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目次
この章では、Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS)を使用した Cisco Jabber Video for iPad の設定に関する総合的な情報を提供します。
次のタスクを実行します。
製品 | 必要なバージョン |
---|---|
TMS | 13.1 以降 |
VCS | 6.0 以降 |
Cisco Jabber Video for iPad に VCS を導入するには、適切な設定でユーザ デバイスをプロビジョニングします。 必要な設定は TMS で追加および管理します。 その後、それらのデータを VCS に転送し、VCS 上で稼働しているプロビジョニング サーバを介してデバイスに配布します。
次の 2 つの必須手順を実行して、プロビジョニング用の TMS を設定します。
デバイス アドレス パターンとは、TMS Provisioning Extension(TMSPE)が、プロビジョニングされたデバイスに対してアドレスを生成する際に使用するテンプレートです。 TMSPE がデバイスにユーザを接続できるように、デバイス アドレス パターンを割り当てます。
Cisco Jabber Video for iPad にデバイス アドレス パターンを指定するには、jabbertablet に属性 {device.model} を設定します。 必要に応じて、jabbertablet を jabber に変換するエイリアスを追加して、名前付けを簡略化します。
アドレス パターンの作成に関する詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11472/prod_installation_guides_list.html にある『Cisco TelePresence Management Suite Provisioning Extension Deployment Guide』を参照してください。
Cisco Jabber Video for iPad には、特定のテンプレート、つまりアプリケーションでサポートされる、可能なすべての設定を含む XML ファイルが必要です。 テンプレートをダウンロードして TMS にアップロードすると、そのテンプレートを設定してユーザのグループに割り当てることができます。
手順の各ステップの詳細については、次の該当するマニュアルを参照してください。
ステップ 1 | テンプレートを http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html?mdfid=280443139&flowid=29241 からローカル サーバにダウンロードします。 | ||
ステップ 2 |
テンプレートまたはテンプレート スキーマを TMS にアップロードします。 TMSPE では「テンプレート スキーマ」という用語が使用されていますが、TMS Agent Legacy では「テンプレート」という用語が使用されています。 |
||
ステップ 3 | これらのサーバ アドレス、およびその他の必要な設定をテンプレートに追加します。 | ||
ステップ 4 |
テンプレートを適切なユーザのグループに割り当てます。 グループに割り当てるテンプレートは、グループ内のすべてのユーザ、すべてのサブグループ、およびサブグループ内のすべてのユーザが継承します。 テンプレートを個別のユーザに直接割り当てることはできません。
|
プロビジョニングでは、VCS が Cisco Jabber Video for iPad をどのように使用するかを制御する設定を指定することができます。 VCS への登録後、Cisco Jabber Video for iPad は Cisco TMS Agent からプロビジョニング情報を受信し、それに基づいて機能します。
次の表には、Cisco Jabber Video for iPad に適用可能なプロビジョニング オプションの説明が示されており、それらの使用方法に関するヒントも記載されています。
フィールド | デフォルト | 説明 | ||
---|---|---|---|---|
パスワードの保存をユーザに許可する | on | このオプションでは、アカウントのパスワード ポリシーを決定します。 | ||
自動サインアウト(Automatic Sign-out) | UseClientSetting | このオプションは、Cisco Jabber の自動サインアウト方法を指定します。
|
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帯域幅プローブ自動スケジューリング(Bandwidth Prober Auto Scheduling) | オフ(Off) | このオプションでは、帯域幅プロービングを有効にできます。 帯域幅プロービングには、次の設定もプロビジョニングされている必要があります。 | ||
帯域幅プローブ時間(Bandwidth Prober Time) | 0 | サインイン後、Jabber ビデオはクライアントと TURN サーバ間の帯域幅品質について TURN リレー サーバをプロービングします。 この設定により、プロービングの期間が秒単位で決定されます。 プロビジョニングされた時間は、プロビジョニングされた最大帯域幅まで 256 kb/s の間隔に分割されます。 |
||
パブリック帯域幅プローブ自動スケジューリング(Public Bandwidth Prober Auto Scheduling) | [帯域幅プローブ自動スケジューリング(Bandwidth Prober Auto Scheduling)] に設定された値を使用します。 | 帯域幅プロービングを有効化するには、この設定が On である必要があります。 帯域幅プロービングでは、次の設定もプロビジョニングする必要があることに注意してください。 | ||
ClearPath | オン(On) | ClearPath は、最適ではないネットワークにおけるパケット損失の悪影響を最小限に抑える Cisco TelePresence ソリューションです。 これらのメカニズムの間では H.264 固有のエラー回復手法、デコーダからのフィードバック、および前方誤り訂正(FEC)が使用されます。 ClearPath が有効になるためには、両方のコール参加者が、ClearPath に対応したデバイスを使用している必要があります。 |
||
デフォルト メディアタイプ候補(Default Mediatype Candidate) | ホスト(Host) | これは、次のときに使用するアドレスです。 次のオプションを使用できます。
Cisco Jabber Video for iPad を他のほとんどのデバイスが ICE に対応していない環境に導入する場合は、[リレー(Relay)] を使用できます。 |
||
暗号化ポリシー(Encryption Policy) | 自動(Auto) | アカウントの暗号化ポリシーを決定します。 このオプションは、SIP 通信(トランスポート TLS または TCP)とメディア通信(SRTP または SRTP なし)の両方に影響します。 コールを暗号化する場合、SIP 通信とメディア通信の両方が暗号化される必要があり、すべての通話者が暗号化をサポートしている必要があります。 暗号化されたメディア通信は、128 ビットの高度暗号化規格(AES)を使用した Secure Real-time Transport Protocol(SRTP)によって送信されます。 暗号化ポリシーの設定は、Cisco TMS の の設定に従ってクライアントにプロビジョニングされます。 SIP 通信を暗号化するか(TLS)しないか(TCP)は、[TLS/TCP の使用(Force TLS/TCP)] によって定されます。 TLS バージョン 1.0。 [SRTP の使用あり/なし(Force/No Srtp)]:メディア通信が暗号化されているかいないかを決定します。 [自動(Auto)] の場合、クライアントは暗号化されたコールを試行しますが、暗号化できない場合は、暗号化されていないコールを許可します。 |
||
ICE | オフ(Off) | Interactive Connectivity Establishment(ICE)は、コール参加者間のメディアの伝送に最適なパスを動的に検出します。 |
||
最大受信帯域幅(Maximum In Bandwidth) | 512 KB/s | 指定した値により、ユーザ アカウントでデータの送受信を行うために許可される最大帯域幅が決定されます。 高い帯域幅は、良好なビデオ品質に直接結び付きます。 しかし、帯域幅を制御すれば、アプリケーションがその能力を超えてデータを受信または送信しようとするのを防ぐことができ、結果としてパケット損失、ジッター、および低いビデオ品質の発生を回避できます。 |
||
最大送信帯域幅(Maximum Out Bandwidth) | 384 KB/s | |||
