Microsoft Lync Server を使用した、IM and Presence Service リリース 12.0 (1) のリモート通話コントロール
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章のタイトル: IM and Presence サービスのための Microsoft コンポーネント統合の設定
IM and Presence サービスのための Microsoft コンポーネント統合の設定
Microsoft Active Directory での回線 URI の設定
Microsoft Active Directory で回線 URI パラメータを設定する場合は、次の点に注意してください。
(注)
E.164 形式の番号を使用している場合、phone-context=dialstring を含めないでください。 Microsoft Lync クライアントでエラーになります。E.164 形式の番号使用時の Lync のエラー を参照してください。
デバイス ID を設定する場合、 Microsoft Lync クライアントは最初のサインイン時にその ID に対応するデバイスを制御します。たとえば、tel:xxxx;phone-context=dialstring;device=SEP0002FD3BB5C5 となります。
パーティションを設定する場合、 Microsoft Lync クライアントはディレクトリ番号のパーティションを指定します。たとえば、tel:xxxx;phone-context=dialstring;device=SEP0002FD3BB5C5;partition=myPartition となります。
回線 URI は、 Microsoft Lync ユーザがサインインするときだけ有効になります。
最初のサインインの後に、 Microsoft Lync ユーザは Cisco Unified Communications Manager IM and Presence サービス Lync Remote Call Control プラグインを通じて制御するライン アピアランスを変更できます。
回線 URI でデバイス ID を設定しないと、CTI ゲートウェイが回線のディレクトリ番号(DN)に関連付けられるデバイスを決定します。回線の DN にデバイスが 1 つだけ関連付けられていると、CTI ゲートウェイはそのデバイスを使用します。
(注)
回線 URI では E.164 形式の番号も使用できます。ただし、 Cisco Unified Communications Manager の DN が E.164 で設定されている必要があります。
IM and Presence サービス ユーザ認証
Microsoft Active Directory で SIP URI を設定するときは、IM and Presence サービス がどのようにユーザ認証チェックを実行するかを考慮してください。ユーザ認証ロジックは次のとおりです。
IM and Presence サービス は、 Microsoft Lync にサインインしたユーザ ID が Cisco Unified Communications Manager ユーザ ID に一致するかどうかを確認します。IM and Presence サービス で一致する ID が見つからない場合は、次の処理を行います。
IM and Presence サービス は、 Microsoft Lync ユーザの電子メールの From ヘッダが Cisco Unified Communications Manager ユーザの電子メール アドレスと一致するかどうかを確認します。IM and Presence サービス で一致する ID が見つからない場合は、次の処理を行います。
IM and Presence サービス は Microsoft Lync ユーザの電子メール アドレスが Cisco Unified Communications Manager ユーザの ocsPrimaryAddress 値に一致するかどうかを確認します。
たとえば、ユーザ Joe の Microsoft Lync ユーザ ID が joe@someCompany.com であるとします。SIP INVITE の発信元ヘッダーは sip:joe@someCompany.com です。
その場合、IM and Presence サービス は次の項目を確認します。
Cisco Unified Communications Manager データベース内の、ユーザ ID「joe」の有無。このユーザ ID が存在しない場合:
Cisco Unified Communications Manager データベース内の、電子メール アドレス「joe@someCompany.com」の有無。このメールが存在しない場合:
Cisco Unified Communications Manager データベース内の、ocsPrimaryAddress「sip:joe@someCompany.com」の有無。
Microsoft Active Directory の設定
はじめる前に
Microsoft Active Directory での回線 URI 設定に関するトピックに目を通します。
IM and Presence サービス でのユーザ認証チェックに関するトピックに目を通します。
手順 ステップ 1
Microsoft Active Directory アプリケーション ウィンドウから、各特定のユーザに関連付けるユーザ名および電話番号を追加します。
ステップ 2
