Cisco Mobility Express を使用したサービスの管理
Cisco Mobility Express 導入にはサポートされるいくつかのサービスがあります。このセクションでは、次のサービスを説明します。
Application Visibility and Control(アプリケーションの可視化と制御)
Network Based Application Recognition(NBAR)は、ワイヤレス ネットワークでのアプリケーション制御を可能にし、管理性と生産性を向上させます。また、エンドツーエンドのソリューションとして Cisco の Application Visibility and Control(AVC)を拡張します。これにより、ネットワーク内のアプリケーションの完全な可視性が提供され、管理者は同じ処理を行うことができます。
NBAR は、ステートフル L4 ~ L7 分類をサポートするディープ パケット インスペクション テクノロジーです。NBAR の主な使用例として、キャパシティ プランニング、ネットワーク使用量のベースライン化、および帯域幅を消費するアプリケーションのより的確な把握があります。アプリケーションの使用状況の傾向を把握できるため、ネットワーク管理者は、ネットワーク上で輻輳が生じた場合に帯域幅消費の激しいアプリケーションから主要なアプリケーションを保護することでユーザ体験の質を改善することができます。さらに、特定のアプリケーション トラフィックの優先順位を変更したり、ドロップしたりすることもできます。AVC/NBAR2 エンジンは、特定の WLAN の QoS 設定と相互運用します。
WLAN でのアプリケーションの可視化の有効化
WLAN でのアプリケーションの可視化を設定するには、以下の手順に従います。
手順 WLAN でのアプリケーションの可視化を有効にするには、[Wireless Settings] > [WLANs] に移動します。[Add new WLAN] または [Edit WLAN] ウィンドウで、[Traffic Shaping] タブをクリックします。この WLAN でのアプリケーションの可視化を有効にするには、[Application Visibility Control] で [Enabled] を選択します。
|
WLAN でのアプリケーションの制御の有効化
アプリケーションの可視化が WLAN で有効になった後、さまざまなアプリケーションの制御を追加できます。アプリケーションの制御を追加するには、2 つの方法があります。[Network Summary] ページの [Applications] ウィジェットから制御を直接追加するか、[Monitoring] > [Applications] に移動し、必要に応じてアプリケーションの制御を追加できます。
[Network Summary] ページからのアプリケーション制御の追加
手順
ステップ 1
| [Network Summary] ページの [Applications] ウィジェットを追加します。[Applications] ウィジェットを追加するには、[Network Summary] バナーの右側にある [+] アイコンをクリックします。[Applications] ウィジェットを選択します。[Applications] ウィジェットは、Mobility Express ネットワークのクライアントが参照する上位 10 個のアプリケーションを表示します。 |
ステップ 2
| 制御を追加するアプリケーションをクリックします。[Add AVC Rule] ウィンドウがポップアップ表示されます。[Action] を選択します。アクションは、マーク、ドロップまたはレート制限です。マークの場合は、DSCP をプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズまたはカスタムを選択できます。カスタムを選択した場合は、DSCP 値を指定する必要があります。レート制限の場合、アプリケーションの平均レートとバースト レートを指定できます。 |
ステップ 3
| 1 つ以上の AVC プロファイルと SSID の組み合わせを選択します。 |
ステップ 4
| [Apply] をクリックします。 |
アプリケーション ページからのアプリケーション制御の追加
手順
ステップ 1
| [Monitoring] > [Applications] ページに移動します。 |
ステップ 2
| 制御を追加するアプリケーションをクリックします。[Add AVC Rule] ウィンドウがポップアップ表示されます。[Action] を選択します。アクションは、マーク、ドロップまたはレート制限です。マークの場合は、DSCP をプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズまたはカスタムを選択できます。カスタムを選択した場合は、DSCP 値を指定する必要があります。レート制限の場合、アプリケーションの平均レートとバースト レートを指定できます。 |
ステップ 3