メディア ポート範囲の末尾(Media Port Range End) | 21900 | ビデオとオーディオの通信で使用されるポート番号の上限または下限。 セキュリティとファイアウォールに関する問題を制御するために、これらを設定できます。 10 個以上のポートが含まれる範囲を指定する必要があります。そうしない場合、Cisco Jabber Video for iPad はデフォルトに戻ります。 |
||
メディア ポート範囲の始端(Media Port Range Start) | 21000 | |||
MNS モード(MNS Mode) | オフ(Off) | このオプションを有効にすると、リレー対象のメディアは、容量が保証されているプライベート HD リンク経由で常にリレーされ、ビデオの品質が確保されます。 この設定を使用するには、ICE が有効になっている必要があります。 プライベートの専用リンクは、Media Network Services などの企業から提供されます。 |
||
Multiway 参加者 URI(Multiway Participant URI) | Multiway が開始されると、参加者は、この Uniform Resource Identifier(URI)に誘導されます。 | |||
電話帳サーバ URI(Phone Book Server URI) | アカウントが Cisco TMS Agent データベース内の他のアカウントを検索できるようになります。 次の形式で URI を設定します。phonebook@<sip_domain>.com 値を指定しなければ、Cisco Jabber Video for iPad で連絡先を検索できません。 |
|||
プレゼンス サーバ URI(Presence Server URI) | アカウントがプレゼンス ステータスを VCS サーバに送信できるようになります。 次の形式で URI を設定します。presence@<sip_domain>.com
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パブリック デフォルト メディアタイプ候補(Public Default Mediatype Candidate) | [デフォルト メディアタイプ候補(Default Mediatype Candidate)] に設定された値を使用。 動的に変化します |
これは、次のときに使用するアドレスです。 次のオプションを使用できます。
ユーザが組織のネットワークの外側から接続する場合は、[リレー(Relay)] を使用することを推奨します。 ICE ネゴシエーションは完了するまでに数秒の時間がかかります。そのため、TURN リレーを使用すれば、コールを開始したときからメディアがファイアウォールを通過するのに役立ちます。 ICE ネゴシエーションが完了したとき、より適切なメディア パスが特定されていれば、メディアはリダイレクトされます。 |
||
パブリック最大受信帯域幅(Public Maximum In Bandwidth) | [最大受信帯域幅(Maximum In Bandwidth)] に設定された値を使用。 動的に変化します |
指定した値により、ユーザが VCS アカウントを使用してアプリケーションにサインインした後のデータの送受信に使用できる最大帯域幅が決定されます。 この設定は、組織のネットワークの外側から接続するユーザに対して帯域幅を制御するのに役立つ場合があります。 これらのユーザは低速のネットワーク接続を使用していたり、企業はそれらのユーザの帯域幅使用量を制限したりする場合があります。 |
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パブリック最大送信帯域幅(Public Maximum Out Bandwidth) | [最大送信帯域幅(Maximum Out Bandwidth)] に設定された値を使用。 動的に変化します |
|||
パブリック電話帳サーバ URI(Public Phone Book Server URI) | [電話帳サーバ URI(Phone Book Server URI)] に設定された値を使用。 動的に変化します |
[電話帳サーバ URI(Phone Book Server URI)] 設定を設定すれば十分です。 |
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パブリック プレゼンス サーバ URI(Public Presence Server URI) | [プレゼンス サーバ URI(Presence Server URI)] に設定された値を使用。 動的に変化します |
[プレゼンス サーバ URI(Presence Server URI)] 設定を設定すれば十分です。 |
||
パブリック SIP サーバ アドレス(Public SIP Server Address) | [SIP サーバ アドレス(SIP Server Address)] に設定された値を使用。 動的に変化します |
ユーザが外部 VCS サーバ アドレスでサインインした後の登録要求の送信先となるサーバ アドレス 通常、この情報は、ユーザが Cisco Jabber Video for iPad で指定する外部サーバ アドレスと同じです。 |
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解像度設定(Resolution Preferences) | 高(High) | 着信と発信のビデオ解像度を制限します。 Cisco Jabber Video for iPad はこの値を上書きします。 この制限は多くの要因に左右されますが、一般に次の規則に従います。 |
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SIP サーバ アドレス(SIP Server Address) | Cisco Jabber Video for iPad がサブスクライブされている VCS サーバ | 登録要求が送信されるサーバ アドレス ユーザが Cisco Jabber Video for iPad で指定する内部サーバ アドレスと同じです。 |
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SIP 認証ユーザ名(SIP Authentication Username) | SIP 認証ユーザ名。 エンドポイントは AuthUsername および AuthPassword 値を VCS サーバでの認証に使用します。 | |||
SIP 認証パスワード(SIP Authentication Password) | SIP 認証パスワード。 エンドポイントは AuthUsername および AuthPassword 値を VCS サーバでの認証に使用します。 | |||
TurnAuthPassword | ICE を有効化するために必要な TURN サーバ設定。 詳細については、ICE の有効化を参照してください。 | |||
TurnAuthUsername | ||||
TurnServer |
登録許可リストまたは検索ルールを使用する場合は、このトピックを確認してください。
ユーザ デバイスが VCS と連携するには、それらのデバイスを VCS に登録しておく必要があります。 登録 URI 内での Cisco Jabber Video for iPad ユーザのサフィックスは、.jabbertablet または .jabber です。 たとえば、ユーザの URI は、新しいサフィックスを持つ次の形式になります。userName.jabbertablet@DomainName または userName.jabber@DomainName。 URI にサフィックスが追加されるため、次の変更が必要になる場合があります。
ポートがアプリケーションのトラフィックを伝送するようにハードウェア ファイアウォールを設定します。 ハードウェア ファイアウォールは、望まないトラフィックからの保護を組織レベルで実現するネットワーク デバイスです。 次の表に、VCS の導入に必要なポートを示します。 これらのポートは、アプリケーションが正常に機能するために、すべてのファイアウォール上で開いておく必要があります。
以下のトピックを確認して、Cisco Jabber Video for iPad 上で VCS に使用される主な通信タイプを把握してください。
Cisco Jabber Video for iPad は、Session Initiation Protocol(SIP)を使用して VCS と通信します。 ビデオとオーディオを除き、SIP はすべての通信(加入、登録、プレゼンス ステータスのクエリー、コールの招待など)を担当します。 SIP メッセージは、プロビジョニングされた設定に従って(TLS 暗号化の有無に関係なく)TCP によって送信されます。
VCS で使用されるデフォルトの SIP リスニング ポートは次のとおりです。
これらのリスニング ポートを変更するには、
に移動します。(注) |
Jabber 本体は、これらの通信にエフェメラル TCP ポートを使用します。 これらのポートは、TCP スタックによって Cisco Jabber Video for iPad に渡されるので、設定することはできません。 H.323 が必要で、SIP をサポートしていないデバイスとの通信を有効にする場合は、Cisco VCS 上のインターワーキングを使用できます。 |
