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目次
この章では、Cisco Unified Communications Manager(Cisco Unified CM)および Cisco Unified CM Business Edition 5000 の概要と、考えられる配置モデル、トラップを含む簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)、管理情報ベース(MIB)、syslog、および警告またはアラームについて説明します。
Cisco Unified CM は、Cisco Unified Communications ファミリ製品のソフトウェア ベースのコール処理コンポーネントとして機能します。 さまざまな Cisco Media Convergence Server により、Cisco Unified Communications Manager のコール処理、サービス、アプリケーションのためのハイ アベイラビリティ サーバ プラットフォームが提供されます。
Cisco Unified CM システムは、企業のテレフォニー機能を、IP 電話などのパケット テレフォニー ネットワーク デバイス、メディア処理デバイス、Voice-over-IP(VoIP)ゲートウェイ、マルチメディア アプリケーションに拡張します。 統合メッセージング、マルチメディア会議、コラボレーティブ コンタクト センター、インタラクティブ マルチメディア レスポンス システムなどの、追加のデータ、音声、ビデオ サービスは、Cisco Unified CM のオープンなテレフォニー アプリケーション プログラミング インターフェイス(API)を通じて通信します。
Cisco Unified CM では、シグナリング サービスとコール制御サービスが、Cisco 統合テレフォニー アプリケーションと、サードパーティ アプリケーションの両方に提供されます。 Cisco Unified CM は、主に次の機能を実行します。
Cisco Unified CM では、単一サイト、集中型コール処理を使用するマルチサイト WAN、分散型コール処理を使用するマルチサイト WAN の、3 種類の配置がサポートされています。 次の段落では、これらの各配置について説明します。
Cisco Unified CMBE は、単一サイト、集中型コール処理を使用するマルチサイト WAN、分散型コール処理を使用するマルチサイト WAN 配置の、3 種類の主な配置モデルをサポートしています。 Unified CMBE は単一プラットフォーム配置であり、Cisco Unified CM と Cisco Unity Connection を同じサーバ上で実行します。 それぞれの種類について以降の段落で説明します。
サービス プロバイダーは、次の種類のサーバとサービスを必要とします。
これらのサービスのどれもが、サービス プロバイダーの運営にとってきわめて重要であることに注意してください。 継続的な動作を保証するためにこれらのサービスを管理するには、故障、設定、パフォーマンス、セキュリティを、すべてのネットワーク要素にわたってモニタするシステムが必要です。 要素間同期を導入することと、異なるベンダーの製品を使用するという問題により、作業が複雑化します。
Cisco Unified Serviceability と SNMP は、次のネットワーク管理上の問題のいくつかに対処することを目的としています。
Cisco Unified CM は SNMP v1、v2、v3 をサポートしています。 SNMP は、ネットワークをリモートでモニタ、設定、制御します。 SNMP は、割り当てられているマネージャに、SNMP トラップまたはインフォーム要求のプロトコル データ ユニット(PDU)として、障害メッセージを送信します。
Cisco Unified CM の管理のコンポーネントの 1 つである Cisco Unified Serviceability には、独自のエラー メッセージとアラームが含まれています。 どちらのアプリケーションも、管理情報ベース(MIB)テキスト ファイルを使用してアラームと警告メッセージ、通知メッセージ、エラー メッセージを管理します。
Web ベースのトラブルシューティング ツールである Cisco Unified Serviceability を使用すると、次のことが可能です。
サービス パラメータの設定の詳細については、 『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』を参照してください。 Serviceability 機能の設定の詳細については、 『Cisco Unified Serviceability Administration Guide』を参照してください。
トレース ツールは、音声アプリケーションの問題をトラブルシューティングするのに役立ちます。 Cisco Unified Serviceability は、System Diagnostic Interface(SDI)トレース、Cisco CallManager サービスおよび Cisco CTIManager サービス用の Signaling Distribution Layer(SDL)トレース、Java アプリケーション用の Log4J トレースをサポートしています。
トレースする情報のレベルや、各トレース ファイルに含める情報の種類は、[トレース設定(Trace Configuration)] ウィンドウを使用して指定します。 サービスが、Cisco CallManager や Cisco CTIManager などのコール処理アプリケーションの場合、電話やゲートウェイなどのデバイスに対してトレースを設定できます。