追加したユーザごとに、Microsoft Active Directory で [プロパティ(Properties)] ウィンドウを開き、次のパラメータを設定します。 追加したユーザを Microsoft Lync サーバで有効にします。
SIP URI を入力します。
Microsoft Lync のサーバ名またはプールを入力します。
注意
Microsoft Lync サーバ名またはプール名にはアンダースコア文字が含まれていないことを確認します。
[テレフォニー設定(Telephony Settings)] で [設定(Configure)] を選択します。
[リモートからのコール制御の有効化(Enable Remote call control)] をオンにします。
リモート通話コントロール SIP URI を、たとえば sip:8000@my-cups.my-domain.com のように入力します。my-cups.my-domain.com には、この統合のために設定した IM and Presence サービス ノードの FQDN を指定します。
回線 URI 値を入力します。
重要:
Microsoft Active Directory で入力する SIP URI は、 Microsoft Lync でスタティック ルートを設定しているときに定義するスタティック ルート URI に一致する必要があります。
次の作業
Lync Server のコントロール パネルでユーザを有効にする
Lync Server のコントロール パネルでユーザを有効にする
ここでは、Lync Server のコントロール パネルで新しいユーザを有効にする方法について説明します。
手順 ステップ 1
Microsoft Lync Server がインストールされている Windows サーバにアクセスします。
ステップ 2
[スタート(Start)] を選択します。
ステップ 3
[トップ アクション(Top Actions)] メニューで [Lync Server に対してユーザを有効にする(Enable users for Lync Server)] を選択します。
ステップ 4
[追加(Add)] を選択します。
ステップ 5
[LDAP 検索(LDAP search)] オプションを選択し、[検索(Find)] を選択します。
ステップ 6
有効にするユーザをクリックし、[OK] を選択します。
ステップ 7
[ユーザをプールに割り当て(Assign users to a pool)] ドロップダウン リストからアプリケーション プールを選択します。
ステップ 8
[SIP URI を指定する(Specify a SIP URI)] オプションを選択し、SIP URI を入力します。入力する SIP URI の例は、sip:UserA@lyncdomain.com で、UserA は追加したユーザ、lyncdomain.com は Lync サーバのドメイン名を表します。
ステップ 9
[テレフォニー(Telephony)] ドロップダウン リストから [リモート通話コントロール(Remote call control)] を選択します。
ステップ 10
回線 URI を tel:<telephone_number> の形式で入力します。<telephone_number> はユーザの追加時に入力した電話番号です。
ステップ 11
Line サーバの URI を入力します。入力する URI の例は、sip:UserA@my-cups.my-domain .com で、UserA は追加したユーザ、my-cups.my-domain.com は IM and Presence サービス ノードのドメイン名を表します。
次の点に注意してください。
Line サーバの URI ドメインは、スタティック ルートの MatchUri パラメータで一致する値となります。Microsoft Lync サーバのスタティック ルートの設定 を参照してください。
Lync サーバが IM and Presence サービス へと SIP メッセージを正しくルーティングするには、Line サーバ URI ドメインと MatchUri パラメータの値は、一致している必要があります。
IM and Presence サービス ノードでは、このドメインをプロキシ ドメインとして設定していなければなりません。
ステップ 12
ウィンドウ上部で [有効(Enable)] を選択し、新しいユーザを有効にします。ユーザは、[有効(Enable)] 列がオンになっている必要があります。
次の作業
Microsoft Lync Server の設定概要
Microsoft Lync Server の設定概要
Microsoft Lync サーバが正しくインストールされてアクティブになっていることを確認します。 Microsoft Lync で次の項目が設定されていることを確認します。
証明書設定
スタティック ルート
認証済みホスト
ドメイン ネーム サーバ
プール プロパティ
サーバ プロパティ
プール ユーザ
ユーザの設定
Microsoft Lync クライアント設定
Lync Server 管理シェル ユーティリティを使用して Microsoft Lync Server を設定します。管理シェル ユーティリティは、Lync サーバのインストール時にデフォルトでインストールされています。Microsoft Lync Server の設定時に、次の項目を設定します。
Microsoft Lync Server の設定後に、トポロジを確定し、フロントエンド サービスを再起動します。
Microsoft Lync サーバのスタティック ルートの設定
Lync サーバは、受信クライアントの SIP メッセージ INVITE の URI との一致にスタティック ルートを使用します。Lync サーバは、URI 値を Line サーバの URI として参照します。