メディア データは、最大 9 本の UDP リンク(ポート)によって転送されます。 Cisco Jabber Video for iPad で使用されるメディア ストリームには、次のようなものがあります。
これらのストリームにはそれぞれ 2 本のリンクが必要です。1 本は RTP パケット用で、もう 1 本は RTCP パケット用です。 暗号化が有効になっている場合は、SRTP プロトコルが使用されます。
メディアを受信する Cisco Jabber Video for iPad のデフォルトのポート範囲は 21,000 ~ 21,900 です。 この範囲は、TMS で変更できます。
(注) |
使用されるポート番号は連続していますが、指定範囲内でランダムに選択されます。 |
ステップ 1 |
に移動します。 |
ステップ 2 |
[メディア ポート範囲の先頭(Media Port Range Start)] および [メディア ポート範囲の末尾(Media Port Range End)] を使用して範囲を指定します。 最小範囲の 10 ポートを指定します。指定しなければ、デフォルトの範囲が使用されます。 |
VSC 上で使用されるデフォルトのポート範囲は 50,000 ~ 52,399 です。 これは変更できます。
(注) |
使用されるポート番号は連続していますが、指定範囲内でランダムに選択されます。 |
ステップ 1 |
に移動します。 |
ステップ 2 |
[トラバーサル メディア ポートの先頭(Traversal media port start)] および [トラバーサル メディア ポートの末尾(Traversal media port end)] を使用して範囲を指定します。 最小範囲の 10 ポートを指定します。指定しなければ、デフォルトの範囲が使用されます。 |
Cisco Jabber Video for iPad は、メディア ルーティングを向上させる Interactive Connectivity Establishment(ICE)をサポートしています。 コール中、ICE は、参加者全員のアプリケーションで有効になっている場合に使用されます。 詳細については、以下のトピックを確認してください。
メディア リンクは、非トラバーサル コールでは 2 つのデバイス間に直接、トラバーサル コールでは Cisco Jabber Video for iPad と VCS の間に確立されます。 一般に、非トラバーサル コールは、同じネットワーク上に存在してインターワーキングを必要としない 2 人の参加者間のコールとして定義されます。
SIP-to-H.323 コールにはインターワーキングが必要です。 このようなコールは、デバイスが同一ネットワーク上に存在しているかどうかに関係なく、トラバーサル コールになります。 詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11337/prod_maintenance_guides_list.html にある、お使いの VCS リリースに対応した『Cisco TelePresence Video Communication Server Administrator Guide』を参照してください。
ICE は、コール参加者間のメディアの伝送に最適なパスを動的に検出します。 [MNS モードの有効化(Enable MNS Mode)] プロビジョニング設定を使用することにより、メディアのルーティングを改善し、専用リンクを経路にすることができます。
ICE を起動するように Cisco VCS Expressway を設定します。
ICE を使用したメディア ルーティングには、TURN サーバが必要です。 バージョン X5.2 以降を実行中の VCS Expressway は、TURN リレー ライセンスがある場合、TURN サーバとして機能します。 TURN サーバ オプション キーが必要です。
(注) |
ICE プロビジョニングはデフォルトで使用できません。 |
TURN ポート設定は、DNS によって制御される必要があります。 Cisco Jabber Video for iPad は、TURN の IP、優先度、重み、およびポートについて SRV 検索を実行します。 TURN は UDP 上で動作するので、検索対象は _turn._udp.<domain> になります。 TURN の SRV レコードが見つからない場合、Cisco Jabber Video for iPad は A レコード検索(IPv4)または AAAA 検索(IPv6)を実行しますが、ポートはデフォルトで 3478 になります。
ポートをプロビジョニングする必要がある場合は、TurnServer フィールド内の IP アドレスにポートを付加できます(例:192.0.2.0:3478)。
Cisco Jabber Video for iPad にサインインした後、ユーザは、内部と外部の VCS サーバ アドレスを指定します。 アプリケーションは、最初に内部アドレスに対して加入を試みます。 iPad デバイスが社外の Wi-Fi に接続されているような状況では、アプリケーションは、外部アドレスに対して加入を試みます。
内部 VCS サーバ アドレスが複数の IP アドレスに変換される DNS アドレスである場合、アプリケーションは、外部 VCS サーバ アドレスを試す前に、これらすべての IP 番号に対して接続を試みます。 DNS サーバに SRV レコードが格納されている場合、アプリケーションは、それらの IP アドレスの優先度と重みに従います。格納されていなければ、ランダムな順序でそれらを試します。
通常、VCS または TMS Agent が最初の登録メッセージをチャレンジします。 アプリケーションは、認証情報を別の SUBSCRIBE メッセージで送信することにより、このチャレンジに応答します。
登録の認証が完了した後、TMS Agent はプロビジョニング情報をアプリケーションに送信します。
アプリケーションは、TMS の [SIP サーバ URI(SIP Server URI)] または [パブリック SIP サーバ URI(Public SIP Server URI)] のプロビジョニング情報に従って VCS に登録します。 このプロビジョニング情報が、ユーザのサインイン時に指定される内部および外部の VCS サーバ アドレス(両者は同じであることが推奨されています)と同一である場合、アプリケーションは加入先と同じ VCS に登録します。 アプリケーションが登録されている間は、VCS は、メッセージをそのアプリケーションに転送することを認識しています。
初期登録後、アプリケーションは、VCS サーバの [標準登録の最長リフレッシュ(秒)(Standard registration refresh maximum (seconds))] 設定に従って登録メッセージを VCS に送信し続けます。 アプリケーションは、指定された時間間隔の 75% が経過した後にメッセージを送信します。
(注) |
[標準登録の最長リフレッシュ(秒)(Standard registration refresh maximum (seconds))] 設定は、バージョン X6.0 の VCS では使用できません。 |
ユーザがデバイス上で Cisco Jabber Video for iPad から一時的に離れて他の作業を実行すると、アプリケーションはバックグラウンドになり、10 分ごとに復帰するように設定されます。 アプリケーションが VCS サーバへの登録を継続できるように、標準 SIP 登録のリフレッシュ期間の最大値を 900 に設定する必要があります。
ステップ 1 | VCS サーバで、 に移動します。 |
ステップ 2 | [登録コントロール(Registration controls)] セクションで、[標準登録の最長リフレッシュ(秒)(Standard registration refresh maximum (seconds))] に 900 を入力します。 |
ステップ 3 | [保存(Save)] を選択します。 |
ユーザが Cisco Jabber Video for iPad にサインインした後、このアプリケーションは次のタスクを継続的に実行します。
Cisco Jabber Video for iPad は、ユーザがアプリケーションにサインインした後、DNS を使用して TURN サーバとポートを探します。 アプリケーションは、SRV レコードで指定され、TURN サーバでサポートされている任意のポート(80(HTTP)と 443(HTTPS)を含む)を使用できます。
アプリケーションは、次の順序でポートを探します。
ポートが検出されない場合、アプリケーションはデフォルトで 3478 と 5349 のポートを使用します。
(注) |
この時点で VCS を TURN サーバとして使用する場合、TCP リレーを使用したファイアウォールの通過はサポートされません。 |
帯域幅プロービングがプロビジョニングされた場合、ユーザがアプリケーションにサインインした後、Cisco Jabber Video for iPad はダミー メディアを TURN サーバで折り返して戻ってくるようにルーティングします。 この機能では、TURN サーバが正常にプロビジョニングされている必要があります。