| 1 つ以上の AVC プロファイルと SSID の組み合わせを選択します。 |
ステップ 4
| [Apply] をクリックします。 |
iOS によって最適化された Wi-Fi 接続と Fast Lane
最適化された Wi-Fi 接続の設定
802.11r 対応 WLAN は、ワイヤレス クライアント デバイスのローミングを高速化します。ローミング エクスペリエンスを向上させるためには、iOS 10 を実行する iOS デバイスを 11r 対応 WLAN に接続できるようにすることをお勧めします。ただし、WLAN で 11r を有効にすると、FT AKM のビーコンおよびプローブ応答を認識しないレガシー デバイスを WLAN に接続することができなくなります。何らかの方法で、クライアント デバイスの機能を識別して 11r 対応デバイスを FT 対応デバイスとして WLAN に接続可能にし、同時に、レガシー デバイスを 11i/WPA2 デバイスとして接続できるようにする必要があります。
Cisco Mobility Express リリース 8.4 は、802.11i 対応 WLAN 上の 802.11r を iOS デバイスに対して選択的に有効化することができます。対応する iOS デバイスはこの機能を識別し、WLAN 上で FT アソシエーションを行います。シスコ ワイヤレス インフラストラクチャは、非 FT WLAN で FT アソシエーションをネゴシエートできるデバイスから、WLAN 上で FT アソシエーションを行うことを許可します。加えて AireOS 8.4 が動作している Mobility Express では、SSID で 802.11k と 802.11v がデフォルトで有効になっています。これらの機能により、ローミングすべきタイミングとネイバー AP に関する情報がクライアントに通知され、ローミングが必要な時にスキャニングする時間を無駄にすることがなくなるので、クライアントのローミング状況の改善に役立ちます。iOS デバイスはデュアル バンドをサポートするため、802.11k ネイバー リストは、iOS デバイスに対応してデュアル バンドで更新されます。
WLAN で、11k、r、v を設定するには、以下の手順に従います。
手順
ステップ 1
| Cisco Mobility Express の [Expert View] を有効にします。Expert View は Cisco Mobility Express WebUI のトップ バナーで利用でき、標準ビューで利用できないさまざまの設定可能なパラメータを有効にすることができます。
|
ステップ 2
| [Wireless Settings] > [WLANs] に移動します。[Add new WLAN] または [Edit WLAN] ウィンドウで、[Advanced] タブをクリックします。このページで、必要に応じて、802.11k、r、v を設定します。
|
ステップ 3
| [Apply] をクリックします。 |
Fast Lane の設定
Apple iOS デバイスは、IETF の推奨に従って QoS マーキングを行います。AireOS 8.4 が動作している Mobility Express では、CLI から Fastlane 機能を有効にすることにより、次のような便利な機能を活用することができます。
- WLC QoS 設定がグローバルに最適化され、リアルタイム アプリケーションのサポートが向上します。
- iOS 10 デバイスでは、WMM TSPEC/TCLAS ネゴシエーションを実行することなくアップストリーム音声トラフィックを送信できます。インフラストラクチャがこれらの端末の音声マーキングに対応します。
- QoS プロファイルを iOS 10 デバイスに適用して、アップストリームで QoS マーキングが適用されるアプリケーションと、ベスト エフォートまたはバックグラウンドで送信されるアプリケーションを決定することができます。
CLI から WLAN に Fast Lane を設定するには、以下の手順に従います。
手順
ステップ 1
| コントローラの CLI にログインします。 |
ステップ 2
| 次の CLI を使用して Fast Lane を有効にします。
(Cisco Controller) >config qos fastlane enable 1
Warning: This command will temporarily disable all WLANs and Networks.
Active WLANs and networks will be re-enabled automatically after the configuration completes.
This command will also override the file named AUTOQOS-AVC-PROFILE, if it exists,
and will apply it to the WLAN, if Application Visibility is enabled.