[アラーム設定(Alarm Configuration)] ウィンドウでは、SDI トレース ログ ファイルや SDL トレース ログ ファイルなど、さまざまな場所にアラームを送ることができます。 必要であれば、RTMT での警告用にトレースを設定できます。 さまざまなサービスに対しトレース ファイルに含める情報を設定したら、RTMT の [Trace & Log Central] オプションを使用して、トレース ファイルを収集および表示できます。
[トラブルシューティング トレース設定(Troubleshooting Trace Settings)] ウィンドウでは、事前に設定されたトラブルシューティング トレース設定を設定する Cisco Unified Serviceability のサービスを選択できます。 このウィンドウでは、1 つ以上のサービスを選択し、これらのサービスの設定を、事前に設定されたトレース設定に変更できます。
クラスタがある場合( Cisco Unified Communications Manager のみ)、クラスタ内の異なる Cisco Unified Communications Manager サーバ上のサービスを選択して、そのトレース設定を、事前に設定されたトレース設定に変更できます。 1 台のサーバの特定のアクティブ化されたサービス、サーバのすべてのアクティブ化されたサービス、クラスタ内のすべてのサーバの特定のアクティブ化されたサービス、クラスタ内のすべてのサーバのすべてのアクティブ化されたサービスを選択できます。 このウィンドウでは、非アクティブなサーバの横に [N/A] と表示されます。
トラブルシューティング トレース設定をサービスに適用した後で [トラブルシューティング トレース設定(Troubleshooting Trace Settings)] ウィンドウを開くと、トレブルシューティング用に設定したサービスがチェック付きで表示されます。 [トラブルシューティング トレース設定(Troubleshooting Trace Settings)] ウィンドウでは、トレース設定を元の設定にリセットできます。
トラブルシューティング トレース設定をサービスに適用した後、[トレース設定(Trace Configuration)] ウィンドウに、指定したサービスにトラブルシューティング トレースが設定されたことを示すメッセージが表示されます。 サービスの設定をリセットする場合は、[関連リンク(Related Links)] ドロップダウン リスト ボックスから、[トラブルシューティング トレース設定(Troubleshooting Trace Settings)] オプションを選択できます。 指定したサービスに対し、[トレース設定(Trace Configuration)] ウィンドウに、すべての設定が読み取り専用として表示されます。ただし、最大ファイル数など、トレース出力設定の一部のパラメータを除きます。 これらのパラメータは、トラブルシューティング トレース設定を適用した後でも変更できます。
各種サービス トレース ファイルまたはその他のログ ファイルを収集、表示、zip 圧縮するには、RTMT のオプションの 1 つである Trace and Log Central を使用します。 Trace and Log Central オプションを使用すると、SDL/SDI トレース、アプリケーション ログ、システム ログ(イベント ビューア アプリケーション ログ、セキュリティ ログ、システム ログなど)、クラッシュ ダンプ ファイルを収集できます。
トレース収集の詳細については、 『Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool Administration Guide』を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager のコンソールからアクセスする Cisco Unified Reporting Web アプリケーションは、クラスタ データのトラブルシューティングまたは調査を行うためのレポートを生成します。 このツールはクラスタ データのスナップショットを提供します。データを見つけるために複雑な手順は必要ありません。 このツール設計により、既存のソースからのデータの収集、データの比較、変則的なデータの報告が容易になります。
レポートでは、1 台以上のサーバの 1 つ以上のソースからのデータが、1 つの出力ビューにまとめられます。 たとえば、クラスタ内の全サーバの hosts ファイルを表示するレポートを参照できます。 このアプリケーションは、パブリッシャ サーバおよび各サブスクライバ サーバから情報を収集します。 レポートは、レポートの収集時点でアクセス可能な、すべてのアクティブなクラスタ ノードのデータを提供します。
一部のレポートでは、クラスタの動作に影響を与える可能性がある状態を特定するためにチェックを実行します。 ステータス メッセージには、実行されたすべてのデータ チェックの結果が表示されます。
権限のあるユーザだけが Cisco Unified Reporting アプリケーションにアクセスできます。 これには、Standard Cisco Unified CM Super Users グループ内の管理者ユーザがデフォルトで含まれます。 許可されたユーザは、レポートの表示、新しいレポートの生成、レポートのダウンロードを、グラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)で実行できます。
Standard Cisco Unified CM Super Users グループの管理者ユーザは、 Cisco Unified Communications Manager の管理のナビゲーション メニューの、 Cisco Unified Reporting などのすべての管理アプリケーションに、アプリケーションのいずれかへのシングル サインオンでアクセスできます。