帯域幅プロービングの結果は、アプリケーションのリソースを動的に適応させるために使用されます。 この結果は、プロービング用にプロビジョニングされる時間の影響も受け、多くの場合、最悪の事態の帯域幅シナリオを表しているので、実際のコール時に使用可能な帯域幅はそれよりも大きくなる可能性があります。
ユーザが Cisco Jabber Video for iPad の検索フィールドに文字を入力するたびに、アプリケーションは VCS 上の TMS エージェントにクエリーを実行し、TMS エージェントは一致した結果で応答します。 検索結果が選択されると、アプリケーションは、その連絡先のプレゼンス ステータスについても VCS にクエリーします。
コール設定は、VCS 経由の SIP メッセージで伝えられます。 コール設定時にコールの属性が決定される方法については、以下のトピックを確認してください。
コールを暗号化する場合、SIP 通信とメディア通信の両方が暗号化される必要があり、すべての通話者が暗号化をサポートしている必要があります。 暗号化されたメディア通信は、128 ビットの高度暗号化規格(AES)を使用した Secure Real-time Transport Protocol(SRTP)によって送信されます。
TMS で
に移動して、次の暗号化ポリシー設定を指定できます。コール セットアップ中、Cisco Jabber Video for iPad は受信する最大帯域幅をサーバの設定に従ってシグナリングします。 このシグナリングが守られるかどうかは、コールの相手側のシステムに依存します。
コール中に送信される最大帯域幅とコールの開始時に送信される帯域幅の両方がコール セットアップ時に決定されます。
コール中、アプリケーションが送信できる帯域幅は増減しますが、送信される帯域幅がコール セットアップ時に決定された最大帯域幅を超えることはありません。
プロビジョニングの [解像度設定(Resolution Preferences)] 設定により、着信ビデオと発信ビデオの両方の解像度が制御されます。 プロビジョニング オプションの概要を参照してください。 着信ビデオに対する制限は、コール内の他の参加者が使用しているシステムによって決まります。
良好なビデオ品質には多くの要因が影響します。 フレーム レート、高い画像解像度、シーンのライティング、およびカメラの光学的性能がすべて重要な要因です。
Cisco Jabber Video for iPad は、ビデオ送信時の解像度を決定するときに次の基準を使用します。
帯域幅を増やすと、画質が向上します。 [最大送信帯域幅(Maximum Out Bandwidth)] を使用して、許可される帯域幅を指定できます。 詳細については、プロビジョニング オプションの概要を参照してください。
上の記述に従って十分な帯域幅があるにもかかわらず、高解像度が実現されない場合は、一般に次のいずれかまたは両方がその原因である可能性があります。
プロビジョニングで [最大受信帯域幅(Maximum In Bandwidth)] を使用して、着信ビデオに対して許可される帯域幅を指定できます。 詳細については、プロビジョニング オプションの概要を参照してください。 高解像度ビデオの着信に必要な帯域幅は、各コール参加者のデバイスの機能および制限に応じて変化します。
(注) |
参加者のデバイスが高解像度ビデオの送信に対応していて、着信ビデオの帯域幅に制限を指定していない場合であっても、ネットワーク接続の問題(パケット損失など)によって着信ビデオの解像度が要求に満たない場合があります。 |
共有プレゼンテーションの最大解像度は、コール参加者のデバイスで使用可能な帯域幅および機能によって異なります。 無制限の帯域幅を使用した Jabber 間のコールの場合、プレゼンテーション解像度は 448 p になります。
プレゼンテーションの解像度を変更することはできません。
Cisco Jabber Video for iPad では、送信と受信の両方について次の標準がサポートされています。 アプリケーションは、コール内の他の参加者のデバイスまたはアプリケーションでサポートされている、最適な標準を常に使用します。
コールの接続が完了した後、コールの参加者全員が ICE を有効にし、サポートしている場合、ICE がネゴシエートされます。 ICE ネゴシエーションには、2 ~ 3 秒の時間がかかり、9 つの TURN サーバ ライセンス(メディア リンクごとに 1 つのライセンス)が必要です。
コールの設定が完了した後、ユーザ操作の結果として、あるいは状態の変化に対する自動化された応答として、いくつかの操作を Cisco Jabber Video for iPad で要求される場合があります。 詳細については、以下のトピックを確認してください。
Multiway は、ユーザがコールに参加し、複数参加者の会議をシームレスに作成する機能です。 Cisco Jabber for iPad は、Multiway を開始できません。 他の参加者が使用しているデバイスから Multiway が開始されると、そのコールは、[Multiway 参加者 URI(Multiway Participant URI)] プロビジョニング オプションに従ってマルチ会議システムにリダイレクトされます。
カメラまたはマイクロフォンがコール中にミュートにされると、Cisco Jabber Video for iPad は、その帯域幅を他のメディア リンクが使用するように割り当てます。 ユーザが 2 つのストリームに対して十分な帯域幅を確保できない場合は、一方のストリームをミュートにすることで、もう一方のストリームの品質を向上させることができます。
使用されていないリンクが(たとえばファイアウォールによって)閉じられるのを防ぐために、アプリケーションは 7 秒ごとに STUN(キープ アライブ)メッセージを送信します。
Cisco Jabber Video for iPad がネットワークの能力を超える帯域幅を送信または受信している状況では、パケットの損失率が高くなり、コールの品質が低下する可能性があります。 アプリケーションは、自動帯域幅適応メカニズムを使用して、そのような帯域幅に関する問題に対処します。
(注) |
自動適応には時間がかかります。 ネットワークとシステムの能力に合わせてアプリケーションを設定しておくことを推奨します。 |
目次
- Cisco TelePresence Video Communication Server の設定
- 前提条件
- プロビジョニング用の TMS の設定
- デバイス アドレス パターンの定義
- テンプレートのプロビジョニングの設定およびユーザへの割り当て
- プロビジョニング オプションの概要
- VCS の設定
- ファイアウォールの要件
- 主な通信タイプ
- SIP 通信
- メディア通信
- TMS でのポート範囲の変更
- VCS でのポート範囲の変更
- メディア ルーティング
- ICE を使用しないメディア ルーティング
- ICE を使用したメディア ルーティング
- ICE の有効化
- Cisco Jabber Video for iPad の TURN ポート
- サインイン時の通信の動作
- 登録リフレッシュの最大時間の指定
- サインイン後の通信の動作
- 接続の確認
- 帯域幅プロービング
- ディレクトリ検索
- コール設定
- 暗号化
- 送信帯域幅と受信帯域幅
- ビデオ解像度
- 発信ビデオ解像度
- 着信ビデオ解像度
- プレゼンテーションの解像度
- ビデオと音声の標準
- ICE ネゴシエーション
- コール中の処理
- Multiway
- メディア ストリームのミュート
- 自動帯域幅適応
この章では、Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS)を使用した Cisco Jabber Video for iPad の設定に関する総合的な情報を提供します。
- 前提条件
- プロビジョニング用の TMS の設定
- プロビジョニング オプションの概要
- VCS の設定
- ファイアウォールの要件
- 主な通信タイプ
- サインイン時の通信の動作
- 登録リフレッシュの最大時間の指定
- サインイン後の通信の動作
- ディレクトリ検索
- コール設定
- コール中の処理
前提条件
次のタスクを実行します。
- 使用する Cisco VCS および Cisco TMS(TelePresence Management Suite)のバージョンが次の要件を満たしていることを確認します。
- NTLM 認証がネットワーク環境で必要かどうかを確認します。 その場合、VCS および Cisco Jabber Video for iPad で NTLM 認証をセットアップします。 手順については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11337/products_installation_and_configuration_guides_list.html で入手できる、お使いのリリースに対応した『Cisco TelePresence Video Communication Server Authenticating Devices Deployment Guide』を参照してください。