手順 ステップ 1
の順に選択します。
ステップ 2
次のコマンドを実行し、現在のシステム設定を確認します。 Get-CsStaticRoutingConfiguration
ステップ 3
次のコマンドを実行し、スタティック ルートを作成します。 $tcpRoute = New-CsStaticRoute -TCPRoute -Destination <IP_address_CUPserver> -Port 5060 -MatchUri "<Line_Server_URI_domain>" -ReplaceHostInRequestUri $true
ステップ 4
プロンプトで次のコマンドを実行し、スタティック ルートを Lync サーバに読み込みます。 Set-CsStaticRoutingConfiguration -Route @{Add=$tcpRoute}
ステップ 5
ステップ 2 に従い再度 Get コマンドを実行し、新しいシステム設定を確認します。
(注)
スタティック ルートを変更または削除する場合は、次のコマンドを実行します。
Remove-CsStaticRoutingConfiguration –Identity Global
次の表に、Lync サーバに新しいスタティック ルートを挿入する際に使用するパラメータを示します。
表 1 スタティック ルートのパラメータ
パラメータ
説明
$tcpRoute
変数の名前。好きな名前をつけることができますが、$ で始まり、Set コマンドの参照に一致している必要があります。
New-CsStaticRoute
スタティック ルートから変数に設定する内部コマンド。
-TCPRoute
このパラメータはルートを TCP として設定します。
-Destination
IM and Presence サービス ノードの IP アドレス。
-Port
IM and Presence サービス ノードがリッスンするポート。TCP の場合、ポートは 5060 です。
-MatchUri
この値は、Lync のコントロール パネルで各ユーザに指定した Line サーバの URI と比較されます。Lync Server のコントロール パネルでユーザを有効にする を参照してください。
MatchURI 値と Line サーバの URI 値の両方が、IM and Presence サービス ノード FQDN のドメインと一致する必要があります。
このパラメータの値は、二重引用符で囲む必要があります。次に例を示します。
-MatchUri "my-cups.my-domain.com"
-ReplaceHostInRequestUri
このパラメータは、初期値の INVITE の URI を、Destination パラメータで参照される値に置き換えます。
-CsStaticRoutingConfiguration
パラメータ値をルーティング データベースに移動するための内部コマンド。
-Route
このパラメータは、変数のパラメータを取得し、スタティック ルートを追加します。
次の作業
Microsoft Lync Server のアプリケーション プールの設定
Microsoft Lync Server のアプリケーション プールの設定
次の手順を実行し、Lync サーバ(レジストラ)が参照するアプリケーション プールを設定します。サイトの情報をこのプールへとリンクします。
手順 ステップ 1
Lync Server 管理シェルで次のコマンドを実行し、現在のシステム設定を確認します。 Get-CSTrustedApplicationPool
ステップ 2
次のコマンドを実行し、アドレス プールを作成します。 New-CsTrustedApplicationpool -Identity "<IP_address_CUPserver>" -Registrar <Lync_server_FQDN> –Site 1 –TreatAsAuthenticated $True –ThrottleAsServer $True –RequiresReplication $False
ステップ 3
プロンプトで、[Y] を選択します。
ステップ 4
ステップ 1 に従い再度 Get コマンドを実行し、新しいシステム設定を確認します。
ヒント
アプリケーション プールを変更または削除する場合は、次のコマンドを実行します。
Remove-CsTrustedApplicationPool -Identity TrustedApplicationPool:<IP_address_CUPserver>
次の表に、アプリケーション プールの設定の際に使用するパラメータを示します。
表 2 アプリケーション プールのパラメータ
パラメータ
説明
New-CsTrustedApplicationPool
アプリケーション プールを追加する内部コマンド。
-Identity
プールの参照名。IM and Presence サービス ノードの IP アドレスでもあります。
このパラメータの値は、二重引用符で囲む必要があります。たとえば、-Identity "10.0.0.1" などです。
この値は、Microsoft Lync サーバの RCC アプリケーションの設定 に従い、TrustedApplication コマンドの TrustedApplicationPoolFqdn パラメータに一致する必要があります。
-Registrar
Lync サーバの FQDN。
-Site
サイトを数値で表した値。
ヒント
Get-CsSite 管理シェル コマンドを使用してサイトの ID を検索できます。
-TreatAsAuthenticated
このパラメータの値は常に $True に設定します。