Are you sure that you want to continue? (y/N)y
|
Cisco Mobility Express と CMX クラウド
Cisco CMX クラウド
Cisco Connected Mobile Experiences クラウド(Cisco CMX クラウド)は、簡単でスケーラブルです。シスコの無線インフラストラクチャとシームレスに統合することで、ワイヤレス ゲスト アクセスの提供方法と施設内での使用状況の分析に大きな変化をもたらします。
このクラウドが提供する Software-as-a-Service(SaaS)は、導入が容易で直感的に使用できます。これは、CMX 10.x コードに基づき、Cisco Mobility Express リリース 8.3 と互換性があります。次のサービスが提供されます。
- ゲスト アクセスのための接続:ソーシャル、セルフ登録、ショート メッセージ サービス(SMS)などのさまざまな認証方法を使用するカスタム ポータルによって、使いやすいゲストアクセス ソリューションを訪問者に提供します。
- プレゼンス分析:施設内のすべての Wi-Fi デバイス(以下「デバイス」)を検出し、滞在時間、新規訪問者対リピータ、およびピーク時間などのプレゼンスを分析します。
Cisco CMX クラウド ソリューションの互換性マトリックス
- AireOS リリース 8.3 以降を実行する Cisco Mobility Express
- Cisco Mobility Express に対応しているすべてのアクセス ポイント
Cisco CMX クラウド導入の最小要件
CMX クラウド導入の最小要件は次のとおりです。
- 上記の Cisco CMX クラウド ソリューションの互換性マトリックスを確認します。
- 推奨するブラウザは Chrome 45 以降です。
- 60 日間のトライアル中に https://cmxcisco.com で登録するか、Cisco Commerce Workspace(CCW)から選択した CMX クラウド サービスのライセンスを購入します。
プレゼンス分析のために Mobility Express で CMX クラウド サービスを有効にする
CMX クラウド アカウントを作成したら、次の手順は、マスター アクセス ポイントで CMX クラウド サービスを設定して有効化し、CMX クラウドにデータを送信できるようにすることです。設定するには、以下の手順に従います。
手順
ステップ 1
| Cisco Mobility Express WebUI で、[Advanced] > [CMX] に移動します。 |
ステップ 2
| CMX サーバの URL(サイト URL)を入力します。
|
ステップ 3
| CMX サーバ トークン(アカウント トークン)を入力します。
|
ステップ 4
| [Apply] をクリックします。
ヒント
|
設定した情報を使用して、[Test Link] ボタンをクリックし、マスター AP から CMX クラウドのサイトへの接続を確認します。
|
|
プレゼンス分析のための CMX クラウドでのサイトの設定
サイトを作成して、プレゼンス分析のために CMX クラウド内のそのサイトにアクセス ポイントを追加するには、以下の手順に従います。
手順
ステップ 1
| https://cmscisco.com/ で CMX クラウド アカウントにログインします。 |
ステップ 2
| [Manage] > [Cloud Enabled WLC] に移行して、WLC の IP アドレスがリストに表示されることを確認します。 |
ステップ 3
| [PRESENCE ANALYTICS] > [Manage] に移動します。[Sites] ペインが開きます。[Add Site] ボタンをクリックして、サイトを作成します。 |
ステップ 4
| [NEW SITE] ウィンドウで、次の詳細を設定します。
|
ステップ 5
| [Save] をクリックしてサイトを作成します。 |
ステップ 6
| サイトを作成したら、[PRESENCE ANALYTICS] > [Manage] の下の [Access Points] をクリックします。 |
ステップ 7
| アクセス ポイントを選択し、[Add to Site] ボタンをクリックし、ドロップダウン リストからサイトを選択して追加します。 |
ステップ 8
| 最後に、[Presence Analytics] ダッシュボードに移動します。作成したサイトを選択します。数分以内に、プレゼンス データが読み込まれているのを確認します。 |