プロビジョニング用の TMS の設定
Cisco Jabber Video for iPad に VCS を導入するには、適切な設定でユーザ デバイスをプロビジョニングします。 必要な設定は TMS で追加および管理します。 その後、それらのデータを VCS に転送し、VCS 上で稼働しているプロビジョニング サーバを介してデバイスに配布します。
次の 2 つの必須手順を実行して、プロビジョニング用の TMS を設定します。
デバイス アドレス パターンの定義
デバイス アドレス パターンとは、TMS Provisioning Extension(TMSPE)が、プロビジョニングされたデバイスに対してアドレスを生成する際に使用するテンプレートです。 TMSPE がデバイスにユーザを接続できるように、デバイス アドレス パターンを割り当てます。
Cisco Jabber Video for iPad にデバイス アドレス パターンを指定するには、jabbertablet に属性 {device.model} を設定します。 必要に応じて、jabbertablet を jabber に変換するエイリアスを追加して、名前付けを簡略化します。
アドレス パターンの作成に関する詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11472/prod_installation_guides_list.html にある『Cisco TelePresence Management Suite Provisioning Extension Deployment Guide』を参照してください。
テンプレートのプロビジョニングの設定およびユーザへの割り当て
手順Cisco Jabber Video for iPad には、特定のテンプレート、つまりアプリケーションでサポートされる、可能なすべての設定を含む XML ファイルが必要です。 テンプレートをダウンロードして TMS にアップロードすると、そのテンプレートを設定してユーザのグループに割り当てることができます。
手順の各ステップの詳細については、次の該当するマニュアルを参照してください。
- TMS バージョン 13.2 以前に含まれる TMS Agent Legacy を使用している場合は、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11338/products_installation_and_configuration_guides_list.html にある『Cisco TelePresence Management Suite Agent Legacy Deployment Guide』を参照してください。
- TMS バージョン 13.2 以降に含まれる TMS Provisioning Extension(TMSPE)を使用している場合は、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11472/prod_installation_guides_list.html にある『Cisco TelePresence Management Suite Provisioning Extension Deployment Guide』を参照してください。
ステップ 1 テンプレートを http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html?mdfid=280443139&flowid=29241 からローカル サーバにダウンロードします。 ステップ 2 テンプレートまたはテンプレート スキーマを TMS にアップロードします。 TMSPE では「テンプレート スキーマ」という用語が使用されていますが、TMS Agent Legacy では「テンプレート」という用語が使用されています。
ステップ 3 これらのサーバ アドレス、およびその他の必要な設定をテンプレートに追加します。 ステップ 4 テンプレートを適切なユーザのグループに割り当てます。 グループに割り当てるテンプレートは、グループ内のすべてのユーザ、すべてのサブグループ、およびサブグループ内のすべてのユーザが継承します。 テンプレートを個別のユーザに直接割り当てることはできません。
(注) シスコでは、すべての VCS テンプレートについて、クライアントとの下位互換性を保持することを推奨します。 各 VCS の特定のデバイス タイプには複数のテンプレートを対応付けることが可能で、使用するテンプレートをプロビジョニング サーバに示すのは、クライアント登録要求です。 プロビジョニング サーバは、要求の [モデル(Model)] および [バージョン(Version)] フィールドを使用して正しいテンプレートを決定します。 要求の [バージョン(Version)] 文字列がそのモデルのすべてのインストール済みテンプレートよりも低い場合、プロビジョニング要求は失敗します。 要求の [バージョン(Version)] 文字列がそのモデルのインストールされたテンプレートより高い場合は、同等またはより低いバージョンの最も近い一致するテンプレートを検索するベストエフォートの試行が行われます。
プロビジョニング オプションの概要
プロビジョニングでは、VCS が Cisco Jabber Video for iPad をどのように使用するかを制御する設定を指定することができます。 VCS への登録後、Cisco Jabber Video for iPad は Cisco TMS Agent からプロビジョニング情報を受信し、それに基づいて機能します。
次の表には、Cisco Jabber Video for iPad に適用可能なプロビジョニング オプションの説明が示されており、それらの使用方法に関するヒントも記載されています。
フィールド デフォルト 説明 パスワードの保存をユーザに許可する on このオプションでは、アカウントのパスワード ポリシーを決定します。 自動サインアウト(Automatic Sign-out) UseClientSetting このオプションは、Cisco Jabber の自動サインアウト方法を指定します。
- [UseClientSetting]:自動サインアウトはクライアント設定によって制御されます。
- [NeverSignOut]:Cisco Jabber は自動サインアウトしません。
- [15Minutes]:Cisco Jabber はバックグラウンドで 15 分経過した後に自動サインアウトします。
- [30Minutes]:Cisco Jabber はバックグラウンドで 30 分経過した後に自動サインアウトします。
- [1Hour]:Cisco Jabber はバックグラウンドで 1 時間経過した後に自動サインアウトします。
- [2Hour]:Cisco Jabber はバックグラウンドで 2 時間経過した後に自動サインアウトします。
- [4Hour]:Cisco Jabber はバックグラウンドで 4 時間経過した後に自動サインアウトします。
- [8Hour]:Cisco Jabber はバックグラウンドで 8 時間経過した後に自動サインアウトします。
- [SignOutOnExit]:Cisco Jabber はバックグラウンドに移ってすぐに自動サインアウトします。
帯域幅プローブ自動スケジューリング(Bandwidth Prober Auto Scheduling) オフ(Off) このオプションでは、帯域幅プロービングを有効にできます。 帯域幅プロービングには、次の設定もプロビジョニングされている必要があります。 帯域幅プローブ時間(Bandwidth Prober Time) 0 サインイン後、Jabber ビデオはクライアントと TURN サーバ間の帯域幅品質について TURN リレー サーバをプロービングします。
この設定により、プロービングの期間が秒単位で決定されます。
プロビジョニングされた時間は、プロビジョニングされた最大帯域幅まで 256 kb/s の間隔に分割されます。
パブリック帯域幅プローブ自動スケジューリング(Public Bandwidth Prober Auto Scheduling) [帯域幅プローブ自動スケジューリング(Bandwidth Prober Auto Scheduling)] に設定された値を使用します。 帯域幅プロービングを有効化するには、この設定が On である必要があります。 帯域幅プロービングでは、次の設定もプロビジョニングする必要があることに注意してください。 ClearPath オン(On) ClearPath は、最適ではないネットワークにおけるパケット損失の悪影響を最小限に抑える Cisco TelePresence ソリューションです。 これらのメカニズムの間では H.264 固有のエラー回復手法、デコーダからのフィードバック、および前方誤り訂正(FEC)が使用されます。
ClearPath が有効になるためには、両方のコール参加者が、ClearPath に対応したデバイスを使用している必要があります。
デフォルト メディアタイプ候補(Default Mediatype Candidate) ホスト(Host) これは、次のときに使用するアドレスです。
