア プロセッサの情報は、アクティブ コントローラからのみ取得できます。

show redundancy states コマンドは、アクティブ コントローラとスタンバイ コントローラのすべての冗長状態を表示します。

手動スイッチオーバー アクション(手動 Swact)、つまり、redundancy force-switchover コマンドはスタンバイ ワイヤレス コントローラ上では実行できません。このコマンドはアクティブ コントローラ上でのみ有効にできます。

スイッチオーバー履歴を表示するには、次のコマンドを使用します。

ssss

スタンバイ ワイヤレス コントローラ コンソールへのアクセス

アクティブ コントローラは、管理 IP アドレスを使用し、コンソール接続、Telnet、SSH、または Web ブラウザからアクセスできます。スタンバイ ワイヤレス コントローラでコンソールを使用するには、アクティブ Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラから次のコマンドを実行します。

conf t
redundancy
main-cpu
standby console enable

スタンバイ コンソール上のプロンプトに「-stby」が追加され、次に示すようにスタンバイ ワイヤレス コントローラ コンソールが反映されます。


(注)  

上に示すように、show chassis コマンドは、シャーシ番号に対して「*」を使用してコンソールでの現在の C9800 ワイヤレス コントローラを示します。この場合は、スタンバイ ユニットのコンソールです。


スイッチオーバー機能

プロセス障害によるスイッチオーバー

このタイプのスイッチオーバーは、アクティブ ユニットで実行中の主要プロセスに障害またはクラッシュが発生したときに行われます。このような障害が発生すると、アクティブ ユニットがリロードし、ホット スタンバイが引き継いで新しいアクティブ ユニットになります。障害が発生したシステムが起動すると、そのシステムはホットスタンバイ 状態に移行します。スタンバイ ユニットがまだホット スタンバイの状態になっていない場合は、両方のユニットがリロードし SSO はできません。スタンバイ(ホットであってもなくても)でのプロセス障害がリロードを引き起こします。

電源障害によるスイッチオーバー

アクティブからスタンバイ ユニットへのスイッチオーバーは、現在のアクティブ ユニットの電源障害によって発生します。現在のスタンバイ ユニットが新しいアクティブ ユニットとなり、障害が発生したシステムが起動すると、そのシステムはホットスタンバイ状態に移行します。

手動スイッチオーバー

これは、アクティブとスタンバイ ユニット間でユーザによって開始される強制スイッチオーバーです。現在のスタンバイ ユニットが新しいアクティブ ユニットとなり、障害が発生したシステムが起動すると、そのシステムはホットスタンバイ状態に移行します。手動スイッチオーバーを実行するには、redundancy force-switchover コマンドを実行します。このコマンドによって、アクティブからスタンバイ コントローラへのグレースフル スイッチオーバーが開始されます。アクティブ コントローラがリロードし、スタンバイが新たにアクティブ コントローラを引き継ぎます。

フェールオーバー プロセス

スタンバイ ワイヤレス コントローラ

アクセス ポイントおよびクライアントのステートフル スイッチオーバー(SSO)とは、すべてのアクセス ポイントおよびクライアントのセッションがステートフルにスイッチオーバーし、セッションを失うことなくネットワーク内で動作し続けることです。これによりネットワークの可用性が向上し、サービス ダウンタイムが削減されます。

冗長ペアが形成されると HA が有効になります。つまり、アクセス ポイントとクライアントはアクティブからスタンバイへのスイッチオーバー時でも接続されたままの状態を維持します。

AP とクライアント SSO の状態同期の確認

スタンバイ ワイヤレス コントローラがアクティブとして正常にスイッチオーバーすると、これまでアクティブ ワイヤレス コントローラに接続されていたすべてのアクセス ポイントとクライアントは新しいアクティブ コントローラに接続された状態を維持する必要があります。

これは、次のコマンドを実行することで確認できます。

show ap uptime : Verifies that the uptime of the access point after the switchover is not reset.
show wireless client summary: Displays the clients connected to the new Active controller.

SSO フェールオーバー時間のメトリック

メトリック

時刻

障害の検出

50 ms 程度。

調整の時間 (アクティブになるスタンバイ)

1,020 ms 程度。

HA ペアのアップグレード

HA ペアのアップグレードを実行するには、次に示す手順に従います。

  1. スタンバイ ワイヤレス コントローラがアクティブとして正常にスイッチオーバーすると、これまでアクティブ ワイヤレス コントローラに接続されていたすべてのアクセス ポイントとクライアントは新しいアクティブ コントローラに接続された状態を維持する必要があります。

  2. copy flash:<image name> stby-bootflash:<image name> を使用して同じアクティブ イメージのクローンをスタンバイに作成します。

  3. ブート システムを設定し確認して、アクティブとスタンバイの両方に boot system flash bootflash:<image name > エントリがあることを確認します。

SSO ハイブリッド導入による N+1

上に示したように、SSO 冗長ペアと N+1 プライマリ、セカンダリ、およびターシャリ モデルのハイブリッド トポロジがサポートされています。DR サイトのセカンダリ コントローラは、Catalyst C9800-40-K9、C9800-80-K9、または C9800-CL-K9 ワイヤレス コントローラです。Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラから CUWN コントローラにフェール バックするアクセス ポイントはコードを再度ダウンロードしてから CUWN ワイヤレス コントローラに参加します。また、CUWN コントローラから Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラにフェール バックするアクセス ポイントも同様のことを実行します。