RTMT は、HTTPS と TCP を使用して、システム パフォーマンス、デバイス ステータス、デバイス検出、CTI アプリケーション、音声メッセージング ポートをモニタするための、クライアント側のアプリケーションです。 RTMT は、HTTPS を使用して直接デバイスに接続し、システムの問題をトラブルシューティングします。 RTMT は次の処理を実行します。
RTMT は、SNMP トラップに加え、ハードウェア ベンダーから提供される syslog メッセージをモニタおよび解析して、これらのアラートを Alert Central に送信することができます。 アラートが発生したときに Cisco Unified CM システム管理者に通知するように RTMT を設定できます。 通知は、E メールか E ページ、またはその両方に対して設定できます。
詳細については、『Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool Administration Guide』を参照してください。
コール詳細レコード(CDR)とコール管理レコード(CMR)は、課金記録の生成やネットワーク分析など、後処理作業で使用します。 システムをインストールすると、CDR はデフォルトで有効になります。 CMR はデフォルトでは無効になっています。 CDR または CMR は、システムの動作中にいつでも有効または無効にできます。
バックグラウンド アプリケーションである CDR 管理(CDRM)機能は、次の機能をサポートしています。
CDRM には、CDR Agent と CDR Repository Manager の 2 つのデフォルトのサービスと、1 つのアクティブ化サービス CDR onDemand Service が含まれています。
詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Call Detail Records Administration Guide』を参照してください。
Cisco Unified Serviceability は、Call Detail Record(CDR)Analysis and Reporting(CAR)をサポートしており、[ツール(Tools)] メニューから使用できます。 CAR は、Quality of Service(QoS)、トラフィック、課金情報のためのレポートを生成します。 CAR は、その主な機能として、 Cisco Unified Communications Manager のユーザに関するレポートと、コール処理に関するシステムのステータスについてのレポートを生成します。 また、CAR は、CAR データベースの管理機能も実行します。 これらの作業は、次のいずれかの方法で実行できます。
CAR は、CDR Repository サービスによってリポジトリ フォルダ構造に格納されたフラット ファイルから CDR を処理します。 CAR は、スケジュールされた時間と頻度で CDR を処理します。 デフォルトでは、CDR データは 24 時間 365 日連続してロードされますが、ロード時刻、間隔、期間は必要に応じて設定できます。 また、デフォルト設定では CDR レコードだけがロードされます。 CMR レコードはデフォルトではロードされません。
CAR は、次のようなさまざまなイベントに対し、E メールによる警告を送信します。
詳細については、『Cisco Unified Communications Manager CDR Analysis and Reporting Administration Guide』を参照してください。
管理情報ベース(MIB)は、数値のオブジェクト ID(OID)を ASCII テキスト ファイルに変換するものです。 OID はデータ オブジェクトを示します。 OID は、デバイスまたはアプリケーションの特定の特性を表し、1 つ以上のオブジェクト インスタンス(変数)を持ちます。 管理対象のオブジェクト、アラーム、通知、その他の価値のある情報は、OID によって識別され、MIB にリストされます。
OID は、ツリー階層状に論理的に表現されます。 ツリーのルートは名前を持たず、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)、International Organization for Standardization(ISO)、および joint ISO/CCITT の 3 つの分岐にわかれています。
これらの分岐と、各カテゴリに含まれる分岐には、それを識別するための短いテキスト文字列と整数が割り当てられています。 テキスト文字列はオブジェクト名を表すのに対し、整数は、コンピュータ ソフトウェアが、コンパクトで符号化された名前の表現を作成するのに役立ちます。 たとえば、シスコの MIB 変数 authAddr はオブジェクト名を表しますが、この名前は、OID 1.3.6.1.4.1.9.2.1.5 の末尾の数値 5 によって示されます。
インターネット MIB 階層の OID は、ルートからオブジェクトへのパスに沿った、ノード上の数値ラベルのシーケンスを表します。 OID 1.3.6.1.2.1 は、インターネット標準 MIB を表します。 これは、iso.org.dod.internet.mgmt.mib と表現することもできます。
シスコの MIB セットは、インターネット標準 MIB II と、その他多くのインターネット標準 MIB に対するプライベート拡張である、変数の集まりを含んでいます。 RFC 1213、『Management Information Base for Network Management of TCP/IP-based Internets—MIB-II』に、MIB-II が文書化されています。