次のオプションを使用できます。
- [ホスト(Host)]:ローカル ネットワーク アドレス
- [Rflx]:組織のネットワークの外側から見える企業のパブリック IP アドレス(パブリック IP)
- [リレー(Relay)]:TURN リレー サーバのアドレス
Cisco Jabber Video for iPad を他のほとんどのデバイスが ICE に対応していない環境に導入する場合は、[リレー(Relay)] を使用できます。
暗号化ポリシー(Encryption Policy) 自動(Auto) アカウントの暗号化ポリシーを決定します。 このオプションは、SIP 通信(トランスポート TLS または TCP)とメディア通信(SRTP または SRTP なし)の両方に影響します。
コールを暗号化する場合、SIP 通信とメディア通信の両方が暗号化される必要があり、すべての通話者が暗号化をサポートしている必要があります。 暗号化されたメディア通信は、128 ビットの高度暗号化規格(AES)を使用した Secure Real-time Transport Protocol(SRTP)によって送信されます。 暗号化ポリシーの設定は、Cisco TMS の
の設定に従ってクライアントにプロビジョニングされます。 SIP 通信を暗号化するか(TLS)しないか(TCP)は、[TLS/TCP の使用(Force TLS/TCP)] によって定されます。 TLS バージョン 1.0。 [SRTP の使用あり/なし(Force/No Srtp)]:メディア通信が暗号化されているかいないかを決定します。 [自動(Auto)] の場合、クライアントは暗号化されたコールを試行しますが、暗号化できない場合は、暗号化されていないコールを許可します。ICE オフ(Off) Interactive Connectivity Establishment(ICE)は、コール参加者間のメディアの伝送に最適なパスを動的に検出します。
最大受信帯域幅(Maximum In Bandwidth) 512 KB/s 指定した値により、ユーザ アカウントでデータの送受信を行うために許可される最大帯域幅が決定されます。 高い帯域幅は、良好なビデオ品質に直接結び付きます。 しかし、帯域幅を制御すれば、アプリケーションがその能力を超えてデータを受信または送信しようとするのを防ぐことができ、結果としてパケット損失、ジッター、および低いビデオ品質の発生を回避できます。
最大送信帯域幅(Maximum Out Bandwidth) 384 KB/s メディア ポート範囲の末尾(Media Port Range End) 21900 ビデオとオーディオの通信で使用されるポート番号の上限または下限。
セキュリティとファイアウォールに関する問題を制御するために、これらを設定できます。 10 個以上のポートが含まれる範囲を指定する必要があります。そうしない場合、Cisco Jabber Video for iPad はデフォルトに戻ります。
メディア ポート範囲の始端(Media Port Range Start) 21000 MNS モード(MNS Mode) オフ(Off) このオプションを有効にすると、リレー対象のメディアは、容量が保証されているプライベート HD リンク経由で常にリレーされ、ビデオの品質が確保されます。
この設定を使用するには、ICE が有効になっている必要があります。 プライベートの専用リンクは、Media Network Services などの企業から提供されます。
Multiway 参加者 URI(Multiway Participant URI) Multiway が開始されると、参加者は、この Uniform Resource Identifier(URI)に誘導されます。 電話帳サーバ URI(Phone Book Server URI) アカウントが Cisco TMS Agent データベース内の他のアカウントを検索できるようになります。
次の形式で URI を設定します。phonebook@<sip_domain>.com
重要:値を指定しなければ、Cisco Jabber Video for iPad で連絡先を検索できません。
プレゼンス サーバ URI(Presence Server URI) アカウントがプレゼンス ステータスを VCS サーバに送信できるようになります。
次の形式で URI を設定します。presence@<sip_domain>.com
(注) Cisco Jabber Video for iPad は、サーバが認識されていない場合、Cisco WebEx Messenger から提供されるプレゼンス ステータスを使用します。
値を指定しなければ、Cisco Jabber Video for iPad はプレゼンス ステータスをパブリッシュできず、オフラインであると見なされます。
パブリック デフォルト メディアタイプ候補(Public Default Mediatype Candidate) [デフォルト メディアタイプ候補(Default Mediatype Candidate)] に設定された値を使用。 動的に変化します
これは、次のときに使用するアドレスです。
次のオプションを使用できます。
- [ホスト(Host)]:ローカル ネットワーク アドレス
- [Rflx]:組織のネットワークの外側から見える企業のパブリック IP アドレス(パブリック IP)
- [リレー(Relay)]:TURN リレー サーバのアドレス
ユーザが組織のネットワークの外側から接続する場合は、[リレー(Relay)] を使用することを推奨します。 ICE ネゴシエーションは完了するまでに数秒の時間がかかります。そのため、TURN リレーを使用すれば、コールを開始したときからメディアがファイアウォールを通過するのに役立ちます。
ICE ネゴシエーションが完了したとき、より適切なメディア パスが特定されていれば、メディアはリダイレクトされます。
パブリック最大受信帯域幅(Public Maximum In Bandwidth) [最大受信帯域幅(Maximum In Bandwidth)] に設定された値を使用。
動的に変化します
指定した値により、ユーザが VCS アカウントを使用してアプリケーションにサインインした後のデータの送受信に使用できる最大帯域幅が決定されます。
この設定は、組織のネットワークの外側から接続するユーザに対して帯域幅を制御するのに役立つ場合があります。 これらのユーザは低速のネットワーク接続を使用していたり、企業はそれらのユーザの帯域幅使用量を制限したりする場合があります。
パブリック最大送信帯域幅(Public Maximum Out Bandwidth) [最大送信帯域幅(Maximum Out Bandwidth)] に設定された値を使用。
動的に変化します
パブリック電話帳サーバ URI(Public Phone Book Server URI) [電話帳サーバ URI(Phone Book Server URI)] に設定された値を使用。
動的に変化します
[電話帳サーバ URI(Phone Book Server URI)] 設定を設定すれば十分です。
パブリック プレゼンス サーバ URI(Public Presence Server URI) [プレゼンス サーバ URI(Presence Server URI)] に設定された値を使用。
動的に変化します
[プレゼンス サーバ URI(Presence Server URI)] 設定を設定すれば十分です。
パブリック SIP サーバ アドレス(Public SIP Server Address) [SIP サーバ アドレス(SIP Server Address)] に設定された値を使用。
動的に変化します
ユーザが外部 VCS サーバ アドレスでサインインした後の登録要求の送信先となるサーバ アドレス
通常、この情報は、ユーザが Cisco Jabber Video for iPad で指定する外部サーバ アドレスと同じです。
解像度設定(Resolution Preferences) 高(High) 着信と発信のビデオ解像度を制限します。 Cisco Jabber Video for iPad はこの値を上書きします。
この制限は多くの要因に左右されますが、一般に次の規則に従います。
SIP サーバ アドレス(SIP Server Address) Cisco Jabber Video for iPad がサブスクライブされている VCS サーバ 登録要求が送信されるサーバ アドレス
ユーザが Cisco Jabber Video for iPad で指定する内部サーバ アドレスと同じです。
SIP 認証ユーザ名(SIP Authentication Username) SIP 認証ユーザ名。 エンドポイントは AuthUsername および AuthPassword 値を VCS サーバでの認証に使用します。 SIP 認証パスワード(SIP Authentication Password) SIP 認証パスワード。 エンドポイントは AuthUsername および AuthPassword 値を VCS サーバでの認証に使用します。 TurnAuthPassword ICE を有効化するために必要な TURN サーバ設定。 詳細については、ICE の有効化を参照してください。 TurnAuthUsername TurnServer VCS の設定