-ThrottleAsServer
このパラメータの値は常に $True に設定します。
-RequiresReplication
TCP では認証は不要なため、このパラメータの値は $False に設定する必要があります。
次の作業
Microsoft Lync サーバの RCC アプリケーションの設定
Microsoft Lync サーバの RCC アプリケーションの設定
次の手順を実行し、プールに Microsoft リモート通話コントロール(RCC)アプリケーションを追加します。
手順 ステップ 1
Lync Server 管理シェルで次のコマンドを実行し、現在のシステム設定を確認します。 Get-CSTrustedApplication
ステップ 2
次のコマンドを実行し、プールに RCC アプリケーションを追加します。 New-CsTrustedApplication -ApplicationID RCC -TrustedApplicationPoolFqdn "<IP_address_CUPserver>" -Port 5060 -EnableTcp
ステップ 3
プロンプトで、[Y] を選択します。
ステップ 4
ステップ 1 に従い再度 Get コマンドを実行し、新しいシステム設定を確認します。
ヒント
アプリケーション プールを変更または削除する場合は、次のコマンドを実行します。
Remove-CsTrustedApplicationPool -Identity TrustedApplicationPool:<IP_address_CUPserver>
次の表に、アプリケーション プールの設定の際に使用するパラメータを示します。
表 3 アプリケーション設定パラメータ
パラメータ
説明
New-CsTrustedApplication
RCC アプリケーションを追加する内部コマンド。
-ApplicationID
RCC などのアプリケーション名。
-TrustedApplicationPoolFQDN
IM and Presence サービス ノードの IP アドレス。
このパラメータの値は、二重引用符で囲む必要があります。たとえば、-Identity "10.0.0.1" などです。
この値は、Microsoft Lync Server のアプリケーション プールの設定 に従い、TrustedApplicationpool コマンドの Identity パラメータに一致する必要があります。
-Port
IM and Presence サービス ノードの SIP TCP リスニング ポート。TCP の場合、ポートは 5060 です。
-EnableTCP
このパラメータは、TCP への送信を設定します。このパラメータが含まれていない場合、送信はデフォルトで TLS となります。
次の作業
Lync サーバの SIP リッスン ポートの設定
Lync サーバの SIP リッスン ポートの設定
次の手順を実行し、Lync サーバでリッスン ポートを設定します。IM and Presence サービス ノードからの SIP トラフィックの受信で必要となります。
手順 ステップ 1
Lync Server 管理シェルで次のコマンドを実行し、現在のシステム設定を確認します。 Get-CSRegistrarConfiguration
ステップ 2
次のコマンドを実行し、Lync サーバのリッスン ポートを設定します。 Set-CsRegistrar registrar:<Lync_server_FQDN> -SipServerTcpPort 5060
ステップ 3
ステップ 1 に従い再度 Get コマンドを実行し、新しいシステム設定を確認します。
ヒント
アプリケーション プールを変更または削除する場合は、次のコマンドを実行します。
Remove-CsRegistrarConfiguration
次の表に、Lync サーバのリッスン ポートの設定の際に使用するパラメータを示します。
表 4 Lync サーバのリッスン ポートのパラメータ
パラメータ
説明
Set-CsRegistrar
Lync サーバのポートを設定する内部コマンド。
registrar:
Lync サーバの FQDN。
-SipServerTcpPort
Lync サーバの SIP リッスン ポート。通常、デフォルト値は 5060 です。
次の作業
Lync Server の設定の確定
Lync Server の設定の確定
ここでは、トポロジを確定し、フロントエンド サービスを再起動する方法を説明します。
手順 ステップ 1
Lync Server 管理シェルで次のコマンドを実行し、トポロジを有効にします。 Enable-CsTopology
ステップ 2
次のコマンドを実行し、トポロジを rcc.xml という XML ファイルに書き出し、ファイルを C ドライブに保存します。 Get-CsTopology -AsXml | Out-File C:\rcc.xml (注)
トポロジ情報を出力するファイルの名前と保存場所は自由に設定できます。
ステップ 3
rcc.xml ファイルを開きます。
ステップ 4
[クラスタ FQDN(Cluster Fqdn)] セクションで、IPAddress パラメータを「"<0.0.0.0>" 」から IM and Presence サービス ノードの IP アドレスに変更します。
ステップ 5
rcc.xml ファイルを保存します。
ステップ 6
Lync Server 管理シェルで次のコマンドを実行します。 Publish-CsTopology -FileName C:\rcc.xml
ステップ 7
次のコマンドを実行して、フロントエンド サービスを再起動します。 Restart-Service RtcSrv
次の作業
正規化規則の設定