登録許可リストまたは検索ルールを使用する場合は、このトピックを確認してください。
ユーザ デバイスが VCS と連携するには、それらのデバイスを VCS に登録しておく必要があります。 登録 URI 内での Cisco Jabber Video for iPad ユーザのサフィックスは、.jabbertablet または .jabber です。 たとえば、ユーザの URI は、新しいサフィックスを持つ次の形式になります。userName.jabbertablet@DomainName または userName.jabber@DomainName。 URI にサフィックスが追加されるため、次の変更が必要になる場合があります。
- 新しい URI サフィックスを許可するように、登録許可リスト( )を更新します。 例:VCS と VCSE(VCS Expressway)の両方を導入し、許可リストを使用して外部ロケーションからの登録を制御している場合は、新しいサフィックスを許可リストに追加します。
- 新しい URI サフィックスを考慮するように、検索ルールを更新または作成します。 検索ルールの作成時には、.+\.(jabbertablet|jabber).*@%localdomains%.* の形式に似たパターン文字列を指定します。 例:組織内に複数の VCS クラスタ(ゾーン)が存在する場合は、VCS ゾーンと VCSE ゾーンの間のコール ルーティングを制御するルールを更新しなければならない場合があります。
ファイアウォールの要件
ポートがアプリケーションのトラフィックを伝送するようにハードウェア ファイアウォールを設定します。 ハードウェア ファイアウォールは、望まないトラフィックからの保護を組織レベルで実現するネットワーク デバイスです。 次の表に、VCS の導入に必要なポートを示します。 これらのポートは、アプリケーションが正常に機能するために、すべてのファイアウォール上で開いておく必要があります。
プロトコル ポートおよび説明 DNS SIP
- 開くようにプロビジョニングされない限り、サーバ ポートは開きません。 VCS は、5060 を開くプロビジョニングを受信すると、UDP と TCP に対して 5060 を、TLS/TCP に対して 5061 を開きます。
- 通常の使用状況では、1 つの発信 TCP 接続だけが SIP プロキシに対して確立されます。 VCS は、どの TCP 送信元ポートを使用するかを制御しようとはしません。
- VCS は、DNS SRV を使用して、SIP サーバが待ち受けしているポートを検出します。 VCS は 80 や 443 などのウェルノウン ポートを受け入れますが、通常の使用状況では、SIP のデフォルトのサーバ ポートは 5060 および 5061 です。
HTTP media TURN
- アプリケーションは、ICE を使用して最適なメディア パスを検出しようとします。
- VCS は、各コールに対して TURN サーバ上に 9 個のポートを割り当てます。
- TURN の割り当てには、メディアに使用されるメディア ポート範囲が使用されます。
- アプリケーションは、DNS SRV を使用して、TURN サーバが待ち受けしているポートを検出します。 VCS は、80 や 443 などのウェルノウン ポートを受け入れます。ただし、通常の使用状況で使用されるポートは 3478 または 5349 です(TURN 標準)。
- STUN 標準と TURN 標準の規定により、アプリケーションは、各コールに対して同じポートを使用することはできません。 そのため、ポート範囲には少なくとも 100 個のポートが必要です。
主な通信タイプ
以下のトピックを確認して、Cisco Jabber Video for iPad 上で VCS に使用される主な通信タイプを把握してください。
SIP 通信
Cisco Jabber Video for iPad は、Session Initiation Protocol(SIP)を使用して VCS と通信します。 ビデオとオーディオを除き、SIP はすべての通信(加入、登録、プレゼンス ステータスのクエリー、コールの招待など)を担当します。 SIP メッセージは、プロビジョニングされた設定に従って(TLS 暗号化の有無に関係なく)TCP によって送信されます。
VCS で使用されるデフォルトの SIP リスニング ポートは次のとおりです。
これらのリスニング ポートを変更するには、
に移動します。
(注)
Jabber 本体は、これらの通信にエフェメラル TCP ポートを使用します。 これらのポートは、TCP スタックによって Cisco Jabber Video for iPad に渡されるので、設定することはできません。
H.323 が必要で、SIP をサポートしていないデバイスとの通信を有効にする場合は、Cisco VCS 上のインターワーキングを使用できます。
メディア通信
メディア データは、最大 9 本の UDP リンク(ポート)によって転送されます。 Cisco Jabber Video for iPad で使用されるメディア ストリームには、次のようなものがあります。
これらのストリームにはそれぞれ 2 本のリンクが必要です。1 本は RTP パケット用で、もう 1 本は RTCP パケット用です。 暗号化が有効になっている場合は、SRTP プロトコルが使用されます。
メディア ルーティング
Cisco Jabber Video for iPad は、メディア ルーティングを向上させる Interactive Connectivity Establishment(ICE)をサポートしています。 コール中、ICE は、参加者全員のアプリケーションで有効になっている場合に使用されます。 詳細については、以下のトピックを確認してください。
ICE を使用しないメディア ルーティング
メディア リンクは、非トラバーサル コールでは 2 つのデバイス間に直接、トラバーサル コールでは Cisco Jabber Video for iPad と VCS の間に確立されます。 一般に、非トラバーサル コールは、同じネットワーク上に存在してインターワーキングを必要としない 2 人の参加者間のコールとして定義されます。
SIP-to-H.323 コールにはインターワーキングが必要です。 このようなコールは、デバイスが同一ネットワーク上に存在しているかどうかに関係なく、トラバーサル コールになります。 詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11337/prod_maintenance_guides_list.html にある、お使いの VCS リリースに対応した『Cisco TelePresence Video Communication Server Administrator Guide』を参照してください。
ICE を使用したメディア ルーティング
ICE は、コール参加者間のメディアの伝送に最適なパスを動的に検出します。 [MNS モードの有効化(Enable MNS Mode)] プロビジョニング設定を使用することにより、メディアのルーティングを改善し、専用リンクを経路にすることができます。
ICE の有効化
手順ICE を起動するように Cisco VCS Expressway を設定します。
ICE を使用したメディア ルーティングには、TURN サーバが必要です。 バージョン X5.2 以降を実行中の VCS Expressway は、TURN リレー ライセンスがある場合、TURN サーバとして機能します。 TURN サーバ オプション キーが必要です。
(注)
ICE プロビジョニングはデフォルトで使用できません。
ステップ 1 VCS Expressway で、 に移動し、次の設定を指定します。 ステップ 2 [データベース タイプ(Database type)] のローカル データベースを指定します。 に移動し、 ステップ 3 に移動し、ユーザ名とパスワードを作成します。 TURN リレー ライセンスを使用するには、ユーザ名とパスワードが必要です。
ステップ 4 に移動し、次の各フィールドを次の表の値に設定します。
Cisco Jabber Video for iPad の TURN ポート
TURN ポート設定は、DNS によって制御される必要があります。 Cisco Jabber Video for iPad は、TURN の IP、優先度、重み、およびポートについて SRV 検索を実行します。 TURN は UDP 上で動作するので、検索対象は _turn._udp.<domain> になります。 TURN の SRV レコードが見つからない場合、Cisco Jabber Video for iPad は A レコード検索(IPv4)または AAAA 検索(IPv6)を実行しますが、ポートはデフォルトで 3478 になります。
ポートをプロビジョニングする必要がある場合は、TurnServer フィールド内の IP アドレスにポートを付加できます(例:192.0.2.0:3478)。
サインイン時の通信の動作
Cisco Jabber Video for iPad にサインインした後、ユーザは、内部と外部の VCS サーバ アドレスを指定します。 アプリケーションは、最初に内部アドレスに対して加入を試みます。 iPad デバイスが社外の Wi-Fi に接続されているような状況では、アプリケーションは、外部アドレスに対して加入を試みます。
内部 VCS サーバ アドレスが複数の IP アドレスに変換される DNS アドレスである場合、アプリケーションは、外部 VCS サーバ アドレスを試す前に、これらすべての IP 番号に対して接続を試みます。 DNS サーバに SRV レコードが格納されている場合、アプリケーションは、それらの IP アドレスの優先度と重みに従います。格納されていなければ、ランダムな順序でそれらを試します。
通常、VCS または TMS Agent が最初の登録メッセージをチャレンジします。 アプリケーションは、認証情報を別の SUBSCRIBE メッセージで送信することにより、このチャレンジに応答します。
登録の認証が完了した後、TMS Agent はプロビジョニング情報をアプリケーションに送信します。
アプリケーションは、TMS の [SIP サーバ URI(SIP Server URI)] または [パブリック SIP サーバ URI(Public SIP Server URI)] のプロビジョニング情報に従って VCS に登録します。 このプロビジョニング情報が、ユーザのサインイン時に指定される内部および外部の VCS サーバ アドレス(両者は同じであることが推奨されています)と同一である場合、アプリケーションは加入先と同じ VCS に登録します。 アプリケーションが登録されている間は、VCS は、メッセージをそのアプリケーションに転送することを認識しています。
初期登録後、アプリケーションは、VCS サーバの [標準登録の最長リフレッシュ(秒)(Standard registration refresh maximum (seconds))] 設定に従って登録メッセージを VCS に送信し続けます。 アプリケーションは、指定された時間間隔の 75% が経過した後にメッセージを送信します。
(注)
[標準登録の最長リフレッシュ(秒)(Standard registration refresh maximum (seconds))] 設定は、バージョン X6.0 の VCS では使用できません。
登録リフレッシュの最大時間の指定
手順ユーザがデバイス上で Cisco Jabber Video for iPad から一時的に離れて他の作業を実行すると、アプリケーションはバックグラウンドになり、10 分ごとに復帰するように設定されます。 アプリケーションが VCS サーバへの登録を継続できるように、標準 SIP 登録のリフレッシュ期間の最大値を 900 に設定する必要があります。
ステップ 1 VCS サーバで、 に移動します。 ステップ 2 [登録コントロール(Registration controls)] セクションで、[標準登録の最長リフレッシュ(秒)(Standard registration refresh maximum (seconds))] に 900 を入力します。 ステップ 3 [保存(Save)] を選択します。
サインイン後の通信の動作
ユーザが Cisco Jabber Video for iPad にサインインした後、このアプリケーションは次のタスクを継続的に実行します。
接続の確認
Cisco Jabber Video for iPad は、ユーザがアプリケーションにサインインした後、DNS を使用して TURN サーバとポートを探します。 アプリケーションは、SRV レコードで指定され、TURN サーバでサポートされている任意のポート(80(HTTP)と 443(HTTPS)を含む)を使用できます。
アプリケーションは、次の順序でポートを探します。
ポートが検出されない場合、アプリケーションはデフォルトで 3478 と 5349 のポートを使用します。
(注)
この時点で VCS を TURN サーバとして使用する場合、TCP リレーを使用したファイアウォールの通過はサポートされません。
帯域幅プロービング
帯域幅プロービングがプロビジョニングされた場合、ユーザがアプリケーションにサインインした後、Cisco Jabber Video for iPad はダミー メディアを TURN サーバで折り返して戻ってくるようにルーティングします。 この機能では、TURN サーバが正常にプロビジョニングされている必要があります。
帯域幅プロービングの結果は、アプリケーションのリソースを動的に適応させるために使用されます。 この結果は、プロービング用にプロビジョニングされる時間の影響も受け、多くの場合、最悪の事態の帯域幅シナリオを表しているので、実際のコール時に使用可能な帯域幅はそれよりも大きくなる可能性があります。
ディレクトリ検索
ユーザが Cisco Jabber Video for iPad の検索フィールドに文字を入力するたびに、アプリケーションは VCS 上の TMS エージェントにクエリーを実行し、TMS エージェントは一致した結果で応答します。 検索結果が選択されると、アプリケーションは、その連絡先のプレゼンス ステータスについても VCS にクエリーします。
コール設定
コール設定は、VCS 経由の SIP メッセージで伝えられます。 コール設定時にコールの属性が決定される方法については、以下のトピックを確認してください。
暗号化
コールを暗号化する場合、SIP 通信とメディア通信の両方が暗号化される必要があり、すべての通話者が暗号化をサポートしている必要があります。 暗号化されたメディア通信は、128 ビットの高度暗号化規格(AES)を使用した Secure Real-time Transport Protocol(SRTP)によって送信されます。
TMS で
に移動して、次の暗号化ポリシー設定を指定できます。送信帯域幅と受信帯域幅
コール セットアップ中、Cisco Jabber Video for iPad は受信する最大帯域幅をサーバの設定に従ってシグナリングします。 このシグナリングが守られるかどうかは、コールの相手側のシステムに依存します。
コール中に送信される最大帯域幅とコールの開始時に送信される帯域幅の両方がコール セットアップ時に決定されます。
コール中、アプリケーションが送信できる帯域幅は増減しますが、送信される帯域幅がコール セットアップ時に決定された最大帯域幅を超えることはありません。
ビデオ解像度
プロビジョニングの [解像度設定(Resolution Preferences)] 設定により、着信ビデオと発信ビデオの両方の解像度が制御されます。 プロビジョニング オプションの概要を参照してください。 着信ビデオに対する制限は、コール内の他の参加者が使用しているシステムによって決まります。
良好なビデオ品質には多くの要因が影響します。 フレーム レート、高い画像解像度、シーンのライティング、およびカメラの光学的性能がすべて重要な要因です。
発信ビデオ解像度
Cisco Jabber Video for iPad は、ビデオ送信時の解像度を決定するときに次の基準を使用します。
- カメラのネイティブ フォーマットでの解像度
- 解像度が受信側で許可される必要があること。
- 高解像度を低帯域幅で送信すると品質が低下すること。 送信帯域幅が解像度に対して十分な大きさでなければならないこと。 次のガイドラインを参照してください。
帯域幅を増やすと、画質が向上します。 [最大送信帯域幅(Maximum Out Bandwidth)] を使用して、許可される帯域幅を指定できます。 詳細については、プロビジョニング オプションの概要を参照してください。
上の記述に従って十分な帯域幅があるにもかかわらず、高解像度が実現されない場合は、一般に次のいずれかまたは両方がその原因である可能性があります。
着信ビデオ解像度
プロビジョニングで [最大受信帯域幅(Maximum In Bandwidth)] を使用して、着信ビデオに対して許可される帯域幅を指定できます。 詳細については、プロビジョニング オプションの概要を参照してください。 高解像度ビデオの着信に必要な帯域幅は、各コール参加者のデバイスの機能および制限に応じて変化します。
(注)
参加者のデバイスが高解像度ビデオの送信に対応していて、着信ビデオの帯域幅に制限を指定していない場合であっても、ネットワーク接続の問題(パケット損失など)によって着信ビデオの解像度が要求に満たない場合があります。
コール中の処理
コールの設定が完了した後、ユーザ操作の結果として、あるいは状態の変化に対する自動化された応答として、いくつかの操作を Cisco Jabber Video for iPad で要求される場合があります。 詳細については、以下のトピックを確認してください。
Multiway
Multiway は、ユーザがコールに参加し、複数参加者の会議をシームレスに作成する機能です。 Cisco Jabber for iPad は、Multiway を開始できません。 他の参加者が使用しているデバイスから Multiway が開始されると、そのコールは、[Multiway 参加者 URI(Multiway Participant URI)] プロビジョニング オプションに従ってマルチ会議システムにリダイレクトされます。